JP3012652B2 - 単結晶生成品を製造するための改良された、特性の均衡したニッケルをベースとする超合金 - Google Patents

単結晶生成品を製造するための改良された、特性の均衡したニッケルをベースとする超合金

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、全般的に、航空機ガスタービンエンジンの
高熱部材、特に回転羽(rotating blades)に有用な、
単結晶品として鋳造可能なニッケルをベースとする超合
金に関するものである。
(従来の技術) ガスタービンエンジンの効率は、エンジンの各種部品
の作動温度に大きく左右され、作動温度が高くなれば効
率が良くなる。作動温度能力を上げる1つの方法は、例
えばタービン羽根及び翼(turbine blades and vanes)
などの最も高温で作動する部品を鋳造する場合には、そ
の中に入り組んだ空洞の通路を有する部品を鋳造し、そ
の部品の全縁及び後縁の中にある穴に冷却用の空気を強
制的に通すことができるようにすることである。このよ
うにすれば、内部冷却は熱伝導により、外部冷却を膜す
なわち境界層冷却により行うことができる。
効率を上げるための研究により、ますます高温に耐え
つつその基本的な材料特性を維持できる耐熱超合金もま
た開発されるに至った。この種の超合金の開発は、前述
の内部に複雑な空気冷却用通路を備えた鋳造部品の設
計、開発及び製造に関連して行われることが多かった。
(発明が解決しようとする課題) 今回の発明は、ニッケルのベースとする超合金を更に
改良することによる特性の向上を目指している。従っ
て、今回の発明により、現在製造されているニッケルを
ベースとする超合金から造られた単結晶製品よりも、応
力破壊強度及び高、低サイクルの疲労特性の点で大幅に
高温能力の高い単結晶製品を造るためにニッケルをベー
スとする超合金が提供される。更に、その周期的酸化に
よる劣化に対する耐性及び高温腐食に対する耐性が優れ
ているため、今回の発明の超合金は従来得られなかった
独自の均衡した機械的及び環境的特性を有している。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、単結晶鋳造品を造るのに適した超合
金は、重量百分率(重量%)の下記の第I表に示す元素
を含む、残余の成分はニッケル(Ni)及び付随的不純物
からなる。
この発明にまたガスタービンエンジンのタービン羽根
及び翼などの上記組成範囲内の組成を有する鋳造された
単結晶品も含まれる。
単結晶を造ることのできる技法としては、現在2つの
基本的な方向性凝固法(directional solidification
(DS)method)が良く知られている。一つは種結晶(se
ed crystal)を使う方法であり、他の一つは、入り組ん
だ通路を使って合金の単結晶を1個選びこれを単結晶品
に成長させる方法で「チョーク」処理法(“choke"proc
ess)と呼ばれている。
(実 施 例) この発明の合金を開発し試験するため、第II表に掲げ
る三つのグループに分けた合金を、3000グラムずつ真空
誘導溶解して直径1−1/2インチの銅鋳型に鋳込みイン
ゴットに形成した。続いてインゴットを再溶融し、前回
に述べた他の方法を使うこともできたが今回はチョーク
処理法により1/2インチ×2インチ×4インチの単結晶
スラブに鋳込んだ。別に行った一連の実験により、単結
晶スラブ内のイットリウム残留量を求めたところ最初の
インゴットに存在していた量の30%であった。このた
め、第II表のイットリウム含有率を確保するため30%残
留率を考慮に入れて最初のインゴットには十分多めのイ
ットリウムを加えた。
第Iグループの合金は、ガンマ(γ)マトリクス合金
元素としてのタングステン、モリブデン及びレニウムの
相互作用を評価するため設計された。第IIグループの合
金は、その他の変数の影響を評価できるように、第1グ
ループは幾分独立に設計された。アルミニウムの含有量
は高率に維持し、チタンとタンタルの量は約63容積%ま
でのガンマダッシュ(γ′)レベルとなるように変え、
クロムはγ′レベルを高くするために減らした。クロム
含有率8%の第Iグループの合金は、総体的に第IIグル
ープの合金よりも安定性が低いことが分かったので、ク
