JP3010969B2 - エアサスペンション制御装置 - Google Patents

エアサスペンション制御装置

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JP3010969B2
JP3010969B2 JP5101976A JP10197693A JP3010969B2 JP 3010969 B2 JP3010969 B2 JP 3010969B2 JP 5101976 A JP5101976 A JP 5101976A JP 10197693 A JP10197693 A JP 10197693A JP 3010969 B2 JP3010969 B2 JP 3010969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のエア
サスペンションに係り、更に詳細にはエアサスペンショ
ンの制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のエアサスペンション
は、一般に、各輪に対応して設けられたエアスプリング
を有し、各エアスプリングのエアチャンバの容積が車輪
のバウンド、リバウンド時に減小し増大することに伴う
エアチャンバ内の圧力の増減によりばね力を増減するよ
うになっている。
【0003】かかるエアサスペンションの制御装置の一
つとして、例えば本願出願人と同一の出願人の出願にか
かる特願平4−184428号には、各車輪に対応して
設けられたエアスプリングのエアチャンバに対する作動
気体の給排を制御することにより車体の姿勢を制御する
エアサスペンション制御装置であって、車輌の走行状態
を検出する走行状態検出手段と、検出された車輌の走行
状態に基きエアチャンバ内の目標気体質量Moを演算す
る目標気体質量演算手段と、エアチャンバ内の実気体質
量Mを演算する実気体質量演算手段と、実気体質量Mと
目標気体質量Moとの偏差Mcに基き該偏差が減少する
ようエアチャンバに対する作動気体の給排を制御する給
排制御手段とを有し、各エアスプリングのエアチャンバ
内の気体の質量がフィードバック制御されるよう構成さ
れたエアサスペンション制御装置が既に提案されてい
る。
【0004】この先の提案にかかるエアサスペンション
制御装置によれば、エアチャンバ内の圧力が積極的には
制御されない通常のエアサスペンションの場合に比し
て、車輌の加減速時や旋回時に於ける車体の姿勢変化を
低減することができ、これにより車輌の操縦安定性を向
上させることができるだけでなく、路面の凹凸に起因し
て車輪がバウンド、リバウンドしても目標気体質量Mo
は変更されず偏差Mcは変化しないので、エアチャンバ
に対する作動気体の給排が繰返し頻繁に行われることが
なく、従ってエアチャンバ内の圧力がフィードバック制
御されることによりエアチャンバに対し作動気体が給排
される場合に比して、消費エネルギ及びコストを低減す
ることができると共にエアサスペンションの耐久性を向
上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の特願平4
−184428号明細書及び図面に記載されたエアサス
ペンション制御装置の実施例に於ては、エアチャンバ内
の目標気体質量Moはエアチャンバの基準容積と車輌の
走行状態に基くエアチャンバの目標変動容積との和とし
て演算されるエアチャンバの目標容積と、エアチャンバ
内の基準圧力と車輌の走行状態に基くエアチャンバ内の
目標変動圧力との和として演算されるエアチャンバ内の
目標圧力と、エアチャンバ内の作動気体の温度とに基き
気体方程式に従って演算され、エアチャンバ内の基準圧
力は車輌が停車状態にあり車高が標準車高にある場合に
於けるエアチャンバ内の圧力として設定され、エアチャ
ンバ内の目標変動圧力は車体の加速度を検出する加速度
センサ等の検出結果に基き演算されるようになってい
る。
【0006】そのため例えば車輌が高速走行状態にて路
面の段差を通過したり高速道路の目地を通過したりする
場合の如く路面よりの外乱が比較的急激であり且その大
きさが小さい場合には、それに起因して車体が振動し、
その振動に伴なう車体の加速度が加速度センサにより検
出され、その検出結果に基きエアチャンバ内の目標変動
圧力が演算されてしまうので、本来車体の姿勢制御が必
要ではないにも拘らず車体の姿勢制御が行われ、そのた
め車体が却ってハンチング振動し易く、またエアチャン
バに対する作動気体の給排が繰返し行われて作動気体が
無駄に消費されるという問題がある。
【0007】本発明は、上述の先の提案にかかるエアサ
スペンション制御装置に於ける上述の如き問題に鑑み、
不必要な車体の姿勢制御を防止することにより車輌の乗
り心地性を犠牲にすることなく先の提案にかかるエアサ
スペンション制御装置の場合よりも更に一層消費エネル
ギ及びコストを低減しエアサスペンションの耐久性を向
上させることができるよう改良されたエアサスペンショ
ン制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、図1に示されている如く、各車輪に対応し
て設けられ内部にエアチャンバを有するエアスプリング
(10)と、車輌の走行状態を検出する走行状態検出手
段(12)と、検出された車輌の走行状態に基き前記エ
アチャンバ内の目標気体質量Moを演算する目標気体質
量演算手段(14)と、前記エアチャンバ内の実気体質
量Mを演算する実気体質量演算手段(16)と、前記実
