JP3012844B1 - 筆記具およびその製造方法 - Google Patents

筆記具およびその製造方法

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JP3012844B1 JP10337377A JP33737798A JP3012844B1 JP 3012844 B1 JP3012844 B1 JP 3012844B1 JP 10337377 A JP10337377 A JP 10337377A JP 33737798 A JP33737798 A JP 33737798A JP 3012844 B1 JP3012844 B1 JP 3012844B1
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Abstract

【要約】 【課題】インク通路内に封入された空気によりインクの
供給を制御する機構において、その作動が確実で構造簡
単な筆記具と、その製造方法を提供する。 【解決手段】遮断室11内に封入された空気によりイン
クを遮断し、この遮断室にインク保持通路18を連通さ
せるとともに多孔質の中継体15を挿入し、この中継体
の根元部にインク溜り部17を形成し、このインク溜り
部のインクが消費されるとインク保持通路18内のイン
クが下降して中継体15に接触してインク溜り部にイン
クを移送し、多孔質の中継体15内への空気の吸入を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペン体へのインク
の供給を制御した筆記具に関する。さらに特定すれば、
本発明はインク室からペン体へのインク供給経路の途中
の内部に空気等の気体が封入された小容積の遮断室を設
け、この遮断室に封入された気体によりインクの供給を
制御する筆記具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インク室内に液体状のインクを
貯溜する形式の筆記具においては、このインク室からペ
ン体に供給されるインクの流量や圧力を制御する必要が
ある。このようなインク制御の最も簡単な形式として
は、インク室とペン体との間に繊維を固めた多孔質の中
継芯と称される部材を介在させ、その毛細管力によりイ
ンク室からインクを引出すとともに、この中継芯内をイ
ンクが流通する際の抵抗により、インクの供給量を制御
するものがある。
【0003】ところで、ペン体がたとえば繊維を固めた
いわゆるフエルトチップの場合にはその繊維の間の微細
な間隙、ボールチップの場合にはボールとボールホルダ
との間の微細な隙間、の毛細管力により、これらペン体
自体にもインクを引出すいわゆるインク引出力および引
き出されたインクを保持するインク保持力がある。
【0004】このため、上記のような中継芯のみによる
制御では、インクの供給を安定させることはできなかっ
た。すなわち、上記の中継芯の密度を低くしてインクの
流動抵抗を少なくすると、非筆記時において上記のよう
なペン体のインク引出力によりインク室内のインクが引
出され、このペン体に飽和状態まで大量のインクが含ま
れ、いわゆるインクリッチの状態となる。このため、筆
記の初期において、筆跡が不所望に濃くなる不具合があ
る。特に、水性インクを使用するボールチップでは、そ
のインク引出力やインク保持力が水頭圧で数十mm〜1
00mm程度しかないので、たとえばこの筆記具を立て
た状態、すなわちボールチップを下向きにした状態で
は、インク室からこのボールチップまでのインクの水頭
圧により、微量のインクがボールとボールホルダとの間
の隙間から押し出されることがある。このような状態で
筆記を開始すると、筆跡の線の始端部がカンマ(,)状
となってしまう不具合がある。
【0005】このような不具合を防止するためには、上
記の中継芯の密度を高くし、その毛細管力および内部で
の流動抵抗を大きくすれば良いが、このようにするとこ
の中継芯の内部を流通するインクの流動抵抗が過大とな
る。このため、早く筆記した場合等には、インクの供給
が不足してこのペン体に含まれるインクの量が過少とな
るいわゆるインクプアの状態となり、筆跡がかすれる等
の不具合を生じることがある。
【0006】このような不具合を防止するために、従来
から各種のインク制御機構が考えられている。その一つ
は、インク室とペン体との間に、所定の差圧で開弁する
小形の機械的な弁機構を設けたものがある。このもの
は、非筆記時にはこの弁機構が閉弁しており、ペン体へ
の過剰のインク供給を防止している。そして、筆記の際
には、このペン体のインク引出力により発生する差圧で
この弁機構が開弁し、インク室からペン体にインクを供
給する。
【0007】しかし、上記のような弁機構は、水頭圧で
数十mm程度の微少差圧で開閉作動する必要があるとと
もに、きわめて小形に形成する必要もあり、その製造や
品質管理等が面倒となる不具合がある。また、このペン
体が前述したような水性インクを使用するボールチップ
の場合には、そのインク引出力が低いので、このような
弁機構の開閉圧力の設定が極めて微妙となり、その製造
や品質管理が困難となる等の不具合がある。
【0008】また、このインク制御の別の形式として、
インク室とペン体との間に、空気を封入した小室を設け
た、いわゆるエアチャンバ形のものがある。一般に、小
さな断面積の液体通路内に空気が存在していると、この
空気が気泡となって通路を閉塞し、液体の流通を遮断す
るいわゆるベーパーロックと称される現象があり、この
エアチャンバ形のものは、その原理を利用して一種の弁
機構を構成するものである。
【0009】このようなエアチャンバ形のものは、弁体
等の機械的な可動部分を本質的に必要とせず、構造が簡
単でまた製造も容易であるという利点がある。しかし、
このようなエアチャンバ形のものは、当然ながら筆記の
際には内部の気泡によって遮断されていたインクを流通
させる機構を必要とするが、その作動の安定性を確保す
ることが困難であるという問題がある。
【0010】このようなエアチャンバ形の筆記具の例と
して、米国特許明細書 No.3,397,939 に
開示されているものがある。このものは、インク室から
ペン体に至るインク通路の途中に、内部に空気が封入さ
れた小室を形成し、この小室の上部にはインク室に連通
した通路が開口し、またこの小室の下部には多孔質のフ
ィラーが充填され、このフィラーはペン体側に連通して
いる。
【0011】この米国特許のものは、非筆記時には上記
の多孔質のフィラーにインクがほぼ飽和状態で含まれて
おり、小室内に封入された空気によりインクの流通が遮
断されている。そして、筆記により上記のフィラー内に
含まれていたインクが消費されてこの多孔質のフィラー
がインクプアの状態となると、上記の小室内の空気がこ
の多孔質のフィラー内に吸入される。このように小室内
の空気がフィラーに吸い込まれることにより、上記の通
路からこの小室内にインクが流入し、このインクはフィ
ラー内に吸収される。そして、このフィラーにインクが
吸収されてインクリッチの状態になると、このフィラー
内に吸い込まれていた空気が小室内に放出され、インク
の流入が遮断される。
【0012】この米国特許に開示されているものは、機
械的な可動部分がなく、構造が簡単であるとともに、ペ
ン体のインク引出力が低い場合でもインクの流通を確実
に制御できる。しかし、上記の多孔質のフィラー内に吸
い込まれた空気は、このフィラーに新たにインクが吸い
込まれても、その全量が放出されない場合がある。そし
