JP3013624U

JP3013624U - 整形外科用ブレース

Info

Publication number: JP3013624U
Application number: JP1995000073U
Authority: JP
Inventors: クレイグ・ドナルド・オスター; デイビッド・クラーク・バイラム; デイトン・ウェイド・ハルスト
Original assignee: ミネソタマイニングアンドマニュファクチャリングカンパニー
Priority date: 1994-01-21
Filing date: 1995-01-13
Publication date: 1995-07-18
Anticipated expiration: 2001-01-13
Also published as: US5425701A; EP0664110A1

Abstract

(57)【要約】【目的】取り外し自在で異なる寸法の足にフィットす
ることができる、負傷した足、くるぶし及び脚を固定し
て回復を促進する整形外科用ブレースを提供する。【構成】足底部２２とブーツ部２６と一対のストラッ
ト２８と、ブーツ部２６と足底部２２を接続するコネク
タとを備える。コネクタのフランジ部とストラット２８
は、足底部２２の縦軸にほぼ垂直な基準軸上のいずれか
の位置で取り外し自在に位置決めするようにしており、
それぞれブーツ部２６の下部の幅とストラット間の長さ
を患者の足の寸法に合わせて調整できる。また、足底部
２２は縦軸の両側で左右対称なので左右いずれの足にも
適用できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、整形外科用装置に関し、特に、負傷した脚の下部、くるぶし及び足を安定させることによって回復を早めるためのブレースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

脚の下部や足の負傷は、骨折した骨やひびの入った骨を安定・固定することと、くるぶしのような負傷した接合部を支持することによって治療することが多い。また、損傷箇所を取り囲む組織も固定される。

【０００３】医師は、着脱自在の歩行補助靴や歩行ブレースを脚の下部や足の負傷の治療によく使用する。これらの装置は、石膏や樹脂注型以上に好まれる場合がある。というのは、これらの装置は、入浴時や、皮膚が乾燥したりその他の刺激を感じたときの皮膚へのアクセス、また、他の医療処置を施す際のアクセスのために、取り外すことが可能であるからである。

【０００４】過去に多種の脚及び足用歩行ブレースが提案され、多くの特許明細書に叙述されている。例えば、米国特許第４，３２０，７４８号、４，６９３，２３９号、４，９７４，５８３号、５，０７８，１２８号及び５，１７６，６２３号各明細書が挙げられる。上記歩行ブレースのほとんどは、比較的硬質の足底部、足底部の対向する側面から上方に延在する一対の硬質ストラット、及び足と脚の下部を包囲する比較的軟質の可撓性ブーツ部とからなる。ストラットはブーツ部の外面を覆うように位置決めされる。複数の留めストラップが、ブーツ部の周囲にストラットを覆って延在し、ブーツ部を脚に固定し、かつ、足に関して脚の下部を安定させるために利用される。さらに、足底部に固定した１つ又は複数のストラップは、患者の足に接する領域でブーツ部を覆って延在する。

【０００５】しかし、従来公知の歩行ブレースは、次の点で満足のいくものではない。つまり、これらの装置は、歩行ブレースを異なる寸法の足及び脚に合わせるという問題に十分対処されていないからである。非常に多くの異なる寸法の歩行ブレースを生産すると、実質的に生産コストが上昇することは明らかである。また、医療関係者にとって、左右片足用の正確な寸法のブレースが必要なときにいつでも確実に入手可能とするために、異なる寸法の歩行ブレースの多数の在庫を維持することは相当高くつく。

【０００６】正確に寸法を合わすことによって負傷箇所の安定と回復を促進できるので、歩行ブレースの寸法を合わせることは重要である。また、正確に寸法の合ったブレースは、特に患者が歩行するときに、より快適に着用できる。さらに、多くのタイプの歩行ブレースは必要に応じて患者自身が取り外せるので、医師が長期間の歩行ブレースの着用を処方した際にも患者の協力が得られるように、歩行ブレースが可能な限り快適であり、患者の通常の運動を不当に妨げないことが重要である。

