JP3012557U - 足カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 足によくフィットし、ずれるおそれのない足
カバーを得ること。 【構成】 ゴム糸を編み込んだ伸縮部２２に続いて筒編
部２３を編製する。筒編部２３に続く筒編部の両端にヒ
ール編により膨出部を編製して爪先部２４と踵部２７を
形成する。両端の爪先部２４と踵部２７の下端間の開口
をかがり縫目１９により縫着して底部を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は素足にハイヒールを履いた場合に使用するきわめて短かい靴下、す なわち足カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

素足にハイヒールを履いた場合、そのままでは足とハイヒールの間に汗が溜ま ったり、靴ずれを起すおそれがある。 そのため、足に着用してもハイヒール内にかくれて外からは靴下を着用してい ることが全く見えない、きわめて短かい靴下、すなわち足カバーが最近用いられ るようになった。

【０００３】 図４はその一例で、平面状のメリヤス生地を裁断した細長い素材１を折目ａで 二ツ折りになし、その一端ｂから折目ａの下端ｃにかけてかがり縫目２により縫 着して舟形とし、開口５の周囲には太いゴムバンド３をかがり縫目４により縫い 付けたものである。

【０００４】 図５に示す他の従来例のものはゴム糸を編み込んだ開口６を編製したのち、そ の一端にヒール編みを施して膨出部７を形成し、他方はそのまま輪状に適宜長さ 編製して底部を斜に裁断し、この裁断部をかがり縫目９により縫着したものであ る。

【０００５】 さらに図６に示す従来例のものは、ゴム糸を編み込んだ開口６を編成し、この 開口６に連続して編製した筒編部の両端にヒール編みを施して膨出部７を両端に 有する短かい筒状体を編製し、この筒状体の下側開口をかがり編目９により縫着 して舟形としたものである。

【０００６】 図７は図４に示す従来例の足カバー１０を素足１１に着用してハイヒール１２ を履いた様子を示すもので足カバー１０は完全にハイヒール１２内にかくれるが 足カバー１０の前後が浅いので、爪先と踵が足カバー１０の前後に僅かにかかる だけで、ずれ易く、開口のゴムバンド３が肌に圧着して穿き心地も悪いという欠 点がある。

【０００７】 図８は図５に示す従来例の足カバー１３を素足１１に着用してハイヒール１２ を履いた様子を示すもので、爪先と踵は十分に覆われるが開口６がハイヒール１ ２の穿口より上になり、足カバー１３の前部上側も露出して体裁の悪い状態とな る。

【０００８】 図６の従来例の足カバー１４は図９のように完全にハイヒール１２内にかくれ 、足カバー１４の両端も図４の従来例よりは爪先と踵によくかかり穿き心地も大 分改善されるが、踵部の深さが、いま一つ足りないという問題がある。

【０００９】 この考案の課題は上記のような従来の足カバーの問題点を解決して、着用中に ずれるおそれがなく、穿き心地がよくて、しかも外部からは見えない足カバーを 得ることである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案は開口の周囲をゴム糸を編み込んだ所 定巾の伸縮部とし、この伸縮部に連続して編製した筒編部の両端にヒール編みを 施して膨出部を両端に有する短かい筒状体を編製し、この筒状体の下側開口を縫 着して舟形とした構成のものを更に改良して上記一端の膨出部を上記伸縮部に近 い部分でヒール編みを施して爪先部を形成し、上記他端の膨出部は上記爪先部よ り若干下の部分においてＹヒール編みを施して踵に対する引っ掛り作用の大きい 踵部を形成した構成を採用した。

【００１１】

【作用】

この考案の足カバーは上記のように前後に膨出部が形成されているため、足の 爪先と踵の部分が前後の膨出部内に十分に入り込むが、特に踵の部分が深く入り 込む。 このため、着用中に足カバーがずれるおそれがなく、しかもハイヒールを履い たときは足カバーが全く見えなくなって、きわめて体裁のよいものとなる。

