JP3012977U - プリペイドカード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 改造などの不正を有効に防止するプリペイド
カードを提供する。 【構成】 コード化された価値情報が書き込まれるプリ
ペイドカードにおいて、前記コードは２進数の１桁を１
セグメントとしてＮセグメント（Ｎは２以上の整数）を
１データ単位としたデータコード構造であり、前記プリ
ペイドカードが保有することになる最初に設定される価
値情報および前記プリペイドカードが使用される過程の
価値情報のデータコード各単位の同一桁のみを記録する
Ｎ個の各桁毎の同一桁記録エリアと、前記Ｎ個の各桁毎
の同一桁記録エリアに書込まれる前記コード化された価
値情報のそれぞれのスタート位置をプリペイドカードに
不可視的に記録した所定ビットのスタート位置情報エリ
アとを備えたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、改造などの不正使用に対する信頼性を向上させたプリペイドカー ドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在市場に出回っている商品には、商品管理のためのバーコードが付されてい る。このバーコードは商品提供者夫々に対し割り当てられるものであるが、商品 種類の多様化に伴ってバーコード割り当てに限界が近づいている。このため、新 たなコードとして２次元記録コードを用いた各種システムが開発され、電話事業 者や交通事業者など広範囲な分野で、代金前払によるプリペイドカードを使用し た販売システムとして用いられている。 ここで、２次元記録コードあるいは２次元データコードには次のようなコード があり、一つの長方形を田の字のように４セグメントに分割しその長方形を１単 位として各セグメントを２進数の１桁として４桁１６進数のデータを表わすもの である。すなわち、各桁の１および０ビット符号を白および黒などで記録する２ 次元記録コードあるいは２次元データコードである。

【０００３】 図７は、前記２次元記録コードが書き込まれた従来のプリペイドカードの構成 を示す平面図である。図において１はプリペイドカード本体、２はプリペイドカ ード本体１の一方の辺に沿って代金前払により最初に設定される金額情報が、該 プリペイドカードが発券される店や日時などと共に２次元記録コードとその表示 金額の数字とにより書き込まれる初期コードエリア、３はプリペイドカードが使 用される過程での残金を示す金額情報がプリペイドカードによる支払を行った店 や日時などと共に２次元記録コードとその表示金額の数字とにより書き込まれる 残金コードエリアであり、前記初期コードエリア２と並行に順次下方に書き増し される。

【０００４】 図８は、プリペイドカード本体１の裏面を示す裏面図であり、４は前記初期コ ードエリア２および残金コードエリア３に書き込み、あるいは書き込まれた２次 元コードを読み出す際のキー情報４ａを不可視インク印刷で書き込んだ不可視記 録書込エリアであり、この不可視記録書込エリア４はあらかじめプリペイドカー ド夫々に応じて設定されている。

【０００５】 図９は、プリペイドカード本体１の断面図であり、５と６はプリペイドカード 保護のための表面を覆う表面層、７は表面層５，６の間に形成された感熱層であ る。前記初期コードエリア２および残金コードエリア３の２次元記録コードやそ の表示金額の数字は、前記感熱層７が加熱されることでインクが目視可能になり 、数字が表示される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来のプリペイドカードは以上のように構成されているので、例えば図７にお いてプリペイドカード１の初期コードエリア２と残金コードエリア３との間など を横方向に切断分離して、残りの初期コードエリア２と設定金額の少ない他のプ リペイドカードの残金コードエリアとを接着剤などで接続する改造などの不正が 行われてしまう不都合があり、このような不正防止のための対策が望まれている 問題点があった。

【０００７】 本考案はこのような問題点を解消するためになされたもので、本考案の目的は 改造などの不正を有効に防止するプリペイドカードを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るプリペイドカードは、コード化された価値情報が書き込まれるプ リペイドカードにおいて、前記コードは２進数の１桁を１セグメントとしてＮセ グメント（Ｎは２以上の整数）を１データ単位としたデータコード構造であり、 前記プリペイドカードが保有することになる最初に設定される価値情報および前 記プリペイドカードが使用される過程の価値情報のデータコード各単位の同一桁 のみを記録するＮ個の各桁毎の同一桁記録エリアと、前記Ｎ個の各桁毎の同一桁 記録エリアに書込まれる前記コード化された価値情報のそれぞれのスタート位置 をプリペイドカードに不可視的に記録した所定ビットのスタート位置情報エリア とを備えたことを特徴とする。

