JP3012998B2 - 小型滑走艇 - Google Patents

小型滑走艇

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JP3012998B2
JP3012998B2 JP3053762A JP5376291A JP3012998B2 JP 3012998 B2 JP3012998 B2 JP 3012998B2 JP 3053762 A JP3053762 A JP 3053762A JP 5376291 A JP5376291 A JP 5376291A JP 3012998 B2 JP3012998 B2 JP 3012998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水ジェット推進
装置を備える小型滑走艇に関する。
【0002】
【従来の技術】小型滑走艇においては、例えば船体の進
行方向略中央に船体幅方向へ延びるシートの着座部を設
け、船尾船底部に水噴射ユニットを配置したものがあ
る。このものはシートの着座部を船体幅方向へ延ばすこ
とで、例えば2人の乗員が並んで乗れるようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
小型滑走艇は船体の幅が狭いため、船体の横側の水中か
ら再乗船しようとすると転覆し易い。また、例えばシー
トの着座部の一側に乗員が先に乗船している状態では、
この乗員の体重で船体が横に大きく傾くため、乗員が位
置するのと反対側からは勿論のこと、後方からも再乗船
しにくい等の不具合がある。
【0004】この発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、水中からの再乗船が容易である小型滑走艇を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、船体長手方向中心線上にバ
ーハンドルを有するハンドルユニットを設け、このハン
ドルユニットの後方に位置して船体幅方向に延びるシー
トを設け、船尾船底部に水噴射ユニットを配置した小型
滑走艇において、前記水噴射ユニット上面を覆うデッキ
を水噴射ユニットに近接させて後方に開放した略水平の
乗船フロアを形成し、この乗船フロアの前端部を略鉛直
に立ち上げて前記シートの背もたれを形成し、この背も
たれは前記シートの座面よりも上方に突出しその上端部
を後方より把持可能に形成し、前記乗船フロアの左右両
端縁を、前記バーハンドルの左右両端よりもそれぞれ船
体幅方向で外側方に位置させたことを特徴としている。
【0006】この請求項1記載の発明では、水噴射ユニ
ット上面を覆うデッキを水噴射ユニットに近接させて後
方に開放した略水平の乗船フロアを形成し、この乗船フ
ロアの前端部を略鉛直に立ちあげてシートの背もたれを
形成し、この背もたれはシートの座面よりも上方に突き
出しその上端部を後方より把持可能に形成したので、水
中から船体に再乗船する場合、後方に開放した略水平の
乗船フロアから上半身を船体に乗せて、背もたれの上端
部を後方より把持して船体に容易に乗り込むことができ
る。また、背もたれを、再乗船する際の把持部として利
用したので、特別なグラブレール等を必要とせず、構造
が簡単ですむ。
【0007】また、水中から船体に再乗船する際の把持
部たる背もたれを形成するにあたり、略水平の乗船フロ
アの前端部を略鉛直に立ちあげて背もたれを形成したの
で、乗船フロアを広く確保できて再乗船を容易に行なう
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を添付
図面に基づいて詳細に説明する。図1は小型滑走艇の側
面図、図2は小型滑走艇の平面図である。図中符号1は
小型滑走艇の船体で、この船体1は繊維強化プラスチッ
クで形成されたハル2、デッキ3及びエンジンハッチ4
からなり、ハル2とデッキ3とはガンネル5で接合さ
れ、デッキ3の前側にエンジンハッチ4が設けられてい
る。ハル2の中央部には船体1の内外を区画する隔壁6
が形成され、この隔壁6より前側のエンジンルーム7に
は水ジェット推進装置のエンジン8が配置され、船尾船
底部に形成された船体外凹部9には水噴射ユニット10
が遊離して配置されている。エンジン8と水噴射ユニッ
ト10のダクト11内に位置するインペラ12の両方
は、隔壁6を貫通する動力伝動軸系13によって連結さ
れている。
【0009】デッキ3のエンジンルーム7を形成する部
分はフロア14の前部かつ船体幅方向略中央にシート1
5に向って延びる膨出部3aが形成され、この膨出部3
aでエンジンルーム7を広くしている。この膨出部3a
の両側には足載せ板16がデッキ3と一体に設けられて
いる。このように、フロア14を挟んで前側にエンジン
8、後側にシート15の重量物が配置され、これで船体
1を安定させることができる。また、デッキ3の膨出部
3aの両側に足載せ板16をデッキ3と一体に設けるこ
とで、乗員の足載せ空間を広く確保することができる。
【0010】シート15は船体の進行方向略中央のフロ
ア14の後方で、船体幅方向へ延びるように設けられ、
このシート15は2人の乗員が着座可能になっており、
2人乗船のときには右側の乗員が右側の足載せ板16に
2本の足を、左側の乗員が左側の足載せ板16に2本の
足を載せ、また1人乗船の際には膨出部3aを両側から
