JP3012965B2 - 燃焼機器 - Google Patents

燃焼機器

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JP3012965B2
JP3012965B2 JP6090785A JP9078594A JP3012965B2 JP 3012965 B2 JP3012965 B2 JP 3012965B2 JP 6090785 A JP6090785 A JP 6090785A JP 9078594 A JP9078594 A JP 9078594A JP 3012965 B2 JP3012965 B2 JP 3012965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、限界電流式酸素センサ
(以下、酸素センサという)を用いて燃料供給量および
・または空気供給量を制御しながら燃焼を行う燃焼機器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の燃焼機器は、完全燃焼が得られる
ように予め空気供給量と燃料供給量との比率(以下、空
燃比という)を計算し、その計算値をもとにした空気供
給量と燃料供給量で燃焼させる構成であった。しかしな
がら、燃焼機器を様々な環境下で使用すると、外気温度
の変動や気圧の変動、また、燃料供給手段や空気供給手
段の耐久性にともなう変動によって、空燃比が当初の計
算値より変動し、したがって、例えば海抜2000メー
トルの酸素希薄環境の高地では、空燃比が平地で求めた
当初の計算値と大きくくい違い、そのまま使用すると不
完全燃焼が発生する。
【0003】この現象を解決する手段として空燃比が燃
焼排ガス中の酸素濃度と相関があることに着目し、燃焼
排ガス中の酸素濃度を計測する酸素センサを燃焼排ガス
流路中に配設して、計測した酸素濃度より最適な空燃比
の制御を行う燃焼機器が提案されている(例えば、特開
平4−353311号公報参照)。
【0004】以下に従来の燃焼機器について説明する。
図7に示すように、燃料供給手段1で燃料を供給し、空
気供給手段2で空気を矢印Aで示した方向に供給して燃
焼部3で燃焼させ、燃焼排ガスを酸素センサ4を配設し
た排ガス流路5を通して矢印Bで示した方向に排出させ
る構成である。酸素センサ4は、直流電源6と電流検出
手段7を直列に接続した閉回路を構成し、電流検出手段
7の出力側を制御部8に接続して酸素センサ4からの酸
素濃度にかかわる電流値を制御部8で検知する構成とし
ている。一方、制御部8は、燃料供給手段1および空気
供給手段2と電気的に接続されており、燃焼排ガス中に
おける酸素センサ4からの酸素濃度にかかわる電流値が
所定電流値になるように、燃料供給手段1および・また
は空気供給手段2を制御する構成としている。なお、酸
素センサ4は、併設した電源9により所定の動作温度ま
で加熱されている。
【0005】図8に示すように、酸素センサ4は、Zr
2・Y23製で酸素イオン伝導性の固体電解質板10
の両面に白金電極膜が対で形設されている。この固体電
解質板10の片面には、白金電極膜製のカソード側電極
膜11を、他面には、アノード側電極(図示せず)を形
設し、始端と終端が相互に間隔を有するように硝子製の
螺旋型スペーサ12が配設されている。螺旋型スペーサ
12の上部にシール板13が配設され、さらにシール板
13の上面に加熱部14が配設された構成である。ま
た、拡散律速体が螺旋型スペーサ12とシール板13と
からなり、酸素拡散通路15が螺旋型スペーサ12の相
対向する隔壁と固体電解質板10とシール板13で囲ま
れる螺旋型の空間で形成されている。
【0006】以上のように構成された燃焼装置につい
て、以下その動作を説明する。加熱部14に電源(図示
せず)より電圧を印加し、固体電解質板10を450〜
500℃の温度に加熱する。両面の白金電極膜は、直列
に直流電源(図示せず)と電流検出手段(図示せず)を
