JP3013114B2 - 環式ケトン類の製造方法 - Google Patents

環式ケトン類の製造方法

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    • C07C49/587Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring
    • C07C49/603Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring of a six-membered ring
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は或る種の環式ケトン類の
製造方法に関するものであり、これら或る種の環式ケト
ン類は或る種の殺菌上活性なシクロペンタン誘導体を製
造する際の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】オーガニック・シンセシス、第53巻
(1973)、第48頁以降は、4,4−ジメチル−シ
クロヘキシ−2−エン−1−オンの2つの製造方法を記
載している。第1の方法は、メチルビニルケトンと2−
メチルプロパノール(イソブチルアルデヒド)とを用い
る塩基促進の融合反応よりなっている。しかしながら、
これら条件下で得られる収率は特に良好でなく、多くの
副生物が発生する。この塩基触媒による縮合および生成
される副生物に関し充分な研究がジャーナル・オーガニ
ック・ケミストリー、第44巻、第23号(197
9)、第4050〜4055頁に報告されている。第2
の方法は、2−メチルプロパノールをたとえば1−(2
−メチルプロペニル)ピロリジンのようなエナミンまで
変換させ、このエナミンをメチルビニルケトンと縮合さ
せ、得られたディールス・アルダー付加物を加水分解
し、最後に酸性条件下で環化させることを含む。この方
法により、第1の方法よりも良好な収率が得られるが、
第2の方法は若干時間が長くかかりかつ複雑である。ジ
ャーナル・オーガニック・ケミストリー、第45巻(1
980)、第5399〜5400頁は、4,4−ジメチ
ル−シクロヘキシ−2−エン−1−オンおよび或る種の
他の不飽和環式ケトン類を、メチルビニルケトンを2−
メチルプロパノール(または或る種の他のアルデヒド)
と酸性条件下で縮合させることにより製造する第3の方
法を記載している。しかしながら上記の問題に加え、こ
れらの方法は全て毒性かつ不安定であるため、取扱い困
難なメチルビニルケトンの使用を必要とする。さらに、
この種のビニルケトン類は一般に毒性および不安定性の
性質を示す。
【0003】今回、メチルビニルケトンの使用を必要と
しない方法により或る種の環式ケトン類を良好な収率で
製造しうることが突き止められた。
【0004】
【発明の要点】したがって本発明によれば、一般式:
【化5】 〔式中、Rは適宜置換されたアルキルもしくはシクロア
ルキル基を示し、R1 およびR2 は独立して適宜置換さ
れたアルキル、シクロアルキルもしくはアリール基を示
す〕の化合物を製造するに際し、一般式:
【化6】 〔式中、Xは塩素もしくは臭素原子を示し、Rは上記の
意味を有する〕の化合物を一般式:
【化7】 〔式中、R1 およびR2 は上記の意味を有する〕の化合
物と共に有機酸の存在下で加熱することを特徴とする一
般式(I)の化合物の製造方法が提供される。
【0005】式(I)の化合物がアルキル置換基を有す
る場合、これは線状もしくは分枝鎖とすることができ、
12個まで、好ましくは6個まで、特に4個までの炭素
原子を有することができる。シクロアルキル基は3〜8
個、特に3〜6個の炭素原子を有することができる。上
記の任意の置換基を「適宜置換された」と記載した場
合、適宜存在させる置換基は農薬化合物の開発および/
またはその構造/活性、持続性、浸透性または他の性質
に影響を及ぼすこれら化合物の改変に一般的に使用され
る任意の1種もしくはそれ以上のものとすることができ
る。この種の置換基の特定例はたとえばハロゲン原子、
ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、シクロアルキル、アル
キル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ア
ミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、
アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルカノイル、
アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホ
ニル、カルバモイルおよびアルキルアミド基を包含す
る。上記の任意の置換基がアルキル置換基を示し或いは
有する場合、これは線状もしくは分枝鎖とすることがで
き、12個まで、好ましくは6個まで、特に4個までの
炭素原子を有することができる。
【0006】RはC1-6 アルキルまたはC3-6 シクロア
ルキル基を示すことが好ましい。より好ましくは、Rは
