JP3013379B2 - レジスト塗布方法 - Google Patents

レジスト塗布方法

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JP3013379B2 JP2067276A JP6727690A JP3013379B2 JP 3013379 B2 JP3013379 B2 JP 3013379B2 JP 2067276 A JP2067276 A JP 2067276A JP 6727690 A JP6727690 A JP 6727690A JP 3013379 B2 JP3013379 B2 JP 3013379B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はレジスト塗布方法に関し、特にレジスト膜厚
の変動を抑制する方法に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、レジスト膜厚の温度依存性を定量的に解釈
する式を導出し、この式中において温度の項の係数部に
含まれる潜熱,塗布時間および状態関数の各パラメータ
を最適化して該係数部の値を減少させることにより、温
度の影響を減じた塗布条件を設定し、レジスト膜厚の変
動を抑制しようとするものである。
〔従来の技術〕
半導体ウェハ等の基板上にレジスト溶液を塗布する方
法としては、従来より回転塗布法が広く適用されてい
る。このようにして得られる塗膜の膜厚(以下、レジス
ト膜厚と称する。)は温度に依存して変動することが知
られている。レジスト(特にフォトレジスト)の膜厚が
ウェハ面内において不均一であると、露光光に対する感
度ムラが生じて線幅制御性が劣化するため、一般にレジ
スト塗布は、レジスト溶液,基板,雰囲気,回転手段等
の各温度が制御可能ないなゆる温調コーターと呼ばれる
レジスト塗布装置内で行われる。近年は、半導体装置の
デザイン・ルールがサブミクロンないしクォーターミク
ロンのレベルにまで微細化されてきており、これに伴っ
てウェハ面内におけるレジスト膜厚の変動範囲もおおよ
そ30〜50Å以内に抑えることが要求されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、今後さらにデザイン・ルールの微細化
が進行し、それにともなって露光波長も短波長化される
と、レジスト膜厚の変動の線幅に当える影響はますます
大きくなる。このため、従来の方法よりも一層高度にレ
ジスト膜厚を制御する方法が要望されている。従来の温
調コーターにおける温度制御の精度は±0.2℃程度であ
るが、かかる精度ではもはや今後のデザイン・ルールの
微細化に対応するには不十分である。そこで、温度制御
の精度を向上させるためには、レジスト膜厚に対する温
度の影響を定量的に解釈し、いかなるパラメータの制御
によりレジスト膜厚の変動が最小限に抑制されるかを理
解することが必要となる。
そこで本発明は、レジスト膜厚の温度依存性を定量的
に解釈し、その結果にもとづいて温度の影響を最小限に
抑制し得るレジスト塗布条件を設定し、均一な膜厚にて
レジスト塗布を行う方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するため、本発明に係るレジスト塗
布方法は、回転塗布におけるレジスト膜厚の温度依存性
が次式[1] nh=κ11+[{(Δeh/R)+(A/κ12Rτ)}nκ13t −(κ14Ev)/R](−1/T) ・・・[1] 〔ただし、式中hはレジスト膜厚、Δehはレジスト溶液
の潜熱、Rは気体定数、Aは親和力を表す状態関数でA
=KB/W(KBはボルツマン定数、Wは状態数)、τは時定
数、tは回転駆動手段が定速で回転を行っている間の時
間、Evは流動活性化エネルギー、Tはレジスト溶液の初
期温度、κ11121314は定数である。〕 で表されるとき、上記tを3秒以下に設定してレジスト
溶液の回転塗布を行うようにしたものである。
