JP3011459U - 商品盗難防止具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 商品を収容するケースの開封を、専用の器具
等を使用しない限り困難にすることにより、ケース内の
商品だけを持ち去るという盗難事故を未然に防止するこ
と。 【構成】 商品の収容するケースＡの周囲を囲んで、ケ
ースＡの開封を防止し、かつケースＡに対してスライド
可能に嵌められる封鎖部材１と、上記封鎖部材１に引っ
掛かり、かつ封鎖部材１の内側に押し込み可能なロック
爪３を有し、封鎖部材１のケースＡに対するスライド方
向にスライド不能にケースＡに装着されるスライド防止
部材２とからなり、上記スライド防止部材２のロック爪
３が、封鎖部材１に引っ掛かった状態で、ロック爪３の
突出する方向に突出する突部５を、上記封鎖部材１の外
面に設けた構成として、封鎖部材１の取り外しを困難と
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ビデオカセット、コンパクトディスク等のレンタルショップや各 種商品の販売店等において、ケース内に収容されている商品が、ケースから取り 出されて商品のみが盗まれるということを防止する商品盗難防止具に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術とその課題】

ビデオカセットやコンパクトディスク等のレンタルショップでは、商品を、表 面にタイトル等を表示したケース内に収容して陳列している。

【０００３】 ところで、このようなレンタルショップでは、陳列した商品の盗難にあうこと があるので、最近では、ケースに磁気テープ等の感知部材を張り付けてあり、ケ ースを貸し出すカウンタに持参して、正規の貸し出し手続を行わないで、ケース 毎商品を持ち帰ろうとした場合、出口で盗難防止センサーが働くという盗難防止 システムを採用しているところが多くなっている。

【０００４】 ところが、このような盗難防止システムを採用しても、ケース内に収容されて いる商品自体には磁気テープ等の感知部材が貼られていないということに目を付 けて、ケースから商品を取り出して、商品だけをポケット等に入れて持ち去ると いう不心得者もいる。

【０００５】 このような不心得者も、ケースからの商品の取り出しに手間がかかると、店員 に気付かれる確率が多くなるので、不心得者の心理としてケースからの商品の取 り出しを諦めるということになる。

【０００６】 そこで、この考案は、ケースに収容されている商品の盗難を未然に防ぐために 、ケースの開封に手間が掛かるようにした、商品盗難防止具を提供しようとする ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案の商品盗難防止具は、商品の収容するケースの周囲を囲んで、ケース の開封を防止し、かつケースに対してスライド可能に嵌められる封鎖部材と、上 記封鎖部材に引っ掛かり、かつ封鎖部材の内側に押し込み可能なロック爪を有し 、封鎖部材のケースに対するスライド方向にスライド不能にケースに装着される スライド防止部材とからなり、上記スライド防止部材のロック爪が、封鎖部材に 引っ掛かった状態で、ロック爪の突出する方向に突出する突部を、上記封鎖部材 の外面に設けたものである。

【０００８】

【作用】

上記スライド防止部材を、ケースの周囲に嵌められる封鎖防止部材のスライド 方向にスライド不能になるようにケースに装着した後、封鎖部材をケースの周囲 に嵌めて、スライド防止部材のロック爪を封鎖部材に引っ掛けると、ケースを開 封して商品を取り出す際に、スライド防止部材のロック爪を封鎖防止部材の内側 に押し入れて、それから封鎖部材をスライドさせてケースの外面から取り外さな ければならない。

【０００９】 したがって、ケース内の商品だけを不当に持ち帰ろうとする不心得者も、ケー スの外面に、ケースの開封に手間がかかる商品盗難防止具が装着されていると、 ケースの開封を諦めるので、商品の盗難を未然に防止することができる。

【００１０】 さらに、この考案の商品盗難防止具には、封鎖部材の外面に、上記ロック爪が 封鎖部材に引っ掛かった状態でロック爪の突出方向に突出する突部を設けている ので、棚板や机の上などの平たい面にロック爪を押し付けただけでは、封鎖部材 の突部が押し付け面に当たって、ロック爪が封鎖部材の内側に押し込まれないよ うになっている。これによって、ロック爪の押し込みには、ロック爪だけに当た る専用の器具等を必要とするため、封鎖部材の取り外しがより困難となり、商品 の盗難防止効果が高まる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１２】 この考案の商品盗難防止具は、商品を収容するケースＡの周囲を囲んで、ケー スＡの開封を防止し、かつケースＡに対してスライド可能に嵌められている封鎖 部材１と、この封鎖部材１に引っ掛かり、かつ封鎖部材１の内側に押し込み可能 なロック爪３を有し、封鎖部材１のケースＡに対するスライド方向にスライド不 能にケースＡに装着されるスライド防止部材２とからなる。

