JP3014701U - 押し入れ結露防止用断熱材 - Google Patents

押し入れ結露防止用断熱材

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JP3014701U
JP3014701U JP1995001493U JP149395U JP3014701U JP 3014701 U JP3014701 U JP 3014701U JP 1995001493 U JP1995001493 U JP 1995001493U JP 149395 U JP149395 U JP 149395U JP 3014701 U JP3014701 U JP 3014701U
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達夫 山本
庸貴 田中
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ダウ化工株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 硬質発泡プラスチック板の表面には木目柄な
どの印刷が施され、裏面には粘着剤2を介して離型紙3
が貼り合わされていることを特徴とする新規な押し入れ
結露防止用断熱材であり、この結露防止用断熱材4は押
し入れの構造の主に内面壁に貼りあわされる。 【効果】 大幅な工期短縮、トータルコストダウン(経
済性)を実現することができる、超薄型ではあるが、押
し入れ内の結露を防止することができる、押し入れが狭
くならない、布団や衣類を傷めない、高級感がある、等
の優れた効果が発生する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、押し入れ結露防止用断熱材およびその断熱材を押し入れの内面に貼 りあわせた結露防止された押し入れの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
結露は、例えば、冬にバスに乗ると乗客が増えるにしたがい窓ガラスに水滴が 付着したり、また夏に冷たいジュースを入れたコップの周囲を水滴が流れるとい った、我々の周囲で常に見られる現象である。
【0003】 表面結露とは、室内の湿った空気が飽和温度以下の壁や天井などに触れた時、 水蒸気が水滴に代わって付着する現象である。 無害結露は放置しておいてもよいが、鉄筋コンクリートの集合住宅でしばしば 見られる結露は、壁の汚れやカビあるいは床材の腐れなど、建物の内装や家具の 破損につながり、実害をもたらすことになる。
【0004】 カビの発生は、単に部屋に汚斑をつくるだけでなく、居住者の衛生上好ましく なく、このような被害をもたらす結露はできる限り防止することが必要である。 特に外気に面した押し入れは、結露しやすい部分となっている。
【0005】 この押し入れでの結露の原因は、押し入れは、(1)押し入れ内温度が低温と なりやすいこと、(2)換気が室内側しか行われないので、外気との換気による 湿度低減ができないこと、(3)物品が収納されることで押し入れ内の空気の対 流が妨げられて、対流のない空気であるため熱抵抗が増大し、壁表面温度がより 低くなること、などの環境を本質的にもっているからである。
【0006】 このため、その対策として、(1)壁体の熱抵抗を大きくし、壁表面温度を上 昇させる、(2)外気に面する押し入れを作らない、(3)押し入れ内の空気の 流通をよくする、(4)室内の換気をよくする、(5)炊事や暖房に伴う発生水 蒸気の局部排気に努める、などが考えられ、一部実施されているが、これまでに 、格別有効な手段はあまり提案されていない。 (建築の結露−その原因と対策 著者 山田雅士 発行所(有)井上書院 参照 )
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、前記した問題点を全て解決することのできる新規な押し入れ 用結露防止用断熱材およびその結露防止用断熱材を用いた画期的な押し入れの構 造を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは、前記した押し入れがもつ本質的な環境とそれに対するこれまで の対策について検討し、押し入れの壁を断熱補強して、低温外気に対する押し入 れ壁表面温度を上昇させれば、結露が発生しにくくなるとの基本的な考えの基に 、鋭意、押し入れ用結露防止用断熱材とそれを用いた押し入れの構造、さらにそ の効果について詳細に検討を加えたところ、施工が簡単で、利用できる押し入れ の空間にほとんど影響を与えず、しかも充分な結露防止機能をもった押し入れに 最適な結露防止用断熱材を見出すに至った。そして、この断熱材は、既存の押し 入れに対しても適用ができ、簡単に改修しうる結露防止用断熱材であることもわ かった。