【０００７】多様な寸法の足及び脚にフィットすることができて、かつ、骨と周囲の組織を正確に固定・安定する歩行ブレースが必要とされていることは明らかである。このようなブレースは、患者にとって必要なときに取り外したり着用したりするのが容易であるべきであり、また、患者の活動が不当に制限されないように患者に充分な快適さを提供するものでなければならない。

【０００８】

【考案の要旨】

本考案は、縦軸を有する足底部と可撓性材料からなるブーツ部とを備える整形外科用ブレースに関する。ブーツ部は、患者の足を覆って延在する下部と患者の脚のくるぶしより上に延在する上部とを備える。ブーツ部は、側方面、中央面、及び、側方面と中央面の少なくとも一方に沿って下方に延在する自由端である底縁部とを備える。ブレースは、また、足底部に接続され、かつ、ブーツ部の側方面及び中央面に沿って上方に延在する一対の細長く比較的硬質のストラットを有する。コネクタは、ブーツ部の自由端である底縁部を足底部に対して接続するために備えられる。コネクタは、足底部の縦軸にほぼ垂直な基準軸上のいずれかの位置で、自由端である底縁部を足底部に取り外し自在に接続する。そうすることによって、ブーツ部の下部の幅が多様に変化できるようにする。

【０００９】

【実施例】

以下に、本考案の一実施例を図１〜７に従って詳細に説明する。

【００１０】本実施例に係る整形外科用ブレースの全体を図１中符号２０で示している。ブレース２０は、足底部２２（図１，４参照）、中底部２４（図４参照）、ブーツ部（図１，５，６参照）、及び、一対の直立ストラット２８（図１，６，７参照）からなる。「短脚」用歩行ブレースが図示されているが、本考案は、脚全体をカバーする歩行ブレースやくるぶし用ブレースのような他の整形外科用装置にも有用であることが理解されなければならない。

【００１１】足底部２２はインサート部材３０を備える。これに関しては、図２，３にさらに詳細に示されている。インサート部材３０は、比較的硬質のプラスチック、又は、厚さ０．０６０ｉｎｃｈ（１．５ｍｍ）の焼戻しアルミニウムや「エアクラフト」アルミニウムのような金属材料から形成される。インサート部材３０は、インサート部材３０の縦側面に沿って位置決めした対向する二対の直立ラグ３２を有する。インサート部材３０は、また、インサート部材３０の後部に位置決めした１つの中央直立ラグ３４を有する。各ラグ３２，３４は、細長開口を有している。

【００１２】インサート部材３０には４つの孔が貫通しており、図１に示すように中央の縦基準軸３６に沿った位置に形成されている。インサート部材３０の底部には、角ナット３８（図３中点線で示される）が溶接され、また、縦基準軸３６に沿って位置決めされている。オプションとして、ナット３８を使用する代わりに、インサート部材の材料の一部を下方に押し出し成形して、肉厚壁部材３０によって包囲された孔を形成するとともに、その成形壁部材の内側にタップを用いて複数のねじを形成してもよい。

【００１３】インサート部材３０の対向する縦側面に沿って２つの切り欠き４０が設けられている。これらの切り欠き４０は、ナット３８と一直線に並んだ位置に形成している。各切り欠き４０は、インサート部材３０に形成した「へ」の字に湾曲した耳で構成される前部側面及び後部側面を備える。インサート部材３０の中央部は平坦である。一対の前方ラグ３２の前方のインサート部材３０の前部は、インサート部材３０の中央部に対して上方に僅かに傾斜している。この前部も、また、平坦であるが、オプションとして湾曲していてもよい。同様に、ナット３８及び切り欠き４０の後方のインサート部材３０の後部は、また、インサート部材３０の中央部に関して僅か上方に傾斜するとともに、平坦若しくは湾曲している。他の変形例としては、インサート部材３０全体は、ラグ３２，３４を除いて、平坦であって同一平面上にある。

