JP3013718U - 砂場用清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バランスの採れた単純な機構によりコンパク
トに纏め、小型軽量化、小回り等の機動性と静謐性の向
上、掻き上げ効率、篩い効率の向上を図った砂場用清掃
装置を提供することを目的とする。 【構成】 前下向き傾斜状に配した左右一対のフレーム
２の上部に原動機４を搭載し、該フレーム２の前部に左
右一対の砂地用動輪５を回転自在に枢着し、該フレーム
２の後方上部に運転操作機能集中ハンドル６を設けて装
置全体が自走式の走行二輪車体となるように砂場用清掃
装置１を構成する。また、砂の掬上げと前進用補助動輪
としての機能を有し、砂地用動輪５と同軸に変速可能に
回転するテーパーロータ７と、掬い上げた砂を篩落とし
ながら搬送する前下向き傾斜状の網目構造のコンベア８
と、篩いのための振動機構を有する網目構造のゴミ収集
箱１１と、該コンベア８の傾斜面略中央の裏面に付き当
てながらコンベア８の進行方向と逆回転する目詰まり防
止機構１３を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、所謂サンドクリーナーと称されるもので、公園、保育園等に設置さ れている砂場での犬猫の糞尿等の汚染物や、空き缶、プラスチック、ガラス破片 等の危険投棄物を掃除し、砂場を清掃するための小中規模の砂場用清掃装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、空き缶、プラスチック、ガラス破片等の危険投棄物を清掃するこの種の 装置としては、特開平４−１７４１１５号公報、特開平２−２６１１１０号公報 、特開平２−２６１１１１号公報、特開平２−１５３１０４号公報等に開示され ているようなクローラ式走行機体に、掬上げ部により砂を篩い落としながら後方 へ搬送するコンベアを備えたビーチクリーナや、特開昭４９−８４０６２号公報 の機体前方に横方向に往復振動する篩体を載架させた塵屑処理作業機、または、 実開平４−９７９２８号公報のトラクタ牽引車に牽引される走行車体に無端ベル トに多数のタインを植設した傾斜状の塵移送機構と、該塵移送機構後部の塵集積 バケットと、ふるい線から成る振動揺動可能な分別装置とを設けたもの、さらに 、実開昭５７−４６６２０号公報の固定または回転自在のスクリーン後方または 中央にごみ収集筐を設けたもの等が知られている。

【０００３】 又、砂場での犬猫の糞尿等の排泄汚染物による細菌、回虫汚染は、環境衛生上 の大きな問題になっており、特に人間の体内に入ると発熱、筋肉痛、栄養障害、 視力障害の原因となる犬猫の回虫卵であるトキソカラ属線虫卵は、市街地の砂場 の約７０％から発見され、砂２０ｇ中平均２０個の害虫が存在し、上記した危険 投棄物と共に砂場の美観を損ねるだけでなく、公園、保育園全体の価値あるいは グレードを下落させる原因となるものであった。このため、従来では、特開平５ −２８４８８８号公報に開示されているように、砂場の砂を乾式強制加熱により 加熱処理することで砂中に混在するトキソカラ属の虫卵を不活性化する衛生処理 方法が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、こうした危険投棄物や汚染物を効率よくしかも単純作業でかつ低コ ストで除去あるいは殺菌消毒できるシステムは完全には確立されていないのが現 状で、砂の全取り換えをするという煩雑で高いコストである管理体制が要求され ていた。すなわち、従来の技術によると、クローラ式走行機体などのように機構 自体が大型で重量性のある装置となり、人力による小回り等の運搬移動の際の機 動性が低下し、また、使用時の騒音も大きい。さらに、従来では塵砂の分別装置 と塵集積バケットとが別体構成されていて余分なスペースを採るので極端に全長 が長くなり、無闇に塵移送機構を急傾斜にさせると砂の掻き上げ効率や篩い効率 が低下し、充分な篩い分別量と掻き上げ量を確保することができない等の問題点 を有していた。

