JP3008542B2 - 波長選別受光素子およびその作製方法 - Google Patents
波長選別受光素子およびその作製方法Info
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- JP3008542B2 JP3008542B2 JP3113129A JP11312991A JP3008542B2 JP 3008542 B2 JP3008542 B2 JP 3008542B2 JP 3113129 A JP3113129 A JP 3113129A JP 11312991 A JP11312991 A JP 11312991A JP 3008542 B2 JP3008542 B2 JP 3008542B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、受光素子およびその作
製方法に関するものである。
製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来用いられてきた半導体受光
素子の一例を示したものであり、pn接合を用いたフォ
トダイオードの構造概略図である。pn接合に逆バイア
スを印加すると、接合部には空乏層ができ、高い電界が
空乏層に印加される。この状態で光照射があると、発生
した電子、正孔のおのおのは空乏層の高い電界でn層、
p層へと加速され、光電流を外部に取り出すことができ
る。
素子の一例を示したものであり、pn接合を用いたフォ
トダイオードの構造概略図である。pn接合に逆バイア
スを印加すると、接合部には空乏層ができ、高い電界が
空乏層に印加される。この状態で光照射があると、発生
した電子、正孔のおのおのは空乏層の高い電界でn層、
p層へと加速され、光電流を外部に取り出すことができ
る。
【0003】上述の原理に基づく受光素子を波長分割多
重光通信に利用した受光システムとして、「チューナブ
ル光ヘテロダイン受信機」があり、その内容が、以下に
示す学会要綱“Abstract of Fourteenth Europian Conf
erence on Optical Communicati-on,p.86 (1988)”に記
載されている。このチュ−ナブル光ヘテロダイン受信機
では、光学システムにより特定の波長成分の信号のみを
分離した後に、通常の受光素子により光検出を行うもの
である。
重光通信に利用した受光システムとして、「チューナブ
ル光ヘテロダイン受信機」があり、その内容が、以下に
示す学会要綱“Abstract of Fourteenth Europian Conf
erence on Optical Communicati-on,p.86 (1988)”に記
載されている。このチュ−ナブル光ヘテロダイン受信機
では、光学システムにより特定の波長成分の信号のみを
分離した後に、通常の受光素子により光検出を行うもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の受
光システムでは、光検出の際に波長成分ごとの光の分離
が必要となるため、システムが複雑化し、大きなスペー
スを必要とする。また、単一のシステムで同時に受信で
きるのは1つの波長成分の光信号のみであり、複数の波
長成分の光信号を同時に受信しようとすると、波長成分
ごとに上記のシステムを用意しなければならないという
問題が生じる。
光システムでは、光検出の際に波長成分ごとの光の分離
が必要となるため、システムが複雑化し、大きなスペー
スを必要とする。また、単一のシステムで同時に受信で
きるのは1つの波長成分の光信号のみであり、複数の波
長成分の光信号を同時に受信しようとすると、波長成分
ごとに上記のシステムを用意しなければならないという
問題が生じる。
【0005】そこで本発明では、上記の問題点を解決し
た受光素子とその作製方法を提供する。
た受光素子とその作製方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る波長選別受
光素子は、単一の基板と、基板上に形成され、その基板
の面方向に沿って結晶の組成が連続して変化することに
より、バンドギャップが連続的に変化する化合物半導体
結晶の受光層と、受光層の表面に、化合物半導体結晶の
組成の変化に対応してそれぞれ設けられた光信号取出し
電極とを備えることを特徴とする。なお、前述の受光層
は、GaX In(1-X) PY As(1-Y) 、あるいは(Al
X Ga(1-X) )Y In(1-Y) Asで構成される。
