JP3015593U - 区分収納用積層シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷物や嵩張らない品物を、目的別に簡易収
納するために、単位シートの表面に任意のサイズの収納
場所を多数設け、用途に合わせて多種類の単位シートを
組合せて積層シートを作る。 【構成】 単位シート2,12,22 は、台紙3,13,23 の表面
に目的に合わせて、縦方向スリット5,25と横方向スリッ
ト6.16を設け、台紙3,13,23 の表面をフィルム4,14,24
で包み込み、前記スリットから覗く前記フィルム同士と
台紙3,13,23 の上下部分を熱または接着剤で接着して、
収納部分の隣同士の隔壁8,19,28 と底7,9,17,27 とし
て、任意のサイズの前記収納部分からなる単位シート2,
12,22 で積層シート１を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印刷物や嵩張らない品物を、目的別に簡易収納するシートならびに 当該シートを重ねて構成する区分収納用積層シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

書面等の印刷物を切り抜いたり書面等の印刷物全体を保存する場合、保存対象 物に直接綴じ穴を開けたりするような加工を伴わないでファイルする方法には、 次の様な手段、対象物の寸法に合わせて紙製の袋に格納する方法、保存対象物を 切り抜き貼り付けて保存するスクラップ・ブック、袋状の透明フィルムを多数積 層し袋毎に仕切り紙を挿入して、単位袋の前後を縦方向保存場所とするクリヤー ・ファイル、二枚のフィルムを接着して複数カ所の横方向収納場所をつくり写真 フィルムを一定の駒数で収納する方法等がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

紙製の袋を用いる方法では、表紙に収納物の呼称等を詳細に記述しておく手間 の他に、袋内の収納物の存在の有無を常に確認しておく手間が必要になり、参照 される機会がまちまちである収納対象物を混同して保存するのには適さない。ス クラップ・ブックは切り抜き貼付保存が主目的であるために、対象物が切り抜き ができる場合を除き使用できない極めて限定された用途向けである。

【０００４】 この点、クリヤー・ファイルは内容が直ちに確認できる他に、収納物を傷つけ ることなく保存する事が可能である。然し、この利点も利用しようとする目的に よっては万能ではなく著しい限界がある。即ち、クリヤー・ファイルを構成する 収納部分は、同一サイズの袋が積層されてなり、前記袋を両面で使用するための 分離目的の薄紙が挿入されているものがある。

【０００５】 ファイル単位では袋は同一形状で、単位袋が細かく区分されていないので、適 当とされるサイズ以外の収納物を保存するには、同一サイズを収納するのに較べ て収納効率が悪く、異サイズを混合保存して収納効率を上げても、中身の確認や 保存状態が不安定になる等の問題が起きる。袋の両面を部分的に接着して複数の 収納場所をつくる方法では、収納物の出入口の問題があって難しい。また袋の両 内面と直接対応する中仕切りの表裏とを接着して収納場所をつくる方法では製作 の手間がかかり過ぎる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、規格で定められたサイズまたは規格外のサイズの収納物を対象とし た区分収納用シートに、与えられた面積を有効に活用して収納物を目的別・サイ ズ別に縦方向・横方向に多数収納し、収納物と収納場所との関連を見やすい場所 に明示し、区分収納を容易とした単位シートからなる区分収納用積層シートの提 供を目的とする。

【０００７】 本考案になる積層用の単位シートは、基本的にはフィルムと台紙とから構成さ れるが、常にフィルムは前記台紙全体を包み込むよう巻いて使用するのではなく 、下辺部分・中間部分・上辺部分等の必要部分を帯状に巻いて収納場所を任意に 形成するので、前記台紙は単なる中仕切りとしての役目だけでなく、前記単位シ ートの芯材にもなるので、厚みと腰のある材料が使用される。

【０００８】 積層用の単位シートに、少なくとも一カ所以上の収納場所を効率良く設けるた めに、台紙の表面に収納対象物の寸法に合わせて収納場所を形成する際に、上下 ・左右の隣り合った収納場所との境界部分に、長さ５から３０ｍｍ好ましくは１ ０から２０ｍｍ・幅１から６ｍｍ好ましくは３から５ｍｍの組合せ寸法からなる 縦方向スリットまたは横方向スリットを型抜器械を用いて前記台紙に貫通して設 ける。その際スリットの隅部分は丸み付きが好ましい。