【０００５】 そこで、本考案は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、 装置全体をバランスの採れた単純な機構によりコンパクトに纏めて小型軽量化さ せ、小回り等の機動性と静謐性、さらに掻き上げ効率、篩い効率を向上させると 共に、汚染の元凶である犬猫の糞尿等の固形異物を略１００％除去し浄化するこ とでクリーンな砂場を実現することができる砂場用清掃装置を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、本考案にあっては、自走式の走行二輪車体に、 砂の掬上げと前進用補助動輪としての機能を有し、砂地用動輪と同軸に配され変 速可能に回転するテーパーロータと、該テーパーロータを介して掬い上げた砂を 篩落としながら後方上部に搬送するよう前下向き傾斜状に配した網目構造のコン ベアと、該コンベアからのゴミ等を入れる、篩いのための振動機構を有する後部 の網目構造のゴミ収集箱と、該コンベアの傾斜面略中央の裏面に付き当てられか つコンベアの進行方向と逆回転するように配した目詰まり防止機構を有すること を特徴とする。

【０００７】 そして、走行二輪車体のフレーム上部に液状殺菌剤用タンクを載架させ、自然 流下する液状殺菌剤を前記コンベア上に導入散布させるよう該液状殺菌剤用タン ク下部に多孔パイプを配した構成とすることができる。

【０００８】 また、前記目詰まり防止機構は、前記コンベアの回転駆動部に連動させた少な くとも１本以上のブラシ回転体であっても良く、さらに、前記振動機構は、走行 二輪車体のフレームに対し揺動可能に前記ゴミ収集箱を支承し、走行二輪車体の フレーム上部に回転自在に枢支されたラチェット爪状のカムに、該ゴミ収集箱の 上端に有するカム連動棒を突き当てて構成しても良い。

【０００９】

【作用】

本考案に係る砂場用清掃装置にあって、前部に設置されている砂地用動輪とテ ーパーロータの回転速度が異なるため、前進速度はゆっくりしていても砂の掻き 上げ量は充分に確保されると共に、該テーパーロータは砂場深部への潜り込み機 能、砂の解し、掻き上げ、コンベアへの搬送機能、前進をサポートする動輪機能 としての単純化された機能性に富むものとして作用する。例えば、前進速度を遅 くすれば、砂地を深く掘り進み、速めれば浅い部分を掘り進むというように砂地 の多様な状態に、僅かな力で対応することを可能とさせる。また、ゴミ収納箱も 振動機構により篩いとして機能させたので、その結果、篩い機能を有するコンベ ア自体を短縮化させ、小型軽量性を可能にさせる。

【００１０】 また、搬送機能と同時に篩いの役目を付与させたコンベアの裏面に付当状に配 された目詰まり防止機構は、該コンベアの進行方向と逆回転させることで篩い効 率をアップさせるため装置全長の短縮化を可能とさせる。

【００１１】 さらに、装置のフレーム上部の空間に配された液状殺菌剤用タンクの液状殺菌 剤は、自然流下式に下方の多孔パイプにより導かれコンベア下の異物除去処理後 の砂上に散布され、固形ゴミの選別と同時に殺菌消毒処理を行なわせる。

【００１２】

【実施例】

以下、図１乃至図３を参照して本考案の一実施例を説明するに、図において示 される符号１は、所謂サンドクリーナーと称されるもので、公園、保育園等に設 置されている砂場での犬猫の糞尿等の汚染物や、空き缶、プラスチック、ガラス 破片等の危険投棄物を掃除し、砂場を清掃するための小中規模の砂場用清掃装置 であり、該砂場用清掃装置１は、前下向き傾斜状に配した左右一対のフレーム２ の上方へ立設するエンジン固定用フレーム３を介してエンジン、減速装置等を有 する原動機４を搭載し、該フレーム２の前部には左右一対の砂地用動輪５を回転 自在に枢着し、該フレーム２の後方上部にはスロットル、クラッチ等の運転操作 機能集中ハンドル６を設けて装置全体が自走式の走行二輪車体に構成している。 例えば、本装置１は幅、高さ、長さとも略１メートル程度にコンパクトに纏めら れており、また部材の重量も略６０ｋｇ〜７０ｋｇ前後に収めて軽量化させるこ とで、小規模な砂場の浄化にも、また移動運搬にも充分対応できるようにしてあ る。