気体質量Mと前記目標気体質量Moとの偏差Mcに基き
該偏差が減少するよう前記エアチャンバに対する作動気
体の給排を制御することにより車体の姿勢を制御する給
排制御手段(18)とを有するエアサスペンション制御
装置に於て、各車輪に対応する部位の実車高を検出する
車高検出手段(20)と、車輌の標準状態に於ける前記
エアチャンバ内の実気体質量を標準気体質量Ma として
演算する標準気体質量演算手段(22)と、何れの車輪
についても実車高と標準車高との偏差の絶対値が第一の
基準値以下であり且前記目標気体質量Moと前記標準気
体質量Ma との偏差の絶対値が基準値以下であるときに
は前記給排制御手段による前記エアチャンバに対する作
動気体の給排を禁止する給排禁止手段(24)とを有す
ることを特徴とするエアサスペンション制御装置によっ
て達成される。
【0009】
【作用】かかる構成によれば、車高検出手段(20)に
より各車輪に対応する部位の実車高が検出され、標準気
体質量演算手段(22)により車輌の標準状態に於ける
エアチャンバ内の実気体質量が標準気体質量Ma として
演算され、何れの車輪についても実車高と標準車高との
偏差の絶対値が第一の基準値以下であり且目標気体質量
Moと標準気体質量Ma との偏差の絶対値が基準値以下
であるときには給排禁止手段(24)により給排制御手
段によるエアチャンバに対する作動気体の給排が禁止さ
れる。
【0010】一般に車輌が高速走行状態にて路面の段差
を通過したり高速道路の目地を通過したりする場合の如
き路面よりの外乱は比較的急激ではあるがその大きさは
小さいので、何れの車輪についても実車高と標準車高と
の偏差の絶対値及び目標気体質量Moと標準気体質量M
a との偏差の絶対値も小さく、従って給排禁止手段(2
4)により給排制御手段によるエアチャンバに対する作
動気体の給排が禁止され、これにより不必要な車体の姿
勢制御が防止され、車体がハンチング振動したり作動気
体が無駄に消費されることが防止される。
【0011】また上述の請求項2の構成によれば、エア
サスペンション制御装置は給排禁止手段によりエアチャ
ンバに対する作動気体の給排が禁止されていない場合に
於て何れの車輪についても実車高と標準車高との偏差の
平均値の絶対値が第二の基準値以下であるときには、給
排制御手段によるエアチャンバに対する作動気体の給排
が実行された後に給排禁止手段により何れの車輪につい
ても実車高と標準車高との偏差の絶対値が第一の基準値
以下であり且目標気体質量Moと標準気体質量Ma との
偏差の絶対値が基準値以下であるか否かの判別が行われ
るよう構成される。
【0012】従ってかかる構成によれば、給排禁止手段
によりエアチャンバに対する作動気体の給排が禁止され
ていない場合であって実車高と標準車高との偏差の平均
値の絶対値が何れの車輪についても第二の基準値以下で
あるときには、給排禁止手段によりエアチャンバに対す
る作動気体の給排が禁止されるに先立ち給排制御手段に
より必ずエアチャンバに対する作動気体の給排が実行さ
れ、また実車高と標準車高との偏差の平均値の絶対値が
何れの車輪についても小さい値になるのは一般に車輌が
旋回や加減速を行うことなく良路を走行する場合である
ので、エアチャンバに対する作動気体の給排が禁止され
ることによって車輌の乗り心地性や操縦安定性が損われ
ることが確実に回避される。
【0013】また上述の請求項3の構成によれば、エア
サスペンション制御装置は車輌の停止状態を検出する停
止状態検出手段と、車輌が停止状態にあるときには所定
時間毎に標準気体質量Ma を補正する標準気体質量補正
手段とを有しているので、車輌の乗員の乗り降り、積載
荷物の積み下ろし、燃料の消費等により車輌のばね上重
量が変化しても標準気体質量Ma が常に適正値に設定さ
れ、給排禁止手段によるエアチャンバに対する作動気体
の給排禁止判断が常に適正に実行される。
【0014】
【課題を解決するための手段の補足説明】エアサスペン
ション制御装置に於けるエアスプリングのエアチャンバ
内の圧力、エアチャンバの容積、エアチャンバ内の気体
の温度、エアチャンバ内の気体の質量をそれぞれP、
V、T、Mとし、標準状態、即ち車輪が中立位置にある
ときのエアチャンバ内の圧力、エアチャンバの容積、エ
アチャンバ内の気体の温度、エアチャンバ内の気体の質
量(目標気体質量)をそれぞれP1 、V1 、T1 、M1
とし、車輪が路面の突起を乗り越える等によって外力を
受けた後のエアチャンバ内の圧力、エアチャンバの容
積、エアチャンバ内の気体の温度、エアチャンバ内の気
体の質量をそれぞれP2 、V2 、T2 、M2 とし、気体
を完全気体とみなしRを気体の気体定数としてエアサス
ペンション制御装置に於て演算される気体の質量Mを下
記の数1の如く定義する。
【数1】M=(P・V)/(R・T)
【0015】いま車輌が直進しているものと仮定し、エ
アチャンバ内の気体の質量は一定であると仮定すると、
エアサスペンション制御装置に於て演算される目標質量
1は下記の数2により表される。
【数2】M1 =(P1 ・V1 )/(R・T1
【0016】エアスプリング内に於て生じる状態変化を
ポリトロープ変化とし、エアチャンバの系が閉じている
と仮定すると、nをポリトロープ指数として下記の数B
が成立する。
【数3】P1 ・V1 n =P2 ・V2 n
【0017】数3よりエアサスペンションが外力を受け
た後のエアチャンバ内の圧力P2 は下記の数4により表
される。
【数4】P2 =(V1 /V2 n ・P1
