JP3011891U - ジャッキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量物持ち上げ時の安全性を確保できるとと
もに、使用者への人的負担をなくし、ジャッキの低コス
ト化を図る。 【構成】 ねじ軸２８を駆動装置３０により正転または
逆転方向に回転することにより、ねじ軸２８に螺合する
移動ブロック２２を横ガイド穴１３に沿って右または左
方向に移動するとともに該移動ブロック２２に連結され
たリフチングアーム２３を中間ピン２５を介して縦ガイ
ド穴１４により垂直方向に案内させながら起立方向また
は傾倒方向に動作させ、これに連動してねじ軸２８と非
螺合状態にある移動ブロック２１と連結されたリフチン
グアーム２３を同様に起立または傾倒動作し、同時に移
動ブロック２１を横ガイド穴１３に沿って移動ブロック
２２と互いに接近または離間する方向に移動させる。こ
れにより、リフト機構２０を昇降動作させ、リフト機構
２０上に載せられた重量物を人的労力を要することなく
昇降可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、重量物を持ち上げるジャッキに係り、より詳しくは、パンタグラフ 構造のリフト機構を、ねじ軸とこれを回転する電動機付き駆動装置により昇降動 作させるジャッキに関する。

【０００２】

【従来の技術】

重量物を持ち上げるジャッキには、種々にの形式のものがあり、その１つとし て、パンタグラフ構造のリフト機構を備えたジャッキが知られている。

【０００３】 従来、この種のジャッキは、パンタグラフ構造のリフト機構と、このリフト機 構のリフチングアームの操作端を支持する一対の支持ブロックと、この各支持ブ ロックに螺合する互いに逆方向のねじ部を有するねじ軸と、このねじ軸を回転さ せるハンドルとを備え、ハンドルを操作してねじ軸を回転させることにより支持 ブロックを互いに接近または離間する方向に移動させ、これによりリフト機構を 伸縮させて、リフト機構上に荷重された重量物を昇降させるようになっている。

【０００４】 このような従来のジャッキでは、リフチングアームの操作端を支持する支持ブ ロックがねじ軸と螺合する構造になっているため、リフト機構上に重量物を載せ たまま放置しても、リフト機構が荷重力によって不用意に下降動作されるような ことがなく、重量物持ち上げ時の安全性を確保できる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来のジャッキでは、リフト機構の昇降はハンド ルでねじ軸を手動で回転させる構造になっているため、持ち上げられる重量物の 重さが比較的軽い場合はそれ程問題にならないが、持ち上げられる重量物の重さ が小型自動車等のように１０００Ｋｇ以上になると、この重量が負荷されたリフ ト機構を上昇させるのに必要なハンドルに加えられるトルクも相当に大きくなり 、ジャッキ使用者への負担も大きくなる。特に、ジャッキ使用者が力の弱い女性 等である場合には、ハンドルを回転操作できないこともある。 また、上記従来のジャッキは、手動で昇降操作されるため、昇降速度が遅く、 重量物の昇降に時間がかかるほか、大きな人的労力を必要とする問題があった。

【０００６】 そこで、従来においては、使用者の負担と労力を軽減するために、油圧を利用 した油圧ジャッキが知られている。 しかしながら、この種の油圧ジャッキは、シリンダと、このシリンダにパッキ ングを介して嵌合されるラム、及びラムとシリンダにより区画される油圧室に圧 油を給排するバルブ等から構成されているため、パッキングが劣化したり、また は油圧供給パイプ等に亀裂などが発生して油漏れが生じると、ラムによる重量物 の持ち上げ位置が維持できなくなり、重量物が自然下降してしまい、安全性に欠 けるほか、ジャッキ駆動のための油圧系が大型化しコスト高になる問題があった 。

【０００７】 本考案は、上記の事情に鑑みなされたもので、その目的とするとろは、重量物 持ち上げ時の安全性を確保できるとともに、使用者への人的負担をなくし、かつ 低コスト化できるジャッキを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために請求項１の考案は、所定間隔離して平行に配置され た一対の支持部材と、前記各支持部材を一体に結合する結合部材と、前記支持部 材の下端部側に左右に分離して水平に形成した一対の横ガイド穴及び前記横ガイ ド穴の中間に位置して前記支持部材に横ガイド穴と直角に形成した縦ガイド穴と 、前記各支持部材の互いに正対する前記左及び右の横ガイド穴間にそれぞれピン を介して横ガイド穴の長手方向にスライド可能に係合され支持された一対の移動 ブロックと、前記両移動ブロックに下端部を揺動可能に支持するとともに中間ピ ンを前記両支持部材の縦ガイド穴間に該縦ガイド穴の長手方向にスライド可能に 係合し、前記両移動ブロックが互いに接近及び離間する方向に移動することによ りリフチングされるパンタグラフ式のリフト機構と、前記一方の移動ブロックに 非螺合状態に貫通され前記他方の移動ブロックにねじ結合されるリフチング用ね じ軸と、前記一方の移動ブロックに連結部材により一体に結合され前記リフチン グ用ねじ軸を正逆回転させる電動機内蔵の駆動装置とを備えてなるものである。

