JP3013396U - ポット形ミネラル水創水器の殺菌回路システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然石利用のミネラル添加形創水器に於て、
安全なミネラル水を長期に亘り安定供給することを目的
とした機器の構成とその回路及び運転仕様。 【構成】 天然石カートリッジ内に直径３０ミクロンの
極細銅繊維を残留塩素除去並びに殺菌を目的として封入
する一方、そのカートリッジと容器内の水との間を長期
に亘り間欠的に循環せしめるためのポンプとその駆動を
司る電子回路を装備したポット形創水器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水質改良を目的とした創水器の循環回路システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

上水源の汚染進行に伴い、浄水場での塩素注入が増加し、水道水にカルキ臭が 強まったことから、活性炭による蛇口取付形浄水器が第１段階として普及した。 この普及が一巡するに及び「不純物の除去」から「おいしい水」を求める第２段 階へと浄水器は移行し、「天然石」を利用した天然の湧水、谷間を流れる清流を お手本にした各種ミネラル水製造器が家庭で愛用されるに至った。 こうした装置の一つに「水質改良モジュール形カートリッジ」（実用新案登録 番号第３００３５２４号／平成６年８月１０日）が公知である。かかるカートリ ッジに水道水を通過せしめると、所定のミネラル溶出と、水道水中に含まれる残 留塩素除去、更には雑菌の発生を抑えることが知られ、通常、新規に水道水を注 入した場合、当初１時間程度通水を持続すべくポンプによる循環が行われていた 。これにより初期の目的である塩素除去とミネラル溶出の条件は満されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

しかし、土、日の休日、或は季節休み等で旅行等に出掛け、中長期に不在する 場合等、例えば冷蔵庫であれば電源コードを接続しておくことにより庫内の保冷 は保たれ収納品の安全は確保される。 一方、ミネラル水製造器に於ては、初期の循環によりミネラル化、塩素除去及 び殺菌の目的は果たせても、以後の安全に関し、確たる保障はなかった。従来、 天然石、活性炭等を用いて塩素を除去した場合、浄水器内に雑菌が繁殖するケー スが多々見受けられた。 本願はこうした欠点を解消し、中長期に亘る不在に於ても、冷蔵庫と同様に電 源コードの接続さえ抜かなければミネラル化された創水器の水が安全状態で長期 保存されることを提案するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

図１は本願の全構成を示すブロック図である。従来、殺菌用「特殊繊維」（２ ）と「天然石」（３）とをカートリッジ（４）に内蔵せしめ、ポンプ（６）によ り水道水（１）から供給された水を循環駆動することで容器（１０）内にミネラ ル水（５）を貯水する。この貯水されたミネラル水（５）は電磁弁（７）を開く ことにより吐出口（８）より外部へ供給される。 従来は「天然石」（３）からのミネラル溶出を目的として水道水（１）が容器 （１０）に注入された初期に１回のみ循環が実施されていた。そのため、殺菌用 「特殊繊維」（２）による殺菌効果は当初のみであり、長期間の保存に対しては 、空気中より容器（１０）内に細菌が侵入する可能性もあった。 そこで今回はその循環システムを、本装置の設置期間中継続して行うことにし た。その循環回路内に殺菌用「特殊繊維」（２）が介在することから、設置期間 中、長期に亘り電磁弁（７）の開放によるミネラル水（５）の使用の有無いかん に拘らず安全なミネラル水（５）を確実に保存出来る。