【0018】またエアサスペンションが外力を受けた後
のエアチャンバ内の容積V2 はSをサスペンションスト
ローク(標準位置よりバウンド方向への変位を正とす
る)とし、Aをエアサスペンションのピストンの断面積
として下記の数5により表される。
【数5】V2 =V1 −A・S
【0019】数4及び数5にて表される圧力P2 及び容
積V2 はそれぞれ圧力検出手段及び容積検出手段により
検出される値であり、数1、数4、数5より気体の質量
Mは下記の数6により表される。
【数6】 M=(P2 ・V2 )/(R・T2 ) ={(P1 ・V1 )/(R・T2 )}・{V1 /(V1 −A・S)}n-1
【0020】ここで温度検出手段により検出されるエア
チャンバ内の気体の温度Tの変化がエアチャンバの容積
の変化よりも十分遅くなるよう温度Tを平滑処理し、温
度変化のポリトロープ指数を実質的に1.0とみなす
と、下記の数7が成立する。
【数7】T2 =T1
【0021】従って数6は下記の数8の如く表される。
【数8】M={(P1 ・V1 )/(R・T1 )} ・{V1 /(V1 −(V1 A・S)}n-1
【0022】いまエアサスペンション制御装置に於ける
フィードバック制御量Eを下記の数9の如く定義する。
尚下記の数9に於てKはフィードバックゲインであり、
E<0はエアチャンバより気体を排出させる排気に相当
し、E>0はエアチャンバへ気体を供給する給気に相当
する。
【数9】E=K・(M1 −M)
【0023】数9に数2及び数8を代入すると、数9は
下記の数10の如く表される。
【数10】E=K・{(P1 ・V1 )/(R・T1 )} ・[1−{V1 /(V1 −(V1 A・S)}n-1
【0024】車輪が路面の凸部を通過することによりバ
ウンド方向へSだけストロークしたとすると、V1 −A
・S<V1 であるので、下記の数11が成立する。
【数11】V1 /(V1 −A・S)>1
【0025】車輪がバウンドするとエアチャンバ内の圧
力Pは増大するので(即ち定圧変化ではないので)、ポ
リトロープ指数nは1以上であり、従って下記の数12
が成立する。
【数12】1−{V1 /(V1 −A・S)}n-1 <0
【0026】数12に基き数10を検討すると、下記の
数13が成立する。
【数13】E<0
【0027】数13は上述の如く排気を意味し、車輪が
路面よりバウンド方向の入力を受けるとエアチャンバよ
り気体が排出されることによってエアスプリングのばね
力が低下されることを意味する。
【0028】また車輪が路面の凹部を通過することによ
りリバウンド方向へSだけストロークしたとすると、V
1 −A・S>V1 であるので、下記の数14が成立す
る。
【数14】V1 /(V1 −A・S)<1
【0029】車輪がリバウンドするとエアチャンバ内の
圧力Pは減小するので(即ち定圧変化ではないので)、
ポリトロープ指数nは1以上であり、従って下記の数1
5が成立する。
【数15】1−{V1 /(V1 −A・S)}n-1 >0
【0030】数15に基き数10を検討すると、下記の
数16が成立する。
【数16】E>0
【0031】数16は上述の如く給気を意味し、車輪が
リバウンド方向の入力を受けるとエアチャンバへ気体が
供給されることによってエアスプリングのばね力が増大
されることを意味する。
【0032】本発明の一つの実施例によれば、実気体質
量演算手段はエアチャンバの容積を検出する容積検出手
段と、エアチャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段
と、エアチャンバ内の作動気体の温度を検出する温度検
出手段と、温度検出手段により検出された作動気体の温
度を示す信号を平滑処理する温度信号平滑処理手段と、
容積検出手段及び圧力検出手段によりそれぞれ検出され
た容積及び圧力と平滑処理手段により平滑処理された温
度とに基き実気体質量を演算する演算手段とを有してい
る。
【0033】かかる構成によれば、容積検出手段により
検出されたエアチャンバの容積と、圧力検出手段により
検出されたエアチャンバ圧力と、温度検出手段により検
出され平滑処理手段により平滑処理されたエアチャンバ
内の作動気体の温度とに基き演算手段によって実気体質
量が演算されるので、上述の如く車輪が路面の凸部を通
過する際の如くバウンド方向の力を受ける場合にはエア
スプリングのばね力が低下され、逆に車輪が路面の凹部
を通過する際の如くリバウンド方向の力を受ける場合に
はエアスプリングのばね力が増大され、これによりエア
チャンバに対し作動気体の給排が行われない通常のエア
サスペンションの場合に比して車輌の乗り心地性が向上
する。
【0034】尚本明細書に於て「標準車高」とは各車輪
が中立位置にある場合に於ける車高を意味し、「車輌の
標準状態」とは車輌が停止状態にあり且各車輪が中立位
置にある状態を意味する。
【0035】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0036】図2は本発明によるエアサスペンション制
御装置の一つの実施例を示す概略構成図である。尚図2
に於て、*は各輪に対応する記号であり、*が付された
符号にて示された部材は右前輪(*=fr)、左前輪(*
=fl)、右後輪(*=rr)、左後輪(*=rl)の各々に
対応して設けられていることを示している。
【0037】図2に於て、30*は図には示されていな
いばね上とばね下との間に配設されたショックアブソー
