JP3011939B2 - 組換えミコバクテリア・ワクチン - Google Patents

組換えミコバクテリア・ワクチン

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JP3011939B2 JP63502787A JP50278788A JP3011939B2 JP 3011939 B2 JP3011939 B2 JP 3011939B2 JP 63502787 A JP63502787 A JP 63502787A JP 50278788 A JP50278788 A JP 50278788A JP 3011939 B2 JP3011939 B2 JP 3011939B2
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    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は導入された外来のDNAを表現しうる組換えミ
コバクテリアに関する。
背景の技術 免疫感作 外来抗原(例えば病原菌又は毒素)に対する免疫は受
動トランスフア(transfer)又は能動誘導によつて付与
することができる。前者の場合には、外来の蛋白質病原
体に対する抗体を個体に注射し、結果として短期間の保
護が付与される。後者の場合には、病原体の無害な(無
毒の)形態、病原体の一成分、又は毒素の改変形態(変
性毒素)の注射が個体の免疫系を刺激し、長期の保護を
付与する。
能動免疫は、個体の免疫系が十分であるならば適当な
抗原を用いて免疫系を刺激することによつて誘導するこ
とができる。例えばこの方法で病原体の無毒の又は弱毒
化した形態を用いて免疫感作(予防免疫接種)すること
により、直接的な免疫応答並びに免疫学的「記憶」がも
たらされ、斯くして長期の保護も付与される。一般にワ
クチンは、病原体の抗原決定基を含み且つ斯くして免疫
応答を引き出す病原体又は感染剤の不活性された、非病
原性の又は弱体化された形態を含む。同様に微生物、植
物及び動物によつて産生される抗原物質である毒素は変
性毒素に転化することができる。即ちそれらはその毒性
を破壊するがその抗原性を保持するように改変すること
ができ、結果として抗毒素抗体の産生を刺激し、能動免
疫を作り出す。そのような変性毒素は毒素に対するワク
チンに対して使用することができる。
感染性病原体の変形された形態の投与による免疫応答
の刺激を含む場合及び変性毒素の投与を含む場合の双方
において、現存する方法は一般に効果的であるが、ワク
チンによる副作用及び死の起こることが知られている。
今や病原体の抗原決定基のより良い知識と遺伝子工学
/組換えDNA技術の適用によつて、より安全なワクチン
が開発されつつある。例えば免疫応答を引き出すことが
知られている蛋白質抗原の一成分(例えば抗原決定基)
であるポリペプチドを(例えば問題のポリペプチドをコ
ードするDNAの化学合成又は表現により)作ることが可
能である。ポリペプチドの宿主への投与に続いて、宿主
は抗原決定基に免疫応答する。そのようなポリペプチド
の使用は生の又は弱体化したワクチンの使用に付随する
感染の危険が伴なわない。
免疫感作(ワクチンの投与)は通常の及び広く行なわ
れている方法であり、用いるワクチンはウイルス種の死
んだ微生物、弱体化した種の生きた微生物、及び微生
物、菌、植物、原生動物或いは後生動物の誘導体又は産
生物の調製物を含めて、本質的に「活性な免疫学的予防
に対して意図されたいずれかの調製物」であつてよい。
ステツドマンの図解医学辞典(Stedman's Illustrated
Medical Dictionary)(第24版)、ウイリアムズ・
アンド・ウイルキンス(Williams & Wilkins,Baltim
ore)、1526頁(1982)。多くの場合、ワクチンは効果
的な保護を誘導するために1個よりも多く投与しなけれ
ばならない。例えば公知の抗毒素ワクチンは多数回の投
薬量で与えなければならない。
子供の時代の予防接種は普通のことであり、一般に健
康のサービスが容易に受けられる且つ多数回の予防接種
(例えば多数の病原体に対する免疫感作及び単一の病原
菌に対する連続的な又は多数の免疫感作)が可能である
発達した国々において成功している。発展途上の世界で
は、予防接種はかなり一般的なものでなく、またかなり
問題を含んでいる。例えば発展途上の世界で毎年生れる
100万人の子供の約20%だけがジフテリヤ、百日咳、破
傷風、風疹、小児マヒ、及び結核に対して予防接種され
ているにすぎない。毎年発展途上国では5百万人の子供
が死に且つ他の5百万人の子供は適当な免疫感作が可能
であるならば防げたこれらの病気によつて肉体的に又は
精神的にかたわになつている。1回の投与で長期間の免
疫を付与することのできる効果的なワクチンが存在すれ
ば、勿論発達した及び発展途上の双方の国々において有
用であろう。
成人の予防接種も成人の多くの病気を防ぐために役立
つが、子供の場合と同様に、発展途上国では特に多数回
の免疫感作が必要ならば行なうのが困難であることがわ
かる。中でもハンセン病、マラリヤ、結核、及び小児マ
ヒのような病気は、アフリカ、アジア、及びラテンアメ
リカにおいて成人の間で高い発病率を示し、年々数千の
死者を出している。
主な病気に対するワクチンを開発するのに多くの努力
が費やされ、最近外来の遺伝子を発現(本明細書では
「表現」と称する場合あり)する組換えワクチン・ビヒ
クル(vehicles)(例えば遺伝子工学で処理されたウイ
ルス)が考慮されている。例えばウイルス抗原がワクシ
ニア・ウイルス中に挿入された組換えワクシニア・ウイ
ルスが開発された。例えばB型肝炎遺伝子、インフルエ
ンザ・ウイルス遺伝子又は狂犬病ウイルス抗原をコード
するDNAはワクチンを製造するための努力においてワク
シニア・ウイルスDNAにスプライシング(splice)され
た。パニカリ(Panicali)、D.ら、国立科学アカデミー
紀要(Proceedings of the National Academy of
Science)、USA、80、5364〜5368(1983);オーア
(Orr)T.、遺伝子工学ニユース(Genetic Engineerin
g News)、17頁(1985年3月);パオレツチ(Paolett
i)、E.及びD.パニカリ、米国特許第4,603,112号。
しかしながら、そのような組換えワクシニア・ウイル
スがワクチンとして少くとも2つの重要な欠点をもつて
いるということは広く同意されている。第1に、処置で
きないワクシニア・ウイルスと関連した重大な死亡及び
死亡率(1:100,000)が見られる。第2に、ワクシニア
・ウイルスに予じめ露呈された個体の組換えワクシニア
の予防接種は満足しうる免疫感作値を与えるのにしばし
ば失敗した。フエンナー(Fenner)、F.、ワクチン開発
への新手法(New Approaches to Vaccine Developm
ent)、R.ベル(Bell)及びG.トリギアニ(Torrigian
i)編、シユワベ社(Schwabe & Co.)、187頁(198
4)。
今日まで、与えられた病原体に対する免疫を誘導する
多くの場合に有効であるけれども、1回以上投与しなげ
ればならない、また長期間の基準において病原体から保
護することができないワクチンが開発されてきた。更に
多くの場合(例えばハンセン病、マラリヤなど)、効果
的なワクチンが依然として開発されなければならない。
ミコバクテリア ミコバクテリア(Mycobacteria)は人間及び動物の主
たる病原体である。例えば結核は一般に人間の場合にミ
コバクテリウム・ツバーキユロシス(Mycobacterium
(M.)tuberculosis)により、また家畜の場合に(これ
は人間及び他の動物に伝染しえて、その結核を誘発す
る)ミコバクテリウム・ボビス(bovis)により引き起
こされる。結核は広く存在しており、特に発展途上国の
場合重要な公衆の健康問題である。世界では約千万の結
核例があり、年々3百万人が死亡する。結核に対する国
際連合及び世界健康機構の合同研究グループ、ツバーク
ル(Tubercle)、63、157〜169(1982)。
M.レプラエ(leprae)により引き起こされるハンセン
病は主に発展途上国において千万人の人間を苦しませて
いる。ブルーム(Bloom)、B.P.及びT.ゴーダル(Goda
l)、感染病総覧(Review of Infections Disease
s)、、657〜679(1984)。アビウム(avium)−イン
ダーセルラレ(intercellulare)−スクロフラセウム
(scrofulaceum)(MAIS)群の結核及びミコバクテリア
は免疫不全症(エイズ)をもつ患者の主にかかりやすい
病原体である。病気駆除センター(Centers for Dise
ase Control)、死亡率及び死亡週報(Morbility and
Mortality Weekly Report)、34、774(1986)。M.