【００１２】

【実施例】

図１ないし図３に示す実施例において、２１は開口で従来の長い靴下の開口と 同様にスパンデックスその他の細いゴム糸を横に挿入しながらゴム編を複数コー ス丸編みして所定巾の伸縮部２２を形成する。

【００１３】 伸縮部２２の編製につづいて複数コース丸編みして筒編部２３を若干の長さ編 製し、この筒編部２３の一端の部分にヒール編みを施して、通常の靴下のヒール 部と同じ形状の膨出部を一端に形成し、これを爪先部２４とする。

【００１４】 上記爪先部２４は通常の靴下のヒール編立と同様のくつ下編機のシリンダの正 転逆転を交互に繰返しながら網目数を増減して行うものであるが、爪先部２４は 一端側の複数ウエールに相当する編針のみで半回転動作を行って図１の斜めのゴ ア線２５を形成し、ついで正回転で全ての編針で筒編を行い、そののち、他端側 の複数のウエールに相当する編針のみで半回転往復動作を行って図１の横向きＹ 形のゴア線２６を形成して大きく膨出した踵部２７を形成する。

【００１５】 上記のような編立により、爪先部２４と踵部２７を筒編の両端に編製したのち 、裁断してその切口の部分をかがり縫目１９により縫着する。

【００１６】 上記の構成の足カバー２０は前後が膨出して爪先部２４と踵部２７となってい るから、これを着用して図３のようにハイヒール１２を履くと、足カバー２０は 完全にハイヒール１２内にかくれ、しかも素足１１の爪先と踵が足カバー２０の 爪先部２４と踵部２７に十分にはまり込んで外れることがない。

【００１７】 なお、上記の実施例において爪先部２４を編む際は図１のｂの範囲の編針のみ を作用させて減らし編みと増やし編みを行い、残りのａ、ｃの編針は休止させる 。また、踵部２７を編む際は図１のｃの範囲の編針のみを作用させて減らし編み と増やし編みを行い、ａ、ｂの編針は休止させる。例えば２８０本の編針により 丸編を行う靴下編機の場合、実施例ではａの範囲は片側８０針とし、ｂ、ｃは片 側それぞれ３０針とする。 すなわち、実施例の場合は片側１４０針の約４／５に当る１１０針を休止させ て爪先部２４と踵部２７を編んでいる。

【００１８】

【効果】

この考案の足カバーはその前後に縫目のない膨出部が爪先部と踵部として形成 してあるので、着用者の爪先と踵が足カバーの前後に入り込んで密着し、足によ くフィットする。従ってこの足カバーを着用してハイヒールを履いてもずれるお それがないので、ずれも気にならず、縫目は足裏となり、爪先や踵に縫目は達し ないのではき心地がよい。

【００１９】 また、足に完全にフィットしているので、使用する繊維を選ぶことにより、吸 汗性に富んだものや防寒、抗菌性、防臭性のあるものを製作できるなどの効果が ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の側面図

【図２】同上の斜視図

【図３】同じく着用状態の側面図

【図４】従来例の斜視図

【図５】他の従来例の斜視図

【図６】さらに他の従来例の斜視図

【図７】図４の従来例の着用状態の側面図

【図８】図５の従来例の着用状態の側面図

【図９】図６の従来例の着用状態の側面図

【符号の説明】

１９ かがり縫目 ２１ 開口 ２２ 伸縮部 ２３ 筒編部 ２４ 爪先部 ２５ 斜のゴア ２６ 横向きＹ形のゴア ２７ 踵部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口の周囲をゴム糸を編み込んだ所定巾
   の伸縮部とし、この伸縮部に連続して編製した筒編部の
   両端にヒール編みを施して膨出部を両端に有する短かい
   筒状体を編製し、この筒状体の下側開口を縫着して舟形
   とした足カバーにおいて、上記一端の膨出部は上記伸縮
   部に近い部分でヒール編みを施して爪先部を形成し、上
   記他端の膨出部は上記爪先部より若干下の部分において
   Ｙヒール編みを施して踵に対する引っ掛り作用の大きい
   踵部を形成したことを特徴とする足カバー。