て、このフィラー内に残留した空気は、筆記によるこの
フィラー内のインクの流れとともに流動し、この残留空
気がペン体に達すると、このペン体のインク引出力が損
なわれ、筆記不能または筆記に支障が生じる。
【0013】この米国特許のものは、上記のような不具
合を防止するために、小室内の上部を円錐形に形成し、
インク室に連通する通路からインクが流入した場合に、
このインクが小室の内周面を伝わって流れ落ち、この小
室の下部に充填されているフィラーの周辺部に吸収され
るように構成されている。このような構成により、イン
クはこのフィラーの周辺部から中心部に向けて浸透し、
このフィラー内部に吸い込まれている空気を中心部に集
めて放出するように構成されている。
【0014】しかし、本発明者等の実験によれば、上記
のように構成しても、多孔質のフィラー内に一旦吸い込
まれた空気の全量を新たなインクの吸収により放出する
ことは困難であり、このフィラー内に空気が残留するこ
とを確実に防止することは困難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、機械的な可動部分を必要とせ
ず構造が簡単であるとともに微少差圧でも開閉作動する
エアチャンバ形のインク制御機構を採用するとともに、
封入された気体によるインクの遮断、流通の機構をより
確実にすることができる筆記具およびこのような筆記具
を製造する方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された本
発明の筆記具は、インクを貯溜するインク室と、筆記具
の先端部に設けられたペン体と、上記のインク室とペン
体との間に設けられたインク制御機構とを備えており、
このインク制御機構は、内部に気体が収容された遮断室
と、この遮断室と上記のインク貯溜室とを連通するイン
ク室側通路と、この遮断室と上記のペン体とを連通する
ペン体側通路と、上記の遮断室内に形成され少量のイン
クを貯溜保持するとともに上記のペン体側通路に連通し
たインク溜り部と、上記の遮断室内に上記のインク室側
通路から侵入して来たインクをこの遮断室内の所定位置
に保持するインク保持手段と、上記のインク保持手段に
より保持されているインクの量が所定量以上となった場
合に、この保持されているインクの少なくとも一部を上
記のインク溜り部に移送するインク中継手段とを具備し
たことを特徴とするものである。
【0017】したがって、非筆記時には、上記の遮断室
内に封入された気体、たとえば空気により、インク室と
ペン体とのインクの連通が遮断されており、このペン体
に不所望にインクが供給されることを防止する。
【0018】そして、筆記によりインクが消費される
と、上記のインク溜り部に溜っていたインクが消費さ
れ、その分だけ遮断室内の空間部の容積が大きくなり、
この遮断室内の空気が低圧となる。これにより、インク
室側通路からインクがこの遮断室内に侵入して来るが、
この侵入したインクはインク保持手段により所定の位置
に一時的に保持される。そして、このインク保持手段に
保持されているインクの量が所定量を越えると、インク
中継手段によりそのインクがインク溜り部に移送され
る。これにより、このインク溜り部には再びインクが貯
溜され、これにより遮断室の気体の圧力は最初の状態に
戻り、以下のこのような作動を繰り返し、インクをペン
体に供給する。
【0019】このようなインク制御機構は、前述したよ
うなエアチャンバ形のインク制御機構であり、機械的な
可動部分を必要とせず、また微少差圧でも開閉作動を確
実に行うことができる。また、この封入された空気によ
るインクの遮断、連通は、インク溜り部に貯溜保持され
ているインクの量の増減により行われる。よって、多孔
質の部材内での空気の吸入、インクの浸透、空気の排除
等の作動を行う必要がなく、作動が確実であるととも
に、構造も簡単となる。
【0020】また、請求項2に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク保持手段は、前記の遮断室およびイン
ク室側通路と連通し、内部で表面張力によりインクを液
柱状に保持しこのインクと気体とが位置を交換すること
を防止可能な小さな断面積を有するインク保持通路であ
ることを特徴とするものである。
【0021】したがって、このインク保持通路内でイン
クが液柱状に保持され、前記のインク溜り部のインクの
増減により遮断室内の空気の圧が変化した場合には、こ
の液柱状のインクがこのインク保持通路内で移動し、保
持される。このものは、構造が簡単であるとともに、イ
ンク保持通路内に保持されているインクの移動により、
その自由表面の位置も移動するので、この保持されてい
るインクの量が所定量を越えると、たとえばその自由表
面が中継手段に接触して毛細管力によりインクの一部が
インク溜り部まで移送される等、構造が簡単でかつ作動
を確実にすることができる。
【0022】また、請求項3に記載の本発明筆記具は、
前記のインク保持手段は、前記の遮断室の下部に形成さ
れこの筆記具の軸線方向と交差するとともにその一部に
前記のインク溜り部を形成したインク保持面と、上記の
インク溜り部と離れた位置においてこのインク保持面に
近接して開口し前記のインク室側通路と連通したインク
供給開口とを具備したことを特徴とするものである。
【0023】したがって、このインク供給開口から遮断
室内に侵入して来たインクは、インク保持面に接触する
が、その表面張力によりこのインク保持面上で盛り上が
り、このインク保持面上で所定量のインクが保持され
る。そして、この侵入して来るインクの量が増加する
と、このインク保持面上のインクは盛り上がった状態の
まま前進し、この保持されているインクが所定量を越え
るとインク溜り部に接触し、毛細管力により保持されて
いたインクの一部がインク溜り部内のインクと合体し、
インクの移送がなされる。このものは、上記のようにこ
のインク保持面がインク保持手段を構成するとともに、
インク中継手段も兼用するので、構造が極めて簡単とな
る。
【0024】また、請求項4に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク保持手段は、前記の遮断室内に形成さ
れかつ前記のペン体側通路に連通したインク溜り部とこ
の遮断室内に開口しかつ前記のインク室側通路と連通し
たインク供給開口との間に形成され、上記のインク溜り
部と上記のインク供給開口とを区画するとともに上記の
インク供給開口から供給されたインクの流れを阻止しか
つこのインクが乗り越え可能な堤状の突条部を具備した
ことを特徴とするものである。
【0025】したがって、インク供給開口から遮断室内
に侵入したインクは、この堤状の突条部により堰止めら
れるとともに、表面張力によりこの突条部上に盛り上が
り、一時的に保持される。そして、この保持されている
インクの量が所定量以上となると、インクがこの突条を
乗り越えてインク溜り部のインクと合体し、移送され
る。このものは、この堤状の突条部がインク保持手段を
構成するとともに、インク移送手段も兼用するので、構
造が簡単となる。また、この堤状の突条の高さ等を適宜
設定することにより、保持されるインクの量も任意に設
定することができ、設計の自由度が大きい。
【0026】また、請求項5に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク中継手段は、一端部が前記のインク保
持手段に近接し、また他端部が前記のインク溜り部に連