【0009】 すなわち、本考案の結露防止用断熱材およびその断熱材を用いて結露防止され た押し入れの構造は、以下のとおりである。 (1) 表面にスキン層が形成されている硬質発泡プラスチック板のスキン層面 に粘着剤を介して離型紙が貼り合わされていることを特徴とする押し入れ結露防 止用断熱材。
【0010】 (2) 硬質発泡プラスチック板の表面には印刷が施され、裏面には粘着剤を介 して離型紙が貼り合わされていることを特徴とする押し入れ結露防止用断熱材。 (3) 硬質発泡プラスチック板の表面に木目柄の印刷が施されていることを特 徴とする前記第(2)項記載の押し入れ結露防止用断熱材。
【0011】 (4) 硬質発泡プラスチック板が、その表面にスキン層が形成されていること を特徴とする前記第(2)項または第(3)項記載の押し入れ結露防止用断熱材 。 (5) 硬質発泡プラスチック板が、3〜20mmの厚みを有することを特徴と する前記第(3)項または第(4)項記載の押し入れ結露防止用断熱材。
【0012】 (6) 押し入れの構造において、その内面壁に、前記第(1)項または第(2 )項の硬質発泡プラスチック板が貼りあわされていることを特徴とする結露防止 された押し入れの構造。
【0013】 以下、本考案を詳細に説明する。 本考案では、板状基材として、表面が平坦で剛性がありしかも軽量である硬質 発泡プラスチック板が用いられる。この硬質発泡プラスチック板は、例えば、ポ リスチレン、ポリ塩化ビニル(硬質)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート等の硬質発泡プラスチック板 である。これらのうち、特に好ましいのは、硬質発泡ポリスチレン板である。こ こでいうポリスチレンとは、スチレンまたはα−メチルスチレン、ビニルトルエ ン、パラクロルスチレン等のスチレン系誘導体の単独または共重合物、アクリロ ニトリル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、メタ クリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸セチル等のメタクリル酸エ ステル、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、エチレン、プロピレン、ブタジ エン等のモノマーとスチレンまたはスチレン系誘導体との共重合物等である。こ れらは、成分として、スチレンまたはスチレン系誘導体を50重量%以上含むも のである。
【0014】 これらの硬質発泡プラスチック板は、プラスチックを、押出し発泡、型内ビー ズ発泡等により発泡させることにより成形される。発泡倍率は5〜50倍、好ま しくは10〜20倍である。
【0015】 また、本考案では、硬質発泡プラスチック板として、その表面にスキン層が形 成されているものを用いれば、さらに好ましいものである。この硬質発泡プラス チック板の表面のスキン層とは、硬質発泡プラスチック板の表面層が硬質化され ているものを意味し、プラスチックの押出発泡成形時に板の両表面部分に形成さ れる中間層よりも発泡倍率が例えば5倍程度の低い微細な気泡の層であり、相対 的に密度が高い硬質化した平滑な表面部分を意味する。このスキン層が被覆材の 形態保持と接着の効果をより高めることになる。
【0016】 また、これらの硬質発泡プラスチック板には、その板を補強するため、無機繊 維状物、有機繊維状物または無機の粒状物をあらかじめプラスチックに充填させ て成形することができる。繊維状物としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、 黒鉛繊維、アルミナ繊維、フィスカー、金属繊維、アラミド繊維等を用いること ができる。また、無機の粒状物としては、例えば、タルク、カオリン、炭酸カル シウム、硫酸バリウム、水酸化マグメシウム、水酸化アルミニウム、クレー、雲 母、ウオラストナイト等を用いることができる。これらの無機繊維状物、有機繊 維状物および無機の粒状物は2種以上混合して用いることができる。
