JP3007116B2 - 記録ヘッドユニットおよび該ユニットを搭載した記録装置 - Google Patents

記録ヘッドユニットおよび該ユニットを搭載した記録装置

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JP3007116B2
JP3007116B2 JP2090101A JP9010190A JP3007116B2 JP 3007116 B2 JP3007116 B2 JP 3007116B2 JP 2090101 A JP2090101 A JP 2090101A JP 9010190 A JP9010190 A JP 9010190A JP 3007116 B2 JP3007116 B2 JP 3007116B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記録ヘッドユニットおよび該ユニットを用
いた記録装置に関し、詳しくは、発熱素子が発生する熱
によって記録を行うための記録ヘッドと、これに装着さ
れることで当該記録ヘッドとの間で熱交換を行うための
熱交換部材とからなる記録ヘッドユニット、および該ユ
ニットを用いた記録装置に関する。
[背景技術] 熱エネルギーを用いて記録を行う記録方式は、例えば
感熱記録方式や熱転写記録方式、また、電気熱変換素子
が発生する熱によるインク中の気泡の成長に伴なってイ
ンクを吐出して記録を行うインクジェット方式等があ
る。これら記録方式は、プリンタ、複写機等に広く利用
されており、中でも上述のインクジェット方式は、高精
細かつ高速な記録を可能とし、また、この方式の記録ヘ
ッドが半導体ディバスと同様の工程によって製造される
ことにより記録ヘッドや装置を比較的廉価に構成できる
等、他の方式には無い数々の利点を有している。
ところで、これら熱エネルギーを用いて記録を行う方
式の記録装置では、記録が進行するのに伴なって、いわ
ゆる蓄熱およびこの蓄熱による記録素子間の温度分布を
生ずるのが一般的である。この蓄熱および温度分布の発
生は、記録素子による記録特性に影響を与え、結果とし
て、例えば記録される画像に濃度むらを生じさせたり、
カラー記録にあってはカラーバランスをくずす等の問題
を招く。
このような蓄熱は、インクを用いて記録を行う上記方
式のインクジェット記録装置において特に問題視され
る。すなわち、この方式の記録ヘッドは、一般的にイン
クを吐出するための複数の吐出口、該複数の吐出口の各
々に連通し電気熱変換素子を配設した液路、およびこの
液路のそれぞれに供給されるインクを貯留した共通液室
を有するものであり、記録に伴なって電気熱変換素子が
発生する熱エネルギーの一部は、熱として液路および共
通液室内のインクに伝達される。これにより、液路およ
び共通液室内のインクの温度が変化し、また、各吐出口
間でこれに応じたインク温度の分布を生ずる。
このようなインク温度の変化はインクの粘性等に影響
を及ぼす。この結果として、各吐出口から吐出されるイ
ンクの量が変化し、これによって記録される画素濃度が
変化する。この際、複数の吐出口間でインクの温度分布
が存在する場合、この分布に応じて記録される画像に濃
度むらが生じることになる。また、カラー記録にあって
は、カラーバランスをくずすことになる。
この濃度むらやカラーバランスのくずれは、インクジ
ェット方式の記録ヘッドの中でもいわゆるフルラインタ
イプの記録ヘッドにおいて問題視されるものである。す
なわち、このフルラインタイプの記録ヘッドは搬送され
る記録紙の幅に対応して記録の1ラインにかかる複数の
吐出口を配列するものであり、例えば、A3サイズの記録
紙を用いる場合、記録密度400dpiで4376個の吐出口およ
びこれに対応した電気熱変換素子を具える。
このように多数の吐出口を配列する場合、第1に記録
データによって各吐出口間の吐出頻度の差が大きくなる
場合が多く、これにより吐出口間で温度分布を生じる可
能性がある。第2に、例えば、吐出口配列の一部を用い
てB5サイズの記録を行った直後にA3サイズの記録を行う
場合、今まで記録に用いていた吐出口とそうでない吐出
口との間に温度分布を生じることもある。
また、フルカラーの記録を行うため各色インク毎に複
数の記録ヘッドを用いる場合、これら記録ヘッド間の使
用頻度の差によって記録ヘッド間で温度差を生じ吐出さ
れるインクの体積に微妙な差を生じカラーバランスがく
ずれたり、インク色によって濃度が異なるなどの問題を
生じる場合もある。
以上説明した記録ヘッドの吐出口間で生じる温度分
布、または複数の記録ヘッド間での温度差を緩和するた
め、記録ヘッドにヒートパイプ等の熱交換部材を装着
し、このヒートパイプ等を介して記録ヘッドとの間で熱
交換を行う構成を本出願人は提案した。
この構成におけるヒートパイプは、その中空の内部に
水、フロン液等の作動液を有し、この作動液が記録ヘッ
ドとの相対的な温度に応じて気化または凝縮することに
よって、熱交換(記録ヘッドからの放熱または記録ヘッ
ドを加熱)を行うものである。ヒートパイプ内部は、作
動液とこれが気化した蒸気とによって満たされ、この蒸
気の速やかな熱伝達によってヒートパイプには常にその
温度を均一化しようとする作用が働く。
また、このヒートパイプによる熱交換を促進するた
め、例えばヒートパイプの延在した部分にその雰囲気と
の熱交換(放熱)を行うためのフィンおよびこれに送風
するためのファン等の熱交換構成を設けたり、ヒートパ
イプの所定部位に設けたヒータによってヒートパイプと
の間で熱交換(ヒートパイプを加熱)する構成も本出願
人は提案した。
しかしながら、上述の熱交換部材およびこれを装着す
る記録ヘッドには、熱交換部材そのものや熱交換を用い
た記録ヘッドユニット構成に関して以下に示されるよう
な改良の余地が残されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上述のような記録ヘッドを具えたインク
ジェット記録装置においては、発熱素子からの熱により
素子に接するインクに気泡を発生させ、そのときの圧力
により吐出口からインクを吐出させるもので、上述の記
録ヘッドでは熱交換手段であるヒートパイプに伝達され
る熱移動量大きくなり過ぎ(ヒートパイプ側の熱抵抗が
小さいため)、発熱素子に気泡を発生する為の熱量が不
足し、インクを飛翔的液滴として吐出させることができ
なくなる場合がある。
また、ヒートパイプに伝達される熱流束が発熱素子の
直下に集中する為、ヒートパイプの限界熱輸送量を超え
る熱流束が流れ込み、突発的に記録ヘッドの昇温をまね
くおそれもあった。
さらに、記録ヘッドに対するヒートパイプの配置が適
切でない場合、記録ヘッドを構成するインク液路や共通
液室内のインクの温度を所望の温度に制御することが十
分に行えず、インクの粘性が安定せず、インクリフィル
等のインク挙動の応答性に関して安定性を示さない場合
があった。
本発明の目的は、上述のような従来の課題に着目し、
その解決を図るべく、記録ヘッド本体に対して熱交換手
段を適切に配置して、記録ヘッド本体と熱交換手段との
間で適切に熱交換が可能なようになして、記録ヘッドの
インク液路および共通液室内のインク温度を制御してイ
ンク粘性の安定化を図り、インク挙動を安定させ、安定
した記録ヘッドの記録特性を維持できる記録ヘッドユニ
ットおよび記録装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる目的を達成するために、本発明は、液体に気泡
を形成して該液体を吐出するための複数の電気熱変換体
を備える基板に対して、前記電気熱変換体に対応した複
数の流路及び該複数の流路と連通した吐出口及び流路の
それぞれに供給される液体を貯溜する共通液室を構成す
る記録ヘッド部及び該記録ヘッド部の前記基板を支持す
る基体と、を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドとの
伝熱により、熱交換を行う第1熱交換部と、第1熱交換
部の熱を大気との間で熱交換する第2熱交換部とを備え
て構成されるヒートパイプと、を有した記録ヘッドユニ
ットにおいて、前記ヒートパイプの前記第1熱交換部側
は前記基板と非接触であり、かつ前記基体の側面領域で
あって前記複数の電気熱交換体、前記複数の流路及び共
通液室が設けられた前記基板の配設部位に対向した側面
領域を外れた領域に装着されていることを特徴とする。
また、被記録材の搬送に伴い、該被記録材に液体を付
着させて記録を行う記録装着において、前記液体に気泡
を形成して該液体を吐出するための複数の電気熱変換体
を備える基板に対して、前記電気熱交換体に対応した複
数の流路及び該複数の流路と連通した吐出口及び流路の
それぞれに供給される液体を貯溜する共通液室を構成す
る記録ヘッド部及び該記録ヘッド部の前記基板を支持す
る基体と、を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドとの伝
熱により熱交換を行う第1熱交換部と、第1熱交換部の
熱を大気との間で熱交換する第2熱交換部とを備えて構
成され、前記第1熱交換部側は前記基板と非接触であ
り、かつ前記基体の側面領域であって前記複数の電気熱
交換体、前記複数の流路及び共通液室が設けられた前記
基板の配設部位に対向した側面領域を外れた領域に装着
されているヒートパイプと、を備えた記録ヘッドユニッ
トが配設されていることを特徴とする。
[作用] 記録ヘッドとの伝熱により熱交換を行う第1熱交換部
と、第1熱交換部の熱を大気との間で熱交換する第2熱
交換部とを備えて構成されるヒートパイプと、該ヒート
パイプの第1熱交換部側を基板と非接触であり、かつ基
板を支持する基体の側面領域であって複数の電気熱変換