【００１４】足底部２２は、底部クッション層４２及び上部クッション層４４をそれぞれインサート部材３０の底面と上面にそれぞれ接着剤で接着して形成する。オプションとして、層４２，４４は、また、インサート部材３０の４つの孔の内側領域において互いに接着することもできる。他のオプションとして、層４２，４４は、インサート部材３０の周囲を超えて延在し、突出するラグ部分３２，３４を除いてインサート部材３０を層４２，４４が完全に被覆する領域で一体的に成形するか互いに（例えば熱によって）接着してもよい。都合の良いことには、インサート部材３０に４つの孔が備わることによって、完成した足底部２２の重量を減量することができる。

【００１５】底部層４２は、ブレース２０が歩行時に使用されたとき、地面又は地面上の物体から損傷を受けるのを防止するために、比較的強固で耐摩耗性を有する。しかし、底部層４２は、幾分弾力性を有し緩衝手段として機能する。好ましい材料は、下層の耐摩耗性／耐スキッド性部分４３と上部のクッション層４５からなる二層貼り合わせ構造を有する。下層部４３はＥＶＡ（エチレン−酢酸ビニル共重合体）から形成され、上部のクッション層４５はポリエチレンのような発泡材から形成される。

【００１６】インサート部材３０の選択形状によって、底部層４２は均一の厚さ（例えば０．２５ｉｎｃｈ、すなわち６ｍｍ）を有してもよいし、厚さが不均一で足底部２２の縦軸３６に沿う方向に湾曲していてもよい。底部層４２の上部層４５は、下層４３全体を覆って延在してもよいし、または、図１，４に示すように、足底部２２の中央部だけを覆って延在してもよい。足底部２２は、患者の歩行を容易にするために、不必要に厚くしてはならず、また一方で患者の脚に充分なクッションを与えるようにするのが望ましい。

【００１７】上部層４４は、患者のためによりクッション性を高め、さらに、患者の足の形状に容易に一致するように、底部層４２よりもやや軟質で弾力性が大きい。好ましい材料としては、厚さが０．１ｉｎｃｈ（２．５ｍｍ）以下のポリエチレンのような発泡材が挙げられる。

【００１８】上部フォーム層４４の上部表面全体には、フック・ループ式ファスナーのループ部４６が延在している。また、足底部２２は左右いずれの足にも適用される点に注目すべきである。これは、足底部２２の形状が、図３に示す中央の基準軸３６の両側で左右対称をなしているからである。

【００１９】図４に示す中底部２４は、例えば、適合する高密度ウレタンフォーム［イー− エイ−アール・スペシャルティ・コンポジット（E-A-R Specialty Composites) ，カボート・セイフティ・コーポレイション（Cabot Safety Corporation)製］やＥＶＡ材料のような独立気泡成形フォーム材料からなる。中底部２４はオプションであるが、備えられるのが好ましい。図４に示す中底部２４は、ＥＶＡ材料から形成し、左側面に沿って直立して緩やかな曲線を描いた隆起部４８を有する。図示の隆起部４８は、患者の足の甲又は右足底のアーチに一致して受け入れられるようにする。中底部２４は、また、患者の踵を受け入れるためのくぼみ部５０を備える。

【００２０】また、図示していないが、ブレース２０が患者の左足に使用される場合には、他の中底が使用される。この場合の中底は、次の点を除いて中底部２４に類似する。すなわち、足の甲のための直立する隆起部は、中底部の反対側面すなわち右側面に沿って現れる。したがって、ブレース２０は、必要に応じて患者の左右いずれの脚にも容易に適用することができて、片足用ブレースのための維持費及び在庫品のコストを大幅に削減することが可能である。

【００２１】ブーツ部２６は、図６を参照すると分かるように、布地とフォームパッドとの組み立てによって形成される。ブーツ部２６は、内面フォームパッド５２と外面フォームパッド５４を備え、両フォームパッドは、好ましくは、中密度独立気泡発泡材からなる。中密度独立気泡発泡材の例としては、密度が２ポンド毎立方フィート（５５ｇｍ／ｃｍ³）で、約０．２５ｉｎｃｈ（６ｍｍ）の厚さを有する架橋ポリエチレンが挙げられる。外面フォームパッド５４は、外面フォームパッド５４の外側表面に接着した耐摩耗性ポリエステル地５６（図５参照）によって被覆される。

