JP3012464U - 透かし顔写真表示紙葉およびそれを用いた証明書類 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 身分証明用顔写真と照合するために用いられ
る透かし顔写真表示紙葉であって、合成樹脂製シートの
所定個所の表層部に、濃度階調を有する透かし顔写真が
彫像表現されている透かし顔写真表示紙葉である。この
透かし顔写真表示紙葉を綴込んでなるパスポート等の証
明書類である。 【効果】 本人確認が容易且つ確実にでき、そのために
パスポート等の証明書類について偽造を完全に防止する
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は身分証明用顔写真と照合するために用いられる透かし顔写真表示紙葉 およびそれを用いた証明書類に係り、さらに詳しくは、パスポート等の身分証明 用手帳、証明書類などにおいて、所要事項が記載された各紙葉と共に綴込んで用 いるれる透かし顔写真表示紙葉およびそれを用いた証明書類に関する。 本考案において、証明書類としては、パスポートの他、株券、預金通帳、パー ソナルチェック、自動車の登録証などを挙げることができる。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、パスポート等の各種証明書類に添付されている顔写真は、申請人が 各自撮影したものを各種証明書類の所定の紙葉面に糊で貼着し、偽造防止のため 押印し、その上に透明シールを貼ることにより用いられている。 しかしながら、上記のような写真貼着方法では簡単に剥離するため、他の写真 と貼り替えて偽造、あるいは変造される可能性があり、例えば、パスポート等を 盗難・紛出した場合に悪用されて不慮の損害を被ることがあった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案者は上記したような従来における問題を解決するため種々検討 を行なった結果、発行申請時の顔写真から合成樹脂製シートに顔写真を透かし彫 刻することにより、粘着した顔写真を他の写真に貼り替えても容易に判別可能と し、偽造を完全に防止できることを見出し、本考案を完成した。

【０００４】 即ち、本考案によれば、身分証明用顔写真と照合するために用いられる透かし 顔写真表示紙葉であって、合成樹脂製シートの所定個所の表層部に、濃度階調を 有する透かし顔写真が彫像表現されていることを特徴とする透かし顔写真表示紙 葉、が提供される。 さらに、本考案によれば、上記した構成を有する透かし顔写真表示紙葉を綴込 んで構成したパスポート等各種の証明書類、が提供される。

【０００５】

【作用】

本考案の透かし顔写真表示紙葉では、合成樹脂製シートの所定個所の表層部に 、直接濃度階調を有する透かし顔写真が彫像表現（透かし彫刻）されている。 そのため、粘着した顔写真を他の写真に貼り替えた場合であっても、当該顔写 真を本考案の透かし顔写真表示紙葉に表示された透かし顔写真と照合して比較・ 対比する（通常の透かし印刷と同様にチェックする）ことにより、正確に本人で あるかどうかの判別が容易にでき、偽造を完全に防止することができる。 また、本考案では、合成樹脂製シートの所定個所の表層部に直接透かし顔写真 が彫像表現されているため、耐久性に優れ、写真を貼り合せた場合に比して、摩 擦損傷が生じず、長期間の使用に耐えることができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本考案はこれ らの実施例に限られるものではない。 第１図はパスポートを開いた状態を示す斜視図である。

【０００７】 まず、約０．１mm〜０．２mm厚の合成樹脂製シートにより、例えば第１図に示 すようなパスポート１０の各紙葉１１と同形状に顔写真表示紙葉１２を形成する 。次いで、顔写真表示紙葉１２の適宜箇所１４に、従来通り写真添付されている 写真１３から、後述する従来公知の彫像装置により濃度階調を有する透かし顔写 真１５を彫像表現することにより、透かし顔写真表示紙葉を綴込んだパスポート を作製することができる。