バを示しており、32*はショックアブソーバ30*と
一体に形成されたエアスプリングを示している。エアス
プリング32*は周知の如く図には示されていない車輪
のバウンド、リバウンドに伴いそれぞれ容積を減小し増
大するエアチャンバ34*を有している。
【0038】エアチャンバ34*には給気導管36*の
一端が接続されており、該導管の他端は内部に高圧の空
気を貯容する高圧タンク38に接続されている。給気導
管36*の途中にはソレノイド式の常閉型の開閉弁であ
る給気用制御弁40*が設けられている。給気導管36
*のエアスプリング30*と給気用制御弁40*との間
の部分には排気導管42*の一端が接続されており、該
導管の他端は内部に低圧の空気を貯容する低圧タンク4
4が接続されている。排気導管42*の途中には制御弁
40*と同様ソレノイド式の常閉型の開閉弁である排気
用制御弁46*が設けられている。
【0039】図2に示されている如く、図示の実施例に
於ては、制御弁40*及び46*は操舵角速度θd を検
出する操舵角速度センサ48、車速Vを検出する車速セ
ンサ50、車体の横加速度Gy を検出する横加速度セン
サ52、車体の前後加速度Gx を検出する前後加速度セ
ンサ54、各輪に対応する部位の車高H*を標準車高
(車輪が中立位置にあるときの車高)との偏差として検
出する車高センサ56*、各エアスプリングのエアチャ
ンバ34内の圧力P*を検出する圧力センサ58*、各
エアチャンバ内の空気の温度T*を検出する温度センサ
60*よりの信号に基き、後述の如く電子制御装置62
によって開閉制御されるようになっている。
【0040】電子制御装置62は図3に示されている如
く、マイクロコンピュータ64を有している。マイクロ
コンピュータ64は図3に示されている如き一般的な構
成のものであってよく、中央処理ユニット(CPU)6
6と、リードオンリメモリ(ROM)68と、ランダム
アクセスメモリ(RAM)70と、入力ポート装置72
と、出力ポート装置74とを有し、これらは双方向性の
コモンバス76により互いに接続されている。
【0041】入力ポート装置72には操舵角速度センサ
48により検出された操舵角速度θd を示す信号、車速
センサ50により検出された車速Vを示す信号、横加速
度センサ52により検出された車体の横加速度Gy を示
す信号、前後加速度センサ54により検出された車体の
前後加速度Gx を示す信号が入力されるようになってお
り、また図には示されていない各輪に対応して設けられ
た車高センサ56*、圧力センサ58*、温度センサ6
0*よりそれぞれ各輪に対応する部位の車高H*、各エ
アチャンバ内の圧力P*、各エアチャンバ内の空気の温
度T*を示す信号が入力されるようになっている。
【0042】入力ポート装置72はそれに入力された信
号を適宜に処理し、ROM68に記憶されているプログ
ラムに基くCPU66の指示に従い、CPU及びRAM
70へ処理された信号を出力するようになっている。R
OM38は図4乃至図7に示された制御プログラム及び
図8〜図10に示されたグラフに対応するマップを記憶
している。CPU66は図4乃至図7に示された制御プ
ログラムに基き後述の如く種々の演算及び信号の処理を
行うようになっている。出力ポート装置74はCPU6
6の指示に従い、駆動回路78*を経て各エアスプリン
グに対応する給気用制御弁40へ制御信号を出力し、ま
た駆動回路80*を各エアスプリングに対応する排気用
制御弁46*へ制御信号を出力するようになっている。
【0043】次に図4及び図5に示されたフローチャー
トを参照して図示の実施例に於けるエアサスペンション
の制御について説明する。尚図4及び図5に示されたル
ーチンは図には示されていないイグニッションスイッチ
の閉成により開始される。また図4及び図5に示された
フローチャートに於て、*は各輪に対応する記号であ
り、図4及び図5に示されたルーチンのステップ70〜
300等のステップは例えば右前輪(*=fr)、左前輪
(*=fl)、右後輪(*=rr)、左後輪(*=rl)の順
に実行される。更に図5に於て、フラグFは制御弁に対
する制御が禁止状態にあるか否かに関するものであり、
0は禁止状態にあることを示し、1は許可状態にあるこ
とを示している。
【0044】まず最初のステップ10に於ては、車速セ
ンサ50により検出された車速Vが読込まれると共に、
車速Vが0であるか否かの判別、即ち車輌が停止状態に
あるか否かの判別が行われ、V=0である旨の判別が行
われたときにはステップ20に於てタイマのカウント値
Tが1インクリメントされ、V=0ではない旨の判別が
行われたときにはステップ30に於てカウント値Tが0
にリセットされる。
【0045】ステップ40に於ては、タイマのカウント
値Tが基準値Tc(正の定数)を越えているか否かの判
別が行われ、T>Tcではない旨の判別が行われたとき
にはステップ80へ進み、T>Tcである旨の判別が行
われたときにはステップ50に於てタイマのカウント値
Tが0にリセットされ、ステップ60に於て各エアチャ
ンバ内の標準圧力SP*(車輌が停止状態にあり且対応
する車輪が中立位置にあるときの圧力)がそれぞれ対応
する圧力センサ58*により検出された各エアチャンバ
内の圧力P*に設定される。
【0046】ステップ70及び80に於ては後述の如く
図6に示されたフローチャートに従ってエアチャンバ内
の目標空気質量Mo*が演算され、ステップ90に於て
は各エアチャンバ内の標準空気質量Ma*がステップ7