通し、インクに対する濡れ性を有した中継体であること
を特徴とするものである。
【0027】したがって、インク保持手段により保持さ
れているインクの量が所定量以上となると、この中継体
の一端部がこのインクの自由表面に接触し、この中継体
の濡れ性により、このインク保持手段に保持されている
インクがインク溜り部まで導かれ、表面張力によりこの
インク保持手段により保持されているインクの一部がイ
ンク溜り部のインクと合体して移送される。このもの
は、構造が簡単であるとともに、この中継体の一端部の
位置を適宜設定することにより、インク保持手段により
保持されるインクの量や、このインクがインク溜り部に
移送されるタイミングを適宜設定でき、設計の自由度が
大きい。
【0028】また、請求項6に記載の本発明の筆記具
は、前記の中継体は、多孔質の材料で形成されているこ
とを特徴とするものである。したがって、この中継体が
インク保持手段に保持されているインクの表面に接触し
た場合に、このインクを確実にインク溜り部まで移送す
ることができ、作動が確実である。
【0029】また、請求項7に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク中継手段は、前記の遮断室内に設けら
れた中継体と遮断室の内面との間に形成された中継間隙
であり、この中継間隙の一端部は前記のインク保持手段
に近接し、また他端部は前記のインク溜り部に連通して
いるものであることを特徴とするものである。よって、
この中継間隙がインク保持手段に保持されているインク
の表面に接触した場合には、インクがその毛細管力によ
りこの中継間隙内を介して確実にインク溜り部まで移送
され、その作動の信頼性が高い。
【0030】また、請求項8に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク中継手段は、前記の遮断室内に設けら
れた中継体に形成された中継溝であり、この中継溝の一
端部は前記のインク保持手段に近接し、また他端部は前
記のインク溜り部に連通しているものであることを特徴
とするものである。したがって、この中継溝がインク保
持手段に保持されているインクの表面に接触した場合に
は、インクがその毛細管力によりこの中継溝内を介して
確実にインク溜り部まで移送され、その作動の信頼性が
高い。
【0031】また、請求項9に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク溜り部は、前記の遮断室内に突設され
た前記の中継体の根元部に形成された隅部であることを
特徴とするものである。このように突設された中継体の
根元部の隅部には、毛細管力によりインク溜り部が形成
されるので、このインク溜り部を最も簡単な構造により
形成することができる。
【0032】また、請求項10に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク溜り部は、前記の遮断室内に突設され
先端部が尖鋭に形成されたインクの中継体の先端尖鋭部
分の基部と遮断室の内周面との間に形成された断面楔形
の間隙であることを特徴とするものである。したがっ
て、このインク溜り部は断面楔形であるため、インクを
より確実に貯溜保持することができる。
【0033】また、請求項11に記載の本発明の筆記具
は、前記のインク溜り部は、前記の遮断室内に突設され
たインクの中継体の根元部と、上記の遮断室の底部にこ
の中継体の根元部の周囲を囲んで形成された円錐形の凹
部との間に形成された断面楔形の間隙であることを特徴
とするものである。したがって、この断面楔形のインク
溜り部により確実にインクを貯溜保持することができ
る。
【0034】また、請求項12に記載の本発明の筆記具
の製造方法は、内部にインクを含まない乾燥状態のイン
ク制御機構を備えた筆記具をペン体側を下向きにして略
鉛直に保持する工程と、この筆記具のインク室にインク
を注入する工程と、このインク室に注入したインクを前
記のインク制御機構のインク保持手段まで流通させるこ
とにより前記の遮断室内の気体を乾燥状態のインク中継
手段を介して排気させる工程と、上記の注入したインク
を前記のインク制御機構のインク中継手段まで流通させ
ることによりこのインク中継手段を介した気体の排気を
停止させて前記の遮断室内に残存した所定量の気体を封
入する工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0035】したがって、乾燥状態の筆記具を略鉛直に
保持してインク室にインクを注入する簡単な作業によ
り、遮断室内に必要とする所定量の気体を正確に封入す
ることができ、正確な特性の筆記具を能率的かつ確実に
製造することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。図1ないし図8には本発明の第1の実
施形態を示す。この実施形態のものは、水性インクを使
用するボールチップを備えた使い捨て形の筆記具であ
る。
【0037】図中の1は、この筆記具の軸筒であって、
この軸筒1内には水性インクを貯溜するインク室2が形
成されている。このインク室2内には、液体状のインク
が貯溜されているとともに、スライド栓3が挿入され、
このインクと空気とを区画している。
【0038】このスライド栓3の外周面とインク室2の
内周面との間には隙間が形成され、このスライド栓3は
インク室2の内周面と非接触状態を維持しており、実質
的に摺動抵抗が零となるように設定されている。なお、
このスライド栓3とインク室2の内周面との間にはイン
クの液膜が介在して直接的な接触を防止するとともに、
シール性を維持している。
【0039】また、このスライド栓3は、たとえば中空
に形成されてその比重がインクより小さく形成されてお
り、インクに対して浮遊性を有している。したがって、
この筆記具を正立させた状態でもこのスライド栓3は沈
降せず、また筆記具を倒立させた状態でもシール性があ
るためインクおよびこのスライド栓3は下降せず、常時
このインク室2内のインクと空気とを確実に区画してい
る。
【0040】そして、インクの膨脹、収縮等に対応して
このスライド栓3が移動してその膨脹、収縮を補償する
とともに、インクが消費されるにしたがってこのスライ
ド栓3が前進する。なお、このインク室2の尾端部側は
尾栓6により閉塞され、この尾栓6に形成された大気連
通筒7を介してこのインク室2の空気側が大気に連通し
ている。したがって、このインク室2内のインクの圧力
は、常に大気圧と等しい圧力に維持される。なお、この
インク室2の空気側の内部には、シールを確実にするた
めに少量のシリコーン油等が封入され、このシリコーン
油は上記の大気連通筒7により外部への漏出が防止され
ている。
【0041】またこの軸筒1の先端部側には、ペン体ホ
ルダ4が取り付けられ、このペン体ホルダ4の先端部に
はペン体、この実施形態では水性のボールチップ5が取
り付けられている。また、この軸筒1の先端部には、キ
ヤップ8が着脱自在に嵌合されている。そして、上記の
ペン体たとえばボールチップ5とインク室2とは以下の
ようなインク制御機構10を介して連通されている。
【0042】図2には、このインク制御機構10の部分
を拡大して示す。このインク制御機構10は、小容積の
遮断室11を備えている。この実施形態では、上記のペ
ン体ホルダ4の中心部に軸方向に沿った直線状の貫通孔
が形成されており、この貫通孔の中央部が上記の遮断室
11として形成されている。また、この遮断室11の上
