JP3012848U - 足浴器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 老人，身体障害者等の脚部の血行を良くする
ための足浴器 【構成】 微粒の海砂を収容した足浴槽に，給水口およ
び該給水口と接続し，かつ足浴槽の内部を環状に周回す
る給水管と複数個の噴射ノズルとを設け，さらに該給水
管に複数個の給水孔を設けるとともに，前記足浴槽の外
側に送水管を環状に周回して設け，該送水管を前記噴射
ノズルおよび送水ポンプの出力側に接続し，かつ該送水
ポンプの入力側に，温水，または薬用入浴剤および／ま
たは皮膚病治療薬を混合した温水を供給する温水供給装
置と接続したことを特徴とする足浴器で，足浴槽に投入
した海砂を噴射ノズルから噴出する温水により巻き上
げ，噴出水と海砂を脚部に衝突させることにより，マッ
サージ効果を生じさせ，脚部のみならず全身の血行を良
くすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本発明は，例えば老人，身体障害者等の使用に適した血行を良くするための足 浴器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から，温水に足を浸すことにより血行を良くし，疲労回復，神経痛，筋肉 痛の緩和，首や肩のこり等の解消等を図ることが行われており，その手段として 例えば，ジェット水流の噴射，バイブレーターによる振動その他種々の方法が知 られている。しかしながら，いずれの手段も効果の点で一長一短があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は，足浴を，従来一般に使用されている手段に比して，より一層効果的 に行うことを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案は，微粒の海砂を収容した足浴槽に，給水口および該給水口と 接続し，かつ足浴槽の内部を環状に周回する給水管と複数個の噴射ノズルとを設 け，さらに該給水管に複数個の給水孔を設けるとともに，前記足浴槽の外側に送 水管を環状に周回して設け，該送水管を前記噴射ノズルおよび送水ポンプの出力 側に接続し，かつ該送水ポンプの入力側に，温水，または薬用入浴剤および／ま たは皮膚病治療薬を混合した温水を供給する温水供給装置と接続したことを特徴 とするものである。

【０００５】

【作用】

以下，図面により本考案について説明する。図１は本考案の一部切欠側面図， 図２は平面図である。

【０００６】 １は直径約６０ｃｍ，深さ４０ｃｍ程度の大きさを有し，かつステンレス鋼等 の材料で構成された足浴槽で，その側壁内側の上部に給水口２を設け，さらに該 給水口２と足浴槽１の底部近くに環状に周回させた給水管３を管１１により接続 している。４は該給水管３に複数個穿設した給水孔である。また５は噴射ノズル で，側壁内側の下部に複数個（図示の場合は４個）その先端が足浴槽１内に水平 方向に突出するように設けてある。さらに該噴射ノズル５は足浴槽１の外周に環 状に周回して設けた送水管１０と接続している。また該送水管１０は耐圧ホース １３により送水ポンプ１４の出力側と接続している。さらに該送水ポンプ１４の 入力側は温水，または薬用入浴剤および／または皮膚病治療薬を混合した温水を 供給する温水供給装置１５と接続してある。なお図中６は足浴槽１に設けた排水 口，７は足浴槽１の底面に設けたキャスター，８はネオプレーン等の材料で形成 した保護カバー，９は把手，１２は噴射ノズル５から噴出される温水の量および 圧力を調節するためのバルブ，１６は足浴槽１内に収容した海砂である。

【０００７】 上記のような構成からなる本考案足浴槽を使用するには，先ず，微粒の海砂を 投入し，ついで給水口２から管１１，給水管３，給水孔４を介して足浴槽１に約 ４０℃程度の温水を適当量（８０％程度）供給して，足浴槽１内に海砂と温水と の混合水を作成した後，送水ポンプ１４を作動させると，温水装置１５により適 温に加温された温水，または温水と薬用入浴剤または皮膚病治療薬あるいはその 両者との混合水が送水ポンプ１４により耐圧ホース１３を介して送水管１０に供 給され，さらにバルブ１２を経て水量を調節され，噴射ノズル５から足浴槽１内 に噴出される。その結果噴射水の衝突が連続して起こり，そのため水が盛り上が り，足浴槽１の底部の海砂１６を巻き上げる。