プシユードツバーキユロシス(pseudotuberculosis)は
家畜の主な病原体である。
一方M.ボビスの無毒性種であるバシル・カルメツト−
グエリン(Bacille Calmette−Guerin、BCG)は世界中
で最も広く使用されている人間のワクチンであり、50年
以上にわたつて生ワクチンとして使用されてきた。過去
35年において、それは5億人以上の人間に投与された
が、副作用は稀であつた(例えば推定死亡60人/億
人)。BCGは多くの研究において結核に対して保護効果
を有することが発見されている。しかしながら最近、そ
れが南インドにおいて結核を防止するのに有効でないこ
とが発見された。結核防止の試み、マドラス、インデイ
アン・ジヤーナル・オブ・メデイカル・リサーチ(Indi
an Journal of Medical Research)、72、1〜74
(1980)。
即ちBCGを含めて多くのワクチンは存在するけれど、
それらは限られた免疫応答を誘導し、多数回投薬しなけ
ればならず、及び/又は副作用があるから価値が限定さ
れる。他の事例(例えばハンセン病、マラリア)におい
て、ワクチンは単純には存在しない。関連する病原体に
対するワクチン、即ち副作用なしに病原体から保護する
のに十分に免疫を長期間刺激するワクチンが存在するな
らば、それは非常に有用である。
発明の概略 本発明は遺伝子工学の技術を用いて導入された興味あ
るDNAを表現する遺伝子組換えの(遺伝子工学的に処理
した)培養しうるミコバクテリアに関し、そしてDNAを
ミコバクテリアに導入して遺伝子組換えミコバクテリア
を生産する方法に関する。得られる遺伝子組換えミコバ
クテリアは、問題のDNAを表現しうるビヒクルとして、
例えば保護抗原(即ち宿主の免疫応答を引き出しうる抗
原)を表現するワクチン・ビヒクル、例えば問題の病原
体の1種又はそれ以上に対するもの或いは抗繁殖性ワク
チン・ビヒクルを生産するのに有用なものとして特に有
用である。興味ある病原体はウイルス、微生物、或いは
病気を引き起こす他の有機体又は物質(例えば毒素又は
変性毒素)を含む。
更に本発明は、宿主の保護免疫を引き出すために宿主
に組換えミコバクテリウムを予防接種する方法に関す
る。更に本発明は異なる微生物属間で遺伝子物質を伝達
(本明細書では「転写」と称する場合あり)する方法に
関し、そして異なる微生物属間での遺伝子物質の転写に
有用なシヤトル・プラスミドとして言及される遺伝子工
学によるベクター(vector)に関する。シヤトル・プラ
スミドはバクテリア(例えば大腸菌)においてプラスミ
ドとして、またミコバクテリアにおいてフアージとして
複製する。これはミコバクテリア例えばミコバクテリウ
ム・スメグマチス(M.smegmatis)、及びミコバクテリ
ウム・ボビス−BCG(BCG)中に、他の起源(例えばM.ス
メグマチス又はBCG以外の起源)からのDNAを導入するこ
とを可能にした。更に、本発明は組換えの培養しうるミ
コバクテリウムによつて表現される抗原の、ワクチンと
しての或いは診断試剤に対する使用法に関する。
特に本発明は、問題の病原体(ウイルス、微生物或い
は病気を誘導する他の有機体又は物質のいずれか)1種
又はそれ以上をコードしたワクチン・ビヒクル以外の起
源からのDNA(外来DNAと言及)を表現する遺伝子組換え
BCG又は遺伝子組換えM.スメグマチスであるワクチン・
ビヒクルに関する。本発明のワクチン・ビヒクルは受精
を妨害する(例えば受胎調節剤として有用なワクチン)
のに有用な抗原をコードするDNAも表現する。
保護抗原が組換えワクチンによつて表現しうる病原体
は、ミコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium lep
rae)、ミコバクテリウム・スバーキユロシス(Mycobac
terium tuberculosis)、ミコバクテリウム・イントラ
セルラレ(Mycobacterium intracellulare)、ミコバ
クテリウム・アフリカナム(Mycobacterium africanu
m)、ミコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium av
ium)、マラリア・スポロゾイテス(malaria sporozoi
tes)及びメロゾイテス(merozoites)、ジフテリア変
性毒素、破傷風変性毒素、リーシユマニア(Leishmani
a)、サルモネラ、いくつかのトレポネマ(Treponema)
属、百日咳変性毒素及び他の抗原決定基、ウイルス[風
疹、耳下腺炎、インフルエンザ、住血吸虫性皮膚炎(Sc
histosoma)、赤痢、ナイセリア(Neisseria)、ボレリ
ア(Borrelia)、狂犬病、小児マヒウイルス、人間の免
疫不全ウイルス(HIV)、HILV−I、HILV−II、並びに
蛇及び昆虫の毒液を含むが、これに限定されるものでな
い。
本発明の1つの具体例において、そのような保護抗原
をコードする外来のDNAを表現しうる組換えミコバクテ
リアは、問題の保護抗原をコードする遺伝子(単数又は
複数)をミコバクテリアのゲノム中に組込むことによつ
て生産される。単一の抗原をコードする遺伝子或いはそ
れぞれ抗原をコードする2つ又はそれ以上の遺伝子を、
ミコバクテリウムの複製に必須でないミコバクテリアの
ゲノム領域に挿入する。それぞれ問題の抗原をコードす
る1つ又はそれ以上の遺伝子を、ミコバクテリアへの導
入後にミコバクテリアの染色体中に組込み、続いて染色
体DNAで表現することのできる溶原性のバクテリオフア
ージ中に挿入することも可能である。他に問題の抗原を
コードする遺伝子を、遺伝子の表現が染色体外的に(例
えばエピソーム的に)起こるようにミコバクテリア中に
挿入することができる。例えば問題の遺伝子をミコバク
テリアのプラスミド中へクローン化し、そして培養しう
るミコバクテリア中に導入する。この結果それはエピソ
ーム的複写(染色体外的複写)を受ける。
本発明のワクチンは現存するワクチンよりも重要な利
点を有する。第一にミコバクテリアは最も良く知られた
ものの中でアジユバント(adjuvant)性を有し、従つて
受体免疫系を、大きな効果でもつて他の抗原に応答すべ
く刺激する。これは、それが細胞介在の免疫性を誘導し
且つ斯くして細胞介在免疫性が耐性に対して決定的であ
るように見える場合に病原体に対する免疫性を提供する
のに特に有用であるであろうから、ワクチンの特に有用
な観点である。第二に、ミコバクテリアは長期間の記憶
又は免疫を刺激する。結果として、蛋白質抗原に対して
長期間の敏感性を作り出すために、単一(一回)の接種
で済ますことができる。即ち単一の接種は感性が5〜50
年間持続しうる。本発明のワクチン・ビヒクルを用いる
ことにより、長期に持続するT細胞の記憶の発火点とす
ることができ、これが感染性剤又は毒素を中和する2次
的な抗体応答を刺激する。これは例えば破傷風及びジフ
テリヤの毒素、百日咳、マラリア、インフルエンザ、疱
疹ウイルス及び蛇の毒液に対して有用である。
BCGは特に、1)それが誕生時に現在投与されている
小児時代だけのワクチンである;2)過去40年において、
それは結核に対するワクチンとして投与した時副作用の
例が非常に低かつた;及び3)それが個体に繰返し(例
えば多数回の形態で)使用できる、という点でワクチン
・ビヒクルとして重要な利点を有する。
特にBCG並びに一般にミコバクテリアの更なる利点
は、ゲノムの大きかが大きいことである(長さが約4×
106hp)。ゲノムが大きいから、それは新しい(即ち外
来の)DNAを多量に保有することができ、斯くしてマル
チ−ワクチン・ビヒクル(即ち1つよりも多い病原体に
対する保護抗原をコードする外来のDNAを保持するも
の)を作るために使用できる。
本発明の遺伝子工学によるベクターは、異なる微生物
属間で遺伝子物質を転写することに用いる点で独特であ
る。特にベクターは遺伝子的にミコバクテリオフアージ
にスプライシング(splice)されたバクテリア・プラス
ミドからのDNAを含んでなる。得られる組換えシヤトル
・ベクターは、大腸菌のコスミド[ラムダ付着末端部位
(COS)を含む大腸菌プラスミド]がクローン化された
頭部を切つたミコバクテリオフアージDNA分子を含む。
これはその大腸菌におけるプラスミド(この場合それは
薬剤例えばアンピシリン耐性を表現する)としての及び
ミコバクテリアにおけるフアージとしての複製能力が故
にフアスミドとして表現される。例えば大腸菌からのプ
ラスミドのDNAは遺伝子的にミコバクテリオフアージTM4
にスプライシングされ、その結果シヤトル・フアスミド
phAE1を産生する。シヤトル・フアスミドの使用は大腸
菌において遺伝子物質を取り扱うことを可能にし、次い
でこれを効果的に培養しうるミコバクテリア(例えばBC
G、M.スメグマチス)中に転写することを可能にする。
斯くして第一に外来DNAを感染によつてミコバクテリア
に導入することができる。
問題の病原体をコードする遺伝子或いは1つより多い
問題の病原体をコードする1つより多い遺伝子を、それ
らが表現されるミコバクテリア例えばBCG及びM.スメグ
マチス中に導入することにより、現存するワクチンと異
なつて1つ又はそれ以上の病原体に対して長期間の免疫
を提供することの出来るワクチンを製造することが可能
である。この長期間の免疫は1回の予防接種で及び接種
したものに副作用が非常に起こりにくい状態で付与する
ことができる。
図面の簡単な説明 第1図はミコバクテリウム・スメグマチスのスフエロ
プラストの、ミコバクテリオフアージD29DNAでのトラン
スフエクシヨンの結果を示す。
第2図は、シヤトル・フアスミドphAE1の製造の概略
図である。
第3図はKpn Iで消化(本明細書では「そしゃく」と
称する場合あり)されたミコバクテリオフアージTM4DNA
及びシヤトル・フアスミドphAE1DNAの、エチジウム・ブ
ロマイドで染色した0.7%アガロースゲル(パネルA)
及びpHC79をプローブとして用いることによるフアスミ
ドphAE1のサザーン・ブロット(Southern blot)分析
(パネルB)を示す。
パネルAにおいて、レーン1はヒンド(Hind)IIIで
そしゃくしたラムダDNAを含み;レーン2及び3はKpn I
でそしゃく切断する前に連結してない(レーン2)又は
連結した(レーン3)TM4DNAを含み;レーン4及び5は
M.スメグマチス上で増殖されたフアージ粒子から単離さ
れたphAE1DNA(レーン4)及びプラスミドとしての大腸
菌細胞から単離されたphAE1(レーン4)を含む。ここ
に矢印は付着端(cohesive end)で連結した時に3.9Kb
フラグメントを形成する2.1Kb及び1.8Kbフラグメントを
指していることを特記する。
パネルBにおいて、バイオトランス(Biotrans)ナイ
ロン膜(ICN)上に浸みこませ且つ32P−dCTPでニック・
トランスレーシヨン(nick translation)したpHC79DN
Aで検出した後のパネルAのオートラジオグラフを示
す。
第4図はphAE1のBCG上での複製を示す。これは、他の
ミコバクテリア上でなくて結核菌及びBCG上でのプラー
ク(plaque)に対して公知のミコバクテリオフアージで
あるDS6A;M.スメグマチス上であってBCGでないプラーク
に対して公知のフアージ33D;及び両種上でのプラークに
対して公知のフアージTM4によるBCGのグラクソ(Glax
o)ワクチン種の溶解を比較する。
第4A図はフアージによるBCGの溶解を示す。10-1希釈
で用いたフアージの力価(pfu/ml)は、結核菌H37Ra上
でDS6a、2×106;M.スメグマチスmc26上で33D、2×1
06;及びmc26上でTM4、3×108;及びmc26上でphAE1、3
×108であった。フアージの希釈物(5μ)を、108
のBCG細胞を含む軟い寒天の上層上にスポットした。37
℃で10日間の培養後の得られた溶解を写真にした。
第4B図はphAE1におけるコスミドDNAの存在物を示す。
これらのプレート上プラーク・リフト(lift)は下記の
如く行ない、そして32Pで標識したpHC79DNAで交雑化
し、これに次いでオートラジオグラフイーにかけた。
第4C図はシヤトル・フアスミドのphAE1フアージ粒子
の電子顕微鏡図である。CsClグラジエント上で精製した
フアージ粒子を、カーボンを被覆し且つパーロイドン
(Parloidon)を被覆したグリッド上に置き、1%ホス
ホタングステン酸1滴を落し、洗浄した。電子顕微鏡写