【０００９】 請求項２の考案は、前記リフト機構を、中間部が前記中間ピンにより回動可能 に連結され、下端部を一対づつ左右に分けて前記両移動ブロックに揺動可能に連 結した４本のリフチングアームと、このリフチングアームの左右の上端部にそれ ぞれ一端部が揺動可能に連結され、他端部を扇形ギヤを介して噛合させた一対の アームと、この両アームの他端部に設けた重量物載置台とから構成したものであ る。

【００１０】 請求項３の考案は、前記支持部材を、略三角形状に成形された鋼板から構成し 、その底辺には直角に折り曲げた設置部を設けるとともに傾斜辺には補強用のリ ブを形成したものである。

【００１１】

【作用】

上記構成の本考案においては、ねじ軸が駆動装置により正転または逆転方向に 回転されると、ねじ軸に螺合する他方の移動ブロックが横ガイド穴に沿って右ま たは左方向に移動するとともに該移動ブロックに連結されたリフチングアームが 中間ピンを介して縦ガイド穴により垂直方向に案内されながら起立方向または傾 倒方向に動作し、これに連動してねじ軸と非螺合状態にある一方の移動ブロック と連結されたリフチングアームも同様に起立または傾倒動作し、同時に一方に移 動ブロックも横ガイド穴に沿って他方の移動ブロックと互いに接近または離間す る方向に移動する。これによりリフト機構が昇降動作され、リフト機構上に載せ られた重量物を人的労力を要することなく昇降し得る。

【００１２】 このようにして、重量物持ち上げ時の安全性を確保し、使用者への人的負担を なくし得る。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１〜図４に基づいて詳細に説明する。 図１はジャッキの分解斜視図、図２は組立て後の全体の斜視図、図３はリフト 機構が最下端に下降したときのジャッキの側面図、図４はリフト機構が上昇した ときのジャッキの側面図を示す。

【００１４】 この図１〜図４において、ジャッキは一対の支持部材１０、パンタグラフ式の リフト機構２０、リフト機構２０を昇降動作可能に支持する一対の移動ブロック ２１，２２、リフチング用のねじ軸２８、ねじ軸転用の駆動装置３０及び駆動装 置３０と移動ブロック２１とを結合する連結部材４０を備える。

【００１５】 前記両支持部材１０は鋼板により略三角形状に成形され、その両傾斜辺には互 いに外側へ折り曲げた補強リブ１１を有し、底辺には互いに外側へ直角に折り曲 げた設置部１２を備えている。このように成形された各支持部材１０は所定間隔 離して平行に対向配置され、この両支持部材１０間は同一長さの複数の結合ボル ト１５とナット１６によって結合され一体化されている。また、両支持部材１０ の設置部１２側には、一対の横ガイド穴１３が左右に分離して水平に形成され、 さらに、両支持部材１０には、１つの縦ガイド穴１４が両横ガイド穴１３の中間 に位置して横ガイド穴１３と直角に形成されている。

【００１６】 前記リフト機構２０は、中間部が中間ピン２５により回動可能に連結され、下 端部を一対づつ左右に分けて両移動ブロック２１，２２に揺動可能に連結した４ 本のリフチングアーム２３と、このリフチングアーム２３の左右の上端部にそれ ぞれ一端部が連結ピン２４により揺動可能に連結され、他端部を扇形ギヤ２６１ により噛合させた一対のアーム２６と、この両アーム２６の他端部間にピン２７ １により取り付けた重量物載置台２７とから構成される。

【００１７】 前記リフト機構２０を昇降動作可能に支持する移動ブロック２１、２２は両支 持部材１０間に配置されるもので、この右側の移動ブロック２１は、これに突設 したピン２１１を右側の横ガイド穴１３に係合することにより該横ガイド穴１３ の長手方向にスライド可能に支持され、また、左側の移動ブロック２２は、これ に突設したピン２２２を左側の横ガイド穴１３に係合することにより該横ガイド 穴１３の長手方向にスライド可能に支持されている。

【００１８】 前記ねじ軸２８は、前記移動ブロック２１、２２間に差し渡し状態に配置され るもので、移動ブロック２１に対しては非螺合状態に貫通され、移動ブロック２ ２には、そのねじ穴２２１に螺合されている。

