JP3016739U - ティーポット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 押し棒による出水調整が行える内カップを有
するティーポット。 【構成】 ティーポット本体内部に着脱自在に取り付け
た内カップの縁に一体成形で一中空貫通槽を結合し、該
中空貫通槽中に圧縮ばねを遊貫する押し棒を設け、押し
棒の上端は上蓋より突出させ、且つ押し棒下端は一つの
てこ運動を行う撥ね板を勾持するものとし、該撥ね板の
別端で内カップ本体底部の漏水孔を閉塞可能な止水球を
支承する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一種のティーポットに関し、特に簡単な連接棒構造で押圧動作を止 水球の急須底部の出水口を退出させる動作に転換することを利用し、快速、簡単 に茶を入れることができるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のティーポットは、図１に示されるような構造を有するものが代表的であ る。その構造は、カップ状のティーポット本体１の上方に着脱自在に内カップ２ を設け、該内カップ２の底部に一つの穿貫する漏水孔３を設け、一つの漏水孔３ を覆う濾網４を漏水孔３の上方に設け、出水及び止水の制御機構として上記濾網 ４の中心を遊貫するスチールワイヤー５の下端に止水球６を連結し、さらに内カ ップ２の上に蓋をする上蓋７を設けてなる。その特徴は、内カップ２の上端外側 に延伸するスチールワイヤー５を利用し、内カップ２中の茶葉が湯で十分にほぐ れて茶が出るのを待って、スチールワイヤー５を引出し、もって止水球６の漏水 孔３を塞ぐ止水球６を退出させて、ティーポット本体１内に茶を注ぐことであり 、この方式により十分に茶葉をほぐしてその風味を出し、ティーポット本体１に 溜まった茶湯を各自の湯飲みに注ぎ分けることで、速やかに茶を入れることがで きる。

【０００３】 しかし、上記の従来のティーポットは、使用時に以下の欠点が存在した。それ は、使用者がスチールワイヤー５を引く動作を行う時、力を入れすぎるとスチー ルワイヤー５と止水球６の結合部分が分離するという損壊を招くことであり、ま たスチールワイヤー５が引き出される最大行程においてもストッパ等による制限 が設けられていないことであり、この点での改善が求められていた。 さらに、上記従来のティーポットにおける出水制御方式は、スチールワイヤー ５を引っ張る方式により達成されるが、ティーポット全体の重量は非常に重いた め、あまり操作に慣れてない人が操作すると、引っ張る力が強すぎて倒れること があり、危険であった。これが改善を求められる第２の点であった。

【０００４】 また、従来のティーポットはその構造において、スチールワイヤー保護管５Ａ を濾網４の中央部に設けており、故に茶葉を捨てる時に茶葉がひっかかり、逆さ まにしても完全に捨てきれないことがあり、使用上不便であった。且つこのこと は即ち、濾網４を全体を洗わなければ完全にきれいにできず、そうしてから止水 球６の位置を漏水孔３上に合わせて濾網４を内カップ２上に設置する必要があり 、ゆえに、茶葉の掃除し易さが改善を求められる第３の点であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題】

本考案は主に、ティーポット本体とその中に着脱自在に設置されて底にティー ポット本体内に茶湯を注ぐための漏水孔を有するティーポットにおいて、従来の 出水制御の操作方式を改善し、使用者が軽く押すだけで間接的に止水球を持ち上 げて内カップの底の漏水孔より茶湯を注ぐことができるものとし、速やかに且つ 簡単に茶を入れることができるものとすることを課題とする。

【０００６】 本考案は次に、上記ティーポットにおいて、従来のスチールワイヤーを引張る 出水操作方式に代えて、軽く押すだけで出水制御が行える構造を採用することで 操作方式を簡単にするだけでなく、耐用性を増進することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案のティーポットは、ティーポット本体内部に着脱自在に取り付けた内カ ップの縁に一体成形で一中空貫通槽を結合し、該中空貫通槽中に圧縮ばねを遊貫 する押し棒を設け、押し棒の上端は上蓋より突出させ、且つ押し棒下端は一つの てこ運動を行う撥ね板を勾持するものとし、該撥ね板の別端で内カップ本体底部 の漏水孔を閉塞可能な止水球を支承する。

