JP3011658B2 - 自動巻線機のチャック機構とそのワーク保持方法 - Google Patents

自動巻線機のチャック機構とそのワーク保持方法

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JP3011658B2 JP8021837A JP2183796A JP3011658B2 JP 3011658 B2 JP3011658 B2 JP 3011658B2 JP 8021837 A JP8021837 A JP 8021837A JP 2183796 A JP2183796 A JP 2183796A JP 3011658 B2 JP3011658 B2 JP 3011658B2
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コイルや遅延線等の電
子部品の巻線工程で用いられる自動巻線機に係り、特に
ワーク(被巻線部品)を保持するチャック機構と、この
チャック機構によるワークの保持方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】磁性体コアに線材を巻回してなる高周波
コイルの場合、自動巻線機でコアに巻線を施すには、チ
ャックで磁性体コアの一端を挟んで保持し、このチャッ
クを回転することによって行っている。チャックが回転
している時にコアが外れないように、チャックはコアを
しっかり保持する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】チャックにコアを装着
するときに、チャックの寸法誤差やコアの寸法のバラツ
キなどのために、チャックとコアの互いの中心軸が一致
しない場合がある。そのような場合はチャックを閉じた
ときに偏った強い力がコアに加わり、コアが折れること
があった。フェライト等からなる磁性体コアは欠けや割
れを生じ易く、従来このようなチャック装着時のコア破
損不良が数%程度発生していた。そこで、本発明はコア
が破損しない構造のチャック機構とそのワークの保持方
法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、チャックが電
子部品等のワークを受け取って挟む際に、一時的に弱い
力で挟んでから強い力で挟むようにしたものである。す
なわち、本発明の自動巻線機は、複数に割れた先端の開
口部にワークを挟んで保持するチャックを備えた自動巻
線機のチャック機構において、先端に開口部を有し先端
部から離れるに従って細くなるテーパー面を有するチャ
ックと、チャックに被せられ、チャックの長手方向に沿
って移動自在で、チャックの先端部方向にスプリングで
付勢され、チャックの先端部側に移動したときテーパー
面に当接して開口部を細く閉じる筒体と、該スプリング
が縮む方向に筒体を押圧可能な押圧機構とを備え、押圧
機構が筒体に加える押圧力を強弱二段階に切替え可能に
した構成を特徴とする。また、本発明はこのような自動
巻線機のチャック機構を用いたワークの保持方法におい
て、筒体に加わる押圧機構の押圧力が強の状態でチャッ
クの開口部にワークを挿入した後、押圧力を弱の状態に
することにより、僅かに閉じたチャックがワークを軽く
保持し、次いでこの押圧力を取り去ることによってチャ
ックがワークを強く保持することを特徴とする。
【0005】
【実施例】図1及び図2は本発明の自動巻線機における
チャック機構の一実施例を示すもので、図1は一部を切
欠した側面図、図2は正面図である。ベース10の上面に
はチャック20の支持部30と駆動部40が固定してある。先
端が三つに割れた円筒状のチャック20は、先端に開口部
21を有し、ボールベアリングを介して支持部30に取付け
てある。チャック20は、後部を駆動部40によって回転駆
動されることにより、水平方向の軸を中心に回転可能に
なされている。チャック20には、先端部から離れるに従
って細くなるテーパー面22を先端部付近に形成し、後部
に鍔24を形成してある。
【0006】チャック20の外側には、チャック20の長手
方向に沿って移動自在な筒体50が被せてある。筒体50に
は鍔状の係合部52と鍔54が形成してある。筒体50は、鍔
54とチャック20の鍔24との間に取付けたスプリング32に
よって図1で右方向に付勢されている。スプリング32に
押されてチャック20の先端に向かって前進した筒体50
は、その先端がチャック20のテーパー面22に当接して、
三つに割れたチャック20の先端の開口部21を細く閉じる
ように作用する。筒体50が後退すると、開口部21は弾性
で再び開き、高周波コイルのコアなどのワーク60を受け
入れられる大きさになる。そして、この開閉するチャッ
ク20の先端の開口部21でワーク60を挟んで保持するもの
である。
【0007】ベース10の下面には二つのエアーシリンダ
70、80が固定してあり、ベース10の端部には、回転軸92
を中心に回動可能なレバー90が取付けてある。レバー90
は、上端が二股になっており、この二股になった部分で
筒体50を挟むようにして係合部52に当接し、他端側がエ
アーシリンダ70、80のピストン72、82の先端に当接して
いる。エアーシリンダ70、80には、内部に圧縮空気を供
給するための給気口74、84と、シリンダ内の圧縮空気を
抜くための排気口76、86(図2)がそれぞれ設けてあ
る。
【0008】図1はチャック20の開口部21が開いた状態
を示している。このとき、二つのエアーシリンダ70、80