【００１３】 砂場用清掃装置１は、前記フレーム２の砂地用動輪５と同軸で変速可能に回転 するようにテーパーロータ７を配置させてあり、砂の掬上げと前進用補助動輪と しての機能を有している。すなわち、原動機４の出力スプロケット１９とエンジ ン固定用フレーム３に軸支させた二段式の第一ガイドスプロケット２０との間に エンドレスチェーンを巻掛させることで連繋させ、該第一ガイドスプロケット２ ０の二段目の小ガイドスプロケット２０Ａとエンジン固定用フレーム３に軸支さ せた二段式の第二ガイドスプロケット２１との間にエンドレスチェーンを巻掛さ せることで連繋させ、さらに、該第二ガイドスプロケット２１の二段目の小ガイ ドスプロケット２１Ａと、テーパーロータ駆動スプロケット２２および砂地用動 輪スプロケット２３との夫々にエンドレスチェーンを介して連繋させてある（図 １、図２、図３参照）。このようにして、砂地用動輪５とテーパーロータ７とは 互いに同軸で変速可能に回転される。

【００１４】 また、該テーパーロータ７を介して掬い上げた砂を篩落としながらフレーム２ の後方上部に搬送するよう前下向き傾斜状にエンドレスベルト状の網目構造のコ ンベア８を駆動ローラ９と従動スプロケット１０間に巻装させてある。また、こ のコンベア８外面には適宜の間隔でもってゴミ止板８Ａを固定してあり、固形異 物のみを上方へ搬送させるようにしてある。そして、駆動ローラ９に同軸に嵌挿 させたコンベア駆動スプロケット１４と前記第二ガイドスプロケット２１の二段 目の小ガイドスプロケット２１Ａとにエンドレスチェーンを介して連繋させ、原 動機４により該コンベア８を回転駆動するように構成してある。

【００１５】 また、フレーム２の後方上部には該コンベア８からのゴミ等を入れる、篩いの ための振動機構を有する篭状の網目構造のゴミ収集箱１１を吊持させ、該ゴミ収 集箱１１の背部にはゴミ引き出し用の開閉扉１２を設けてある。具体的な振動機 構として、例えば砂場用清掃装置１のフレーム２に対し揺動可能に前記ゴミ収集 箱１１を吊持支承し、フレーム２上方後部に回転自在に枢支された前記コンベア ８の従動スプロケット１０に一体軸上に嵌挿されたラチェット爪状のカム部２６ に該ゴミ収集箱１１の上端に突設したカム連動棒２７を突き当てるように配置さ せ、前記コンベア８の回転駆動に連動して篩い振動を起こさせる様に構成しても 良い。

【００１６】 コンベア８の傾斜面略中央の裏面に付き当てられかつコンベア８の進行方向と 逆回転するように目詰まり防止機構１３を配設してあり、例えばフレーム２の傾 斜面略中央の下方に突出させ、前記ゴミ収集箱１１のコンベア８への接触防止用 として機能させたゴミ収集箱ストッパー１５に一本以上の横長のブラシ回転体１ ６を回転自在に枢着し、該ブラシ回転体１６に同軸に嵌着させた従動スプロケッ ト１７と、前記コンベア８の駆動ローラ９に同軸に嵌挿させたコンベア駆動スプ ロケット１４との間にエンドレスベルト１８を交叉状に巻装させてある。２８は ゴム垂れで、前記テーパーロータ７で跳ね上げた砂をコンベア８にガイドするも のである。２９は姿勢保持用ソリである。

【００１７】 そして、砂場用清掃装置１のフレーム２上部に液状殺菌剤用タンク２４を載架 させ、自然流下する液状殺菌剤を前記コンベア下に霧状に導入散布させるよう該 液状殺菌剤用タンク２４下方に多孔パイプ２５を配してある。また、前記左右の 砂地用動輪５をタイヤに履き替えるか、または車輪付きキャリアを利用すれば、 原動機４のエンジンを停止させての人力による砂場用清掃装置１の運搬移動も容 易にできるようにしても良い。さらに、上記した砂場用清掃装置１を構成する各 部材は、走行二輪車体としての全体重心のバランスに充分考慮した配置としてあ ることは言うまでもない。

【００１８】

【考案の効果】

請求項１によれば、装置全体をバランスの採れた単純な機構によりコンパクト に纏めて小型軽量化させ、小回り等の機動性と静謐性、さらに掻き上げ効率、篩 い効率を向上させると共に、汚染の元凶である犬猫の糞尿等の固形異物を略１０ ０％除去し浄化することでクリーンな砂場を実現することができる。また、非常 に困難といわれるサラサラに乾燥した砂地走行をも容易にする。

【００１９】 請求項２によれば、清掃作業をしながら固形ゴミの選別と同時に単純な操作で 容易に殺菌消毒処理を行なうことができる。

【００２０】 請求項３によれば、コンベアを急傾斜に構成しても、篩い効率が今まで以上に 発揮され、装置全長の短縮化を可能とする。また、使用目的に応じてブラシ回転 体を２連３連に置換することができ、あらゆる状態、対象物に対応できる。