【0017】 また、本考案の硬質発泡プラスチック板をさらに補強したり、また板の硬さを さらに変化させたりするため、板に、ステンレス、アルミニウム等の金属、ポリ エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチック等 を素材とするシート、フィルム、織布、不織布・紙等の繊維質のシート、ボード を積層することができる。また、本考案では、板状基材として、種類の異なる発 泡プラスチック板を積層して用いることもできる。
【0018】 硬質発泡プラスチック板の厚みは、押し入れ用として超薄型であるのが特徴で ある。一般には3〜20mm程度であるが、好ましくは実施例に示すように7〜 15mm程度である。本考案が適用される押し入れの下地の種類等の工事の状況 によって硬質発泡プラスチック板の厚みを自由に選択することができる。
【0019】 硬質発泡プラスチック板の大きさ(寸法)は、一般に910mm×1820m mのものを用いるが、300mm×900mmのものも使用できるので、特に特 定されない。
【0020】 本考案の硬質発泡プラスチック板は、前述したように、一般的な廻縁等の厚み 内に納まる超薄厚ボードなので押し入れの空間を狭めることがない。また、硬質 発泡プラスチック板は、超薄型であるが、吸水率が小さく、しかもJIS A− 9511 B類保温板 2種に相当する抜群の断熱性能をも有するので、押し入 れ内の結露を防止することができる。また、この硬質発泡プラスチック板は、超 薄型で軽量であるが粘りがあってほぼ輪状に曲がるので、取扱いやすく、一般工 作用のノコ、カッターナイフ等で容易に切断することができる。
【0021】 本考案では、硬質発泡プラスチック板の片面(裏面)に粘着剤が塗布されてい ることが必要である。 粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤な どの合成樹脂系接着剤、酢酸ビニル系溶剤型接着剤などの樹脂系溶剤型接着剤、 合成ゴム系接着剤、ニトリル系合成ゴム溶剤型接着剤、等が用いられる。
【0022】 好ましい粘着剤としては、硬質発泡プラスチック板と下地との接着状態を維持 しながら、下地の熱膨張、熱収縮、または経時寸法変化に追従可能であり、また 硬質発泡プラスチック板の剥離を防止しうる粘性もしくは粘弾性を有するもので ある。この意味で、本考案では、ゴム系やアクリル樹脂系の粘着剤の使用が好ま しい。さらに、アクリル樹脂系には、シアノアクリレート系の硬化剤等の添加剤 を配合して用いることができる。
【0023】 これらの粘着剤は、硬質発泡プラスチック板の裏面に全面的に塗布されている (全面塗布)ことが好ましい。しかし、この全面的に塗布されているとは、板の 面に粘着剤が点状に塗布されているもの、線状に塗布されているものを排除する ものではない。要は、全面塗布と同等の作用、すなわち下地と硬質発泡プラスチ ック板との接着面の品質が均一になるものであればよい。
【0024】 これらの粘着剤を硬質発泡プラスチック板に塗布するには、これらの粘着剤を 、公知の方法によって、粘着加工(離型紙付き)することによって達成される。 本考案の押し入れ結露防止用断熱材は、このように、硬質発泡プラスチック板 の裏面に粘着加工が施してあるから、特殊な道具や工具を必要とせず離型紙をは がして貼るという簡単な作業で施工できる。したがって、押し入れの湿気対策と しては、大幅な工期短縮、トータルコストダウン(経済性)を実現することにな る。
【0025】 本考案の押し入れ結露防止用断熱材が適用される押し入れの下地としては、例 えば、紙(洋紙、和紙)、板紙、加工紙、合成紙、壁紙、壁布、壁板、クロス、 不織布、ビニルクロス、ビニルシート、石膏ボード、セメント板、板ガラス、合 板、プリント合板、木毛板、天然つき板、等様々なものがある。
【0026】 本考案の押し入れ結露防止用断熱材は、硬質発泡プラスチック板の表面に木目 柄の印刷が施されているのが好ましい。本物を再現した木目柄が硬質発泡プラス チック板の表面に表現されていると、イメージアップがはかられ、従来のベニヤ やプラスターボードよりも高級感が得られ、好ましいものである。
【0027】
【作用】
