JP3009296B2 - 放電灯用電極 - Google Patents
放電灯用電極Info
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- JP3009296B2 JP3009296B2 JP4121087A JP12108792A JP3009296B2 JP 3009296 B2 JP3009296 B2 JP 3009296B2 JP 4121087 A JP4121087 A JP 4121087A JP 12108792 A JP12108792 A JP 12108792A JP 3009296 B2 JP3009296 B2 JP 3009296B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Discharge Lamp (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、放電灯の電極に関し、
詳しくは、ショートアーク型放電灯用の電極に関するも
のである。
詳しくは、ショートアーク型放電灯用の電極に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】ショートアーク型放電灯用の電極として
は、従来、タングステン基体金属にエミッター物質とし
て酸化トリウムをドープさせた「トリウム電極」が用い
られており、特性的にも良好な結果が得られている。し
かしながら、トリウムは放射性元素であるので、近年、
規制が厳しくなる傾向にあり、トリウムに代るエミッタ
ー物質の開発が急がれている。
は、従来、タングステン基体金属にエミッター物質とし
て酸化トリウムをドープさせた「トリウム電極」が用い
られており、特性的にも良好な結果が得られている。し
かしながら、トリウムは放射性元素であるので、近年、
規制が厳しくなる傾向にあり、トリウムに代るエミッタ
ー物質の開発が急がれている。
【０００３】このようなことから、一部で融点の低いバ
リウム・カルシウム・アルミネートのような酸化物エミ
ッター物質を融点以上に加熱して多孔質のタングステン
基体金属に含浸させた「モールド電極」や、エミッター
物質として希土類酸化物をタングステン粉末と混合して
焼結した「希土類電極」などが「トリウム電極」に代る
電極として提案されている。
リウム・カルシウム・アルミネートのような酸化物エミ
ッター物質を融点以上に加熱して多孔質のタングステン
基体金属に含浸させた「モールド電極」や、エミッター
物質として希土類酸化物をタングステン粉末と混合して
焼結した「希土類電極」などが「トリウム電極」に代る
電極として提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
「モールド電極」は、含浸されたエミッター物質の融点
が低いので、「トリウム電極」に比べて蒸発量が多く、
バルブを早期に黒化させる傾向が強い。特に、陰極を上
側に位置させて点灯する場合は、黒化が激しくて寿命が
極端に短いという問題点を有する。
「モールド電極」は、含浸されたエミッター物質の融点
が低いので、「トリウム電極」に比べて蒸発量が多く、
バルブを早期に黒化させる傾向が強い。特に、陰極を上
側に位置させて点灯する場合は、黒化が激しくて寿命が
極端に短いという問題点を有する。
【０００５】また、「希土類電極」の場合は、エミッタ
ー物質である希土類酸化物の融点が高いのでバルブが早
期に黒化しないが、基体金属であるタングステンの結晶
が大きくなり易い。図２は、「希土類電極」を１０００
時間使用した後の結晶状態を示すが、電極本体１のタン
グステン結晶２の内、電極動作中にきわめて高温になる
電極先端のタングステン結晶 21 が粗大化する。このた
め、エミッター物質３の拡散路である結晶粒界が少なく
なり、エミッター物質３が電極先端へスムーズに供給さ
れなくなるので、アーク放電が不安定になり、チラツキ
が発生する問題点がある。
ー物質である希土類酸化物の融点が高いのでバルブが早
期に黒化しないが、基体金属であるタングステンの結晶
が大きくなり易い。図２は、「希土類電極」を１０００
時間使用した後の結晶状態を示すが、電極本体１のタン
グステン結晶２の内、電極動作中にきわめて高温になる
電極先端のタングステン結晶 21 が粗大化する。このた
め、エミッター物質３の拡散路である結晶粒界が少なく
なり、エミッター物質３が電極先端へスムーズに供給さ
れなくなるので、アーク放電が不安定になり、チラツキ
が発生する問題点がある。
【０００６】そこで本発明は、以上のような問題点を解
決するために成されたものであり、その目的とするとこ
ろは、バルブが早期に黒化せず、また長時間点灯しても
基体金属であるタングステンの結晶が粗大化しないでア
ーク安定度の良い放電灯用電極を提供することにある。
決するために成されたものであり、その目的とするとこ
ろは、バルブが早期に黒化せず、また長時間点灯しても
基体金属であるタングステンの結晶が粗大化しないでア
ーク安定度の良い放電灯用電極を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、エミッター物質として希土類酸化物を
含むタングステン基体金属に、該タングステン基体金属
に対して１０重量ｐｐｍ以上のカリウムを含有させる。
めに、本発明は、エミッター物質として希土類酸化物を
含むタングステン基体金属に、該タングステン基体金属
に対して１０重量ｐｐｍ以上のカリウムを含有させる。
【０００８】
【作用】タングステン基体金属に対して、カリウムを１
０重量ｐｐｍ以上含有させることにより、タングステン
の再結晶温度が上昇し、また、電極先端での結晶の成長
が抑制される。このため、エミッター物質の拡散が最も
し易いタングステンの結晶粒界が維持され、電極先端に
エミッター物質をスムーズに供給することができる。
０重量ｐｐｍ以上含有させることにより、タングステン
の再結晶温度が上昇し、また、電極先端での結晶の成長
が抑制される。このため、エミッター物質の拡散が最も
し易いタングステンの結晶粒界が維持され、電極先端に
エミッター物質をスムーズに供給することができる。
【０００９】