0に於て演算された目標空気質量Mo*に設定される。
ステップ200に於ては後述の如く図7に示されたフロ
ーチャートに従って各エアチャンバ内の実空気質量M*
が演算され、ステップ300に於てはステップ70又は
80に於て演算された目標空気質量Mo*とステップ2
00に於て演算された実空気質量の偏差Mc*(=Mo
*−M*)が演算される。
【0047】ステップ310に於てはステップ70又は
80に於て演算された目標空気質量Mo*とステップ9
0に於て設定された標準空気質量Ma*との偏差(Mo
*−Ma*)の絶対値D*が演算される。ステップ32
0に於てはフラグFが1であるか否かの判別が行われ、
F=1である旨の判別、即ち制御弁に対する制御が許可
状態にある旨の判別が行われたときにはステップ370
へ進み、F=1ではない旨の判別、即ち制御弁に対する
制御が禁止状態にある旨の判別が行われたときにはステ
ップ330へ進む。
【0048】ステップ330に於ては車高H*の絶対値
が基準値C1 (正の定数)を越えているか否かの判別が
行われ、何れかの車輪の車高Hの絶対値が基準値C1 を
越えている旨の判別が行われたときにはステップ380
へ進み、何れの車輪の車高の絶対値も基準値C1 を越え
てはいない旨の判別が行われたときにはステップ340
へ進む。ステップ340に於てはステップ310に於て
演算された偏差の絶対値D*が基準値C2 (正の定数)
未満であるか否かの判別が行われ、何れかの車輪の偏差
の絶対Dが基準値C2 未満ではない旨の判別が行われた
ときにはステップ380へ進み、何れの車輪についても
偏差の絶対値Dが基準値C2 未満である旨の判別が行わ
れたときにはステップ350に於て空気質量の偏差Mc
*が0に設定され、ステップ360に於てフラグFが0
にリセットされる。
【0049】ステップ370に於ては現在よりN−1サ
イクル前までのNサイクル分の車高H*について各輪毎
に時間移動平均演算により平均車高Ha*の絶対値が演
算されると共に、平均車高Ha*の絶対値が基準値C3
(正の定数)未満であるか否かの判別が行われ、何れか
の車輪について平均車高Haの絶対値が基準値C3 未満
ではない旨の判別が行われたときにはステップ380に
於てフラグFが1にセットされ、何れの車輪についても
平均車高Haの絶対値が基準値C3 未満である旨の判別
が行われたときにはステップ390に於てフラグFが0
にリセットされる。
【0050】ステップ400に於てはα(正の定数)を
制御のしきい値として偏差Mc*が−α以上でありα以
下であるか否かの判別が行われ、−α≦Mc*≦αであ
る旨の判別が行われたときにはステップ800に於て給
気用制御弁40*及び排気用制御弁46*が閉弁された
後ステップ100へ戻り、−α≦Mc*≦αではない旨
の判別が行われたときにはステップ500へ進む。
【0051】ステップ500に於ては偏差Mc*がα以
上であるか否かの判別が行われ、α≦Mc*である旨の
判別が行われたときにはステップ600に於て給気用制
御弁40*が開弁されると共に排気用制御弁46*が閉
弁された後ステップ100へ戻り、α≦Mc*ではない
旨の判別が行われたときには給気用制御弁40*が閉弁
されると共に排気用制御弁46*が開弁された後ステッ
プ100へ戻る。
【0052】次に図6に示されたフローチャートを参照
して図4に示されたフローチャートのステップ70及び
80に於て行われる目標空気質量Mo*の演算ルーチン
について説明する。
【0053】まずステップ105に於ては操舵角速度θ
d 、車速V、車体の横加速度Gy 、車体の前後加速度G
x 、各輪のエアチャンバ34*内の空気の温度T*の読
込みが行われ、ステップ110に於ては操舵角速度θd
及び車速Vに基き図8に示されたグラフに対応するマッ
プに基き車体の横加速度の遅れ補償値Gyoが演算され
る。尚操舵角速度θd が負の値である場合には、遅れ補
償値Gyoは負の値として演算される。
【0054】ステップ115に於ては車体の横加速度G
y 及びその遅れ補償値Gyoに基き車体の推定横加速度G
ym(=Gy +Gyo)が演算される。ステップ120に於
ては車体の推定横加速度Gymに基き図9に示されたグラ
フに対応するマップに基き車体の目標ロール量Rm が演
算される。同様にステップ125に於ては車体の前後加
速度Gx に基き図10に示されたグラフに対応するマッ
プに基き車体の目標ピッチ量Pm が演算される。
【0055】ステップ130に於てはステップ120及
び125に於てそれぞれ演算された目標ロール量Rm 及
び目標ピッチ量Pm に基き、Kp及びKrを正の定数と
して下記の数17に従って各輪のストローク量S*が演
算される。尚車速V等に応じて車高が制御される場合に
は、下記の数17の各式に於て車速V等に応じたヒーブ
量hが加算されてよい。
【数17】Sfr=Kp・Pm −Kr ・Rm Sfl=Kp・Pm +Kr ・Rm Srr=−Kp・Pm −Kr ・Rm Srl=−Kp・Pm +Kr ・Rm
【0056】ステップ135に於てはSV*を各輪のエ
アスプリング32*のエアチャンバ34*の基準容積
(対応する車輪が中立位置にあるときの容積)として、
下記の数18に従って各エアスプリングの目標エアチャ
ンバ容積Vo*が演算される。尚数18に於てA1 及び
2 はそれぞれ左右前輪及び左右後輪のショックアブソ
ーバ30のシリンダの断面積である。
【数18】Vofr=SVfr+A1 ・Sfr Vofl=SVfl+A1 ・Sfl Vorr=SVrr+A2 ・Srr Vorl=SVrl+A2 ・Srl
