JP3541758B2 - ローリフト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パレット等に載置した荷物を運搬するローリフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
倉庫や工場内での運搬作業に、荷物をパレット等に積載してパレットごと運搬するローリフトが用いられている。この種のローリフトは一般に、図4に示すようにドライブホイール1と、これに支持せしめた油圧シリンダ装置6Aとからなる駆動部9と、パレット等に挿入する左右一対のフォーク4の基端を固定した基台2を備え、駆動部9と基台2とは、上記油圧シリンダ装置6Aの上端と基台2の上端とを連結するとともに、左右一対のリフトアーム3を介して連結されている。また、上記フォーク4の先端には支持アーム51を介してロードホイール5が起倒可能に取付けられ、支持アーム51はプッシュロッド54で上記リフトアーム3の先端に連結されている。そして、上記油圧シリンダ装置6Aの伸縮作用により、基台2がフォーク4と一体に昇降するとともに、リフトアーム3が回動して、プッシュロッド54を介してロードホイール5が起伏してフォーク4の先端を支持する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のローリフトはフォーク4の昇降に油圧シリンダ装置6Aを利用しており、これを作動させるために電動モーターP1やポンプP2等で構成した油圧パワーユニットPとこれに電源を供給するバッテリーBが必要で、これらは基台2内に設置されている。従って、基台2は油圧パワーユニットPおよびバッテリーBを設置するスペースが必要で大型となりかつ重量が重くなる。その上、従来のローリフトはフォーク4を基台2と一体に昇降させるため、大きな昇降力が必要で昇降の効率がよくない。そこで、本発明はフォークのみを昇降させ昇降効率の良好なローリフトを提供することを課題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パレット等に載置した荷物を運搬するローリフトであって、ドライブホイールを備えた基台と、該基台にリフトアームを介して昇降可能に連結され上記基台から前方へ延出してパレット等に挿入されるフォークと、フォークの先端に支持アームを介して起倒可能に取付けられるとともにプッシュロッドを介して上記リフトアームと連結されてリフトアームの回動に伴い起伏してフォークの先端を支持するロードホイールとを備え、上記基台内には、電動モーターと、上端を上記基台に回動可能に支持せしめられて上下方向に立設され、上記電動モーターにより軸中心に回転せしめられるねじ軸と、該ねじ軸に螺合してねじ軸の回転によりねじ軸に沿って上下に移動可能なナット部材とを備えた昇降装置を設け、上記基台に軸支して上下方向に回動可能な上記リフトアームの先端を上記ナット部材に回動可能に連結するとともに、上記リフトアームの先端に上記フォークのり基端部を回動可能に軸支せしめ、上記昇降装置の上記ねじ軸の回転による上記ナット部材のねじ軸に沿う上下移動により上記リフトアームの先端を回動せしめて上記フォークの基端部を昇降せしめるとともに、上記リフトアームの回動により上記プッシュロッドを介して上記ロードホイールを起伏して上記フォークの先端部を昇降せしめる構造とする。
【0005】
本発明のローリフトは、上記昇降装置の上記ねじ軸の回転による上記ナット部材の上下移動により上記リフトアームが回動して上記フォークの基端部が昇降し、上記リフトアームの回動により上記プッシュロッドを介して上記ロードホイールを起伏して上記フォークの先端部が昇降する。
【0006】
また、本発明は、上記昇降装置の上記ナット部材と上記フォークの基端部を連結し、上記ナット部材の移動によりフォークを昇降せしめる構造としてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3に基づいて本発明の実施の形態を説明する。ローリフトは、ドライブホイール1を備えた基台2に、リフトアーム3を介して、荷物を積載するパレット等(図略)に挿入する左右一対のフォーク4を昇降可能に連結した構造である。基台2は前方および下方が開口する頑丈な箱体で構成してあり、背壁の下端にドライブホイール1が設けてある。ドライブホイール1は、カバー部材11で被覆してあり、カバー部材11の内側に設置した電動モーター(図略)で駆動する。ドライブホイール1は、カバー部材11の上方へ突出する操作ハンドル10と連結してあり、操作ハンドル10の操作により舵取りが可能である。図の12は補助車輪である。
【0008】