体、複数の流路及び共通液室が設けられた基板の配設部
位に対向した側面領域を外れた領域に装着したことによ
って、記録ヘッド本体と熱交換手段との間で適切に熱交
換が可能なようにして、記録ヘッドのインク液路及び共
通液室内のインク温度を制御してインク粘性の安定化を
図り、インク挙動を安定させ、安定した適切な記録特性
を維持することが可能となり、高品位の記録画像達成に
貢献する。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図(A),(B)及び(C)は、本発明の一実施
例にかかるインクジェット記録装置を記録部に用いた複
写機を示す図であり、それぞれ、正面から視た概略断面
図、記録部のみを上方から視た概略断面図、および側方
から視た記録部のみ断面で示される概略図である。
本例にかかる複写機は、大きく分けて2つの部分から
なる。これら図において、301は原稿を読取りこれを電
気信号に変換するスキャナ部である。302は記録部であ
り、記録用紙等の被記録材にスキャナ部301で変換され
た電気信号に基づいた記録を行う。
スキャナ部301において、401は原稿、406は原稿401を
載置するための原稿台であり、透明ガラス等よりなる。
402は移動走査することによって原稿401の画像を読取る
ための原稿読取りユニットである。原稿読取りユニット
402には、ロッドアレイレンズ403、等倍型色分解ライン
センサ(カラーイメージセンサ)404及び露光手段405が
内蔵されている。原稿読取りユニット402が原稿台406上
の原稿401の画像を読み取るべく不図示の移動走査機構
により図中矢印の方向に移動走査する時には、原稿読取
りユニット402の露光手段405を構成する露光ランプが点
灯され、これによって照射される原稿401上の画像から
の反射光はロッドアレイレンズ403によって等倍型色分
解ラインセンサ(以下読取りセンサと呼ぶ)404に集光
される。読取りセンサ404では、原稿画像のカラー画像
情報を赤(R),緑(G),青(B)毎に検出し、これ
らを電気的なデジタル信号に変換する。このデジタル信
号は記録データとしてプリンタ部302に転送される。
記録部302において、305は記録ヘッド部であり、第2
図等で後述されるようにイエロ(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),黒(Bk)の各インク毎に被記録
材の記録幅の全幅にわたって吐出口が形成されたいわゆ
るフルラインタイプの記録ヘッド1を具える。また、こ
れら記録ヘッドの各々には、それぞれその側面部分に配
設され、記録ヘッドの温度を調整するためのヒートパイ
プ2が備えられている。なお、本例のヒートパイプはそ
れぞれ一方の端部において他のヒートパイプと一体とさ
れている。306は回復キャップ部であり、第13図等で後
述されるように、必要に応じて記録ヘッド部305と相対
的に移動し、記録ヘッドの吐出口形成面をキャッピング
する。これにより、非記録時のインク乾燥を防止した
り、予備吐出等を行ない、記録ヘッドの吐出特性を常に
良好に維持している。記録時等の非キャッピング時に
は、記録ヘッド部305は第1図(A),第1図(B)に
示されるように記録用紙の搬送路に対向する位置に配さ
れる。
303は給紙部であり、複数の記録用紙を積層した状態
で収納するためのカセット411を有する。カセット411に
収納された記録用紙はピックアップローラ412等によっ
て1枚づつ分離されながら記録紙搬送路へ給紙される。
給紙された記録用紙は1対の搬送ローラ413,414により
搬送路419中へ搬送され、さらに1対のレジストローラ4
15,416により、搬送タイミングを調整されながら記録ヘ
ッド部305の吐出口面と対向する位置まで搬送される。
吐出口面と対向する位置の記録紙搬送路は、ベルト搬
送部304によって形成される。すなわち、ベルト搬送部3
04は、記録用紙を帯電吸着し、吐出口面と対向する位置
で搬送方向に走行するエンドレスベルトおよびこれを駆
動して走行させるための駆動部等からなる。ベルトに吸
着された状態で搬送される記録用紙は、吸着力等によっ
てその記録面と記録ヘッドの吐出口面との距離が適切に
保たれる。この間、記録データに基づいて各インク色毎
の4つの記録ヘッドがそれぞれ駆動され記録用紙に記録
がなされてゆく。
記録のなされた記録用紙は、ベルト搬送部304によっ
て記録ヘッド部305と対向する位置からさらに搬送され
排紙口に至る。この間、赤外線ヒータ308により熱を帯
びた空気がファン307によって搬送路上の記録用紙へ送
られる。これにより記録ヘッドから吐出され用紙上に付
着したインクの水分の蒸発が促され記録画像のインク定
着が促進される。排紙口に至った記録用紙は1対の排紙
ローラ213,214によって排紙トレイ420上へ排紙される。
本例の記録ヘッドには、前述のようにこれにヒートパ
イプが取付けられており、これによって記録ヘッドの温
度が所望の温度に調整されている。これによって、記録
ヘッド内におけるインク温度が記録のために良好な温度
に制御されることになる。このため、第1図(B)およ
び(C)に示されるように、記録ヘッドが配設される領
域外にまでヒートパイプ2の一部が延在されており、そ
こに余剰熱を放熱するためのフィンや、記録ヘッドに対
して熱を供給するためのヒータ等が取付けられてなる熱
交換部が構成される。そして、この熱交換部の下方に
は、フィンに向けて送風するためのファン4が設けられ
る。
第2図(A)〜(C)は、第1図に示されるインクジ
ェット記録装置の記録部を構成する記録ヘッド1と熱交
換手段としてのヒートパイプ2とを有した記録ヘッドユ
ニットの一例を示す図であり、第2図(A)は4つのヘ
ッドのうち1つのみを示す概略斜視図、第2図(B)お
よび(C)は記録ヘッドユニット全体の概略平面図およ
び概略側面図である。
これら図において、1は被記録材の記録の全幅に対応
して吐出口が設けられたいわゆるフルラインタイプの記
録ヘッドである。本例の記録ヘッドには、吐出口が63.5
μmピッチで4376個配列されている。これら吐出口の各
々に連通するよう設けられる液路には電気熱変換素子が
設けられている。この電気熱変換素子が発生する熱エネ
ルギーを利用して、この近傍のインクに急激な温度上昇
を与えて膜沸騰を生じせしめ、この膜沸騰による気泡の
生成に伴なって生ずる急激な圧力変化を利用してインク
を吐出する。
2は、記録ヘッド1の各々についてその一方の側面の
長手方向の所定の領域を除いた略全域に接触して設けら
れるヒートパイプである。これらヒートパイプ2の各々
はその一方の端部の記録ヘッド1と接触しない領域にお
いて略正方形の部分2Aを形成し、また部分2Aそれぞれの
最端部は互いに内部が連通するよう一体に形成される。
このように一体に形成されることによって、特に各ヒー
トパイプの温度制御のための構成が簡潔になる。これら
各部分2Aの間には、蛇行した形態のフィン3が取付けら
れている。これにより、ヒートパイプ2と記録ヘッド1
との間で熱変換を行う第1熱交換部20Aと記録ヘッドに
よる記録領域から離れた外部に延在して位置する第2熱
交換部20Bとが構成される。
ヒートパイプ2,2Aは、熱伝達性はもちろんのこと加工
性,コスト等を考慮してアルミからなるボディと、その
中空の内部に注入されたフロン液よりなる作動液とによ
って構成される。ヒートパイプでは、一般にその熱輸送
量を考慮する必要がある。すなわち、ヒートパイプの熱
輸送量には限界があり、記録のために適切な熱特性を得
るには、その限界において、ヘッドからヒートパイプに
伝達されるあるいはヒートパイプからヘッドに伝達され
る最大熱量以上の熱量を伝達可能であることが必要であ
る。
前記熱輸送量の限界量はヒートパイプの断面積とも相
関を有し、ヒートパイプの断面積が大きくなればなる程
大きな熱輸送量を有するものとなる。
一方、本例のように複数の記録ヘッドを用いてカラー
画像の記録を行なう場合、一般に、記録用紙の搬送方向
における記録ヘッド間距離が大きくなればなるほど、転
送されてくる画像データを格納するためのメモリを大き
くしなけらばならないことがあり、装置全体のコスト増
を招いてしまうことになる。
また、各記録ヘッド間が記録ヘッドと記録用紙との相
対的な位置合わせ(以下、レジストレーションともい
う)の精度を向上させたり、記録装置の小型化のために
も、記録ヘッド間距離は小さい程好ましい。
本例で使用されるヒートパイプは、これらの点を考慮
して記録ヘッド1との伝熱による熱交換を行なう第1熱
交換部20Aを構成するヒートパイプ2をその断面が略長
方形とし、主として放熱を行なう第2熱交換部20Bを構
成するヒートパイプ2Aは、上述したようにヒートパイプ
2と同じ厚みを有する略正方形とする。このような形状
のヒートパイプを使用することにより記録ヘッド間距離
を小さくすることができ、また、熱輸送量を低下させる
ことなく効率の良い熱交換をすることができる。
記録ヘッド1とヒートパイプ2は、押圧部材8によっ
て接続されている。すなわち、押圧部材8は、板ばね状
の部材であり、第6図等に詳細に示されるように記録ヘ
ッド1の一方の側面の長手方向における所定の部分を除
いた略全域に対してこの部分で接触するヒートパイプ2
を押圧することにより、これら2つを接続する。また、
この押圧部材8には、前述のように長手方向に数ヶ所切
込みが設けられる。この切込みはヒートパイプ2をヘッ
ド1に対して均一な押圧力で圧接させるためのものであ
り、これによって、ヘッド1とヒートパイプ2との間の
熱伝達が記録ヘッド全体にわたって均一に行なわれると
同時に、ヒートパイプ挿入時のスムーズな着脱も可能と
なる。
この押圧部材はSUSもしくはリン青銅のように弾性を
