JP3015766B2 - 半導体リードフレームのメッキ方法およびその装置 - Google Patents

半導体リードフレームのメッキ方法およびその装置

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JP3015766B2 JP9293369A JP29336997A JP3015766B2 JP 3015766 B2 JP3015766 B2 JP 3015766B2 JP 9293369 A JP9293369 A JP 9293369A JP 29336997 A JP29336997 A JP 29336997A JP 3015766 B2 JP3015766 B2 JP 3015766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体を実装した
リードフレームに均質な厚さのメッキを施すことができ
るメッキ方法およびその装置に関し、特に簡単な構造で
様々なサイズの半導体実装のリードフレームに即対応す
ることができるメッキ方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のメッキ装置においては、
メッキを施すリードフレームより大面積に設定された陽
電極をメッキ槽に配置し、これに陰電極に接続したリー
ドフレームを前記陽電極に対向するように浸漬してメッ
キするようになされている。このような配置構造を取る
場合、そのままでは通電時にリードフレーム端部へ集中
した電流分布の状態となることにより、その分リードフ
レーム端部のメッキ膜厚が厚くなってしまうという特性
がある。このため、従来では、例えば特開平5−315
505号公報に記載された従来技術の様に、陽電極とリ
ードフレームとの間に電流が均一に流れるようにするた
めに、種々サイズ、形状のリードフレームに対応した開
口部を有する個別対応形式の遮蔽板をリードフレームと
陽電極の間にそれぞれ配置するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術の様に、陽電極とリードフレームとの間に電流が
均一に流れるようにするために、リードフレームに対応
した開口部を有する遮蔽板をリードフレームと陽電極の
間に配置するような構造では、前記のように種々のサイ
ズのリードフレームに対応した開口部を有する遮蔽板を
用意しなければならないという問題があった。また、そ
の準備とセットに要する人手と時間が余分に掛かるし、
それだけ生産性に影響を与えていることになる。それに
近年さらに性能,機能が多様化している半導体装置のフ
レームサイズに対応しなければならず、しかも多品種少
量生産に対処するための管理が繁雑化しているなどの問
題がある。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的とするところは、半導体
を実装したリードフレームに均質な厚さのメッキを施す
ことができ、特に簡単な構造で様々な規格の半導体実装
リードフレームに即対応することができるメッキ方法お
よびその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに本発明請求項1記載の半導体リードフレームのメッ
キ方法では、一定の平行な間隔を有して一対の陽電極を
メッキ位置に垂直配置し、半導体を実装したリードフレ
ームを前記陽電極の間に挿入するようにしてメッキ液に
浸漬し、該リードフレームを陰電極として前記陽電極と
の間に通電することにより前記リードフレームにメッキ
処理をするようにした半導体リードフレームのメッキ方
法において、陽電極同士の隙間内下方または隙間下端に
接して水平配置した水平隔壁板をリードフレーム下縁全
長に当接させ、かつリードフレーム上縁までメッキ液を
満たすことにより、陽電極面と、該陽電極面に相対する
リードフレーム面とに挟まれた空間内に形成される液中
通電領域をリードフレームの高さと略同一に画成し、か
つ、前記水平隔壁板が多数の貫通孔を有し、かつ水平隔
壁板周囲から下方に垂直壁を周設して該水平隔壁板下方
に閉塞空間を配置し、該閉塞空間内にメッキ液を圧送す
ることにより、前記貫通孔のみを介してメッキ液を前記
液中通電領域へ流入させた状態でメッキ処理することと
した。
【0006】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ方法では、請求項1記載の半導体リードフレームの