【００２２】図６に示すように、外面フォームパッド５４の内側表面は、ストラット２８の直立脚を収納するための一対の細長い凹部５８を有する。オプションとして、ストラット２８は、プラスチック製又は金属製リベット６０（図５参照）によって、凹部５８内に保持するようにしてもよい。リベット６０は、外面の布地５６、外面フォームパッド５４、及びストラット２８の細長い水平スロットを貫通する。凹部５８の幅は、ストラット２８の幅より広い。ストラット２８にスロットが備わることによって、ストラット２８は、ブーツ部２６を患者の脚の周囲に固定したときに、必要に応じて凹部５８内を横方向に（すなわち、ブーツ部２６の前方／後方に向かって）移動することができる。その結果、ブーツ部２６は、異なる周囲寸法の様々な脚にフィットするように適応自在になる。内面フォームパッド５２は、熱又は好適な接着剤によって外面フォームパッド５４に対して接着される。都合がよいことには、ストラット２８の直立脚は、パッド５２，５４の間に収納されるので患者の皮膚と触れ合うことがない。また、ストラット２８の直立脚はブーツ部２６の外側に現れないので、他の物体に引っ掛かったり不意に患者又は他の者と接触する危険がない。

【００２３】ブーツ部２６は、また、患者の皮膚と接触する柔軟な布地の内層６２を備える。好ましくは、布地６２は、耐水洗性で通気性の優れた布地で形成されることによって、患者の皮膚からの発汗の吸い上げ作用を促進する。この布地の例として、綿や微孔質の熱可塑性フィルム［例えば、ゴアテックス（GORTEX）及びクール −マックス（COOL-MAX）の商標名で販売されているフィルム］が挙げられる。また、図６に示すように、ブーツ部２６は複数の孔６３（図６にのみ示される）を備える。複数の孔６３は、一列に並んでパッド５２，５４と布地層５６，６２を貫通し、ブーツ部２６の内部の通気性を高める。

【００２４】布地６２の内部層は、間隔をおいて並べられたフック・ループ式ファスナーの細長セグメント６４によって、内面フォームパッド５２に取外し可能に取り付けられる。フック・ループ式ファスナー・アセンブリの一部（すなわち、フック部又はループ部のいずれか）は、内面フォームパッド５２に対して固定される。一方で、フック・ループ式ファスナー・アセンブリの他方（図示せず）は、フォームパッド５２に対面する布地６２の内層の側面に固定される。したがって、患者が所望により布地６２の内層をブーツ部２６の残りの構成部材から分離したり、洗濯したりすることが可能である。

【００２５】ブーツ部２６は２つの対向する側面を備え、この側面は、患者の右脚に着用した場合に、外側面６６、中央面６８と呼ぶことができる（図５参照）。しかし、このような用語は例示のみを目的として使用しているにすぎない。というのは、ブーツ部２６は左右いずれの脚にも着用されるようになっており、ブーツ部２６の使用を片方の脚あるいは他方の脚に限定する形状を有していないからである。ブーツ部２６は、また、後面７８を備えている。自由端である最低底縁部７０は外側面６６、中央面６８、後面７８の底部に沿って延在する。

【００２６】ブーツ部２６の最低縁部７０を足底部２２に接続するコネクタ７２は、細長い中央フランジ部７４、細長い外側フランジ部７６、及び２つの後方フランジ部７７（又は、オプションとして、１つの後部中央フランジ部）からなる。中央フランジ部７４は中央面６８の最低縁部に固定され、外側フランジ部７６は外側面６６の最低縁部７０に固定され、後方フランジ部７７は後面７８の最低縁部７０に固定される。好ましくは、各フランジ部７４，７６，７７は、パッド５４に関して内側に容易に回動できるように、外面フォームパッド５４に一体的に取り付けられるとともに（図６参照）、発泡材に熱と圧力を加えて形成したヒンジ型クリンプを境として外面パッド５４と区分けされている。各フランジ部７４，７６，７７は、その下面に、コネクタ７２のフック・ループ式ファスナーのフック部を備える。また、コネクタ７２は、上述したようにループ部４６を有する。