側の貫通孔は前記のインク室2に連通し、インク室側通
路12として構成されている。また、この遮断室11の
下側の貫通孔は、前記のボールチップ5に連通してお
り、ペン体側通路13として構成されている。そして、
この遮断室11内には、所定量の気体、この実施形態で
は空気が封入されている。
【0043】また、上記のインク室側通路12内には、
インク室側中継芯14が挿入されている。このインク室
側中継芯14は、たとえば繊維を棒状に固めた多孔質の
もので、これらの繊維間の微細な隙間の毛細管力により
インク室2からインクを引出すとともに、内部を流通す
るインクに所定の流動抵抗を与えるように構成されてい
る。
【0044】また、上記の遮断室11の上側部分とこの
インク室側通路12との間は、インクを保持することが
できるインク保持手段としてのインク保持通路18に形
成されている。このインク保持通路18は、この実施形
態では上記の遮断室11と連続した同径の部分であり、
その内部に流入したインク19は、その下面に表面張力
による自由表面20が形成され、液柱状に保持される。
【0045】このインク保持通路18は、小径であるた
め、液柱状に保持されたインク19の下端は自由表面2
0の表面張力により保持されており、この液柱状のイン
ク19の一部が遮断室11内の空気と入れ替わってこの
遮断室11内に流入することがないように構成されてい
る。このような保持作用を達成するには、このインク保
持通路18の内径はたとえば3mm以下に設定すること
が好ましい。なお、この値は水性インクを使用する場合
のものであり、使用するインクの種類によりこの内径は
相違するが、一般的にはこのインク保持通路18の内径
は6mm以下であれば、空気とインクとの入れ替わりを
防止し、インクを液柱状に保持することができるもので
ある。
【0046】また、上記のペン体側通路13内には、ボ
ールチップ5にインクを供給するためのペン体側中継芯
21が挿入され、このペン体側中継芯21も上記のイン
ク室側中継芯14と同様な材料で形成されている。そし
て、この実施形態では、このペン体側中継芯21の上部
は上記の遮断室11内の下部内に突出し、中継体15と
して形成されており、この中継体15がインク中継手段
を構成している。
【0047】この中継体15は、その先端部が尖鋭な円
錐部16に形成されている。そして、この中継体15の
外周面と、この遮断室11の内周面との間には、わずか
な隙間が形成されている。また、この中継体15の円錐
部16の基端部外周面と遮断室11の内周面との間に
は、断面が楔形の環状の間隙が形成されており、この間
隙部分がインク溜り部17として形成されている。
【0048】また、この実施形態では、上記のインク室
側中継芯14の密度は、上記のペン体側中継芯21の密
度より大きく形成されており、したがって、このインク
室側中継芯14内をインクが流通する際の流動抵抗は、
上記のペン体側中継芯21内をインクが流通する際の流
動抵抗より大きく設定されている。
【0049】次に、上記の第1の実施形態の作用を図3
ないし図5を参照して説明する。図3は、この筆記具の
非筆記状態を示す。上記の遮断室11内には、所定量の
少量の空気が封入されており、インク室側通路12内の
インクと、ペン体側通路13内のインクとを遮断してい
る。なお、この場合には、上記のインク室側通路13内
からインク保持通路18内にインクが流入しているが、
前述のように、このインク19はその下面に表面張力に
より自由表面20が形成され、液柱状に保持されてい
る。また、上記のペン体側中継芯21およびその上部の
中継体15の部分には、ほぼ飽和状態のインクが含ま
れ、いわゆるインクリッチの状態となっている。また、
この中継体15の円錐部16の基部のインク溜り部17
には、毛細管力により所定量の液状のインクが貯溜、保
持されている。
【0050】このような状態、すなわち非筆記時の状態
では、上記のインク保持通路18内のインクは遮断室1
1内の空気により遮断され、前述したように所定の位置
に保持されている。そして、この場合には、インク室側
通路12内のインクと、ペン体側通路13内のインクと
は、その連通を遮断されており、インク室2内のインク
が不所望にペン体すなわちボールチップ5に供給される
ことはない。このため、このボールチップ5に余剰のイ
ンクが含まれることが防止される。
【0051】次に、この筆記具により筆記がなされる
と、ペン体側中継芯21内のインクが消費される。この
場合に、このペン体側中継芯21の上部の中継体15の
基部の周囲のインク溜り部17には、液状のインクが貯
溜、保持されているので、このインク溜り部17のイン
クが優先的に消費される。
【0052】すなわち、飽和状態の多孔質体、すなわち
この場合はペン体側中継芯21や中継体15内のインク
が消費された場合に、これらの表面に飽和状態で存在し
ているインクが、この多孔質の中継体15の表面から内
部に引き込まれる際には、ある程度の負圧が必要とな
る。しかし、インク溜り部17に貯溜、保持されている
インクは、この中継体15の基部の外周面に接触してお
り、このインクの接触部分ではこの中継体15の基部表
面はインク中に浸漬され、飽和状態である。したがっ
て、この中継体15内のインクが消費されると、最も抵
抗の少ない部分、すなわちインク溜り部17からインク
を吸入するので、このインク溜り部17のインクが優先
的に消費される。
【0053】このようにしてこのインク溜り部17のイ
ンクが消費されると、その分だけ遮断室11内の空間部
の容積が増大するので、この遮断室11内に封入されて
いた空気の圧力が低下する。これによって、図4に示す
ように、この圧力低下を補償するように、前記のインク
保持通路18内に保持されていた液柱状のインク19が
下降してゆく。そして、この液柱状のインク19の自由
表面20が中継体15の円錐部16の先端部に接触する
と、この円錐部16の表面はインクで濡れているので、
自由表面20の表面張力の一部が破れ、インクの一部が
この円錐部16の表面を伝わって上記のインク溜り部1
7まで移送される。
【0054】そして、このインク溜り部17にインクが
溜ると、その分だけ遮断室11内の空間部の容積が減少
し、この空間部に封入されている空気の圧力が上昇し、
上記のインク保持通路18内の液柱状のインク19を押
し上げる。これにより、図5に示すように、再び自由表
面20が円錐部16から離れ、図3に示すような状態に
戻る。
【0055】また、筆記が続いた場合には、再びインク
溜り部17のインクが消費され、上記の作動を繰り返
し、インク室2内のインクがボールチップ5に供給され
る。なお、この遮断室11内の容積は小さく、また中継
体15等の寸法も小さいので、上記のインク保持通路1
8内のインク19の自由表面20が中継体15の円錐部
16の先端に接触した場合には、きわめて短時間でイン
ク19の一部がインク溜り部17に移送される。
【0056】上記のような作動は、基本的には間欠的な
作動である。したがって、筆記を連続している間は、上
記のような間欠的な作動によりインクが間欠的にボール
チップ5に供給されることになる。しかし、上記のよう
に、この間欠的なインク供給作動は極めて短い周期で繰
されるとともに、ペン体側中継芯21にはある程度
のインク貯溜能力があるので、ボールチップ5には連続
して安定したインクの供給がなされ、筆跡に濃淡が生じ
るようなことはない。
【0057】また、この実施形態では、上記のペン体側
