JP3011525U - 配列物供給装置 - Google Patents

配列物供給装置

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JP3011525U JP1994014516U JP1451694U JP3011525U JP 3011525 U JP3011525 U JP 3011525U JP 1994014516 U JP1994014516 U JP 1994014516U JP 1451694 U JP1451694 U JP 1451694U JP 3011525 U JP3011525 U JP 3011525U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縦横に複数ずつ配列した状態で各種の作業を
受ける配列物を、必要な配列状態にして一挙に作業に供
し作業を合理化できるようにする。 【構成】 縦横に複数ずつ配列される配列物3の一方向
に並ぶものを、両側から同時に把持し、またこれを同時
に解除するように片持ち支持したチャック12を、配列
物3が前記一方向に並んでいる列数分だけ設けて、前記
一方向に移動できる支持基台31に支持したことを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は配列物供給装置に関し、例えば、一対の平行な合成樹脂製のプレート 部材を、これらの間で縦横に複数ずつ配列される合成樹脂製の脚体とを介し結合 一体化して荷役用のパレットを製作するのに、前記脚体を配列物として取扱い所 定の配列状態に把持して前記結合作業に供給するのに利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来の荷役用パレットとして特公昭53−36220号公報に記載されている ものがある。このものは図12に示すように、合成樹脂製の上下一対のデッキボ ードa、bと、これらを所定間隔を置いて、平行な状態に維持する複数の合成樹 脂パイプ製の脚体cで構成されている。各デッキボードa、bの裏面には、脚体 cの端部に嵌合する嵌合用突出部dが形成され、これら嵌合用突出部dのそれぞ れに各脚体cが嵌合された状態で、ボルト・ナットeを用いて、上下一対のデッ キボードa、bおよび複数の脚体cのそれぞれが一体となるように結合されてい る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記のような荷役用のパレットを製作するには、多数の脚体cを取扱 う必要があり、しかも1つの脚体cにつき複数のボルト・ナットeの挿通作業と 締結作業とが必要であるので、これら各作業を1つずつの脚体cごとに順次行う ことになり、作業は煩雑で長時間要している。
【0004】 また、平行な一対の合成樹脂製のプレート部材と、これらの間で縦横に必要数 ずつ配列した多数の脚体とを溶融着して結合一体化し、荷役用の合成樹脂製パレ ットを形成することが考えられる。
【0005】 このような結合一体化も、1つの脚体ごとに進めていくのでは作業が煩雑で長 時間掛かる。
【0006】 本考案は、このような問題を解消することを課題とし、縦横に複数ずつ配列し た状態で各種の作業を受ける配列物を、必要な配列状態にして一挙に作業に供し て作業を合理化することができる配列物供給装置を提供することを主たる目的と するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記のような目的を達成するために、縦横に複数ずつ配列される配列 物の一方向に並ぶものを、両側から同時に把持し、またこれを同時に解除するよ うに片持ち支持したチャックを、配列物が前記一方向に並んでいる列数分だけ設 けて、前記一方向に移動できる支持基台に支持したことを主たる特徴とするもの である。
【0008】 チャック片は開閉方向に面方向が一致した板部材からなり、配列物把持部には 配列物の外径に適合する形状をした把持片が板部材から側方に張り出すように設 けられているのが好適である。