ロムの基準含有率を第Iグループの8%から7%に減ら
して安定性を良くした。番号 812−814の合金はコバル
トの含有率を変えて安定性への影響を評価した。
第IIIグループの合金は第1グループ及び第IIグルー
プの合金の評価に基づき設計された。第IIグループで
は、γ′溶体化によるγ′含有率の上限は約60容積%で
あった。番号 824−826の合金は、5.5%のレニウムを含
み強度は高いが不安定な820番の合金を基にして造られ
た。したがって安定性を増すためにレニウムを減らし
た。827−829番の合金は、821番(0% Ti)を基にした
がタングステンとレニウムの含有率を変えた。830−833
番の合金は、800番(1.5% Ti)を基にしたがレニウ
ム、タングステン及びモリブデンの含有率を変えた。83
4番と835番の合金は、タンタルとチタンを犠牲にしてア
ルミニウムを増やした。第IIIグループの合金はすべ
て、第IIグループの812−814番の評価に基づいてコバル
トの含有率は10%に維持された。
第I,II及びIIIグループの合金について応力破壊強度
に対する評価を行った。試験結果を第III表に示す。な
お、試験を行う前に、第III表に「R」の記号が付され
ている合金を除き、その他のすべての合金は次の方法に
より1/2インチ厚さの単結晶スラブとして熱処理を施し
た。
第1段階:少なくとも95%のγ相の溶融を達成するため
に、1287.8〜1315.6℃(2350〜2400゜F)で2時間合金
を溶融すること 第2段階:1079.4℃(1975゜F)に4時間保つこと 第3段階:898.9℃(1650゜F)に16時間保つこと 第IIIグループの合金は、最初は871.1℃(1600゜F)/
80ksi及び982.2℃(1800゜F)/40ksiで試験された。第V
II表に報告されているような他の試験結果に基づき、追
加の試料を1310℃(2390゜F)で2時間溶解させ、急冷
して1121.1℃(2050゜F)で4時間、続いて898.9℃(16
50゜F)で4時間熟成し、982.2℃(1800゜F)/40ksi及
び1093.3℃(2000゜F)/20ksiで第III表に掲げる“R"処
理及び応力破壊試験を行った。再加熱処理により982.2
℃(1800゜F)/40ksiにおける破壊寿命は平均約30%延
びるという結果が得られた。ガスタービンエンジンに使
用するための臨界パラメータである982.2℃(1800゜F)
/40ksiにおいて、第Iグループおよび第IIグループの合
金もまた“R"処理を施せは寿命が30%延びると予想され
る。
他の実験でもまた、溶解温度から1093.3℃(2000゜
F)までの冷却温度を37.8〜315.6℃(100〜600゜F)/mi
nの範囲で変えてみたが、本発明の合金破壊特性にはわ
ずかな影響しなかく、冷却速度を速めることにより982.
2℃(1800゜F)/40ksiにおける寿命をわずかに延ばす傾
向が見られるに過ぎなかった。そのデータを第IV表に示
す。
従って、本発明の超合金については、現在のところま
で望ましい熱処理は下記の通りである。すなわち、第1
段階として、少なくとも95%のγ′相の溶解が可能な温
度範囲で、できれば1307.2〜1312.8℃(2385〜2395゜
F)で2時間かけて溶解させ、最小37.8℃(100゜F)/mi
nの速度で1093.3℃(2000゜F)まで冷却し、60分または
それ以下の時間で648.9℃(1200゜F)まで炉内冷却し、
その後室温まで冷却すること、第2段階として1107.2〜
1135℃(2050±25゜F)まで4時間加熱し、6分以内に6
48.9℃(1200゜F)未満に炉内冷却してから室温まで冷
却すると、及び第3段階として、885〜912.8℃(1650±
25゜F)まで4時間加熱しその後室温まで冷却すること
である。すべての熱処理段階は真空または不活性雰囲気
で行われ、室温まで冷却する段階を省略して、処理は直
接次の加熱段階に進めることができる。
第I、II及びIIIグループの合金からえられた応力破
壊データから見て、約5%のレニウムが982.2℃(1800
゜F)/40ksiで最高の応力破壊強度を示す。このデータ
からまた、破壊寿命をタングステン含有量が一定とした
ときのレニウ含有量の関数としてグラフに描けば、982.