中継芯21に対して、インク室側中継芯14の密度が高
く、その内部のインクの流動抵抗が大きく設定されてい
る。そして、これによって、ボールチップ5に供給され
たインクの引き戻し作動がなされる。
【0058】すなわち、ボールチップでは、ボールの回
転により、このボールの表面に付着したインクが紙面等
の筆記面に転写される。このインクは、前述のようにボ
ールとこのボールを回転自在に抱持したボールホルダと
の間の微少な隙間内に毛細管力により保持されている
が、このボールホルダ内のボール抱持部分にも液体状の
インクが保持されている。したがって、上記のようにイ
ンクの供給を制御したとしても、筆記を終了してボール
の回転が急に停止したような場合には、このボールとボ
ールホルダとの間の隙間から、微量ではあるがインクが
押し出されることがある。このように、ボールの周囲に
押し出された余剰のインクが存在していると、次に筆記
を開始した場合に、前述のように筆跡の線の始端部がカ
ンマ(,)状となり、筆跡の体裁を損なうという問題が
生じる。
【0059】この実施形態では、筆記によりインクが消
費している間は、常にインク溜り部17のインクが消費
され続けるので、遮断室11内の圧力は負圧となってい
る。そして、筆記を終了した場合には、この遮断室11
内の負圧により、インク室側通路12およびペン体側通
路13内からインクがこの遮断室11内に流入する。こ
の場合に、上記のインク室側通路12内のインク室側中
継芯14の流動抵抗はペン体側中継芯21の流動抵抗よ
り大きく設定されているので、このインク室側通路12
から遮断室11内にインクが流入する前に、ペン体側通
路13側から遮断室11内にインクが逆流する。
【0060】このようなインクの逆流により、ボールチ
ップ5のボールホルダ内のインクが引き戻されるので、
上記のようにボール回りに余剰のインクが押し出される
ことがなく、よって筆跡の線の始端部にカンマ(,)状
の部分が生じることを確実に防止できる。なお、上記の
遮断室11内の容積は小さく、上記のように引き戻され
るインクの量は微量であるが、ボールチップ5のボール
ホルダ内のインクも微量であるため、上記のようなボー
ルホルダ内のインクの引き戻し作動を行わせるには十分
である。
【0061】また、この実施形態において、上記のよう
なインクの制御作動を行わせるには、上記の遮断室11
内に封入されている空気の量を正確に設定する必要があ
る。すなわち、この封入されている空気の量が多すぎる
と、インク保持通路18内に保持されている液柱状のイ
ンク19の自由表面20と中継体15の円錐部16の先
端との間の距離が長くなる。したがって、インク溜り部
17のインクが消費され、液柱状のインク19が下降し
ても、その自由表面20が上記の円錐部16の先端に接
触しない場合が生じる。このような状態で筆記を続ける
と、多孔質の中継体15の内部のインクが消費されてゆ
き、この中継体15内に含まれるインクの量が少なくな
り、インクプアの状態となり、この多孔質の中継体15
内に空気が吸入される可能性がある。このように多孔質
の中継15内に一旦空気が吸入されると、前述のよう
にこの中継体15に新たにインクが吸収されても、空気
が確実には排除されず、インクとともにこの空気がボー
ルチップ5まで送られ、このボールチップ5の筆記に支
障が生じる。
【0062】また、この遮断室11内に封入されている
空気の量が少ないと、インク溜り部17のインクがわず
かに消費されただけの状態で、液柱状のインク19の自
由表面20が円錐部16の先端に接触してしまう。この
ためインクの遮断作動ができず、インク室2内のインク
がボールチップ5と常時連続した状態となり、このボー
ルチップ5に過剰のインクが供給され、筆記に支障を生
じる。
【0063】この実施形態では、この遮断室11内に正
確に所定量の空気を封入するために、以下のようなイン
クの充填を行う製造方法を採用している。以下、図6な
いし図8を参照して、この製造方法を説明する。
【0064】まず、上記のような筆記具を組み立てる。
この場合に、上記のインク室側中継芯14、ペン体側中
継芯21および中継体15等は、すべてインクを含まな
い乾燥状態としておく。また、上記のボールチップ5、
スライド栓3および尾栓6は未装着の状態としておく。
【0065】そして、この筆記具をボールチップ5側を
下向きにして略鉛直の姿勢に保持し、インク室2にイン
クを注入する。この注入されたインクは、重力および毛
細管力により上記のインク室側中継芯14内を通過し、
インク保持通路18内に流入し、図6に示すように、液
柱状のインク19となってこのインク保持通路18内に
保持される。
【0066】この場合に、上記のペン体側中継芯21お
よび中継体15は、まだインクを含んでいない乾燥状態
であり、その内部を空気が通過可能である。したがっ
て、遮断室11内の空気は、このペン体側中継芯21お
よび中継体15内を通過してペン体ホルダ4の先端部か
ら排気される。そして、この空気の排気に伴って、上記
のインク保持通路18内の液柱状のインク19は下降し
てゆく。
【0067】そして、図7に示すように、この液柱状の
インク19の自由表面20が中継体15の円錐部16の
先端部に接触すると、このインクが毛細管力によりこの
中継体15内に吸収される。なお、この中継体15の寸
法は小さいものであるから、一瞬にしてこの中継体15
にインクが吸収される。この中継体15にインクが吸収
されると、この中継体15内を空気が通過することが不
可能となり、この状態で遮断室11内に残存していた空
気はそのまま遮断室11内に封入される。
【0068】次に、この中継体15およびペン体側中継
芯21全体にインクが飽和状態まで吸収されてインクリ
ッチの状態となると、図8に示すように、インクがこの
中継体15を伝わってインク溜り部17に溜る。これに
より、遮断室11の空間部の容積が減少するので、封入
されている空気の圧力が上昇し、上記の液柱状のインク
19を押し上げ、その自由表面20が中継体15の円錐
部16の先端から離れる。これにより、インクの流入は
停止し、前述の図3に示すような非筆記状態となる。次
に、上記の未装着の部品を装着してこの筆記具を完成す
る。
【0069】このような方法は、この筆記具を略鉛直に
保持し、インク室2にインクを注入するだけの簡単な工
程により、遮断室11に必要とされる正確な量の空気を
確実に封入することができる。
【0070】なお、中継体15およびペン体側中継芯2
1は、その径が比較的細いとともに、上端の円錐部16
の先端部からインクが吸収されるので、これらの内部の
空気はインクの浸透とともにペン体ホルダ4の先端側に
押し出され、これらの内部でインクと空気が混合するこ
とはない。
【0071】また、上記の方法では、上記の遮断室11
内に空気を封入する場合について説明したが、封入する
気体は空気には限らない。たとえば、酸素と反応するよ
うな特殊なインクを使用する場合には、この遮断室11
内には窒素または不活性ガスを封入することがある。こ
のような場合には、上記のような工程に先立って、この
筆記具内をこのような気体に置換しておけば良い。
【0072】なお、本発明は上記のような実施形態には
限定されない。たとえば図9には本発明の第2の実施形
態の筆記具を示す。
【0073】この第2の実施形態では、上記の中継体1
5の先端部は斜めに切断された斜め切断部25に形成さ
れている。そして、この斜め切断部25の基部の切断面
と、遮断室11の内周面との間に断面が楔状のインク溜
り部17が形成される。また、インク保持通路18内を