真はJEOL 1200EX電子顕微鏡を80kV、30000Xで用いて撮
った。
発明の詳細な説明 ミコバクテリウム・ボビス−BCG(BCG)は世界中で広
く使用されている無毒のM.ボビス誘導体であり、そして
その効果が最近問題になってきたけれども、結核からの
保護のために通常使用されている。ミコバクテリウム・
スメグマチスは、BCGと抗原性及びアジユバンド性を共
有する非病原体杆菌である。両方とも培養で容易に生長
せしめうる。
両ミコバクテリアは細胞中介の免疫の誘導に対して優
秀なアジユバンド活性を有し、長期の記憶(免疫)を刺
激し、そしてその使用と関連した死亡の低さが故に、組
換えワクチンとして優秀な候補者である。即ちそれらは
問題の遺伝物質(免疫応答が求められている1つ又はそ
れ以上の抗原体をコードするDNA)が挿入でき且つ続い
て表現できるビヒクル(ワクチン・ビヒクル)として用
いるのに優秀な候補者である。遺伝子のすべて又は一部
であってよい且つミコバクテリアに導入されるそのよう
なDNAは本明細書において外来のDNAとして言及される。
そのようなビヒクルは、抗原が外来DNAでコードされて
いる病原体に対して免疫を与えるワクチンとして使用す
ることができる。またそれらは抗受精「ワクチン」ビヒ
クルとしても使用しうる。例えば人間の生殖腺刺激ホル
モン(HGH)フラグメントのような抗原をコードしてい
るDNAを含むミコバクテリアは抗受精ワクチンとして使
用でき、また受胎調節剤として投与することができる。
外来DNAは、このDNAを導入するミコバクテリア以外の起
源からのDNA(例えばBCGの場合、BCG以外のDNA)であ
る。病原体はウイルス、微生物、或いは病気を引き起こ
す他の微生物又は物質である。ミコバクテリアは、大き
いゲノム(例えばBCGのゲノムは長さが約4×106bpであ
る)を有するから、多量の新しい(外来の)DNAを保持
することができ、従ってマルチ−ワクチン・ビヒクルと
して役立つ。
しかしながら今日まで、プラスミドDNAを用いてミコ
バクテリアを形質転換することは可能でなかった。これ
は、溶原性(即ちミコバリテリア自体の溶解なしに、他
の種の一般的な溶解を培養中に誘導すること)及びトラ
ンスフエクシヨンがいくつかの種について記述されてお
り且つ多種類のミコバクリオフアージが存在するにもか
かわらず、分子生物学の知識及びミコバクリアの遺伝学
が多くの微生物類のそれよりも多分に進歩していなかっ
たということに一部原因しよう。
ワクチン・ビヒクルとして使用すべき組換えミコバク
テリウムの開発研究の主な目的は、産生物が1つ又はそ
れ以上の病原体に対する保護にとって重要である遺伝子
の表現を指示するDNAベクターをミコバクリアに導入す
ることである。今や本発明の方法及びシヤトル・ベクタ
ーを用いることにより、外来のDNAを培養しうるミコバ
クテリアに導入することが可能である。ここに外来のDN
Aは問題の抗原1つ又はそれ以上をコードするDNAを含ん
でなる。本発明のシヤトル・ベクターは、それがバクテ
リアにおけるプラスミドとして及びミコバクテリアにお
けるフアージとして複製することに独自性がある。特別
な具体例において、シヤトル・フアスミドとして言及さ
れるシヤトル・ベクターは特異的な付着端(又はCos部
位)の2の種を含む;1つは大腸菌において機能するラム
ダフアージ及び1つはミクロバクテリア(例えば、コバ
クテリアにおいて機能するミコバクテリオフアージTM)
に対するもの。即ちそれは2組の付着端を含む。それは
ラムダに対して1組及びミコバクテリアに対して1組を
含むから、両方に導入することができる。ランダCOSシ
ーケンス存在は、大きいDNA分子を大腸菌へ効果的にク
ローン化するためにラムダ試験管内パッケージ(packag
ing)系を利用すコスミド・クローン化の効果的な技術
を用いることも可能にする。更にシヤトル・ベクター
は、抗原をコードするDNAを挿入することができる独特
なEcoR I部位を有する。斯くしてベクターは組換えDNA
分子のミコバクテリアへの導入を許容するトランスフエ
クシヨン系を開発することを可能にした。
問題の遺伝子物質をミコバクテリア中に導入して本発
明の組換えミコバクテリアを生産するにはいくつかの手
段がある。例えば問題のDNAは、シヤトル・フアスミ
ド、特に溶原性のシヤトル・プラスミド(例えば細胞を
溶原化しうるフアージ)中にクローン化することによっ
てミコバクテリア細胞中に安定に導入することができ
る。この方法による問題のDNA(外来DNA)の導入は、そ
のDNAの、ミコバクテリアの染色体中への組込みをもた
らす。他にプラスミド・ベクターを用いて、外来DNA
を、そのDNAが染色体外的に表現されるミコバクテリア
中に導入することができる。
外来DNAを導入し且つこれをフアージなしに宿主染色
体中に連結せしめることも可能である。例えばこれは対
応(homologous)組換え、部位特異的組換え、又は非対
応組換えにより(例えば宿主の染色体物質中へのランダ
ムな挿入をもたらすトランスポソンを用いることによ
り)達成することができる。
本発明のシヤトル・ベクターを用いることによって外
来のDNA(即ち問題の病原体1つ又はそれ以上に対する
抗原1つ又はそれ以上をコードするDNA)をミコバクテ
リア例えばBCG中に成功裏に導入するために、次の一般
的な手法に従う。以下はM.スメグマチス及びBCGに関し
て記述されるけれども、それは異質のDNAを他のミコバ
クテリア中に導入するためにも使用することができ且つ
外来DNAを含有するこれらの他のミコバクテリアはワク
チン・ビヒクルとしても使用しうることが理解される。
ワクチン−ビヒクルとして使用すべきミコバクテリア
(例えばBCG及び結核菌)がゆっくり生長する場合、M.
スメグマチスを介し(即ちこれに問題の抗原をコードす
るDNAを導入し)、続いてBCGに導入することが特に有用
である。
DNAをミコバクテリアに転写するためのシヤトル・ベク
ターの開発ミコバクテリオフアージDNAの、M.スメグマ
チスへのトランスフエクシヨン ミコバクテリア中でのDNAの取扱いを可能にする系を
開発するためには、最初にDNAを杆菌に転写する効果的
な手段を開発することが必要であった。用いた技術は、
ストレプトマイシス(Streptomyces)に対するスフエロ
プラスト(Spheroplast)の製造に関してオカニシ及び
ホプウツド(Hopwood)に記述されているものの改変法
であった。ストレプトマイシスはミコバクテリアのよう
にアクチノマイセタレス(Actinomycetales)である。
オカニシ、M.ら、マイクロバイオロジー(Microbiolog
y)、80、389〜400(1974);ホプウツド、D.A.及びH.
M.ライト(Wright)、モレキユラー・ジエネテイクス
(Molecular Gentics)、162、307〜317(1978)。M.
スメグマチスに関して用いるためのこの技術の改変は、
DNA分子の、バクテリア・スフエロプラスト中への組込
みを容易にするためにポリエチレングリコールの添加と
組合せることであった。
ミコバクテリアを変性するためのプラスミドにおいて
有用な選択しうる抗生物質耐性マーカーが存在しないか
ら、DNAのミコバクテリアへの転写に対して最適な条件
を評価するために選択した系は溶解性のミコバクテリア
フアージからのDNAのトランスフエクシヨンであった。
そのような系の2つの利点は、得られる結果が定量的で
あり且つ24時間以内にプラークとして容易に可視化しう
ることである。
ミクロバクテリオフアージDNAの、M.スメグマチスへ
のトランスフエクシヨンは実施例1に詳細に記述され
る。概述すると、最初にポリエチレングリコールを用い
ることにより細胞壁のすべて又は一部が除去されたミク
ロバクテリア(即ち原形質体又はスフエロプラスト)中
にDNAを導入した。トランスフエクシヨンの実験をミコ
バクテリオフアージD29からのDNAを用いて開始した。こ
れは多種のミコバクテリア上で増殖して、M.スメグマチ
ス上に大きい透明なプラークを生成した。M.スメグマチ
ス上で調製されたD29フアージのプレート溶解物は一貫
して溶解物1ml当り1011pfu(プラーク生成単位)以上を
生成した。収穫したフアージをCsCl平衡グラジエント上
で2回精製した。それは平衡浮揚密度1.51にバンドを形
成した。フアージDNAをプロテイナーゼKでの処理及び
フエノール−クロロホルムでの抽出により抽出した。連
結した及び連結してないD29DNAの制限(restriction)
分析は、フアージのゲノムDNAが二重ら線であり、寸法
が50kbであり、そして付着端を有することを示した。
M.スメグマチスのスフエロプラストの、ミコバクテリ
オフアージD29DNAによるトランスフエクシヨンの結果を
第1図に示す。103 104pfu/D29DNAugの効率が得られ
た。即ちこれはミコバクテリアに対する最初の有効なト
ランスフエクシヨン系を示す。これらのプラークがM.ス
メグマチスのトランスフエクシヨンの結果であるという
ことは、次のことによって示された:(i)トランスフ
エクシヨンがDNアーゼにより壊滅された;(ii)処理し
た細胞の滲透圧シヨツクが産生的トランスフエクシヨン
を妨害した;そして(iii)M.スメグマチスのD29フアー
ゼ耐性変位体に由来するスフエロプラストが親種に匹敵
する頻度でトランスフエクシヨンした。これらの技術の
更なる向上は、105pfu/D29DNAug以上の頻度を得ること
を可能にした。
外来DNAのミコバクテリア中への導入 重要な工程は、大腸菌におけるミコバクテリアのDNA
構築物(constructs)の取扱い及び増殖並びに続くミコ
バクテリア中への転写及びそこでの複写の双方を可能に
するベクターの開発であった。特に外来のDNAを、迅速
に生長する非病原性ミコバクテリア(例えばM.スメグマ
チス)、並びにゆっくり生長するミコバクテリア(例え
ばBCG及び結核菌)中に導入する可能性をもつことは非
常に望しい。プラスミドはMAIS複合体中のいくつかのミ
コバクテリア種中に及びM.フオルツイタム(fortuitu
m)中に見出されているけれど、M.スメグマチス、BCG、
又は結核菌内で複製するものは未だに記述されていな
い。1つの例外はあるが、これらのプラスミドはいずれ
もが選別しうるマーカーを有さない。クロウフオード
(Crawford),J.T.及びJ.H.ベイツ(Bates)、インフエ
クシヨンズ・アンド・イミユニテイー(Infections and
Immunity)24,979〜981(1979);ミズグチ,Y.ら、ジ
ヤーナル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacte
riology),146,656−659(1981);マイスナー(Meiss
ner),P.S.及びJ.O.フアルキンハム(Falkinham),ジ
ヤーナル・オブ・バクテリオロジー,157,669〜672(19
84)。これに対し、M.スメグマチス、BCG、及び結核菌
中で複製する種々のフアージが種の隔離のために記述さ
れ且つ使用されてきた。
用いた方策は、大腸菌中でプラスミドとして及びミコ
バクテリア中でフアージとして複製するベクターを構築
することであった。このシヤトル・プラスミドの開発を
達成する1つの方法は、ミコバクテリアDNAが大腸菌中
で良好に表現されないから、大腸菌宿主を溶解しないで
あろう機能的ミコバクテリオフアージのゲノムをプラス
ミド・ベクター中にクローン化することが可能である筈
であるという考えに基づいた。斯くしてそれは両種の有
機体中で複製しうるであろう。M.スメグマチスのトラン
スフエクシヨンはミコバクテリオフアージ粒子を生成す
るであろうから、外来DNAの、ゆつくり生長するミコバ
クテリア(例えばBCG)中への導入はフアージ感染によ
り達成できた。ストレプトマイシスに対する2機能性ベ
クターは、スアレズ(Suarez)によって記述されてい
る。スアレズ、J.E.及びK.F.チヤター(Chater)、ネー
チヤー(Nature),286,527〜529(1980)。大腸菌にお
いて二重の性質をもつラムダーCo1E1ベクターはブレン
ナー(Brenner)及び共同研究者によってプラスミドと
して言及された。ブレンナー,S.ら、ジエン(Gene),1
7,27〜44(1982)。
この目的のために、ミコバクテリオフアージTM4を用
いた。TM4はM.アビウムから単離される溶原性フアージ
であると報告されている。チンメ(Timme),T.L.及びP.