【0009】 配列物が筒体であって、作業位置から退避した退避位置にある配列物支持手段 と対向するように設けられた配列物供給手段を備え、この配列物供給手段は配列 物支持手段のチャックに有するそれぞれの配列物把持部と対向する各位置に筒状 の配列物を引っ掛けて保持する突起を一面に配列するとともに、これら突起に引 っ掛けた配列物を配列物支持手段に有するチャックの各配列物把持部に持ち込む 持ち込み位置と、この持ち込み位置から退避した退避位置との間で移動できるよ うにしてあるのがさらに好適である。
【0010】
【作用】
本考案の主たる特徴の上記構成では、脚体支持手段が必要数の配列物を、縦横 に複数ずつ配列する必要な配列状態の一方向に並んだ配列物ごとに、この一方向 に対応する各チャックによって同時に把持し、それらを各チャックが保持された 基台の退避位置から作業位置への移動によって、結合等の各種作業を行う作業位 置に持ち運び必要な作業に一挙に供することができ、作業後チャックは上下に開 くことによってこれが把持していた列の脚体と干渉しないように作業位置から退 避位置まで退避することができるので、供給した配列物が前記作業の結果そのま まの位置に固定されても問題は生じない。
【0011】 チャック片が開閉方向に面方向が一致した板部材からなり、配列物把持部には 配列物の外径に適合する形状をした把持片が板部材から側方に張り出すように設 けられた構成では、 チャック片が板部材でこれの剛性が高くなる面方向にて配列物を把持するので 、軽量かつ小型なものにより強力な把持力を発揮することができるし、把持する 配列物に対しては配列物把持部に設けたチャック片の側方に張り出す把持片を当 てがい把持するので、配列物を前記強力な把持力を広い面積に及ぼして安定に把 持することができる。
【0012】 配列物が筒体であって、作業位置から退避した退避位置にある配列物支持手段 と対向するように設けられた配列物供給手段を備え、この配列物供給手段は配列 物支持手段のチャックに有するそれぞれの配列物把持部と対向する各位置に筒状 の配列物を引っ掛けて保持する突起を一面に配列するとともに、これら突起に引 っ掛けた配列物を配列物支持手段に有するチャックの各配列物把持部に持ち込む 持ち込み位置と、この持ち込み位置から退避した退避位置との間で移動できるよ うにした構成では、 配列物供給手段の配列物支持手段のチャックに有するそれぞれの配列物把持部 と対向する各位置に配列された突起に、配列物支持手段に把持されるべき筒状の 配列物を引っ掛けておいて、配列物供給手段を退避位置にある配列物支持手段に 向けて移動させることにより、前記引っかけた各配列物を配列物把持手段の各チ ャックの配列物把持部に持ち込めるので、各チャックが閉じられるだけで必要数 の配列部材を必要な配列状態に一挙に把持し、これらを作業位置に持ち運んで一 挙に作業に供することができるし、配列物把持手段が把持した配列物を作業位置 に持ち運んで作業に供し、この後退避位置に退避してくるまでの間に配列物供給 手段の各突起に配列物を引っ掛けておけるので、この作業がロスタイムになるよ うなことを回避することができ、配列物の供給のタクト時間を短くすることがで きる。
【0013】
【実施例】
本考案の配列物把持装置の実施例につき、図を参照しながら以下説明する。
【0014】 本実施例の配列物把持装置は、例えば図7〜図8に示すような荷役用パレット を製作するのに用いる場合を示している。この荷役用パレットは図7の(a)、 (b)および図8の(a)、(b)、(c)に示すように、上下一対の合成樹脂 製のデッキボード1、2と、これらを所定間隔を置いて平行に維持する合成樹脂 パイプ製の9本の脚体3とで構成されている。
【0015】 デッキボード1、2は、ポリエチレン、ビニル、ABS等の硬質の合成樹脂を 図に示すような形状に圧縮成形することにより得たものである。デッキボード1 、2の表面抵抗を大きくするためには、前記硬質の合成樹脂にゴム材、木材、カ ーボン等の粉粒体を混合すると好適である。あるいは表面抵抗を大きくするため に、デッキボード1、2の裏面には、図2に示すように、各脚体3の端部を結合 するための結合部4を、デッキボード1、2の四隅、各辺の中央、および中心位 置の9箇所に設けている。この結合部4は、デッキボード1、2の裏面から突出 する短い筒形状のもの、より具体的には突出量の小さな円筒形状のものとされて いる。
