JP3008438B2 - ２値画像符号化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、画素の値が０と１からなる２値画像のデー
タ圧縮と連結領域のラベリング処理とを同時に行う２値
画像符号化装置に関するものである。

〔従来の技術〕

画素値が１と０の２値からなる２値画像に対して、画
素値１の連続成分単位に原画像を復元できるように構成
された従来の２値画像輪郭線符号化装置は、各境界画素
系列を識別するために、境界画素系列の数以上の多値画
像上において処理を行っている。

値１の連結領域の境界画素追跡を行うときは、まず、
画素値をラスタスキャンの順に検索し、最初の値１の境
界画素を追跡開始画素とする。次に隣接画素の値を調べ
ることによって、連続する境界画素を検出する。検出の
済んだ境界画素にはラベルを付与する。この操作を再び
追跡開始画素に戻るまで繰り返し行う。

以上の境界画素追跡処理終了後、再びラスタスキャン
によって未追跡の境界画素を検索し、新たなラベルを付
与しながら追跡処理を実行する。追跡処理は未追跡の境
界画素が無くなるまで繰り返し実行する。以上の処理の
結果として得られた画像において、境界画素に付与され
ているラベルを隣接する値１の画素に次々に伝播させて
ゆくことにより、連結成分毎に異なるラベルの付いた多
値画像を得ることができる。つまり、画素値１の連結成
分単位に原画像を復元することができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、扱う画像のサイズが拡大した時には連
続成分の総数が極めて増大するため、従来技術では、画
素に付与するラベルを保存するための多値画像メモリ容
量が極めて大きくなる。

本発明の目的は、連続成分の総数に関係なく画素あた
り２ビットの多値画像を用意するだけで、従来技術と同
等の輪郭線符号化が可能な輪郭線符号化装置を提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の２値画像符号化装置は、 画素値が１と０の２値からなる２値画像に対して、画
素値１の連続成分単位に原画像を復元できるように構成
した２値画像の輪郭線符号化装置において、 ２値の２次元画像を得る２値画像入力手段と、 ２値画像入力手段で得られた画像から、黒画素連結領
域の境界黒画素系列を、これが黒画素連結領域の外側を
なす外側境界画素系列かまたは黒画素連結領域中の穴と
接する内側境界画素系列かを示す情報とともに検出する
境界黒画素追跡手段と、 外側境界黒画素系列と接する白画素連結領域の境界画
素系列を検出する境界白画素追跡手段と、 内側境界黒画素系列と外側境界黒画素系列の包囲関係
を検出する包囲関係検出手段と、 包囲関係検出手段の出力から、黒画素連結領域を再現
するためのラベル情報を各境界黒画素系列データに与え
るラベリング手段とを備えることを特徴とする。

〔作用〕

例えば８連結接続で連結される黒画素連結領域におい
て、外側境界画素と内側境界画素を追跡し、データをチ
ェインコード化する。このとき追跡済み画素にラベルを
与える。

次に、例えば４連結接続で連結される白画素連結領域
において、黒画素連結領域の外側境界画素と接する境界
画素を追跡し、データをチェインコード化する。このと
き追跡済み画素に別のラベルを与える。

次に、画像を０の値でクリヤしてから、１つの閉じた
外側境界黒画素系列とこれに接する境界白画素系列とを
別々の画素値で画像に書き込む。この画像中でチェイン
コード化されている全ての内側境界画素系列の追跡開始
画素が、書き込まれた外側境界黒画素系列に包囲される
かどうかを調べて対応表を作る。全ての内側境界画素系
列の検査が終了した後、画像を値０でクリヤして別の外
側境界黒画素系列についても同様な検査を実行する。対
応表からそれぞれの境界黒画素系列の属する黒画素連結
成分のラベルを決定できる。つまり、最初に検出された
外側境界画素系列に含まれる全ての内側境界画素列の中
で他の外側画素系列に含まれないものが該外側画素系列
と同一連結成分に属する。検出された順に外側画素系列
を次々に取り出して同様なチェックをおこなうことによ
り、全ての内側境界画素系列がどの外側境界画素系列と
同一の連結成分に属するかがわかる。このように同一連
結成分に属する外側境界画素列と内側境界画素列が検出
された境界画素列のデータからは、画素列１の連結成分
単位に原画像を復元できる。