J.ブレンナン(Brennan),ジヤーナル・オブ・ジエネ
ラル・マイクロバイオロジー(Journal of General Mic
robiology),130,205〜209(1984)。それはM.スメグ
マチスを溶解するフアージであると特徴づけられた。そ
れはM.スメグマチス、BCG、及び結核菌中で複製するこ
とが示され、そして溶原性であると報告された。このフ
アージも50kbの二重ら線のDNAゲノムを有し、そして付
着端をもつ。しかしながら、同様の特性をもつ他のミコ
バクテリオフアージを用いることも可能である。TM4で
使用されるものとして記述される次の方法はベクターを
構築するに際してそのような他のミコバクテリオフアー
ジで使用することも可能である。
大腸菌中でプラスミドとして及びミコバクテリア中で
フアージとして複製するベクターを生じさせるために大
腸菌のプラスミド・レプリコンをフアージTM4に導入す
べく用いた方策を第2図に系統的に示す。D29フアージ
に対して記述したように、プレート原料溶解物及びTM4
フアージのゲノムDNAを準備する(実施例1参照)。TM4
・DNAを高濃度で連結して長いコンカテマーを生成さ
せ、その付着端をアニーリングした。連続したDNAをSau
3Aで部分的にそしゃくした。Sau3AはTM4ゲノムを頻度よ
く(例えば平均300bpごとに1回)、寸法30〜50kpのフ
ラグメントに切断する。これは、長さが完全なTM4ゲノ
ム又は小さな欠落をもつTM4ゲノムのそれであったDNAフ
ラグメントの組を生じ、ゲノム内のSau3A部位のいずれ
かにおいて開裂せしめる。これらのDNAフラグメント
を、BamH Iで開裂された6.5kbコスミドpHC79に連結させ
た。ホーン(Hohn),B.及びJ.コリンズ(Collins),ジ
エン,,291〜298(1980)。適当な寸法の組換え分子
を選別するために、連結混合物を試験管内でバクテリオ
フアージのラムダ頭部にパツケージした。これはラムダ
cos部位を含み且つ寸法が38〜53kbであるDNAフラグメン
トを選別した。得られるフアージ粒子を大腸菌に形質導
入し、そしてpHC79:TM4DNA分子を含むコロニーをアンピ
シリンを含有する媒体上で選別した。プラスミドの共有
結合的に閉じた環状DNAを40,000の貯留したアンピシリ
ン耐性(ampr)コロニーから単離した。バーンボイム
(Birnboim),H.及びドリー(Doly),ジヤーナル・オ
ブ・ヌクレイツク・アシツド・リサーチ(Journal of N
ucleic Acid Research),,1513〜1525(1979)。
このライブラリー(library)は、pHC79コスミドDNA
がTM4ゲノムの周囲のSau3A部位にランダムに導入された
TM4ゲノムの組替え分子を含む。これをM.スメグマチス
のスフエロプラスト中にトランスフエクシヨンして、pH
C79が必須でない領域に挿入されたTM4フアージを選別し
た。斯くしてそのようなフアージはフアスミドである。
このトランスフエクシヨンは100プラーク形成単位(pf
u)/プラスミドDNAugを生成した。プラーク・リフトを
用いて32Pで標識したpHC79DNAへの交雑を選別した。400
0のプラークのうち10だけが標識したpHC79に交雑した。
プラークの精製およびM.スメグマチス細胞上での増殖
後、1つのそのようなフアージを詳細に検討し、そして
プラークphAE1として表示した。フアスミドphAE1は寄託
番号40306のもとにアメリカン・タイプ・カルチヤー・
コレクシヨン(American Type Culture Collection,Roc
kville,MD)に寄託した(1986年2月26日)。DNAはM.ス
メグマチス上で生長させたphAE1フアージ粒子から単離
され、CsClグラジエント上で精製し、コンカタマーを生
成するために連結し、そして試験管内でバクテリオフア
ージラムダ頭部中にパツケージした。得られる粒子はア
ンピシリン耐性を大腸菌細胞に転写し、そしてトランス
フエクシヨンした時M.スメグマチス上にプラークを生成
した。これはphAE1がシヤトル・ベクターとして機能す
る証拠であった。
M.スメグマチス上で増殖されたフアージ粒子から単離
されたphAE1 DNAの及び大腸菌から単離されたプラスミ
ドDNAとして単離されたphAE1 DNAの制限そしゃく物(r
estriction digests)は、フアージDNA調製物に見られ
る付着端によって一緒に保持されたアニーリングされて
ないフラグメントの存在を除いて同一のパターンを示し
た(第3A図)。サザーン分析は、コスミドpHC79がTM4ゲ
ノムの2つの11kbKpn I制限フラグメントの1つ内にク
ローン化されているということを示した(第3B図)。電
子顕微鏡により、phAE1粒子は平均の直径50umである6
辺形の頭部を有するバクテリオフアージラムダに似てい
た。しかしながら、これらの粒子はテール(tail)上に
多く存在する円板状のベースプレート(baseplate)を
もつ長いテール(長さ180〜220um)を有する(第4C
図)。この構造は親のTM4フアージのそれに非常に類似
している。チンメ(Timme),T.L.及びP.J.ブレンナン
(Brennan),ジヤーナル・オブ・ジエン・ミクロバイ
オロジー(Journal of Gen−Micro−biology),130,20
59〜2066(1984)。
pHC79に交雑しなかったM.スメグマチスへのpHC79::TM
4ライブラリーのトランスフエクシヨンに由来する単離
されたフアージからのDNAの制限分析は、それらが同一
であることを示した。フアージは2つ又はそれ以上のpH
C79::TM4分子を含むトランスフエクシヨンした細胞に起
こる組換えに由来して、野生種のTM4ゲノムを生成する
ように見える。
特に興味あるのは、M.スメグマチスから得られたシヤ
トル・フアスミドphAE1が、試験した3つの異なるM.ボ
ビス−BCGワクチン種、即ちグラクソ,パスツール、及
びダニツシユBCGに感染し且つ複製しうる親のTM4に類似
している。これらの結果は第4A及び4B図に示される。
即ちこれは、大腸菌中においてプラスミドとして及び
ミコバクテリア中においてフアージとして複製する能力
を有するばかりでなく、バクテリオフアージのラムダ頭
部に又はミコバクテリオフアージ粒子にパツケージする
能力を有する組換えDNA分子である大腸菌ミコバクテリ
アのシヤトル・フアスミドの成功裏の構築を示す。また
それは組換えDNAが速く生長するミコバクテリア(M.ス
メグマチス)及びゆっくり生長するミコバクテリア(M.
ボビス−BCG)の双方に導入されたことを示す。これはB
CGワクチン種をシヤトル・フアスミドで感染し、斯くし
てクローン化された遺伝子をミコバクテリア中に導入す
ることを可能にする。斯くしてこれはBCGに対するトラ
ンスフエクシヨン系を開発する必要がなくなる。即ち大
腸菌のミコバクテリアのシヤトル・フアスミドがミコバ
クテリア中にトランスフエクシヨンした時にミコバクテ
リア粒子中にパツケージされるから、外来のDNAはトラ
ンスフエクシヨンよりもむしろ形質導入によってゆっく
り生長するミコバクテリア(例えばBCG)中に導入する
ことができる。現在までこれは行なわれえなかったし、
またそれは問題の抗原1つ又はそれ以上に対して免疫化
するために使用しうる組換えミコバクテリアのワクチン
・ビヒクルを生産することを可能せしめる。
これらのフアスミドを構築するための試験管内パッケ
ージの使用は、パッケージ系の寸法の制限を越えない限
りにおいて、遺伝子(例えば免疫応答が所望の1つ又は
それ以上の病原体に対する抗原をコードする遺伝子又は
外来遺伝子)の、これらベクターへのクローン化に対す
る効果的な方策として拡張することができる。更なるTM
4::pHC79組換えフアスミドを選別することにより、フア
ージから欠落しうるDNAの最大量を決定すること及びDNA
が挿入できるフアージのゲノムの必須でない更なる領域
を決定することも可能である。
シヤトル・フアスミドを用いることによる新しい遺伝
子(例えば外来DNAをコードする抗原)のミコバクテリ
アの導入は、DNAフラグメントの、大腸菌中のシヤトル
・フアスミドへのクローン化及び続くそれらのM.スメグ
マチスのスフエロプラストへのトランスフエクシヨンを
含む。これはクローン化された遺伝子を含む組換えフア
ージ粒子を生成する。組換えフアージを含む得られるM.