2℃(1800゜F)/40ksiでの応力破壊寿命は、レニウムと
タングステンの割合が(3Re+7W)から(5Re+3W)の範
囲でえられる。最も望ましい実施例、821番の合金につ
いては、現在好ましいレニウムとタングステンの組み合
わせは、現在のレニウムとタングステンの相対的な価格
を考えれば(3Re+5W)である。
すべての合金は微細構造の安定性について評価され
た。試料は1301.7〜1315.6℃(2375±2400゜F)で2時
間溶解し、1079.4℃(1975゜F)で4時間、そして898.9
℃(1650゜F)で16時間熟成するという熱処理が施され
た。その後、異なった幾組かの試料を982.2℃(1800゜
F)で1000時間、また1093.3℃(2000゜F)で1000時間加
熱した。稀釈された村上の電解液(diluted Murakami's
electrolyte)によるエッチングを含む調整後、試料は
金属組織学的に調べ、位相的ちゅう密相(topologicall
y close packed phase:TCP)の相対量は目視で求めた。
第IIグループの合金は818番及び819番を除きTCPの析出
が全くないかあるいは極微量(821番)であり、グルー
プ全体として見れば、第IIIグループの合金に比べ微細
構造の不安定さを招く傾向が少なく、第Iグループの合
金と比べた場合は982.2℃(1800゜F)でも1093.3℃(20
00゜F)でもはるかにこの傾向が少なかった。
第V表には、コーティングされていない直径1/4イン
チ、長さ3インチのピン状試料に1176.7℃(2150゜F)
で天然ガスの炎をマッハ1で吹き付けて行った周期的酸
化試験の結果を示す。試料は一様に炎に曝されるように
回転させ、1時間おきに炎から周期的に外して試料を室
温に冷却した。試料の長さ方向を横切って切り取った部
分について外部金属損失を測定した。片側当りの金属損
失は試験前後のピンの直径の差を2で割って求めた。表
のデータは1つの試料について互いに直角な2つの直径
を測ってえられた平均値である。
第Iグループの合金の中でイットリウムを含む2つの
合金(802及び808)はとびぬけて酸化耐性が強かった。
すべてにイットリウムが含まれている第IIグループの合
金では、1176.7℃(2150゜F)で200時間の高速(マッハ
1)酸化後も金属損失はなく、わずかに2−3ミル(mi
l)のγ′の減少が見られただけであり、イットリウム
とハフニウムの相乗高価が作用している。これらのデー
タからはまた、レニウムが酸化耐性を強めるか、または
少なくとも合金内でレニウムに置換えられたタングステ
ンよりも害が少ないことが分かり、また金属組織学的調
査からもγ′の安定性が改善されるという結果がえられ
た。
本発明の合金の高温耐蝕性を、実用のタービン羽根製
作用の3種の合金、すなわち、Rene′125、B 1900及びM
M200(Hf)とともに、合金の試料を1600゜FのJP−5燃
料を燃焼させた炎に曝し燃焼生成物に名目上1 ppmの塩
を添加するという試験を行って評価した。試験は、最初
は約1ppmで1040時間、次いで約2ppmで578時間行った。2
00時間おきの目盛ピン(calibration pins)に基づくNa
Clの化学測定により、塩のレベルは最初の1000時間は0
から1ppmの間であり次の300−400時間は1〜2ppmであ
り、残りの300時間は2ppm以上であった。これらの高温
腐食試験からえられた結論は次の通りである。
1) B1900はすべての塩のレベルで最も耐蝕性が低
い。
2) MM200(Hf)はすべての塩のレベルでこれに次い
で耐蝕性が低い。
3) 本発明の合金、特に、821番及びRene′125には類
似の高温腐食のふるまいが見られ、本発明の合金の方が
Rene′125よりわずかに耐蝕性が低い。
4) Rene′125と他の合金の場合のように、本発明の
合金も腐食試験における塩の量に敏感であり、塩の量を
増せば耐蝕性が低くなった。従って、B1900,MM200(H
f),Rene′125及び本発明の合金の間の差は塩の量が多
くなれば縮まる。この結果は過去の経験とも一致し、本
発明の合金はRene′125相当品が要求される使用に適し
ていることが分かる。
821番の合金は第VI表の組成を持った300ポンドのマス
ターヒート(master heat:本格的な金属溶融)として大
型化された。マスターヒートにイットリウムを加えるの
ではなくマスターヒート原料が再溶解され溶融したとき
に、単結晶スラブ及びタービン羽根を造る方向性凝固化
の前にイットリウムを加えた。第VII,VIII,IX及びX表
のデータをえるために使った試料については400ppmの量
のイットリウムを加えた。300ポンドのマスターヒート
及び12ポンドの実験用ヒートからの821番合金について
の応力破壊強度をデータは第IX表に示されている。
上記第VII表において、熱処理及び温度の欄における
数値はいずれも摂氏温度を表し、各々下記の華氏温度と
対応する。
引っ張り強さ、低サイクル疲労、及び高サイクル疲労
試験は、1310℃(2390゜F)で2時間で溶解され、1079.