光素子は、単一の基板と、基板上に形成され、その基板
の面方向に沿って結晶の組成が連続して変化することに
より、バンドギャップが連続的に変化する化合物半導体
結晶の受光層と、受光層の表面に、化合物半導体結晶の
組成の変化に対応してそれぞれ設けられた光信号取出し
電極とを備えることを特徴とする。なお、前述の受光層
は、GaX In(1-X) PY As(1-Y) 、あるいは(Al
X Ga(1-X) )Y In(1-Y) Asで構成される。
【0007】また、上述の波長選別受光素子は、単一の
基板上の矩形の所定領域を挟むように、幅が連続的に変
化するマスク材で対称的に覆う工程と、露出している所
定領域に、気相成長法を用いて化合物半導体結晶を成長
させて受光層とする工程と、受光層の表面に、所定領域
の長手方向に沿って複数の光信号取出し電極を複数形成
する工程により作製される。
基板上の矩形の所定領域を挟むように、幅が連続的に変
化するマスク材で対称的に覆う工程と、露出している所
定領域に、気相成長法を用いて化合物半導体結晶を成長
させて受光層とする工程と、受光層の表面に、所定領域
の長手方向に沿って複数の光信号取出し電極を複数形成
する工程により作製される。
【0008】
【作用】本発明によれば、基板の面方向に沿ってバンド
ギャップが連続的に変化する受光層の表面には複数の光
信号取出し電極が形成されている。このためバンドギャ
ップの大きい受光面から光を入射することによって、異
なるバンドギャップごとに各波長成分の光が吸収され、
それぞれの光信号取出し電極から対応する波長成分の電
気信号が検出される。なお、受光層にGaX In(1-X)
PY As(1-Y) 、あるいは(AlX Ga(1-X) )Y In
(1-Y) Asを用いることによって、光通信に通常用いら
れる光の波長成分を検出することが可能になる。
ギャップが連続的に変化する受光層の表面には複数の光
信号取出し電極が形成されている。このためバンドギャ
ップの大きい受光面から光を入射することによって、異
なるバンドギャップごとに各波長成分の光が吸収され、
それぞれの光信号取出し電極から対応する波長成分の電
気信号が検出される。なお、受光層にGaX In(1-X)
PY As(1-Y) 、あるいは(AlX Ga(1-X) )Y In
(1-Y) Asを用いることによって、光通信に通常用いら
れる光の波長成分を検出することが可能になる。
【0009】また、上記の波長選別受光素子は、半導体
基板上に形成された連続的に変化する幅を有するマスク
を介し、気相成長方法を用いて化合物半導体結晶層を成
長させることにより形成される。したがって、同一半導
体からなる基板上に、その面方向に沿って組成の異なる
化合物半導体結晶層を連続的に容易に形成することがで
きる。
基板上に形成された連続的に変化する幅を有するマスク
を介し、気相成長方法を用いて化合物半導体結晶層を成
長させることにより形成される。したがって、同一半導
体からなる基板上に、その面方向に沿って組成の異なる
化合物半導体結晶層を連続的に容易に形成することがで
きる。
【0010】
【実施例】半導体結晶が検出できる光の波長は、その半
導体結晶のバンドギャップエネルギーの大きさで決定さ
れる。バンドギャップエネルギーより高いエネルギーを
持つ波長の光が入射したときには、価電子帯の電子が光
のエネルギーを吸収して伝導帯に励起し、電子・正孔ペ
アが形成されて光信号が電気信号に変換されることにな
る。一方、バンドギャップエネルギーより小さなエネル
ギーを持つ波長の光が入射したときには、電子を伝導帯
まで励起することができないため、光はそのまま透過す
る。
導体結晶のバンドギャップエネルギーの大きさで決定さ
れる。バンドギャップエネルギーより高いエネルギーを
持つ波長の光が入射したときには、価電子帯の電子が光
のエネルギーを吸収して伝導帯に励起し、電子・正孔ペ
アが形成されて光信号が電気信号に変換されることにな
る。一方、バンドギャップエネルギーより小さなエネル
ギーを持つ波長の光が入射したときには、電子を伝導帯
まで励起することができないため、光はそのまま透過す
る。
【0011】上述の半導体結晶のバンドギャップは、結
晶を構成する元素の組成により変化する。光通信によく
用いられる波長1.3〜1.5μmの光の検出には、G
aX In(1-X) PY As(1-Y) 結晶が用いられる。この
結晶は、y=1−2.1xのときにInPに格子整合
し、y=0で最小のバンドギャップエネルギー0.74
eV、y=1で最大のバンドギャップエネルギーが1.