スメグマチスのスフエロプラストを用いることにより、
BCGを高効率(凡そ100%の効率)で感染させることが可
能であり、斯くして組換えフアージ中の含まれる外来の
DNAをBCG中に導入できる。ミコバクテリア細胞において
外来の遺伝子を安定に表現するための、溶原性又は組換
えを確立する条件の開発は非常に望ましい。
外来DNAのミコバクテリア細胞への導入 上述したシヤトル・ベクター(フアスミド)は、問題
の病原体1つ又はそれ以上に対する抗原1つ又はそれ以
上をコードする外来のDNAをミコバクテリア例えばBCG又
はM.スメグマチス中に導入するために使用することがで
きる。またそれは抗受精ワクチンを製造するために適当
な抗原例えば人間のゴナドトロピン・ホルモン(HGH)
のフラグメントをコードするDNAをミコバクテリア中に
導入することによって使用することもできる。シヤトル
・フアスミドは現在まで可能でなかったもの、即ち組換
えDNA構築物をバクテリア(例えば大腸菌、ストレプト
マイシス、杆菌)、又は他の有機体(例えばイースト
菌)中での取り扱い及び増殖、続くミコバクテリアへの
転写及びそこでの複製を達成する手段を提供する。
結果として、個体を例えばハンセン病、結核、マラリ
ア、ジフテリア、破傷風、リーシユマニア、サルモネ
ラ、住血吸虫性皮膚炎、風疹、耳下腺炎、疱疹、及びイ
ンフルエンザに対して免疫にするために使用しうる組換
えミコバクテリア・ワクチンを製造することが可能であ
る。1つ又はそれ以上の病気を引き起こす病原体に対す
る1つ又はそれ以上の保護抗原をコードする遺伝子はミ
コバクテリア中に導入することができる。T細胞の記憶
又はエフエクター機能を必要とする病原体の抗原をコー
ドする遺伝子を導入しうることは特に有用である。得ら
れる組換えミコバクテリア・ワクチンの宿主への投与
は、宿主の免疫系を刺激して保護免疫応答を作り出す。
また相同組換えにより、1つの遺伝子を他の遺伝子と
交換し、そしてミコバクテリアの毒性に対する遺伝子に
挿入変異を作り、毒性に必要な遺伝子を、その存在が無
毒性有機体をもたらす遺伝子で代替することも可能であ
る。この方法で、抗原性をコードする遺伝子を保持し、
一方で有機体の毒性をコードする又は毒性と関連する遺
伝子を除去することが可能である。
病原体又は毒素に対するワクチンは次の方法で製造し
うる:保護が望ましい病原体又は毒素に対する抗原(単
数又は複数)をコードするDNAを得る。このDNAは(例え
ば病原有機体又は毒素を産生する有機体からの)天然に
産するDNAを単離することにより;公知の遺伝子工学の
技術を用いることによって問題のDNAシーケンスをクロ
ーン化し且つ増殖することにより[参照、例えばマニア
チス(Maniatis)、T.ら、分子クローン化(Molecular
Cloning):研究所マニユアル(A Laboratory Man
ual)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Sprin
g Harbor、N.Y.)(1982)];或いは機械的合成によ
り得ることができる。
次の方法により、問題の(即ち免疫が所望される抗原
1つ又はそれ以上をコードする)遺伝子をシヤトル・フ
アスミド中にクローン化する。これはシヤトル・フアス
ミドを系統的に表示する第2図を参照にして説明するこ
とができる。シヤトル・フアスミドの付着端を公知の技
術によって連結する。得られるシヤトル・フアスミド物
質を独特な制限酵素(例えばシヤトル・フアスミド中の
独特な部位例えばEcoR I及びEcoR Vで切断する制限酵
素)で切断(そしゃく)する。この方法で作られた切断
への別法は、他の制限酵素で有用である(切断しうる)
ポリリンカー(polylinker)(オリゴヌクレチオドシー
ケンス)の(連結による)付加である。この場合、この
リンカーは選択した制限酵素で開裂され、外来DNAが挿
入できる部位を生成する。
第1の場合(独特な制限酵素を用いて切断する場
合)、結果は一度切断された且つ外来のDNAが挿入しう
るシヤトル・フアスミドである。第2の場合には、DNA
が挿入できる少なくとも1つの部位も存在する。抗生物
質耐性をコードする遺伝子(例えばアンピシリン耐性を
コードする遺伝子)及び免疫が望しい抗原1つ又はそれ
以上をコードするDNAは公知の技術により、制限部位で
連結することができる。挿入されるDNA及びシヤトル・
フアスミドDNAは一般に等モル量で連結される。
この場合シヤトル・フアスミドDNA、抗生物質耐性遺
伝子及び抗原コードするDNAを含む得られる連結したDNA
を、ラムダ試験管内パッケージ混合物を用いてバクテリ
アフアージのラムダ頭部中へパッケージする。続いて大
腸菌にこのフアージで形質導入する。この結果、抗生物
質耐性をコードする遺伝子及び抗原をコードするDNAを
含むコロニーを(抗生物質を含む媒体を用いて)選別す
ることが可能である。
得られる「ライブラリー」をM.スメグマチスのスフエ
ロプラスト中にトランスフエクシヨン(感染)し、クロ
ーン化された挿入DNAを有するシヤトル・フアスミドを
含むプラークを選別する。続いて、組換えM.スメグマチ
スのスフエロプラストを用いて培養しうるミコバクテリ
ア例えばBCGを高効率で感染させることができる。結果
として抗原をコードしたDNAがミコバクテリアのゲノムD
NA中に導入され、そこでそれが表現されることになろ
う。
ゲノムDNA中に組込まれた1つ又はそれ以上の抗原を
コードするDNAを含有するBCGの選択は選択しうるマーカ
ーを用いて行なうことができる。組換えフアージでの感
染によって導入された1つ又はそれ以上の抗原をコード
するDNAを含むBCGの1つの選別法は、抗生物質耐性遺伝
子である選択しうるマーカーの使用に基づく。この場合
フアスミドは例えばカナマシイン耐性、ビオマイシン耐
性、チオストレプトン耐性、ヒグロマイシン耐性、又は
ブレオマイシン耐性をコードする遺伝子を含む。
問題のDNAを含むBCGを選択するために選別しうるマー
カーを用いる第2の方法は、栄養要求方策(即ち変異体
の元の有機体が必要とないある栄養又は物質を必要とす
る変異体微生体の使用に基づくもの)である。この場
合、変異を有するミコバクテリアを使用し、消失した又
は変性した機能をコードする遺伝子を(抗原コードした
DNAも含む)シヤトル・フアスミド中に導入する。即ち
抗原をコードするDNAを含むミコバクテリアの選別は、
シヤトル・フアスミドが成功裏に導入されたミコバクテ
リアの、適当な媒体上で生育した時に生き残る能力に基
づく。
例えば宿主変異体(例えばM.スメグマチス、BCG)及
び変異を補足する選別しうるマーカーを含む系を使用す
ることができる。そのような系はpyrF-BCG変異体である
宿主変異体及び抗原をコードするDNAを(変異体)BCG中
に導入するために用いたフアスミドのシヤトル・ベクタ
ー中に存在する選別しうるマーカー例えばpyrF+遺伝子
を含むことができる。この場合、フアスミドはコスミド
DNA中に挿入された抗原をコードするDNAの他に、pyrF+
遺伝子を含む。即ちフアスミドが感染によって導入され
たBCG変異体は最小媒体(minimalmedia)上での培養に
より選択することができる。別の方法は2−デオキシグ
ルコース耐性の変異体を使用することである。この場
合、ミコバクテリアのグルコキナーゼ遺伝子がフアスミ
ド中にクローン化され、pyrFに対して上述したように選
別に使用される。
この基準での選別は、抗原をコードするDNAがゲノムD
NA中に安定に組込まれ且つ杆菌によって表現されるBCG
をもたらすであろう。このために、遺伝子の表現信号
(例えばプロモーター、リボソーム結合部位)が外来の
(抗原をコードする)DNAの上流に含まれて、抗原をコ
ードするDNAを含むBCG(変性BCG)が、この変性BCGを投
与した宿主に免疫応答を誘導するのに十分な程度でそれ
を表現することを可能にする。
モノクローナル抗体を用いることにより、1つ又はそ
れ以上の抗原をコードするDNAを含むBCGを選別すること
も可能である。この場合、モノクローナル抗体が有効で
ある抗原(例えばM.レプラエ又は結核菌)の1つ又はそ
れ以上のエピトープをコードする遺伝子又は遺伝子フラ
グメントをミコバクテリア中に導入する。そのようなモ
ノクローナル抗体は、これらのエピトープの1つ又はそ
れ以上をコードする遺伝子(単数又は複数)を含む組換
えBCGを選別するために使用される。この方法で導入さ
れた抗原遺伝子はプロモーター・シーケンス及び他の調
節シーケンスを含む。結果として、遺伝子工学の技術に
より、(例えば他の抗原をコードする)更なるシリーズ
をフレーム(frame)中に付加することができ、斯くし
て1つの抗原に対するモノクローナル抗体によって同定
される組換えBCGがそのように導入された他の外来の抗
原をコードするDNAも表現するであろう。
抗原をコードするDNAを培養しうるミコバクテリア中
に導入するためにプラスミドを利用し且つDNAのエピソ
ーム(即ち染色体外性)表現をもたらす平行的な方策
も、ワクチン・ビヒクルを製造するために使用しうる。
この場合、抗原をコードするDNAを含む細胞を選別す
ることを可能にする選別しうるマーカーが必要とされ
る。選別しうるマーカーは例えば抗生物質耐性をコード
する遺伝子又は栄養要求性変異体において消失している
ものを補う遺伝子であつてよい。例えばカナマイシン耐
性、ビオマイシン耐性、チオストレプトン耐性、ニグロ
マイシン耐性又はブレオマイシン耐性をコードする遺伝
子はプラスミド中に導入することができる。栄養要求性
の方策においては、栄養要求性ミコバクテリア変異体
(例えばpyr-F)変異体を単離し、対応する野生種(非
変異体)ミコバクテリア中に存在する遺伝子をプラスミ
ド中に導入する。pyr-F変異体のほかに、グルコキナー
ゼ遺伝子に欠陥をもつデオキシグルコース変異体、並び
に他の生合成過程における変異(例えばアミノ酸生合
成、ビタミン生合成及び炭水化物代謝例えばアラビノー
ス及びガラクトース代謝における変異)をもつデオキシ
グルコース変異体を単離することが可能である。
いずれの方法においても、ミコバクテリア変異体が選
別され、そして変異を相補する遺伝子を、問題の抗原を
コードするDNAも含むプラスミド・ベクター中に導入す
る。抗原をコードするDNAが成功裏に導入されたミコバ
クテリア変異体は、適当に選択した媒体(例えば耐性が
付与される抗生物質を含む媒体、用いる変異体に影響さ
れる生合成過程に含まれる栄養を含む又は欠く媒体)上
で培養することにより同定しうる(選別できる)であろ
う。
抗原をコードするDNAを、組換えミコバクテリアのワ
クチン・ビヒクル中に導入するのに有用なプラスミドの
他の成分は、その存在がプラスミドを自律的に(染色体
外的に)複製される場合の主要な決定基である自律的に
複製するシーケンス(例えばレプリコン)である。これ
らのシーケンスは例えばプラスミド・レプリコン、ミコ
バクテリオフアージのグメント又は染色体複製起源のセ
グメントを含むことができる。
シヤトル・フアスミドphAE1のデザインはこれらの因
子のいくつかを含む。例えば大腸菌コスミドpHC79の、
ミコバクテリオフアージTM4中への導入は、大腸菌プラ
スミドのレプリコン起源及び選択しうるアンピシリン遺
伝子、並びにバクテリオフアージのラムダ付着端(CO
S)シーケンス及び独特なEcoR I部位を提供することを
可能にした。TM4フアージ内にEcoR I部位は存在しない;
phAE1内の独特なEcoR I部位は外来の遺伝子をフアスミ
ドへ導入するために使用することができる。実施例4に
記述するように、Tn903からのアミノグリコシドホスホ
トランスフエラーゼ(aph)遺伝子をコードする1.6kbの
EcoR Iフラグメントはこのコスミドをクローン化する方
法によりphAE1中にクローン化した。
抗原をコードするDNAを、ワクチン・ビヒクルとして
使用すべき培養しうるミコバクテリア例えばBCG又はM.