ここで、レジスト溶液の初期温度Tを295K以下に設定
してレジスト溶液の回転塗布を行う。
また、本発明に係るレジスト塗布方法は、回転塗布に
おけるレジスト膜厚の温度依存性が次式[1] nh=κ11+[{(Δeh/R)+(A/κ12Rτ)}nκ13t −(κ14Ev)/R](−1/T) ・・・[1] 〔ただし、式中hはレジスト膜厚、Δehはレジスト溶液
の潜熱、Rは気体定数、Aは親和力を表す状態関数でA
=KB/W(KBはボルツマン定数、Wは状態数)、τは時定
数、tは回転駆動手段が定速で回転を行っている間の時
間、Evは流動活性化エネルギー、Tはレジスト溶液の初
期温度、κ11121314は定数である。〕 で表されるとき、状態数Wを増大させることにより親和
力を表す状態関数Aを減じた状態でレジスト溶液の回転
塗布を行うようにしたものである。
〔作用〕
本発明者が導出したレジスト膜厚の温度依存性を表す
式[1]から明らかなように、レジスト膜厚hの自然対
数(nh)と温度Tの逆数(1/T)とは直線関係にあ
る。したがって、温度Tの影響を抑えるためには、温度
の項(−1/T)にかかる係数部、すなわち式中[ ]で
囲まれる部分の値を小さくすれば良いことになる。ここ
で、実際のレジスト塗布を行う実験系においては、溶剤
の蒸発によるレジスト溶液の粘度変化がレジスト溶液自
身の温度による本質的な粘度変化よりも大きいので、上
記係数部の第1項 は第2項κ14Ev/Rに比べて大きい。そこで、係数部を小
さくするためには、具体的には上記第1項の中で実験的
に変更可能なパラメータを増大または減少させれば良
い。
本発明では、塗布時間tの短縮により上記係数部の値
を小としている。
さらに、本発明では、レジスト溶液の初期温度Tを低
下させることにより、レジスト溶液の潜熱Δehが低減さ
れる。本発明において、レジスト溶液の潜熱Δehは、レ
ジスト溶液に含まれる溶剤の蒸発熱として取り扱われ
る。
また、本発明では、状態数を増加させて状態関数 を減じている。これは、次のような理由による。
状態関数 は、次の式で定義される。
ここで、Sはエントロピー,ξは変化の進行度を表
す。一方、エントロピーSはボルツマンの関係式により S=kB・nW ・・・[3] とも表される。ただし、上記kBはボルツマン定数、Wは
状態数である。いま、レジスト溶液中の溶剤が蒸発する
と、状態数Wは増加するので、変化の進行度ξと状態数
Wは比例関係にある。よって、次式が成り立つ。
いま、温度Tを一定とし、たとえば塗布雰囲気中の湿
度を上昇させる等の手段により状態数Wを増加させる
と、式[4]から状態関数 は小さくなる。
一方、状態数Wの増加は式[1]中の時定数τの増大
にもつながる。すなわち、時定数τは で定義されるので、状態数Wが増大すると が減少するからである。したがって、式[1]の上記係
数部はその第1項が減少することにより小さくなり、レ
ジスト膜厚hに対する温度Tの影響が小さくなるのであ
る。
〔実施例〕
まず、レジスト膜厚の温度依存性を表す式[1]の誘
導を行う。この誘導は、以下の手順にしたがって行う。
(I)レジスト膜厚と粘度の関係式の導出 (II)温度と粘度の関係式の導出 (III)レジスト膜厚と温度の関係式の導出 なお、式[1]の誘導の過程では、数式を簡略化する
ために考察に直接関係しない定数項を随時κ01
・・・κ14の記号を用いて整理した。
(I)レジスト膜厚と粘度の関係式の導出 レジスト溶液は高分子溶液であり、ニュートンの粘性
法則に従わない非ニュートン流体である。非ニュートン
流体には、剪断応力τが増大すると粘度ηが低下する
擬塑性と呼ばれる性質があり、剪断応力τとズレ速度
(後述の∂v/∂z)とが直線関係とはならない。さら
に、レジスト溶液には応力下において粘度が時間と共に
変化するチキソトロピーと呼ばれる性質もある。このよ
うに、レジスト溶液の挙動は極めて複雑である。
しかし、剪断応力τが非常に大きいかあるいは非常
に小さい場合には、非ニュートン流体はニュートン流体