1-4 アルキル基を示す。さらに、R1 およびR2 は独
立してC1-4 アルキルまたはC3-6 シクロアルキル基を
示すことが好ましい。より好ましくは、R1 およびR2
は独立してC1-4 アルキル基を示す。Rはメチル、エチ
ルもしくはプロピル基を示し、R1 およびR2 は両者と
もメチル基を示し、Xは塩素原子を示すことが特に好ま
しい。好ましくは、有機酸は有機スルホン酸、たとえば
メチルスルホン酸、特にp−トルエンスルホン酸であ
る。
【0007】さらに、反応は水を反応混合物から共沸的
に除去しうる能力を持った溶剤中で行なうのが好適であ
る。適する溶剤は芳香族溶剤および塩素化溶剤、たとえ
ば1,2−ジクロルエタンを包含する。反応は便利に
は、使用する溶剤の還流温度にて行なわれる。さらに式
(II)の化合物はエテンを一般式:
【化8】 〔式中、RおよびXは上記の意味を有する〕の化合物と
溶剤中でAlX3 (Xは上記の意味を有する)の存在下
に反応させることにより製造するのが好適である。好ま
しくは、溶剤は塩素化溶剤、たとえば1,2−ジクロル
エタンであり、溶剤はこのように得られた式(II)の
化合物と式(III)の化合物とのその後の反応に使用
するものと同一であることが特に好ましい。
【0008】便利には、反応は0〜30℃、好ましくは
5〜25℃の範囲の温度で行なわれる。特に好ましく
は、式(II)の化合物はその場で作成される。好まし
くは、これを次いでさらに精製することなく式(II
I)の化合物との反応に使用する。本発明の方法により
製造しうる環式ケトン類のうち、4,4−ジメチルシク
ロヘキシ−2−エン−1−オンが、同時出願のヨーロッ
パ特許出願EP−A2−0267778号の主題を構成
する或る種の殺菌上活性なシクロペンタン誘導体を製造
する際の中間体として有用である。或る種の中間化合物
および4,4−ジメチルシクロヘキシ−2−エン−1−
オンからヨーロッパ特許出願EP−A2−026777
8号の化合物を合成すべく使用する方法の工程が、同時
出願のヨーロッパ特許出願EP−A1−0359305
号および同時出願の英国特許出願第8820607.3
号、第9019195.8号、第9019192.5
号、第9019194.1号、第9019193.3
号、第9019191.7号および第9019190.
9号の主題である。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。実施例1 4,4−ジメチルシクロヘキシ−2−エン−1−オン
(R=H,R =R =CH )の製造 塩化エタノイル(78.5g,1モル)を30分間かけ
て1,2−ジクロルエタン(390ml)における塩化
アルニミウム(140g,1.05モル)の懸濁物に添
加すると共に、温度を冷却により20℃未満に維持し
た。次いでエテン(35g,1.25モル)を5〜10
℃にて2時間にわたり溶液中に通し、次いで混合物を2
M塩酸(900ml)中へ徐々に注ぎ入れて後処理し
た。有機相を分離し、2−メチルプロパノール(50.
4g,0.7モル)およびp−トルエンスルホン酸
(0.4g,21ミリモル)を添加した。次いで、混合
物をもはや水が分離しなくなるまで共沸水除去しながら
還流させた。次いで、有機相を10%(w/v)水酸化
ナトリウム(250ml)で洗浄し、その際60℃で1
5分間攪拌して微量の4−クロルブタン−2−オンを分
解し、さらに溶剤をフラッシュさせた。分画により70
gの4,4−ジメチルシクロヘキシ−2−エン−1−オ
ン(b.p.:20mmHgにて70〜72℃)を得た
(収率:80%)。NMR:(CDCl溶剤中、対照
としてテトラメチルシラン)。 特性ピーク: δ(ppm): 1.16(6H,シングレット),1.92(2H,トリプレ ット,J7Hz), 2.40(2H,トリプレット,J7Hz),5.76(1H,ダ ブレット,J10Hz), 6.58(1H,ダブレット,J10Hz)。
【0010】実施例2 2,4,4−トリメチルシクロヘキシ−2−エン−1−
オン(R=R1=R2 =CH3 )の製造 塩化アルミニウム(60.6g,0.454モル)を
1,2−ジクロルエタン(200ml)に添加し、混合物
を約0℃まで冷却した。次いで塩化プロパノイル(40
g,0.432モル)を20分間かけて添加し、反応混
合物の温度を20℃まで上昇させて透明な淡橙色溶液を
得た。この溶液を30分間攪拌し、次いでエテン(12
g,0.432モル)を溶液中に約1.5時間にわたり
バブリングさせた。次いで混合物を濃塩酸(65ml)を
氷(330ml)との混合物で急冷し、有機相を分離し、
さらに水(2×50ml)で逆洗した。次いで、2−メチ
ルプロパノール(22g,0.3モル)とp−トルエン
スルホン酸(1.65g,8.64ミリモル)とを添加
し、混合物をもはや水が分離しなくまるまで共沸水除去
しながら還流させた。次いで有機相を10%(w/v)
水酸化ナトリウム(200ml)で洗浄し、かつ溶剤を除
去した。蒸留により30gの2,4,4−トリメチルシ
クロヘキシ−2−エン−1−オン(b.p.:0.3mmHgに
て40℃)が得られた(収率:72%)。
【0011】実施例3 2−エチル−4,4−ジメチルシクロヘキシ−2−エン