スメグマチス中に効果的に導入するいくつかの有用な方
法がある。問題の抗原をコードするANA、選別しうるマ
ーカー及び自律的に複製するシーケンスを含むプラスミ
ドの場合、ミコバクテリア中への効果的な導入に対し
て、原形質体融合が使用できる。この場合、大腸菌又は
クローン化されたプラスミドを有するストレプトマイシ
スを、公知の技術を用いることにより、ミコバクテリア
のスフエロプラストと融合させる。この方法を用いるこ
とにより、外来の(抗原をコードする)DNAをミコバク
テリアに転写することができる。他にプラスミドDNAを
含み且つ染色体DNAを本質的に含まない大腸菌ミニ細胞
はミニ細胞の原形質体融合を行なうのに使用することが
できる。
別に、外来のDNAがミコバクテリア中に効果的に移行
させうるならば、自律的に複製するシーケンスは必ずし
も必要でなく、その代りに外来の(例えば抗原をコード
する)DNAがミコバクテリアの染色体中に組込める。こ
れは例えばミニ細胞の原形質体融合を用いて達成するこ
とができる。この場合、抗生物質耐性遺伝子又は染色体
変異であつてよいミコバクテリアに対する選別しうるマ
ーカーは大腸菌コスミド中にクローン化できる。また外
来DNAの染色体中への効果的な取込みを行なわせるDNAは
大腸菌のコスミド中にも存在するであろう。例えば、M.
レプラエにおいて、組換えと関連するように見える反復
シーケンスが起こる;対応するシーケンスはBCG及びM.
スメグマチス中で同定され且つそれから単離し、(選択
しうるマーカーと一緒に)大腸菌コスミド中に導入で
き、高度の組換えがもたらされる。
問題の(1つ又はそれ以上の抗原をコードする)遺伝
子(単数又は複数)[例えば大腸菌レプリコン、組換え
と関連したミコバクテリアの染色体DNAのセグメント
(リコンビノゲニツク(recombinogenic)シーケンス)
及び2つの選別しうるマーカー、即ち大腸菌においてマ
ーカーとして役立つもの及びミコバクテリアにおいてマ
ーカーとして役立つものを含む]は、記述した構築物中
に導入することができる。次いで遺伝子をミコバクテリ
アの染色体DNA例えばBCG又はM.スメグマチスの染色体DN
A中に組込みうる。問題の遺伝子がこの方法でM.スメグ
マチスに組込めるならば、それは一般的な形質導入フア
ージを用いることによつてBCG中に移動させることもで
きる。この場合、他の構築物成分のほかに、2つのリコ
ミノゲニツク・シーケンス、即ちM.スメグマチスからの
もの及びBCGからのものを含むことが好適である。
ワクチンの構築(construction) 本発明を用いることにより、ハンセン病に対する免疫
化に有用な組換えミコバクテリアのワクチン・ビヒクル
を構築することが可能である。ミコバクテリア例えばBC
Gの異常なアジユバント活性が故に、そのようなワクチ
ンは特に長期性又は持久性の細胞介在免疫性を形成させ
るのに有効であろう。ハンセン病寄生体M.レプラエの蛋
白質抗原をコードする遺伝子はヤング(Young)により
単離されており、本明細書に参考文献としてその教示が
引用される1986年7月31日付けの米国特許願第892,095
に詳細に記述されている。特に5つの免疫原蛋白質抗原
(即ち分子量65kD、36kD、28kD、18kD及び12kDの抗原)
をコードする遺伝子が単離されている。更に65kDの抗原
に対して遺伝子によりコードされた6つの異なるエピト
ープが定義されている。これらのエピトープの少くとも
1つはM.レプラエに独特であることが示され、他のエピ
トープは他のミコバクテリアの65kD蛋白質を共有するこ
とが示された。
本発明のシヤトル・ベクターを用いることにより、上
述した及び次の実施例の方法に従つて、M.レプラエ蛋白
質抗原をコードする遺伝子の1つ又はそれ以上をBCG中
に導入することが可能である。例えば65kDのM.レプラエ
抗原をコードする遺伝子は、BCG中に導入され、そのゲ
ノムDNA中に安定に組混まれ且つそれを投与する宿主に
免疫応答を刺激する又は誘導するのに十分な量で表現す
ることができる。この方法で、1つ又はそれ以上のM.レ
プラエの保護抗原を含有し、寛容原性決定基を有さず、
そして細胞介在免疫を誘導するための優秀なアジユバン
トを有するという点で理想に近いワクチンを構築するこ
とが可能である。
同様にして、シヤトル・ベクターと本発明の方法を用
いることにより、結核に対して特異的な保護を提供する
ワクチンを構築することができる。そのようなワクチン
は、現在使用されているワクチンが無効果であることが
証明されつつあるという前述した最近の発見が故に、特
に魅力的である。結核杆菌の結核菌の免疫原性蛋白質抗
原を暗号化する遺伝子は、1987年2月2日付けのロバー
ト(Robert)N.ハツソン(Husson)及びリチヤード(Ri
chard)A.ヤングによる「結核菌の蛋白質抗原をコード
する遺伝子及びそれに対する使用法」という関連米国特
許願第10,007号並びにメバートN.ハツソン、リチヤード
A.ヤング、及びトーマス(Thomas)M.シンニツク(Shin
nick)による「結核菌の蛋白質抗原をコードする遺伝子
及びそれに対する使用法」という一連の関連特許願(19
88年2月10日付けの速達法によつて申請された代理人処
理番号第WHI86−06A号)に記述されている。ここにこれ
らの教示は本明細書に参考文献として引用される。
この場合、結核菌の免疫原性蛋白質抗原をコードする
遺伝子を上述した如くシヤトル・ベクターによりBCG中
に導入する。それぞれ蛋白質抗原をコードする1つより
も多い結核菌遺伝子をBCG中に導入することも可能であ
る。例えば、分子量12kD、14kD、19kD、65kD及び71kDの
免疫原性結核菌をコードする遺伝子或いはこれらの遺伝
子の2つ又はそれ以上の組合せをBCG中に挿入し、ゲノ
ムDNA中に安定に組込み、且つ表現することができる。
この結果は結核菌に対する免疫化に特異的であり且つ杆
菌に対する長期の免疫性を誘導するワクチンである。
本発明の方法を用いることにより、多目的又は多機能
性ワクチン(即ちそれぞれ異なる蛋白質又は毒素に対す
る蛋白質抗原をコードする1つよりも多い遺伝子を含む
外来のDNAを含有し且つこれを表現する単一のワクチン
・ビヒクル)を構築することも可能である。例えば上述
したシヤトル・ベクター・フアスミドを用いることによ
り、M.レプラエに対する蛋白質抗原をコードする遺伝
子、リーシユマニアに対する蛋白質抗原をコードする遺
伝子、及びマラリアに対する蛋白質抗原をコードする遺
伝子をBCG中に導入することも可能である。この多機能
ワクチンの投与は、各抗原に対する免疫応答を刺激し、
ハンセン病、結核、リーシユマニア、及びマラリアに対
する長期の保護を提供する。
今や次の実施例によつて本発明を例示するが、実施例
はいずれの具合いにも本発明を制限するものと考えるべ
きでない。
実施例1 M.スメグマチスのスフエロプラストの、ミコバクテリオ
フアージD29DNAとのトランスフエクシヨン M.スメグマチス種mc26のスフエロプラストを次の方法
に従って準備した。mc26はATCC607号のM.スメグマチス
原培養物から単離された主にコロニー型である単一コロ
ニー単離物である。これは再生媒体上で橙色のの粗いコ
ロニーを形成した。ホプウツドら、ストレプトマイシン
の遺伝子的取り扱い−実験室マニユアル、ジヨン・イン
ネス基金(The John Innes Foundation,Norwich,Englan
d)(1985)。M.スメグマチスに対してウドウ(Udou)
らの記述するスフエロプラスト調製物に対する媒体を用
いることにより、ストレプトマイセスに関してM.スメグ
マチスのスフエロプラストを調製した。ウドウ、T.ら、
ジヤーナル・オブ・バクテリオロジー、151、1035〜103
9(1982)。mc26細胞を、250mlのバツフルド(baffle
d)フラスコ中において37℃において適度に振とうしな
がら、1%グルコース及び0.2%ツウイーン80を含むト
リプシン大豆汁40ml中でA600=0.2まで生長させた。こ
の時点で20%グリシン溶液を最終濃度1%まで添加し
た。次いで、細胞を更に16時間培養し、5000×gで10分
間遠心分離することによって室温下に収穫した。ペレツ
トを10.3%スクローズ10mlで2回洗浄し、次いでリソザ
イム溶液2mg/mlを含む原形質体(p)緩衝液中に再懸濁
した。37℃で2時間の培養後、p緩衝液5mlを添加し、
スフエロプラストを3000×gで7分間遠心分離すること
によってペレツトとした。このペレツトをp緩衝液10ml
中に再懸濁させ、3時間以内に使用した。
mc2−11は、108個の細胞を3×108個のD29プラーク形
成単位と混合し且つトリプシン大豆寒天プレートで処理
した時、ATCC607号のM.スメグマチス原培養物の自然に
よるD29耐性単離物として単離された。D29耐性コロニー
は10-7の頻度で起った。
mc26スフエロプラストをD29DNA1ugと混合した;得ら
れた混合物の1/10を、0.5Mスクローズの有無下にトリプ
シン大豆寒天プレートで処理した。次いでこれに、108
個のmc26細胞を含む適当な軟質寒天を上塗りした。DNア
ーゼI(シグマ)を50ug/mlの最終濃度でD29DNAに添加
することによってDNアーゼ処理を行なった。
同一の方法でmc211スフエロプラストの等量を用いた
が、続いてmc26細胞を上塗りしてプラーク形成単位(pf
u)を評価した。
フアージ・プレート原料:D29のプレート溶解物を2mM
CaCl2を含有するトリプシン大豆寒天媒体上で準備し
た。バツフルド・フラスコ中37℃において、ADC濃厚物
を含むミドルブルーク(Middlebrook)7H9汁中で中対数
増殖期まで生長させたM.スメグマチスを、MP緩衝液(10
mMトリス−HCl、pH7.6−10mM MgCl2−100mM NaCl−2m
M CaCl2)で希釈したフアージと混合し、プレートが集
密的になるまで37℃下に36時間培養した。フアージをMP
緩衝液で収穫し、次いで2回のCsCl平衡グラジエント
で、続いてMP緩衝液に対する強力な透析により精製し
た。EDTAを最終濃度50mMまで添加し且つプロテイナーゼ
K100ug/mlで55℃下に24時間処理し、続いてフエノール
−クロロホルム抽出及びTE緩衝液に対する強力な透析を
行なうことによりDNAをフアージから抽出した。
トランスフエクシヨン:各トランスフエクシヨンに対
して、スフエロプラスト懸濁液2.5mlのコニカル・ポリ
スチレン管中でペレットにした。上澄流体を注意深く傾
斜し、スフエロプラストを緩衝液の残留滴中に再懸濁さ
せた。10ugよりも少い全容量中DNA1ugを添加した後、p
緩衝液中で準備した25%PEG−1000[J.T.ベーカー・ケ
ミカル社(J.T.Baker Chemical Co.,Ohila,PA)]溶液
0.5mlを混合した。3分以内にp緩衝液を混合物に添加
し、スフエロプラストを上述の如くペレットにした。上
澄液を注意深く除去した後、ペレットをp緩衝液1ml中
に再懸濁させ、試料を0.5Mスクロースの有無下にトリプ
シン大豆寒天に移した。次いでプレートに軟いトリプシ
ン大豆寒天3.0mlを上塗りし、37℃で培養した。プラー
クを培養24時間後に数えた。
実施例2 シヤトル・フアスミドphAE1の構築 TM4フアージDNAを250ug/mlの濃度で連結した。一部
を、連続的に希釈したSan3Aで部分的にそしゃくした;
この方法で(アガロース・ゲル電気泳動で分析して)平
均長さ30〜50kbのフラグメントを得た。これらのフラグ
メントを、TM4フラグメントとBamH Iで開裂したpHC79と
のモル比1:2において連結した。この連結の一部分を試
験管内パツケージ混合物[ギガパツク・プラス(Gigapa
ckplus,Stratagene,San Diego,CA)]でパツケージし、
続いてER1381[hsdR mcrA+marB+、E.ラリー(Raleig
h)]中に形質導入した。これは、アンピシリンを50ug/
mlで含有するL寒天プレートで処理した時TM4DNA挿入物
ug当り106個のアンピシリン・コロニーを生成した。
L汁中コロニーをガラス・スプレツダーでホモゲナイ
ズ(homogenize)することにより40,000個のアンピシリ
ン耐性コロニーの貯蔵物を準備した。クローンの貯蔵物
から、アルカリ性SDS抽出、続くフエノール−クロロホ
ルム抽出及びエタノールでの濃縮によりプラスミドを単
離した。共有結合的に閉じたプラスミドDNAを実施例1
に記述したようにmc26のスフエロプラスト中にトランス
フエクシヨンした。ベントン(Benton)及びデービス
(Davis)の手順並びにバイオトランス・ナイロン膜(I
CN)を用いてプラーク・リフトを行なうことにより、プ
ラークをpHc79の存在に対して選別した。ベントン、W.
