JP3007972U - 遠赤外線放射健康器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 末梢毛細血管を刺激し、血行促進に寄与する
遠赤外線放射健康器具を提供する。 【構成】 小突起状乃至大突起状等適宜形状の遠赤外線
放射セラミック体２を焼成する。当該遠赤外線放射セラ
ミック体２の複数個を、柔軟性を有するベースシート１
の表面に適当間隔を存して配列固定した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は末梢毛細血管を刺激し、血行促進に寄与する遠赤外線放射健康器具に 関するものである。

【０００２】

【考案の目的】

遠赤外線とは電磁波のなかで３〜１０００μｍの波長範囲にあるもので、可視 光線とマイクロ波・電磁波の中間に位置し、０．８〜１０００μｍの波長域を持 つ赤外線のなかで長波長寄りのものを意味する。遠赤外線の生体への影響につい てはこれまで余り解明されていないが、少なくとも皮膚の内部に滲透して末梢毛 細血管を刺激し、血行を促進する効果があることは知られている。

【０００３】 この遠赤外線を常温においても効率よく放射する物質についてはこれまでに幾 多の研究・開発がなされ、金属よりセラミックス材質の方がより多くの遠赤外線 を放射することが知られるようになってきている。 しかしながら、一概にセラミックスといっても材質的には各種あり、黒体（放 射能力が１００％であるとする仮定上の理想的物質）に近い放射率を示すセラミ ックス製の遠赤外線放射体については未だ開発途上にあるのが実際である。

【０００４】 本考案者による実験の結果、ペタライトと白陶土を主成分として高温にて焼成 処理して得た遠赤外線放射体が常温でも黒体に比較的近い放射率の遠赤外線を放 射することを見出した。また、これ以外のセラミック組成、たとえばジルコニア と粘土の組合せ、あるいはチタニア、アルミナ等のセラミック材についても赤外 線放射スペクトルを測定した結果、近赤外域は放射率が低いが、波長４μｍ付近 より遠赤外側にかけて放射率が高くなる特性を有することを見出した。

【０００５】 一方、上記した組成よりなる遠赤外線放射セラミック体の効用を最大限引出し 得るようになした健康器具についてはこれまで余り開発されてこなかった。 本考案者は取扱いが容易で上記した遠赤外線放射セラミック体の効用を最大限 引出し得る遠赤外線放射健康器具を得るべく鋭意研究した結果、遠赤外線放射セ ラミック体を小突起状乃至大突起状あるいは偏平な小型タイル状等適宜の形状に 形成し、これを柔軟性を有する合成皮革のようなベースシートの表面に配列固定 させれば、これを座布団あるいは枕、座席シート等に簡単に応用することができ 、健康増進に資する健康器具となることを見出し本考案をなすに到ったものであ る。

【０００６】 したがって、本考案は黒体に比較的近い遠赤外線放射率を示す遠赤外線放射セ ラミック体の複数個を合成皮革のような柔軟性をもったベースシートの表面に配 列固定して、これを座布団あるいは枕等として応用し得るようになした遠赤外線 放射健康器具を提供することを目的とするものである。

【考案の構成】

【０００７】 前記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、小突起状乃至大突起状 あるいは偏平な小型タイル状等適宜の形状となした遠赤外線放射セラミック体の 複数個を、柔軟性を有する合成皮革のようなベースシートの表面に適当間隔を存 して配列固定してなることを特徴とする遠赤外線放射健康器具である。

【０００８】 遠赤外線放射セラミック体の組成としてペタライトと白陶土を用いる場合は、 本考案者による実験の結果では、ペタライト７０〜９０重量％に対し、白陶土３ ０〜１０重量％を配合することが必要であり、成形にあたっては両者を混練する ために適量の水を添加すると共に、成形時の潤滑性を向上させるため場合によっ てはさらに適量の水溶性セルロースエーテルを加え、良く混合してから適宜の成 形機にて小突起状乃至大突起状等所望の形状に成形する。

【０００９】 次いで、当該成形物を自然乾燥あるいは温風吹き付けによる強制乾燥の後、焼 成窯に入れて１２８０℃程度の高温になるまで徐々に昇温焼成処理する。 １２８０℃程度の焼成温度を１〜２時間維持した後、焼成窯の火を落とし、一昼 夜自然に放置し常温近くまで下がってから窯出しとなる。 なお、焼成窯による焼成の際に、成形品の表面に釉薬を塗布してもよいのは勿 論であり、本考案の技術的範囲は釉薬の有無により影響されるものではない。