接続して閉回路を構成しており、電圧印加により固体電
解質板10の酸素ポンピング作用が働く。すると、酸素
は酸素拡散通路15を経由してカソード側電極膜11へ
拡散し、固体電解質板10を酸素イオンとして移動した
後、アノード側電極膜へ移動する挙動を示す。この移動
過程において酸素の流入が酸素拡散通路15によって制
限されるので、酸素濃度に応じた限界電流が得られ、こ
の限界電流が酸素濃度に対してほぼ比例することから酸
素濃度の計測ができる。したがって燃焼排ガス中の酸素
濃度を酸素センサ4を用いて計測し、最適な空燃比で燃
焼機器を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、酸素センサ4が過度な長期間の使用によ
って劣化して、センサ電流の低下もしくは増大が生じて
酸素濃度が実際濃度より高めもしくは低めに計測される
ので、計測値のまま使用すると、燃焼機器の空燃比が設
定値と異なる値となり、不完全燃焼が起こって一酸化炭
素などが発生するという問題点を有していた。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、酸素センサの劣化を大気中において自己診断して常
に正確な酸素濃度の計測が行われているか否かを検定
し、正確な酸素濃度の計測が行われているときのみに空
燃比制御することで、不完全燃焼が生じない高信頼性の
燃焼機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の燃焼機器は、排ガス流路内に配設した酸素セ
ンサからの酸素濃度にかかわる電流値に基づいて、燃焼
部に燃料を供給する燃料供給手段および・または空気を
供給する空気供給手段を制御する制御部を備え、燃焼開
始前または燃焼終了後に酸素センサを大気に曝して大気
中における酸素センサからの電流値を読み取り、電流値
が予め記憶された設定値に合致するときのみ空気供給手
段および・または燃料供給手段を予め記憶させた制御方
法で制御部が制御し、電流値が予め記憶された設定値と
異なるときは制御部での制御方法を変更し、かつ、設定
値を燃焼排ガス中における電流より大きい値以上とし、
しかも大気中における電流と概略同じ値以下であるとし
た構成、また、燃焼開始前または燃焼終了後に酸素セン
サを大気に曝して、所定時間後に得られる大気中におけ
る酸素センサからの電流値を読み取り、電流値が予め記
憶された設定値に合致するときのみ空気供給手段および
・または燃料供給手段を予め記憶させた制御方法で制御
部が制御し、電流値が予め記憶された設定値と異なると
きは制御部での制御方法を変更し、かつ、設定値を燃焼
排ガス中における電流より少なくとも酸素濃度1%相当
分大きい電流値以上とし、しかも大気中における電流の
最大値以下であるとした構成、また、燃焼開始前または
燃焼終了後に酸素センサを大気に曝して安定した電流が
得られる所定時間後に酸素センサからの電流値を読み取
り、電流値が予め記憶された設定値に合致するときのみ
空気供給手段および・または燃料供給手段を予め記憶さ
せた制御方法で制御部が制御し、電流値が予め記憶され
た設定値と異なるときは制御部での制御方法を変更し、
かつ、設定値を、燃焼排ガス中における電流の最大値よ
り少なくとも酸素濃度1%相当分大きい電流値以上とし
しかも大気中における電流の最大値以下であるとした構
成、また、燃焼開始前または燃焼終了後に酸素センサを
大気に曝して大気中における酸素センサからの電流値を
読み取り、電流値が予め記憶された2つの設定値の範囲
内であるときのみ空気供給手段および・または燃料供給
手段を制御部が制御し、電流値が予め記憶された2つの
設定値の範囲外であるときは制御部での制御方法を
(a)制御部での空気供給手段および・または燃料供給
手段の制御を解除する手段(b)制御部で空気供給手段
および・または燃料供給手段を制御するために予め記憶
