JP3016803U - 緊急時避難用背負具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 緊急時に、乳幼児または物資を早急に背負
い、避難途中の安全を考慮した構造とし、なお避難所で
は乳幼児の仮の寝床にも、また仮の飯台にも使用でき
る、背負具を提供することを目的とする。 【構成】 開口部を有する箱本体１と、これに被せる蓋
２と、蓋が離れないようにする蝶番３と、蓋が開かない
ようにする留具４と、箱を背負うための背負帯５と、箱
の内部に設けたポケット６と、蓋の前部に設けた毛布を
掛ける掛鈎７と、箱の後部に設けたバンド８と、箱の両
側に設けた通気孔９とよりなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、地震や、台風などの際、乳幼児や物資を背負って早急に避難でき 、避難所では乳幼児の仮の寝床、または仮の飯台にも利用できる背負具に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来緊急に避難するには、乳幼児は抱きかかえるか、或は背負うか前胸部へに 吊り下げるかであった。また物資の場合は背負式か、手提の中に入れて避難する などであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、これらの器具では、（１）避難専用でないため置場所が一定せず、緊 急の場合発見が遅れたり、（２）また取扱いが案外複雑な上、乳幼児の器具は乳 幼児にだけ、物資用のは物資にだけしか利用できない欠点があった。 本考案は、前記の事情に鑑みてなされたもので、上記（１）〜（２）の欠点を 解決できる上、（３）避難所に於ては、本背負具を横にして、蓋を開いて地面ま たは床面におき、衣服を用いて枕にすれば、乳幼児の仮の寝床になるほか、仮の 飯台に利用することも可能であり、（４）避難途中に予想される小落下物から防 備ができ、物資の場合多量に収容できるほか、（５）蓋の上面から箱の本体後部 に防水布にくるんだ毛布が吊り下げられ、蓋を開ければ一見して、必要とする物 品の見分がつく、緊急時避難用背負具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案が提供する緊急時避難用背負具は、上部開口部を有する箱と、箱に開閉 可能に取り付けた蓋と、蓋が離れないように設けた蝶番と、蓋が開かないように 留める留具と、箱を背負うための背負帯と、箱の内面前上部にある一対のポケッ トと、蓋の外面前部に設けた防水布にくるんだ毛布を掛けて後方に吊り下げる掛 鈎と、防水布にくるんだ毛布を箱本体後部で絞るバンドと、箱本体の両側に設け てある一対の通気孔からなる背負具である。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、幼児の場合は、前向きに一応立たせてから、前面上部にある ポケットの縁を手掛かりにしてかがませる。乳児の場合には、衣服を利用して底 部を船底状にして、両膝を屈曲して仰臥位に寝かせる。物資の場合はポケットに は軽便電燈とか缶切り、打出し小刀などを入れ、前部にはできるだけ飲食物など の重量物を入れ、後部には衣服などの軽いものを入れて、背負った時楽なように して留具で留め、蓋の前部にある掛鈎に掛輪を設けた、防水布にくるんだ毛布を 掛けて後に垂れ下げて、箱本体後部にあるバンドで絞めておく。また避難所に於 いては、本背負具を横にして、乳幼児の仮の寝床や、仮の飯台に利用できる。