有する材料を用いるのが適当であり厚みとしては、0.2m
m〜1.0mm程度が最適である。厚みが非常に薄いため、ヒ
ートパイプ2と直接接触していても熱の伝導等の熱的な
問題は無視することができる。
第2熱交換部20Bを構成するヒートパイプ2Aの部分に
は、前述のように放熱手段を構成する放熱フィン3が4
つのヒートパイプ2Aの間に形成される3つの領域に圧入
された形態で取付けられている。また、放熱フィン3の
放熱機能を最大限に発揮するために放熱手段を構成する
ファン4が、放熱フィン3の近傍であって記録ヘッドか
らインクが吐出される方向に対して対向する方向に風を
送るように放熱フィン3の下方に設けられている。この
ファン4の最大風速は3m/secであり、第2図(A)には
その一部のみが示されるが、その送風口4Aはフィン3が
設けられる3つの領域にわたって延在している。
このファン4は本実施例の取付け形態に限られること
なく、後述するインクミストの問題やインク吐出方向へ
の影響を生じることのない場所であって、放熱補助効
果、装置の小型化等が達成することができる最も好まし
い位置に配設可能である。また、第2図(B)および
(C)から明らかなように、ヒートパイプ2,2Aおよび記
録ヘッド1はハウジング101によって支持されるが、第
2熱変換部、すなわち、ヒートパイプ2Aおよびフィン3
が配設される位置にはハウジング等の支持部材はない。
これにより、ファン4からの送風を妨害するものがな
く、良好にフィン3およびヒートパイプ2Aに送風を行う
ことができる。
なお、このファン4は本体装置に設けられているが、
記録ヘッド等の記録ユニット側に設けられていても良
い。そして放熱フィン3は、第4図に詳細に後述される
ようにヒートパイプ2の長手方向に対して交差する方向
にその面を形成するようにして設けられている。このよ
うに放熱フィン3を設けることで、ファン4によって放
熱フィン3の下方から送られた風が記録ヘッド側(記録
領域側)にまわり込むことが抑制される。これによって
インクミストが記録装置内を飛翔することやインク吐出
の方向を変化させるといった問題が低減される。放熱フ
ィン3は、ヒートパイプ2と同様放熱性に比較的優れた
軽量なアルミが使用されている。
再び第2図(A)〜(C)において、5はサーミスタ
等によって構成可能な温度センサであり、第2熱交換部
を構成し4つのヒートパイプ2Aが一体となった領域の中
央部に設けられる。6は面状ヒータ形態のヒータであ
り、4つのヒートパイプ2Aのうち最外部に配設されるヒ
ートパイプ2Aそれぞれの側面に取付けられる。
本例で用いられる温度センサは、φ1.5mm(ヒートパ
イプとの当接面径)×2.5mm(センサの厚み)の豆粒形
状のPCB型サーミスタである。本例のように、ヒートパ
イプ2,2Aが、複数のヒートパイプがその一端で相互に連
通し作動液を共有するいわゆる一体型のヒートパイプで
ある場合、1個の温度センサ5によって4本の記録ヘッ
ド1の温度を検出することができ、この場合、その取付
け位置は上述のように各ヒートパイプ2Aが一体となった
連設領域の中央部となる。
一般に、温度センサが記録ヘッドの温度制御において
記録に伴なって変化する記録ヘッド温度を検出するため
に設けられるものであり、本来ならば記録ヘッドに直接
取付けその温度を応答性よく検出することが望ましい場
合もある。
しかしながら、本例のインクジェット記録装置は、こ
れに用いられる記録ヘッドの吐出特性の劣化等、必要に
応じて記録ヘッドを個々に交換できるように構成されて
いる。従って、温度センサが記録ヘッドに取付けられて
いる場合、交換の際に温度センサを記録ヘッドから取り
はずす作業が煩雑であったり、また、温度センサを取り
はずす記録ヘッドごと交換するようにしても温度センサ
に関するコスト増を招くといった問題を生ずる。
また、温度センサを直接取付けた場合、記録ヘッドを
構成する材料によっては熱伝導率が小さく、記録ヘッド
の温度センサを取付けた部分以外の部分の温度を応答性
よく反映できない場合もある。特に、本例のようなフル
ラインタイプの記録ヘッドの場合、これが顕著となる。
以上のような理由から、温度センサをヒートパイプ上
に設けた場合、ヒートパイプの良好な熱伝導性による速
やかな温度均一化作用により、記録ヘッドにおいて生じ
る温度分布に応答性よく対応した温度検出を行うことが
できる。
なお、本例の場合、温度センサ5をヒートパイプ2Aの
一体化された連接領域に1個のみ設けたが、これは、ヒ
ートパイプが一体化されることによって各ヘッドの温度
を充分に均一化でき、4本の記録ヘッド間の温度のばら
つきが、比較的小さくなるような記録モードに対応した
記録装置において有効なものである。しかしながら、本
例のような着脱自在の記録ヘッドにあってはヒートパイ
プとの間の熱抵抗が大きくなることがあり、ヘッド間の
温度差を生じることもある。このように、ヘッド間の温
度のばらつきが大きくなる場合は、個々の記録ヘッドに
ついて適切な温度制御を行うために4本の記録ヘッドの
個々に対応して温度センサを設けることが望ましい。そ
の場合、温度センサの取付け位置は各ヒートパイプ2の
中央部が好適である。
一方、ヒータ6は、上述のように最外部の2つのヒー
トパイプ2Aの側面に取付けられる。
ヒータと共に用いられるヒートパイプは、このヒート
パイプの良好な熱伝達性を利用してヒータが発する熱を
記録ヘッド全体に均一に伝達するために設けられる。こ
のため、ヒートパイプ上のヒータが取付けられる位置と
しては、ヒートパイプ中の作動液に対応する部分に少な
くともヒータの一部が対応している位置が望ましい。こ
れにより、ヒータが発する熱が作動液に速やかに伝達さ
れ、この熱によって作動液が気化することによってこの
気体による記録ヘッド全体への速やかな熱輸送が可能と
なる。ところで第3図にて詳述されるが、記録ヘッドお
よびヒートパイプのユニットが本例のインクジェット記
録装置に装着されている状態、すなわち、記録時の状態
では、ヒートパイプは、第2図(C)に示されるように
記録ヘッド1およびヒートパイプ2が延在する方向を水
平方向とする姿勢をとる。このため、記録時において作
動液は、第2図(C)に示される状態でヒートパイプ2,
2Aの下部に延在する。以上のことから、本例では、面状
のヒータ6をヒートパイプ2Aの作動液と対応する部分に
かかって取付ける。
また、ヒータを記録ヘッド1に対応する部分のヒート
パイプ2上のいずれかに取付けた場合、ヒータの発する
熱はヒートパイプ2を介さずにこの近傍の記録ヘッドに
伝達され、その温度を高める等の悪影響を及ぼす恐れが
ある。この意味でも、ヒータ6を記録ヘッド1から離れ
たヒートパイプ2A上に設けるのが望ましい。
ヒータ6は、前述のように略正方形の面状ヒータであ
る。これはヒータから発せられる熱がヒートパイプの一
部に集中し、この部分でいわゆるドライアウト現象が生
ずるのを防止するためである。すなわち、ヒータから発
する熱が一部に集中しないように、ヒータの熱が発生す
る部分に広がりをもたせるためである。また、ヒータ6
は本例装置が用いられる雰囲気温度が低温の場合に記録
ヘッド温度を約40度以上に立ち上げ、またこの立上げを
速やかに行うために100Wの出力を有する。
なお、本例ではヒータ6を直接ヒートパイプ2Aのボデ
ィに装着するものとしたが、一般に入手可能なヒータを
用いる場合、用いられるヒータの出力等に応じてAl板等
の板を介してヒータを取付けてもよいし、また、この板
に一部孔を設けヒートパイプに伝達される熱量を制御す
るようにしてもよい。さらに、用いられるヒータの出力
が比較的大きい場合、1個のヒータとしこれをヒートパ
イプ2Aの連接部に設けてもよい。このとき、同様に連接
部に設けられるセンサ5はヒータからある程度離れた上
方(第2図(C)中)に取付ける。
また、ヒータ6として用いられるのは面状ヒータに限
られず、例えば、パワートランジスタをヒータとしても
よい。この場合、パワートランジスタは小型で、比較的
発熱量が大きいため、上述のドライアウト現象等を考慮
して所定の部材を介して取付けるようにする。
以上の説明から明らかなように、本例のヒートパイプ
構成によればヒータ、温度センサの数を減少させること
ができ、記録ヘッドの温度調節制御のための構成のコス
トダウンを図ることが可能となる。
第2図(B)および(C)において、22,23,24A,24B,
25で示される部材は記録ヘッド1のレジストレーション
調整のための部材であり、また、30〜33は記録ヘッドの
反り調整のための部材である。これらの構成および動作
については、第2図(B)および(C)、第11図(A)
および(B)、第12図(A)〜(C)を参照して後に詳
述される。
第3図(A)は、ヒートパイプ2,2Aの内部構成を示す
概略断面図である。同図において、203は作動液207を充
填した作動液充填部、206は作動液充填部203の上方に設
けられ、その両端部を除いた作動液充填部203のほぼ全
域を覆う仕切り板である。204はヒートパイプ2に対応
する部分に設けられ、仕切り板206の上方に形成される
作動液蒸気通路、205はヒートパイプ2Aに対応する部分
に設けられ、仕切り板206の上方に形成される放熱部
(凝縮部)である。
以上のようなヒートパイプ2,2Aを用い、これは第6図
等で詳述されるように記録ヘッド1に接続される。この
ような記録ヘッド1にて記録を行う際、それぞれのイン
ク吐出口に対応して設けられた電気熱交換素子から発生
した熱は、まず作動液充填部203に流れ込む(図中、矢
印D方向)。この熱は、この熱による作動液207の対流
および蒸発に伴なって作動液充填部203のほぼ全域に速
やかに拡散され、作動液充填部203内を均一な温度とす
る。この充填部203の均温化によって、さらには記録ヘ