させる排ガス中における酸素センサの設定電流値を変更
する手段(c)警報を発する手段のいずれか1つの手段
を用いて変更する構成としたものである。
【0010】
【作用】この構成において、酸素センサの劣化を大気中
において自己診断でき、酸素センサの劣化のないときの
み予め記憶させた制御方法で空燃比制御を実施するの
で、空燃比が当初の計算値と同じ値となり、不完全燃焼
が生じなくなり、酸素センサの劣化が正しく判定でき、
燃焼排ガス中において常に正しい酸素濃度の計測が可能
となり、また、酸素センサの劣化が生じても不完全燃焼
の生じない安全側で燃焼することとなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0012】本実施例は、図7および図8で説明した従
来例と同じ構成であって、従来例と異なる点は、酸素セ
ンサを燃焼開始前または燃焼終了後において空気に曝す
構成とし、また、大気中におけるセンサ電流が予め記憶
された設定値に合致するときのみ空気供給手段2および
・または燃料供給手段1を制御部8で制御し、設定値と
異なるときは制御部8での制御を変更する構成としたこ
とにある。
【0013】すなわち、図1に示すように、ステップ1
でスタートボタンを押すと、酸素センサ4は燃焼開始前
または燃焼終了後において空気に曝され、それとともに
ステップ2でマイクロコンピュータのRAMがクリアさ
れ、新しいデータの書き込みが可能となる。ついで、ス
テップ3で所定時間が経過すると、空気中における酸素
センサ4の電流値Iが読み取られる。
【0014】一方、IminおよびImaxが予め記憶された
設定値として既に入力されている。Iminは、燃焼排ガ
ス中における電流より大きい値以上であり、好ましくは
燃焼排ガス中における電流の最大値より少なくとも酸素
濃度1%相当分以上大きい値である。Imaxは、大気中
における電流と概略同じ値以下であり、好ましくは空気
中における電流の最大値である。ついで、ステップ4で
上述のIminおよびImaxが呼び出され、ステップ5で電
流値Iと設定値IminおよびImaxの比較が行われる。ス
テップ6で電流値Iが、Imin以上でありしかもImax以
下であるとき、ステップ7で制御実行の指令が出され
る。従って、燃焼が始まると制御部8によって空気供給
手段2および・または燃料供給手段1を予め記憶させた
制御方法で制御する。一方、ステップ8で電流値Iが、
Imin以下であるとき、またはImax以上であるとき、ス
テップ9で制御方法変更の指令が出される。従って、
(a)制御部8での空気供給手段2および・または燃料
供給手段1の制御解除、または、(b)制御部8で空気
供給手段2および・または燃料供給手段1を制御するた
めに予め記憶させる排ガス中における酸素センサ4の設
定電流値の変更、または(c)警報の発生のいずれかよ
り選択した1種類の手段が実行される。
【0015】本実施例の効果を、酸素センサ4を用いて
評価した。まず、酸素センサ4の酸素濃度と電流(動作
電圧が1.0Vのときの値)との相関について説明す
る。
【0016】図2に示すように、正常な酸素センサ4は
実線Aの特性を示し、酸素濃度と電流値とがすべての範
囲においてほぼ直線関係にあり、電流の計測より酸素濃
度が判明する。すなわち、大気(酸素濃度は20.3〜
20.9%)中において205〜220μAの電流が得
られ、正常な燃焼が得られる燃焼排ガス(酸素濃度は3
〜10%)中においては酸素濃度に対応した30〜10
0μAの電流が得られる。
【0017】正常な酸素センサ4を過度に長期間使用す
ると劣化が起こり、センサ電流の低下もしくは増大が発
生する。
【0018】長期間使用により劣化が起こり電流の低下
が発生した酸素センサ4は、点線Bの特性を示す。大気
中においては110μAの電流が得られ、燃焼排ガス中
においては酸素濃度に対応した30〜100μAの電流
が得られる。この特性Bの酸素センサ4においては、酸