D.及びR.W.デービス、サイエンス(Science)、196、18
0〜182(1977)。この膜を32p−dcTPでニツク・トラン
スレーシヨンしたpHc79DNAと交雑させ、オートラジオグ
ラフイーに供した。
実施例3 BCG及びM.スメグマチスへの、シヤトル・プ
ラスミドphAE1の感染 ADC濃厚物[デイフコ(Difco)]及び0.5%ツウイー
ン80(シグマ)を含有するミドルブルーク7H9汁(デイ
フコ)中において、BCG−グラクソ(W.ジヨーンズ)を3
7℃下の放置培養で増殖した。108個のBCG細胞を、補充
したトツプ・ソフト(top soft)の寒天と混合し且つOA
DS濃厚物(デイフコ)を補充したツウイーン80(ギブ
コ)を含まないデユボス(Dubos)寒天上に注ぐことに
よってBCG−グラクソ又はmc26細胞のローン(lawn)を
製造した。ジヨンズ(Jones),W.D.Jr.,ツバークル(Tu
bercle),60,55〜58(1979)。4つのフアージ、DS6
A、TM4、phAE1、及び33Dを連続的に希釈し、2つのロー
ン上にスポツトをつけた。プレートをBCG−グラクソ及
びM.スメグマチスに対してそれぞれ14日及び2日で読み
とった。
実施例4 アミノグリコシド・ホスホトランスフエラー
ゼ遺伝子のphAE1へのクローン化 Tn903からのアミノグリコシド・ホスホトランスフエ
ラーゼ遺伝子(aph)をコードする1.6kbのEcoR Iフラグ
メントを、コスミド・クローン化法を利用してphAE1中
にクローン化した。プラスミドphAE1 DNAを大腸菌から
単離し、EcoR Iで切断し、その1.6kbフラグメントをこ
れらの大きいDNA分子に連結した。連結した生成物を試
験管内でフアージ・ラムダにパツケージし、大腸菌細胞
にカナマイシン耐性とアンピシリン耐性を形質導入した
粒子を生成せしめた。これらの大腸菌細胞からプラスミ
ドDNAを単離した。これはM.スメグマチスmc26の原形質
体中にトランスフエクシヨンした時プラーク形成単位を
高頻度で生ずることが示された。これは、更なるDNAの
少くとも1.6kbを、phAE1の独特なEcoR I部位中にクロー
ン化できることを示す。シヤトル・フアスミドphAE2、
即ちphAE1と同様の特性を有するが、寸法でphAE1よりも
2kb小さいシヤトル・ベクターを用いても同様の結果が
得られた。この場合には更なるDNAの少くとも3.6kbのク
ローン化が可能なはずである。両方の場合、aph遺伝子
の導入は、新しいNru I部位の導入をもたらした。これ
は、更なるフラグメントがクローン化でき且つシヤトル
・フアスミド中で安定に維持しうるという証明を提供す
る。斯くして、これらのベクターは更なる改変なしに、
更なる遺伝子をミコバクテリア中にクローン化するのに
有用である。
実施例5 シヤトル・フアスミドを用いることによるミ
コバクテリア中の選別しうるマーカーの安定な表現 TM4フアージに対して構築したものと同様の方法で、
フアージL1(ATCC27199号)からシヤトル・フアスミド
を構築した。S.ドケ、クマモト・メデイカル・ジヤーナ
ル(Kumamoto Medical Journal),34,1360〜1373(196
0)。同定されたL1−シヤトル・フアスミドのすべては
M.スメグマチスを溶原化する能力を有する。L1はM.スメ
グマチスの染色体物質中に組込まれ且つ安定な溶原(ly
sogen)を形成することが示された。他のフアージ例え
ばL3(ATCC27200号)、即ちプラスミドとして残るフア
ージ(染色体外性)及びL5(ATCC27201号)もシヤトル
・フアスミドの構築に使用することができる。結果は、
これらのシヤトル・フアスミドがM.スメグマチスを溶原
化するであろうということを示し、斯くして外来のDNA
を初めてミコバクテリアに安定に組込むことを可能にし
た。大腸菌におけるTM4−シヤトル・フアスミドに対し
て上述したように、phAE15と表示されるL1−シヤトル・
フアスミドの独特なEcoR I部位にaph遺伝子をクローン
化した。M.スメグマチス細胞(mc26)を、カナマイシン
を含むデユボス寒天プレート上の寒天の表面に上塗りし
た。シヤトル・フアスミドphAE15及びphAE19(クローン
aph遺伝子を有するphAE15)の希釈物を寒天ローン上に
スポツトした。プレートを37℃で5日間培養した。生長
したコロニーはすべてが、aph遺伝子をクローン化したL
1−シヤトル・プラスミドで溶原化した。得られるシヤ
トル・フアスミドphAE19はM.スメグマチス細胞を溶原化
することができた。得られる溶原は、それらがカナマイ
シンに耐性であるからクローン化されたaph遺伝子を表
現した。更にこれらの溶原は、カナマイシン耐性M.スメ
グマチス細胞の続く転写及び溶原化時にカナマイシン耐
性表現型も表現するミコバクテリオフアージ粒子を生成
した。これらのフアージの転写は、溶原性状態[即ちス
ーパーインフエクシヨン(superinfection)に対する免
疫]及びカナマイシン耐性を一緒に形質導入する。M.ス
メグマチスを溶原化するために使用されるフアージL1フ
アージはBCG上でプラークを形成しない。しかしながらB
CG上でプラークを形成するL1及びシヤトル・フアスミド
phAE19の変種が単離された。これらは溶原性シヤトル・
プラスミドを用いることにより、BCG及び結核菌におい
て異質の遺伝子を導入し且つそれを安定に表現する能力
に関して試験することができる。斯くしてこれらのフア
ージは異質のDNAをM.スメグマチス中に安定に導入する
能力を有する。更にBCGを感染し且つ溶原化するであろ
う宿主範囲の変種(例えばphAE19)が単離された。これ
は問題のDNAを含有する組換えミコバクテリアを生成せ
しめることを可能にした。そのような組換えミコバクテ
リアはワクチンとして使用することができる。
等価物 同業者は高々日常的な実験を行なうことにより、特に
本明細書に記述した本発明の特別な具体例に対する多く
の等価物を認識するであろうし、又は確かめることがで
きよう。そのような等価物は次の請求の範囲に包含され
るものとする。
フロントページの続き (72)発明者 デビス,ロナルド・ダブリユー アメリカ合衆国カリフオルニア州94301 パロアルト・キングズレイアベニユー 433 (72)発明者 ジエイコブズ,ウイリアム・アール,ジ ユニア アメリカ合衆国ニユーヨーク州10462 ブロンクス・ポールデイングアベニユー 2031 (72)発明者 ヤング,リチヤード・エイ アメリカ合衆国マサチユセツツ州01890 ウインチエスター・サセツクスロード 11 (56)参考文献 特開 昭61−88880(JP,A) 特開 昭61−85191(JP,A) Journal of Genera l Microbiology 130 (1984)p.205−209 Gene,9(1980)p.291−298 The Mycobacteria: A Source Book(Kubi ca,G.P.and Wayne, L.G.,eds),(1984)p.629 −639,Marcel Dekker

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】培養しうる組換えミコバクテリウムにおい
    て、バクテリウム中でプラスミドとして及びミコバクテ
    リウム中でフアージとして複製するフアスミド(phasmi
    d)中に存在する外来DNAを発現することができ、かつ該
    フアスミドが1組のミコバクテリオフアージの付着末端
    部位と1組のバクテリア・コスミドの付着末端部位とを
    有することを特徴とする培養しうる組換えミコバクテリ
    ウム。
  2. 【請求項2】外来DNAが少くとも1つの蛋白質抗原をコ
    ードする請求の範囲第1項記載の組換えミコバクテリウ
    ム。
  3. 【請求項3】外来DNAが a.ミコバクテリウム・レプラエ抗原; b.結核菌抗原; c.マラリア・スポロゾイテス; d.マラリア・メロゾイテス; e.ジフテリア・トキソイド; f.テタヌス・トキソイド; g.リーシユマニア抗原; h.サルモネラ抗原; i.ミコバクテリウム・アフリカナム抗原; j.ミコバクテリウム.イントラセルラレ抗原; k.ミコバクテリウム・アビウム抗原; l.トレポネマ抗原; m.百日咳抗原; n.疱疹ウイルス抗原; o.風疹ウイルス抗原; p.耳下腺炎ウイルス抗原; q.赤痢抗原; r.ナイセリア抗原; s.ボレリア抗原; t.狂犬病抗原; u.小児マヒウイルス抗原; v.人間の免疫不全ウイルス抗原; w.蛇の毒液抗原;及び x.昆虫の毒液抗原、 からなる群から選択される少くとも1つの蛋白質抗原を
    コードしている請求の範囲第2項記載の組換えミコバク
    テリウム。
  4. 【請求項4】ミコバクテリウム・ボビス−BCG、ミコバ
    クテリウム・スメグマチス又はそのいずれかの遺伝学的
    変種である請求の範囲第3項記載の組換えミコバクテリ
    ウム。
  5. 【請求項5】組換えミコバクテリウムがそのフアスミド
    中に存在する外来のDNAを発現することができ、該外来D
    NAが少くとも1つの蛋白質抗原をコードしており且つフ
    アスミドがバクテリウム中でプラスミドとして及びミコ
    バクテリウム中でフアージとして複製、かつ該フアスミ
    ドが1組のミコバクテリオフアージの付着末端部位と1
    組のバクテリア・コスミドの付着末端部位とを有するこ
    とに特徴がある組換えミコバクテリウム・ボビス−BC
    G、組換えミコバクテリウム・スメグマチス、又はその
    遺伝学的変種である培養しうる組換えミコバクテリウ
    ム。
  6. 【請求項6】抗原が a.ミコバクテリウム・レプラエ抗原; b.結核菌抗原; c.マラリア・スポロゾイテス; d.マラリア・メロゾイテス; e.ジフテリア・トキソイド; f.テタヌス・トキソイド; g.リーシユマニア抗原; h.サルモネラ抗原; i.ミコバクテリウム・アフリカナム抗原; j.ミコバクテリウム.イントラセルラレ抗原; k.ミコバクテリウム・アビウム抗原; l.トレポネマ抗原; m.百日咳抗原; n.疱疹ウイルス抗原; o.風疹ウイルス抗原; p.耳下腺炎ウイルス抗原; q.赤痢抗原; r.ナイセリア抗原; s.ボレリア抗原; t.狂犬病抗原; u.小児マヒウイルス抗原; v.人間の免疫不全ウイルス抗原; w.蛇の毒液抗原;及び x.昆虫の毒液抗原、 からなる群から選択される請求の範囲第5項記載の組換