【００１３】 図１及び図２は、この考案の商品盗難防止具を構成する封鎖部材１と、スライ ド防止部材２の第１の実施例を示している。

【００１４】 この第１の実施例の封鎖部材１は、両端が開口する扁平な角筒形状に形成され 、一方の側面に、複数の透孔４が等間隔で形成されている。また、この透孔４が 形成された側面には、各透孔４の間に外向きに突出する突部５を、側壁を外向き に延長して形成している。この突部５は、封鎖部材１を形成するシート材が２枚 重ねになっており、外面側から内向きに押し込んでも、容易に折れ曲がったりし ない程度の強度を有するように形成されている。

【００１５】 一方、スライド防止部材２は、上記扁平な角筒形状の封鎖部材１の内側に差し 込まれる板状体からなり、一側縁には、封鎖部材１の透孔４に、内側から嵌まっ て先端が外方に突出するロック爪３が、封鎖部材１の透孔４に対応して複数形成 されている。

【００１６】 上記各ロック爪３は、封鎖部材１の内側に押し込み可能に形成されている。ロ ック爪３を封鎖部材１の内側に押し込み可能にする手段としては、図２に示すよ うに、スライド防止部材２を構成する板状体に、各ロック爪３の内側にそれぞれ Ｕ字形の切込み６を形成して、各ロック爪３を内側に折れ曲がりやすくしたり、 図３及び図４に示すように、板状体の中央部分に長さ方向に、平行な複数本の折 り曲げ線７や長孔８を形成して、ロック爪３を押し込んだ際に、板状体自体が屈 曲するようにする方法の他、ロック爪３を形成する板状体を、押し込み可能な弾 力性を有する素材によって形成する方法等がある。

【００１７】 上記封鎖部材１の透孔４に引っ掛かるロック爪３の両側辺のうちの一方の側辺 は、封鎖部材１がスライド防止部材２に対して、一方からスライドさせて嵌まる ように、傾斜辺９に形成され、他方の側辺は、封鎖部材１の反対方向へのスライ ドを防止するために、直角辺１０に形成されている。また、スライド防止部材２ には、封鎖部材１のスライド方向の末端のロック爪３に隣接して、封鎖部材１の スライドを止めるストッパー１１が形成されている。

【００１８】 上記透孔４及びロック爪３は、封鎖部材１とスライド防止部材２の両側辺に形 成してもよい。

【００１９】 また、封鎖部材１とスライド防止部材２は、ケースＡに装着した状態で、ケー スＡの表面のタイトル等が見えるように、透明な合成樹脂によって形成すること が好ましい。

【００２０】 この第１の実施例の封鎖部材１とスライド防止部材２を使用する場合、スライ ド防止部材２をケースＡに次のように装着する。

【００２１】 図５に示す例では、スライド防止部材２を、ケースＡの外面に重ね、その外側 に、スライド防止部材２のロック爪３が側方に突出する状態に、シート１２を巻 き付けてケースＡに装着している。上記シート１２の重なり部分は、その端部の 裏面に塗布された粘着剤１３によって貼り合わされている。また、このシート１ ２の重なり部分は、封鎖部材１を嵌めた際に、封鎖部材１の内側に位置するよう になっている。

【００２２】 上記のようにして、スライド防止部材２をケースＡに装着した後、封鎖部材１ の端部が、スライド防止部材２のストッパー１１に当たるまで、封鎖部材１をス ライドさせながらケースＡに被せると、図６及び図７に示すように、封鎖部材１ の透孔４に、スライド防止部材２のロック爪３が引っ掛かり、封鎖部材１がいず れの方向にもスライドしなくなる。

【００２３】 したがって、ケースＡ内の商品を取り出す際には、スライド防止部材２のロッ ク爪３を、封鎖部材１の内側に押し込んでから、封鎖部材１をスライドさせなけ ればならない。ところが、封鎖部材１には、ロック爪３の突出する方向に突部５ が形成されているので、棚板等の平たい面にロック爪３を押し付けても、突部５ が押し付け面に当たって、ロック爪３が封鎖部材１の内側に押し込まれない。こ のため、ロック爪３の押し込みには、ロック爪３だけに当たる専用の押し込み器 具等を使用しなければならず、店員以外は、封鎖部材１の取り外しが容易に行え ないようになっている。