基台2の内部には中央に、左右一対の昇降装置6が組付けてある。各昇降装置6は同一構造で、電動モーター61と、該電動モーター61により軸中心に回転されるねじ軸62と、ねじ軸62に螺合し、ねじ軸62の回転によりねじ軸62に沿って移動するナット部材63を備えている。
【0009】
電動モーター61は上端がベース部材64に取付けてあり、ねじ軸62は上端をベース部材64と一体の軸受け65に回転可能に軸支せしめ、電動モーター61と隣合わせて平行に組付けてある。そして、ねじ軸62はベース部材64に内設した図略の歯車機構により電動モーター61のモーター軸と連結されており、電動モーター61を正方向または逆方向に回転させることによりねじ軸62が軸中心に正・逆回転するようにしてある。
【0010】
昇降装置6は、上記ベース部材64と一体の軸受け65を、基台2の背壁中央から基台2内へほぼ水平に突出する支持ブラケット21の先端に支軸22により軸支してねじ軸62を立設するとともに前後方向に若干傾動可能に取付けてある。また、基台2内には、昇降装置6の上方位置にドライブホイール1や電動モーター61に電力を供給するバッテリーBが、昇降装置6の側方位置にドライブホイール1や昇降装置6を制御する各種制御回路およびバッテリーBの充電回路等からなるコントロールボックスCが設置してある。
【0011】
フォーク4は、下方へ開口する断面ほぼコ字形で先端が先細りテーパー状に形成した鋼材で構成してあり、基台2下端の左右両側位置から前方へ向けて平行一対に延出してある。フォーク4の基端部には基台2内部へ延出する板状の軸受けプレート41が縦方向に固着して設けてある。そして、両フォーク4と一体の軸受けプレート41間には頑丈なパイプからなる横軸42がその端末を軸受けプレート41に相対回転可能に挿通して架けわたしてある。
【0012】
基台2の両側壁の下部にはそれぞれ、リフトアーム3の基端が支軸31により回動可能に軸支してある。そして、リフトアーム3の先端には上記横軸42の端部が挿通固着せしめてある。従って、横軸42はリフトアーム3の回動により上下動し、フォーク4の基端部を上下動させる。
【0013】
横軸42の中央位置には、前斜め上方へ突出して横軸42と上記ねじ軸62に螺合したナット部材63とを連結する左右一対の第1の連結アーム43が突設してある。第1の連結アーム43は基端に挿通せしめた横軸42に溶接固定してあり、先端が上記昇降装置6のナット部材63の側面に支軸44により回動可能に連結してある。
【0014】
更に、横軸42のリフトアーム3と第1の連結アーム43との中間位置にはそれぞれ、後斜め下方へ突出して先端に後述のプッシュロッド54を連結する第2の連結アーム45が突設してある。第2の連結アーム45も基端に挿通せしめた横軸42に溶接固定してある。
【0015】
フォーク4の基端部付近には縦壁状で、基台2の前面開口を覆う背板46が立設してある。背板46は、基台2の前面開口とほぼ合致する寸法および外形で、下縁の左右両端を両側のフォーク4に固着してある。そして、背板46はその上部が左右一対のリンクアーム7を介して基台2の上部に連結してある。リンクアーム7は、上記リフトアーム3と平行に傾斜し、一端を支軸71により基台2の側壁上部に回動可能に軸支するとともに、他端を支軸72によりフォーク4の背板46の側壁上部に回動可能に軸支してある。
【0016】
各フォーク4の先端部にはそれぞれロードホイール5が取付けてあり、フォーク4の先端を支持するようにしている。各ロードホイール5は左右一対の支持アーム51の先端間に車輪を回転可能に軸支した構造で、支持アーム51の上端部をフォーク4先端部の軸受け47に支軸53により起倒回動可能に取付けてある。
【0017】
そして、ロードホイール5は、プッシュロッド54によりフォーク4の横軸42に設けた上記第2の連結アーム45と連結してある。プッシュロッド54はフォーク4に沿って延びる棒材で、基端を上記第2の連結アーム45の先端に支軸48により回動可能に軸支せしめ、先端はロードホイール5の支持アーム51の上端部に、上記支軸53よりも後斜め上方位置で支軸55により回動可能に軸支してある。
【0018】
図1および図2に示すように、上述のローリフトは、電動モーター61によりねじ軸62を正回転させるとナット部材63がねじ軸62に沿って上方へ移動する。ナット部材63は第1の連結アーム43を介して横軸42を上方に持ち上げる。ねじ軸3は上端が基台2に回動可能に支持され、横軸42はリフトアーム3により基台2と連結してあるので、横軸42の上方への移動はリフトアーム3に規制され、横軸42はリフトアーム3の基端の支軸31を中心とする円弧状の軌跡で反時計方向に上方へ移動し、フォーク4の基端部を上昇せしめる。この時、基台2上部とリンクアーム7で連結されたフォーク4の背板46も起立姿勢を保持したまま上昇する。