下降してきた液柱状のインク19の自由表面20は、こ
の斜め切断部25の先端部に接触する。
【0074】この第2の実施形態のものは、上記の点以
外は前記の第1の実施形態と同様な構成であり、図9中
で第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付して
その説明は省略する。
【0075】この第2の実施形態のものは、その作動お
よび製造方法等は前記の第1の実施形態と同様である。
この2の実施形態のものは、中継体15を構成する多孔
質材料の棒状部材を斜めに切断するだけで斜め切断部2
5を形成できるので、製造がより容易である。
【0076】また、図10には本発明の第3の実施形態
を示す。このものは、ペン体側中継芯21の上端部に、
別部材の中継体35を設けたものである。この中継体3
5は、多孔質の材料以外の中実の材料で形成されてい
る。この中継体35は、その先端部に円錐状をなして尖
鋭に形成された円錐部36が形成されている。そして、
この中継体35は、上記のペン体側中継芯21の上端部
に取り付けられ、遮断室11内に挿入されている。ま
た、この中継体35の外周面と遮断室11の内周面との
間には隙間が形成され、この隙間および上記の円錐部3
6の根元部と遮断室11の内周面との間の楔状の隙間が
インク溜り部17として形成されている。
【0077】この中継体35は、インクに対して濡れ性
を有する材料で形成されるか、またはその表面にインク
に対して濡れ性を有する被膜または表面処理を行ったも
のである。また、この実施形態では、インクを確実に導
くために、この円錐部36の周面に母線に沿って細い中
継溝37が形成されている。
【0078】なお、この第3の実施形態は、上記の点以
外は前記の第1の実施形態と同様な構成で、図10中で
第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してそ
の説明は省略する。
【0079】この実施形態のものは、インク保持通路1
8内の液柱状のインク19の自由表面20がこの中継体
35の円錐部36の先端に接触した場合に、この表面の
濡れ性および上記の中継溝37の毛細管力により、この
インクをインク溜り部17まで移送する点を除いては、
前記の第1の実施形態と同様な作用をなす。
【0080】この実施形態は、中継体35が多孔質の材
料ではないので、万一上記のインク溜り部17のインク
が完全に消費された後も液柱状のインク19の自由表面
20がこの中継体35に接触しない場合が生じても、こ
の中継体35内に空気が吸入されることはない。また、
繊維を固めたような多孔質の材料を加工する必要がな
く、この中継体35の製造が容易でかつ正確な形状に加
工することができる。
【0081】また、図11には本発明の第4の実施形態
を示す。このものは、ペン体側中継芯21の上端部に、
別部材の中継体45を設けたものである。この中継体4
5は、多孔質の材料以外の中実の材料で形成されてい
る。この中継体45は、その先端部が斜めに切除された
斜め切断部46に形成され、尖鋭に形成されている。そ
して、この中継体45は、上記のペン体側中継芯21の
上端部に取り付けられ、遮断室11内に挿入されてい
る。また、この中継体45の外周面と遮断室11の内周
面との間には隙間が形成され、この間隙がインクを中継
する中継間隙47として構成されている。
【0082】また、この中継体45の基端部外周には複
数の細い環状の溝48が形成されて蛇腹状に形成され、
この蛇腹部分および上記の斜め切断部46の根元部と遮
断室11の内周面との間の楔状の間隙がインク溜り部1
7として形成されている。そして、上記の中継間隙47
は、このインク溜り部17に連通している。
【0083】この中継体45は、前記の第3の実施形態
と同様に、インクに対して濡れ性を有する材料で形成さ
れるか、またはその表面にインクに対して濡れ性を有す
る被膜または表面処理を行ったものである。
【0084】なお、この第4の実施形態は、上記の点以
外は前記の第1の実施形態と同様な構成で、図11中で
第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してそ
の説明は省略する。
【0085】この実施形態のものは、インク保持通路1
8内の液柱状のインク19の自由表面20がこの中継体
45の斜め切断部46の先端および中継間隙47の先端
に接触した場合に、この表面の濡れ性および上記の中継
間隙47の毛細管力により、このインクをインク溜り部
17まで移送する点を除いては、前記の第3の実施形態
と同様な作用をなす。
【0086】また、本発明は前記の実施形態にも限定さ
れず、上記の遮断室やインク溜り部、インクの保持手
段、インクの中継手段を別の構成のものとすることがで
きる。たとえば、図12には、本発明の第5の実施形態
を示す。
【0087】この実施形態では、インク室2の底面は、
この筆記具の中心軸線に対して直交したインク保持面5
8として形成されている。また、このインク室2の下部
には、カップ状の遮断室部材50が嵌合され、その下側
の凹部と上記のインク保持面58とで囲まれる空間が遮
断室51として形成されている。
【0088】また、上記の遮断室部材50の外周面に
は、軸方向にインク室側通路52が形成されている。ま
た、上記の遮断室部材50の下側端面には、絞り通路5
4が形成され、この絞り通路54の一端は上記のインク
室側通路52に連通し、また他端部は上記のインク保持
面58に接して上記の遮断室51の下部内に開口してい
る。
【0089】この絞り通路54は、たとえば図13に示
すように、この遮断室部材50の下側端面に形成された
格子状の多数の細溝54aから構成され、これらは前記
のインク室側通路52に連通しているとともに、前記の
ようにインク保持面58に接して遮断室51内に開口し
たインク供給開口54bを有している。
【0090】また、この絞り通路54は、図14に示す
ように、上記の遮断室部材50の下側端面に形成された
円弧状の長い細溝54cから構成され、これらは前記の
インク室側通路52に連通しているとともに、前記のよ
うにインク保持面58に接して遮断室51内に開口した
インク供給開口54dを有するものでもよい。
【0091】また、上記のインク保持面58の中心部に
は、ペン体側中継芯21の上端部が突出しており、この
突出部分が中継体55として形成されている。そして、
この突出した中継体55の根元部と、上記のインク保持
面58とで構成される隅部がインク溜り部57として構
成され、インクはその表面張力によりこのインク溜り部
57に貯溜、保持されている。また、この中継体55の
根元部のインク溜まり部57と、この遮断室51の下部
外周の開口54b,54dとの間は、所定の距離に設定
されている。
【0092】なお、この第5の実施形態は、上記の点以
外は前記の第1の実施形態と同様の構成で、図12中で
第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してそ
の説明を省略する。
【0093】この実施形態のものは、以下のように作動
する。すなわち、非筆記時には、上記のインク溜り部5
7のインクと、絞り通路54内のインクとは遮断室51
内に封入されている空気により引き離されて遮断されて
いる。
【0094】そして、筆記によりインク溜り部57のイ
ンクが消費されると、遮断室51内の空間部の容積がそ
の分だけ増大し、この遮断室51内に封入されていた空