【００２４】 図８には、上記第１の実施例のスライド防止部材２のケースＡに対する別な装 着例が示されている。この例では、ケースＡが、上面に商品収容部を有するケー ス本体１４と、このケース本体１４を覆う表紙１５とからなり、表紙は表表紙と 裏表紙とによって形成されている。ケース本体１４は表紙１５を形成する一方の 裏表紙内面に貼り付けられている。そして、上記ケースＡには、両側に袋部１７ 、１８が形成されたカバー１６が被せられており、上記スライド防止部材２は、 表紙１５の他方の表表紙の内面に重なるように、表表紙が挿し込まれたカバー１ ６の袋部１７に端部が挿し込まれている。

【００２５】 次に、図９（ａ）（ｂ）には、封鎖部材１と、スライド防止部材２の第２の実 施例が示されている。この第２の実施例は、封鎖部材１の外面に形成する突部５ を、透孔４の上下に形成した例であり、スライド防止部材２のケースＡに対する 装着の仕方等、その他の構成については、第１の実施例と同じである。

【００２６】 次に、図１０（ａ）（ｂ）に示す第３の実施例は、図１１に示すように、ケー スＡが、開口部に閉鎖フラップ２０を有する袋カバー１９に収容されている場合 に、使用される例である。この例のスライド防止部材２は、その一端に、２本の 平行な折り曲げ線２１を介して、挿し込み片２２を連設している。このスライド 防止部材２のケースＡへの装着は、図１１に示すように、閉鎖フラップ２０を開 いて、挿し込み片２２を袋カバー１９とケースＡとの間に挿し込み、スライド防 止部材２を袋カバー１９の外面に重ね、それからスライド防止部材２の外面に袋 カバー１９の閉鎖フラップ２０を重ねるようにして行う。なお、閉鎖フラップ２ ０の内面には、粘着剤２３が塗布されている。

【００２７】 次に、図１２（ａ）（ｂ）は、スライド防止部材２のケースＡへの装着の仕方 が異なる第４の実施例を示している。この実施例は、スライド防止部材２が、ケ ースＡの裏面に重ねる裏面板２４と、この裏面板の両側にそれぞれ２本の折り曲 げ線２５を介して連設され、互いにケースＡの表面側で重なり合う表面板２６と からなり、ロック爪３を表面板２６の一方の側縁に形成した例である。封鎖部材 １については、第１の実施例と同一であり、図１３に示すように、スライド防止 部材２をケースＡに装着し、その外側に嵌められる。

【００２８】 次に、図１４及び図１５は、スライド防止部材２のケースＡへの装着の仕方が 、第４の実施例とよく似た第５の実施例を示している。

【００２９】 この実施例のスライド防止部材２は、第４の実施例と同様に、ケースＡの裏面 に重ねる裏面板２７と、この裏面板の両側にそれぞれ２本の折り曲げ線２８を介 して連設された、ケースＡの表面に重ね合わされる表面板２９とからなり、両側 の表面板２９の先端は互いに重なり合わずに、所定の間隙があくように形成され ている。そして、封鎖部材１は、それぞれ両側の表面板２９の部分を巻き付ける ように帯状のものを２本使用するようになっている。なお、ロック爪３は、表面 板２８の中央に形成した平行な３本の折り曲げ線３０によって内側に押し込み可 能になっている。

【００３０】 次に、図１６は、例えば、ビデオカセットのように、商品を、一面に形成した 開口部３１から出し入れ可能に収容することができるケースＡに使用して好適な 封鎖部材１とスライド防止部材２の第６の実施例を示している。

【００３１】 この例では、板状のスライド防止部材２を、商品と共に、ケースＡ内に収容し 、スライド防止部材２のロック爪３を、ケースＡの開口部３１から突出するよう に一対形成し、この突出する一対のロック爪３の間に、ケースＡの開口部３１を 横切るように嵌められた封鎖部材１が引っ掛かるようになっている。