挟むことにより姿勢維持を容易に行なうことができる。
【0011】エンジンルーム7に配置されたエンジン8
はエンジンマウント17を介してハル2に取付けられ、
このエンジン8は2気筒18を有するエンジンが用いら
れている。このエンジン8の気筒18は前後方向へ配置
され、その右側にキャブレタ19が、左側には排気管2
0がそれぞれ接続され、この排気管20にはエンジン7
の上方に配置されたマフラ21が接続されている。この
エンジン8の前側には燃料タンク22が配置されてい
る。
【0012】このようにして配置されたエンジン8の後
側の気筒18、この後側の気筒18に接続されたキャブ
レタ19、排気管20及びマフラ21等の一部がデッキ
3の膨出部3aに位置しており、これでエンジン8をシ
ート15側へ近づけることができ、エンジン8前方に広
い空間を確保し、燃料タンク22の容積を十分に確保す
ることができる。また、このように船体1前側に容量の
大きい燃料タンク22を配置することにより、複数人が
乗船しても船体1を安定させることが可能である。
【0013】さらに、エンジンルーム7の上方位置には
ハンドルユニット23が配置され、このハンドルユニッ
ト23は船体長手方向中心線L上にバーハンドル23a
を有する。ハンドルユニット23はリンク支持部24で
支持され、このリンク支持部24でハンドルユニット2
3を船体1の中央取付部1aから右側取付部1bまたは
左側取付部1cに移動することができる。
【0014】シート15の後方には水噴射ユニット10
上面を覆うデッキ3を水噴射ユニット10に近接させて
後方に開放した乗船フロア25が形成されており、この
乗船フロア25はシート15前側のフロア14と略同程
度に低くなっており、水中からの再乗船が容易である。
乗船フロア25の両側は船体1の側端部に直接連設され
ており、広い乗船フロア25が形成されている。
【0015】シート15は着座部15aと背当て部15
bとからなり、この着座部15aと背当て部15bは一
体に形成されている。この着座部15aの両側が開放さ
れて肘掛け部は設けられておらず、これで船体1の横側
からの再乗船もできるようになっている。シート15の
着座部15aはデッキ3を一体に立上げて形成された前
側支持部3bと後側支持部3cとに載置され、また背当
て部15bは後側支持部3cをさらに上方に立上げた突
出支持部3dに当接しており、このシート15の背当て
部15bと後側支持部3cをさらに上方に立上げた突出
支持部3dとがシート15の着座部15bと乗船フロア
25との間に上下方向に延びて両者を仕切る垂直壁によ
り背もたれ26を形成している。また、シート15の着
座部15aは船体1に形成された物入れボックス27の
蓋を兼用している。
【0016】背もたれ26はシート15の着座部15a
の座面よりも上方に突出しその上端部を後方より把持可
能に形成されており、船体1の後方の水中から再乗船す
る場合には背もたれ26の上端部に手を掛けることによ
り乗船ができ、これで再乗船が一層容易である。さら
に、乗船フロア25の左右両端縁を、バーハンドル23
aの左右両端よりもそれぞれ船体幅方向で外側方に位置
させており、バーハンドル23aの左右両端は、バーハ
ンドル23aの両端を通り船体長手方向中心線Lと平行
な補助線L1,L2で示すように所定幅に形成されてい
る。
【0017】図3はシートの他の実施例の側面図であ
る。このシート35は背当て部を廃止して着座部35a
のみからなり、デッキ3の突出支持部3dがシート35
の背当て部となって直接乗員の背中が当接する。この突
出支持部3dがシート35と乗船フロア25との間に上
下方向に延びて両者を仕切る背もたれ26となってお
り、突出支持部3dは繊維強化プラスチックからなり、
その上端部が後方より把持可能である。
【0018】図4及び図5はシートのさらに他の実施例
を示し、図4はシートの斜視図、図5はシートの肘掛け
部の取付状態を示す断面図である。このシート45は着
座部45aと背当て部45bとが一体に形成され、この
背当て部45bの両側には肘掛け部45cが取付けられ
ている。この肘掛け部45cの取付けは背当て部45b
の側部にナット40を埋込み、このナット40に肘掛け
部45cに挿通したビス41を螺着している。この肘掛
け部45cと背当て部45bとの間には皿バネ42と座
金43が設けられ、皿バネ42の付勢力で肘掛け部45
cを起した位置で保持させることで、乗船者の体格に合
わせることができ、また船体1の横側から水中からの再
乗船するときに邪魔になることがない。
【0019】図6はシートのさらに他の実施例を示す斜
視図である。このシート55はその着座部55aが背当
て部55b及び肘掛け部55cと別体に形成され、背当
て部55bと肘掛け部55cとが一体に船体1に設けら
れている。この船体1の背当て部55bと肘掛け部55
cとで囲まれた部分にシート55の着座部55aを載せ
て、船体1側の係止部50に着座部55aの係止部51
を係合されて着脱可能に設けられている。このシート5
5の着座部55aは船体1の物入れボックス27の蓋と
して兼用され、また背当て部55bの下方位置には左右
一対の窓部52が形成され、この窓部52は船体1を水
中から起すときにシート55の着座部55aですくった
水を逃がすようになっている。
【0020】図7乃至図9は請求項2記載の発明の小型
滑走艇を示し、図7は小型滑走艇の側面図、図8は小型