素濃度が11%以下において酸素濃度と電流値との直線
関係が成立し、この電流値は正常な酸素センサ4の特性
Aの電流値と同じ値であった。一方、酸素濃度が11%
以上においてはこの関係が成立せず酸素濃度にかかわら
ず電流値はほぼ一定である。これは、長期間使用により
電極劣化が起こり酸素濃度が11%以下でのみ限界電流
が得られ、それ以上の酸素濃度では電極にかかわるイオ
ン電流が得られるためである。
【0019】また、長期間使用により劣化が起こり電流
の増加が発生した酸素センサ4は破線Cの特性を示す。
大気中においては220〜235μAの電流が得られ、
燃焼排ガス中においては酸素濃度に対応した32〜11
0μAの電流が得られる。この特性Cの酸素センサ4に
おいては、酸素濃度と電流値とがすべての範囲において
ほぼ直線関係にあるが、正常な酸素センサ4より電流値
が大きい値を示すので、燃焼排ガスの酸素濃度が3〜1
0%においては酸素濃度が真の濃度と異なる値を示す。
これは、長期間使用により酸素拡散孔の寸法が大きくな
り酸素拡散抵抗が小さくなったためである。
【0020】次に、酸素センサ4の印加電圧と電流の関
係について説明する。図3に示すように、正常な酸素セ
ンサ4は実線Aの特性を示し、酸素濃度が10%の実線
A(O210%)および大気(酸素濃度約20%)の実
線A(大気)において、印加電圧を変更させても電流値
が一定を示す限界電流が得られており、しかもこの限界
電流が酸素濃度に対してほぼ比例した関係を示す。
【0021】電極劣化が起こり電流の低下が発生した酸
素センサ4は点線Bの特性を示し、酸素濃度が10%の
点線B(O210%)においては限界電流が得られてい
るが、大気の点線B(大気)においては限界電流が得ら
れていない。動作電圧1.0Vにおける電流値が大気中
110μAであることより、この限界電流特性は酸素濃
度11%を境に変化し、酸素濃度が11%以下において
はどの酸素濃度でも限界電流が得られるのに対して、酸
素濃度が約11%以上(但し11%近辺は除く)におい
てはどの酸素濃度でも限界電流が得られなかった。また
動作電圧1.0Vにおける電流値は、酸素濃度が10%
以下において正常な酸素センサ4の実線Aの電流値と同
じ値であり、酸素濃度が正しく計測できる状態であっ
た。
【0022】また、点線Bの特性の酸素センサ4におい
て電極劣化がさらに進行すると、動作電圧1.0Vにお
ける電流値は例えば大気中80μAとさらに小さくな
り、このときは酸素濃度が10%において限界電流が得
られないが、酸素濃度7%以下においては正常な酸素セ
ンサ4の実線Aの電流値と同じ値の限界電流値が得られ
た。従って、このときは酸素濃度が7%範囲以下の燃焼
排ガス中において酸素濃度に対応した正確な電流が得ら
れることとなり、制御部8で制御するために予め記憶さ
せる排ガス中における酸素センサ4の設定電流値を変更
(このときは100μAを70μAに変更)すると、正
しい酸素濃度で制御できることになる。
【0023】一方、点線Bの特性の酸素センサ4におい
て、電極劣化が余り進行せずに動作電圧1.0Vにおけ
る電流値が例えば大気中150μAと大きい値である
と、大気においては限界電流が得られないが、酸素濃度
が10%以下において限界電流値が充分な余裕をもって
得られ、しかもこの電流値は正常な酸素センサ4の実線
Aの電流値と同じ値であった。従って、この場合は酸素
濃度が10%範囲以下の燃焼排ガス中において酸素濃度
に対応した正確な電流が得られることとなり、正しい酸
素濃度で制御できる。
【0024】また、酸素拡散孔の劣化が起こり電流の増
加が発生した酸素センサ4の特性は破線Cを示し、酸素
濃度が10%および大気において限界電流が得られてい
るが、この電流値は正常な酸素センサ4の実線Aの電流
値に対して大きな値を示していて、正確な電流が得られ
なかった。一方、この破線Cの特性の酸素センサ4にお
いて酸素拡散孔の劣化がさらに起こると、酸素濃度が1