【００２７】ブレース２０を組み立てると、フランジ部７４，７６，７７は、ブーツ部２６の内側に向かって内方向に折り畳まれ、各フランジ部７４，７６，７７のフック部が、足底部２２の上部フォーム層４４の上に備わったループ部４６に平らに接触するように足底部２２の上に位置決めされる。フック・ループ・ファスナー部は取外し自在であるので、フランジ部７４，７６はそれぞれ、足底部２２に対して、図３に示す基準軸３６にほぼ垂直な基準軸３７上のどの位置で取り付けてもよい。したがって、外側面６６と中央面６８の最低縁部７０の間の間隔は変化自在になる。このようにして、ブーツ部２６の下部の幅は、患者の足の幅に一致するように必要に応じて調整することができる。

【００２８】ブーツ部２６を足底部２２に取り付けるとき、外側面６６と中央面６８はそれぞれ、ブーツ部２６の後面７８の周囲をカーブを描いて屈曲する。外側面６６と中央面６８の最低縁部７０は、互いに離れているが、縁部７０を足底部２２に固定するコネクタ７２によって所定位置に保持される。この構造は、従来の歩行ブレース用ブーツとは次の点で異なる。すなわち、従来の歩行ブレース用ブーツは、外側面と中央面を底部から上方に延長し、次に、ブーツ部の後部に位置する継目に沿って側面を互いに縫い付けて形成されている。本考案に従えば、ブーツ部の後方縁部を縫ったり、他の方法で継ぎ合わせる必要がない。オプションとして、ブーツ部２６を容易に組み立てるために、フォームパッド５２，５４を加熱／加力下で形成して図５に示す形状に近似する形状を保持するようにすることもできる。

【００２９】フランジ部７４，７６，７７が足底部２２の上に位置決めされると、中底部２４が、ブーツ部２６内に挿入されて、フランジ部７４，７６，７７とフランジ部７４，７６の対向する縁部間に露出する足底部２２の一部とを覆って位置決めされる。中底部２４は、好ましくは、患者の足幅に一致する幅を有しており、ブーツ部２６の領域内の足底部２２上に備わるループ・ファスナー部のほぼ全体を被覆する。中底部２４の周囲は、隣接するブーツ部２６の内側周囲領域の形状に一致する形状を備えるように必要に応じて切断される。都合が良いことには、ブレース２０を着用すると、患者の体重の一部、つまりブレース２２内の脚よりかけられる重量、によって、その足が中底部２４を圧迫することになり、その下にあるフランジ部７４，７６，７７のフック部をループ部４６とロック係合をなして保持することになる。その結果、ブーツ部２６が足底部２２にしっかりと接続した状態が保たれる。

【００３０】各ストラット２８は、図７に示すように側面から見るとほぼ「Ｌ」字形状を有する。各ストラット２８の下部の水平脚は、図６に示すように延長スロット８０を備える。ブーツ部２６を足底部２２に取り付けると、ストラット２８の水平脚は溝８２（図４参照）内に案内される。溝８２は足底部２２のフォーム層４５内に形成され、インサート部材３０の切欠き４０の間に挿入される。

【００３１】ストラット２８の水平脚は、溝８２内に挿入すると互いに重なり合い、小さいボルト８４（図６参照）のようなカプリングが、足底部２２の底部層４２内の小さい開口を通って案内される。好ましくは、ストラット２８は、互いに離れた一対の補強リブを備え、ナット３８は一方のストラット２８の水平脚のリブ間のスペースに丁度受け入れられる。他方のストラット２８の水平脚は、重なり合う脚のリブに嵌合し、嵌め合わせたリブとナット３８は、垂直軸を中心としてストラット２８が回動するのを防止する。