ッド1の電気熱変換素子が配設される近傍のインク温
度、すなわち記録ヘッド温度の均温化が行われる。
また、作動液充填部203で発生する蒸気は、充填部203
端部の仕切り板206の無い部分を通って蒸気通路204に至
り、蒸気通路204を通り(図示、矢印E方向)放熱部205
に至り、図中、矢印F方向に移動する。この移動の間蒸
気は熱をうばわれて凝縮する。この凝縮した作動液207
はヒートパイプ2Aを構成するパイプボディの内壁を伝っ
て重力により図中、矢印G方向に移動し作動液充填部20
3にもどる。
以上示した作動液の動作において、仕切り板206が設
けられていることにより、作動液による記録ヘッドの均
温化作用を、作動液の凝縮作用と独立して行うことがで
きる。すなわち、記録ヘッド1において吐出口間でばら
ついた温度分布を有して発生する熱や、ヒートパイプ2A
の側面に取付けられたヒータ6から発生する熱は、上述
のように、作動液充填部203で速やかに均温化され、そ
の結果、記録ヘッド1の吐出口間で均一な温度とされる
が、その際、放熱部205における熱の挙動は仕切り板206
によって作動液充填部203には伝わらない。これによ
り、ヒートパイプによる効率的な均温化作用および放熱
作用が可能となる。また、仕切り板206の存在によっ
て、作動液充填部203で余剰となった熱が放熱部205での
凝縮に至るまでの熱の循環を良好に行うこともできる。
さらに、仕切り板によって蒸気の移動に伴なって作動
液が拭き払われることが防止され、これによりドライア
ウト現象による記録ヘッドの昇温を防ぐことができる。
以上の様な作動液による一連の動作をスムーズに行え
る様にするため、重力方向に沿って順に放熱部205,蒸気
通路204,作動液充填部203を配することが望ましい。
以上のようなヒートパイプ2,2Aの構成によれば、第3
図(C)に示すような従来のヒートパイプと比較して効
率の良い記録ヘッドの均温化および放熱を行えると共
に、簡潔な構成のヒートパイプを得ることができる。す
なわち、第3図(C)は従来のヒートパイプの横断面を
示し、このヒートパイプには、凝縮にはヒートパイプ内
壁に付着した作動液を毛管力によってヒートパイプの記
録ヘッドと対応する部分まで移動させるための溝が設け
られている。このため、ヒートパイプ内壁に溝を設ける
加工を必要とし、コスト増を招くことがある。また、こ
の従来のヒートパイプによっては、仕切り板が無いため
効率の良い均温化等を行うことができない。
なお、本例による仕切り板206の機能としては、上述
のように均温化作用と放熱作用とをそれぞれ独立に効率
良く行なわせるばかりでなく、例えば、第13図にて後述
されるようにキャッピングを行うために記録ヘッド1が
移動する際、この動きによってヒートパイプ2,2A内で作
動液が偏在するのを仕切り板206によって防止する。こ
れにより、キャッピング動作の間も良好に均温化や放熱
を行うことができる。また、用いられる記録ヘッドが、
走査移動に伴なって記録を行うためのいわゆるシリアル
タイプの記録ヘッドの場合、この仕切り板の機能は特に
顕著に発揮される。
第3図(B)は、インク吐出方向が重力方向に対して
垂直な方向(水平方向)の場合の実施例を示す。この場
合、重力方向に沿って放熱部205,蒸気通路204,作動液充
填部203,記録ヘッド1の発熱部の順に構成することで、
第3図(A)に示した実施例と同様の均温化作用,放熱
作用を発揮することが可能である。この構成では、吐出
口面およびその近傍に存在する発熱部を第3図(B)に
示すように水平方向にずらして配することが記録特性を
維持するうえで望ましい。これについては、第6図等に
関して詳細に説明する。
第4図は、第2図等に示したフィン3の詳細を示す模
式的断面図であり、第2図(B)における矢印Bに示す
方向から視た断面である。第4図にはフィン3の一部の
みが示されている。
第4図から明らかなように、フィン3には、所定領域
毎で交互に図中右下または左下方向に開いた複数のスリ
ット板3Aおよびこれと共に形成されるスリット3Bが設け
られている。このフィン構成により、ファン4によって
図中下方から矢印のように送風される空気の流れは、フ
ィン3に流れ込むと、その一部が図中矢印で示すように
スリット板3Aによってその開いた方向に応じた偏向を受
ける。これにより、複数のフィン3各々の間を流れる空
気流は乱流状態になる。この乱流状態は、フィン3の熱
を空気流に比較的良く伝達し、また、フィン3からの空
気流の剥離を生じ難くするため、フィン3からの放熱効
率が向上する。
さらに、スリット板3Aを設けることにより、フィン3
全体の放熱にかかる表面積が増加し、これによっても放
熱効率が向上する。
本例のフィン3は、4つのヒートパイプ2Aによって構
成される3つの空間に配置され、それぞれの空間におい
て蛇行形状をなす。以上の構成によれは、ヒートパイプ
2Aを板状とすることと相俟って第2熱交換部の配設スペ
ースを小さなものとし、同時に上記蛇行形状およびスリ
ット板の構成によって放熱効果を損うことはない。
なお、ヒートパイプおよびフィンの形状については、
本例のものに限られず、必要な放熱量やファンからの送
風量等に応じて、例えば第16図に示されるようなもので
あってもよい。この場合でも、フィン3にスリットおよ
びスリット板を設けることによって、放熱効率は向上す
る。
また、スリット板の開く方向および各領域毎の数は上
例に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、
スリット板の開く方向を1つずつ交互に異ならせるよう
にしてもよい。
第5図は、本例のインクジェット記録装置を用いた記
録部302の制御構成を示すブロック図である。この図に
は、記録用紙搬送系等の各制御構成の図示は省略され、
主に記録ヘッド1の温度調整のための制御構成が示され
る。
第5図において、100はCPUであり、本例インクジェッ
ト記録装置を用いた記録部202における動作、データ処
理等の制御処理を実行する。100AはCPU100による制御処
理においてワークエリア等として用いられるRAM、100B
は第14図にて後述される処理手順等記録部202にかかる
処理手順を格納するROMである。また、1AはCPU100から
転送される駆動データ信号および制御信号に基づいて記
録ヘッド1の電気熱変換素子を駆動するためのヘッドド
ライバ、4Aおよび6Aは、それぞれCPU100からの制御信号
に基づいてファン4を回転させるためのファンモータ4B
およびヒータ6を駆動するファンモータドライバおよび
ヒータドライバである。
CPU100は、スキャナ部301から転送されてくる記録デ
ータに所定の処理を施した後、これを駆動データとして
記録用紙の搬送等と同期しながらヘッドドライバ1Aへ転
送する。また、これと同時にCPU100は、温度センサ5が
検出する記録ヘッド1の温度に基づき、ファン4,ヒータ
6を用いて第14図にて後述されるような記録ヘッドの温
度制御を行う。
第6図(A)および(B)は記録ヘッド1の詳細およ
びヒートパイプ2,2Aの装着態様を示す記録ヘッド1およ
びヒートパイプ2,2Aの側面図である。
これら図において、10はインクを吐出するために利用
される熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子で
あり、この図と垂直方向に400dpiの密度で4376個が配設
され、これら各々に対応して吐出口(不図示)も設けら
れている。11はこれら電気熱変換素子10を配設する基
板、12は基板11を接合することにより、電気熱変換素子
10を配設し吐出口に連通した液路や、この液路にインク
を供給するための共通液室を形成する天板である。13は
基板11を支持し記録ヘッドの本体をなす基体である。
以上示した構成において、第6図(B)に示されるよ
うに、ヒートパイプ2は電気熱変換素子が設けられた基
板11を支持する基体13の側面領域であって電気熱変換素
子が設けられた部位に対応した領域を外れた領域に装着
される。すなわち、基板11および基体13をその厚み方向
に介した電気熱変換素子の配設領域にヒートパイプを装
着しない。
電気熱変換素子に対応した領域にヒートパイプを設け
た場合、電気熱変換素子近傍のインク温度やインク吐出
が影響を受け易くなる。すなわち、例えば、ヒートパイ
プを近傍に設けない場合、電気熱変換素子の発生する熱
量の約40〜60%程度がインクを吐出するためのエネルギ
ーとして使用されるのに対して、ヒートパイプを電気熱
変換体の近傍に設けた場合には、ヒートパイプとこの近
傍との間の熱の移動量が大きくなり、電気熱変換素子が
発生する熱エネルギーの一部、例えば10%程度しかイン
ク吐出に関与できなくなる。仮りにこのような条件で良
好なインク吐出を行おうとすれば、電気熱変換素子が発
生する熱エネルギーを大きくするため、例えば駆動パル
スの電圧又はパルス幅を大きくする必要を生じ、結果と
して消費電力が増大する。また、発生する熱エネルギー
が大きくなると記録ヘッド温度の均一化のための熱輸送
の速度を大きくする必要を生じそのための構成の複雑化
を招く。
また、ヒートパイプと電気熱変換素子近傍との間の熱
の移動量が大きくなることによって、逆にヒートパイプ
の熱がこの近傍に移動し易くなり、この部分のインク温
度を必要以上に高くし、所望の量以上のインクが吐出さ
れ記録される画像の濃度に影響を与える場合もある。
以上のように、記録ヘッドの電気熱変換素子が設けら
れた領域を外れた領域に接してヒートパイプを設けるこ
とにより、電気熱変換素子近傍から、およびこの近傍へ
の過度な熱の移動を生じないようにし、ヒートパイプを
用いた記録ヘッドのインク吐出特性および温度制御を良