0%および大気において限界電流値が得られるのだが、
この電流値は正常な酸素センサ4の実線Aの電流値に対
して一層大きな値を示し、益々正確な電流が得られなく
なった。
【0025】以上の結果より下記のことが判明した。 (1)燃焼排ガス中の酸素濃度が3〜10%であり、酸
素濃度が10%になるように制御を行うとき、正常な酸
素センサ4の特性とほぼ同じ特性が得られるのは、大気
中での電流値(動作電圧1.0V時)が110〜220
μAである。 (2)大気中での電流110μAの値(Imin)は、燃
焼排ガス中における電流の最大値(具体的には酸素濃度
が10%において100μA)より少なくとも酸素濃度
1%相当分大きい(具体的には10μA大きい)値であ
る。 (3)燃焼排ガス中の酸素濃度が例えば7%になるよう
に制御を行うときは、例えば設定値Iminを大気中80
μAとすればよい。この大気中80μAの値は、燃焼排
ガス中における電流(具体的には酸素濃度が7%におい
て70μA)より少なくとも酸素濃度1%相当分以上
(具体的には10μA以上)の値である。 (4)設定値Iminは、燃焼排ガス中の酸素濃度が3〜
10%であることを考慮すると、この酸素濃度に対応す
る燃焼排ガス中における電流(具体的には30〜100
μA)より大きい値とすればよい。具体的には、燃焼排
ガス中における電流を例えば40μAとすると、設定値
Iminは大気中40μA以上とすればよく、このときは
燃焼排ガス中40μA未満(具体的には40〜30μA
となり酸素濃度が3〜4%)で酸素濃度の計測が正しく
行われる。 (5)大気中での電流220μAの値(設定値Imax)
は、大気中における最大電流値(具体的には酸素濃度が
20.9%において220μA)である。 (6)設定値Imaxは、大気中の酸素濃度が20.3〜
20.9%と変動することを考慮すると、大気中におけ
る電流と概略同じ値となる。 (7)設定値Imaxは、燃焼排ガス中においてどの酸素
濃度で制御を行うかを考慮すると、大気中における電流
より一層大きい値でもよい。例えば、燃焼排ガス中にお
ける空燃比制御用の設定電流を例えば70μA(酸素濃
度が7%)とすると、燃焼排ガス中の電流の最小値30
μA(酸素濃度が3%)まで40μAの余裕がある。従
って、70μAが酸素濃度が7%である真の特性に対し
て、センサ特性が誤って70μAが酸素濃度3%とな
り、この誤った酸素濃度3%を酸素センサ4が酸素濃度
7%と誤認しても、燃焼機器は酸素濃度3%でも正常に
燃焼するので特に問題が生じない。このことを、前述の
破線Cの特性の酸素センサ4において酸素拡散孔の劣化
がさらに起こるときに当てはめてみる。酸素濃度と電流
値はほぼ比例関係にある。真の特性は酸素濃度3%が3
0μAのに対して、誤った特性は酸素濃度3%が70μ
Aである。酸素濃度と電流値がほぼ比例関係にあること
を当てはめると、誤った特性は酸素濃度20%で460
μAとなり、この460μAが設定値Imaxとなる。従
って、この場合、Imaxが460μAでも燃焼機器は正
常に燃焼し特に問題が生じないこととなる。
【0026】また、設定値Iminも同様であり、仮に誤
って正常な酸素センサ4の特性値より小さい特性値が得
られても、空燃比制御用の設定電流をこの電流低下を考
慮した値に設定すれば、酸素センサ4の誤認も対処で
き、燃焼機器は正常に燃焼し特に問題が生じないことと
なる。
【0027】次に、酸素センサ4の電流過渡特性につい
て説明する。酸素センサ4の燃焼前の大気中におけるセ
ンサ電流の挙動を示す図4において、実線Aは正常な酸
素センサ4の特性、点線Bは劣化が起こり電流の低下が
発生した酸素センサ4の特性、破線Cは劣化が起こり電
流の増加が発生した酸素センサ4の特性を示す。センサ
電流は、使用初期は時間とともに変化するが約3分以上
経過するとほぼ同じ値を示しており、例えばスタート後
4分に測定するとセンサ電流は安定した値が得られるこ
とが判る。