【0019】
そして、横軸42は上昇時に、その軸を中心に反時計方向に回転する。これに伴って、横軸42に固着した第2の連結アーム45が、プッシュロッド54の基端を前方へ押し出す。これにより、プッシュロッド54先端の支軸55が前方に押され、ロードホイール5の支持アーム51を支軸53を中心に時計方向に下方へ回動してロードホイール5は起立し、フォーク4の先端部を上昇させる。従って、フォーク4は、基端部の上昇に伴って、先端部も上昇するので水平姿勢を保ったまま上昇する。フォーク4の上昇は、リフトアーム3が基台2の側壁内面に突設した上限ストッパ8aに当接し、上限ストッパ8aに付設したリミットスイッチを作動させることで、電動モーター61が停止して止まる。
【0020】
フォーク4を上昇位置から下降させるには、電動モーター61でねじ軸62を逆回転させると、ねじ軸62に沿ってナット部材63が下方へ移動し、横軸42をリフトアーム3の支軸31を中心とする円弧状の軌跡で時計方向に下方へ移動し、フォーク4の基端部が下降する。これに伴って、プッシュロッド54が引き戻されてロードホイール5の支持アーム51が反時計方向に回動してロードホイール5が倒れ、フォーク4の先端部も下降する。フォーク4は下降時も、基端部と先端部とが同時に下降するので水平姿勢を保ったまま下降する。フォーク4の下降は、リフトアーム3が基台2の側壁内面に突設した下限ストッパ8bに当接し、これに付設したリミットスイッチを作動させることで、電動モーター61が停止して止まる。
【0021】
上述のローリフトは複数の昇降装置6を並設しているが、比較的に軽い荷物を運搬する小型のローリフトでは、フォークの昇降に大きな力を必要としないので、昇降装置6をひとつとしてもよい。また、上述のローリフトは両フォーク4の基端部間に架設した横軸42と昇降装置6のナット部材63とを連結する構造としたが、これに限るものではなく、例えば、リフトアーム3とナット部材63とを連結して、昇降装置6で直接的にリフトアーム3を回動せしめる構造としてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明のローリフトは、基台内に電動式の昇降装置を設置し、該昇降装置でフォークのみを昇降せしめる構造としたので、従来構造のように大きな昇降力が必要なく、小さな力で効率よくフォークを昇降させることができる。また、昇降装置は大きなスペースを必要とせず基台は小型化され、かつ、基台外に油圧装置を設けないからローリフト全体が著しく小型化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローリフトを示し、フォーク下降時の側面図である。
【図2】本発明のローリフトのフォーク上昇時を示す側面図である。
【図3】本発明のローリフトの構造を示す斜視図である。
【図4】従来のローリフトの側面図である。
【符号の説明】
1 ドライブホイール
2 基台
3 リフトアーム
4 フォーク
5 ロードホイール
51 支持アーム
54 プッシュロッド
6 昇降装置
61 電動モーター
62 ねじ軸
63 ナット部材
Claims (1)
- パレット等に載置した荷物を運搬するローリフトであって、ドライブホイールを備えた基台と、該基台にリフトアームを介して昇降可能に連結され上記基台から前方へ延出してパレット等に挿入されるフォークと、フォークの先端に支持アームを介して起倒可能に取付けられるとともにプッシュロッドを介して上記リフトアームと連結されてリフトアームの回動に伴い起伏してフォークの先端を支持するロードホイールとを備え、上記基台内には、電動モーターと、上端を上記基台に回動可能に支持せしめられて上下方向に立設され、上記電動モーターにより軸中心に回転せしめられるねじ軸と、該ねじ軸に螺合してねじ軸の回転によりねじ軸に沿って上下に移動可能なナット部材とを備えた昇降装置を設け、上記基台に軸支して上下方向に回動可能な上記リフトアームの先端を上記ナット部材に回動可能に連結するとともに、上記リフトアームの先端に上記フォークの基端部を回動可能に軸支せしめ、上記昇降装置の上記ねじ軸の回転による上記ナット部材のねじ軸に沿う上下移動により上記リフトアームの先端を回動せしめて上記フォークの基端部を昇降せしめるとともに、上記リフトアームの回動により上記プッシュロッドを介して上記ロードホイールを起伏して上記フォークの先端部を昇降せしめることを特徴とするローリフト。
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