メッキ方法において、前記陽電極同士の両側方隙間内ま
たは側方隙間に沿ってそれぞれ垂直配置した垂直隔壁板
を前記リードフレームの両側縁全長に接して配置させる
ことにより、前記液中通電領域の垂直断面がリードフレ
ームによる陰電極面と略同一となるように画成した状態
でメッキ処理することとした。
【0007】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、一定の平行な間隔を有して一対の陽電極
をメッキ位置に垂直配置し、半導体を実装したリードフ
レームを前記陽電極の間に挿入するようにしてメッキ液
に浸漬し、該リードフレームを陰電極として前記陽電極
との間に通電することにより前記リードフレームにメッ
キ処理をするようにした半導体リードフレームのメッキ
装置において、前記リードフレーム下縁の全長に当接可
能にして陽電極同士の隙間内下方または隙間下端に接し
て水平配置した水平隔壁板と、該水平隔壁板に下縁を沿
わせて配置したリードフレームの上縁まで供給されるメ
ッキ液とを備え、前記水平隔壁板に多数の貫通孔を開設
すると共に、垂直隔壁で前記水平隔壁板を囲繞して該水
平隔壁板下方に閉塞空間を画成し、該閉塞空間に連通す
るメッキ液の供給路を設けた構成とした。
【0008】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、請求項3記載の半導体リードフレームの
メッキ装置において、前記陽電極同士の両側方隙間内ま
たは側方隙間に沿って配置され前記水平隔壁板上に配置
したリードフレームの両側縁全長に沿ってそれぞれに垂
設される垂直隔壁板を有する構成とした。
【0009】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、請求項4記載の半導体リードフレームの
メッキ装置において、前記垂直隔壁板に多数の貫通孔を
開設した構成とした。
【0010】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、請求項4または請求項5記載の半導体リ
ードフレームのメッキ装置において、前記垂直隔壁板の
上縁高さを前記リードフレームの上縁高さと略同一高さ
に形成した構成とした。
【0011】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、請求項4ないし請求項6のいずれかの項
に記載の半導体リードフレームのメッキ装置において、
前記垂直隔壁板の少なくとも一方をリードフレームの水
平配置方向に横移動自在に形成した構成とした。
【0012】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、請求項4ないし請求項7のいずれかの項
に記載の半導体リードフレームのメッキ装置において、
前記垂直隔壁板をメッキ位置に着脱自在に設けた構成と
した。
【0013】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、請求項3ないし請求項8のいずれかの項
に記載の半導体リードフレームのメッキ装置において、
前記水平隔壁板を上下移動自在に形成した構成とした。
【0014】請求項10記載の半導体リードフレームの
メッキ装置では、請求項3ないし請求項9のいずれかの
項に記載の半導体リードフレームのメッキ装置におい
て、前記水平隔壁板をメッキ位置に着脱自在に設けた構
成とした。
【0015】
【作用】請求項1記載の半導体リードフレームのメッキ
方法では、液中通電領域をリードフレームの高さと略同
一に画成したため、リードフレームの上下縁部に回り込
む電流を阻止することにより、リードフレームサイズよ
り大きな陽電極を使用しても、リードフレームの上下方
向において均等な膜厚のメッキ処理を行なう。この場
合、前記液上面がメッキ液の流入などによって波打つ場
合でも、その谷部にリードフレームの上縁を合わせるこ
とによって、上・下縁ともほぼ同一条件にできる。そし
て、閉塞空間内から液中通電領域内にメッキ液を供給す
ることで、供給メッキ液を攪拌状態にして効率よくリー
ドフレームに接触させ、リードフレームに均等な膜厚の
メッキ処理を行なう。
【0016】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ方法では、陽電極のリードフレームに対する見掛け
面積を略一致させることで、リードフレームの全周縁に
メッキ時の電流が集中するのを阻止し、リードフレーム