【０００８】 そこで足浴しょうとする者は，足浴槽１の縁部に腰掛け，脚部をこの噴射流域 に差し出せば噴射流と海砂１６とが足の指先からすね部分に衝突し，該部分に適 度な刺激を与えることとなり，マッサージ効果を生じ，血行の改善が行われ，新 陳代謝が促進される。また本考案においては，噴射ノズル３から噴射される温水 に薬用入浴剤および／または皮膚病治療薬とを混合した薬剤を含ませることがで きるので，該薬剤による薬効も加わり足浴の効果は増進される。しかも海砂１６ の衝突により指の間等洗い難い箇所の清洗も行われる。

【０００９】 なお，足浴槽１内に噴出された温水は，排水口６から槽外に排出されるが，こ の排水は必要に応じて，循環使用することができる。このとき使用される海砂１ ６は微粒であるので排水管あるいは循環管路が閉塞することはない。

【００１０】

【実施例】

直径約６０ｃｍ，深さ４０ｃｍの大きさのステンレス鋼製の足浴槽に約４０℃ 程度の温水１００ｌと粒径０．５×０．５メッシュの海砂７６０ｇとを装入した 。ついで互いに９０゜の角度で水平方向に４個設置した噴射ノズルから足浴槽１ 内に毎分３５ｌの温水を噴射して足浴を実施した。足浴者の全員が約２０分の足 浴で脚部は勿論のこと全身の血行が良くなり，脚部が軽快になった。以下，その 事例を示す。 事例 女性８４歳，開始前の体温が３４．９℃であったが，終了後の体温は ３５．３℃に上昇していた。また砂浜を裸足で歩いているようで，気持が良く気 分転換になったとの感想を述べた。 事例 女性８４歳，足浴を毎日実施したところ，次第に足元が暖かくなり， 不眠が解消した。 事例 男性７４歳，痴呆性，循環障害，情緒不安定等の症状があったが，足 浴を毎日実施したところ，情緒不安定の症状が少くなった。 事例 女性８６歳，腰から足が突張っているようで，しびれ感があったが， 血行が良くなり痛みも和らぎ，歩行も楽になった。 事例 女性７３歳，歩行困難（車椅子使用），情緒不安定，不眠等の症状が あったが，不眠が解消し，足が軽くなった感じがある。気分転換になった。 事例 男性８９歳，足浴を実施したところ，翌日は足が軽くなり，体の疲れ もすっきり抜けるとの感想を述べた。

【００１１】 なお，このとき温水の温度は，噴射ノズルから噴射される等圧噴射水の衝突に よる水摩擦と海砂の摩擦により約４０℃前後まで上昇し該温度が保持された。従 って保温を行うための設備を必要としない。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように，本考案によれば，浴者の脚部には噴射ノズルからの噴射 流に加えて海砂によるマッサージ効果が得られ，その結果脚部の血行のみならず 全身の血行が改善されるので，健康に資するところが大である。また特に心臓に 疾病がある人の場合，足部がむくみ，疲れやすくなるが，この場合にも極めて効 果的である。

【００１３】 また，噴射ノズルから圧力を保持して噴射される水流および海砂が衝突して摩 擦を生じるので，温水の温度に低下をきたすことなく，むしろ温度が上昇する。 従って温水の保温のための設備を必要としない等の効果もある。

【００１４】 また，海砂が，指の間等々洗い難い部分にも侵入し，該部分を洗い流すので， 老人，身体障害者等の看護に当たる寮母，看護婦，介護福祉士等の作業の軽減に 役立つ。

【００１５】 さらには，足浴による情緒の安定等心理的（メンタル）な効果をも期待するこ とができる。 等々その効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一部切欠側面図。

【図２】本考案の平面図

【符号の説明】

１ 足浴槽 ２ 給水口 ３ 給水管 ４ 給水孔 ５ 噴射ノズル ６ 排水口 ７ キャスター ８ 保護カバー ９ 把手 １０ 送水管 １１ 管 １２ バルブ １３ 耐圧ホース １４ 送水ポンプ １５ 温水供給装置 １６ 海砂

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】微粒の海砂を収容した足浴槽に，給水口お
   よび該給水口と接続し，かつ足浴槽の内部を環状に周回
   する給水管と複数個の噴射ノズルとを設け，さらに該給
   水管に複数個の給水孔を設けるとともに，前記足浴槽の
   外側に送水管を環状に周回して設け，該送水管を前記噴
   射ノズルおよび送水ポンプの出力側に接続し，かつ該送
   水ポンプの入力側に，温水，または薬用入浴剤および／
   または皮膚病治療薬を混合した温水を供給する温水供給
   装置と接続したことを特徴とする足浴器