に近い挙動を示すようになる。特に、回転塗布によりレ
ジスト溶液を塗布する場合には4000rpm程度の高速回転
を行うので、剪断応力τは非常に大きいと考えられ
る。また、レジスト溶液の粘度はもともと数十cps程度
であり、さらに回転塗布時間も通常は20秒程度と長いの
で見掛け上の粘度も十分に低いと考えられる。したがっ
て、レジスト溶液を近似的にニュートン流体として取り
扱っても大きな誤差は生じない。
ニュートン流体とはニュートンの粘性法則に従う液体
であり、剪断応力τと速度勾配またはズレ速度が比例
する。いま基板上にレジスト溶液が膜厚hに塗布されて
おり、z軸を中心とする回転によりレジスト溶液が速度
vで外側へ引っ張られる状態を考えると、上述の関係は
次式で表される。
τ=η(∂v/∂z)=η(∂γ/∂t) ・・・[5] ここで、γはズレ量,tは時間を表し、したがって∂v/
∂zが膜厚方向の速度勾配、∂γ/∂tががズレ速度で
ある。比例定数ηは粘度と呼ばれる。
また、中心(z軸)からの距離がr,基板からの高さが
hである地点の微小体積を考える。基板がz軸を中心と
して角速度ωにて回転された場合、回転に伴って微小体
積に加わる剪断応力τの膜厚方向の勾配は次式で表さ
れる。
∂τS/∂z=−ρω2r ・・・[6] 式[5]と式[6]より、 ∂τS/∂z=η(∂2v/∂z2)=−ρω2r と書ける。この微分方程式を解くと、 v=−(ρω2rz2/2η)+Az+B となる。上記AおよびBは積分定数である。
ここで、 であるから、上記の積分定数はそれぞれ A=ρω2rh/η,B=0 となる。よって v={(−ρω2rz2/2)+ρω2rhz}/η ・・・[7] レジスト溶液の流量qは式[7]の積分により求めるこ
とができる。
一方、円柱座標における連続の式として、次のような
式が知られている。
Dσ/Dt+σ[(1/r)∂(rU)/∂r+(1/r)∂Uψ/∂
ψ +∂Uz/∂z]=0 ・・・[9] ただし、σはレジスト溶液の比重,ψは回転角を表し、
Urは半径方向の速度成分,Uψは回転方向の速度成分,UZ
は膜厚方向の速度成分をそれぞれ表す。またD/Dtは実質
導関数と呼ばれ、次のように表される。
D/Dt=Ur(∂/∂r)+Uψ(∂/∂ψ) +Uz(∂/∂z)+(∂/∂t) ここで、レジスト材料である高分子化合物と溶剤の比重
とはほぼ等しいので、時間と共に溶剤が蒸発してもレジ
スト溶液全体としての比重σはほとんど変化しないもの
と考えられる。また、レジスト溶液は回転塗布開始後0.
1秒でほぼ剛体回転体となると考えられるので、回転方
向ψにおける速度勾配も無視できる。つまり、 Dσ/Dt=0 DUψ/Dψ=0 と置ける。さらに、Uz=∂h/∂t,Ur=∂q/∂zであるか
ら、連続の式(9)は次のように順次変形される。
(1/r)∂(rUr)/∂r+∂Uz/∂z=0 (∂/∂r)(r・∂q/∂z)+r(∂/∂z)(∂h/∂t)=0 (∂/∂z)(∂rq/∂r)+r(∂/∂z)(∂h/∂t)=0 よって、 ∂rq/∂r+r・∂h/∂t=0 となる。これに式[8]を代入する。
(∂/∂r)(ρω2rh3/3η)+r・∂h/∂t=0 ここでκ=ρω2/3ηとおくと、 ∂h/∂t=−κ(1/r)(∂/∂z)(r2h3) =−2κ0h3 となる。この微分方程式を解くと、 ∂t=−∂h/2κ0h3 t=1/4κ0h2+C ただし、Cは積分定数である。ここで、t=0のときh
=h0(初期膜厚)とすると、 C=−1/4κ0h0 2 となるから、 t=1/4κ0h2−1/4κ0h0 2 したがって、 h=h0/(1+4κ0h0 2t)1/2 ここで、実際の回転塗布系においてh0は数mm,hは数μm
であり、h0≫hと置けるから、 h0/h=(1+4κ0h0 2t)1/2≒(4κ0h0 2t)1/2 よって、 h≒h0/(4κ0h0 2t)1/2 =h0/(4ρω2h0 2t/3η)1/2 =(1/2ω)(3η/ρt)1/2 ・・・[10] つまり、式[10]よりレジスト膜厚hは粘度ηの1/2乗