35eVになる。このエネルギーは波長に換算して、
1.7μmから0.9μmの波長範囲に相当する。ま
た、(AlX Ga(1-X) )Y In(1-Y) As結晶を用い
た場合、y=0.47でInPに格子整合し、xを変化
させることにより0.74eVから1.5eVまでバン
ドギャプを変化させることができる。このように、結晶
の組成を変えることによって、受光素子の検出する波長
範囲を変化させることができる。また、選別する波長の
範囲が狭い場合には、必ずしも前述の格子整合条件を満
たす必要はなく、ある程度格子が歪んだ結晶を用いるこ
ともできる。
晶を構成する元素の組成により変化する。光通信によく
用いられる波長1.3〜1.5μmの光の検出には、G
aX In(1-X) PY As(1-Y) 結晶が用いられる。この
結晶は、y=1−2.1xのときにInPに格子整合
し、y=0で最小のバンドギャップエネルギー0.74
eV、y=1で最大のバンドギャップエネルギーが1.
35eVになる。このエネルギーは波長に換算して、
1.7μmから0.9μmの波長範囲に相当する。ま
た、(AlX Ga(1-X) )Y In(1-Y) As結晶を用い
た場合、y=0.47でInPに格子整合し、xを変化
させることにより0.74eVから1.5eVまでバン
ドギャプを変化させることができる。このように、結晶
の組成を変えることによって、受光素子の検出する波長
範囲を変化させることができる。また、選別する波長の
範囲が狭い場合には、必ずしも前述の格子整合条件を満
たす必要はなく、ある程度格子が歪んだ結晶を用いるこ
ともできる。
【0012】さて、単一の半導体基板上に、受光感度の
波長依存性が異なる受光層を隣接して作製するために
は、同一基板上に組成の異なる結晶領域を隣接させて形
成する技術が必要になる。この目的のためには、基板上
に予めマスクを形成し、マスクされていない部分だけに
結晶を成長させる選択成長の技術を用いる必要がある。
有機金属気相成長方法を用いた選択成長では、半導体基
板表面のマスクで覆われている領域の比率(マスク率)
によって、成長する結晶の組成が変化する。有機金属気
相成長法では、Al、Ga、Inなどの原料として、そ
れらの有機化合物である有機金属が用いられる。選択成
長では、供給されたこれらの原料がマスク上からマスク
されていない領域に拡散するが、この拡散の速度が原料
ごとに異なるため、マスクされている領域が広いほど、
成長する結晶の組成は、拡散速度の早い原料の組成が高
いものとなる。
波長依存性が異なる受光層を隣接して作製するために
は、同一基板上に組成の異なる結晶領域を隣接させて形
成する技術が必要になる。この目的のためには、基板上
に予めマスクを形成し、マスクされていない部分だけに
結晶を成長させる選択成長の技術を用いる必要がある。
有機金属気相成長方法を用いた選択成長では、半導体基
板表面のマスクで覆われている領域の比率(マスク率)
によって、成長する結晶の組成が変化する。有機金属気
相成長法では、Al、Ga、Inなどの原料として、そ
れらの有機化合物である有機金属が用いられる。選択成
長では、供給されたこれらの原料がマスク上からマスク
されていない領域に拡散するが、この拡散の速度が原料
ごとに異なるため、マスクされている領域が広いほど、
成長する結晶の組成は、拡散速度の早い原料の組成が高
いものとなる。
【0013】ここで、上述の原理に基づいた本発明の実
施例に係る波長選別受光素子の作製方法について説明す
る。まず、図1に示されるように、InPの半導体基板
1上に、窒化シリコンを用いてマスクパターン7を形成
した。このマスクパターン7は、半導体基板1上の受光
層形成領域9を露出させ、その受光層形成領域9を挟む
ように、かつ幅を連続的に変化させて形成したものであ
る。そのマスクパターン7の厚さは100nmである。
この半導体基板1を、図2に示す気相成長用の反応炉8
内に設置し、650℃に加熱して気相成長を行った。こ
のときIII 族原料としてトリエチルガリウム(TE
G)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族原
料としてアルシン(AsH3 )、フォスフィン(P
H3 )を用いた。これらの原料を反応炉8内に導入し、
半導体基板1上での熱分解によってGaX In(1-X) P
Y As(1-Y) 結晶の成長を行った。このとき反応炉8の
圧力は10Torrに保った。まず、半導体基板1の表
面から0.5μmの厚さにGaX In(1-X) PY As