【0057】ステップ140に於てはステップ115に
於て演算された車体の推定横加速度Gymに基き、Df 及
びDr をそれぞれ前輪側及び後輪側の正の定数として下
記の数19に従って各エアチャンバ内圧力の増分Py *
が演算される。
【数19】Pyfr =Df ・Gym Pyfl =−Pyfr Pyrr =Df ・Gym Pyrl =−Pyrr
【0058】ステップ145に於てはステップ105に
於て読込まれた車体の前後加速度Gx に基き、Dpを正
の定数として下記の数20に従って各エアチャンバ内圧
力の増分Px *が演算される。
【数20】Pxfr =Dp ・Gx Pxfl =Pxfr Pxrr =−Dp ・Gx Pxrl =Pxrr
【0059】ステップ150に於てはステップ60に於
て設定された各エアチャンバ内の標準圧力SP*、ステ
ップ140及び145に於てそれぞれ演算された各エア
チャンバ内圧力の増分Py *及びPx *に基き下記の数
21に従って目標エアチャンバ内圧力Po*が演算され
る。
【数21】Pofr=SPfr+Pyfr +Pxfr Pofl=SPfl+Pyfl +Pxfl Porr=SPrr+Pyrr +Pxrr Porl=SPrl+Pyrl +Pxfl
【0060】ステップ155に於てはステップ105に
於て読込まれた各エアチャンバ内の空気温度T*、ステ
ップ135に於て演算された目標エアチャンバ容積Vo
*、ステップ150に於て演算された目標エアチャンバ
内圧力Po*に基き、Rを気体定数として下記の数22
に従って各エアチャンバ内の目標空気質量Mo*が演算
される。
【数22】Mo*=(Po*・Vo*)/(R・T*)
【0061】次に図7に示されたフローチャートを参照
して図4に示されたフローチャートのステップ200に
於て行われる実空気質量M*の演算ルーチンについて説
明する。
【0062】まずステップ210に於ては、各輪に対応
する部位の車高H*、各輪のエアチャンバ内の圧力P
*、各輪のエアチャンバ内の温度T*の読込みが行わ
れ、ステップ220に於てはカットオフ周波数を例えば
0.01Hz に設定して温度T*を示す信号をローパス
フィルタ処理することによりローパスフィルタ処理後の
温度Tlp*が演算される。
【0063】ステップ230に於ては、ステップ210
に於て読込まれた各輪に対応する部位の車高H*に基
き、K1 及びK2 をそれぞれ左右前輪及び左右後輪につ
いての係数(正の定数)として各輪のエアチャンバの容
積V*が下記の数23に従って演算される。
【数23】Vfr=SVfr+K1 ・Hfr Vfl=SVfl+K1 ・Hfl Vrr=SVrr+K2 ・Hrr Vrl=SVrl+K2 ・Hrl
【0064】ステップ240に於てはステップ210に
於て読込まれた各輪のエアチャンバ内圧力P*、ステッ
プ220に於て演算されたローパスフィルタ処理後の各
エアチャンバ内温度Tlp*、ステップ230に於て演算
された各エアチャンバ容積V*に基き、Rを気体定数と
して下記数24に従って各エアチャンバ内の実空気質量
M*が演算される。
【数24】M*=(P*・V*)/(R・Tlp*)
【0065】かくして図示の実施例によれば、ステップ
70又は80、即ちステップ105〜155に於て車輌
の走行状態、即ち旋回や加減速に応じて各エアチャンバ
内の目標空気質量Mo*が演算され、ステップ200、
即ちステップ210〜240に於て各エアチャンバ内の
実空気質量M*が演算され、ステップ300に於て目標
空気質量Mo*と実空気質量M*との偏差Mc*が演算
され、ステップ400〜800に於て偏差Mc*が−α
以上且α以下になるよう各エアチャンバ内の空気の質量
がフィードバック制御される。
【0066】従って車輌の定速直進走行時の如く実質的
に旋回や加減速が行われない場合には、路面の凹凸によ
り車輪がバウンド、リバウントしても目標空気質量Mo
*は変化せず偏差Mc*も変化しないので、制御弁40
*及び46*が繰り返し頻繁に開閉されることを確実に
回避することができる。
【0067】また車輌の旋回時や加減速時には、車体の
横加速度や前後加速度に起因する車体の姿勢変化を抑制
するよう目標空気質量Mo*が演算され、目標空気質量
Mo*と実空気質量M*との偏差Mc*が−α以上且α
以下になるよう制御弁40*及び46*が開閉され、各
エアチャンバに対し空気が給排されることにより、車体
の横加速度や前後加速度に起因して車体にロール、ノー
ズダイブ、スクォートの如き大きい姿勢変化が生じるこ
とを効果的に防止することができる。
【0068】この場合ステップ310に於て目標空気質
量Mo*と標準空気質量Ma*との偏差の絶対値D*が
演算され、ステップ330に於て何れの車輪についても
車高H*の絶対値が基準値C1 以下である旨の判別が行
われ、ステップ340に於て何れの車輪についても偏差
の絶対値Dが基準値C2 未満である旨の判別が行われる
と、即ち路面よりの外乱及び車体の姿勢変化が小さい旨
の判別が行われると、ステップ350に於て空気質量の
偏差Mc*が強制的に0に設定されるので、ステップ4
00に於て必ずイエスの判別が行われ、給気用制御弁4
0*及び排気用制御弁46*は閉弁状態に維持され、各
エアスプリングのエアチャンバに対する空気の給排が禁
止される。従って路面よりの微小な外乱に応答して制御
弁40*及び46*が繰返し開閉されることを確実に回
避することができる。