好に行うことができる。
また、これと共に、以上のようなヒートパイプの配置
によれば、記録ヘッドの電気熱変換素子近傍よりも主に
インク液路および共通液室内のインク温度がより制御さ
れ易くなる。これにより、特にフルラインタイプの記録
ヘッド全体でのインク粘性の安定化を図ることができ、
インクリフィル等、インク挙動の応答性を安定させるこ
とができる。
第7図(A)および(B)は、第6図(A)および
(B)に示した構成の第2実施例を示す模式的正面図お
よび模式的側面図である。
第7図(A)および(B)において、1は本例にかか
るインクジェット記録ヘッド、11は記録ヘッド1の基
板、2は基板11に沿って配設されたヒートパイプであ
り、基板11には電気熱変換素子10、液路14および吐出口
15が形成される。12は液路14および吐出口15を形成する
ための天板である。
いま、上述の記録ヘッド1に対し、その基板11に1mm
厚さのシリコン板を用いた場合、電気熱変換素子10に33
(V),パルス幅7(μs)の駆動パルスを印加する
と、素子10が発生する熱が基板11を介して第7図(B)
中矢印で示すように緩やかに拡散してヒートパイプ2に
伝達される。この時、出力50Wのヒーターとファンによ
る2m/sの送風により、記録ヘッド1の温度を常時45〜52
℃の範囲で安定して維持することができた。これに対
し、基板11に0.4mm厚のシリコン基板を用いた場合、同
様な駆動パルスを印加したが、インクを吐出させること
ができなかった。
以上の様な実験結果は、次の様に説明することが出来
る。すなわち、シリコン基板の厚さが薄くなる程、基板
11を介してヒートパイプ2に熱が流れ易くなり、従って
流れる熱量が多くなることにより、これに伴って液路14
中の電気熱変換素子10に接するインクに伝達される熱量
が少くなる。従って、0.5mm以下のシリコン基板を基板1
1として用いた場合はインク発泡に必要な熱エネルギー
を電気熱変換体10から得ることができず、安定した吐出
を行うことができなくなる。実際に、上述の各実験にお
いてヒートパイプ2に伝達される熱量比を測定したとこ
ろ、シリコン基板の厚さが1mmの場合、電気熱変換素子1
0への投入電力の約70%,シリコン基板の厚さが0.5mmの
場合、投入電力の約80%が変換熱としてヒートパイプ2
側に流れていることがわかり、以上の実験結果からヒー
トパイプ2に拡散伝達される熱量としては約70%程度に
とどめることが望ましいことが分った。
第8図(A)および第8図(B)は熱の伝達に関して
好適な構成例による記録ヘッドおよびヒートパイプを示
す。本例の記録ヘッド1は電気熱変換素子10等が設けら
れるシリコン基板などの第1基板11Aと、ヒートパイプ1
2との間に熱伝導性の良いアルミニウムや銅などによる
第2基板11Bを設けたもので、記録ヘッド1側からの熱
流束が第8図(B)中矢印で示すように拡散することに
よりその集中を防ぎ、従ってヒートパイプ2による熱輸
送能力が過度になるのを防止することができる。
第8図に示す構成例を用いた実験として、第1基板11
Aには第7図に示された構成例と同様のものを用い、第
2基板11Bを5mm厚さのアルミニウム基板とし、30
(V)、パルス幅7μsの低エネルギー駆動パルスを電
気熱変換素子10に供給することにより、良好なインク吐
出特性を得ることができた。なお、本実験では最大熱輸
送能力が70(W)のヒートパイプ2を使用し、記録ヘッ
ド1を常時45℃〜52℃に制御することができた。但し、
第2基板11Bの厚さを10mm以上にすると、熱伝達が低く
なり過ぎて、記録ヘッド1を45℃〜52℃の範囲を制御す
ることができなくなる。
第9図(A)および(B)は、記録ヘッドの着脱の構
成を説明するための図であり、第9図(A)は4本の記
録ヘッド1を装着した状態を側方から視た断面図、第9
図(B)は、記録ヘッドを抜脱した状態を示す斜視図で
ある。
第9図(A)において、ヒートパイプ2,2Aは、不図示
の手段によって、ヒートパイプ2とヒートパイプ2Aとの
境界、すなわち第1熱変換部と第2熱変換部との境界付
近でハウジング101に固定されており、これに押圧部材
8を具えた記録ヘッド1が、それぞれ同図中、上方から
ヒートパイプ2に装着される。記録ヘッド1は、装着前
は第6図(A)に示したように、その押圧部材8をわず
かながら記録ヘッド1側へ傾斜させている。記録ヘッド
装着の際、押圧部材8と記録ヘッド1との間の空間にヒ
ートパイプ2が挿入され、このとき生じる押圧部材の弾
性力によって相対的にヒートパイプ2を記録ヘッド1側
へ押圧する。
第9図(B)は、記録ヘッド1をハウジング101へ挿
入する前または抜脱した後の状態を示す。このように、
記録ヘッド1が、各インク色毎個々に着脱できることに
より、記録ヘッドの交換を容易に行うことができる。
第10図は、第9図に示した構成とは逆に、記録ヘッド
がハウジング101に固定されており、これに対して4本
のヒートパイプ2,2Aを一体に着脱する構成を示す。この
構成では、同図に示すように、ヒートパイプ2,2Aの挿入
方向は、記録ヘッドの長手方向であり、押圧部材8と記
録ヘッド1との間に各々ヒートパイプ2が挿入される。
以上、第9図および第10図に示した記録ヘッドの着脱
において、押圧部材8により記録ヘッド1とヒートパイ
プ2とが相互に固定される際、同時に記録ヘッド1の、
記録用紙搬送方向、すなわち記録ヘッド1の長手方向と
垂直な方向での位置決めが良好になされる。
次に、上述のように構成したインクジェット記録装置
における記録ヘッドの位置決めおよびヘッド相互間のレ
ジストレーション機構とその動作を第2図の(B)およ
び(C)を参照して説明する。
これらの図において、101は複数の記録ヘッド1と共
にこれらの記録ヘッド1の側面に沿って取付けられたヒ
ートパイプ2が保持されるハウジングであり、101Aおよ
び101Bは各記録ヘッド1の吐出面1A側の両端部が当接さ
れることにより矢印C方向における位置決めがなされる
位置決め面である。また、これらの位置決め面のうち一
方の位置決め面、すなわち、ヒートパイプ2がハウジン
グ壁101Cによって拘束される側の位置決め面101Bにはヘ
ッド位置決めピン25が突設してあり、記録ヘッド1に設
けた矢印A方向に延在する長孔1Bにこのピン25が嵌め合
わされることによりヘッド1のこの方の端部の位置が規
制される。
22はハウジング101から立設され、記録ヘッド1の他
方の端部側面に当接して、ヘッド1の矢印B方向におけ
る位置を規制するための押当てばね、23は一方のハウジ
ング壁101Cから立設され、記録ヘッド1のその方の端面
に当接してヘッド1の矢印A方向における位置を規制す
るための押当てばねである。2Aおよび24Bは共に位置決
め面101Aに立設した回動自在な偏心こま部材であり、ヘ
ッド1と接触を保つ偏心カム26Aおよび26Bを有してお
り、偏心こま部材24Aの回動操作によりそのカム26Aを介
して記録ヘッド1のこの方の端部をそれぞれ矢印B方向
に微移動させることができる。また、偏心こま部材24B
の回動操作によりそのカム26Bを介して記録ヘッド1の
この方の端部を矢印A方向に微移動させることができ
る。
そこで、このように構成した記録ヘッド位置調整機構
においては、ヒートパイプ2,2Aがハウジング101に装着
された状態で各記録ヘッド1をハウジング101の上方か
らそれぞれの対応するヒートパイプ2に合わせるように
して差込み、各記録ヘッド1に取付けられている板ばね
で形成された押圧部材8と記録ヘッド1との間にヒート
パイプ2を挾持させるようにする。同時にヘッド1の長
孔1Bにハウジング位置決め面101Bに設けたヘッド固定ピ
ン25が嵌め合わされるようにすると共に、記録ヘッド1
の吐出面1A側両端部をハウジングの位置決め面101Aおよ
び101Bに当接させて、ヘッド1の矢印C方向の位置決め
を行う。
この状態において記録ヘッド1の長手方向の一端は押
当てばね23に当接した状態にあり、他方の端部は押当て
ばね22と偏心こま部材24Aおよび24Bとにより規制された
状態に保たれる。そこで、偏心こま部材24Aを回動操作
することによって各記録ヘッド1の矢印A方向の位置を
それぞれ調整すると共に、偏心こま部材24Bを回動操作
することによってヘッド固定ピン25を中心に記録ヘッド
1の偏心カム26Bと接触を保つ側の端部位置を矢印B方
向に対してそれぞれ微調整することができ、以上の操作
により各記録ヘッド間の取付位置の微調整を行って、各
記録ヘッド1により例えば異なる色のインクで記録され
る画像間のずれを補正し、より高品位の画像記録を得る
ことができる。
ついで、再び第2図(B)および(C)を参照して各
記録ヘッド1に対しての反りの調整手段について説明す
る。
これらの図において、30はハウジング壁101Cの上面ほ
ぼ中央部に跨って取付けられる固定ブロック、31は固定
ブロック30に嵌込まれたスライドブロックであり、この
スライドブロック31は個々の記憶ヘッド1の側面上方に
位置するようにしてあって、第11図の(A)および
(B)に示すように固定ブロック30に設けたスライドブ
ロック支持孔30Aに対し、矢印で示すように記録ヘッド
1の長手方向とは直角方向に移動させることができる。
32はスライドブロック31に螺合された反り調整用ねじ部
材、32Aはねじ部材32の先端部に形成されたテーパ部で
ある。一方、各記録ヘッド1にはその長手方向のほぼ中
央部にあたるスライドブロック31およびねじ部材32と対
応する位置に反り調整部33が設けられていて、その調整
部33の孔34にねじ部材32のテープ部32Aが導入されるよ
うに構成されている。34Aおよび34Bはこの孔34に形成さ
れているそれぞれテーパ面である。