(1-Y) 結晶成長するまでは、原料ガスと共にシランガス
(SiH4 )を流し、n型にドーピングした。次に、中
間層となる1.5μmの厚さの層ではドーピングを行わ
ずに成長を行った。さらに、上層となる0.5μmの厚
さの層ではジエチル亜鉛を用いてp型のドーピングを行
った。以上の工程を経ることにより、図3に示す化合物
半導体層10が、受光層形成領域に形成される。実際の
結晶の厚さは前述したように選択成長の効果により広い
マスクで挟まれた部分では厚くなっているが、このこと
は本発明に何ら影響を及ぼさない。
施例に係る波長選別受光素子の作製方法について説明す
る。まず、図1に示されるように、InPの半導体基板
1上に、窒化シリコンを用いてマスクパターン7を形成
した。このマスクパターン7は、半導体基板1上の受光
層形成領域9を露出させ、その受光層形成領域9を挟む
ように、かつ幅を連続的に変化させて形成したものであ
る。そのマスクパターン7の厚さは100nmである。
この半導体基板1を、図2に示す気相成長用の反応炉8
内に設置し、650℃に加熱して気相成長を行った。こ
のときIII 族原料としてトリエチルガリウム(TE
G)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族原
料としてアルシン(AsH3 )、フォスフィン(P
H3 )を用いた。これらの原料を反応炉8内に導入し、
半導体基板1上での熱分解によってGaX In(1-X) P
Y As(1-Y) 結晶の成長を行った。このとき反応炉8の
圧力は10Torrに保った。まず、半導体基板1の表
面から0.5μmの厚さにGaX In(1-X) PY As
(1-Y) 結晶成長するまでは、原料ガスと共にシランガス
(SiH4 )を流し、n型にドーピングした。次に、中
間層となる1.5μmの厚さの層ではドーピングを行わ
ずに成長を行った。さらに、上層となる0.5μmの厚
さの層ではジエチル亜鉛を用いてp型のドーピングを行
った。以上の工程を経ることにより、図3に示す化合物
半導体層10が、受光層形成領域に形成される。実際の
結晶の厚さは前述したように選択成長の効果により広い
マスクで挟まれた部分では厚くなっているが、このこと
は本発明に何ら影響を及ぼさない。
【0014】次に、上述の結晶層を成長させた基板をエ
ッチングし、図3に破線で示す領域内を受光素子に用い
る。この後、図4に示すようにn型オーミック電極とし
てAu−Geを用いて電極を形成した。p型オーミック
電極にはAu−Znを用い、図示されるように3対の電
極を形成しそれぞれpinフォトダイオード81、8
2、83を形成した。以上の方法を用いることによっ
て、目的とする波長選別受光素子を作製することができ
た。
ッチングし、図3に破線で示す領域内を受光素子に用い
る。この後、図4に示すようにn型オーミック電極とし
てAu−Geを用いて電極を形成した。p型オーミック
電極にはAu−Znを用い、図示されるように3対の電
極を形成しそれぞれpinフォトダイオード81、8
2、83を形成した。以上の方法を用いることによっ
て、目的とする波長選別受光素子を作製することができ
た。
【0015】ここで、作製された上記の受光素子の構造
について、その素子を実際に用いた場合の作用も合わせ
て説明する。既に述べたように、InPの半導体基板1
上にはn−GaInPAs層2、アンドープGaInP
As層3、p−GaInPAs層4が順次積層され、そ
れらは全体としてメサ型に形成されている。n−GaI
nPAs層2の露出部分には、Au−Geからなるn型
オーミック電極51、52、53が形成されそれらと対
になるようにp−GaInPAs層4の上面にAu−Z
nからなるp型オーミック電極61、62、63が形成
されている。この構造は、pinフォトダイオード8
1、82、83が並んで形成されているものに等しい。
この素子に、1.53μm、1.54μm、1.55μ
mの3つの波長成分を持つ光信号を図に示す方向、即ち
受光層である化合物半導体結晶層のバンドギャップが大
きい側から入射させる。この受光素子に入射した光信号
の内1.53μmの波長を持つ光信号は、フォトダイオ
ード81の領域で吸収されて電極51、61間より電気
信号を検出することができる。さらに1.54μm、
1.55μmの波長の光はフォトダイオード81の領域
を透過してフォトダイオード82の領域に達する。同じ
ようにして電極52、62間からは1.54μmの波長
の光の電気信号を、電極53、63間からは、波長1.
