JP3008633U - 人工授精用ストロー管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存容器の蓋を開けて発生する煙（靄）の中
でもストロー管に施されている色彩の判別を確実に行う
ことができるストロー管を提供すること。 【構成】 受精卵、精液を収容するストロー管１全体を
蛍光塗料で着色する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は家畜の人工授精に使用される受精卵、精液を収容保存するストロー管 の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

家畜の人工授精に使用される受精卵、精液は綿栓、パウダー等が装着された樹 脂製のストロー管に収容され、そのストロー管は液体窒素中に入れて保存される 。受精卵の場合は個体１個がストロー管に収容され、精液の場合は 0.5ccの精液 がストロー管に収容される。 そして、そのストロー管に収容された受精卵、精液の個体識別を行うために着 色したストロー管が使用され、その色彩に因って個体識別を行うことが実施され ている。そのストロー管の着色はストロー管の中に収容される精液等の有無が外 から確認できるようにするために薄い色が多用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、受精卵や精液を収容したストロー管は上述したように液体窒素を入 れた保存容器に入れて保存され、使用時に保存容器の蓋を開けて目的のストロー 管を取り出して使用される。しかしながら、保存容器の蓋を開けた場合、液体窒 素が空気と触れて煙（靄）が立ち込め、容器の中に収容されているストロー管の 色彩の区別が出来ない状態となる。従って、保存容器から大体の見当を付けて液 体窒素中からストロー管を取り出し、容器外で該ストロー管の色彩を確認し、目 的の色彩のストロー管と違っていればそのストロー管を容器内に戻し、再度別の ストロー管を取り出して色彩を確認しているのが実情である。

【０００４】 一方、保存容器から取り出して大気中で色判別をする場合でも、ストロー管に 収容されている受精卵や精液を死滅させないようにするには数秒以内の短時間で 色判別をしなければならず、実際の作業としては非常に困難なことである。尚、 ストロー管の着色を色判別をしやすくするために濃い色彩の着色とすることも考 えられるが、その場合は該ストロー管内に受精卵や精液が収容されているかの確 認ができなくなり、空のストロー管との区別が出来なくなるといった不具合を有 する。

【０００５】 但し、ストロー管の施される着色が極端に薄い場合は、ストロー管の中に収容 される精液の色が勝ってストロー管に施された着色が殆ど現れず、その結果スト ロー管の色の区別が困難となる不具合を有する。 本考案は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、 その目的とするところは、保存容器の蓋を開けて発生する煙（靄）の中でもスト ロー管に施されている色彩の判別を確実に行うことができるストロー管を提供す ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成する為に本考案が講じた技術的手段は、受精卵や精液を収容 するストロー管全体を蛍光塗料で着色する。

【０００７】

【作用】

上記の手段によれば、受精卵や精液が収容されるストロー管が蛍光塗料で着色 されていることで、該ストロー管に光を当てるとその着色された色の蛍光が反射 し、色の判別が可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明すると、図１はストロー管の断面図 で、ストロー管１は合成樹脂材で今日周知の太さ、長さに形成され、そのストロ ー管１が蛍光塗料で着色されている。

【０００９】 ストロー管１の着色の手法としては、該ストロー管１の成形材料に蛍光塗料を 添加して成形されるストロー管自体を着色する方法、或いは透明な樹脂製のスト ロー管の外表面又は内外両面に蛍光塗料を塗布するなどの手法が挙げられる。 その蛍光塗料は、蛍光性の顔料を含み、紫外線を吸収して蛍光を発する塗料で 、ルモゲン，シャノン，グローなど種々の蛍光性顔料が用いられ、成分の違いに よって青，緑，赤橙など種々の蛍光を発する塗料がある。

【００１０】 又、上記ストロー管１の一側部には綿栓２、パウダー３、綿栓２′が収容配置 され、このストロー管１内に受精卵や精液を注入充填した後、他方の開口部をパ ウダー（図示省略）で閉栓して保存容器に収容される。

【００１１】 上記の如く構成したストロー管は、保存容器の液体窒素の中に収容されて保存 されるが、保存容器の蓋を開けて液体窒素から上部が突出するストロー管１に懐 中電灯などで光を当てると蛍光が発せられ、ストロー管１に着色された色の区別 が可能となる。それに因って、液体窒素にストロー管が漬かったままで個体識別 の色の判別ができ、大気中に取り出す事なく保存容器に立ち込める煙（靄）の中 でも簡単にして確実に色の判別を行う事ができる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の人工授精用ストロー管はストロー管全体を蛍光塗料で着色したことに より、ストロー管に光を当てると蛍光を発する。従って、液体窒素を入れた保存 容器中にストロー管が収容保存され、蓋を開けたときに煙（靄）が立ち込めても 、その煙に懐中電灯などの光を当てると該ストロー管に施された蛍光が発せられ 、煙の中でもストロー管に着色された色の区別が可能となる。 因って、保存容器から大気中に取り出さなくとも保存容器の液体窒素に漬かっ たままで個体識別のストロー管の色判別が確実にでき非常に便利である。しかも 、保存容器から取り出さずにできるため、ストロー管に収容された受精卵、精液 を死滅させる危険も解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るストロー管の実施例を示す断面図
である。

【符号の説明】

１…ストロー管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 受精卵、精液を収容するストロー管全体
   を蛍光塗料で着色したことを特徴とする人工授精用スト
   ロー管。