【0028】また、酸素センサ4の燃焼後の大気中にお
けるセンサ電流の挙動を示す図5において、実線Aは正
常な酸素センサ4の特性、点線Bは劣化が起こり電流の
低下が発生した酸素センサ4の特性、破線Cは劣化が起
こり電流の増加が発生した酸素センサ4の特性を示す。
センサ電流は、大気に曝すと時間とともに大きくなるが
約1分以上経過するとほぼ同じ値を示しており、例えば
スタート後2分に測定するとセンサ電流は安定した値が
得られることが判る。
【0029】次に、酸素センサ4および燃焼機器の効果
特性について説明する。図6に示すように、実線Aは空
燃比と燃焼排ガス中における酸素センサ4の電流との関
係、破線B・点線Cおよび一点鎖線Dは、それぞれ空燃
比と燃焼機器から排出される炭酸ガス・窒素酸化物およ
び一酸化炭素の各量の関係である。従来の燃焼機器は、
外気温度の変動・気圧の変動、さらに燃料供給手段1や
空気供給手段2のばらつきおよび耐久性にまつわる変動
を考慮して、酸素濃度が3%〜10%変動(結果的には
空燃比が変動)しても一酸化炭素が生成しないように設
計されており、通常は酸素濃度が約7%で燃焼してい
る。従って、酸素センサ4を用いて例えば酸素濃度が1
0%(設定電流値100μA)になるように制御を行う
と、一酸化炭素の生成も無く炭酸ガスや窒素酸化物の排
出量の低減が充分にできる利点がある。
【0030】また、電流値が予め記憶された設定値と異
なるときは制御部8での制御方法を変更する訳である
が、酸素濃度が例えば9%(設定電流値90μA)にな
るように制御変更を行っても、一酸化炭素の生成も無く
炭酸ガスや窒素酸化物の排出量の低減ができる。さら
に、酸素センサ4による制御を解除しても従来の燃焼機
器の燃焼特性をそのまま維持でき、一酸化炭素の生成が
無い。また、警報を発することにより酸素センサ4の寿
命を知らせることとなり、酸素センサ4を交換して再び
正常に制御できるようになる。
【0031】以上のように本実施例によれば下記の効果
が得られる。 (1)大気中におけるセンサ電流値を読み取り、この電
流値が予め記憶された設定値に合致するときのみ空気供
給手段2および・または燃料供給手段1を制御部8で制
御し、電流値が予め記憶された設定値と異なるときは制
御部8での制御方法を変更している。そのため、酸素セ
ンサ4の劣化を大気中において自己診断でき、酸素セン
サ4の特性劣化のないときのみ予め記憶された制御方法
で空燃比制御を実施するので空燃比が当初の計算値と常
に同じ値となり、不完全燃焼のない高信頼性の燃焼機器
が得られる。
【0032】(2)酸素センサ4の劣化の自己診断は燃
焼前であるので、酸素センサ4の特性劣化を事前に判定
でき、万が一特性劣化したときは、制御部8での制御方
法を変更できる。また、この酸素センサ4の劣化の自己
診断は燃焼後であるので、酸素センサ4の特性劣化を事
前に判定でき、万が一特性劣化したときは、次回からの
制御部8での制御方法を変更できる。
【0033】(3)予め記憶された設定値が、燃焼排ガ
ス中における電流より大きい値以上とし、しかも大気中
における電流と概略同じ値以下であるとしたので、酸素
センサ4の劣化が大気中で正確に判定でき、燃焼排ガス
中において常に正しく酸素濃度が計測できる。
【0034】(4)予め記憶された設定値が、燃焼排ガ
ス中における電流より少なくとも酸素濃度1%相当分大
きい電流値以上とし、しかも大気中における電流の最大
値以下であるとしたので、酸素センサ4の特性劣化が一
層正確に判定でき、燃焼排ガス中において酸素濃度が精
度良く計測できる。
【0035】(5)予め記憶された設定値を、燃焼排ガ
ス中における電流の最大値より少なくとも酸素濃度1%
相当分大きい電流値以上とし、しかも大気中における電
流の最大値以下であるとしたので、酸素センサ4の劣化
がさらに一層正確に判定でき、燃焼排ガス中において酸
素濃度が一層精度良く計測でき、また、排ガス中におけ