【０００９】 目的の場所にスリットが開けられた台紙をフィルムで包み込む場合、横方向に は前記フィルムは前記台紙の表から裏へと折り返されて常に切目のない状態で巻 き付けられる。従って、縦方向スリットだけの場合は、前記台紙の下辺に閉じら れたフィルムを使用して前記縦方向スリットを充分覆い被せるように包み込み、 横方向スリットだけの場合は、前記横方向スリットが充分覆い被せるように前記 台紙の上下辺が閉じられたフィルムで包み込み、縦方向スリットと横方向スリッ トが混在するときは、前記横方向スリットと一段上の前記縦方向スリットの両方 のスリットが充分覆い被さるようにフィルムで包み込み、各スリットから覗く前 記フィルム同士を熱または接着剤で接着し収納場所を形成する。

【００１０】 台紙を包み込むように使用されるフィルムは、透明であるにこしたことはない が不透明であっても差支えない。また材質的にも合成樹脂を原料とした製品でも よいし紙製品であってもよい。帯電性のフィルムが使用される場合は収納物と接 触することによって、収納物に描かれた文字や図柄の剥離や転写が生じないよう にフィルム面にエンボス加工を施しておくのがよい。

【００１１】 この様にして一枚の単位シートに多数の収納場所を構成することができる。収 納場所に相当した位置の台紙またはフィルム面に、収納対象品名を印字しておく と収納物の出し入れに際して間違えることがなくなる。色々の収納サイズにの単 位シートを製作し積層すれば区分収納用積層シートが構成できる。前記区分収納 用積層シートは、家庭用としての貴重品の整理保管・保険医療関係の品々の整理 保管、或いは企業での特定目的物の整理保管・定期性のある刊行物の整理保管に 使用することができる。

【００１２】 尚、下記の実施例１，２，３では構成・用法等に類似点があり、重複する部分 も多いので後者の説明を簡単にした。従って、その詳細については前の実施例の 説明を参照されたい。

【００１３】

【作用】

本考案による区分収納用積層シートは、目的別収納部分を多数持つために区分 整理が行い易い、また構成要素である単位シートがフィルムと台紙の簡単な組合 せからなるが、前記台紙を挟んで前記フィルム同士を接着するので、前記台紙の 用法によって様々な収納部分の構成が可能になるという特徴がある。

【００１４】

【実施例１】 図１は、本考案における区分収納用積層シート１の立体図である。区分収納用 積層シート１は、図２の単位シート２または図３，４の単位シート１２，２２を 目的に合わせて組合せ積層したものである。勿論細かい収納部分を設けないフル サイズの状態で使用する既存の、クリアーシートと呼ばれる形状の単位シートを 適宜挿入して使用してもよい。積層枚数としては１０ないし１５枚の範囲が適当 で、全体の綴じ込み側を接着剤またはホッチキス等で固定しファイルに保管する 。

【００１５】 図２は、単位シート２に上下二段の収納部分を設けた状態を示している。台紙 ３は収納対象物に合わせて収納サイズを決めると、出入口１０が上方向に向いた 複数の収納部分の予定境界線に沿い各収納部分の深さにあわせ、下段の収納場所 に相当する位置には縦方向スリット５を、更に上段の収納部分に相当する位置に は、横方向スリット６と縦方向スリット５を打抜器械により台紙３の表面から裏 面に貫通して設ける。縦横スリットの使い分けはフイルムの接着部分の長さ方向 を、収納部分の隔壁方向に合わせて無駄のない形状とするためで、全て同方向を 向いていても縦横が逆の組合せであってもよい。

【００１６】 台紙３のスリットが設けられた収納部分に相当する位置を、フイルム４で段毎 に包み込むように巻き付けるが、収納物出入口１０を確保するのでフイルム４は 上下２カ所に分かれる。下のフィルム４は台紙３の下辺に横方向のスリットがな いのでフィルム４の両面の下辺を接着して底７とし、縦方向スリット５を利用し スリットから覗く両側のフィルム４同士を、熱または接着剤により接着して隔壁 ８として下段の収納部分を形成する。同様に上のフィルム４では横方向スリット ６で底９を、縦方向スリット５で隔壁８とするように、両面のフィルム４同士を 熱または接着剤により接着して上段の収納部分を形成する。

【００１７】 この様にして構成された単位シート２の台紙３またはフィルム４の何れかに、 収納部分の目的を印字しておくと区分収納が行い易くなる。またフィルム４が帯 電性のある合成樹脂製品のときは、収納部分のフィルム４と収納物の表面が触れ て、収納物の表面の文字や絵柄を損なうことがあるので、フィルム４には予め表 面をエンボス加工したものを用い、上述の目的印字は台紙３側にしておくのが好 ましい。