【０００８】

【作用】

使用者が押し棒の上端を軽く押圧すると、押し棒が撥ね板を押圧し、撥ね板の 別端が止水球を押し上げ、これにより間接的に内カップ底部の漏水孔を開放して 茶湯を漏出させることができる。

【０００９】

【実施例】

図２、図３に示されるように、本考案の構造は基本的には内カップ本体１０を 設け、カップ縁を外向きに拡張突出させてティーポット本体に支承される広縁１ １を形成する。そして内カップ本体１０のカップ縁の一側部に一体成形により一 中空貫通槽１２を保留して設け、該槽中には一つの肩部１２１を設ける。また内 カップ本体１０の底板には一漏水孔１３と複数の脚板１４を設け、そのうち並列 する一対の脚板上に一ピン孔１４１を削設する（図５参照）。

【００１０】 図６、７に示されるように、本考案の押し棒２０は、桿体の軸周に上から下に それぞれロック溝２０１、肩部２０２、環状溝２０３を設ける。その押しボタン ２１は、外形的には該押し棒２０の軸径と同じ大きさの内孔２１１を有するもの とし、開口部に内にやや突出するフック端２１２を設け、組合せ時には押しボタ ン２１を押し棒２０上端に被せて該フック端で該ロック溝２０１を勾持し結合さ せる。

【００１１】 図７中には本考案の撥ね板３０が示される。該撥ね板３０の両側はそれぞれ板 体より下に折り曲げて左右対称の垂直壁３１を形成し、該二垂直壁３１上には水 平方向の一ピン孔３１１を削設する。該撥ね板３０の前端部は板体より上に折り 曲げて頂撃点３０１を形成し、さらに滑り溝３０２を平面板体の上に設け、滑り 溝３０２の前端に滑り溝３０２の幅より大きな直径を有する穿入孔３０３を設け る。

【００１２】 図３、４に示されるように、濾網４０は中央部が突出した蓋体とし、その外縁 に耐熱無毒ＰＣ環４１（ポリカーボネイト樹脂：俗称ＰＣ）結合し、網板上には ねじ部品４２による締結に供するねじ孔４２を設ける。

【００１３】 組合せ時には、まず、スチールボールである止水球５０を内カップ本体１０内 に置き入れ、さらに濾網４０をその上に被せ、ねじ部品４２をその上のねじ孔４ ３にねじ込んで固定し、押し棒２０に下から圧縮ばね２０４を遊貫させた後、中 空貫通槽１２内に置き入れ、これにより圧縮ばね２０４を中空貫通槽肩部１２１ と押し棒肩部２０２の間に設置する。押し棒２０の底端の環状溝２０３の所は、 撥ね板３０の穿入孔３０３に穿入してから滑り溝３０２内に滑入させて固定し、 さらに一ピン３２でカップ本体底部の脚板１４のピン孔１４１と撥ね板３０上の ピン孔３１１を連結し、撥ね板３０の頂撃点３０１と止水球５０の下端を支承す る。また押しボタン２１を押し棒２０の上端に被せ、さらに上蓋６０を内カップ 本体１０のカップ口に被せ、以上によりその組合せを完成する。

【００１４】 図９、１０に示されるのは、本考案のもう一つの望ましい実施例である。該実 施例では、内カップ組合せ時に、まず円桿８１を一段を呈するように上に折り曲 げ、該弯折部をばね８２に側方より進入させた後、スチールボール８３の上方に 結合して一体とし、スチールボール８３を漏水孔７１上に置く。円桿８１の一端 の押圧により、円桿８１は内カップ本体１０内底面より突出させたリブ７２を支 点とし、てこ運動を形成し、スチールボール８３は漏水孔７１上で引き上げられ 茶湯が漏出する。

【００１５】 この第２の実施例では、濾網８０は上方が平面の円錐状を呈し、その縁は耐熱 無毒ＰＣ環８４で包覆する。さらに耐熱無毒ＰＣ環８４を濾網８０の円錐面に沿 って延伸して三つの耐熱無毒ＰＣ環８４を等間隔に分ける同形状の支部８４１（ 図９にはその一支部が示される）を形成する。三支部８４１上端は共同で濾網８ ０上の平面周囲の中空状の環状部に連接し、それが該環状部を三等分する位置の 下面に該環状部から下に延伸する位置決め支柱８４２を設ける。瀘網８０はねじ 部品で内カップ本体７０の底部に締結する。そして平面視でその底端が共同で正 三角形を呈する三位置決め支柱８４２により、スチールボール８３を確実に漏水 孔７１上に位置決めすることができ、上記ばね８２は三位置決め支柱８４２の中 に設置する。