【実施例】以下に図面に示す実施例に基いて本発明を具
体的に説明する。図１は、本発明に係る放電灯用電極で
あり、タングステンを基体金属とするロッド状の電極本
体１は、その先端部がコーン状になっている。そして、
エミッター物質３がタングステン結晶２の粒界中に主に
分散しているが、カリウム４もタングステン結晶２の粒
界中や結晶中に微細に分散している。
体的に説明する。図１は、本発明に係る放電灯用電極で
あり、タングステンを基体金属とするロッド状の電極本
体１は、その先端部がコーン状になっている。そして、
エミッター物質３がタングステン結晶２の粒界中に主に
分散しているが、カリウム４もタングステン結晶２の粒
界中や結晶中に微細に分散している。
【００１０】エミッター物質３としては種々の希土類酸
化物が用いられ、例えば酸化セリウム（ＣｅＯ2)、酸化
ガドリニウム（Ｇｄ2Ｏ3）などが好適に用いられる。こ
れらの希土類酸化物は、電極動作中に、タングステン結
晶２の粒界中を拡散しながら電極先端に移動し、この移
動の最中に還元されて電極先端で電子を放出し、アーク
の安定に寄与する。また、カリウム４は、タングステン
の再結晶温度を上昇させ、また電極先端の結晶成長の抑
制に寄与する。
化物が用いられ、例えば酸化セリウム（ＣｅＯ2)、酸化
ガドリニウム（Ｇｄ2Ｏ3）などが好適に用いられる。こ
れらの希土類酸化物は、電極動作中に、タングステン結
晶２の粒界中を拡散しながら電極先端に移動し、この移
動の最中に還元されて電極先端で電子を放出し、アーク
の安定に寄与する。また、カリウム４は、タングステン
の再結晶温度を上昇させ、また電極先端の結晶成長の抑
制に寄与する。
【００１１】かかる電極は種々の方法で作ることができ
るが、一例を示せば次の工程のとおりである。 〔第１工程〕酸化タングステン（ＷＯ3）の微粉末にカ
リウム、ケイ素、アルミニウムを含む水溶液を添加混合
し、乾燥後、還元してタングステン粉末を得る。 〔第２工程〕得られたタングステン粉末に、酸化セリウ
ムや酸化ガドリニウムなどの希土類酸化物よりなるエミ
ッター物質を２〜５％程度添加して混合する。 〔第３工程〕この混合粉末を焼結し、スエージング加工
を施してロッド状に成形し、先端をコーン状に加工して
放電灯用電極とする。この時、カリウムの含有量が１０
重量ｐｐｍ未満では、以下に説明するように、タングス
テンの再結晶粒成長の抑制効果が十分でなく、本発明の
目的を達成することができない。
るが、一例を示せば次の工程のとおりである。 〔第１工程〕酸化タングステン（ＷＯ3）の微粉末にカ
リウム、ケイ素、アルミニウムを含む水溶液を添加混合
し、乾燥後、還元してタングステン粉末を得る。 〔第２工程〕得られたタングステン粉末に、酸化セリウ
ムや酸化ガドリニウムなどの希土類酸化物よりなるエミ
ッター物質を２〜５％程度添加して混合する。 〔第３工程〕この混合粉末を焼結し、スエージング加工
を施してロッド状に成形し、先端をコーン状に加工して
放電灯用電極とする。この時、カリウムの含有量が１０
重量ｐｐｍ未満では、以下に説明するように、タングス
テンの再結晶粒成長の抑制効果が十分でなく、本発明の
目的を達成することができない。
【００１２】次に、タングステンに対するカリウムの含
有量を種々変化させた電極を使用した出力１ＫＷのショ
ートアーク型キセノン放電灯を実際に製作し、１０００
時間点灯後におけるカリウム含有量とアーク安定度との
関係を調査した。その結果を表１に示すが、アーク安定
度は、光学系を透過した光の照射強度の変動幅（％）で
表示した。この変動幅は、チラツキが少なくて良好なた
めには、２％以下である必要がある。なお、エミッター
物質として酸化ガドリニウムを使用した。
有量を種々変化させた電極を使用した出力１ＫＷのショ
ートアーク型キセノン放電灯を実際に製作し、１０００
時間点灯後におけるカリウム含有量とアーク安定度との
関係を調査した。その結果を表１に示すが、アーク安定
度は、光学系を透過した光の照射強度の変動幅（％）で
表示した。この変動幅は、チラツキが少なくて良好なた
めには、２％以下である必要がある。なお、エミッター
物質として酸化ガドリニウムを使用した。
【００１３】
【表１】
【００１４】表１に示すように、酸化ガドリニウムをエ
ミッター物質として使用した場合、カリウム含有量が１
０重量ｐｐｍ以上でアーク安定度は１.５％ 以下であ
り、チラツキが少なくて良好なアーク放電を示した。こ
のアーク安定度は従来の「トリウム電極」とほぼ同じ値
であり、長時間安定的に動作することが確認できた。そ
して、１０００時間点灯後もバルブの黒化はほとんど観
察されなかった。また、１０００時間点灯後に電極を切
断してタングステンの結晶組成を調べたところ、カリウ
ムを１０重量ｐｐｍ以上含有したものは、電極先端にお
いても、結晶はほとんど粗大化していなかった。なお、
カリウムの含有量は、１００重量ｐｐｍ以上になると現
状の電極製造方法ではスエージング加工が困難になるの
で、実際上９０重量ｐｐｍ以下となる。
ミッター物質として使用した場合、カリウム含有量が１
０重量ｐｐｍ以上でアーク安定度は１.５％ 以下であ
り、チラツキが少なくて良好なアーク放電を示した。こ
のアーク安定度は従来の「トリウム電極」とほぼ同じ値
であり、長時間安定的に動作することが確認できた。そ
して、１０００時間点灯後もバルブの黒化はほとんど観
察されなかった。また、１０００時間点灯後に電極を切
断してタングステンの結晶組成を調べたところ、カリウ
ムを１０重量ｐｐｍ以上含有したものは、電極先端にお
いても、結晶はほとんど粗大化していなかった。なお、
カリウムの含有量は、１００重量ｐｐｍ以上になると現
状の電極製造方法ではスエージング加工が困難になるの
で、実際上９０重量ｐｐｍ以下となる。
【００１５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の放電灯用
電極は、長時間点灯しても基体金属であるタングステン
が再結晶しにくく、エミッター物質の拡散し易い結晶粒
界が確保されて電極先端にスムーズに供給されるので、
アーク安定度のよい放電灯用電極とすることができる。
電極は、長時間点灯しても基体金属であるタングステン