【0069】また図示の実施例によれば、エアチャンバ
に対する空気の給排が禁止されていない場合には、ステ
ップ320に於てイエスの判別が行われ、ステップ37
0に於て各車輪毎に平均車高Haの絶対値が基準値C3
未満であるか否かの判別が行われ、何れの車輪について
も平均車高Haの絶対値が基準値C3 未満である旨の判
別、即ち車輌が旋回や加減速の操作をされることなく良
路を走行している旨の判別が行われたときにはステップ
390に於てフラグFが0にリセットされ、しかる後ス
テップ400〜800が実行されるので、エアチャンバ
に対する空気の給排が禁止される前に必ず空気の給排が
実行され、これにより空気の給排が禁止される前に車体
の姿勢変化を確実に収束させることができる。
【0070】また図示の実施例によれば、ステップ10
に於て車輌が停止状態にあるか否かの判別が行われ、車
輌が停止状態にある旨の判別が行われたときにはTc時
間経過毎にステップ60に於て各エアスプリングのエア
チャンバ内の標準圧力SP*が更新され、ステップ70
及び90に於て標準空気質量Ma*が更新されるので、
乗員の乗り降りや積載荷物の積み下し、燃料消費等によ
り車輌のばね上重量が変化しても、車輌の停車毎に標準
空気質量が適正に設定され、これにより各エアスプリン
グのエアチャンバに対する空気の給排を禁止すべきか否
かの判断を常に適正に行わせることができる。
【0071】更に図示の実施例によれば、各エアチャン
バ内の空気の温度T*を示す信号がローパスフィルタ処
理されることにより温度T*を示す信号が平滑処理さ
れ、平滑処理後の温度Tlp*に基き各エアチャンバ内の
実空気質量M*が演算されるようになっており、従って
数1乃至数16に沿って上述した如く、車輪がバウンド
方向の力を受ける場合にはエアスプリングのばね力が低
下され、逆に車輪がリバウンド方向の力を受ける場合に
はエアスプリングのばね力が増大されるので、検出され
た温度T*に基き各エアチャンバ内の実空気質量M*が
演算される場合に比して車輌の乗り心地性が向上する。
【0072】尚上述の実施例に於てはステップ60に於
て各エアスプリングのエアチャンバ内の標準圧力SP*
がそれぞれ対応する圧力センサ58*により検出された
エアチャンバ内圧力P*に設定されるようになっている
が、標準圧力SP*は例えば下記の数25に従って設定
されてもよい。かかる実施例によれば、左右の車輪の各
エアチャンバ内の標準圧力はそれらの平均値として互い
に等しい圧力に設定されるので、例えば四輪のうちの三
つの車輪のみにてばね上重量が支えられるような状況が
生じることを確実に防止することができる。
【0073】
【数25】SPfr=(Pfr+Pfl)/2 SPfl=SPfr SPrr=(Prr+Prl)/2 SPrl=SPrr また上述の実施例に於ては平均車高Ha*は時間移動平
均により演算されるようになっているが、平均車高は車
高センサ56*により検出された車高H*を示す信号を
カットオフ周波数の小さいローパスフィルタにてローパ
スフィルタ処理し平滑化することにより演算されてもよ
い。
【0074】また上述の実施例に於ては平滑処理後の温
度Tlp*は各エアチャンバ内の空気の温度T*を示す信
号がローパスフィルタ処理されることにより演算される
ようになっているが、温度T*を示す信号に対する平滑
処理は例えば図示の実施例の如くデジタル演算により実
行されるのではなく電子制御装置に組込まれたローパス
フィルタによってアナログ式に実行されてもよく、また
前述の特願平4−184428号の図8に示された重み
付け平均の演算等により実行されてもよい。
【0075】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0076】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、路面の凹凸に起因して車輪がバウンド、リ
バウンドしても目標気体質量Moは変更されず偏差Mc
は変化しないので、エアチャンバに対する作動気体の給
排が繰返し頻繁に行われることがなく、従ってエアチャ
ンバ内の圧力が従来の制御装置によってフィードバック
制御される場合にして消費エネルギ及びコストを低減す
ることができ、またエアサスペンションの耐久性を向上
させることができるだけでなく、車輌が高速走行状態に
て路面の段差を通過したり高速道路の目地を通過したり
する場合の如く路面より比較的急激ではあるが大きさの
小さい外乱が入力される場合には、給排禁止手段(2
4)により給排制御手段によるエアチャンバに対する作
動気体の給排が禁止されるので、不必要な車体の姿勢制
御を防止し、これにより車体がハンチング振動したり作
動気体が無駄に消費されることを防止することができ
る。
【0077】また特に請求項2の構成によれば、給排禁
止手段によりエアチャンバに対する作動気体の給排が禁
止されていない場合であって実車高と標準車高との偏差
の平均値の絶対値が何れの車輪についても第二の基準値
以下であるときには、給排禁止手段によりエアチャンバ
に対する作動気体の給排が禁止されるに先立ち給排制御
手段により必ずエアチャンバに対する作動気体の給排が
実行され、また実車高と標準車高との偏差の平均値の絶
対値が何れの車輪についても小さい値になるのは一般に
車輌が旋回や加減速を行うことなく良路を走行する場合
であるので、エアチャンバに対する作動気体の給排が禁
止されることによって車輌の乗り心地性及び操縦安定性
が損われることを確実に回避することができる。