の全面に均等な膜厚のメッキ処理を行なう。
【0017】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、液中通電領域をリードフレームの高さと
略同一に画成したため、リードフレームの縁部に回り込
む電流を阻止することにより、リードフレームサイズよ
り大きな陽電極を使用しても、リードフレームに均等な
膜厚のメッキ処理を行なう。この場合、閉塞空間内から
液中通電領域内にメッキ液を供給しリードフレーム周辺
への供給メッキ液を攪拌状態にして効率よくリードフレ
ームに接触させ、リードフレームに均等な膜厚のメッキ
処理を行なう。
【0018】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、陽電極のリードフレームに対する見掛け
面積を略一致させることで、更に、リードフレームの全
周縁にメッキ時の電流が集中するのを阻止し、リードフ
レームの全面に均等な膜厚のメッキ処理を行なう。
【0019】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、閉塞空間内から液中通電領域内にメッキ
液を供給しリードフレーム上縁側からオーバーフローさ
せ、及び/または垂直隔壁板側からも外部へ排出させる
ことで、供給メッキ液をより攪拌状態にして効率よくリ
ードフレームに接触させ、リードフレームに均等な膜厚
のメッキ処理を行なう。
【0020】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、閉塞空間内から液中通電領域内にメッキ
液を供給しリードフレーム上縁側からと垂直隔壁板側か
らも外部へオーバーフローさせることで、供給メッキ液
を更に攪拌状態にして効率よくリードフレームに接触さ
せ、リードフレームに均等な膜厚のメッキ処理を行な
う。
【0021】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、セットしたリードフレームの側縁に沿う
まで垂直隔壁板を移動させることにより、様々なリード
フレームサイズに対応した液中通電領域を確実に形成で
きるから、一組みの隔壁板で様々なサイズのリードフレ
ームに均等な膜厚のメッキ処理を行なう。
【0022】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、特定のリードフレームに適した垂直隔壁
板と取り替えるなどの段取り替えを可能とし、装置の利
用範囲を拡大する。
【0023】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置では、陽電極同士の隙間下方に配置した隔壁板
をリードフレームの最適な浸漬深さに調整することがで
きるから、様々なサイズのリードフレームに対応してメ
ッキ時の電流が上・下縁部に集中するのを阻止し、様々
なサイズのリードフレームに均等な膜厚のメッキ処理を
行なう。
【0024】請求項10記載の半導体リードフレームの
メッキ装置では、特定のリードフレームに適した水平隔
壁板とあるいは垂直隔壁板と共に取り替えるなどの段取
り替えを可能とし、装置の利用範囲を拡大する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1,図2を用いて説明する。図1および図2は、
本発明の一実施の形態による半導体リードフレームのメ
ッキ装置を示す正面側断面図および側面側断面図であ
る。尚、本実施の形態ではリードフレームの長辺を水平
方向に、また短辺を垂直方向に向けてセットする方法で
説明する。図において、1はメッキ槽の外側を構成する
第1槽であり、外周面を摺動用とするロッド2が両側面
中央部にそれぞれ突設されている。
【0026】3は前記メッキ槽の内側を構成する第2槽
であり、前記第1槽1の周囲に空間部11を設けるよう
にし、さらにメッキ液12のオーバーフローライン13
とする上端を前記第1槽1の上端より低くなるようにし
て該第1槽の内部に配置されている。また、この第2槽
の内底部には、後述する隔壁板昇降部4のガイドを兼用
する角筒状に形成された垂直隔壁14が突設されてい
る。この角筒状の垂直隔壁14は、図外のポンプから供
給されるメッキ液をここで一旦受け入れるように水平隔
壁板6及び固定側垂直隔壁板5,5の先端部18周囲を
摺動自在に囲うように設けられている。この構成によ
り、水平隔壁板6の下方に閉塞空間24が形成される。