【００１６】 該実施例においては、押し棒９１は押しボタン９１１と円桿９１２を一体に成 形する。さらに円桿９１２の両側を延伸して傾斜度を有するリブ９１３を形成す る。上蓋９２には押し棒９１を穿設するための穿孔９２を設け、且つ内カップ本 体７０周縁の切欠き７３部分を挟持する固定挟持スリーブ９３１を設け、押し棒 ９１を上蓋９２の穿孔９２さらに固定挟持スリーブ９３１に穿設し、その後押し 棒９１を旋回させて適当な角度として押し棒９１と固定挟持スリーブ９３１をロ ック状態とする。押し棒９１は並びに耐熱無毒ＰＣ環８４の逆凹形受け座８４３ に穿設し、押し棒９１底端を円桿８１に当接させ、押し棒９１に軸方向の圧力を 加えると、スチールボール８３が引き上げられるようにする。且つ内カップ本体 ７０の周縁にはその切欠き７３に相対する位置に通気槽９４を設け、これにより 内カップ本体７０内の空気に対流を発生させ、茶湯を順調に注げるようにする。 このほか内カップ本体７０の内壁はある傾斜度を有するものとし、内カップ本体 ７０内の茶かすを内カップ本体１０を倒して捨てやすくしている。

【００１７】 以上の部品を組合せ、押しボタン９１１に加圧すると、押し棒９１が円桿８１ の外端を押圧して相対的に内端を持ち上げ、これによりスチールボール８３が漏 水孔７１より上に持ち上げられ、茶湯を流出させる。押し棒９１に対する軸方向 の推力が消失すると、スチールボール８３は三位置決め支柱８４２とばね８２の 弾力作用により、迅速に漏水孔上に位置決めされ、茶湯の漏出を防止する。

【００１８】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案は軽くその押し棒を押し下げるだけで、押し棒が撥 ね板を連動させ、該撥ね板のてこ運動により、撥ね板内端が支承する或いは撥ね 板内端の下に連接する止水球を内カップ本体底部の漏水孔より上に持ち上げるこ とができ、これにより茶湯をティーポット本体内に注げる内カップを設けたティ ーポットであって、上記内カップの構造により、迅速に茶が入れられ便利であり 、内カップの出水調整が容易に行え、従来のような外部のスチールワイヤー外端 を引っ張って内カップ本体内の止水球を引き上げる方式を用いないために、その 欠点であった関連部分の破損や、出水調整の難しさ、さらにティーポット本体が 倒れる事故を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のティーポットの分解斜視図である。

【図２】本考案のティーポットの外観斜視図である。

【図３】上記図２のＡ−Ａ線における断面図である。

【図４】上記図２のＢ−Ｂ線における断面図である。

【図５】本考案の内カップの底面図である。

【図６】本考案の押し棒の側面図である。

【図７】本考案の撥ね板の三視図である。

【図８】本考案のもう一つの実施例の内カップの斜視図
である。

【図９】上記図８の実施例の分解斜視図である。

【図１０】上記図８の実施例の断面図である。

【符号の説明】

１・・・ティーポット本体 ２・・・内カップ ３・・
・漏水孔 ４・・・濾網 ５・・・スチールワイヤー ５Ａ・・・スチールワイヤー保護管 ６・・
・止水球 １０・・・内カップ本体 １１・・・広縁 １２・・・
中空貫通槽 １３・・・漏水孔 １４・・・脚板 １２１・・・
中空貫通槽肩部 １４１・・・ピン孔 ２０・・・押し棒 ２０１・・・ロック溝 ２０２・・・押し棒肩部 ２０３・・・環状溝 ２１・・・押しボタン ２１
１・・・内孔 ２１２・・・フック端 ２０４・・・圧縮ばね ３０・・・撥ね板 ３１・・・垂直壁 ３１１・・・ピン孔 ３０１・・・頂撃点 ３０２・・
・滑り溝 ３０３・・・穿入孔 ３２・・・ピン ４０・・・濾網 ４１・・・耐熱無毒ＰＣ環 ４２・・・ねじ部品 ４３・・・ねじ孔 ５０・・・止水球 ６０・・・上蓋 ７０・・・内カップ本体 ７１・・・漏水孔 ７２・・・リブ ７３・・・周囲切欠き部 ８０・・・濾網 ８１・・・円桿 ８２・・・ばね ８３・・・スチールボー
ル ８４・・・耐熱無毒ＰＣ環 ８４１・・・耐熱無毒Ｐ
Ｃ環支部 ８４２・・・位置決め支柱 ８４３・・・逆凹形受座 ９０・・・上蓋 ９１・・・押し棒 ９１１・・・押しボタン ９１２・・・円桿 ９１３・・・リブ ９２・・・穿孔 ９３・・・固定挟持スリーブ ９３１・・・狭持スリー
ブ穿孔 ９４・・・通気槽

