JP3014439U - 側突用エアバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアバッグの容量を低減してガス発生器を小
型化でき、かつスムーズに展開可能で、収納箇所の制約
の少ない側突用エアバッグを提供する。 【構成】 側面衝突時に車室側面とシート（３）に着座
した乗員（２）との間に展開して乗員（２）を保護する
側突用エアバッグ（１１）において、前記エアバッグ
（１１）は、シートに着座した状態の乗員（２）の少な
くとも胴体上部側面（２ｂ）と頭部側面（２ａ）をカバ
ーするように一体的に形成され、かつ前記エアバッグ
（１１）の展開時の側面形状は、シート側の辺（１１
ａ）が該シート（３）に沿った略直線状であり、反シー
ト側の辺は（１１ｂ）、前記シート側の辺との幅が下部
（Ｗ１）で少なくとも前記胴体上部側面をカバーする程
度に大きく、上部（Ｗ２）で前記頭部側面をカバーする
程度に小さくなるように下部から上部に向けて変化する
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の側面衝突時に展開して乗員を保護する側突用エアバッグに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

側突用エアバッグは、サイドドアやシートに収納され、側面衝突が発生すると 、サイドドア（車室側面）とシートに着座する乗員との間に展開して乗員をサイ ドドア等との二次衝突から保護するものである。そして、図４に示すように、こ のような側突用エアバッグ１は、シート３に着座する乗員２の上体をカバーする （衝突時に受け止める）ため、展開時の側面形状が一般的に矩形となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような矩形の側突用エアバッグ１では、例えば斜線部分１ ａのように、乗員２を保護していない部分があり、その分、エアバッグ１の容量 が大きくなり、このエアバッグ１を膨張・展開させるための図示されないガス発 生器が大型になるという問題点があった。また、図５に示すように、乗員２の上 体のうちでも保護する必要性の高い部分は、主に頭部側面２ａと胴体上部（胸部 ）２ｂである。そこで、エアバッグ６を当該部２ａ、２ｂをカバーする２つの部 分６ａ、６ｂに分け、その間に空間９を設けるように両部分６ａ、６ｂを連結部 ６ｃで接続し、該空間９を設けることによりエアバッグ６の容量を減少させるエ アバッグ装置が提案されている（特開平５−１３９２３２号公報参照）。しかし ながら、このエアバッグ装置では、エアバッグ６の形状が複雑となるため、収納 時の折り畳んだ状態からガスを供給してスムーズに膨張・展開させるの難しく、 また、連結部６ｃに接続するガス発生器７の設置箇所（すなわちエアバッグの収 納箇所）が、例えばピラー８等のように制約されるという問題点があった。

【０００４】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、エアバッグの容量を低減してガス発生器を小型化で き、かつスムーズに展開可能で、収納箇所の制約の少ない側突用エアバッグを提 供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案における側突用エアバッグは、側面衝突時 に車室側面とシートに着座した乗員との間に展開して乗員を保護する側突用エア バッグにおいて、前記エアバッグは、シートに着座した状態の乗員の少なくとも 胴体上部側面と頭部側面をカバーするように一体的に形成され、かつ前記エアバ ッグの展開時の側面形状は、シート側の辺が該シートに沿った略直線状であり、 反シート側の辺は、前記シート側の辺との幅が下部で少なくとも前記胴体上部側 面をカバーする程度に大きく、上部で前記頭部側面をカバーする程度に小さくな るように下部から上部に向けて変化するものである。

【０００６】 また、前記エアバッグの展開時の側面形状は、縦長の略矩形から反シート側の 辺の上部が斜めにカットされた形状であるものとすることができる。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、エアバッグは、保護する必要性の高い乗員胴体上部側面か ら頭部側面にかかる部分のみをカバーするので、従来の矩形のエアバッグに比べ て容量が低減され、ガス発生器を小型化することができる。また、エアバッグは 一体的に形成されているので、従来の２分されているエアバッグに比べ膨張・展 開が容易であり、収納箇所の制約も少ない。

【０００８】 また、エアバッグの展開時の側面形状は、縦長の略矩形から反シート側の辺の 上部が斜めにカットされた形状であるものとすると、最も単純な形状となり、膨 張・展開が最も容易となる。

【０００９】

【実施例】 以下、本考案の実施例について図面を参照しつつ説明する。図１は本考案の側 突用エアバッグの展開時の配置及び形状を示す側面図、図２は同じく正面図、図 ３は側突用エアバッグの展開時の側面形状の変形例を示す図である。