【0016】 この筒形状の結合部4は、円筒以外の形状のもの、例えば横断面が矩形である 筒形状のものであってもよい。また、デッキボード1、2の裏面には、前記結合 部4を除いた箇所に補強用リブ5が形成されている。本実施例では比較的ピッチ の小さな格子状の補強用リブ5が形成されているが、デッキボード1、2の剛性 を向上させうるものであれば、他の形状の補強用リブを形成してもよい。
【0017】 脚体3はポリエチレン、ビニル、ABS等の硬質の合成樹脂を、図1および図 3に示すような形状となるよう、押出し成形するとともに機械加工により所定寸 法に寸切りし端面仕上げして得られたものである。脚体3はデッキボード1、2 の結合部4に合致した断面形状を有し、本実施例の場合には円筒形に形成されて いる。そして脚体3の上下端面は、前記結合部4の突合せ面4aに密接して突き 合わされる突合せ面3aとなっている。これら突合せ面3a、4aは平坦面に形 成されている。
【0018】 荷役用パレットは、上下一対のデッキボード1、2の各結合部4と、9本の脚 体3の端部とを、図8の(a)、(b)、(c)に示すように、それぞれの突合 せ面3a、4aにおいて突き合わせた状態で溶融着して一体結合することにより 完成する。なお、図1の(d)、図7の(a)、図3の(c)に前記一体結合し た溶融着部に符号Pを付して示している。
【0019】 この溶融着のための加熱条件は、周知のものであるので説明は省略する。また 、溶融着による結合強度を高くするためには、デッキボード1、2の結合部4を 、デッキボード1、2の裏面に面一状に形成することができる。
【0020】 本実施例では、以上のようなデッキボード1、2と9本の脚体3とを溶融着に より一体結合して、図7の(a)に示す荷役用パレットを製作するのに好適な配 列物把持装置を示している。
【0021】 9本の脚体3を同一平面上の直交する2方向、本実施例では縦横に3列ずつと なるように配して位置させるのに、図1〜図4に示すような配列物把持装置とし ての支持機構11を用いる。この支持機構11は前記9本の脚体3が一方向、例 えば横方向に並ぶ列に対応して設けられた3対のチャック12を有している。各 チャック12はそれぞれが対向する列に必要間隔で並ぶ3つずつの脚体3を同時 に把持できる長さを有した一対のチャック片12a、12bからなり、各チャッ ク片12a、12bは平行移動により開閉して前記3つずつの脚体3を同時に把 持し、またこれを同時に解除できるようにしてある。このように同時に把持し、 またこれを解除できることは、複数の脚体3を把持したり、これを解除したりす るのが、1本の脚体3を把持したり、これを解除したりするのと同じ時間で達成 することができ、多数の脚体3を結合に供するのに好都合である。また、この把 持、把持解除がチャック片12a、12bの同時平行移動によって行われること は、最短のストロークで、最短の時間で達成される。
【0022】 それぞれに把持した複数の脚体3をデッキボード1、2との結合に供した後の 各チャック12は、デッキボード1、2に結合された脚体3の把持を解除した状 態で、それらが把持していた脚体3が並ぶ横方向に移動されさえすれば、結合さ れた各脚体3と干渉するようなことなく自由に退避することができる。
【0023】 要するに、支持機構11が必要数の配列物である各脚体3を、縦横に複数ずつ 配列する必要な配列状態の一方向に並んだ脚体3ごとに、この一方向に対応する 各チャック12によって同時に把持し、それらを各チャック12が保持された基 台31の図4に示す退避位置Bから溶融着作業位置Aへの移動によって、結合等 の各種作業を行う作業位置に持ち運び必要な溶融着作業に一挙に供することがで き、作業後チャック12は上下に開くことによってこれが把持していた列の脚体 と干渉しないように溶融着作業位置Aから退避位置Bまで退避することができる ので、供給した脚体3が前記作業の結果そのままの位置に固定されても問題は生 じない。