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カップ状としてそのカップ上縁を外に拡
   張してティーポット本体上端に支承するための広縁を形
   成し、底には漏水孔を設け、壁の一側部には一体成形に
   より内に肩部を有する中空貫通槽を設け、底面には底板
   を設けて複数の脚板を設け、そのうち一対の脚板は並列
   させてピン孔を設けた、内カップ本体と、 軸外周上に上から下にロック溝、押し棒肩部、環状溝を
   設けた軸桿柱状の押し棒と、 板体の後方両側を下に折り曲げ二垂直壁としてそれにピ
   ン孔を設け、前端を上に折り曲げてその上端に頂撃点を
   設け、平面板体上に滑り溝を設け、該滑り溝の前端に溝
   幅より孔径の大きい穿入孔を設けた、撥ね板と、を有
   し、 スチールボールとした止水球を上記内カップ本体内に置
   き入れ、中央を突出させた濾網でその上を覆い、上記押
   し棒を上記中空貫通槽内に穿入しピンで固定し、該押し
   棒が遊貫する圧縮ばねを上記中空貫通槽肩部と押し棒肩
   部の間に装着し、押し棒底端の上記環状溝を撥ね板の穿
   入孔に穿入して滑り溝に滑入して固定し、ピンで上記撥
   ね板の垂直壁をそれらのピン孔にて枢接し、上記撥ね板
   の頂撃点で上記止水球の底端を支承する、以上を特徴と
   する、ティーポット。
2. 【請求項２】 押しボタンを前記押し棒上端に被せる、
   請求項１に記載のティーポット。
3. 【請求項３】 前記濾網の外周縁には耐熱無毒性のポリ
   カーボネート環を設ける、請求項１に記載のティーポッ
   ト。
4. 【請求項４】 前記押し棒は押しボタンと円桿を一体成
   形により結合して成し、円桿表面には傾斜度を有するリ
   ブを設け、該押し棒を上蓋と別に設けた内カップ本体上
   端の切欠きを挟持する固定挟持スリーブと、前記耐熱無
   毒性のポリカーボネート環の逆凹形受け座に穿設し、該
   円桿底端を別の弯折部を有する円桿に当接させ、該弯折
   部を有する円桿の弯折部をばねに側方より進入させた後
   に止水球の上方と結合し、該弯折部を有する円桿を内カ
   ップ本体底部より突出するリブで支承し、押し棒への加
   圧により押し棒が弯折部を有する円桿にてこ運動を行わ
   せて止水球を漏水孔より上に持ち上げることを特徴とす
   る、請求項１に記載のティーポット。
5. 【請求項５】 前記耐熱無毒性のポリカーボネート環で
   上部が平面である円錐状濾網辺縁を包覆し、これを内カ
   ップ本体底に鎖結しそれより濾網の円錐面に沿って三つ
   の同じ形状の棒形支部を延伸して設け、該支部に濾網上
   の平面で一中空環部を形成させ、該環部を三等分して下
   に延伸して位置決め支柱を設け、その中央にばねを収容
   し、上昇時の止水球を漏水孔上に位置決め可能な、請求
   項４に記載のティーポット。
6. 【請求項６】 前記内カップ本体の周縁にはその切欠き
   に相対する位置に相対応する位置に一通気槽を設ける、
   請求項４に記載のティーポット。
7. 【請求項７】 前記内カップ本体内壁は一傾斜度を呈す
   るものとする、請求項４に記載のティーポット。