気の圧力が低下する。これにより、インクは上記のイン
ク室側通路52、および絞り通路54を介し、インク供
給開口54b,54dからこの遮断室51内に侵入す
る。しかし、この侵入したインクは、上記のインク保持
面58および遮断室51の内周面との隅部に、2点鎖線
59に示すようにその表面張力により盛り上がった状態
で保持される。
【0095】そして、この保持されているインクの量が
多くなると、このインクは中心部のインク溜り部57に
向かって前進し、このインク溜り部57の中継芯55の
根元に接触する。この接触により、この保持されている
インクの一部が表面張力によりインク溜り部57に移送
され、このインク溜り部57に再びインクが保持され
る。このように、インクの一部が移送されることによ
り、絞り通路54の開口から侵入していたインクが後退
し、このインク溜り部57から離れ、インクが再び遮断
される。
【0096】また、この実施形態では、インク室側通路
52に絞り通路54が形成されているので、この内部を
インクが流通する場合に大きな流動抵抗が与えられる。
よって、前述のように、筆記を中止した場合には遮断室
51内の空気の負圧により、ペン体側通路13およびペ
ン体側中継芯21内のインクが引き戻され、ボールチッ
プ5のボール回りの余剰のインクを引き戻す。
【0097】また、この実施形態の筆記具を製造する場
合には、前記と同様に、ペン体側中継芯21およびその
上端の中継体55がインクを含まない乾燥状態での筆記
具を略鉛直に保持し、インク室2にインクを注入する。
このインクは、絞り通路54から遮断室51の下部に流
入し、インク保持面58上を伝わって中継体55の根元
部に達し、この多孔質の中継体55に吸収される。この
インクの吸収により、この中継体55およびペン体側中
継芯21を介して空気が排気されなくなり、遮断室51
内に所定量の空気が正確に封入される。
【0098】また、図15には、本発明の第6の実施形
態を示す。このものは、前記の第5の実施形態における
インク保持面を円錐形のインク保持面68として形成
し、またこれに対応して遮断室部材50の下端部も円錐
形としたものである。
【0099】なお、この第6の実施形態においては、上
記の点以外は前記の第5の実施形態と略同様な構成であ
り、図15中で第5の実施形態と対応する部分には同じ
符号を付してその説明は省略する。
【0100】この実施形態では、円錐形のインク保持面
68の底部と、ここから突出した中継体55の根元部に
インク溜り部57が形成され、このインク溜り部57は
楔形の断面形状であるので、前述の第1の実施形態と同
様に、このインク溜り部57内でのインクの保持が確実
となる。
【0101】なお、上記の第5および第6の実施形態で
は、インク室側通路を遮断室の下部に連通させたが、こ
のインク室側通路の連通箇所は遮断室の下部には限定さ
れず、遮断室の内周面、または上面でも良い。この場合
に、この遮断室に侵入したインクを所定量だけ保持させ
るには、この遮断室への開口の周囲に環状の凹部を形成
してこの凹部内にインクを保持させるか、または逆に開
口の周囲を環状に突出させて細い径の筒状のノズル部を
突出させても良い。このような細径筒状のノズル部の先
端には、インクが表面張力により球状の液滴状に保持さ
れる。
【0102】また、図16には、本発明の第7の実施形
態を示す。このものは、インクの保持手段および中継手
段として、堤状の突条部を利用したものである。
【0103】すなわち、この実施形態では、インク室2
の底面に円錐形の嵌合突部73が形成され、この嵌合突
部73にはカップ状の遮断室部材70が嵌合され、この
遮断室部材70の内面と上記の嵌合突部73の上面とで
囲まれる空間が遮断室71として形成されている。ま
た、この嵌合突部73の中心部からは、ペン体側中継芯
21の上端部が遮断室71内に突出し、この突出部分が
中継体75として形成されている。また、上記の遮断室
部材71の外周面とインク室2の内周面との間には隙間
が形成され、この隙間がインク室側通路72として形成
されている。また、上記の嵌合突部73の外周面には細
い絞り溝78が形成され、この絞り溝78は上記のイン
ク室側通路72に連通するとともに、遮断室71の下部
の周辺部に開口している。
【0104】そして、上記の遮断室71の底面を形成す
る嵌合突部73の上面には、上記の突出した中継体75
を囲んで、断面が山形の環状の堤状の突条部80が形成
されている。そして、この突条部80の内周の斜面と中
継体75の根元部で形成される断面楔形の間隙部がイン
ク溜り部77として形成され、またこの突条部80の外
側の斜面と遮断室71の内周面とで形成される環状の凹
溝部がインク保持部79として構成されており、上記の
絞り溝78はこのインク保持部79に連通している。
【0105】なお、この第7の実施形態は、上記の点以
外は前記の第5の実施形態と同様な構成であり、図16
中で第5の実施形態と対応する部分には同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0106】この実施形態のものは、非筆記時には、イ
ンク溜り部77のインクと、インク保持部79のインク
とは、堤状の突条部80により分離、遮断されている。
そして、筆記によりインク溜り部77のインクが消費さ
れると、その分だけ遮断室71の空間部の容積が増大
し、この遮断室71内に封入されている空気の圧が低下
し、インク室側通路72、絞り溝78を介してインク保
持部79にインクが侵入する。この侵入したインクは、
その表面張力により、図16の2点鎖線81に示すよう
に堤状の突条部80の頂点上に盛り上がり、一時的に保
持される。
【0107】そして、この侵入したインクの量が所定量
を越えると、このインクは堤状の突条部80を乗り越え
てその一部がインク溜り部77に流れ、このインク溜り
部77に貯溜保持される。そして、このような作動を繰
り返し、インクを制御して供給する。
【0108】この実施形態のものは、遮断室71の径や
堤状の突条部80の形状を設定することにより、インク
溜り部77やインク保持部79のインク保持量を任意に
設定することができ、設計の自由度が大きいという特徴
がある。
【0109】なお、本発明は上記の実施形態にも限定さ
れない。たとえば、本発明の筆記具のインク室の構成
は、必ずしも上記のようなものには限定されない。ま
た、上記の実施形態のものは、水性インクを使用したボ
ールチップ形の筆記具であるが、油性インクまたは速乾
性のインクを使用する筆記具にも適用可能であり、また
ペン体の種類もボールチップには限定されず、フェルト
チップその他のペン体でもよい。また、本発明は使い捨
て形の筆記具には限定されず、インクを補充可能な筆記
具、またはレフィール形の筆記具にも適用することがで
きる。
【0110】
【発明の効果】上述のごとく本発明の筆記具は、非筆記
時には上記の遮断室内に封入された空気等の気体によ
り、インク室とペン体とのインクの連通が遮断されてお
り、このペン体に不所望にインクが供給されることが防
止される。
【0111】そして、筆記によりインクが消費される
と、遮断室内に侵入したインクがインク溜り部に移送さ
れ、このインク溜り部には再びインクが貯溜され、この
ような作動を繰り返してインクをペン体に供給するの
で、機械的な可動部分を必要とせず、また微少差圧でも
開閉作動を確実に行うことができる。
【0112】また、この封入された空気によるインクの
遮断、連通は、インク溜り部に貯溜保持されているイン
クの量の増減により行われるので、多孔質の部材内での