本考案の結露防止用断熱材は、超薄型であり、接着の機能を有し、また粘りが あり、ほぼ輪状に曲がるとともに剛性を有するので、下地面に対して容易に位置 合わせをしながら接着できる。特に、硬質発泡プラスチック板の表面にスキン層 が形成されているので、多少凹凸(粗面)のある下地であっても接着できる。ま た、吸水率が小さくかつ抜群の断熱材であるので、押し入れ内の結露を防止する ことができる。また、押し入れの空間を狭めることがなく、押し入れのスペース がそのまま利用できる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例によって、本考案の構成および効果について具体的に説明する 。実施例1は本考案の押し入れ結露防止用断熱材(物品)の作製について、実施 例2は本考案の物品の施工方法について、また実施例3〜4は本考案の効果につ いてそれぞれ説明するものである。
【0029】
【実施例1】 厚み7mmおよび10mmの表面にスキン層をもつ押出し発泡ポリスチレン板 (発泡倍率15倍)を、910mm×1820mmの寸法にそれぞれ1枚ずつ、 また300mm×900mmの寸法に1枚、の合計3枚切断して、本考案の基材 である硬質発泡プラスチック板を作製した。
【0030】 ついで、この基材である硬質発泡ポリスチレン板(1)の片面に、木目調の印 刷を施し、さらに、他の面に、アクリル樹脂系の粘着剤(2)(KR−153、 光洋産業(株)製)を、30g/m2 の割合で粘着加工し、その上に離型紙(3 )で覆い、本考案の、木目調印刷がされた硬化発泡ポリスチレン板/アクリル樹 脂系の粘着剤/離型紙からなる押し入れ結露防止用断熱材を得た。この押し入れ 結露防止用断熱材の断面図を図1(イ)に示す。
【0031】 このようにして得られた断熱材の断熱性能は、JIS A−9511 B類保 温板 2種に相当する高断熱性を示した。 この断熱性能について、他の材料と比較すると、本考案の厚み7mmの断熱材 の断熱性能(熱伝導率λ=0.026)は、合板(熱伝導率λ=0.14)では 38mm、コンクリート(λ=1.4)では377mm、ALC板(λ=0.1 5)では40mm、石膏ボード(λ=0.12)では32mm、およびインシュ レーションボード(λ=0.05)では13mmに、それぞれ相当する。また、 厚み10mmの本考案の押し入れ結露防止用断熱材の断熱性能は、合板(熱伝導 率λ=0.14)では54mm、コンクリート(λ=1.4)では539mm、 ALC板(λ=0.15)では58mm、石膏ボード(λ=0.12)では46 mm、およびインシュレーションボード(λ=0.05)では19mmに、それ ぞれ相当するものである。
【0032】 このようにして得られた断熱材の各性能は、熱伝導率(JIS A−9511 平均温度20℃、λ)は0.026Kcal/m・h・℃、曲げ強さ(JIS A−9511 23℃、P方向)は10〜20kgf/cm2 、圧縮強さ(JI S A−9511 23℃、10%歪時)は2.0kgf/cm2 、透湿係数( JIS A−9511 23℃、相対湿度差)は0.014g/m2 ・h・mm Hg、吸水率(ASTM C272 23℃、24hr水中浸漬)は0.01g /100cm3 以下、表面硬度(ゴム硬度計 C type)は70以上であっ た。
【0033】
【実施例2】 以下に、実施例1によって得られた本考案に係る押し入れ結露防止用断熱材を 押し入れ内の壁に適用する場合の施工方法について、工程順に説明する。
【0034】 (1) 下地の清掃 押し入れ内の壁(接着面)のホコリ、汚れ、油分、水分(水滴)などを取り除 く。 (2) 割り付け 施工箇所に離型紙をつけたまま仮合わせ(仮セット)して寸法の確認をする( 長さ,幅および切り欠き部分の位置合わせをする)。
【0035】 (3) 寸法裁断(カット) 押し入れ結露防止用断熱材をカッターナイフなどで切断してサイズを調整する 。一般工作用のノコ、カッターナイフ等で切断することができる。シャ−プなカ ット面を得るには、定規を当てカッターナイフで加工する。
【0036】 (4) 確認 寸法裁断(カット)後、再度仮合わせし、寸法、位置を確認する。 (5) 貼り付け 離型紙をはがして、端部に隙間ができないように位置決めを確認しながら端か ら1枚ずつ圧着し、順次貼付けて、完成する。
【0037】 このような施工方法で、本考案に係る押し入れ結露防止用断熱材を、改修のた め既存の押し入れの壁に適用したところ、素人である本考案者でもきわめて短時 間に、かつ仕上げも美麗に、施工を完了することができた。
【0038】
【実施例3】 実施例2の施工手順で得られた押し入れの構造について表面結露の評価を行っ た。構造の一部を図1(ロ)に示すが、この構造は、室内側から外気側に向かっ て、本考案に係る厚さ7〜15mmの結露防止用断熱材(4)、12mmの石膏 ボード(5)、20mmの桟木(空気層)(6)および120mmのコンクリー ト(7)から構成されている。