【0024】 このような支持機構11がなす配列物把持装置は、本実施例で説明するような 合成樹脂製の荷役用パレットを製作する場合に限らず、種々の配列物を取り扱う のに利用して同様の作用効果を発揮することができる。
【0025】 また、各チャック12は、上下一対のチャック片12a、12bが中心線を境 とした対称な開閉動作で対応する一方向に並ぶ複数のものにつき両側から同時に 把持し、またこれを同時に解除するので、配列された多数の脚体3を把持し、こ れを解除するのに1つのものを把持したり、この把持を解除したりするのに要す る時間しか掛からないし、前記開閉の中心線高さを溶融着作業位置Aでの必要配 列位置に対応した軸線高さと一致するように設定してあることにより、各チャッ ク12がそれぞれのチャック片12a、12bによって対応する列の脚体3を把 持するだけで、これらを作業に供する適正な位置に把持することができ、把持し た脚体3を作業に供するのに特別な位置決め作業が不要となるので、この面でも 作業が単純化し、作業時間の短縮化も図ることができる。
【0026】 さらに本実施例では、チャック片12a、12bが図1、図2、図4に示すよ うに開閉方向に面方向が一致した板部材からなり、脚体把持部には脚体3の外径 に適合する形状をした把持片12cが板部材から側方に張り出すように設けてあ る。これによって、チャック片12a、12bが板部材でこれの剛性が高くなる 面方向にて脚体3を把持することになるので、軽量かつ小型なものにより強力な 把持力を発揮することができるし、把持する脚体3に対しては脚体把持部に設け たチャック片12a、12bの側方に張り出す把持片12cを当てがい把持する ので、脚体3を前記強力な把持力を広い面積に及ぼして傾きなく安定に把持する ことができる。
【0027】 また、本実施例の脚体3のように配列物が筒体であって、溶融着作業位置Aか らの退避位置Bにある支持機構11と対向するように設けられた図4、図5に示 す脚体配列供給機構61を備え、この脚体配列供給機構61が支持機構11のチ ャック12に有するそれぞれの脚体把持部と対向する各位置に脚体3を引っ掛け て保持するピン51を一面に配列するとともに、これらピン51に引っ掛けた脚 体3を支持機構11に有するチャック12の各脚体把持部に持ち込む持ち込み位 置と、この持ち込み位置から退避した退避位置との間で移動できるようにしてあ る。これにより、脚体配列供給機構61の支持機構11のチャック12に有する それぞれの脚体把持部と対向する各位置に配列されたピン51に、支持機構11 に把持されるべき筒状の脚体3を引っ掛けておいて、脚体配列供給機構61を退 避位置にある支持機構11に向けて移動させることにより、前記引っかけた各脚 体3を脚体配列供給機構61の各チャック12の脚体把持部に持ち込めるので、 各チャック12が閉じられるだけで必要数の脚体3を必要な配列状態に一挙に把 持し、これらを溶融着作業位置Aに持ち運んで一挙に溶融着作業に供することが できるし、支持機構11が把持した脚体3を溶融着作業位置Aに持ち運んで作業 に供し、この後退避位置Bに退避してくるまでの間に脚体配列供給機構61の各 ピン51に脚体3を引っ掛けておけるので、この作業がロスタイムになるような ことを回避することができ、脚体3の供給のタクト時間を短くすることができる 。
【0028】 支持機構11はこれの基台31に設けた車輪13と、この車輪13が載るガイ ドレール14とによって案内されて走行し、各チャック12をデッキボード1、 2との前記結合を行う図1、図4に示す溶融着作業位置Aに進入させ、または溶 融着作業位置Aから図4に示す退避位置Bに退避できるようにしている。しかし 、この進退方向は脚体3が並ぶ方向であればどの方向でもよい。ただし各チャッ ク12が把持する脚体3の並び方向が進退方向と一致している必要はある。基台 31の進退は、例えば図4に示すようにプーリ36、37によって張設され可逆 モータ35によって駆動されるようにした索条38の往復駆動によって自動的に 行うようにしてある。しかし手動にても行える。