に比例することがわかる。
(II)温度と粘度の関係式の導出 式[10]のパラメータ中、温度によって変化し得るも
のは粘度ηである。そこで、以下、温度と粘度の関係に
ついて考察する。
温度による粘度ηの変化としては、 液体分子の振動で運動量が輸送されるものと仮定して
導かれる本質的な粘度変化 溶剤の蒸発による粘度変化 の2種類が考えられる。
上記はアンドレードの粘度式として有名な次式 η=κ1exp(Ev/RT) ・・・[11] で表されるものであり、一般に液体の温度が上昇すると
粘度が低下することを示している。ただし上記κは定
数,Evは流動活性化エネルギー,Rは気体定数,Tは絶対温
度である。
本発明では、上記に関する考察を行う。
溶剤の蒸発による粘度変化を定量化するために、まず
温度変化による蒸発量変化を求めた。
実際のレジスト溶液の塗布は密閉系で行われるわけで
はないので、レジスト溶液と周辺の空気とは溶剤濃度に
関して非平衡である。しかし、ウェハの表面のごく近傍
の空気中では溶剤濃度が高く、近似的に平衡状態が成り
立っているものと考えられる。
親和力を表す状態関数 は次のように定義される。
ただし、上記Sはエントロピー、Qは系の内部で発生
する熱、ξは変化の進行度,Tは絶対温度をそれぞれ表
す。状態関数 のとき平衡となる。
いま、状態関数 を(T,p,ξ)の関数と考えると、 の全微分は次のように表すことができる。
ただし、上記pは圧力,Hはエンタルピー,Vは体積をそ
れぞれ表す。ここでは溶剤の蒸発を考えているので、∂
H/∂ξは潜熱Δehに等しい。さらに、 とおくと、上式は次のように書き換えることができる。
次に、上式の時間変化を調べる。
ここで、dξ/dtは変化の速度であるから と置ける。また、レジスト溶液の塗布系を近似的に平衡
状態と考えるときには、 dT/dt=0、dp/dt=0と置ける。よって、 この微分方程式を解くと、 ここで、t=0のときの と定義すると、 さらに、時定数τ=1/aT,pkであるから、 と書ける。よって式[12]は次のように変形できる。
次に、式[13]における温度変化を調べる。
ここで、 は式[14]の左辺の第2項に比べて無視できるほど小さ
いので0と置く。さらに、レジスト溶液の温度Tは、コ
ーティング中に以下の式にしたがって変化することが実
験的に確かめられた。
T=κ+κ3exp{−(t+κ)κ} ここで、 dt/dT=−1/κ5T であるから、式[14]は次のように書ける。
ここで、蒸気の体積をvv,液体の体積をvL(ただし、v
v≫vL)とすると、 vT,p=vv−vL≒vv である。また、近似的な平衡状態を考える場合には、 vv=RT/p (Rは気体定数) であるから、式[15]は次のように書ける。
この微分方程式を解くと、 となる。よって、温度Tと溶剤の蒸発量ΔVの関係は、
蒸発速度をvとすると次のように表される。
以上のようにして温度Tと溶剤の蒸発量ΔVの関係式
[16]が求められたので、次にこれを濃度,粘度と関連
づけて表わすことを考える。
まず、粘度ηはレジスト溶液の濃度cに比例するの
で、次式が成り立つ。
η=κ7c (κは比例定数) また、単位体積あたりN個のレジスト分子を含む初期
体積V0のレジスト溶液からΔVだけ溶剤が蒸発したとき
の濃度cは次のように表される。
c=N/(V0−ΔV) これらの関係と式[16]から、次式が導出される。
これが、溶剤の蒸発による粘度変化を表す式である。
(III)レジスト膜厚と温度の関係式の導出 レジストの塗布を行う過程では、アンドレードの粘度
式(上記式[11])で表される本質的な粘度変化と、上
記式[17]で表されるような溶剤の蒸発による粘度変化
が同時に進行していると考えられる。
まず、上式[17]の両辺の自然対数をとる。
ここで、右辺第2項において自然対数の真数部、すな
わち[ ]内をみると、該真数部は(−1/T)と直線関
係にあることがわかるので、次のような変形を行うこと
ができる。