【0039】 上記構造物を構成する各材料の熱伝導率(λ、Kcal/m・h・℃)は、結 露防止用断熱材(4)は0.026、石膏ボードは0.18、コンクリートは1 .4であった。また、桟木(空気層)の熱抵抗(r、m2 ・h・℃/Kcal) は0.087であった。また、外側表面熱伝達率(αo)は20、内側表面熱伝 達率(αi)は5であった。
【0040】 このような構造物について、外気側温度を−15℃、−10℃、−5℃に変化 させ、また室内側温度(押し入れ内温度)を5℃、15℃、20℃、25℃に変 化させて、表面結露の評価を行った。 その結果を図2〜図6に示す。
【0041】 図2は、外気側温度を−15℃とし、本考案の結露防止用断熱材の厚みを、0 mm(比較例)、7mm、10mmおよび15mmに変化させた際の室内側温度 と室内側相対湿度との関係を示すグラフである。また、図3は、図2において外 気側温度を−10℃に代えた場合の、また図4は、図2において外気側温度を− 5℃に代えた場合の、室内側温度と室内側相対湿度との関係を示すグラフである 。
【0042】 図5は、本考案の結露防止用断熱材を用いず、外気側温度を−15℃、−10 ℃、−5℃に変化させた際の室内側温度と室内側相対湿度との関係を示すグラフ である。また、図6は、本考案に係る厚み7mmの結露防止用断熱材を用い、外 気側温度を−15℃、−10℃、−5℃に変化させた際の室内側温度と室内側相 対湿度との関係を示すグラフである。
【0043】 これら図2〜図6から明らかなように、本考案の結露防止用断熱材を用いた押 し入れの構造は、表面結露に対してきわめて有効であることがわかる。
【0044】
【実施例4】 実施例1で得られた本考案の結露防止用断熱材と合板との接着力ついて評価を おこなった。この評価は、(1)温度および湿度環境下における接着力、(2) 温度環境内における接着力、および(3)合板との保持力について行った。
【0045】 (1) 温度および湿度環境下における接着力 (a)試験方法 試験装置: 図7に示す単軸垂直引張り試験装置 接着材料: 7mmの結露防止用断熱材 被着材料: 合板4mm 粘着剤 : KR−153(光洋産業(株)商品) 粘着剤塗布厚: 35〜38μ(乾燥時) 試験片サイズ: 75×75mm 引張り速度: 3mm/min 環境条件: −10℃、23℃、60℃、40℃95%RH
【0046】 (b)接着力 常温(20〜23℃)の環境下で合板に7mmの結露防止用断熱材を貼合わせ た後、各環境下で12時間養生して、取り出した後23℃50%RHの環境で測 定する。 その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】 (2) 温度環境内における接着力 (a)試験方法 試験装置: 図8に示す装置に示す引き剥がし試験装置 接着材料: 7mmの結露防止用断熱材 被着材料: 合板4mm 粘着剤 : KR−153(光洋産業(株)商品) 粘着剤塗布厚: 30μ(乾燥時) 試験片サイズ: 100×150mm 引張り速度: 50mm/min 環境条件: −5℃、0℃、10℃、23℃、70℃
【0049】 (b)接着力 合板および7mmの結露防止用断熱材を各環境下で養生し、その環境内で合板 と結露防止用断熱材とを貼り合わせ、取り出した後直ぐに測定する。 その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】 (3) 合板との保持力 10×10cm角の結露防止用断熱材に500gの加重を接着した試験片を準 備し、図9に示す装置により、垂直な状態に試験片を合板に貼り合わせ落下する 時間を測定する。 試験装置: 図7に示す保持力試験装置 垂直加重: 50kg/m2 に相当 その結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【考案の効果】
(1) 大幅な工期短縮、トータルコストダウン(経済性)を実現 (a)裏面に粘着加工が施してあるから、離型紙をはがして貼るという簡単な 作業で施工できる。特殊な道具や工具を必要としない。誰でも簡単に取付けられ る。また、副資材の軽減がはかれる。押し入れの結露対策ができ簡単に改修でき る。 (b)軽量でかつ粘りがありほぼ輪状に曲がるので、取扱いやすい。一般工作 用のノコ、カッターナイフ等で容易に切断、加工ができる。切断が簡単なので工 作感覚で細かな加工も可能である。