ところで、以上に述べてきたようなフルラインの記録
ヘッド1を有するインクジェット記録装置においては、
記録ヘッド1が長尺物であればある程、被記録材の搬送
方向に反りが生じ易い。そこで、このように反りのある
ままで記録を行うと記録画像に第12図の(A)や(C)
で破線によって示すような傾向の歪が生じる。本実施例
の反り調整手段によれば、このような記録ヘッドの反り
を容易に調整して、第12図の(B)で示すような正常な
記録画像が得られるようにすることができるもので、い
ま、1つの記録ヘッド1において、例えば第11図の
(A)で示すように矢印L方向に反りを調整したいとき
はスライドブロック31を図示の位置に位置させ、ねじ部
材32のテーパ部32Aを反り調整ブロック33のテーパ面34A
に押圧させるようにねじ部材32のねじ込み操作を行うこ
とにより記録ヘッド1の中央部をそのヒートパイプ2と
共に図で圧方向に押出すことができる。また、反対の矢
印Rで示す右方向に反りを調整したい場合は第11図の
(B)で示すように反り調整部33のテーパ面34Bにねじ
部材32のテーパ部32Aを押圧させるようにしてねじ部材3
2のねじ込み操作を行えばよい。なお、上記反り調整手
段は、第12図(B)に示したように反りを完全に解消す
るために用いられるばかりでなく、複数の記録ヘッドの
反りが等しくなるような調整のために用いることもでき
る。
また、以上に述べた実施例では、複数のヒートパイプ
2がその端部2Aで互いに連通される形態の場合の記録ヘ
ッドの位置調整および反り調整について説明してきた
が、本発明の適用はこのような形態のヒートパイプおよ
び記録ヘッドを具えた場合に限られるものではなく、例
えば第16図(A)および(B)に示す形態のように、各
ヒートパイプ2がハウジング101に個別に保持されると
共に、各ヒートパイプ2に対して記録ヘッド1が取付け
られる形態のものにも適用できることはいうまでもな
く、更には複数の記録ヘッドでなく、必要とあれば単独
のフルライン型記録ヘッドとヒートパイプとが接合され
る形態のものにも広く適用が可能である。
また、上述の反り調整手段を先に述べた位置調整機構
と併用することにより、完全にレジ合せがなされ、しか
もヘッドの反りによる記録画像の歪みや特にカラーの場
合の色ずれをなくすることのできるインクジェット記録
装置の提供が可能となる。
更にまた、図示はしないが、例えば偏心こま部材24A
または偏心こま部材24Bを二重ねじ構造とし、そのねじ
機構によりカム26Aまたは26Bを介して記録ヘッド1の端
部を上下方向に微移動させ、被記録材と記録ヘッド1と
の間の間隔を調整するように構成することも可能であ
る。る。
第13図(A)〜(E)は、記録ヘッドおよびヒートパ
イプからなるユニットの移動機構を説明するための図で
あり、第13図(A)は、記録ヘッドユニット305および
回復系ユニット306とこれらの駆動系を示す概略上面
図、第13図(B)は回復系ユニット306およびこの駆動
系を示す概略上面図、第13図(C)〜(E)は、それぞ
れ記録ヘッドユニット305と回復系ユニット306との相互
の移動を説明するための概略断面図である。
本例の記録ヘッドユニット305と回復系ユニット306と
は、上述のように、インク吐出を常に良好に保つための
キャッピングやこのキャッピング状態での吐出回復処理
を行うため、記録時における位置から共に移動し、それ
ぞれ適切な配置をとる。
第13図(A)および(B)において、26は回復系ユニ
ット駆動部であり、この駆動は、ベルトプーリ2001,200
2およびタイミングベルト2003を介して記録ヘッドユニ
ット駆動部2004に伝達される。ヘッドユニット駆動部20
04には駆動方向を直角方向に変換するためのねじれ角45
゜のはすば歯車対2005,平歯車2006,2007,さらにウォー
ム減速器2008が配列されており、ベルトによって入力さ
れた駆動力は最終的に平歯車列を経てラックギア2009に
伝達される。ラックギア2009の駆動力は、長方形の枠形
状をなすハウジング101の長い方の2ヶ所に設けられた
ラック2010に伝達され、ハウジング101の鉛直方向の移
動に変換される。ハウジング101は前部および後部にコ
ロ2011,2012が設けられており、各々がヘッドユニット
移動用レール2013,2014の内面に沿って移動することに
より、ハウジング101の上下動、すなわち、記録ヘッド
およびヒートパイプの鉛直方向への移動が行なわれる。
これによって、ハウジング101はウォーム減速器の特質
により駆動源側からの駆動力によってのみ移動可能であ
り、ハウジング101内に搭載された複数のヘッドの重量
によっても記録ヘッド自体が自然落下してしまうような
事故がなく、また、モータの駆動を止めた位置において
ヘッドユニットの位置を固定させることが可能である。
ヒートパイプ2,2Aは、ハウジング101のラックギア200
9,コロ2012が配設された近傍の短い方の枠によって支持
される。従って、本例では、ヒートパイプ2,2Aのこれが
支持される部位近傍の領域に記録ヘッド1およびヒート
パイプ2,2Aからなるユニットの重心が存在するように設
定する。これにより、キャッピング等のためにヘッドユ
ニット305が移動する際、この移動の加減速等によって
生ずる記録ヘッド1やヒートパイプ2,2Aの振動を軽減す
ることができる。この振動の軽減によって、特にヒート
パイプ内の作動液の不必要な流動を防止することがで
き、例えばキャッピング動作時等も継続してヒートパイ
プを用いた記録ヘッドの温度制御を行うことができる。
第13(C)〜(E)はヘッドユニット移動機構要部断
面図を示している。ヘッドユニットの停止位置は、ヘ
ッド回復位置(キャッピング位置),記録位置,逃
避位置の3つの位置がある。第13図(C)は回復位置
(キャッピング位置)を、第13図(D)は記録位置
を、第13図(E)は退避位置を各々示している。これ
らの各々の位置検出は、ハウジング101に設けられた遮
光板2021が各々の停止位置に対応して配置されているセ
ンサ51a〜51cの検出部を遮光することによって正確に行
なわれる。
次に、記録ヘッドの回復ユニット306の駆動機構を説
明する。第13図(A),(B)に示されているように、
26は回復系ユニット駆動部であり、この駆動力は駆動ワ
イヤプーリー2015に伝達される。駆動ワイヤプーリ2015
には駆動ワイヤ2016が巻架されており、テンションプー
リ2017,2018を介して、ワイヤの両端部は各々、回復系
容器306Aに取りつけられたワイヤ架け部材2019に取り付
けられている。回復系容器306Aは後側はスライドシャフ
ト2020上をスライド軸受(不図示)を介してスライド可
能となっており、また、前側は、スライドコロ2030がレ
ール2031上をスライドする。これにより、駆動部による
駆動は回復系容器306Aの往復動に変換され、回復系容器
306Aを回復位置すなわちキャッピング位置から退避位置
へ移動させる。
回復容器306Aの停止位置は第13図(B)に示された位
置すなわち、回復位置と第13図(A)に示された位置す
なわち退避位置であり、各々の位置は、回復系容器306A
に取付けられた遮光板(不図示)が、各々の停止位置に
対応して配置されているフォトインタラプタ等のセンサ
による検出部を遮光することにより正確に行なわれる。
第14図(A)は、第2図,第5図等で示した本例の制
御構成による記録ヘッド温度制御の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
この処理では、ステップS101において所定量の記録動
作、例えば各記録ヘッド1による1行分にかかる記録動
作が行なわれる毎に、先ずステップS103でセンサ5が所
定温度(例えば50℃)以上か否かを判別する。ここで肯
定判断であればステップS105でファン4を駆動し、ヒー
タ6を(駆動されていれば)駆動停止する。この処理の
後およびステップS103で否定判断の場合はステップS107
へ進み、上記温度Tが所定温度T2(例えば45℃)以下か
否かを判断する。ここで肯定判断の場合は、ステップS1
09でヒータ6を駆動し、ファン4を(駆動されていれ
ば)駆動停止する。その後、ステップS111で記録動作が
終了したか否かを判断して肯定判断であれば本処理を終
了し、否定判断であればステップS101へ戻り所定量の記
録動作を行う。
上述した本例の処理は、第2図等に示したように温度
センサ5が、4本のヒートパイプ2が一体となる部位で
あるヒートパイプ2Aの連接部に1個設けられる場合の処
理である。前述したように、4本の記録ヘッド間に著し
い温度差が生じる場合には温度センサを各記録ヘッド毎
に設ける。この場合の温度制御の処理手順を第14図
(B)に示す。
ステップS201の記録動作の後、ステップS203〜S209で
は、それぞれ各記録ヘッドに対応して設けられた温度セ
ンサによって検出される温度TBK,TY,TM,TCが上記所定温
度T1よりも高いか否かを判断する。これら判断で、1つ
でも所定温度T1以上の記録ヘッドがある場合はステップ
S211でファンをオンする。次に、ステップS213〜S219で
は、検出温度TBK,TY,TM,TCが上記所定温度T2より低いか
否かを判断する。
これら判断で1つでも肯定判断であれば、ステップS2
21へ進み、ファンがオフ状態か否かを判断する。ファン
駆動がオフ状態の場合のみステップS223でヒータの駆動
をオンとする。これにより、ファンとヒータとが同時に
駆動されないようにする。すなわち、ファンの駆動を優
先することにより、ヒータ駆動による不必要な記録ヘッ
ドの加熱を防止する。
4つの記録ヘッドの温度が全て所定温度T2以下と判断
した場合は、ステップS225でファンの駆動をオフとす
る。