また、前述の式[11]の両辺の自然対数をとると、 nη=κ1Ev/RT ・・・[19] となる。式[18]と式[11]の両辺をそれぞれ加える
と、 一方、レジスト膜厚hと粘度ηの関係式(式[10])に
おいて、両辺の自然対数をとると nh=(1/2)nη+κ10 と書くことができる。この式に式[20]を代入すると、 が得られる。これが、レジスト膜厚hと温度Tの関係式
である。この式から、レジスト膜厚hの自然対数と温度
Tの逆数とが比例関係にあることが明らかとなる。な
お、式[1]において時間の項(−1/T)の係数部は時
間の関数である。また、上記定数κ11は初期濃度V0を含
む定数である。
上述のようにして式[1]によりレジスト膜厚hの温
度依存性が定量化されたので、次にこの式のパラメータ
を最適化しながらレジスト塗布を行った実験例について
説明する。
実験例1 本実験例は、塗布時間tを変化させた場合のレジスト
膜厚hに及ぼす温度Tの影響を検討したものである。
まず、本実験で使用した温調コーターを第1図に示
す。この装置は、レジスト塗布環境を外部環境から遮断
するための囲撓手段、該囲撓手段内に収容される回転塗
布手段、吸排気手段、温湿度制御手段、レジスト溶液供
給手段の他、ウェハを移送するためのロード・ロック手
段等を備えてなるものである。
上記囲撓手段は、上方から下方に向けて温湿度制御さ
れた空気が流れるようになされたダウンフロー型のチャ
ンバ(1)から構成され、その上部には外部の温湿度コ
ントローラ(2)から供給される空気を該チャンバ
(1)内へ導入するための給気ダクト(3)が開口され
ている。上記給気ダクト(3)から送られる温湿度制御
された空気は、エアフィルタ(4)によりさらに脱塵さ
れてチャンバ(1)内へ供給される。上記回転塗布手段
は、モーター等の回転手段(図示せず。)の回転軸
(7)に同軸的に取り付けられ、半導体ウェハ等の基板
(5)を固定することによりこれを回転可能に保持する
チャック(8)と、該チャック(8)の外周部を包囲す
るように配設され、基板(5)の回転に伴うレジスト溶
液(11)の飛散を防止するためのカップ(6)等から構
成される。上記カップ(6)の底部には、レジスト溶液
(11)の飛沫や溶剤蒸気等をチャンバ(1)内の空気と
共に吸引除去するための排気ダクト(9)が設けられて
いる。基板(5)の中央部上方には、温度調節されたレ
ジスト溶液(11)を吐出するためのレジスト溶液供給管
(10)が開口している。
本実施例では、上述のような温調コーターとして東京
エレクトロン社製,クリーントラックMark II−V型
を、基板としては5インチ・ウェハを、またレジストと
しては、ノボラック系ポジ型フォトレジスト(東京応化
工業社製:商品名TSMR−V3,粘度20cps)をそれぞれ使用
した。相対湿度を50%,温度を19〜25℃(292〜298K)
に調節した雰囲気中で、定速回転時の回転速度を4000rp
mとし、塗布時間tを30秒,15秒,9秒,5秒,3秒と変化させ
た場合のレジスト膜厚hの変化を調べた。なお、上記塗
布時間tとは定速回転を行っている間の時間を指すが、
上記温調コーターでは始動から定速回転状態に至るま
で、もしくは定速回転状態から停止に至るまでの時間は
いずれも0.1秒程度と短いものである。
結果を第2図(A)および第2図(B)に示す。これ
らの図は、縦軸に膜厚hの自然対数(nh)、横軸に温
度Tの逆数(1/T)をとってこれら両者の関係をプロッ
トしたものであり、グラフの傾きが前述の式[1]にお
ける温度の項の係数部(すなわち[ ]内の部分)の値
に相当する。なお、説明の便宜を図るため、横軸には摂
氏温度も併記した。第2図(A)は塗布時間を5秒とし
た場合、第2図(B)は30秒とした場合をそれぞれ表
す。上記係数部には時間tの項が含まれており、さらに
親和力を表す状態関数 で表されることからも明らかなように、上記係数部は時
間の関数であることが理論的に考察されたが、この実験
結果はそれを裏付けている。すなわち、塗布時間tが短