【0054】 (2) 超薄型であるが、押し入れ内の結露を防止 薄くて、軽いが、JIS A−9511 B類保温板 2種 相当の抜群の断 熱性能を発揮する。また、表面が滑らかなスキン層であり、吸水率が0.01( g/100cc)と小さく、水分を寄せつけない。吸水や透湿が非常に小さい。 超薄型ではあるが、このような性能を有するため、押し入れ内の結露を防止する ことができる。
【0055】 (3) 押し入れが狭くならない 7mm厚、10mm厚などの一般的な廻縁等の厚み内に納まる超薄厚ボードな ので、押し入れの空間を狭めない。
【0056】 (4) 布団や衣類を傷めない 表面がスキン層で覆われた滑らかな表面なので、肌ざわりがよく、暖かみがあ り、しかも布団や衣類を傷めず安心である。
【0057】 (5) 高級感がある 木目調印刷品である場合など、本物を再現した木目模様などと同じなので、イ メージアップがはかれる。押し入れ内のベニヤやプラスターボードの表面よりも はるかに高級感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本考案の結露防止用断熱材の断面図で
ある。また、(ロ)は(イ)に示す本考案の結露防止用
断熱材を貼り合わせた押入れの構造の断面図である。
【図2】外気側温度を−15℃とし、本考案の結露防止
用断熱材の厚みを、0mm(比較例)、7mm、10m
mおよび15mmに変化させた際の室内側温度と室内側
相対湿度との関係を示すグラフである。
【図3】外気側温度を−10℃とし、本考案の結露防止
用断熱材の厚みを、0mm(比較例)、7mm、10m
mおよび15mmに変化させた際の室内側温度と室内側
相対湿度との関係を示すグラフである。
【図4】外気側温度を−5℃とし、本考案の結露防止用
断熱材の厚みを、0mm(比較例)、7mm、10mm
および15mmに変化させた際の室内側温度と室内側相
対湿度との関係を示すグラフである。
【図5】本考案の結露防止用断熱材(1)を用いず、外
気側温度を−15℃、−10℃、−5℃に変化させた際
の室内側温度と室内側相対湿度との関係を示すグラフで
ある。
【図6】本考案に係る厚み7mmの結露防止用断熱材を
用い、外気側温度を−15℃、−10℃、−5℃に変化
させた際の室内側温度と室内側相対湿度との関係を示す
グラフである。
【図7】単軸垂直引張り試験に用いた試験装置を説明す
る説明図である。
【図8】引き剥がし試験に用いた試験装置を説明する説
明図である。
【図9】合板との保持力試験に用いた試験装置を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1 硬質発泡ポリスチレン板 2 粘着剤 3 離型紙 4 本考案に係る結露防止用断熱材 5 石膏ボード 6 桟木 7 コンクリート 8 合板 9 治具 10 荷重検出 11 固定 12 重り 13 環境槽

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にスキン層が形成されている硬質発
    泡プラスチック板のスキン層面に粘着剤を介して離型紙
    が貼り合わされていることを特徴とする押し入れ結露防
    止用断熱材。
  2. 【請求項2】 硬質発泡プラスチック板の表面には印刷
    が施され、裏面には粘着剤を介して離型紙が貼り合わさ
    れていることを特徴とする押し入れ結露防止用断熱材。
  3. 【請求項3】 硬質発泡プラスチック板の表面に木目柄
    の印刷が施されていることを特徴とする請求項2記載の
    押し入れ結露防止用断熱材。
  4. 【請求項4】 硬質発泡プラスチック板が、その表面に
    スキン層が形成されていることを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3記載の押し入れ結露防止用断熱材。
  5. 【請求項5】 硬質発泡プラスチック板が、3〜20m
    mの厚みを有することを特徴とする請求項3または請求
    項4記載の押し入れ結露防止用断熱材。
  6. 【請求項6】 押し入れの構造において、その内面壁
    に、請求項1または請求項2の硬質発泡プラスチック板
    が貼りあわされていることを特徴とする結露防止された
    押し入れの構造。
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