【0029】 脚体配列供給機構61は、図に示すようにガイドレール14と直角な向きに設 けられたガイドレール62と、これに案内される車輪63とで、支持機構11に 側方から離接できるようにされた基台64を有し、この基台64の前面の板面に 必要数の脚体3を必要な配列状態に掛け止める突起としてのピン51を配設して あり、このピン51に脚体3を必要な配列状態に掛け止めておけるようにしてあ る。
【0030】 各チャック12の一対のチャック片12a、12bは、図2、図3に示すよう に基台31の側板内面との間のアリ・アリ溝嵌合部32にて上下動できるように 案内され、ばね15によってストッパ33に規制される開き状態を保つようにし ておき、これをソレノイドや流体シリンダ等のアクチュエータ16の働きによっ て閉じ方向に駆動すると、前記ばね15に抗してチャック片12a、12bを閉 じ、脚体3を弾力的に把持できるようにしている。チャック片12a、12bの 各脚体3を把持する部分には、これの両側に沿う樋状の当て板12cが設けられ 、円筒形の脚体3を傾きなく安定して把持できるようにしている。また当て板1 2cは把持した脚体3のそれぞれを両側のデッキボード1、2との結合に供する ため、把持する脚体3の両端を両側のデッキボード1、2側に開放できる大きさ としてある。これによって、脚体3を把持するチャック12が脚体3とデッキボ ード1、2との結合を邪魔するようなことはない。各チャック片12a、12b はそれらに設けたラック12dに噛み合うピニオン39によって連動させ、双方 間の中心が常に一定の位置にあるようにしてある。
【0031】 もっとも、チャック12はチャック片12a、12bのうちの一方を固定して おき、他方を固定側に対して離接させることにより開閉するような方式のものと することもでき、この場合各チャック12を一体的に上動または下動させること により、チャック片12a、12bのうちの固定側を、脚体3に対する所定の把 持高さに設定し、これに他方を離接させて開閉を行い脚体3の把持とこれの解除 とを行えばよい。また、把持した脚体3をデッキボード1、2との結合に供した 後は、各チャック12を前記とは逆に下動または上動させて元の位置に戻すこと によりデッキボード1、2と結合された脚体3との干渉なく退避位置Bに退避で きるようになる。また、各チャック12はこれらのチャック片12a、12bを 個別のアクチュエータにて個別に、あるいは同期して上下逆方向に移動させるこ とにより開閉するようにしたものとすることもできる。さらに、スペースが許す なら、鋏のように両チャック片12a、12bを一部のクロス部にて基台31に 軸支し、これの尾端間に働かせた伸縮するアクチュエータによって開閉動作させ るようにすることもできる。
【0032】 また、支持機構11を利用した前記結合に必要な配列状態で溶融着作業位置A に保持された各脚体3の一端側にデッキボード1を、他端側にデッキボード2を それぞれ配して、各脚体3の端部とこれに対向するデッキボード1、2の結合部 4とが各脚体3の軸線方向に対向した状態としてそれぞれの溶融着による結合を 行うのに、プレート部材であるデッキボード1、2を保持するプレート保持手段 としてのホルダ22が設けられるとともに、前記溶融着の準備のために、前記対 向した状態での各脚体3の一端およびこれに対向するデッキボード1の間と、各 脚体3の他端およびこれに対向するデッキボード2の間とのそれぞれに挿入され と位置と、この挿入位置から引き出された退出位置とに移動できる加熱プレート 17、18が設けられている。
【0033】 加熱プレート17、18の挿入、退出は、どのような方向からどのような方法 で行ってもよい。本実施例では図1に示すように加熱プレート17、18のそれ ぞれをチエンや鎖、ワイヤと云った索条21により吊持し、これを図示しない巻 き上げ機構により上げ下げして行うようにしてあり、機構が簡単で平面的なスペ ースを採らないで達成することができる。
【0034】 加熱プレート17、18を挿入して、各脚体3の端部とこれに対向するデッキ ボード1、2の各結合部4どうしを溶融状態とするには、両側のデッキボード1 、2、およびこれらの内側に位置する加熱プレート17、18、各加熱プレート 17、18の間にある各脚体3の隣接のものどうしを互いに密着させる。これに より、両側のデッキボード1、2の各結合部4と、これらが対向する各脚体3の 端部との互いの突き合わせ面3a、4aが加熱プレート17、18に接して加熱 され溶融される。