以上の操作で同時に画像に書き込むレベルの種類は、
原画像の画素値０と１も含めて最大４種類である。よっ
て、多値画像メモリの１画素は連結領域の数によらず２
ビットに抑えることができる。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面を用いて説明する。

第１図は、本発明の一実施例である２値画像符号化装
置の構成を示す。この２値画像符号化装置は、２値画像
入力手段1,境界黒画素追跡手段2,境界白画素追跡手段3,
包囲関係検出手段4,ラベリング手段５より成る。

２値画像入力手段１は、画像情報を入力とし、０と１
の値を持つ画素からなる２値画像を生成する。

境界黒画素追跡手段２は、２値画像入力手段１から得
た画像において、８連結接続の黒画素領域の境界画素追
跡処理を施し、追跡開始画素の座標値とチェインコー
ド、また、境界画素系列が領域の外側をなすか内側をな
すかを示す情報からなるデータに変換する。このとき、
追跡済み画素と未追跡画素を識別するため、追跡済み画
素の画素値を３に書き換える。

境界白画素追跡手段３は、４連結接続の白画素領域の
境界画素の内、前記黒画素連結領域の外側境界画素と隣
接する境界画素の系列を検出し、チェインコードに変換
する。この時、追跡済み画素を識別するため、追跡済み
画素の画素値を２に書き換える。

包囲関係検出手段４は、まず、画像データを全て値０
に書き換える。次に、外側境界画素系列を画素値１で、
また、これに隣接する境界白画素系列を画素値２で画像
中に書き込む。内側境界画素系列の追跡開始座標から、
任意の直線方向へ画像中の画素値を調べてゆくことによ
り、その内側境界画素系列が画像に書き込まれた外側境
界画素系列に包囲されているかどうかを判別できる。つ
まり、画素値が画像の端まで０を取り続ければ、その内
側境界画素系列は包囲されていない。また、画素値２を
検出してから画素値１を検出した時も同様である。しか
し、画素値１を検出してから画素値２を検出したとき、
その内側画素系列は包囲されている（第２図参照）。

以上の操作を全ての外側境界画素系列について行うこ
とにより、包囲関係を検出する。

ラベリング手段５は、包囲関係検出手段４で得られた
包囲関係情報を基に、先に検出した外側境界画素系列か
ら、外側境界系列が包囲する内側境界系列群と、他の外
側境界系列の包囲する内側境界系列群の差分を検出する
ことにより、同じ黒画素連結領域を構成する境界画素系
列を検出できる。よって、これらに、黒画素連結領域の
ラベル情報を付与したデータを格納する。

以上により、任意の黒画素連結領域を再現できる輪郭
線符号化データを作成する２値画像符号化装置を実現で
きる。

〔発明の効果〕

以上詳細に述べた通り本発明によれば、従来の２値画
像の輪郭線符号化装置の欠点を改善した符号化を行うこ
とができ、画像メモリの削減効果をもつ輪郭線符号化装
置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を示す図、 第２図は境界画素系列の包囲関係を説明する図である。 １……２値画像入力手段 ２……境界黒画素追跡手段 ３……境界白画素追跡手段 ４……包囲関係検出手段 ５……ラベリング手段

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画素値が１と０の２値からなる２値画像に
   対して、画素値１の連続成分単位に原画像を復元できる
   ように構成した２値画像の輪郭線符号化装置において、 ２値の２次元画像を得る２値画像入力手段と、 ２値画像入力手段で得られた画像から、黒画素連結領域
   の境界黒画素系列を、これが黒画素連結領域の外側をな
   す外側境界画素系列かまたは黒画素連結領域中の穴と接
   する内側境界画素系列かを示す情報とともに検出する境
   界黒画素追跡手段と、 外側境界黒画素系列と接する白画素連結領域の境界画素
   系列を検出する境界白画素追跡手段と、 内側境界黒画素系列と外側境界黒画素系列の包囲関係を
   検出する包囲関係検出手段と、 包囲関係検出手段の出力から、黒画素連結領域を再現す
   るためのラベル情報を各境界黒画素系列データに与える
   ラベリング手段とを備えることを特徴とする２値画像の
   輪郭線符号化装置。