【００１８】 台紙３の綴じ込み側に対するフィルム４の端部処置は、台紙３の綴じ込み代の 手前で止め綴じ込みは台紙だけに止めるか、やや深めとして台紙とともに止めて もよいが、必ず単位シート毎に収納部分を完成しておく成形方法が好ましい。

【００１９】

【実施例２】 図３は、図２とは収納部分の構成が異なった単位シート１２をしめしている。 台紙１３には中央部分に横方向スリット１６が横一列で設けられ、台紙１３を包 み込むように一枚のフィルム１４が使用されるが、フィルム１４の台紙１３に対 する上下方向の各辺は、フィルム１４の両端面を接着して底１７とし、次いで横 方向スリット１６から覗くフィルム１４の両面を接着して上下の収納部分の隔壁 １９となし、２段の横方向収納部分とする。この収納部分は単位シート１２の綴 じ込み側に収納物の出入口２０が設けられている。

【００２０】

【実施例３】 図４は、図２の収納部分が二段の構成であるのに較べ、一段の構成とした単位 シート２２をしめしている。この様に目的用途に合わせて多種多様の単位シート をつくることができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案になる区分収納用積層シートの使用によって、次のような効果が得られ た。 一枚の台紙に多数の収納場所を設置出来た。 台紙を使用するために帯電性のあるフィルムを使用しても、収納の際にフィル ム出入口が剥がれ難いという取扱い上の問題が解決した。 一枚の台紙に使用されるフィルム使用量が少なくなった。 収納場所の形状を対象物に合わせて構成できるので、多種類の単位シートを目 的に合わせて組合せ積層することによって系統立った区分収納ができた。 収納場所に目的または用途を印字するので誤使用がなくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による単位シートからなる区分収納用積
層シートの斜視図である。

【図２】図２は、二段の縦方向収納部分を持つ単位シー
トの斜視図である。

【図３】図３は、二段の横方向収納部分を持つ単位シー
トの斜視図である。

【図４】図４は、一段の縦方向収納部分を持つ単位シー
トの斜視図である。

【図５】図５は、フィルム同士を縦方向スリットを利用
して接着した部分の拡大断面図である。

【符号の説明】

２，１２，２２ 単位シート ３，１３，２３ 台紙 ４，１４，２４ フィルム ５，６，１６，２５ 縦・横方向スリット ８，１９，２８ 隔壁（接着点）

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台紙(3,13,23) をフィルム(4,14,24) で
   包み込んだ単位シート(2,12,22) からなる区分収納用積
   層シート(1) にあって、台紙(3,13,23) を収納物の寸法
   に合わせ位置決めした、収納部分の隔壁または底に相当
   する位置に、台紙(3,13,23）の表面から裏面にかけて、
   長さ５から３０ｍｍ・幅１から６ｍｍの組合寸法から成
   るスリット(5,6,16,25) を貫通して設け、台紙(3,13,2
   3）をフィルム(4,14,24) で包み込んだ後、スリット(5,
   6,16,25) から覗くフィルム同士を部分的に接着し、隔
   壁または底とし収納部分を形成した単位シート(2,12,2
   2)で構成した区分収納用積層シート。
2. 【請求項２】 台紙(3,13,23) をフィルム(4,14,24) で
   包み込んだ単位シート(2,12,22) にあって、台紙(3,13,
   23) に開けられた縦方向スリット(5,25)または横方向ス
   リット(6,16)から覗くフィルム同士を、熱または接着剤
   で部分的に接着して隣との隔壁または底となし、少なく
   とも収納部分の一カ所は収納物用出入口(10,20,30)とし
   た、任意形状の収納部分で構成した単位シート(2,12,2
   2) からなる請求項１記載の区分収納用積層シート。
3. 【請求項３】台紙(3,13,23) とフィルム(4,14,24) で構
   成された収納部分が、単位シート毎に完成している請求
   項１および２のいずれかに記載の区分収納用積層シー
   ト。
4. 【請求項４】台紙(3,13,23) の外側に使用するフィルム
   (4,14,24) が透明である請求項１,2および３のいずれか
   に記載の区分収納用積層シート。
5. 【請求項５】 台紙(3,13,23) の外側に使用するフィル
   ム(4,14,24) の、少なくとも一以上の面全体にエンボス
   加工を施した請求項１,2,3および４のいずれかに記載の
   区分収納用積層シート。