【００３２】ボルト８４は、スロット８０と組み合わさって、各ストラット２８が、縦の基準軸３６（図３参照）にほぼ垂直な基準軸上の多数の位置のいずれかのところで足底部２２に対して接続できるようにする。したがって、ストラット２８間の間隔は変化自在になるようにする。実際に、ブレース２０を組み立てるときには、コネクタ７２のフック・ループ式ファスナーは、ブーツ部２６の側面６６，６８の間の間隔を調整するのに使用される。そして次にブーツ部２６が患者に適用されると、ボルト８４は、ストラット２８を互いに適正な間隔をおいて締めつけて取り外し自在に固定する。その結果、患者の足に接する領域のブーツ部２６の幅は、足の形状にほぼ一致するようになる。ブーツ部２６の幅の調整は、ボルト８４を緩めて患者の足を外した後、中底部２４を取り除き、フランジ部７４，７６とループ部４６の係合を外し、必要に応じて適切な位置にフランジ部７４，７６を再度配置するだけで容易に行われ得る。

【００３３】ブーツ部２６は、患者の脚を出し入れするための前方開口を備える。開口の上部は、ブーツ部２６の前部に沿って中央に位置決めされ、側方面６６と中央面６８の各前端縁によって構成される。前方開口の下部は、患者の足を覆う領域に一致しており、図５に見られるように開口の上部から水平方向側方に存在する。開口の下部は、外側面６６と中央面６８の間の中央に位置する垂直な基準面の側方に位置決めされる。

【００３４】図６に示すように、パッド５２，５４（及び布地層５６，６２）は、外側フラップ８６を備える。外側フラップ８６は、中央フラップ８８よりも（最低縁部７０からの方向に）実質的に長い。中央フラップ８８はブーツ部２６の対向する側面上に位置決めされる。好ましくは、外側フラップ８６は、足の側面を覆って延在し、足の上部を全体幅に渡って覆って延在するのに充分な長さを有する。また、オプションとして、図５に示すように、側方フラップ８６は、患者の足の中央部の一部を覆って中央部の最低縁部７０に隣接して延在するのに充分な長さを有してもよい。患者が中足骨を骨折した場合、細長い外側フラップ８６は都合がよい。というのは、フラップの縁部は足の上部に沿った位置にないからである。そうでなければ、不快感が生ずる。

【００３５】患者の足と脚をブーツ部２６に装着したとき、複数の比較的短いストラップファスナー９０（図５参照）がブーツ部２６の前方開口を閉じるために利用される。各ストラップファスナー９０は、ブーツ部２６の側方面６６に対して一端で固定した布地の細長い部分からなり、その自由端上にフック・ループ式ファスナー・アセンブリのフック部又はループ部のいずれかを備える。フック・ループ式ファスナー・アセンブリの他の部分は、ブーツ部２６の中央面６８に沿って取り付けられる。

【００３６】次に、より長い外側の留めストラップ９２（図１参照、図５．６では省略されている）が、ブーツ部２６と足底部２２を患者の脚に対してさらにしっかりと固定するのに使用される。２つの下部ストラップ９２は、足底部２２のラグ３２に固定される。３つの上部ストラップ９２は、ブーツ部２６の上部に隣接する領域において患者のくるぶしより上の脚の下部を包囲する。第６の外側ストラップ９２は、他の５つのストラップ９２よりも幅が狭く、インサート部材３０のラグ３４を通って延在し、クッション９４の一部を支持する。

【００３７】外側留めストラップ９２は、それぞれ、ブーツ部２６を患者の足及び脚にしっかりと固定できるように、フック・ループ式ファスナー・アセンブリを備える端部を有する。好ましくは、少なくとも（ラグ３４を通って延在する）第６のストラップ９２、オプションとして全ストラップ９２は、伸縮可能な支持体上に取り付けたフック・ループ式アセンブリのループ部を備える。この伸縮可能な支持体の例として、「ヴェルストレッチ（VELSTRETCH）」ブランド［ヴェルクロ・ユーエスーエー（Velcro USA）社］のループ部材が挙げられる。