【００１９】 前記ねじ軸回転用の駆動装置３０は、減速機構付きの電動機（不図示）を内蔵 し、この電動機は外部から供給される外部電源によって駆動されるとともに、ス イッチ３３により正逆回転及び停止操作できるように構成されている。また、駆 動装置３０は、その先端部から突出する回転軸３２を有し、この回転軸３２の先 端面には六角形の係合穴３２１が形成されており、この係合穴３２１は、ねじ軸 ２８の一端に形成した六角形状の係合部２８１に係合される。

【００２０】 前記連結部材４０は金属板材から成形されもので、この連結部材４０により移 動ブロック２１と駆動装置３０とを連結する場合は、連結部材４０の一端部に形 成した穴４１を移動ブロック２１のピン２１１に係合し、連結部材４０の他端部 をねじ４２により、駆動装置３０の先端部側壁に形成したねじ穴３１に螺合して 締め付けることで行う。

【００２１】 次に、上記のように構成された本実施例のジャッキの動作につて説明する。 スイッチ３３を操作することにより駆動装置３０の電動機を正転方向に起動す ると、その回転は回転軸３２１を通してねじ軸２８に伝達される。このねじ軸２ ８が正転方向に回転されると、そのねじリードによって左側の移動ブロック２２ が横ガイド穴１３に沿って図４の矢印Ｘ１方向へ移動するとともに、該移動ブロ ック２２に連結されたリフチングアーム２３の下端側が同一方向へ移動すること により、中間ピン２５が縦ガイド穴１４い沿って図４の矢印Ｙ方向に移動するた め、移動ブロック２２に連結されたリフチングアーム２３は起立する方向に動作 する。これに連動してねじ軸２８と非螺合状態にある右側の移動ブロック２１と 連結されたリフチングアーム２３も同様に起立する方向に動作し、同時に右側の 移動ブロック２１も横ガイド穴１３に沿って図４の矢印Ｘ２方向に移動する。こ れにより、両移動ブロック２１と２２は互いに接近する方向に移動するから、リ フト機構２０は図４に示すように上昇動作する。

【００２２】 この時、リフト機構２０の中間ピン２５は縦ガイド穴１４によって垂直方向に 案内されるとともに、アーム２６の先端部は扇形ギヤ２６１を介して噛合する構 造になっているため、重量物載置台２７は水平状態を維持して上昇または下降す る。これにより、重量物載置台２７上の重量物を安定して上昇または下降させる ことができる。 また、リフト機構２０の上昇動作に伴い右側の移動ブロック２１が図４の矢印 Ｘ２方向に移動すると、これにつれて駆動装置３０も一体に同一方向に移動する 。

【００２３】 リフト機構２０を下降させる場合は、スイッチ３３を操作して駆動装置３０の 電動機を逆転方向に起動し、ねじ軸２８を逆回転させばよい。図３はリフト機構 ２０を下降させた状態を示す。

【００２４】 このように本実施例においては、ねじ軸２８が駆動装置３０により正転または 逆転方向に回転されると、ねじ軸２８に螺合する移動ブロック２２が横ガイド穴 １３に沿って右または左方向に移動するとともに該移動ブロック２２に連結され たリフチングアーム２３が中間ピン２５を介して縦ガイド穴１４により垂直方向 に案内されながら起立方向または傾倒方向に動作し、これに連動してねじ軸２８ と非螺合状態にある移動ブロック２１と連結されたリフチングアーム２３も同様 に起立または傾倒動作し、同時に、移動ブロック２１も横ガイド穴１３に沿って 移動ブロック２２と互いに接近または離間する方向に移動するから、リフト機構 ２０の載置台２７上に載せられた重量物を人的労力を要することなく容易に昇降 させることができる。 しかも、ねじ軸２８とこれに螺合する移動ブロック２２ によりリフト機構２０を昇降させるから、重量物持ち上げ時の安全性を確保でき 、使用者への人的負担をなくすることができる。

【００２５】 また、本実施例においては、リフト機構２０の中間ピン２５は縦ガイド穴１４ によって垂直方向に案内されるとともに、アーム２６の先端部は扇形ギヤ２６１ を介して噛合する構造になっているため、重量物載置台２７の水平状態を常に維 持でき、重量物載置台２７上の重量物を更に安定して上昇または下降させること ができる。

【００２６】 さらに、本実施例においては、支持部材１０に補強リブ１１及び設置部１２を 設けることにより、強度的に安定した支持部材１０を鋼板からプレス加工により 低コストに作成できるとともに、電動式の駆動装置とすることにより、ジャッキ 全体をコンパクトでき、低コスト化も可能になる。