−1−オン(R=C2 5 ,R1 =R2 =CH3)の製
1−クロルヘキサン−3−オン(20g,0.148モ
ル)と2−メチルプロパノール(10.8g,0.14
8モル)とp−トルエンスルホン酸(0.6g,3.0
ミリモル)と1,2−ジクロルエタン(100ml)とを
用い、実施例1および2に記載したと完全に類似した方
法により6gの2−エチル−4,4−ジメチルシクロヘ
キシ−2−エン−1−オン(b.p.:0.4mmHgにて55
℃)を製造した(収率:27%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・ハワード・ブライナー イギリス国ケント州 シーテイー4 8 イーワイ カンタベリー、モラシユ、シ ヨツテンデン・ロード、ヴイカレージ・ コテージ 1 (56)参考文献 特開 昭52−51343(JP,A) 特開 昭58−35141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 45/68 C07C 49/603 EPAT(QUESTEL)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 〔式中、Rは適宜置換されたアルキルもしくはシクロア
    ルキル基を示し、R1 およびR2 は独立して適宜置換さ
    れたアルキル、シクロアルキルもしくはアリール基を示
    す〕の化合物を製造するに際し、一般式: 【化2】 〔式中、Xは塩素もしくは臭素原子を示し、Rは上記の
    意味を有する〕の化合物を一般式: 【化3】 〔式中、R1 およびR2 は上記の意味を有する〕の化合
    物と共に有機酸の存在下で加熱することを特徴とする一
    般式(I)の化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 RがC1-6 アルキルまたはC3-6 シクロ
    アルキル基を示す請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 R1 およびR2 が独立してC1-4 アルキ
    ルまたはC3-6 シクロアルキル基を示す請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 Rがメチル、エチルもしくはプロピル基
    を示し、R1 およびR2 が両者ともメチル基を示し、X
    が塩素原子を示す請求項1〜3のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 有機酸が有機スルホン酸である請求項1
    〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機酸がp−トルエンスルホン酸である
    請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 エテンを一般式: 【化4】 〔式中、RおよびXは請求項1〜6のいずれかに記載の
    意味を有する〕の化合物と溶剤中にてAlX3 (Xは上
    記の意味を有する)の存在下に反応させることにより式
    (II)の化合物を製造する請求項1〜6のいずれかに
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 式(II)の化合物をその場で生成させ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
JP3126541A 1990-05-01 1991-05-01 環式ケトン類の製造方法 Expired - Lifetime JP3013114B2 (ja)

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GB9009776.7 1990-05-01

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JPH04225932A JPH04225932A (ja) 1992-08-14
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AT (1) ATE115112T1 (ja)
BR (1) BR9101765A (ja)
DE (1) DE69105607T2 (ja)
DK (1) DK0455304T3 (ja)
ES (1) ES2064882T3 (ja)
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GB9009776D0 (en) 1990-06-20
ES2064882T3 (es) 1995-02-01
BR9101765A (pt) 1991-12-17
JPH04225932A (ja) 1992-08-14
DE69105607D1 (de) 1995-01-19
ATE115112T1 (de) 1994-12-15
DE69105607T2 (de) 1995-04-20
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