【0035】 この加熱のために、加熱プレート17、18はシーズヒータを内蔵したアルミ ニウム等の熱良導体からなる金属製の熱盤を用いるのが好適であるが、金属製の ケースに面ヒータを内蔵したものとしてもよい。デッキボード1、2の結合部4 および脚体3の端部は、互いに突出しているので、加熱プレート17、18の加 熱面17a、18aは平坦面でよい。しかし、例えばデッキボード1、2の結合 部4aデッキボード1、2の裏面と面一であるような場合、図9に示すように加 熱プレート17、18の結合部4に対向する加熱面17a、18aは、結合部4 aに対応した形状で表面から突出するように形成するとよい。
【0036】 前記デッキボード1、2の結合部4および基台11の端部をそれらの突き合わ せ面3a、4aから溶融させた後は、それらを溶融着させるために、まず前記密 着状態を解いて加熱プレート17、18を、前記挿入位置から引き出し、両側の デッキボード1、2とこれらの間に位置する各脚体3のそれぞれを圧着させるこ とにより、溶融状態で対向しているデッキボード1、2の各結合部4と基台11 の端部とを溶融着させることができ、両側のデッキボード1、2と、これらの間 に位置する各脚体3のそれぞれが一体化し、合成樹脂製の荷役用パレットを製造 することができる。この溶融着による一体結合化は、圧着された溶融着部が冷却 固化して完了する。これを速めるのに冷却風を送風したり、冷却水を噴射したり して強制冷却するのが有利である。しかし、自然冷却によってもよい。このよう な冷却は前記圧着状態のまま行うのが位置ずれや結合不良を防止するのに好まし い。
【0037】 前記加熱プレート17、18を挟んだ状態のデッキボード1、2および脚体3 の密着と、加熱プレート17、18を抜いた状態のデッキボード1、2および脚 体3の圧着とを行うのに、図1の(a)に示すような挟み付け手段としての圧着 機構41を採用している。この圧着機構41は、左右の最外側に位置する前記デ ッキボード1、2を保持するホルダ22をサイドスタンド42上の流体シリンダ 43に連結し、この流体シリンダ43の進出ストロークを制御することにより、 両側の各デッキボード1、2間で前記密着状態と圧着状態とが得られるようにし てある。これら密着および圧着の解除は、流体シリンダ43を後退動作させれば よい。ホルダ22は吸引源に接続された図6に示す多数の吸引孔24を保持面2 2aに有し、これら吸引孔24を通じた吸引動作によって、デッキボード1、2 等を保持面22aに吸着し、保持できるものを採用している。しかし、これに限 られるものではなく、種々のものを採用することができる。前記のようなホルダ 22によると、広い保持面22aにデッキボード1、2を吸着して保持できるの で保持が安定する上、図1の(a)、図6に示すような位置決め片25を保持面 22aに設けて、吸着保持するデッキボード1、2のコーナー部等をまわりから 受け止めるようにすると、デッキボード1、2を保持面22a上に確固に位置決 めすることができる。
【0038】 前記密着および圧着操作に際し、支持機構11の各チャック12による各脚体 3の保持を、軸方向に若干は摺動できる程度にしておくと、脚体3を正確に並べ たり、両側のデッキボード1、2を正確に同期させ、また動作距離を等したりし なくても、前記密着と圧着とを中央に並ぶ各脚体3の端部を加熱プレート17、 18またはデッキボード1、2の表面にて揃わせながら、適正に達成することが できる。