【００１０】 かくして得られた小突起状乃至大突起状あるいは偏平な小型タイル状等となし た遠赤外線放射セラミック体の複数個を、柔軟性に富んだ合成皮革のようなベー スシートの表面に適宜接着剤を用いて配列固定し本考案に係る健康器具を得る。 このような健康器具の用例としては、ベースシートを座布団と同じ程度の大き さに形成し、比較的小さいイボ状となした遠赤外線放射セラミック体の複数個を 配列固定させ、その上に直接座るか、あるいは適当な薄手のシートを敷いてその 上に座るようにする。また、たとえば車の運転席に本考案遠赤外線放射セラミッ ク体の複数個を配列させたシートを直接敷いてその上に腰掛けるようにする。さ らに、これを枕の表面に付設して寝具として用いることも可能であると共に、こ れをシーツに応用した場合には、長期療養者にみられる所謂床擦れの防止にも効 果が認められる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案遠赤外線放射健康器具の具体的構成を図示の実施例に基づき詳細 に説明する。 図１は本考案遠赤外線放射健康器具の一実施例を示す平面図、図２は図１のＡ −Ａ線に沿った断面図である。

【００１２】 図中１は合成皮革のような柔軟性を有する材質からなるベースシートであり、 ２はこのベースシート１の表面に配列固定した複数個の遠赤外線放射セラミック 体を示す。 図示する実施例の遠赤外線放射セラミック体２は適当な高さを有するイボ状に 形成されているが、これを用途に応じて小突起状乃至大突起状に形成したり、あ るいは偏平な小型タイル状、または台形状のような所望の形状に形成することが できるのは勿論である。また、図示する実施例ではベースシート１の表面に整然 と複数個の遠赤外線放射セラミック体２，２・・・を配列させてあるが、これを ランダムに配置するようにしてもよいのは勿論である。

【００１３】 なお、図示する遠赤外線放射セラミック体２はペタライト８０重量％に対し、 白陶土２０重量％を配合し、これに水と適量の水溶性セルロースエーテルを加え て相互に攪拌混練し、成形機にかけてイボ状となした成形体を自然乾燥の後、焼 成窯にて１２８０℃まで昇温させて焼成処理してなるもので、表１に示す如き遠 赤外線の放射特性を有する。

【００１４】

【表１】

【００１５】 なお、表１のＡは黒体の遠赤外線放射率を示し、Ｂは本考案に係る遠赤外線放 射セラミック体２の放射率を示すもので、常温（２５℃）下において４〜２４μ ｍの波長範囲の遠赤外線の放射率は７０％〜１００％であり、平均しても９０％ 前後の放射率を示した。

【００１６】 本考案遠赤外線放射健康器具は前記した遠赤外線放射セラミック体２の複数個 を、図１に示すように合成皮革のような柔軟性を有する材質からなるベースシー ト１の表面に接着剤を用いて適当間隔毎に配列固定してなるもので、これを座布 団に応用したり、自動車の運転席のシート材としたり、あるいは遠赤外線放射セ ラミック体２を小突起状に形成してベースシート１の表面に高密度に配列固定し てこれを枕の表面に付設し、健康枕として使用することもできるものである。 また、本考案遠赤外線放射健康器具を長期療養者用のシーツ等に応用すること もでき、いずれの実施例の場合でも、複数個の遠赤外線放射セラミック体２は柔 軟性を有するベースシート１の表面に突成されているので、たとえば体の動きに 対応して各遠赤外線放射セラミック体２もある程度動くことができ、使用感の良 好な遠赤外線放射健康器具となる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上のように常温でも黒体に比較的近い放射率を示す遠赤外線放射体 の多数個を柔軟性をもったベースシートの表面に配列固定してなるので、これを 座布団、車の運転席のシート材、枕等に応用した場合には、人体の皮膚の内部に 遠赤外線が滲透して末梢毛細血管を刺激し、血行促進に多大な効果がある。 また、長期療養者にみられる所謂床擦れの防止にも多大な効果が認められた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案遠赤外線放射健康器具の一実施例を示す
平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【符号の説明】

１：ベースシート ２：遠赤外線放射セ
ラミック体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小突起状乃至大突起状あるいは偏平な小
   型タイル状等適宜の形状となした遠赤外線放射セラミッ
   ク体の複数個を、柔軟性を有する合成皮革のようなベー
   スシートの表面に適当間隔を存して配列固定してなるこ
   とを特徴とする遠赤外線放射健康器具。