【００２１】 請求項４によれば、乾燥度や固形度等、砂の状況によって篩い残した砂がその まま後部のゴミ収集箱に搬送されても、ゴミ収集箱自体が網目構造の篩いである ため砂と固形ゴミとの選別がゴミ収集箱内でも行ない得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示した装置の側面図であ
る。

【図２】本考案の一実施例を示した装置の平面図であ
る。

【図３】本考案の一実施例を示した装置の正面図であ
る。

【符号の説明】

１…砂場用清掃装置 ２…フレーム ３…エンジン固定用フレーム ４…原動機 ５…砂地用動輪 ６…ハンドル ７…テーパーロータ ８…コンベア ８Ａ…ゴミ止め板 ９…コック １０…従動スプロケッ
ト １１…ゴミ収集箱 １２…開閉扉 １３…目詰まり防止機構 １４…コンベア駆動ス
プロケット １５…ゴミ収集箱ストッパー １６…ブラシ回転体 １７…従動スプロケット １８…エンドレスベル
ト １９…出力スプロケット ２０…第１ガイドスプ
ロケット ２１…第二ガイドスプロケット ２２…テーパーロータ
駆動スプロケット ２３…砂地用動輪スプロケット ２４…液状殺菌剤用タ
ンク ２５…多孔パイプ ２６…カム部 ２７…カム連動棒 ２８…ゴム垂れ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自走式の走行二輪車体に、砂の掬上げと
   前進用補助動輪としての機能を有し、砂地用動輪と同軸
   に配され変速可能に回転するテーパーロータと、該テー
   パーロータを介して掬い上げた砂を篩落としながら後方
   上部に搬送するよう前下向き傾斜状に配した網目構造の
   コンベアと、該コンベアからのゴミ等を入れる、篩いの
   ための振動機構を有する後部の網目構造のゴミ収集箱
   と、該コンベアの傾斜面略中央の裏面に付き当てられか
   つコンベアの進行方向と逆回転するように配した目詰ま
   り防止機構を有することを特徴とする砂場用清掃装置。
2. 【請求項２】 走行二輪車体のフレーム上部に液状殺菌
   剤用タンクを載架させ、自然流下する液状殺菌剤を前記
   コンベア下に誘導散布させるよう該液状殺菌剤用タンク
   下方に多孔パイプを配した請求項１記載の砂場用清掃装
   置。
3. 【請求項３】 前記目詰まり防止機構は、前記コンベア
   の回転駆動部に連動させた少なくとも１本以上のブラシ
   回転体である請求項１または２記載の砂場用清掃装置。
4. 【請求項４】 前記振動機構は、走行二輪車体のフレー
   ムに対し揺動可能に前記ゴミ収集箱を支承し、走行二輪
   車体のフレーム上部に回転自在に枢支されたラチェット
   爪状のカムに、該ゴミ収集箱の上端に有するカム連動棒
   を突き当てて構成した請求項１乃至３のいずれか記載の
   砂場用清掃装置。
5. 【請求項５】 自走式の走行二輪車体に、砂の掬上げと
   前進用補助動輪としての機能を有し、砂地用動輪と同軸
   に配され変速可能に回転するテーパーロータと、該テー
   パーロータを介して掬い上げた砂を篩落としながら後方
   上部に搬送するよう前下向き傾斜状に配した網目構造の
   コンベアと、走行二輪車体のフレームに対し揺動可能に
   支承され、走行二輪車体のフレーム上部に回転自在に枢
   支されたラチェット爪状のカムに、該ゴミ収集箱の上端
   に有するカム連動棒を突き当てて構成した篩いのための
   振動機構を有する後部の網目構造のゴミ収集箱と、該コ
   ンベアの傾斜面略中央の裏面に付き当てられかつコンベ
   アの進行方向と逆回転するように配され、前記コンベア
   の回転駆動部に連動させた少なくとも１本以上の長いブ
   ラシ回転体である目詰まり防止機構を有し、走行二輪車
   体のフレーム上部に液状殺菌剤用タンクを載架させ、自
   然流下する液状殺菌剤を前記コンベア下に誘導散布させ
   るよう該液状殺菌剤用タンク下方に多孔パイプを配した
   ことを特徴とする砂場用清掃装置。