4℃(1975゜F)で4時間及び898.9℃(1650゜F)で16時
間熟成された合金821番の300ポンドのヒートから取った
単結晶材質について行った。その結果を第VIII、IX及び
X表にそれぞれ示す。表中、USTは最大引っ張り強さ、Y
Sは、0.2%ひずみ変形(strain offset)における降伏
強さ、Elは伸び、そしてRAは面積の減少率である。
第 IX 表 低サイクル疲労(821番合金のマスターヒート) 交番凝似応力(ksi) 疲労までのサイクル,Nf 21 4.9×103 31 2.3×103 37 2.5×103 注1:2分間、1093.3℃(2000゜F)で圧縮応力持続 第 X 表 高サイクル疲労(821番合金のマスターヒート) 交番凝似応力(ksi) 疲労までのサイクル,Nf 10 9.6×106 11 4.4×106 13 1.4×106 15 0.5×106 注1:1121.1℃(2050゜F)、A=0.67、30Hz 同一出願人による同時係属合衆国出願第595,845号に
もっと詳細に記載されているように、本発明の超合金
は、ホウ素、ジルコン、そして炭素などの粒界強化元素
を避けるべきだという長年にわたり培われた単結晶超合
金技術分野における常識、すなわち、工業規模での溶融
及び合金化の慣用技術に従って、このような元素はでき
るだけ低水準に抑えるという技術常識とは相容れない。
この種の元素を制限しようとする一般的な理由は、γ′
相溶解温度に関連して当初溶解温度を上げることであ
り、これによりヒートの液化温度をγ′相の完全な溶解
が妥当な時間内に溶質に富んだ部分での局部的溶解を惹
き起こすことなく行えるというものである。もう1つの
理由は、有害なTCP相の形成を最小限にまたは絶無にす
ることである。
米国特許第4,698,256号明細書にも記されているよう
に、単結晶品は必ずしも全体として単結晶である必要は
なく、粒界はできるだけ低角粒界(low angle grain bo
undaries)であればよく、粒界間の結晶学的不整合は、
約5−6度であれば一般に許容される。低角粒界と高角
粒界(high angle grain boundaries)の区別は、後者
では隣接粒子間の境界が結晶学的な方向で約5−6度よ
りも多く異なることである。高角粒界は表面エネルギが
数百エルグ/cm2のオーダーの大きな部分であり、あまり
にも雑然として不整合のため構像を容易に記述したりモ
デル化することのできない領域である。
またこれもその中に記されているように、以前は禁ぜ
られていた元素も、加減された少量であれば許容され、
米国特許第4,698,256号明細書に記載の単結晶超合金が
えられる結果となり、このものは低角粒界の許容度が向
上され、従来の単結晶超合金よりも粒界強度(grain bo
undary strength)が高い。この粒界強度の増大の1つ
の結果として、従来の技術による単結晶超合金の許容限
度である6゜以上の粒界を不整合がっても、その発明の
ニッケルをベースとする超合金から造られた短結晶品で
は許容することができる。これを言い換えれば、通常の
検査法で広い範囲の粒界が受容できるため、例えば、使
用中の信頼性が良くなり、検査費用が安くなり、高い収
率がえられるようになるということになる。その発明の
斬新な特徴は本発明の斬新な超合金に具現されており、
このため本発明の超合金もまた低角粒界の許容度が高く
なり上述の利点も備えている。
本発明の超合金またイットリウムで合金化されるの
で、インベストメント鋳造方法(investment casting p
rocess)に使われるセラミックの鋳型(mold)及び心型
(pore)については、イットリウムで合金化されないニ
ッケルをベースとする超合金よりも高度に反応性が高
い。セラミック/金属の不安定さは系の総体的な熱力学
的条件により制御することができる。生成自由エネルギ
ΔG゜が負であればあるほど酸素との親和性はより大
きくなる。イットリウムなどの反応性の高い元素をより
多く加えるほど酸化物に対する生成自由エネルギはます
ます負になって通常のSiO2やZrO2のセラミックの鋳型の
心型を使ったときよりも金属/セラミックの反応性が高
まることが見い出された。米国防省に報告された空軍刊
行図書、AFML−TR−77−211の熱力学的考察及び研究
「共晶の方向性凝固に関する改良された心型及び鋳型材
料の開発」(Development of Advanced Core and Mold
Materials for Directional Solidification of Eutect
ics)1977年刊によれば、アルミナは反応性が低いの