が再結晶しにくく、エミッター物質の拡散し易い結晶粒
界が確保されて電極先端にスムーズに供給されるので、
アーク安定度のよい放電灯用電極とすることができる。
【図１】本発明の結晶組成断面図である。
【図２】従来の希土類電極を１０００時間点灯した後の
結晶組成断面図である。
結晶組成断面図である。
１ 電極本体 ２ タングステン結晶 ３ エミッター物質 ４ カリウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 明康 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (72)発明者 中西 晋 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (72)発明者 森本 幸裕 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (72)発明者 原 慶次 福岡県福岡市南区清水２丁目20番31号 日本タングステン株式会社内 (72)発明者 山本 弘 福岡県福岡市南区清水２丁目20番31号 日本タングステン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−89371（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−117536（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−50046（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−129741（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01J 61/073
Claims (1)
- 【請求項１】 エミッター物質として希土類酸化物を含
むタングステン基体金属に、該タングステン基体金属に
対して１０重量ｐｐｍ以上のカリウムが含まれているこ
とを特徴とする放電灯用電極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4121087A JP3009296B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 放電灯用電極 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4121087A JP3009296B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 放電灯用電極 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05290802A JPH05290802A (ja) | 1993-11-05 |
| JP3009296B2 true JP3009296B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=14802551
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4121087A Expired - Fee Related JP3009296B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 放電灯用電極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3009296B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103456597B (zh) * | 2012-05-31 | 2017-05-31 | 优志旺电机株式会社 | 短弧型放电灯 |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3216877B2 (ja) * | 1997-11-18 | 2001-10-09 | 松下電子工業株式会社 | 高圧放電ランプ、この高圧放電ランプを光源とした照明光学装置、およびこの照明光学装置を用いた画像表示装置 |
| JP2001266798A (ja) | 2000-03-15 | 2001-09-28 | Nec Corp | 高圧放電灯 |
| DE102007013990A1 (de) * | 2007-03-23 | 2008-09-25 | Osram Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Material für Elektroden oder Leuchtkörper und Elektrode bzw. Leuchtkörper |
| JP2009259790A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-11-05 | Harison Toshiba Lighting Corp | 高圧放電ランプ |
| JP6048909B2 (ja) * | 2012-09-05 | 2016-12-21 | ウシオ電機株式会社 | ショートアーク型放電ランプ |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP4121087A patent/JP3009296B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103456597B (zh) * | 2012-05-31 | 2017-05-31 | 优志旺电机株式会社 | 短弧型放电灯 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05290802A (ja) | 1993-11-05 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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