JP3010267U - 通水材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】軽量で取扱いやすく、しかも透水性に優れた通
水材を提供する。 【構成】ポリオレフィン系の廃プラスチックを溶融した
のち顆粒（ペレット）状に粉砕した充填材１を、樹脂製
メッシュの袋状ネット２に充填し、または、側面方向に
複数連結してマット状とする。 【効果】目詰まりしにくく、また経年変化による劣化が
少ないため耐久性に富む上、安価で各種の用途に使用す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、軽量で取扱いやすく、しかも透水性に優れた通水材に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の通水材としては、各種穴開きパイプ等が一般的に使用されている 。そしてグラウンドやゴルフ場の造成や排水用として、また芝生下やバンカーの 排水用として、道路その他の法面のエロージョン防止のため等の排水用として、 さらに土地改良事業の暗渠排水用等として使用されている。

【０００３】 また近年、粒状のパーライトを袋状のネットに充填したものが提案されるに至 っており、上記穴開きパイプ類の使用される用途のほかに、歩道の樹木の根誘導 、保存樹の樹勢回復等に使用されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来の通水材においては、穴開きパイプが目詰まりしやすく 、また経年変化による劣化によって破損しやすく、耐久性に乏しいという欠点が あった。

【０００５】 なお、価格的にも高価になってしまって上記の各種の用途に使用することには 難があった。

【０００６】 この考案は従来例の上記欠点を解消しようとするもので、目詰まりしにくく、 また経年変化による劣化が少ないため耐久性に富む上、安価で上記の各種の用途 に使用することが可能な通水材を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 すなわちこの考案の通水材は、ポリオレフィン系の廃プラスチックを溶融した のち顆粒（ペレット）状に粉砕したものを、所定のメッシュの袋状ネットに充填 したことを特徴とするものである。

【０００８】 またこの考案の通水材は、ポリオレフィン系の廃プラスチックを溶融したのち 顆粒（ペレット）状に粉砕して所定のメッシュの袋状ネットに充填したものを、 側面方向に複数連結してマット状としたことを特徴としている。

【０００９】 さらにこの考案の通水材は、袋状ネットが樹脂製であることをも特徴としてい る。

【００１０】

【作用】

この考案は以上のように構成したので、目詰まりしにくく、また経年変化によ る劣化が少ないため耐久性に富む上、安価で上記の各種の用途に使用することが 可能な通水材を提供することができるようになった。

【００１１】 さらに、全体として非常に軽量でしかもフレキシブルであり、運搬や施工に際 して取扱いが容易で、地中に埋設しても破損することがなく、長期間の使用に耐 える通水材を提供することが可能となった。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の通水材の一実施例を図面に基いて詳細に説明する。

【００１３】 図１ないし図３はこの考案の通水材を説明するためのもので、１はポリオレフ ィン系の廃プラスチックを溶融したのち顆粒（ペレット）状に粉砕した充填材で ある。この充填材１は所定のメッシュの袋状ネット２に充填されている。

【００１４】 上記充填材１は、農業用フィルムや産業用の各種包装資材、各種成形品を回収 し、その中からポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂製品を 選別して使用することが望ましい。

【００１５】 なお上記ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の廃プラスチッ クは、溶融して一定の形状に押出成形することが容易である。また、上記押出成 形したものを粉砕機にかけて所定の大きさに粉砕し、簡単に顆粒（ペレット）状 に加工することができる。上記顆粒（ペレット）状の充填材１のサイズは、袋状 ネットの編み目から流出しない程度の大きさが望ましい。

【００１６】 袋状ネット２は、これもポリオレフィン系のプラスチックで成形したものが好 適に使用できる。そのメッシュサイズは、１〜２ｍｍ程度の通水性を損なわず、 しかも充填材１が通り抜けない程度のサイズが望ましい。

【００１７】 上記充填材１は袋状ネット２内に、袋状ネット２がたるまない程度に充填され る。このように充填することにより、可撓性を損なわないが一定の剛性を付与さ れた状態の非常に取扱いやすい状態となる。

【００１８】 上記充填材１を袋状ネット２内に充填して得たこの考案の通水材１１は、図３ のような単独の楕円形断面のものとして提供することができる。この単独の楕円 形断面の一定の長さの通水材１１は従来の暗渠排水管と同様に、地中に埋設して 土地改良事業の用途に使用することができる。

【００１９】 さらにこの考案の通水材２１は、図１ないし図２示すように、充填材１を袋状 ネット２内に充填するとともに、袋状ネット２を側面方向に複数連結してマット 状通水材２１とすることもできる。その際の袋状ネット２は、単独の楕円形断面 のものを連結しても良いが、シート状のネット素材に所定の間隔でミシン目を形 成して、その間が複数の袋状となるように形成することもできる。

【００２０】 図４（イ），（ロ）は、この考案の通水材を暗渠に使用した状態を示すもので ある。すなわち、所定の深さの暗渠３１内に通水材１１または通水材２１を敷設 し、そのうえに砕石３２を敷き詰めた上、土砂３３をかぶせたものである。

【００２１】 上記のようにして得た暗渠排水構造は、充填材１や袋状ネット２中に土砂が目 詰まりして排水効果を低下させることがなく、しかも通水材中に排水が滞留する しないので、非常に優れた排水機能を発揮する。

【００２２】 このようにして得た通水材１１，２１は、グラウンドやゴルフ場の造成や排水 用として、また芝生下やバンカーの排水用として、道路その他の法面のエロージ ョン防止のため等の排水用として、さらに土地改良事業の暗渠排水用等として使 用可能である。

【００２３】

【考案の効果】

この考案は以上のように構成したので、目詰まりしにくく、また経年変化によ る劣化が少ないため耐久性に富む上、安価で上記の各種の用途に使用することが 可能な通水材を提供することができるようになった。

【００２４】 さらに、全体として非常に軽量でしかもフレキシブルであり、運搬や施工に際 して取扱いが容易で、地中に埋設しても瓦礫等で破損することがなく、長期間の 使用に耐える通水材を提供することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の通水材の一実施例を示す平面図であ
る。

【図２】その概略断面図である。

【図３】単独の楕円形断面の通水材の拡大断面図であ
る。

【図４】（イ）および（ロ）はそれぞれこの考案の通水
材を暗渠に使用した状態を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ 充填材 ２ 袋状ネット １１，２１ 通水材 ３１ 暗渠 ３２ 砕石 ３３ 土砂

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポリオレフィン系の廃プラスチックを溶
   融したのち顆粒（ペレット）状に粉砕したものを、所定
   のメッシュの袋状ネットに充填したことを特徴とする通
   水材。
2. 【請求項２】 ポリオレフィン系の廃プラスチックを溶
   融したのち顆粒（ペレット）状に粉砕して所定のメッシ
   ュの袋状ネットに充填したものを、側面方向に複数連結
   してマット状としたことを特徴とする通水材。
3. 【請求項３】 袋状ネットが樹脂製であることを特徴と
   する請求項１または２記載の通水材。