【0078】更に請求項3の構成によれば、停止状態検
出手段により車輌が停止状態にあることが検出されてい
るときには標準気体質量補正手段により所定時間毎に標
準気体質量Ma が補正されるので、車輌の乗員の乗り降
り、積載荷物の積み下ろし、燃料の消費等により車輌の
ばね上重量が変化しても標準気体質量Ma を常に適正値
に設定することができ、これにより給排禁止手段による
エアチャンバに対する作動気体の給排禁止判断を常に適
正に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエアサスペンション制御装置の構
成を特許請求の範囲の請求項1の記載に対応させて示す
説明図である。
【図2】本発明によるエアサスペンション制御装置の一
つの実施例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示された電子制御装置の一つの実施例を
示すブロック線図である。
【図4】図2及び図3に示された電子制御装置により達
成されるエアサスペンションの制御のメインルーチンの
一部を示すフローチャートである。
【図5】図2及び図3に示された電子制御装置により達
成されるエアサスペンションの制御のメインルーチンの
残りの部分を示すフローチャートである。
【図6】図5に示されたフローチャートのステップ70
及び80に於て行われる目標気体質量の演算ルーチンを
示すフローチャートである。
【図7】図5に示されたフローチャートのステップ20
0に於て行われる実空気質量のの演算ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図8】車速Vと操舵角速度θd と車体の横加速度の遅
れ補償値Gyoとの間の関係を示すグラフである。
【図9】車体の推定横加速度Gymと車体の目標ロール量
Rm との間の関係を示すグラフである。
【図10】車体の前後加速度Gx と車体の目標ピッチ量
Pm との間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…エアスプリング 12…走行状態検出手段 14…目標気体質量演算手段 16…実気体質量演算手段 18…給排制御手段 20…車高検出手段 22…標準気体質量演算手段 24…給排禁止手段 30*…ショックアブソーバ 32*…エアスプリング 34*…エアチャンバ 40*…給気用制御弁 46*…排気用制御弁 48…操舵角速度センサ 50…車速センサ 52…横加速度センサ 54…前後加速度センサ 56*…車高センサ 58*…圧力センサ 60*…温度センサ 62…電子制御装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪に対応して設けられ内部にエアチャ
    ンバを有するエアスプリングと、車輌の走行状態を検出
    する走行状態検出手段と、検出された車輌の走行状態に
    基き前記エアチャンバ内の目標気体質量Moを演算する
    目標気体質量演算手段と、前記エアチャンバ内の実気体
    質量Mを演算する実気体質量演算手段と、前記実気体質
    量Mと前記目標気体質量Moとの偏差Mcに基き該偏差
    が減少するよう前記エアチャンバに対する作動気体の給
    排を制御することにより車体の姿勢を制御する給排制御
    手段とを有するエアサスペンション制御装置に於て、各
    車輪に対応する部位の実車高を検出する車高検出手段
    と、車輌の標準状態に於ける前記エアチャンバ内の実気
    体質量を標準気体質量Ma として演算する標準気体質量
    演算手段と、何れの車輪についても実車高と標準車高と
    の偏差の絶対値が第一の基準値以下であり且前記目標気
    体質量Moと前記標準気体質量Ma との偏差の絶対値が
    基準値以下であるときには前記給排制御手段による前記
    エアチャンバに対する作動気体の給排を禁止する給排禁
    止手段とを有することを特徴とするエアサスペンション
    制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載されたエアサスペンション
    制御装置に於て、前記給排禁止手段により前記エアチャ
    ンバに対する作動気体の給排が禁止されていない場合に
    於て前記実車高と前記標準車高との偏差の平均値の絶対
    値が何れの車輪についても第二の基準値以下であるとき
    には前記給排制御手段による前記エアチャンバに対する
    作動気体の給排が実行された後に前記給排禁止手段によ
    り前記実車高と前記標準車高との偏差の絶対値が何れの
    車輪についても第一の基準値以下であり且前記目標気体
    質量Moと前記標準気体質量Ma との偏差の絶対値が基
    準値以下であるか否かの判別が行われるよう構成されて
    いることを特徴とするエアサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載されたエアサスペン
    ション制御装置に於て、車輌の停止状態を検出する停止
    状態検出手段と、車輌が停止状態にあるときには所定時
    間毎に前記標準気体質量Ma を補正する標準気体質量補
    正手段とを有していることを特徴とするエアサスペンシ
    ョン制御装置。
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