【００３８】３つの上部ストラップ９２は、それぞれ、外面フォームパッド５４の側方面６６と中央面６８に備えた開口９６（図１，５，６参照）を通って延在する部分を有する。したがって、開口９６間の３つの上部外側ストラップ９２のそれぞれの中央部分（図１に点線で示している）は、外面フォームパッド５４の内側に位置決めされて、ブーツ部２６の内側部分を通ってフォームパッド５２，５４の間に延在する。一方で、同一ストラップの前述の端部（図１に実線で示している）は、フォームパッド５４の外側表面の外側に位置決めしている。このような形状は、ストラップ９２の前述の部分が視界から隠れ、また、通常は他の物体とからまったり引っ掛かったりできない、という点で優れている。

【００３９】他のオプションとして、布地５６の全体を、フック・ループ式ファスナー・アセンブリのループ部を備える支持体と交換してもよい。このオプションの場合、３つの上部ストラップ９２は、ブーツ部２６上の多数の異なる位置のいずれかに取り外し可能に取り付けることができる追加のフック部を備える。その結果、このストラップ９２の最良の位置選定及び位置決めが行われ得るようにする。さらに、このオプションの場合、上記したストラップファスナー９０を可撓性の紐と交換する。この可橈性の紐は全体に、前方開口の両側の支持体に取り外し可能に取り付けることができるフック部を備える。

【００４０】図８に示した本考案の他の実施例によれば、ブーツ部１２６は、内面フォームパッド１５２、外面フォームパッド１５４、外側の布地（図示せず）、及び布地１６２の内層を含む。これらは全て、内面フォームパッド５２、外面フォームパッド５４、布地５６の外層、及び布地６２の内層とほぼ同一であるので、再度詳細に述べることはしない。また、本実施例に係るブレースの他の部材は、ブーツ部１２６を除いて、ブレース２０に関して述べた対応部材とほぼ同一であり、これに関しては追加説明は不必要である。しかし、ブーツ部１２６は、複数のチャネル１０２によって１つの普通の弁型ポンプ１０４に接続された膨張自在な一対の空気嚢１００を備える。この空気嚢１００は、孔１０８の位置と一致した通し孔１０６を有するのがよい。孔１０８は、パッド１５２，１５４、布地１６２の内層、及び布地の外層を貫通する。その結果、患者の皮膚に接触する領域の換気が行われる。

【００４１】空気嚢１００の全体形状は、内面フォームパッド１５２と布地１６２の内層の周囲の形状よりも僅かに小さい。そのため、内面フォームパッド１５２と布地１６２の内層の周縁部は、布地１６２の内層をブーツ部２６の他の部材に対して取り外し自在に接着するフック・ループ式ファスナー・アセンブリの一部を取り付けることができるようになる。空気嚢１００は、接着剤や火炎貼り合わせ又は熱ステーキングプロセスによって、内面フォームパッド１５２に接着される。

【００４２】都合が良いことには、空気嚢を膨張させるためにポンプ１０４を使用した後に、チャネル１０２をそれ自身の上に折り畳んで、ポンプ１０４を下方に回動し、ブーツ部１２６の後方面の上部内側の人目につかない位置にたくし込める。オプションとして、ポンプ１０４を収納するために、後方面上部内側のポケットがパッド１５２，１５４の間に備えられてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る整形外科用歩行ブレ
ースの側面図である。

【図２】図１に示す歩行ブレースの足底部の一部であ
る硬質インサート部材の斜視図である。

【図３】図２に示すインサート部材の平面図である。

【図４】図１に示す歩行ブレースの足底部及び中底部
の分解斜視図である。

【図５】図１に示す歩行ブレースのブーツ部を、留め
ストラップを省略して示す縮小斜視図である。

【図６】一対のストラットを備える図５のブーツ部の
分解斜視図である。ただし、ブーツ部の構成部材は、ブ
ーツ部を足底部へ取り付ける前の状態の平面形状で示し
ている。