【００２７】 なお、本考案は、上記実施例に示す構成のものに限定されず、請求項に記載し た範囲を逸脱しない限り、種々な変形、変更が可能である。

【００２８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、所定間隔離して平行に配置された一対の支持部 材と、前記各支持部材を一体に結合する結合部材と、前記支持部材の下端部側に 左右に分離して水平に形成した一対の横ガイド穴及び前記横ガイド穴の中間に位 置して前記支持部材に横ガイド穴と直角に形成した縦ガイド穴と、前記各支持部 材の互いに正対する前記左及び右の横ガイド穴間にそれぞれピンを介して横ガイ ド穴の長手方向にスライド可能に係合され支持された一対の移動ブロックと、前 記両移動ブロックに下端部を揺動可能に支持するとともに中間ピンを前記両支持 部材の縦ガイド穴間に該縦ガイド穴の長手方向にスライド可能に係合し、前記両 移動ブロックが互いに接近及び離間する方向に移動することによりリフチングさ れるパンタグラフ式のリフト機構と、前記一方の移動ブロックに非螺合状態に貫 通され前記他方の移動ブロックにねじ結合されるリフチング用ねじ軸と、前記一 方の移動ブロックに連結部材により一体に結合され前記リフチング用ねじ軸を正 逆回転させる電動機内蔵の駆動装置とを備えてなるものである。

【００２９】 また、本考案は、前記リフト機構を、中間部が前記中間ピンにより回動可能に 連結され、下端部を一対づつ左右に分けて前記両移動ブロックに揺動可能に連結 した４本のリフチングアームと、このリフチングアームの左右の上端部にそれぞ れ一端部が揺動可能に連結され、他端部を扇形ギヤを介して噛合させた一対のア ームと、この両アームの他端部に設けた重量物載置台とから構成したものである 。 従って、本考案によれば、重量物持ち上げ時の安全性を確保できると共に、使 用者への人的負担がなくり、かつ低コストのジャッキを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるジャッキの一実施例を示す分解斜
視図である。

【図２】本実施例における組立て後のジャッキの斜視図
である。

【図３】本実施例におけるリフト機構が最下端に下降し
たときのジャッキの側面図である。

【図４】本実施例におけるリフト機構が上昇したときの
ジャッキの側面図である。

【符号の説明】

１０ 支持部材 １１ 補強リブ １２ 設置部 １３ 横ガイド穴 １４ 縦ガイド穴 １５ 結合ボルト（連結部材） ２０ リフト機構 ２１、２２ 移動ブロック ２３ リフチングアーム ２５ 中間ピン ２６ アーム ２７ 重量物載置台 ２８ ねじ軸 ３０ 駆動装置 ４０ 連結部材 ２１１、２２２ ピン ２６１ 扇形ギヤ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定間隔離して平行に配置された一対の
   支持部材と、前記各支持部材を一体に結合する結合部材
   と、前記支持部材の下端部側に左右に分離して水平に形
   成した一対の横ガイド穴及び前記横ガイド穴の中間に位
   置して前記支持部材に横ガイド穴と直角に形成した縦ガ
   イド穴と、前記各支持部材の互いに正対する前記左及び
   右の横ガイド穴間にそれぞれピンを介して横ガイド穴の
   長手方向にスライド可能に係合され支持された一対の移
   動ブロックと、前記両移動ブロックに下端部を揺動可能
   に支持するとともに中間ピンを前記両支持部材の縦ガイ
   ド穴間に該縦ガイド穴の長手方向にスライド可能に係合
   し、前記両移動ブロックが互いに接近及び離間する方向
   に移動することによりリフチングされるパンタグラフ式
   のリフト機構と、前記一方の移動ブロックに非螺合状態
   に貫通され前記他方の移動ブロックにねじ結合されるリ
   フチング用ねじ軸と、前記一方の移動ブロックに連結部
   材により一体に結合され前記リフチング用ねじ軸を正逆
   回転させる電動機内蔵の駆動装置とを備えてなるジャッ
   キ。
2. 【請求項２】 前記リフト機構は、中間部が前記中間ピ
   ンにより回動可能に連結され、下端部を一対づつ左右に
   分けて前記両移動ブロックに揺動可能に連結した４本の
   リフチングアームと、このリフチングアームの左右の上
   端部にそれぞれ一端部が揺動可能に連結され、他端部を
   扇形ギヤを介して噛合させた一対のアームと、この両ア
   ームの他端部に設けた重量物載置台とから構成される請
   求項１記載のジャッキ。
3. 【請求項３】 前記支持部材は、三角形状に成形された
   鋼板からなり、その底辺には直角に折り曲げた設置部を
   設けるとともに傾斜辺には補強用のリブを形成した請求
   項１記載のジャッキ。