【００１０】 まず構成を説明する。図１及び図２において、側突用エアバッグ１１はシート ３の側面にガス発生器４とともに収納され、側面衝突時には、サイドドア５とシ ート３に着座する乗員２との間の図示するような位置に展開するようになってい る。側突用エアバッグ１１の展開時の形状は、サイドドア５に沿って偏平であり 、かつその側面形状は、縦長の矩形から反シート側の辺１１ｂの上部１１ｃが斜 めにカットされた形状となっている。すなわち、シート側の辺１１ａはシート３ に沿った略直線状であり、反シート側の辺１１ｂは、シート側の辺１１ａに対し 、その下部の幅Ｗ１は乗員の胴体上部側面２ｂをカバーする程度の大きさであり 、上部の幅Ｗ２は乗員の頭部側面２ａをカバーする程度の大きさとなっており、 その途中から上部に向けて直線的に小さくなっている。そして、シート側の辺１ １ａの下部にガス発生器４への取付部１１ｄが設けられている。このように、エ アバッグ１１は、乗員２の胴体側面から頭部側面２ａにかかる部分のみをカバー するように構成され、乗員を保護しない反シート側の辺の上部は斜めにカットさ れている（１１ｃ）ので、その分従来の矩形のエアバッグに比べて容量が低減さ れ、ガス発生器４を小型化することができる。なお、エアバッグ１１は、乗員２ の胴体のうち保護する必要性の高いその上部２ｂから上方のみを保護するように 、その下辺が二点鎖線５で示す位置となるように構成することもできる。また、 エアバッグ１１及びガス発生器４をサイドドア５に内蔵させることもできる。

【００１１】 エアバッグ１１は、例えば図示するような形状の布を２枚重ねにし、その周囲 を縫製することに作成される。また、その中央部にテザー、あるいは独立した縫 製部を設けることにより、偏平な膨張形状が得られる。

【００１２】 つぎに、この側突用エアバッグ１１の作動を説明する。図１及び図２において 、側面衝突が発生すると、ガス発生器４が作動してエアバッグ１１が膨張して図 示するように展開する。これにより、乗員２の頭部側面２ａ及び胴体がサイドド ア５等への二次衝突から保護される。この際、エアバッグ１１は一体的に形成さ れており、また形状が単純であるので、図５に示すような従来の２分されている エアバッグに比べ膨張・展開が容易である。

【００１３】 つぎに、エアバッグの展開時の側面形状の変形例を図３により説明する。図３ （ａ）、図３（ｂ）において、図１と異なる点は、エアバッグ２１、３１の反シ ート側の辺の上部がそれぞれ段状（２１ａ）又は曲線的に斜め（３１ａ）にカッ トされている点である。このような構成としても、上記同様に、容量の低減、展 開の容易化等の効果を得ることができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の側突用エアバッグは上述のように、シートに着座した状態の乗員の少 なくとも胴体上部側面と頭部側面をカバーするように一体的に形成され、かつエ アバッグの展開時の側面形状は、シート側の辺が略直線状であり、反シート側の 辺は、その幅が下部で胴体上部側面をカバーする程度に大きく、上部で前記頭部 側面をカバーする程度に小さくなるように下部から上部に向けて変化するもので あるので、乗員を保護しない部分がカットされてエアバッグの容量が低減され、 その結果ガス発生器を小型化することができる。また、乗員の頭部と胴体上部を カバーする部分が一体的に形成されているので、スムーズに展開可能であり、収 納箇所の制約の少ないものとなる。

【００１５】 また、エアバッグの展開時の側面形状を、縦長の略矩形から反シート側の辺の 上部が斜めにカットされた形状であるものとすると、最も単純な形状となり、膨 張・展開が最も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の側突用エアバッグの展開時の配置及び
形状を示す側面図である。

【図２】本考案の側突用エアバッグの正面図である。

【図３】側突用エアバッグの展開時の側面形状の変形例
を示す図である。

【図４】従来の側突用エアバッグの展開時の配置及び形
状を示す側面図である。

【図５】従来の側突用エアバッグの展開時の配置及び形
状を示す側面図である。

【符号の説明】

Ｗ１ 幅 Ｗ２ 幅 ２ 乗員 ２ａ 頭部側面 ２ｂ 胴体上部側面 ５ サイドドア（車室側面） １１ 側突用エアバッグ １１ａ シート側の辺 １１ｂ 反シート側の辺 １１ｃ 斜めにカットされた部分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 竹田 勝 茨城県新治郡千代田町上稲吉向原1764−１ センサー・テクノロジー株式会社 筑波 事業所内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 側面衝突時に車室側面（５）とシート
   （３）に着座した乗員（２）との間に展開して乗員
   （２）を保護する側突用エアバッグ（１１）において、 前記エアバッグ（１１）は、シートに着座した状態の乗
   員（２）の少なくとも胴体上部側面（２ｂ）と頭部側面
   （２ａ）をカバーするように一体的に形成され、 かつ前記エアバッグ（１１）の展開時の側面形状は、シ
   ート側の辺（１１ａ）が該シート（３）に沿った略直線
   状であり、反シート側の辺は（１１ｂ）、前記シート側
   の辺との幅が下部（Ｗ１）で少なくとも前記胴体上部側
   面をカバーする程度に大きく、上部（Ｗ２）で前記頭部
   側面をカバーする程度に小さくなるように下部から上部
   に向けて変化するものであることを特徴とする側突用エ
   アバッグ。
2. 【請求項２】 前記エアバッグ（１１）の展開時の側面
   形状は、縦長の略矩形から反シート側の辺の上部が斜め
   にカット（１１ｃ）された形状であることを特徴とする
   請求項１に記載の側突用エアバッグ。