【図７】図６に示す１つのストラットの側面図であ
る。

【図８】本考案の他の実施例に係る歩行ブレースのブ
ーツ部と一対のストラットの分解斜視図であり、ブーツ
部の構成部材は平面形状で示している。

【符号の説明】

２０整形外科用ブレース２２足底部２４中底部２６ブーツ部２８ストラット３０インサート部材（壁部材）３２ラグ３４中央ラグ３６縦基準軸３７基準軸３８角ナット４０切り欠き４２底部クッション層４３下層４４上部クッション層４５上部クッション層（フォーム層）４６ループ部４８隆起部５０くぼみ部５２内面フォームパッド５４外面フォームパッド５６ポリエステル地５８凹部６０リベット６２布地６３孔６４細長セグメント６６外側面６８中央面７０底縁部７２コネクタ７４中央フランジ部７６外側フランジ部７７後方フランジ部７８後面８０スロット８２溝８４ボルト８６外側フラップ８８中央フラップ９０ストラップファスナー９２外側ストラップ９４クッション９６開口１００空気嚢１０２チャネル１０４ポンプ１０６通し孔１０８孔１２６ブーツ部１５２内面フォームパッド１５４外面フォームパッド１６２布地

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者デイビッド・クラーク・バイラムアメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セント・ポール、スリーエム・センター（番地の表示なし) (72)考案者デイトン・ウェイド・ハルストアメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セント・ポール、スリーエム・センター（番地の表示なし)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】足底部（２２）と、ブーツ部（２６）
と、比較的硬質の一対の細長ストラット（２８）と、コ
ネクタ（７２）とを備え、上記足底部（２２）は縦軸（３６）を有し、上記ブーツ部（２６）は、可撓性材料からなり、患者の
足を覆って延在する下部と、患者の脚のくるぶしより上
に延在する上部とを有し、該ブーツ部（２６）は、外側
面（６６）と中央面（６８）を備え、該外側面（６６）
と中央面（６８）の少なくとも一方に沿って下方に延在
する自由端としての底縁部（７０）を備え、上記ストラット（２８）は、上記足底部（２２）に接続
され、ブーツ部（２６）の上記外側面（６６）及び中央
面（６８）に沿って上方に延在し、上記コネクタ（７２）は、上記ブーツ部（２６）の自由
端である底縁部（７０）を上記足底部（２２）に接続す
るものであって、かつ、上記足底部（２２）の上記縦軸
（３６）にほぼ垂直な基準軸（３７）上のいずれかの位
置において、自由端である上記底縁部（７０）を上記足
底部（２２）に取り外し可能に接続することによって、
上記ブーツ部（２６）の上記下部の幅を変化できるよう
にすることを特徴とする整形外科用ブレース。
【請求項２】上記足底部（２２）の上記縦軸（３６）
にほぼ垂直な基準軸（３７）上のいずれかの位置におい
て、上記ストラット（２８）の少なくとも１つを上記足
底部（２２）に調整自在に接続することによって、上記
ストラット（２８）間の間隔を変化できるようにするカ
ップリング（８４）を含むことを特徴とする請求項１記
載の整形外科用ブレース。
【請求項３】上記コネクタ（７２）は、上記低縁部
（７０）に沿って延在し、かつ、上記足底部（２２）上
に位置決めされる延長フランジ部（７４，７６，７７）
を備え、さらに、上記ブレースは、上記コネクタ（７２）の上記
延長フランジ部（７４，７６，７７）を覆って延在する
足底部（２２）を備えることを特徴とする請求項１記載
の整形外科用ブレース。
【請求項４】上記ブーツ部（２６）は、患者の脚の出
し入れのための前方開口を有し、該開口は、患者の脚に沿ってくるぶしより上に延在する
上部と、患者の足の一部を覆って延在する下部を含み、
該開口の該下部は、上記側方面（６６）と上記中央面
（６８）の間で中央に位置する基準軸の側方に位置決め
されることを特徴とする請求項１記載の整形外科用ブレ
ース。