【０００８】 第２図は従来公知の彫像装置を示しており、写真原稿から紙葉の適宜箇所に透 かし顔写真、あるいは顔写真を彫像表現する機構を説明する構成図で、特公昭５ ４−３１４１０号公報、特公昭５４−２５４５１号公報などに開示されているも のである。 第２図において、２１は光源ランプと光増倍管を有する走査ヘッド、２２は上 下振動する彫刻針を有する彫刻ヘッドである。この両ヘッドの下には、それぞれ 写真原稿２８を載置する原稿台２３と紙葉２９を載置する彫刻台２４があり、二 つの台はスイングレバー２５を通してスイングアーム２６で連結されている。

【０００９】 以上の構成において、走査ヘッド２１内の光源からのスポットは写真原稿２８ の一点を照らし、この点からの反射光は光増倍管に入り、光増倍管からは写真原 稿２８からの反射光量、即ち写真原稿２８の濃淡に応じた光電流が生じ、この光 電流は適当な計算増幅回路を通って彫刻ヘッド２２の針の紙葉２９（正確には、 紙葉２９の適宜箇所に設けた着色彫刻台座層）に切込む深さを制御する。

【００１０】 針の先端は角錐体をなしているので、深く切込めば凹孔の面積は大きくなり、 紙葉２９面に残された面積は小さくなる。即ち、写真原稿２８のハイライト部を 表わすことになる。反対に浅く切込めば凹孔の面積は小さく、残された面積は大 きくなり、写真原稿２８のシャドウ部を表わすことになる。これにより濃度階調 を有する透かし顔写真等の彫刻画像を形成する。

【００１１】 彫刻台２４の往復運動方向の「線数」は濃淡に応じた針の上下動に、更に希望 する線数と台の往復運動の速度に応じて一定周期を持つ断続運動を加え合わせる ことで決定する。 彫刻台２４の一回の往復運動で一線を切削し終ると、版の線数に応じた一ピッ チだけ彫刻ヘッド２２およびこれと横送りレバー２７で連絡されている走査ヘッ ド２１が横に移動し、再び彫刻台２４の往復運動で一線を切削していく。

【００１２】 このような操作により、任意の顔写真表示紙葉１２（合成樹脂製シート１）の 適宜箇所の表層部、あるいは紙葉１２の中に埋設されている着色彫刻台座層２の 部分を切削し、写真原稿２８上の任意の顔写真の透かし画像、あるいは白黒濃淡 画像を作製することができる。 顔写真表示紙葉１２を形成する合成樹脂製シート１としては、特に種類を限定 するものでなく、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等従来公知のプラ スチック材料からなるシートが用いられる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案の透かし顔写真表示紙葉およびそれを用いた証明書 類によれば、添付写真を貼り替えた場合でも、本考案の彫像表現された透かし顔 写真は取り替えることはできないため、本人確認が容易且つ確実にでき、従って パスポート等の身分証明用手帳、証明書類などに極めて有効に用いることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】パスポートを開いた状態を示す斜視図である。

【図２】従来公知の彫像装置を示す構成図である。

【符号の説明】

１…合成樹脂製シート、１０…パスポート、１１…パス
ポートの各紙葉、１２…顔写真表示紙葉、１３…写真、
１４…顔写真表示紙葉の適宜箇所、１５…透かし顔写
真、２１…走査ヘッド、２２…彫刻ヘッド、２３…原稿
台、２４…彫刻台、２５…スイングレバー、２６…スイ
ングアーム、２７…横送りレバー、２８…写真原稿、２
９…紙葉。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 身分証明用顔写真と照合するために用い
   られる透かし顔写真表示紙葉であって、合成樹脂製シー
   トの所定個所の表層部に、濃度階調を有する透かし顔写
   真が彫像表現されていることを特徴とする透かし顔写真
   表示紙葉。
2. 【請求項２】 請求項１記載の顔写真表示紙葉を綴込ん
   で構成したことを特徴とする証明書類。
3. 【請求項３】 パスポートである請求項２記載の証明書
   類。