【0039】 以上述べた本実施例のような溶融着装置によると、合成樹脂製のプレート部材 としてのデッキボード1、2と、これの一面側で縦横に複数ずつ配列した脚体3 とを溶融着して結合一体化するのに、配列物把持装置である支持機構11が必要 数の脚体3を、前記のような必要な配列状態にそれぞれの横列に対応したチャッ ク12によって同時に把持し、それらを溶融着作業位置Aに一挙に持ち運んで、 デッキボード1、2との溶融着作業に供し、各脚体3がデッキボード1、2と溶 融着により結合一体化されても、チャック12は上下に開くことによってこれが 把持していた横列の脚体と干渉しないように溶融着作業位置Aから横方向に退避 位置まで退避することができるし、プレート保持手段であるホルダ22がデッキ ボード1、2を保持して前記溶融着作業位置Aに一挙に持ち込まれる各脚体3と 所定の間隔を置いて対向させるのに加え、挟み付け手段である圧着機構41がこ れら対向し合うデッキボード1、2および脚体3を挟み付けることにより、対向 し合うデッキボード1、2と脚体3とを双方間に加熱プレート17、18が挿入 されているかどうかに関わりなく密着や圧着させることがき、加熱プレート17 、18を挿入したときの密着によって各脚体3の端部とこれに対向するデッキボ ード1、2の各結合部4との全てを加熱プレート17、18の加熱面17a、1 8aに接触させて同時に加熱し溶融させて溶融着準備状態としておき、加熱プレ ート17、18を抜き出したときのデッキボード1、2と各脚体3との圧着によ って、溶融着準備状態になっている脚体3の端部とデッキボード1、2の結合部 4とを同時に溶融着させることができ、単純な操作にて容易かつ短時間に低コス トで合成樹脂製のデッキボード1、2と多数の脚体3とを溶融着させて結合一体 化することができ、荷役用パレットを製作するのに有利である。
【0040】 しかも、デッキボード1、2と脚体3との結合にボルト・ナット等の部品やこ れの挿通作業が不要となる。また、結合のための余分な部品や嵌め合い構造が不 要で、全体が必要強度を満足するだけの均一な肉厚を有してればよく、従来に比 してスリムになり、軽量かつ安価なものとなる。また、必要な保形強度を満足し ながら体力に対し全体が柔軟に対応してこれを吸収するので、耐久性に優れた荷 役用パレットが得られる。
【0041】 荷役用パレットとしては、脚体3の一端側にデッキボード1を結合するが、他 端側には、図10に示すような同列の脚体3に共通な下板71、または図11に 示すような各脚体3ごとに個別な下板72を結合したものとすることもでき、こ れら図10、図11に示す荷役用パレットを製造するにも、デッキボード2に代 えて、下板71または72をホルダ22によって吸着保持するだけで、後は前記 実施例の場合同様に操作して製造することができる。
【0042】 また、本実施例は両側のデッキボード1、2と脚体3とを一挙に溶融着させて 結合する場合について述べたが、本考案はこれに限られることはなく、1枚のデ ッキボードと縦横に複数ずつ配列された各種の脚体とを溶融着する場合にも適用 することができるし、実施例で述べている荷役用パレット以外のものを製作する のにも適用できるのは勿論である。
【0043】
【考案の効果】 本考案の配列物把持装置の主たる特徴によれば、脚体支持手段が必要数の配列 物を、縦横に複数ずつ配列する必要な配列状態の一方向に並んだ配列物ごとに、 この一方向に対応する各チャックによって同時に把持し、それらを各チャックが 保持された基台の退避位置から作業位置への移動によって、結合等の各種作業を 行う作業位置に持ち運び必要な作業に一挙に供することができ、作業後チャック は上下に開くことによってこれが把持していた列の脚体と干渉しないように作業 位置から退避位置まで退避することができるので、供給した配列物が前記作業の 結果そのままの位置に固定されても問題は生じない。
【0044】 チャック片が開閉方向に面方向が一致した板部材からなり、配列物把持部には 配列物の外径に適合する形状をした把持片が板部材から側方に張り出すように設 けられた構成では、 チャック片が板部材でこれの剛性が高くなる面方向にて配列物を把持するので 、軽量かつ小型なものにより強力な把持力を発揮することができるし、把持する 配列物に対しては配列物把持部に設けたチャック片の側方に張り出す把持片を当 てがい把持するので、配列物を前記強力な把持力を広い面積に及ぼして安定に把 持することができる。