15はメッキ液12の導入口であり、前記閉塞空間24
の内部と前記ポンプとを連通させている。16は前記第
2槽に導入したメッキ液12がオーバーフローライン1
3から流出したメッキ液をポンプ側に戻すための排出口
である。図中白抜きの矢印はメッキ液の流動方向を示し
ている。
【0027】4は前記した隔壁板昇降部であり、両端に
有する水平連結部17の槽外配置側がそれぞれ前記ロッ
ド2に摺動自在に装着され、その状態で該水平連結部1
7の槽内配置側から、それぞれ先端部18が前記ガイド
板14の内側同士に摺動自在に挿入するようにして固定
側垂直隔壁板5が垂設されている。6は前記固定側垂直
隔壁板5同士の間に固定された水平隔壁板であって、そ
の上方部分には、前記第2槽のオーバーフローライン1
3より下方にリードフレーム19が横長で垂直の状態に
して収容できる。
【0028】7は前記固定側垂直隔壁板5の一方側のみ
に設けられた横移動側垂直隔壁板であって、前記水平連
結部17上に摺動自在に配置された隔壁板横移動部20
の先端に垂設されている。また、前記隔壁板横移動部2
0には、リードフレーム19の長辺(水平配置されてい
る)方向に向けた長穴21が開設され、前記水平連結部
17に対しボルト22にて保持されている。そして、前
記固定側垂直隔壁板5、水平隔壁板6、横移動側垂直隔
壁板7はそれぞれ絶縁体によって略同一幅に形成されて
同一並びに配置されると共に、それぞれ貫通孔23が多
数開設されている。
【0029】8は一対の陽電極であって、メッシュケー
スにメッキ用金属材、例えばハンダボールを収容して設
けられ、前記固定側垂直隔壁板5、水平隔壁板6、横移
動側垂直隔壁板7のそれぞれの端縁に接するようにして
前記第2槽に固定されている。9は陰電極であって、同
時開閉するようにした3連のグリップ状に形成されてい
る。
【0030】次に、本実施の形態の作用を説明する。各
隔壁板を予めリードフレームサイズに合わせ所定位置に
設定する。まず、隔壁板昇降部4を昇降させ、オーバー
フローライン13から水平隔壁板6までの距離を今回メ
ッキ処理するリードフレーム19の短辺側寸法に合わせ
ておく。もしくは供給する液量を調整することで深さ寸
法を合わせる。尚、メッキ液が攪拌によって波打つ場合
は、リードフレームの上縁を波の谷部に合わせるとよ
い。次に、隔壁板横移動部20を第1槽1の中央方向に
移動させることにより、横移動側垂直隔壁板7をリード
フレーム19の長辺寸法に合わせる。これにより、リー
ドフレームと陽電極との間にそのリードフレームサイズ
と同等サイズの陽電極面に制限した液中通電領域25が
創成される。この設定後リードフレーム19を挿入して
いく。
【0031】前記の状態でリードフレーム19は、液中
部分で、一方の側縁に当接した横移動側垂直隔壁板7
と、他方の側縁に当設した固定側垂直隔壁板5と、下縁
に当接した水平隔壁板6と、で囲繞された状態となり、
前記陽電極8の余分に幅広い部分を電気的に隔離するこ
とになる。この状態でメッキ液を閉塞空間24内に供給
することにより、水平隔壁板6の貫通孔23を介しメッ
キ液が液中通電領域25内に供給され、新鮮なメッキ液
が直接リードフレーム表面に接触し、効率的にメッキ処
理される。また、リードフレーム19の上縁は液面と略
同一レベルとなることから、陽電極にそれ以上の幅広い
部分があっても、その液面によって制限されることにな
る。従って、陽電極8と陰電極9との間に直流電流を供
給すると、液中通電領域25がリードフレームサイズに
制限され、余分な陽電極部分からの電流の回り込みが阻
止され全体的に電流密度が均等化される。このため、リ
ードフレームの全面に均等な膜厚のメッキを施すことが
できる。
【0032】図3,図4は従来装置と本実施の形態の装
置によるメッキ性能の比較テストを行なった結果を示し
ており、いずれも縦軸にメッキ膜厚、横軸に測定位置を
設定している。図3(イ)はそのテストに使用したリー
ドフレームを示している。図中50は半導体が実装され
たリードフレーム、51は実際にメッキが施されるアウ
タリード部である。各グラフにおけるマークはリードフ
レーム図における縦線と横線との交点位置の膜厚を示し
ている。図3(ロ)は従来装置によるテスト結果であ
り、グラフで示すように、横軸の1では系列1が飛び抜
けて厚くなっており、またその他の部分では系列1と系
列3との膜厚の差が大きなものとなっている。つまり、
この結果からリードフレーム上縁への電流の回り込みが
発生していることが解る。これに対し、図4で示す本実