る酸素センサ4の設定電流値の変更に対して余裕をもっ
て対処でき、不完全燃焼を防止できる。
【0036】(6)電流値が予め記憶された設定値と異
なるときは、(a)制御部8での空気供給手段2および
・または燃料供給手段1の制御解除、(b)制御部8で
空気供給手段2および・または燃料供給手段1を制御す
るために予め記憶させる排ガス中における酸素センサ4
の設定電流値の変更、(c)警報を発する、のいずれか
より選択した1種類の手段を用いて制御部8での制御方
法を変更しているので、酸素センサ4の特性劣化が発生
しても不完全燃焼の発生しない安全側で燃焼が行われ
る。従って、不完全燃焼の生じない高信頼性の燃焼機器
にできる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
は、排ガス流路内に配設した酸素センサからの酸素濃度
にかかわる電流値に基づいて、燃料供給手段および・ま
たは空気供給手段を制御する制御部を備え、燃焼開始前
または燃焼終了後に酸素センサからの電流値を読み取
り、電流値が予め記憶された設定値に合致するときの
み、空気供給手段および・または燃料供給手段を予め記
憶させた制御方法で制御部が制御し、電流値が予め記憶
された設定値と異なるときは制御部での制御方法を変更
し、かつ、設定値を燃焼排ガス中における電流より大き
い値以上とし、しかも大気中における電流と概略同じ値
以下であるとした構成により、酸素センサの劣化を大気
中において自己診断して常に正確な酸素濃度の計測が行
われているか否かを検定し、正確な酸素濃度の計測が行
われているときのみに空燃比制御することで、不完全燃
焼が生じない高信頼性の優れた燃焼機器を実現できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の燃焼機器の制御部の制御を
示すフローチャート
【図2】同燃焼機器の限界電流式酸素センサの酸素濃度
−電流特性図
【図3】同限界電流式酸素センサの印加電圧−電流特性
【図4】同限界電流式酸素センサの燃焼前のセンサ電流
挙動を示す経過時間−センサ電流特性図
【図5】同限界電流式酸素センサの燃焼後のセンサ電流
挙動を示す経過時間−センサ電流特性図
【図6】同限界電流式酸素センサおよび燃焼機器の特性
【図7】従来の燃焼機器の概略構成図
【図8】同燃焼機器の限界電流式酸素センサの一部を欠
載して内部を示した外観斜視図
【符号の説明】
1 燃料供給手段 2 空気供給手段 3 燃焼部 4 限界電流式酸素センサ 8 制御部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス流路内に配設した限界電流式酸素
    センサからの酸素濃度にかかわる電流値に基づいて、燃
    焼部に燃料を供給する燃料供給手段および・または空気
    を供給する空気供給手段を制御する制御部を備えた燃焼
    機器であって、燃焼開始前または燃焼終了後に前記限界
    電流式酸素センサを大気に曝して大気中における前記限
    界電流式酸素センサからの電流値を読み取り、前記電流
    値が予め記憶された設定値に合致するときのみ前記空気
    供給手段および・または前記燃料供給手段を予め記憶さ
    せた制御方法で前記制御部が制御し、前記電流値が予め
    記憶された設定値と異なるときは前記制御方法を変更す
    る構成とし、かつ、前記設定値が燃焼排ガス中における
    電流より大きい値以上で、しかも大気中における電流と
    概略同じ値以下である燃焼機器。
  2. 【請求項2】 排ガス流路内に配設した限界電流式酸素
    センサからの酸素濃度にかかわる電流値に基づいて、燃
    焼部に燃料を供給する燃料供給手段および・または空気
    を供給する空気供給手段を制御する制御部を備えた燃焼
    機器であって、燃焼開始前または燃焼終了後に前記限界
    電流式酸素センサを大気に曝して、所定時間後に得られ