【0045】 配列物が筒体であって、作業位置から退避した退避位置にある配列物支持手段 と対向するように設けられた配列物供給手段を備え、この配列物供給手段は配列 物支持手段のチャックに有するそれぞれの配列物把持部と対向する各位置に筒状 の配列物を引っ掛けて保持する突起を一面に配列するとともに、これら突起に引 っ掛けた配列物を配列物支持手段に有するチャックの各配列物把持部に持ち込む 持ち込み位置と、この持ち込み位置から退避した退避位置との間で移動できるよ うにした構成では、 配列物供給手段の配列物支持手段のチャックに有するそれぞれの配列物把持部 と対向する各位置に配列された突起に、配列物支持手段に把持されるべき筒状の 配列物を引っ掛けておいて、配列物供給手段を退避位置にある配列物支持手段に 向けて移動させることにより、前記引っかけた各配列物を配列物把持手段の各チ ャックの配列物把持部に持ち込めるので、各チャックが閉じられるだけで必要数 の配列部材を必要な配列状態に一挙に把持し、これらを作業位置に持ち運んで一 挙に作業に供することができるし、配列物把持手段が把持した配列物を作業位置 に持ち運んで作業に供し、この後退避位置に退避してくるまでの間に配列物供給 手段の各突起に配列物を引っ掛けておけるので、この作業がロスタイムになるよ うなことを回避することができ、配列物の供給のタクト時間を短くすることがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例としての配列物把持装置
装備した荷役用パレットの製造装置と要部の作業状態を
示す側面図である。
【図2】図1の装置に備える配列物把持装置のチャック
部を示す正面図である。
【図3】図2の配列物把持装置のチャック部の平面図で
ある。
【図4】図2の配列物把持装置の全体構成を示す正面図
である。
【図5】図1の装置の脚体配列供給機構を示す側面図で
ある。
【図6】図1の装置の圧着機構に備えるデッキボード等
保持用のホルダの正面図である。
【図7】図1の装置により製作する荷役用パレットの一
例を示す斜視図およびこれに用いるデッキボードの裏面
図である。
【図8】図7に示す荷役用パレットの溶融着操作を段階
的に示す側面図および断面図である。
【図9】図1の装置の別の構成を示す荷役用パレットの
製造装置の一部側面図である。
【図10】図1の装置により製作する他の荷役用パレッ
トを示す斜視図である。
【図11】図1の装置により製造するさらに他の荷役用
パレットを示す斜視図である。
【図12】従来の合成樹脂製の荷役用パレットを示す断
面図である。
【符号の説明】
3 脚体 11 支持機構 12 チャック 12a、12b チャック片 12c 把持片 35 モータ 51 ピン 61 脚体配列供給機構

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦横に複数ずつ配列される配列物の一方
    向に並ぶものを、両側から同時に把持し、またこれを同
    時に解除するように片持ち支持したチャックを、配列物
    が前記一方向に並んでいる列数分だけ設けて、前記一方
    向に移動できる支持基台に支持したことを特徴とする配
    列物供給装置。
  2. 【請求項2】 チャック片は開閉方向に面方向が一致し
    た板部材からなり、配列物把持部には配列物の外径に適
    合する形状をした把持片が板部材から側方に張り出すよ
    うに設けられている請求項1に記載の配列物供給装置。
  3. 【請求項3】 配列物が筒体であって、作業位置から退
    避した退避位置にある配列物支持手段と対向するように
    設けられた配列物供給手段を備え、この配列物供給手段
    は配列物支持手段のチャックに有するそれぞれの配列物
    把持部と対向する各位置に筒状の配列物を引っ掛けて保
    持する突起を一面に配列するとともに、これら突起に引
    っ掛けた配列物を配列物支持手段に有するチャックの各
    配列物把持部に持ち込む持ち込み位置と、この持ち込み
    位置から退避した退避位置との間で移動できるようにし
    てある請求項1、2のいずれかに記載の配列物供給装
    置。
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