空気の吸入、インクの浸透、空気の排除等の作動を行う
必要がなく、作動が確実で構造も簡単となる等、その効
果は大である。
【0113】また、本発明の製造方法は、乾燥状態の筆
記具を略鉛直に保持してインク室にインクを注入する簡
単な作業により、遮断室内に必要とする所定量の気体を
正確に封入することができ、正確な特性の筆記具を能率
的かつ確実に製造することができる等、その効果は大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筆記具の第1の実施形態の全体の縦断
面図。
【図2】本発明の筆記具の第1の実施形態のインク制御
機構の部分の縦断面図。
【図3】本発明の筆記具の第1の実施形態の作動の説明
図。
【図4】本発明の筆記具の第1の実施形態の作動の説明
図。
【図5】本発明の筆記具の第1の実施形態の作動の説明
図。
【図6】本発明の筆記具の製造方法の説明図。
【図7】本発明の筆記具の製造方法の説明図。
【図8】本発明の筆記具の製造方法の説明図。
【図9】本発明の筆記具の第2の実施形態のインク制御
機構の部分の縦断面図。
【図10】本発明の筆記具の第3の実施形態のインク制
御機構の部分の縦断面図。
【図11】本発明の筆記具の第4の実施形態のインク制
御機構の部分の縦断面図。
【図12】本発明の筆記具の第5の実施形態のインク制
御機構の部分の縦断面図。
【図13】第5の実施形態の絞り通路の例を示す図12
のA−A矢視図
【図14】第5の実施形態の絞り通路の別の例を示す図
12のA−A矢視図
【図15】本発明の筆記具の第6の実施形態のインク制
御機構の部分の縦断面図。
【図16】本発明の筆記具の第7の実施形態のインク制
御機構の部分の縦断面図。
【符号の説明】
2 インク室 5 ボールチップ 11,51,71 遮断室 15,35,45,55,75 中継体 17,57,77 インク溜り部 18 インク保持通路 58,68 インク保持面 79 インク保持部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B43K 5/00 - 8/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを貯溜するインク室と、筆記具の
    先端部に設けられたペン体と、上記のインク室とペン体
    との間に設けられたインク制御機構とを備えた筆記具で
    あって、 上記のインク制御機構は、内部に気体が封入された遮断
    室と、この遮断室と上記のインク室とを連通するインク
    室側通路と、この遮断室と上記のペン体とを連通するペ
    ン体側通路と、上記の遮断室内に形成され少量のインク
    を貯溜保持するとともに上記のペン体側通路に連通した
    インク溜り部と、上記の遮断室内に上記のインク室側通
    路から侵入して来たインクをこの遮断室内の所定位置に
    保持するインク保持手段と、上記のインク保持手段によ
    り保持されているインクの量が所定量以上となった場合
    にこの保持されているインクの少なくとも一部を上記の
    インク溜り部に移送するインク中継手段とを具備したこ
    とを特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 前記のインク保持手段は、前記の遮断室
    およびインク室側通路と連通し、内部で表面張力により
    インクを液柱状に保持しこのインクと気体とが位置を交
    換することを防止可能な小さな断面積を有するインク保
    持通路であることを特徴とする請求項1の筆記具。
  3. 【請求項3】 前記のインク保持手段は、前記の遮断室
    の下部に形成されこの筆記具の軸線方向と交差するとと
    もにその一部に前記のインク溜り部を形成したインク保
    持面と、上記のインク溜り部と離れた位置においてこの
    インク保持面に近接して開口し前記のインク室側通路と
    連通したインク供給開口とを具備したことを特徴とする
    請求項1の筆記具。
  4. 【請求項4】 前記のインク保持手段は、前記の遮断室
    内に形成されかつ前記のペン体側通路に連通したインク
    溜り部とこの遮断室内に開口しかつ前記のインク室側通
    路と連通したインク供給開口との間に形成され、上記の
    インク溜り部と上記のインク供給開口とを区画するとと
    もに上記のインク供給開口から供給されたインクの流れ
    を阻止しかつこのインクが乗り越え可能な堤状の突条部
    を具備したことを特徴とする請求項1の筆記具。
  5. 【請求項5】 前記のインク中継手段は、一端部が前記
    のインク保持手段に近接し、また他端部が前記のインク
    溜り部に連通し、インクに対する濡れ性を有した中継体
    であることを特徴とする請求項1の筆記具。
  6. 【請求項6】 前記の中継体は、多孔質の材料で形成さ
    れていることを特徴とする請求項5の筆記具。
  7. 【請求項7】 前記のインク中継手段は、前記の遮断室
    内に設けられた中継体と遮断室の内面との間に形成され
    た中継間隙であり、この中継間隙の一端部は前記のイン
    ク保持手段に近接し、また他端部は前記のインク溜り部
    に連通しているものであることを特徴とする請求項1の
    筆記具。
  8. 【請求項8】 前記のインク中継手段は、前記の遮断室
    内に設けられた中継体に形成された中継溝であり、この
    中継溝の一端部は前記のインク保持手段に近接し、また
    他端部は前記のインク溜り部に連通しているものである
    ことを特徴とする請求項1の筆記具。
  9. 【請求項9】 前記のインク溜り部は、前記の遮断室内
    に突設された前記のインクの中継体の根元部に形成され
    た隅部であることを特徴とする請求項5の筆記具。
  10. 【請求項10】 前記のインク溜り部は、前記の遮断室
    内に突設され先端部が尖鋭に形成されたインクの中継体
    の先端尖鋭部分の基部と遮断室の内周面との間に形成さ
    れた断面楔形の間隙であることを特徴とする請求項5の
    筆記具。
  11. 【請求項11】 前記のインク溜り部は、前記の遮断室
    内に突設されたインクの中継体の根元部と、上記の遮断
    室の底部にこの中継体の根元部の周囲を囲んで形成され
    た円錐形の凹部との間に形成された断面楔形の間隙であ
    ることを特徴とする請求項5の筆記具。
  12. 【請求項12】 前記の請求項1に記載された筆記具を
    製造する方法であって、 内部にインクを含まない乾燥状態のインク制御機構を備
    えた筆記具をペン体側を下向きにして略鉛直に保持する
    工程と、 この筆記具のインク室にインクを注入する工程と、 このインク室に注入したインクを前記のインク制御機構
    のインク保持手段まで流通させることにより前記の遮断
    室内の気体を乾燥状態のインク中継手段を介して排気さ
    せる工程と、 上記の注入したインクを前記のインク制御機構のインク
    中継手段まで流通させることによりこのインク中継手段
    を介した気体の排気を停止させて前記の遮断室内に残存
    した所定量の気体を封入する工程とを具備したことを特
    徴とする筆記具の製造方法。
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