施の形態の装置によるテスト結果では、全体的に膜厚が
一定し、±2μmのレンジが得られている(従来装置で
は±4μm程度である)。
【0033】また、図5,図6は別のテスト結果(測定
位置を左右対称位置とした)を示しており、図5が従来
装置によるもの、図6が本実施の形態の装置によるもの
である。図5によれば左右端の膜厚が大きく、また全体
に膜厚が乱れている(最大8μmの差がある)。これに
対し図6、つまり本実施の形態の装置では、全体に均一
な膜厚が得られている(最大2μmの差がある)。
【0034】以上説明してきたように、本実施の形態の
半導体リードフレームのメッキ装置によれば、液中部分
ではリードフレーム19より幅広い陽電極8を、前記リ
ードフレーム19を囲繞した隔壁板5,6,7で隔離し
ているから、リードフレーム19の縁部にメッキ時の電
流が集中するのを阻止し、リードフレーム19の全面に
均等な膜厚のメッキ処理を行なうことができる。
【0035】また、陽電極8同士の間に挿入したリード
フレーム19の下縁と両側縁が隔壁板5,6,7で陽電
極8の余分な部分から隔離され、リードフレーム19の
上縁をオーバーフローライン13に合わせることによっ
てその上縁も隔離される。従って、リードフレーム19
より幅広い陽電極8を、そのリードフレーム19に対向
した面を実質リードフレーム19と同等の面積とするこ
とができる。そして、この場合、リードフレーム19の
側縁に配置する横移動側垂直隔壁板7の横方向位置を調
整することによって、様々なサイズのリードフレームに
対応させることができる。従って、その準備とセットに
要する人手と時間が省力化され、それだけ生産性を上げ
ることができる。それに近年さらに性能,機能が多様化
している半導体装置のフレームサイズに即対応し、しか
も多品種少量生産に対処するための管理を極めて簡単に
できる。
【0036】リードフレーム19の縁周りに隔壁板5,
6,7を配置してリードフレーム19を囲ってしまって
も、隔壁板外からのメッキ液12の流通を貫通孔23を
介して良好にし、メッキの効率や品質を良く維持するこ
とができる。
【0037】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
変更などがあっても、本発明に含まれる。
【0038】例えば、水平、垂直隔壁板の移動、位置設
定を自動調整できるように駆動制御手段を設けることも
できる。この場合は尚一層効率のよい作業を行うことが
できる。更に、そうすることによって、リードフレーム
の外形寸法(高さ、幅、厚みなど)を入力するだけで、
直ちにメッキ処理することも可能となり、個別遮蔽板を
必要とするかぎり従来不可能であった自動化、省力化が
実現できる。
【0039】また、隔壁板は特定のリードフレームサイ
ズに合わせ固定側垂直隔壁板5,5と、水平隔壁板6と
の組み合わせでのみで略コ字状に形成したものを複数種
類用意しておき、段取り替えのとき一式取り替えるよう
にしても良い。この場合は小品種大量生産に適してい
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の半導体リードフレームのメッキ方法にあっては、
前記方法を採用したため、液中通電領域をリードフレー
ムの高さと略同一に画成したため、リードフレームの縁
部に回り込む電流を阻止することにより、様々なリード
フレームサイズに対応した陽電極を使用しても、リード
フレームに均等な膜厚のメッキ処理を行なうことができ
るという効果が得られる。また、閉塞空間内から液中通
電領域内にメッキ液を供給することで、供給メッキ液を
攪拌状態にして効率よくリードフレームに接触させ、リ
ードフレームに均等な膜厚のメッキ処理を行なうことが
できるという効果が得られる。
【0041】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ方法にあっては、前記方法を採用したため、陽電極
のリードフレームに対する見掛け面積を略一致させるこ
とで、更に、リードフレームの全周縁にメッキ時の電流
が集中するのを阻止し、リードフレームの全面に均等な
膜厚のメッキ処理を行なうことができるという効果が得
られる。
【0042】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、液中通電領
域をリードフレームの高さと略同一に画成したため、リ
ードフレームの縁部に回り込む電流を阻止することによ
り、様々なサイズのリードフレームに対応した陽電極を