【０００６】

【実施例】

図１は、緊急時避難用背負具の前面斜視図で、１は箱本体、２は蓋、３は箱か ら蓋が離れないようにする蝶番、４は箱から蓋が開かないようにする留具、５は 背負いやすいように弓状に湾曲した、前壁に設けた背負帯、箱の内面前上部には 一対のポケット６が設けてある。なお箱本体の両側には各一個所の通気孔が設け てある。 図２は、本背負具の蓋を開いた正面図であり蓋２の前部には、防水布１１にく るんだ毛布１０を吊り下げるための一対の掛鈎７がある。 図３は、本背負具に蓋２をして防水布１０にくるんだ毛布１０を掛け鈎７に掛 け、蓋２の上部から、箱本体１の後部に吊り下げ、バンド８で絞めた状態を示す 後面斜視図である。 図４は、毛布１０よりやや大きい防水布１１を準備し、其の上に毛布１０を広 げて中央から二つに折り、次に反対方向に折った上面図である。 図５は、図４のように毛布１０をくるんで、折り畳んだものを折り目のある方 を手前にして防水布１１の前縁部に一対の掛輪１２を付け、裏返して前記の掛輪 と対向した部位にも一対の掛輪を設けた所を示す上面図である。 図６は、図５のように掛輪を設けた防水布を、広げて掛輪の位置示した上面図 である。 次に使用法を説明する。幼児を収容するには、一応前向に立たせてから、ポケ ットの縁に手をからませてからかがませる。乳児の場合には、本具の底部を衣服 を以て船底状にしてから、膝を屈曲して仰臥位に寝かせる。乳幼児に使用するに は、不断から軽便電燈やおむつ添着、防護頭巾などをまとめて入れておき、緊急 時に入れ替えるようにする。 物資に利用するには、軽便電燈、缶切打出し小刀などは、ポケットに入れ飲食 物などの重いものは前部に入れ、衣服などの軽いものは後部に入れて、夏冬の季 節に応じて不断から入れておく。なお、防水布にくるんだ毛布を吊り下げるには 、本背負具の使用者が、毛布よりやや大き目の防水布を準備し、其の上に毛布を 広げ中央から二つに折り、次に反対方向に折って、折目の方を手前にして、前縁 部の防水布に一対の掛輪を設け、裏返して前に設けた掛輪に対向した部位にも掛 輪を設けて、蓋の前面にある掛鈎に掛けて後に延し、垂れ下げてバンドで絞めて おく。

【０００７】

【考案の効果】

以上説明したように、（１）本背負具は専用に製作してあるので、普段から必 要物資を入れておき緊急時に直に取り出す事ができる。（２）従来の避難具は構 造上取扱が複雑である上、乳幼児用のものは乳幼児にだけ、物資用のものは物資 だけしか使用できなかった。本背負具は、乳幼児にも物資にも使用できる。（３ ）避難所に於ては、本背負を横にして蓋を開いて地面または床面におき、衣服を 用いて枕にすれば乳幼児の仮の寝床になり、仮の飯台にすることも可能である。 （４）従来用いられている乳幼児用の器具は、繊維または皮製であり、全体を覆 うものでないため、避難途中に予想される小落下物を防護することができないが 、本背負具はそれが可能である。（５）本背負具は箱形であるため物資の場合は 多量に収容でき、蓋を開ければ一見して必要とする物品が見分けられる利点があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の箱の蓋を開いた前面斜視図

【図２】実施例の箱の蓋を開いた上面図

【図３】実施例の防水布にくるんだ毛布を蓋の上面から
後に垂れ下げバンドで絞めた後面斜視図

【図４】実施例の防水布の上に毛布を広げ中央から二つ
に折り次に反対方向に２回折り曲げた上面図

【図５】図４の前部に掛輪を設けた状態の上面図

【図６】図５の防水布を広げ掛輪の位置を示した上面図

【符号の説明】

１ 箱本体 ２ 蓋 ３ 蝶番 ４ 留具 ５ 背負帯 ６ ポケット ７ 掛鈎 ８ バンド ９ 通気孔 １０ 毛布 １１ 防水布 １２ 掛輪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部開口部を有する箱１と、箱１に開閉
   可能に取り付けた、前記上部開口部１に被せる蓋２と、
   蓋２を箱から離れないようにする蝶番３と、蓋２を開か
   ないようにする留具４と、箱１を背負やすいように箱１
   の前壁部を弓状に設けた背負帯５と、箱１の内面前上部
   に設けた一対のポケット６と、蓋２の前面に防水布１１
   にくるんだ毛布１０に取り付けた掛輪１２を掛ける掛鈎
   ７と、防水布にくるんだ毛布を絞る箱本体１の後に設け
   たバンド８と、箱本体１の両側に各一個所設けた通気孔
   ９とよりなる、緊急時避難用背負具。