第14図(B)に示された制御手順によって、高デュー
ティーな部分を有する画像を記録した場合、例えば、記
録デューティーとして各インクに関してBk=10%,C=80
%,M=70%,Y=20%の画像を記録した場合の記録ヘッド
の温度変化を第15図(A)に示す。この図からわかるよ
うに、記録デューティーの低い記録ヘッド(Y,Bk)の温
度低下が激しい。この温度低下に伴なって画像濃度の濃
度変化も大きくなる。
これに対し、第14図(B)に示された制御に加え、各
記録ヘッドの駆動信号波形を、 電圧値 パルス幅 TC,M,Bk<40℃ 35(V) 7(μs) TC,M,Bk<45℃ 33(V) ↑ TC,M,Bk≧45℃ 31(V) ↑ というように各ヘッド温度に応じ、駆動パルスの電圧を
変化させる。これによれば、第15図(B)に示すような
画像濃度の均一化をはかることができる。
上述の場合、駆動パルスの電圧を変化させたが、駆動
パルスのパルス幅を変化させても同様な効果を得ること
ができる。例えば、 電圧値 パルス幅 TC,M,Bk<40℃ 31(V) 9(μs) TC,M,Bk<45℃ ↑ 8(μs) TC,M,Bk≧45℃ ↑ 7(μs) とすることで同様な効果を得ることができる。
また、駆動パルスに2分割パルスを用いることによ
り、より画像の安定化をはかることもできる。
例えば、 電圧値 パルス幅 TC,M,Bk<35℃ 31(V) 2分割、4+(休止3) +5(μs) TC,M,Bk<40℃ ↑ 分割なし9(μs) TC,M,Bk<45℃ ↑ 分割なし8(μs) TC,M,Bk≧45℃ ↑ 分割なし7(μs) とすることでより大きな効果を得ることができる。
さらに、本例に用いられるヒートパイプは、比較的熱
溶容量が大きいため、装置電源オン後、記録開始可能な
温度に記録ヘッド温度が達するまでのウォームアップの
ための時間が非常に長くなることが多い。従って、第14
図(C)に示すような処理をウォームアップ時に行え
ば、ウォームアップ時間の大幅な短縮(例えば2分〜40
秒)を達成することができる。
すなわち、ステップS305,S309での段階的に行なわれ
るヘッド温度判別に応じてプレヒートの駆動電圧を設定
する。例えばヘッド温度が比較的低いときには大きな電
圧でプレヒートを行う。
第16図(A)および(B)は、記録ヘッド1,ヒートパ
イプ2およびこれらを支持するためのハウジング101か
らなる記録ヘッドユニットの他の実施例を示すそれぞれ
概略上面図および側方から視た概略断面図である。
本例の構成は、4本のヒートパイプ2がその端部で一
体とならず、独立していると共に、これに応じてフィン
3も独立して設けられる点が上記実施例とは異なる。し
かしながら、温度センサやヒータの取付け位置やその数
が上例とは異なるのみであり、これを除いて上例に関し
て各部で述べた構成や効果に差異はない。
なお、上記実施例ではインクジェット記録装置に関し
て説明してきたが、本発明の適用はこの方法には限られ
ず、感熱方式や熱転写方式の記録装置にも本発明の適用
は可能である。
(その他) また、本発明は、上述のようにバブルジェット方式の
記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすも
のである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細
化が達成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいず
れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合
には、液体(インク)が保持されているシートや液路に
対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇、すなわち膜
沸騰を与える少なくとも1つの駆動信号を印加すること
によって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記
録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこ
の駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡
を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮に
より吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書
に記載されているようなものが適している。なお、上記
熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第431312
4号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに
優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構
成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用い
た構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の
電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換
体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公
報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応
させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた
構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記
録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明に
よれば記録を確実に効率よく行うことができるようにな
るからである。
さらに、上記実施例で示したような記録装置が記録で
きる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライ
ンタイプの記録ヘッドに対して本発明は特に有効に適用
できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッ
ドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に
形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも
よい。
加えて、シリアルタイプのものにも本発明を適用可能
であり、このような記録ヘッドとしては、装置本体に固
定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されるこ
とで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインク
の供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッ
ド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが
設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場
合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ま
しいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッ
ドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加
圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素
子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定
した記録を行なうために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。すな
わち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体
的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでも
よいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいはインクジェット方式ではインク自体
を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインク
の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが
一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状
をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギ
による昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変
化のエネルギとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギの記
録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イン