滑走艇の平面図、図9は小型滑走艇の背面図である。こ
の小型滑走艇は船体1の進行方向略中央に船体幅方向へ
延びるシート65が設けられており、図1乃至図6と同
じ符号を付した部材は同様に構成されており、詳細な説
明は省略する。
【0021】この小型滑走艇のシート65は着座部65
a、背当て部65b及び肘掛け部65cが一体に設けら
れ、背当て部55bが着座部65aよりも上方に突出し
その上端部を後方より把持可能になっている。このシー
ト65の後側には後方に開放した乗船フロア60が設け
られ、この乗船フロア60の左右両端部には浮力体61
が設けられ、この両浮力体61はデッキ3の両側端部に
閉空間を形成することで形成されている。このように、
後方に開放した乗船フロア60が設けられているため、
船体1後方の水中からの再乗船が容易である。しかも、
この乗船フロア60の左右両側端部に浮力体61を設け
たので、この船体1後方から乗船する際に、船尾が沈も
うとしても復元力が生じ、再乗船を容易にする。
【0022】また、先の乗船者が乗船してシート65の
一方側に片寄って乗船している場合には、船体1が横方
向へ大きく傾むこうとするが、船体1の両側端部に浮力
体61を設けたので、沈んだ側を元に戻そうとする復元
力が生じ、再乗船が容易になる。そして、この両浮力体
61は乗船フロア60より上方に突出しており、この浮
力体61の中には小物入れ62が形成され、この小物入
れ62には蓋63が設けられている。この実施例では浮
力体61を利用して小物入れ62を形成しているが、小
物入れ62は設けなくてもよい。また、船体1の両側端
部の両浮力体61を乗船フロア60より上方に突出して
いるが、少なくとも一部が乗船フロア60より上方に突
出させることで、再乗船する際に浮力体61に膝等の支
えにすることにより再乗船を一層容易にしている。
【0023】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明で
は、水噴射ユニット上面を覆うデッキを水噴射ユニット
に近接させて後方に開放した略水平の乗船フロアを形成
し、この乗船フロアの前端部を略鉛直に立ちあげてシー
トの背もたれを形成し、この背もたれはシートの座面よ
りも上方に突き出しその上端部を後方より把持可能に形
成したので、水中から船体に再乗船する場合、後方に開
放した略水平の乗船フロアから上半身を船体に乗せて、
背もたれの上端部を後方より把持して船体に容易に乗り
込むことができる。また、背もたれを、再乗船する際の
把持部として利用したので、特別なグラブレール等を必
要とせず、構造が簡単ですむ。
【0024】また、水中から船体に再乗船する際の把持
部たる背もたれを形成するにあたり、略水平の乗船フロ
アの前端部を略鉛直に立ちあげて背もたれを形成したの
で、乗船フロアを広く確保できて再乗船を容易に行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型滑走艇の側面図である。
【図2】小型滑走艇の平面図である。
【図3】シートの他の実施例の側面図である。
【図4】シートの斜視図である。
【図5】シートの肘掛け部の取付状態を示す断面図であ
る。
【図6】シートのさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図7】小型滑走艇の側面図である。
【図8】小型滑走艇の平面図である。
【図9】小型滑走艇の背面図である。
【符号の説明】
1 船体 2 ハル 3 デッキ 7 エンジンルーム 8 エンジン 10 水噴射ユニット 14 フロア 15,35,45,55,65 シート 15a,35a,45a,55a,65a 着座部 15b,35b,45b,55b,65b 背当て部 26 背もたれ 25,60 乗船フロア 61 浮力体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 3/00,15/00 B63B 19/00,35/73

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船体長手方向中心線上にバーハンドルを有
    するハンドルユニットを設け、このハンドルユニットの
    後方に位置して船体幅方向に延びるシートを設け、船尾
    船底部に水噴射ユニットを配置した小型滑走艇におい
    て、前記水噴射ユニット上面を覆うデッキを水噴射ユニ
    ットに近接させて後方に開放した略水平の乗船フロアを
    形成し、この乗船フロアの前端部を略鉛直に立ち上げて
    前記シートの背もたれを形成し、この背もたれは前記シ
    ートの座面よりも上方に突出しその上端部を後方より把
    持可能に形成し、前記乗船フロアの左右両端縁を、前記
    バーハンドルの左右両端よりもそれぞれ船体幅方向で外
    側方に位置させたことを特徴とする小型滑走艇。
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US08/251,306 US5943979A (en) 1991-02-26 1994-05-31 Seating and control arrangement for small watercraft

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