くなると係数部は小さくなり、このことは第2図(A)
および第2図(B)においてグラフの傾きの減少として
現れている。このことは、塗布時間tが短い場合ほどレ
ジスト膜厚hが温度Tの影響を受けにくくなることを意
味している。また、上記グラフの傾きから、かかるレジ
スト塗布系では温度による本質的な粘度変化よりも溶剤
の蒸発による粘度変化の方が大きいこともわかる。
なお、これらのグラフは22℃付近において折れ曲がり
を生じているが、これについては実験例2で考察する。
第3図には、温度を22℃以下とした場合の上記のグラ
フの傾き、すなわち実験的に求められた式[1]の係数
部の値を塗布時間tに対してプロットした結果を示す。
塗布時間tが5秒以下の場合には係数部の値は極めて小
さく、特に3秒以下とした場合にはほとんど0に近く、
かかる短時間塗布によればレジスト膜厚hが温度Tの影
響をほとんど受けないことが明らかである。
実験例2 式[1]により、レジスト膜厚hの対数が温度Tの逆
数と直線関係にあることが理論的に予想されたが、前述
の実験例1で明らかとなったように、実際には22℃付近
においてグラフに折れ曲がりが生じた。これは、式
[1]の係数部の値が22℃(295K)付近を境として変化
したことを示している。そこで、本実験例では上記係数
部に含まれている潜熱Δehについて検討した。
潜熱Δehの大きさは、所定の設定温度下における回転
塗布中のレジスト溶液の温度変化を測定することにより
調べた。すなわち、相対湿度を50%,温度を19〜25℃
(292〜298K)に調節した雰囲気中で、定速回転時の回
転速度を4000rpmとし、塗布時間tを1〜30秒の間で種
々変化させて回転塗布を行い、各時間ごとに回転を停止
させて基板上の中央部付近のレジスト溶液に熱電対を接
触させることによりその温度を測定した。ここで、雰囲
気の温度,レジスト溶液供給管から供給されるレジスト
溶液の初期温度,およびウェハの温度はすべて同一に設
定した。
結果を第4図に示す。図中、縦軸はレジスト溶液の温
度(℃)、横軸は塗布時間t(秒)を表し、各曲線はそ
れぞれ雰囲気およびレジスト溶液の設定温度を19〜25℃
の範囲で1℃刻みで変化させた場合に相当している。こ
れより、レジスト溶液の温度変化のパターンは設定温度
に依存していることがわかる。特に、本発明において望
ましい塗布時間とされる5秒以下の領域についてみる
と、レジスト溶液の温度降下がおおよそ0.5℃以内に抑
えられたのは設定温度が22℃以下の場合であり、23℃以
上の場合には温度降下がより大きく現れた。
式[1]によれば潜熱Δehが小さくなるほど温度の項
(−1/T)の係数部が小さくなり、レジスト膜厚hに与
える温度Tの影響が小さくなることが理論的に予想され
るが、上述の実験結果から、温度Tが22℃(295K)以下
の場合にそれが実現されていることがわかる。しかし、
潜熱Δehが22℃以下の温度領域において小さくなること
の本質的な理由は、今回の実験からは明らかにならなか
った。また、本発明においては温度Tの下限は特に限定
されるものではない。上述の結果から、設定温度を19℃
よりさらに下げても良好な結果が得られるものと予想さ
れるが、一般的な温調コーターの設定温度範囲の下限は
16℃程度であるので、実用的な範囲で適宜設定すれば良
い。
実験例3 本実験例では、式[1]において温度の項(−1/T)
の係数部の値を小さくするためのいまひとつの手段とし
て、本明細書の〔作用〕の項で説明したように、状態数
Wを増加させることにより親和力を表す状態関数 の値を小さくすることを試みた。具体的には、一定の設
定温度下で塗布時間を5秒,回転速度を4000rpmとし、
雰囲気中の相対湿度を増大させ、チャンバにおける給排
気を停止し、カップの容積を減少させ、さらにカップに
蓋を被せて空気の交換がウェハの近傍において起こらな
いようにした。この実験系では状態数Wについて具体的
な数値を求めることは不可能であるが、実際に設定温度