クが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではす
でに固化し始めるもの等のような、熱エネルギによって
初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は
適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54
−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載さ
れるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態
としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端
末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写
装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の
形態を採るもの等であってもよい。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、本発明によれば、液体に気
泡を形成して該液体を吐出するための複数の電気熱変換
体を備える基板に対して、前記電気熱変換体に対応した
複数の流路及び該複数の流路と連通した吐出口及び流路
のそれぞれに供給される液体を貯溜する共通液室を構成
する記憶ヘッド部及び該記録ヘッド部の前記基板を支持
する基体と、を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと
の伝熱により熱交換を行う第1熱交換部と、第1熱交換
部の熱を大気との間で熱交換する第2熱交換部とを備え
て構成されるヒートパイプと、を有した記録ヘッドユニ
ットにおいて、前記ヒートパイプの前記第1熱交換部側
は前記基板と非接触であり、かつ前記基体の側面領域で
あって前記複数の電気熱変換体、前記複数の流路及び共
通液室が設けられた前記基板の配設部位に対向した側面
領域を外れた領域に装着されているので、適正な発泡現
象を生じさせ、良好なインク吐出を行えるとともに、ヒ
ートパイプを介して記録ヘッド温度を適切に制御するこ
とが可能となり、インク粘性の安定化を図り、インクリ
フィル等のインク挙動の応答性を安定させ、安定した記
録特性の維持により高品位の記録画像を得ることができ
るようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)および(C)は本発明の一実施例
にかかるインクジェット記録装置を記録部に用いた複写
機のそれぞれ概略正断面図,上断面図および側断面図、 第2図(A),(B)および(C)は本発明の一実施例
にかかる記録ヘッドおよびヒートパイプからなる記録ヘ
ッドユニットのそれぞれ斜視図,上面図および側断面
図、 第3図(A)および(B)はそれぞれ本発明の一実施例
にかかるヒートパイプの内部構成を示す概略断面図、 第3図(C)は従来のヒートパイプの横断面図、 第4図は本発明の一実施例にかかるフィンの詳細な形状
を示す概略断面図、 第5図は本発明の一実施例にかかるインクジェット記録
装置の制御構成を示すブロック図、 第6図(A)および(B)は本発明の一実施例に関しヒ
ートパイプの記録ヘッドへの取付け態様を示す概略断面
図、 第7図(A)および(B)は第6図に示したヒートパイ
プ取付け態様の他の実施例を示す正面図および側断面
図、 第8図(A)および(B)は第6図に示したヒートパイ
プ取付け態様のさらに他の実施例を示す正面図および側
断面図、 第9図(A)および(B)は本発明の一実施例にかかる
記録ヘッドおよびヒートパイプの着脱態様を示すそれぞ
れ断面図および斜視図、 第10図は本発明の一実施例にかかる記録ヘッドおよびヒ
ートパイプの着脱態様の他の実施例を示す斜視図、 第11図(A)および(B)は本発明の一実施例にかかる
記録ヘッドの反り調整機構を示す断面図、 第12図(A)〜(C)は第11図(A)および(B)に示
した反り調整機構に関し記録ヘッドの反りについて説明
するための記録画像の模式図、 第13図(A)および(B)は本発明の一実施例にかかる
記憶ヘッドユニットおよび回復系ユニットの移動機構を
示す複写機の上断面図、 第13図(C)〜(E)は第13図(A)および(B)に示
した移動機構による記録ヘッドユニットおよび回復系ユ
ニットの移動位置を示す側断面図、 第14図(A)〜(C)はそれぞれ本発明の一実施例にか
かる記録ヘッド温度制御の処理手順を示すフローチャー
ト、 第15図(A)および(B)は第14図(A)〜(C)に示
した温度制御によるそれぞれ記録ヘッドの温度および記
録される画像濃度の変化を示す線図、 第16図(A)および(B)は第2図に示した記録ヘッド
およびヒートパイプからなるユニットの他の実施例を示
す上面図および側断面図である。 1……記録ヘッド、 2,2A……ヒートパイプ、 3……フィン、 3A……スリット板、 3B……スリット、 4……ファン、 5……温度センサ、 6……ヒータ、 8……押圧部材、 10……電気熱変換素子、 11……基板、 11A……第1基板、 11B……第2基板、 12……天板、 22……押当てばね、 24a,24b……偏心こま、 25……固定ピン、 30……固定ブロック、 31……スライドブロック、 32……反り調整用ねじ、 33……反り調整部、 100……CPU、 100A……RAM、 100B……ROM、 101……ハウンジング、 301……スキャナ部、 302……記録部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−130781(JP,A) 特開 昭62−66957(JP,A) 特開 昭62−83154(JP,A) 特開 昭58−107565(JP,A) 実開 昭62−35840(JP,U) 実開 昭60−119546(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01,2/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体に気泡を形成して該液体を吐出するた
    めの複数の電気熱変換体を備える基板に対して、前記電
    気熱変換体に対応した複数の流路及び該複数の流路と連
    通した吐出口及び流路のそれぞれに供給される液体を貯
    溜する共通液室を構成する記憶ヘッド部及び該記録ヘッ
    ド部の前記基板を支持する基体と、を有する記録ヘッド
    と、 前記記録ヘッドとの伝熱により熱交換を行う第1熱交換
    部と、第1熱交換部の熱を大気との間で熱交換する第2
    熱交換部とを備えて構成されるヒートパイプと、を有し
    た記録ヘッドユニットにおいて、 前記ヒートパイプの前記第1熱交換部側は前記基板と非
    接触であり、かつ前記基体の側面領域であって前記複数
    の電気熱変換体、前記複数の流路及び共通液室が設けら
    れた前記基板の配設部位に対向した側面領域を外れた領
    域に装着されていることを特徴とする記録ヘッドユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】前記記録ヘッドの基板の種類および厚さは
    前記電気熱変換体から発生する熱エネルギー及び/また
    は前記ヒートパイプの熱輸送能力によって設定されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドユニット。
  3. 【請求項3】前記記録ヘッドは、前記電気熱変換体が前
    記被記録材の記録領域のほぼ全幅にわたって配設され、
    その配設方向とは交差する方向に前記記録ヘッドまたは
    前記被記録材のいずれか一方が他方に対して相対移動し
    つつ行う記録に用いられることを特徴とする請求項1に
    記載の記録ヘッドユニット。
  4. 【請求項4】前記ヒートパイプが取付けられた前記記録
    ヘッドは複数であり、該複数の記録ヘッドが並列に配置
    されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの
    項に記載の記録ヘッドユニット。
  5. 【請求項5】前記ヒートパイプは記録ヘッドに対応して
    複数備えられており、互いに一端で連設されていること
    を特徴とする請求項4に記載の記録ヘッドユニット。
  6. 【請求項6】被記録材の搬送に伴い、該被記録材に液体
    を付着させて記録を行う記録装置において、 前記液体に気泡を形成して該液体を吐出するための複数
    の電気熱変換体を備える基板に対して、前記電気熱変換
    体に対応した複数の流路及び該複数の流路と連通した吐
    出口及び流路のそれぞれに供給される液体を貯溜する共
    通液室を構成する記録ヘッド部及び該記録ヘッド部の前
    記基板を支持する基体と、を有する記録ヘッドと、 該記録ヘッドとの伝熱により熱交換を行う第1熱交換部
    と、第1熱交換部の熱を大気との間で熱交換する第2熱
    交換部とを備えて構成され、前記第1熱交換部側は前記
    基板と非接触であり、かつ前記基体の側面領域であって
    前記複数の電気熱変換体、前記複数の流路及び共通液室
    が設けられた前記基板の配設部位に対向した側面領域を
    外れた領域に装着されているヒートパイプと、 を備えた記録ヘッドユニットが配設されていることを特
    徴とする記録装置。
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