で、反応性元素を含む超合金を鋳造するときの鋳型、心
型及び表面コーティング用の材料として望ましい。
また、インベストメント鋳造に際して、種々の温度条
件その他のパラメーターを低く抑えることによって、溶
融金属と鋳型及び心型との相互作用が減り、イットリウ
ムの残留量が増え、イットリウム分布の均一性が改善さ
れることが分かった。つまり本発明の単結晶品の鋳造に
ける過熱及びモールドの予熱をできる限り低く抑え、引
き出し速度を上げることである。
前述の大型化した136kg(300ポンド)のマスターヒー
トから得られた821番合金を材料として、いくつかのコ
アを持たない小型タービン羽根をインベストメント鋳造
した。これらの羽根は先端から根元までの寸法が約3.81
cm(約1.5インチ)で羽根の幅(span)は約1.91cm(約
0.75インチ)であった。羽根の先端からプラットホーム
(platform)までの距離は2.54cm(1インチ)であっ
た。前述のように、イットリウムは溶融中かつ方向性凝
固の前ののマスターヒート材料に点火され、この場合の
添加量は2000ppmであった。一般に、多くの羽根(blade
s)は第XI表に示されるように許容できる結晶構造を示
し、鋳造パラメータを低めに取ったときにイットリウム
の残留率が良かった。また、面積対容積の比がイットリ
ウムの残留率に影響すると思われ、この比が大きくなる
とイットリウムと残留率が低下した。このことは前縁と
後縁のイットリウムの残留率を比較すれば分かり、前縁
の方が後縁よりも面積対容積比が小さく、イットリウム
の残留率は一貫して前端の方が後端よりも高い。
更にまた、大型の充実したタービン羽根(先端から根
元まで4−3/4インチ)及び空気冷却を行うための蛇行
している通路を内蔵するコアを持った大小のタービン羽
根の単結晶インベストメント鋳造品も作製した。大型の
充実したタービン羽根では、所望の50〜300ppmレベルの
範囲内のイットリウム分布をえるために2400ppmからの
イットリウムを後で加える必要があった。低い試料鋳造
パラメータを採用した場合も内蔵するコアを持った羽根
において、許容できるイットリウムレベルを得るため
に、上記の同様のレベルを必要とした。コアを持たない
小型羽根の場合と同じに、面積対容積比の高価は明らか
であり、前端の方が後端に比べてイットリウム量が多か
った。
本発明に関しては特定の実施例を上げて説明したが、
この技術に通暁した人々にとっては、特許請求の範囲に
掲げた本発明の範囲内で変更及び改造が可能であること
は理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 650 C22F 1/00 650A 651 651B 682 682 691 691B 691C 692 692A 692B (56)参考文献 特開 昭62−267440(JP,A) 特開 平3−197653(JP,A) 特開 昭61−284545(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 19/05 C22F 1/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的に、重量百分率で5−10%のクロ
    ム、5−10%のコバルト、2%以下(無添加を含む)の
    モリブデン、3−8%のタングステン、3−8%のタン
    タル、2%以下(無添加を含む)のチタン、5−7%の
    アルミニウム、1−6%のレニウム、0.08−0.2%のハ
    フニウム、0.05−0.07%の炭素、0.003−0.006%のホウ
    素、及び0.04%以下(無添加を含む)のイットリウム成
    分を有し、残りの成分がニッケル及び付随的不純物であ
    るニッケルをベースとする超合金の単結晶品。
  2. 【請求項2】本質的に、重量百分率で6.75−7.25%のク
    ロム、7.0−8.0%のコバルト、1.3−1.7%のモリブデ
    ン、4.75−5.25%のタングステン、6.3−6.7%のタンタ
    ル、0.02%以下(無添加を含む)のチタン、6.1−6.3%
    のアルミニウム、2.75−3.25%のレニウム、0.12−0.18
    %のハフニウム、0.05−0.06%の炭素、0.003−0.005%
    のホウ素、及び0.005−0.02%のイットリウム成分を有
    し、残りの成分がニッケル及び付随的不純物である請求
    項1記載の超合金の単結晶品。
  3. 【請求項3】本質的に、重量百分率で7%のクロム、7.