【０００５】

【作用】

上記の恒常的循環を行わせるため、ポンプ（６）に特殊な出力波形を有する電 子駆動回路（１２）を付与する。以下、その具体的内容を実施例で説明する。

【０００６】

【実施例】

実施例を図面に基づき説明する。 図２は本願の主要図で上部に機器の構成、下部にポンプ（６）を駆動する信号 波形のタイムチャートが示されている。このタイムチャートは当初比較的長い時 間（Ｑ）の間、ポンプ（６）を駆動することでミネラル溶出を行わせ、以降は短 い時間（ｔ）を所定間隔（Ｔ）で繰り返し運転することが示されている。 この運転波形は電子回路（１２）から発せられ、このパルス巾間隔に比例した 時間、ポンプ（６）は運転が行われる。実施例としてＴ＝１時間、ｔ＝１分間が あり、Ｑは「天然石」（３）の種類により0.5 〜1.0 時間が選ばれている。 この運転により、容器（１０）内のミネラル水（５）はポンプ（６）の動力で 「特殊繊維」（２）に送られ殺菌作用を受けた後、「天然石」（３）に接し、こ れを通過することでミネラルの溶出を受け、フィルター（９）を経て容器（１０ ）内に戻る。 カートリッジ（４）内には「特殊繊維」（２），「天然石」（３）それにフィ ルター（９）等の通過抵抗があるため、電磁弁（７）を開放すると、ポンプ（６ ）から送られたミネラル水（５）は吐出口（８）より外部へ供給される。なお、 水道水（１）の供給は、蓋（１３）を点線の如く開放することにより行われる。 以上がポット形創水器（１１）の全構成と、その動作機能である。

【０００７】

【効果】

かねてより天然石利用のミネラル水製造器は、日本人に不足しがちなカルシウ ム補給の意味も兼ね、家庭でのミネラル水製造の一手段として普及の一途をたど っている。しかし一方、製造器の容器内にミネラル水が貯水される結果、これに 雑菌が発生する可能性があった。 これ迄、こうした雑菌発生の対策として銀を使用するのが広く用いられている が、銀は雑菌能力が強い反面、長期に飲用を続けると人体に良からぬ影響を及ぼ す恐れも皆無であると必ずしも保障できないため、アメリカでは５０ｐｐｂとい う禁止同然の低い基準に抑えられているのが現状である。 本願に記されている殺菌用「特殊繊維」（２）は銅を用いたもので、銅を極細 繊維状（３０ミクロン／直径）に引伸したものである。銅は人体にも含まれ、ま た赤ン坊の粉ミルクにも含有されている必須要素であること周知のと通りである 。 なお、緑青が有毒なのはヒ素が含まれている場合に限られている。 ここで、使用されている極細銅繊維は純銅（９９．９９％）を原料としたもの でヒ素はなく、また水道水も水質基準でヒ素が０．０１ｐｐｍ以下に抑えられて おり、安全性が保証されている。 また、銅の溶出量は実機により測定した結果では０．１ｍｇ／ｌで水道法の基 準値１ｍｇ／ｌを１桁下回っており安全許容値内である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ポット形ミネラル水創水器のブロック図であ
る。

【図２】同創水器の構成図及びポンプ駆動のタイムチャ
ートである。

【符号の説明】

１ 水道水 ２ 特殊繊維 ３ 天然石 ４ カートリッジ ５ ミネラル水 ６ ポンプ ７ 電磁弁 ８ 吐出口 ９ フィルター １０ 容器 １１ ポット形創水器 １２ 電子回路 １３ 蓋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０２Ｆ 1/50 ５２０ Ｂ ５３１ Ｆ ５４０ Ｃ ５５０ Ｂ ５６０ Ｚ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水道水（１）の浄化を目的としたポット
   形創水器（１１）に於て、その容器（１０）内にミネラ
   ル溶出のための「天然石」（３）及び殺菌用「特殊繊
   維」（２）を含むカートリッジ（４）を設け、このカー
   トリッジ（４）と容器（１０）内のミネラル水（５）と
   をポンプ（６）により循環し得る回路を構成し、且つ、
   そのポンプ（６）の吐出側とカートリッジ（４）との中
   間より電磁弁（７）を介して、吐出口（８）に至る分岐
   を設けることにより、カートリッジ（４）の通過抵抗を
   利用して、殺菌された安全なミネラル水（５）を吐出口
   （８）に供給することを可能とした天然石利用のポット
   形ミネラル水創水器。
2. 【請求項２】 上記請求項１記載のポット形ミネラル水
   創水器（１１）に於て、ポンプ（６）の運転を当初の起
   動時に於ては、ミネラル溶出のために必要な所定時間
   （Ｑ）の期間の運転を実施する一方、更に継続的に一定
   時間（Ｔ）なる間隔毎に、微小時間（ｔ）の運転を繰り
   返し行うことにより、長期に亘り創水器内のミネラル水
   （５）を殺菌された安全なものに保つことを可能とした
   ポット形ミネラル水創水器の殺菌回路システム。