【００３２】 次に、図１７及び図１８に示す実施例は、コンパクトディスク等のケースＡに 使用して好適な封鎖部材１とスライド防止部材２の第７の実施例を示している。 この実施例の場合、ケースＡが、商品を収容するケース本体３２と、このケース 本体３２に一端を回転軸にして開閉自在に設けられる蓋体３３とによって形成さ れ、蓋体３３の両側面には前後に孔３４が形成されている。この実施例は、スラ イド防止部材２を、ケース本体Ａの裏面に重ね合わされる板状体とし、この板状 体の両側に、ロック爪３と、蓋体３３の両側面の孔３４に挿し込む挿し込み片３ ５を設けている。そして、封鎖部材１を、帯状とし、スライド防止部材２をケー ス本体３２の裏面に重ね合わせ、各挿し込み片３５を蓋体３３の孔３４に差し込 んだ状態で、ケースＡに巻き付けている。

【００３３】 次に、図１９及び図２０は、重ね合わせた２つのケースＡを一体に封鎖するこ とができるスライド防止部材２と封鎖部材１の第８の実施例を示している。この 実施例は、４辺に一対のロック爪３を形成したスライド防止部材２を、２つのケ ースＡの間に挾み、この状態で、図２０に示すように、帯状の封鎖部材１を２個 、互いに交差するように、２個のケースＡの外側に嵌めたものである。

【００３４】 なお、以上の各実施例について、共通する構成要素については同一符号を付し 、適宜その説明は省略した。

【００３５】

【考案の効果】

以上のように、この考案の商品盗難防止具は、ロック爪を押し込む専用の器具 等を使用しない限り、商品を収容するケースの開封が困難であるから、ケースを 開封してケース内の商品だけ持ち去るという盗難事故を未然に防止できるという 効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施例の封鎖部材の斜視図

【図２】第１の実施例におけるスライド防止部材の一例
を示す斜視図

【図３】第１の実施例におけるスライド防止部材の一例
を示す斜視図

【図４】第１の実施例におけるスライド防止部材の一例
を示す斜視図

【図５】スライド防止部材のケースに対する装着状態の
一例を示す斜視図

【図６】スライド防止部材と封鎖部材をケースに装着し
た状態の斜視図

【図７】図６の部分縦断面図

【図８】スライド防止部材のケースに対する装着状態の
一例を示す斜視図

【図９】（ａ）（ｂ）はこの考案の第２の実施例の封鎖
部材とスライド防止部材の斜視図

【図１０】（ａ）（ｂ）はこの考案の第３の実施例の封
鎖部材とスライド防止部材の斜視図

【図１１】スライド防止部材のケースに対する装着状態
の一例を示す斜視図

【図１２】（ａ）（ｂ）はこの考案の第４の実施例の封
鎖部材とスライド防止部材の斜視図

【図１３】スライド防止部材のケースに対する装着状態
の一例を示す斜視図

【図１４】この考案の第５の実施例の分解斜視図

【図１５】スライド防止部材と封鎖部材をケースに装着
した状態の斜視図

【図１６】第６の実施例におけるスライド防止部材と封
鎖部材をケースに装着した状態の斜視図

【図１７】この考案の第７の実施例の分解斜視図

【図１８】第７の実施例におけるスライド防止部材と封
鎖部材をケースに装着した状態の斜視図

【図１９】この考案の第８の実施例における分解斜視図

【図２０】第８の実施例におけるスライド防止部材と封
鎖部材をケースに装着した状態の斜視図

【符号の説明】

１ 封鎖部材 ２ スライド防止部材 ３ ロック爪 ４ 透孔 ５ 突部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品の収容するケースの周囲を囲んで、
   ケースの開封を防止し、かつケースに対してスライド可
   能に嵌められる封鎖部材と、上記封鎖部材に引っ掛か
   り、かつ封鎖部材の内側に押し込み可能なロック爪を有
   し、封鎖部材のケースに対するスライド方向にスライド
   不能にケースに装着されるスライド防止部材とからな
   り、上記スライド防止部材のロック爪が、封鎖部材に引
   っ掛かった状態で、ロック爪の突出する方向に突出する
   突部を、上記封鎖部材の外面に設けたことを特徴とする
   商品盗難防止具。
2. 【請求項２】 上記スライド防止部材のロック爪が、封
   鎖部材の両側縁に引っ掛かるように形成したことを特徴
   とする請求項１記載の商品盗難防止具。
3. 【請求項３】 上記封鎖部材に、スライド防止部材のロ
   ック爪が引っ掛かる透孔を形成したことを特徴とする請
   求項１記載の商品盗難防止具。
4. 【請求項４】 上記封鎖部材の透孔と、スライド防止部
   材のロック爪をそれぞれ複数形成したことを特徴とする
   請求項３記載の商品盗難防止具。