55μmの光の電気信号を取り出すことができた。即
ち、各pinフォトダイオードの受光感度に対応した波
長成分の光信号がそれぞれのフォトダイオード領域で吸
収され、電極により電気信号を検出したわけである。従
って、上記のような簡単な構造の受光素子で複数の波長
成分の光を容易に検出することができる。
について、その素子を実際に用いた場合の作用も合わせ
て説明する。既に述べたように、InPの半導体基板1
上にはn−GaInPAs層2、アンドープGaInP
As層3、p−GaInPAs層4が順次積層され、そ
れらは全体としてメサ型に形成されている。n−GaI
nPAs層2の露出部分には、Au−Geからなるn型
オーミック電極51、52、53が形成されそれらと対
になるようにp−GaInPAs層4の上面にAu−Z
nからなるp型オーミック電極61、62、63が形成
されている。この構造は、pinフォトダイオード8
1、82、83が並んで形成されているものに等しい。
この素子に、1.53μm、1.54μm、1.55μ
mの3つの波長成分を持つ光信号を図に示す方向、即ち
受光層である化合物半導体結晶層のバンドギャップが大
きい側から入射させる。この受光素子に入射した光信号
の内1.53μmの波長を持つ光信号は、フォトダイオ
ード81の領域で吸収されて電極51、61間より電気
信号を検出することができる。さらに1.54μm、
1.55μmの波長の光はフォトダイオード81の領域
を透過してフォトダイオード82の領域に達する。同じ
ようにして電極52、62間からは1.54μmの波長
の光の電気信号を、電極53、63間からは、波長1.
55μmの光の電気信号を取り出すことができた。即
ち、各pinフォトダイオードの受光感度に対応した波
長成分の光信号がそれぞれのフォトダイオード領域で吸
収され、電極により電気信号を検出したわけである。従
って、上記のような簡単な構造の受光素子で複数の波長
成分の光を容易に検出することができる。
【0016】次に、上記の波長選別受光素子について、
成長した結晶のバンドギャップを評価するために図4に
示す一点鎖線に沿って、フォトルミネッセンスの評価を
行った。結晶からはそのバンドギャップエネルギーに相
当する波長の発光が観察された。図5は、観察された発
光の波長を、評価した場所の関数として示したものであ
る。同図において評価位置0μmは幅の狭いマスクに挟
まれた受光層の領域を示し、評価位置300μmは幅の
広いマスクに挟まれた受光層の領域を示す。このよう
に、受光層である化合物半導体の成長領域を挟んでい
る、マスクの幅の広い領域では、発光波長が長くなり、
マスクの幅が狭い領域では発光波長が短くなっている。
成長した結晶は、GaX In(1-X) PY As(1-Y) であ
るが、選択成長においてyの値が変化することはないの
で、xの値のみが場所により変化していると考えられ
る。このため、先に述べた格子整合条件は満たしてい
ず、格子が歪んでいると考えられるが、全領域におい
て、フォトルミネッセンス発光が見られていることか
ら、受光素子の作製に必要十分な結晶品質が得られてい
ることが分かる。このように選択成長の技術を用いるこ
とによって、同一基板上に、組成が連続的に変化する半
導体結晶層を容易に作製することができた。
成長した結晶のバンドギャップを評価するために図4に
示す一点鎖線に沿って、フォトルミネッセンスの評価を
行った。結晶からはそのバンドギャップエネルギーに相
当する波長の発光が観察された。図5は、観察された発
光の波長を、評価した場所の関数として示したものであ
る。同図において評価位置0μmは幅の狭いマスクに挟
まれた受光層の領域を示し、評価位置300μmは幅の
広いマスクに挟まれた受光層の領域を示す。このよう
に、受光層である化合物半導体の成長領域を挟んでい
る、マスクの幅の広い領域では、発光波長が長くなり、
マスクの幅が狭い領域では発光波長が短くなっている。
成長した結晶は、GaX In(1-X) PY As(1-Y) であ
るが、選択成長においてyの値が変化することはないの
で、xの値のみが場所により変化していると考えられ
る。このため、先に述べた格子整合条件は満たしてい
ず、格子が歪んでいると考えられるが、全領域におい
て、フォトルミネッセンス発光が見られていることか