を代えながらレジスト膜厚の測定を行って第2図のグラ
フと同様のグラフを作成したところ、明らかにグラフの
傾きが減少し、レジスト膜厚の温度依存性が減少した。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明ではレジス
ト塗布条件として温度の影響を抑制し得る条件が設定さ
れているために、仮に温調コーターの設定温度が若干変
動してもレジスト膜厚の変動を最小限に抑えることがで
きる。したがって、本発明を半導体装置の製造に適用す
れば、優れた線幅制御性,歩留り,信頼性,再現性等を
もって高集積度を有する半導体装置が容易に製造され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はレジスト塗布に使用される温調コーターの典型
的な構成例を示す概略断面図である。第2図(A)およ
び第2図(B)はレジスト膜厚hの自然対数と温度Tの
逆数との関係を示すグラフであり、第2図(A)は塗布
時間tを5秒とした場合、第2図(B)は30秒とした場
合をそれぞれ表す。第3図はレジスト膜厚hの自然対数
と温度Tの逆数との関係を表すグラフの傾きと塗布時間
tとの関係を示すグラフである。第4図は種々の設定温
度下における基板上のレジスト溶液の温度Tと塗布時間
tとの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−171124(JP,A) 特開 昭56−52745(JP,A) 特開 昭62−274722(JP,A) 特開 昭59−100526(JP,A) 特開 昭63−294965(JP,A) 特開 昭63−260019(JP,A) 特開 平3−266417(JP,A) 特開 平3−268417(JP,A) 特開 平3−272130(JP,A) 特開 平2−1113(JP,A) 特開 平3−114216(JP,A) 特開 平3−178123(JP,A) 実開 昭60−116236(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転塗布におけるレジスト膜厚の温度依存
    性が次式[1] nh=κ11+[{(Δeh/R)+(A/κ12Rτ)}nκ13t −(κ14Ev)/R](−1/T) ・・・[1] 〔ただし、式中hはレジスト膜厚、Δehはレジスト溶液
    の潜熱、Rは気体定数、Aは親和力を表す状態関数でA
    =KB/W(KBはボルツマン定数、Wは状態数)、τは時定
    数、tは回転駆動手段が定速で回転を行っている間の時
    間、Evは流動活性化エネルギー、Tはレジスト溶液の初
    期温度、κ11121314は定数である。〕 で表されるとき、上記tを3秒以下に設定してレジスト
    溶液の回転塗布を行うことを特徴とするレジスト塗布方
    法。
  2. 【請求項2】上記Tを295K以下に設定してレジスト溶液
    の回転塗布を行うことを特徴とする請求項1記載のレジ
    スト塗布方法。
  3. 【請求項3】回転塗布におけるレジスト膜厚の温度依存
    性が次式[1] nh=κ11+[{(Δeh/R)+(A/κ12Rτ)}nκ13t −(κ14Ev)/R](−1/T) ・・・[1] 〔ただし、式中hはレジスト膜厚、Δehはレジスト溶液
    の潜熱、Rは気体定数、Aは親和力を表す状態関数でA
    =KB/W(KBはボルツマン定数、Wは状態数)、τは時定
    数、tは回転駆動手段が定速で回転を行っている間の時
    間、Evは流動活性化エネルギー、Tはレジスト溶液の初
    期温度、κ11121314は定数である。〕 で表されるとき、状態数Wを増大させることにより親和
    力を表す状態関数Aを減じた状態でレジスト溶液の回転
    塗布を行うことを特徴とするレジスト塗布方法。
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