【０００９】 また本考案に係るプリペイドカードは、前記コード化された価値情報は１次元 または２次元記録コードによりコード化された少なくとも金額を示す情報であり 、前記最初に設定される価値情報には少なくとも最初に設定された金額を示す情 報が書き込まれ、また前記使用される過程の価値情報には前記プリペイドカード が使用される過程の少なくとも残額を示す情報が書き込まれることを特徴とする 。

【００１０】

【作用】

本考案におけるプリペイドカードは、プリペイドカードが保有することになる 最初に設定される価値情報および前記プリペイドカードが使用される過程の前記 価値情報のデータコード各単位の各桁毎の同一桁記録エリアがＮ個プリペイドカ ード前面にわたって設けられ、更に、各同一桁記録エリアの記録スタート位置が 不可視的に記録したスタート位置情報エリアにあるので記録書込み状態が最初か らプリペイドカード全面に渡って分散しているので、プリペイドカード切断と接 続による改造などの不正を行うと前記価値情報コードエリアに書き込まれたデー タ記録コードによりコード化された金額を示す情報や残額を示す価値情報のデー タコードが破壊され、これら情報が無意味なものとなって改造などの不正を有効 に防止する。

【００１１】 また本考案におけるプリペイドカードは、少なくとも最初に設定された金額を １次元または２次元記録コードによりコード化された情報が書き込まれた初期コ ードと、また前記プリペイドカードが使用される過程の少なくとも残額を示す１ 次元または２次元記録コードによりコード化された情報の書き込まれる残金コー ドがＮ個の同一桁記録エリアに分離されてプリペイドカード全面に分布して設け られ、更に、前記同一桁記録エリアの記録スタート位置もカード全面にわたって 分散しているので、プリペイドカード切断と接続による改造などの不正を行うと 前記初期コードあるいは残金コード情報が破壊され、これら情報が無意味なもの となって改造などの不正を有効に防止する。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図について説明する。図１は、本実施例のプリペイ ドカードの構成を示す平面図である。図において、１１はプリペイドカード本体 、１７はプリペイドカード本体１１の一方の辺１３に沿って１次元または２次元 記録コードにより金額情報が発券機で発行した店とその日時と共に書き込まれる 初期コードとプリペイドカードを使用する過程の残金とその支払処理を行った店 、日時を示す情報の残金コードとを記録する初期コードおよび残金コードエリア である。発券機では最初に書き込まれたときは例えば「１００００円」の金額情 報などを表わす１次元または２次元記録コードでこの初期コードおよび残金コー ドエリア１７の同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに各桁毎に４ 分割して記録される。また１５はプリペイドカード本体１１の他方の辺１３に沿 って書き込まれた「１００００円」の金額を表わす表示金額数字である。

【００１３】 プリペイドカードを使用する過程の前記プリペイドカードが保有している残額 をプリペイドカードによる金額支払処理を行った店をその日時と共に示す１次元 または２次元記録コードによる情報１８の書き込みも前記初期コードおよび残金 コードエリアの同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに各桁毎に分 割して記録される。それらの同一桁記録エリアの４個は、プリペイドカード本体 １１の他方の辺１３（前記一方の辺１６とは直交している）に沿って配置されて 設けられている。例えば１次元または２次元記録コードが４桁を１単位データと するコードにより構成される場合には、その各桁毎に初期コードおよび残金コー ドエリア１７の同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに割り振られ る。すなわち最下位の桁は同一桁記録エリア１７ａに次の上位桁は同一桁記録エ リア１７ｂにさらに次の上位桁は同一桁記録エリア１７ｃにさらに次の上位桁は 同一桁記録エリア１７ｄにそれぞれ各桁毎に割り振られることになる。２０は２ 次元記録コードにより書き込まれた第１回目、第２回目の残額を示す情報１８の 内容「７０００円」、「４０００円」を表わした数字、２１は２次元記録コード により書き込まれた最終回の残額を示す情報の内容「０円」を表わした数字であ る。２２は不可視記録書込エリア、２３は不可視記録書込エリア２２に書き込ま れたキー情報である。このキー情報には前記同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂ， １７ｃ，１７ｄの各エリア記録スタート位置の位置情報が入っている。この位置 は記録エリアの２次元座標位置と記録方向とで表しておいてもよい。尚、スター ト位置は初期コードエリアの記録の最初のときにその位置から開始され、残金コ ードエリアの記録は初期コードエリアの記録の完了位置の次の位置をスタート位 置とする。