    5%のコバルト、1.5%のモリブデン、5%のタングステ
    ン、6.5%のタンタル、6.2%のアルミニウム、3%のレ
    ニウム、0.15%のハフニウム、0.05%の炭素、0.004%
    のホウ素、及び0.01%のイットリウム成分を有し、残り
    の成分がニッケル及び付随的不純物である請求項2記載
    の超合金の単結晶品。
  4. 【請求項4】ガスタービンエンジン用の翼部材である請
    求項1記載の単結晶品。
  5. 【請求項5】ガスタービンエンジン用の翼部材である請
    求項2記載の単結晶品。
  6. 【請求項6】真空または不活性雰囲気内で行われ、次の
    a)からf)の工程、すなわち、 a)本質的に、重量百分率で5−10%のクロム、5−10
    %のコバルト、2%以下(無添加を含む)のモリブデ
    ン、3−8%のタングステン、3−8%のタンタル、2
    %以下(無添加を含む)のチタン、5−7%のアルミニ
    ウム、1−6%のレニウム、0.08−0.2%のハフニウ
    ム、0.05−0.07%の炭素、0.003−0.006%のホウ素、及
    び0.04%以下(無添加を含む)のイットリウム成分を有
    し、残りの成分がニッケル及び付随的不純物からなる組
    成を有する単結晶品を選ぶこと、 b)少なくとも95%のγ′相の溶解が可能な温度範囲で
    2時間の加熱を行うこと、 c)最小37.8℃/minの速度で1093.3℃まで冷却した後60
    分以内に648.9℃に冷却すること、 d)1107.2〜1135℃に4時間加熱すること、 e)6分以内に648.9℃未満に冷却すること、 f)885〜912.8℃に4時間加熱すること の各工程からなる熱処理方法。
  7. 【請求項7】単結晶品の組成は、本質的に、重量百分率
    で6.75−7.25%のクロム、7.0−8.0のコバルト、1.3−
    1.7%のモリブデン、4.75−5.25%のタングステン、6.3
    −6.7%のタンタル、0.02%以下(無添加を含む)のチ
    タン、6.1−6.3%のアルミニム、2.75−3.25%のレニウ
    ム、0.12−0.18%のハフニウム、0.05−0.06%の炭素、
    0.003−0.005%のホウ素、及び0.005−0.02%のイット
    リウム成分を有し、残りの成分がニッケル及び付随的不
    純物である請求項6記載の熱処理方法。
  8. 【請求項8】単結晶品の組成は、本質的に、重量百分率
    で7%のクロム、7.5%のコバルト、1.5%のモリブデ
    ン、5%のタングステン、6.5%のタンタル、6.2%のア
    ルミニウム、3%のレニウム、0.15%のハフニウム、0.
    05%の炭素、0.004%のホウ素、及び0.01%のイットリ
    ウム成分を有し、残りの成分がニッケル及び付随的不純
    物である請求項6記載の熱処理方法。
  9. 【請求項9】請求項6、b)における温度範囲が1307.2
    から1312.8℃である請求項6記載の熱処理方法。
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