使用しても、リードフレームに均等な膜厚のメッキ処理
を行なうことができるという効果が得られる。また、閉
塞空間内から液中通電領域内にメッキ液を供給しリード
フレーム上縁側からオーバーフローさせることで、供給
メッキ液を攪拌状態にして効率よくリードフレームに接
触させ、リードフレームに均等な膜厚のメッキ処理を行
なうことができるという効果が得られる。
【0043】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、陽電極のリ
ードフレームに対する見掛け面積を略一致させること
で、更に、リードフレームの全周縁にメッキ時の電流が
集中するのを阻止し、リードフレームの全面に均等な膜
厚のメッキ処理を行なうことができるという効果が得ら
れる。
【0044】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、閉塞空間内
から液中通電領域内にメッキ液を供給しリードフレーム
上縁側からオーバーフローさせ、及び/または垂直隔壁
板側から外部へ排出させることで、供給メッキ液をより
攪拌状態にして効率よくリードフレームに接触させ、リ
ードフレームに均等な膜厚のメッキ処理を行なうことが
できるという効果がえられる。
【0045】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、閉塞空間内
から液中通電領域内にメッキ液を供給しリードフレーム
上縁側からと垂直隔壁板側からも外部へオーバーフロー
させることで、供給メッキ液を更に攪拌状態にして効率
よくリードフレームに接触させ、リードフレームに均等
な膜厚のメッキ処理を行なうことができるという効果が
得られる。
【0046】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、セットした
リードフレームの側縁に沿うまで垂直隔壁板を移動させ
ることにより、様々なリードフレームサイズに対応した
液中通電領域を確実に形成できるから、一組みの隔壁板
で様々なサイズのリードフレームに均等な膜厚のメッキ
処理を行なうことができるという効果が得られる。
【0047】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、特定のリー
ドフレームに適した垂直隔壁板と取り替えるなどの段取
り替えを可能とし、装置の利用範囲を拡大することがで
きるという効果が得られる。
【0048】請求項記載の半導体リードフレームのメ
ッキ装置にあっては、前記構成としたため、陽電極同士
の隙間下方に配置した隔壁板をリードフレームの最適な
浸漬深さに調整することができるから、様々なサイズの
リードフレームに対応してメッキ時の電流が上・下縁部
に集中するのを阻止し、様々なサイズのリードフレーム
に均等な膜厚のメッキ処理を行なうことができるという
効果が得られる。
【0049】請求項10記載の半導体リードフレームの
メッキ装置にあっては、前記構成としたため、特定のリ
ードフレームに適した水平隔壁板とあるいは垂直隔壁板
と共に取り替えるなどの段取り替えを可能とし、装置の
利用範囲を拡大することができる。また、この場合は、
特に小品種多量生産にも適するなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による半導体リードフレ
ームのメッキ装置を示す正面側断面図である。
【図2】同上の半導体リードフレームのメッキ装置を示
す側面側断面図である。
【図3】従来装置によるテスト結果を示すグラフ図であ
る。
【図4】本実施の形態の装置によるテスト結果を示すグ
ラフ図である。
【図5】従来装置による別のテスト結果を示すグラフ図
である。
【図6】本実施の形態の装置による別のテスト結果を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
1 第1槽(メッキ槽) 3 第2槽(メッキ槽) 4 隔壁板昇降部 5 固定側垂直隔壁板 6 水平隔壁板 7 横移動側垂直隔壁板 8 陽電極 9 陰電極 13 メッキ液のオーバーフローライン 19 リードフレーム 20 隔壁板横移動部 23 貫通孔 24 閉塞空間 25 液中通電領域
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/50 C25D 17/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の平行な間隔を有して一対の陽電極