【００１４】 図２は、不正改造されたプリペイドカードの一例を示す平面図であり、２４の 部分を残額の書き込まれていない使用前の初期設定金額の少ないプリペイドカー ドの一部の切断接続片Ｓで接続し置き換えている。このような不正改造が行われ ると、本実施例のプリペイドカードでは同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂ，１７ ｃ，１７ｄがプリペイドカード本体の辺１３に沿って設けられているため、同一 桁記録エリア１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに書き込まれた金額情報である１ 次元または２次元記録コードによる情報１８は接続片Ｓで１次元または２次元記 録コードに不整合が生じる。すなわち、記録データとして途中で破損した部分が 生じ、最初に書き込まれた「１００００円」の金額情報に関する情報が正しく読 み出せなくなり、このような改造を行った後のプリペイドカードは使用不能にな り、このような不正改造による不正使用が防止できる。さらに、不可視記録書込 エリア２２も２２Ａに変り、不可視記録書込エリア２２Ａからのキー情報により 、スタート位置が全くずれている位置から読込むことになり、よって不正使用の 防止を更に確実にする。

【００１５】 図３は同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂと１７ｃ，１７ｄの丁度境目で切断接 続したときである。この場合でも同様な理由で不正防止できる。

【００１６】 図４は、本実施例のプリペイドカードを発行するための発券機３１の構成を示 す構造図であり、３２は何も書き込まれていないプリペイドカードへ最初の金額 情報を書き込むため、前記プリペイドカードを挿入する挿入孔である。３３は挿 入孔３２から挿入されたプリペイドカードの不可視記録書込エリアに書き込まれ ている記録のスタート位置の座標などのキー情報を読み取るための投光部、３４ は不可視記録書込エリア２２の反射率の変化からキー情報を読み取るための読取 部である。これら投光部３３と読取部３４とにより不可視マーク読取ヘッドが構 成されている。３５と３６はプリペイドカードの送りローラである。３７はプリ ペイドカードに１次元または２次元記録コードで金額情報およびその発券に関す る情報を書き込むための書込ヘッド、３８は１次元または２次元記録コードで書 き込まれている金額情報およびその発券に関する情報を読み取るための読取ヘッ ド、３９は金額情報が初期コードを初期コードおよび残金コードエリア１７に書 き込まれたプリペイドカードの排出孔である。

【００１７】 図５は、例えばこのプリペイドカードを使用して商品あるいはパチンコ玉貸し 用の自動販売を行うことのできる自動販売機に設けられたプリペイドカード処理 装置４１の構成を示す構造図である。図５において図４と同一の部分については 同一の符号を付し説明を省略する。このプリペイドカード処理装置４１では、プ リペイドカードを発行する前記発券機と異なり排出孔３８は挿入孔３２を兼ねて おり、挿入孔３２から挿入されたプリペイドカードは、送りローラ３５，３６に よりプリペイドカード処理装置４１の内部を左側から右側へ所定の位置まで送ら れてから、再度左側へ送り戻されて排出孔３８から排出される。

【００１８】 図６は、前記発券機３１およびプリペイドカード処理装置４１の制御を行うマ イクロコンピュータシステムの構成を示すブロック図であり、図において５１は ＣＰＵ、５２は各種操作釦を有した操作部、５３は操作部との信号授受を行うた めの入出力ポート、５４はＲＯＭ、５５はＲＡＭ、５６は送りローラを駆動する ためのローラ駆動部、５７はアンプ、５８はローラ駆動部を制御するための信号 授受を行うための入出力ポート、５９はプリペイドカードの残額や購買した商品 名や金額を表示するための表示部、６０は表示部５９のインターフェースである 。

【００１９】 ６１はプリペイドカードの残額が不足する際に投入される貨幣の額を認識した り、釣銭を排出するための金銭出納処理部、６２は金銭出納処理部４１との間で 信号授受を行うためのインターフェースである。６３は読取ヘッド３８との間で 信号授受を行うインターフェース、６４は書込ヘッド３７との間で信号授受を行 うインターフェース、６５は不可視マーク読取ヘッドとの間で信号の授受を行う インターフェースである。

【００２０】 発券機３１では、挿入孔３２から挿入されたプリペイドカードは、まず不可視 マーク読取ヘッドの投光部３３と読取部３４とにより、不可視記録書込エリア２ ２に書き込まれた記録のスタート位置座標などのキー情報が読み取られ、金銭出 納処理部６１から挿入された金額に応じた金額情報が発行場所および日時と共に 前記読み取ったキー情報に応じてコーディングされ、送りローラ３５，３６間の 書込ヘッド３７により２次元記録コード情報として初期コードエリア１２に書き 込まれ、排出孔３９から排出される。