ら、受光素子の作製に必要十分な結晶品質が得られてい
ることが分かる。このように選択成長の技術を用いるこ
とによって、同一基板上に、組成が連続的に変化する半
導体結晶層を容易に作製することができた。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、波長選別の機能を持っ
た受光素子を同一半導体基板上に作製することによっ
て、非常に簡単に光波長分割多重化光通信の受信システ
ムを構成することができると共に、通常の光通信に用い
られている光信号の波長成分を容易に検出することがで
きる。
た受光素子を同一半導体基板上に作製することによっ
て、非常に簡単に光波長分割多重化光通信の受信システ
ムを構成することができると共に、通常の光通信に用い
られている光信号の波長成分を容易に検出することがで
きる。
【0018】また、選択成長技術を利用することで、特
に複雑なプロセスを行うことなく、容易に波長選別受光
素子を作製することができる。
に複雑なプロセスを行うことなく、容易に波長選別受光
素子を作製することができる。
【図1】本発明の実施例に用いる半導体基板上のマスク
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る波長選別受光素子の作製
に用いる気相成長装置の構造を示す図である。
に用いる気相成長装置の構造を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る半導体基板上の結晶成長
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る波長選別受光素子の構造
を示す図である。
を示す図である。
【図5】フォトルミネッセンス発光波長の分布を示す図
である。
である。
【図6】従来の受光素子の基本構造を示す図である。
1…InP半導体基板 2…n−GaInPAs層 3…アンドープGaInPAs層 4…p−GaInPAs層 51、52、53…n型オーミック電極 61、62、63…p型オーミック電極 7…窒化シリコン膜 81、82、83…pinフォトトランジスタ構造部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/10 - 31/119
Claims (3)
- 【請求項1】 単一の基板と、前記基板上に形成され、
その基板の面方向に沿って結晶の組成が連続して変化す
ることにより、バンドギャップが連続的に変化する化合
物半導体結晶の受光層と、前記受光層の表面に、前記化
合物半導体結晶の組成の変化に対応してそれぞれ設けら
れた光信号取出し電極とを備えることを特徴とする波長
選別受光素子。 - 【請求項2】 前記受光層は、GaX In(1-X) PY A
s(1-Y) 、あるいは(AlX Ga(1-X) )Y In(1-Y)
Asで構成されていることを特徴とする請求項1記載の
波長選別受光素子。 - 【請求項3】 単一の基板上の矩形の所定領域を挟むよ
うに、幅が連続的に変化するマスク材で対称的に覆う工
程と、露出している前記所定領域に、気相成長法を用い
て化合物半導体結晶を成長させて受光層とする工程と、
前記受光層の表面に、前記所定領域の長手方向に沿って
複数の光信号取出し電極を複数形成する工程とを備える
ことを特徴とする波長選別受光素子の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3113129A JP3008542B2 (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 波長選別受光素子およびその作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3113129A JP3008542B2 (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 波長選別受光素子およびその作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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