    をメッキ位置に垂直配置し、半導体を実装したリードフ
    レームを前記陽電極の間に挿入するようにしてメッキ液
    に浸漬し、該リードフレームを陰電極として前記陽電極
    との間に通電することにより前記リードフレームにメッ
    キ処理をするようにした半導体リードフレームのメッキ
    方法において、 陽電極同士の隙間内下方または隙間下端に接して水平配
    置した水平隔壁板をリードフレーム下縁全長に当接さ
    せ、かつリードフレーム上縁までメッキ液を満たすこと
    により、陽電極面と、該陽電極面に相対するリードフレ
    ーム面とに挟まれた空間内に形成される液中通電領域を
    リードフレームの高さと略同一に画成し、かつ、前記水
    平隔壁板が多数の貫通孔を有し、かつ水平隔壁板周囲か
    ら下方に垂直壁を周設して該水平隔壁板下方に閉塞空間
    を配置し、該閉塞空間内にメッキ液を圧送することによ
    り、前記貫通孔のみを介してメッキ液を前記液中通電領
    域へ流入させた状態でメッキ処理することを特徴とする
    半導体リードフレームのメッキ方法。
  2. 【請求項2】 前記陽電極同士の両側方隙間内または側
    方隙間に沿ってそれぞれ垂直配置した垂直隔壁板を前記
    リードフレームの両側縁全長に接して配置させることに
    より、前記液中通電領域の垂直断面がリードフレームに
    よる陰電極面と略同一となるように画成した状態でメッ
    キ処理することを特徴とする請求項1記載の半導体リー
    ドフレームのメッキ方法。
  3. 【請求項3】 一定の平行な間隔を有して一対の陽電極
    をメッキ位置に垂直配置し、半導体を実装したリードフ
    レームを前記陽電極の間に挿入するようにしてメッキ液
    に浸漬し、該リードフレームを陰電極として前記陽電極
    との間に通電することにより前記リードフレームにメッ
    キ処理をするようにした半導体リードフレームのメッキ
    装置において、 前記リードフレーム下縁の全長に当接可能にして陽電極
    同士の隙間内下方または隙間下端に接して水平配置した
    水平隔壁板と、該水平隔壁板に下縁を沿わせて配置した
    リードフレームの上縁まで供給されるメッキ液とを備
    、前記水平隔壁板に多数の貫通孔を開設すると共に、
    垂直隔壁で前記水平隔壁板を囲繞して該水平隔壁板下方
    に閉塞空間を画成し、該閉塞空間に連通するメッキ液の
    供給路を設けたことを特徴とする半導体リードフレーム
    のメッキ装置。
  4. 【請求項4】 前記陽電極同士の両側方隙間内または側
    方隙間に沿って配置され前記水平隔壁板上に配置したリ
    ードフレームの両側縁全長に沿ってそれぞれに垂設され
    る垂直隔壁板を有することを特徴とする請求項3記載
    半導体リードフレームのメッキ装置。
  5. 【請求項5】 前記垂直隔壁板に多数の貫通孔を開設し
    たことを特徴とする請求項4記載の半導体リードフレー
    ムのメッキ装置。
  6. 【請求項6】 前記垂直隔壁板の上縁高さを前記リード
    フレームの上縁高さと略同一高さに形成したことを特徴
    とする請求項4または請求項5記載の半導体リードフレ
    ームのメッキ装置。
  7. 【請求項7】 前記垂直隔壁板の少なくとも一方をリー
    ドフレームの水平配置方向に横移動自在に形成したこと
    を特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかの項に
    記載の半導体リードフレームのメッキ装置。
  8. 【請求項8】 前記垂直隔壁板をメッキ位置に着脱自在
    に設けたことを特徴とする請求項4ないし請求項7のい
    ずれかの項に記載の半導体リードフレームのメッキ装
    置。
  9. 【請求項9】 前記水平隔壁板を上下移動自在に形成し
    たことを特徴とする請求項3ないし請求項8のいずれか
    の項に記載の半導体リードフレームのメッキ装置。
  10. 【請求項10】 前記水平隔壁板をメッキ位置に着脱自
    在に設けたことを特徴とする請求項3ないし請求項9
    いずれかの項に記載の半導体リードフレームのメッキ装
    置。
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