のそれぞれの給気口74、84からは同じ圧力の圧縮空気が
送り込まれている。ピストン72、82は前進してレバー90
を押すので、回動したレバー90は上端で筒体50を後方に
押す。その結果、筒体50がスプリング32を押し縮めて後
退し、チャック20の開口部21が開く。二つのピストン7
2、82のレバー90を押す力はそれぞれ同程度であるが、
てこの原理でレバー90の支点(軸92)から遠い方のピス
トン72による力の方がピストン82による力よりも強くレ
バー90の先端に作用している。
【0009】次に、このチャック機構の動作について説
明する。まず図1の状態、すなわちレバー90で筒体50を
強く押圧して開口部21を最大限に開いた状態で、先端に
ワーク60を保持した供給ロッド65を開口部21に向かって
前進させ、ワーク60の一端を開口部21に挿入する。次い
で、レバー90の支点から離れた方のエアーシリンダ70へ
の給気を停止し排気する。すると、レバー90の下部を押
す力が、支点に近い他方のエアーシリンダ80だけの力と
なって大幅に弱まる。その分、筒体50を押す力も弱まる
ので、スプリング32の力でレバー90の上端が図3のよう
に押し戻されて筒体50が僅かにチャック20の先端方向に
移動する。この結果、開口部21は途中まで閉じてワーク
60の端部を軽く挟んだ状態となる。
【0010】この状態から供給ロッド65をチャック20か
ら後退させると、ワーク60は供給ロッド65から離れてチ
ャック20の開口部21に軽く挟んで保持される。そして、
もう一つのエアーシリンダ80も給気を停止し排気する
と、図4のように両方のピストン72、82がレバー90から
離れて、レバー90はフリーな状態となる。レバー90の押
圧力から解放された筒体50は、このときスプリング32
(図1)の力によって図4で右方向に再び移動してチャ
ック20の開口部21を強く閉じる。この結果、ワーク60は
チャック20の先端にしっかりと保持され、ワーク60に対
する巻線処理の準備ができたことになる。
【0011】上記実施例では、エアーシリンダを二つ使
用し、時間差をおいて一つずつ動作を停止させることに
より、レバー90が筒体50に加える押圧力を強弱二段階に
切替えるようにしたが、エアーシリンダを一つだけ用
い、圧縮空気の圧力を強弱二段階に変化させるようにし
ても同じ機能が得られる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、チャックがワークを受
け取る瞬間は、ワークを軽く挟んで保持するので、チャ
ックとコアの互いの中心軸が一致しない場合でも、コア
に大きな力が加わることがない。このため、高周波コイ
ルのコア等のワークの破損をきわめて効果的に防止でき
る。巻線部の直径が1.5mmで高さが3mmのフェラ
イト材からなるコアで実験したところ、従来1%〜3%
出ていたコアの破損不良が全く発生しなくなったことを
確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のチャック機構の一実施例を示す一部
切欠側面図
【図2】 同、正面図
【図3】 ワーク挿入時の同チャック機構の一部切欠側
面図
【図4】 チャックを閉じた時の同チャック機構の一部
切欠側面図
【符号の説明】
20 チャック 21 開口部 22 テーパー面 50 筒体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数に割れた先端の開口部にワークを挟
    んで保持するチャックを備えた自動巻線機のチャック機
    構において、先端に開口部を有し先端部から離れるに従
    って細くなるテーパー面を有するチャックと、チャック
    に被せられ、チャックの長手方向に沿って移動自在で、
    チャックの先端部方向にスプリングで付勢され、チャッ
    クの先端部側に移動したとき該テーパー面に当接して開
    口部を細く閉じる筒体と、該スプリングが縮む方向に筒
    体を押圧可能な押圧機構とを備え、押圧機構が筒体に加
    える押圧力を強弱二段階に切替え可能にしたことを特徴
    とする自動巻線機のチャック機構。
  2. 【請求項2】 回動可能なレバーと該レバーの一端側を
    押圧可能な駆動部材で押圧機構を構成し、筒体に形成し
    た係合部にレバーの他端を当接させた請求項1の自動巻
    線機のチャック機構。
  3. 【請求項3】 駆動部材が二つのエアーシリンダからな
    り、それぞれのエアーシリンダのピストンでレバーを押
    圧可能にするとともに、二つのエアーシリンダの動作を
    停止するタイミングに時間差を設けた請求項2の自動巻
    線機のチャック機構。
  4. 【請求項4】 駆動部材が強弱二段階の圧縮空気で動作
    する一つのエアーシリンダからなり、エアーシリンダの
    ピストンでレバーを押圧可能にした請求項2の自動巻線
    機のチャック機構。
  5. 【請求項5】 筒体に加わる押圧機構の押圧力が強の状
    態でチャックの開口部にワークを挿入した後、該押圧力
    を弱の状態にすることにより、僅かに閉じたチャックが
    ワークを軽く保持し、次いで該押圧力を取り去ることに
    よってチャックがワークを強く保持することを特徴とす
    る自動巻線機のチャック機構によるワークの保持方法。
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