    る大気中における前記限界電流式酸素センサからの電流
    値を読み取り、前記電流値が予め記憶された設定値に合
    致するときのみ前記空気供給手段および・または前記燃
    料供給手段を予め記憶させた制御方法で前記制御部が制
    御し、前記電流値が予め記憶された設定値と異なるとき
    は前記制御方法を変更する構成とし、かつ、前記設定値
    が燃焼排ガス中における電流より少なくとも酸素濃度1
    %相当分大きい電流値以上で、しかも大気中における電
    流の最大値以下である燃焼機器。
  3. 【請求項3】 排ガス流路内に配設した限界電流式酸素
    センサからの酸素濃度にかかわる電流値に基づいて、燃
    焼部に燃料を供給する燃料供給手段および・または空気
    を供給する空気供給手段を制御する制御部を備えた燃焼
    機器であって、燃焼開始前または燃焼終了後に前記限界
    電流式酸素センサを大気に曝して安定した電流が得られ
    る所定時間後に前記限界電流式酸素センサからの電流値
    を読み取り、前記電流値が予め記憶された設定値に合致
    するときのみ前記空気供給手段および・または前記燃料
    供給手段を予め記憶させた制御方法で前記制御部が制御
    し、前記電流値が予め記憶された設定値と異なるときは
    前記制御方法を変更する構成とし、かつ、前記設定値が
    燃焼排ガス中における電流の最大値より少なくとも酸素
    濃度1%相当分大きい電流値以上で、しかも大気中にお
    ける電流の最大値以下である燃焼機器。
  4. 【請求項4】 排ガス流路内に配設した限界電流式酸素
    センサからの酸素濃度にかかわる電流値に基づいて、燃
    焼部に燃料を供給する燃料供給手段および・または空気
    を供給する空気供給手段を制御する制御部を備えた燃焼
    機器であって、燃焼開始前または燃焼終了後に前記限界
    電流式酸素センサを大気に曝して大気中における前記限
    界電流式酸素センサからの電流値を所定時間後に読み取
    り、前記電流値が予め記憶された2つの設定値の範囲内
    であるときのみ前記空気供給手段および・または前記燃
    料供給手段を予め記憶させた制御方法で前記制御部が制
    御し、前記電流値が予め記憶された2つの設定値の範囲
    外であるときは前記制御方法を(a)制御部での空気供
    給手段および・または燃料供給手段を制御解除する
    (b)制御部で空気供給手段および・または燃料供給手
    段を制御するために予め記憶させる排ガス中における限
    界電流式酸素センサの設定電流値を変更する(c)警報
    を発するの3手段から選択したいずれか1つの手段を用
    いて変更する構成とした燃焼機器。
  5. 【請求項5】 大気中における限界電流式酸素センサか
    らの電流値が、予め記憶された設定値と異なるときの制
    御部での制御方法の変更が、前記制御部で空気供給手段
    および・または燃料供給手段の制御解除である請求項
    1,2,3のいずれかに記載の燃焼機器。
  6. 【請求項6】 大気中における限界電流式酸素センサか
    らの電流値が、予め記憶された設定値と異なるときの制
    御部での制御方法の変更が、前記制御部で空気供給手段
    および・または燃料供給手段を制御するために予め記憶
    させる排ガス中における前記限界電流式酸素センサの設
    定電流値の変更である請求項1,2,3のいずれかに記
    載の燃焼機器。
  7. 【請求項7】 大気中における限界電流式酸素センサか
    らの電流値が、予め記憶された設定値と異なるときに、
    警報を発する構成とした請求項1,2,3のいずれかに
    記載の燃焼機器。
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