【００２１】 また、プリペイドカード処理装置４１では、挿入孔３２から挿入されたプリペ イドカードは、先ず送りローラ３５，３６により左側から右側に送られていく過 程で、初期コードおよび残金コードエリア１７に書き込まれている初期情報およ び残金を示す情報、すなわち同一桁記録エリア１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄ に書き込まれている初期情報と残金情報を示す情報とが読み出される。さらに投 光部３３と読取部３４とからなる不可視マーク読取ヘッドにより不可視記録書込 エリア４に書き込まれている記録スタート位置のキー情報が読み取られ、このキ ー情報を基に前記読み取られた金額情報や残金を示す情報が認識され、さらにこ の認識した残金の範囲内の商品購入あるいはパチンコ玉貸し数などを許可する。 このとき、挿入されたプリペイドカードは右端の位置で停止している。

【００２２】 商品購入者が操作部５２の操作キーを操作して商品を購入すると、それまでプ リペイドカード処理装置の内部の右端の位置で停止していたプリペイドカードは 、書込ヘッド３７の位置まで送られ、商品購入に要した金額を減算した残額がプ リペイドカードによる支払場所および日時と共に同一桁記録エリア１７ａ，１７ ｂ，１７ｃ，１７ｄのそれまで書き込まれていた初期データまたは残額データを 示す情報の次に順次書き込まれる。その後さらにプリペイドカードは左側に送ら れ、今度は読取ヘッド３８により先程書き込んだ残額を示す情報を読取り、感熱 紙が発色し正しく残額が書き込まれているか否かを判断するためのベリファイが 実行される。この結果、正しく残額が書き込まれていると判断されると、プリペ イドカードは排出孔３９から排出される。感熱紙が発色していなければ改造プリ ペイドカードとしてその表示などを行う。

【００２３】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば初期コードおよび残金コードエリアを価値情報 のコードデータの各桁毎の書き込まれるＮ分割された同一桁記録エリアがＮ個前 記プリペイドカードの辺に沿って配置して設けるようにし、しかも、各同一桁記 録エリアの最初の記録スタート位置をキー情報で定め、前記エリアに記録が分散 して行われるので、プリペイドカードを不正に改造すると前記の初期コードおよ び残金エリアにコード化されて書き込まれた価値情報が破壊されやすくなり使用 不能になることから、不正改造を有効に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるプリペイドカードを示
す平面図である。

【図２】本考案の一実施例における不正改造されたプリ
ペイドカードを示す平面図である。

【図３】本考案の一実施例における不正改造されたプリ
ペイドカードを示す平面図である。

【図４】本考案の一実施例によるプリペイドカードを発
行する発券機の構成を示す構造図である。

【図５】本考案の一実施例によるプリペイドカードを使
用して商品の自動販売を行うことのできる自動販売機に
設けられたプリペイドカード処理装置の構成を示す構造
図である。

【図６】発券機およびプリペイドカード処理装置の制御
を行うマイクロコンピュータシステムの構成を示すブロ
ック図である。

【図７】従来のプリペイドカードを示す平面図である。

【図８】従来のプリペイドカードを示す裏面図である。

【図９】従来のプリペイドカードの断面図である。

【符号の説明】

１１ プリペイドカード本体 １７ 初期コードおよび残金コードエリア １７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄ 同一桁記録エリア

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コード化された価値情報が書き込まれる
   プリペイドカードにおいて、前記コードは２進数の１桁
   を１セグメントとしてＮセグメント（Ｎは２以上の整
   数）を１データ単位としたデータコード構造であり、前
   記プリペイドカードが保有することになる最初に設定さ
   れる価値情報および前記プリペイドカードが使用される
   過程の価値情報のデータコード各単位の同一桁のみを記
   録するＮ個の各桁毎の同一桁記録エリアと、前記Ｎ個の
   各桁毎の同一桁記録エリアに書込まれる前記コード化さ
   れた価値情報のそれぞれのスタート位置をプリペイドカ
   ードに不可視的に記録した所定ビットのスタート位置情
   報エリアとを備えたことを特徴とするプリペイドカー
   ド。
2. 【請求項２】 前記コード化された価値情報は１次元ま
   たは２次元記録コードによりコード化された少なくとも
   金額を示す情報であり、前記最初に設定される価値情報
   には少なくとも最初に設定された金額を示す情報が書き
   込まれ、また前記使用される過程の価値情報には前記プ
   リペイドカードが使用される過程の少なくとも残額を示
   す情報が書き込まれることを特徴とする請求項１記載の
   プリペイドカード。