    えミコバクテリウム。
  7. 【請求項7】少くとも1つの蛋白質抗原をコードする外
    来DNAを発現することができ、ここで外来DNAが a) フアスミドにより導入されたものであり、該フア
    スミドがバクテリウム中でプラスミドとして及びミコバ
    クテリウム中でフアージとして複製し、かつ1組のミコ
    バクテリオフアージの付着末端部位と1組のバクテリア
    ・コスミドの付着末端部位とを有するものであり、そし
    て b) ミコバクテリウムの複製に必須でないミコバクテ
    リウムのゲノムDNAの領域中の該ゲノムDNA中に安定に組
    込まれていることを特徴とする培養しうる組換えミコバ
    クテリウム。
  8. 【請求項8】ミコバクテリウム・ボビスBCG、ミコバク
    テリウム・スメグマチス又はその遺伝学的変種である請
    求の範囲第7項記載の組換えミコバクテリウム。
  9. 【請求項9】エピソーム中に存在する外来DNAを発現す
    ることができ、該外来DNAが少くとも1つの蛋白質抗原
    をコードしていることを特徴とする培養しうる組換えミ
    コバクテリウム。
  10. 【請求項10】ミコバクテリウム・ボビス−BCG又はミ
    コバクテリウム・スメグマチスである請求の範囲第9項
    記載の組換えミコバクテリウム。
  11. 【請求項11】プラスミドとして複製するバクテリウム
    中に導入することができ且つフアージとして複製するミ
    コバクテリウム中に導入することができ、かつ1組のミ
    コバクテリオフアージ付着末端部位と1組のバクテリア
    ・コスミドの付着末端部位とを有することを特等とする
    組換えシヤトル・ベクター。
  12. 【請求項12】バクテリウムが大腸菌、ストレプトマイ
    シス、および桿菌からなる群から選択され、そしてミコ
    バクテリウムがミコバクテリウム・ボビス−BCG、ミコ
    バクテリウム・スメグマチス又はその遺伝学的変種であ
    る請求の範囲第11項記載のシヤトル・ベクター。
  13. 【請求項13】a.1組のミコバクテリオフアージの付着
    末端部位を含んでなるミコバクテリオフアージDNA; b.1組のバクテリア・コスミドの付着末端部位を含んで
    なり、ミコバクテリオフアージDNAの必須でない領域中
    に挿入されたコスミドDNA、 を含んでなる組換えシヤトル・ベクター。
  14. 【請求項14】ミコバクテリオフアージDNAが溶原性ミ
    コバクテリオフアージからのDNAであり、そしてコスミ
    ドDNAが大腸菌コスミドに由来する請求の範囲第13項記
    載の組換えシヤトル・ベクター。
  15. 【請求項15】a.ミコバクテリウムのゲノムDNA; b.1組のミコバクテリオフアージの付着末端部位を含ん
    でなるラムダ・コリフアージDNA;及び c.1組のコスミドの付着末端部位、複製開始点及び少く
    とも1つの薬剤耐性マーカーを含んでなり、ラムダ・コ
    リフアージDNAの必須でない領域に挿入された大腸菌プ
    ラスミドDNA、 を含んでなる組換えシヤトル・ベクター。
  16. 【請求項16】アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレ
    クシヨンに、寄託番号第40306号として寄託されている
    シヤトル・フアスミドphAE1。
  17. 【請求項17】1組の付着末端部位を含んでなる大腸菌
    コスミドを、ミコバクテリオフアージのゲノムDNAの必
    須でない領域に挿入し、ここで該ミコバクテリオフアー
    ジのゲノムDNAが付着末端部位を含むことを含んでなる
    大腸菌−ミコバクテリアシヤトル・フアスミドの作製
    法。
  18. 【請求項18】a.1組の付着末端部位、複製開始点及び
    少くとも1つの薬剤耐性マーカーを含んでなる大腸菌コ
    スミドを、1組の付着末端部位を含んでなるミコバクテ
    リアフアージDNAの必須でない領域中へ挿入することに
    より、バクテリウム中でプラスミドとして及びミコバク
    テリウム中でフアージとして複製しうるシヤトル・フア
    スミドとして構築し; b.シヤトル・フアスミドを独特な部位において制限酵素
    で切断し; c.(b)で製造した切断したシヤトル・フアスミドを、
    抗生物質耐性をコードする遺伝子及び問題の抗原をコー
    ドする遺伝子と連結して、抗生物質耐性をコードする遺
    伝子及び問題の抗原をコードする遺伝子を含むシヤトル
    ・フアスミドを製造し; d.(c)で製造したシヤトル・フアスミドを、バクテリ
    オフアージ・ラムダ頭部中にパッケージし; e.大腸菌に(d)で製造したバクテリオフアージを形質
    導入し、そして形質導入された大腸菌を、抗生物質耐性
    をコードする遺伝子の存在によって耐性が付与された抗
    生物質を含有する培地で培養して、問題の抗原をコード
    する遺伝子を含有するコロニーを選別し; f.問題の外来抗原を含んでなるシヤトル・フアスミドが
    ミコバクテリウムゲノム中に安定に溶源化し且つ問題の
    抗原を発現するのに適した条件下に、培養しうるミコバ
    クテリアに(e)で選別したコロニーを感染させる、 工程を含んでなる外来DNAをミコバクテリウムに導入す
    る方法。
  19. 【請求項19】a.バクテリウム中でプラスミドとして及
    びミコバクテリウム中でフアージとして複製することが
    でき且つ1組の付着末端部位を含んでなるバクテリアの
    コスミドDNA及び1組の付着末端部位を含んでなるミコ
    バクテリオフアージDNAを含んでなるシヤトル・フアス
    ミドの付着端を連結し; b.シヤトル・フアスミドを独特な部位において制限酵素
    で切断し; c.(b)で製造した切断したシヤトル・フアスミドを、
    抗生物質耐性をコードする遺伝子及び問題の抗原をコー
    ドする遺伝子と連結して、抗生物質耐性をコードする遺
    伝子及び問題の抗原をコードする遺伝子を含むシヤトル
    ・フアスミドを製造し; d.(c)で製造したシヤトル・フアスミドをバクテリオ
    フアージ・ラムダ頭部にパツケージし; e.大腸菌に(d)で製造したバクテリオフアージを形質
    導入し、そして形質導入した大腸菌を、抗生物質耐性を
    コードする遺伝子の存在によって耐性が付与された抗生
    物質を含む培地で培養して、問題の抗原をコードする遺
    伝子を含有するコロニーを選別し; f.問題の抗原をコードする遺伝子をミコバクテリアゲノ
    ム中に導入し、且つ問題の抗原を発現するのに適した条
    件下に、培養しうるミコバクテリアに(e)で選別した
    コロニーを感染させる; 工程を含んでなる問題の抗原をコードする遺伝子をミコ
    バクテリウム中に導入する方法。
  20. 【請求項20】a.付着末端部位を含んでなるミコバクテ
    リオフアージのゲノムDNAを連結してコンカタマーを製
    造し且つ付着末端部位をアニーリングし; b.(a)で製造したコンカタマーを制限酵素Sau3Aで部
    分的に消化してコンカタマーのフラグメントを製造し; c.大きさが30〜55kbのフラグメントを得; d.付着末端部位を含んでなるバクテリアのプラスミドDN
    Aを制限酵素BamH Iで切断し; e.(c)で得たミコバクテリオフアージのフラグメント
    を、組換え分子の生成に適した条件下に、切断されたバ
    クテリアのプラスミドDNAと連結し;そして f.ミコバクテリオフアージのゲノムDNA及びバクテリア
    のプラスミドDNAを含んでなる組換え分子を選別し、こ
    こでバクテリアのプラスミドDNAがマクロフアージのゲ
    ノムDNAの必須でない領域に挿入されている、 ことを含んでなる組換えシヤトル・フアスミドの作製
    法。
  21. 【請求項21】請求の範囲第1項記載の培養しうる組換
    えミコバクテリアを含んでなるワクチン。
  22. 【請求項22】培養しうる組換えミコバクテリウムがミ
    コバクテリウム・ボビス−BCG、M.スメグマチス又はそ
    の遺伝学的変種である請求の範囲第21項記載のワクチ
    ン。
  23. 【請求項23】適当な担体を更に含んでなる請求の範囲
    第22項記載のワクチン。
  24. 【請求項24】哺乳動物宿主に、1つ又はそれ以上の病
    原体のそれぞれに対する少くとも1つの蛋白質抗原をコ
    ードする外来DNAが導入されている培養しうる組換えバ
    クテリウムを投与し、そして該宿主を該病原体に対して
    免疫化するための請求の範囲第21項記載のワクチン。
  25. 【請求項25】1つ又はそれ以上の病原体のそれぞれに
    対する少くとも1つの蛋白質抗原をコードする外来DNA
    を、ミコバクテリウム・ボビス−BCG中に導入すること
    を含んでなる哺乳動物宿主の該病原体に対する免疫化の
    ための請求の範囲第22項記載のワクチンの作製法。
  26. 【請求項26】大腸菌プラスミドDNAをミコバクテリオ
    フアージDNAの必須でない領域中に挿入することを含ん
    でなり、ここで該大腸菌プラスミドDNAが1組のコスミ
    ド付着末端部位、複製開始点及び少くとも1つの薬剤耐
    性マーカーを含んでなり且つ該ミコバクテリオフアージ
    DNAが1組の付着末端部位を含んでなる大腸菌−ミコバ
    クテリアシヤトル・フアスミドの作製法。
  27. 【請求項27】ミコバクテリオフアージDNAがラムダ・
    コリフアージDNAである請求の範囲第26項記載の方法。
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