JP3007101B2 - 書き替え可能な光記録媒体および製造法 - Google Patents

書き替え可能な光記録媒体および製造法

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JP3007101B2
JP3007101B2 JP1262102A JP26210289A JP3007101B2 JP 3007101 B2 JP3007101 B2 JP 3007101B2 JP 1262102 A JP1262102 A JP 1262102A JP 26210289 A JP26210289 A JP 26210289A JP 3007101 B2 JP3007101 B2 JP 3007101B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱時の形状変化によって光学情報の記録
と、記録ピットの消去が効率よく行え、かつ記録・消去
および再生光の繰り返し照射に対する安定性が高い記録
媒体に関する。
背景技術とその問題点 従来記録の再生および消去が可能で、塗工できる有機
光記録媒体は多数提案されている。例えば、特開昭59−
5448号公報によれば、ポリマーと色素の混合系からなる
消去可能な光記録媒体が開示されている。この媒体にお
いては、記録はポリマーの流動変形によるピット形成に
基づき、消去は記録の際に生じたピット周辺部の隆起し
たポリマーを再溶融してピットを塞ぐ原理に基づく。そ
のため、いったん流れ出たポリマーを完全に元に復する
ことが困難であり、消去残がでることは避けられない。
この消去残は記録・消去の繰り返しとともに蓄積され
る。従って、この方式では高い繰り返し耐久性は得られ
ない。また記録・消去がポリマーの溶融・流動変形を利
用するために高いエネルギーのレーザ光を照射する必要
がある。その結果、媒体に含まれる色素の光化学劣化や
熱劣化が起こりやすく、この点からも繰り返し使用に対
する不利は免れ得ない。
また、特開昭57−27790および同60−253036号各公報
によれば、ピット形成性のある記録層およびこの上に設
けられたオーバーコート層からなる消去可能な光記録媒
体が提案されている。この媒体においては、記録層の流
動変形によってピットが形成されると共に、オーバーコ
ート層の膨張が起こることにより記録が行なわれる。し
かしながら、オーバーコート層が高い軟化温度を有して
いるために、記録の消去に際しては前記の記録媒体と同
様に比較的強い出力のレーザ光を長時間照射する必要が
あり、実用的ではなかった。
さらに別の提案(特開昭60−69846号公報)によれ
ば、レーザ光照射により加熱・膨張しドーム状突起部
(バンプ)を形成するゴムからなる膨張層およびこの形
状を保持する樹脂からなる保持層とから基本的に構成さ
れる記録・消去の可能な媒体(バンプ形成型記録媒体)
が提案されている。この媒体に記録を行う場合は、あら
かじめ膨張層に混合された色素の極大吸収波長(λ
でレーザ光照射を行い、該膨張層が熱膨張によりバンプ
を形成し、保持層がこの形状を維持できるようにする。
また、記録されたバンプの消去を行う場合は、あらかじ
め保持層に混合された色素の極大吸収波長(λ)近傍
でレーザ光照射を行い、保持層をそのTg以上に加熱して
バンプ形状の維持が困難となるようにする。該記録方式
によると、記録・消去において媒体の形状変化は起こる
が、流動変形を伴わないために繰り返し特性において有
利である。また、記録・消去において形状変化を伴うが
ポリマーの溶融・流動変形を伴わないために、高いエネ
ルギーのレーザー光を照射する必要がない。したがっ
て、使用する色素も前記ピット方式の媒体に比べて劣化
しにくい状況におかれている。しかしながら、高度の繰
り返し耐久性が要求される媒体を得るためには高い耐久
性を有する色素を使用する必要があることはいうまでも
ない。一方、記録・再生専用光記録媒体について高い耐
久性を有する近赤外色素のナフタロシアニン色素が提案
されている。これらの色素をバンプ形成型二層媒体に適
用するには三つの大きな問題がある。一つ目は、使用す
る樹脂との相溶性の問題である。すなわち、これまでは
基板の上に上記色素のみを蒸着または塗工する使い方で
あったために、樹脂との相溶性は問題ではなかった。そ
れに対して、バンプ形成型二層媒体の場合は、いずれの
層も樹脂との混合系で使用するために相溶性が重要とな
る。二つ目は、色素の会合の問題である。すなわち、こ
れらの色素は溶液中では、シャープな吸収特性を示す
が、ポリマーマトリックス中では色素同士の会合を起こ
し吸収のブロード化が起こる。前記記録・再生専用型媒
体の場合は、使用する半導体レーザー発振波長域に高い
吸光度を示せば吸収のシャープさは問題にならない。そ
れに対して、バンプ形成型二層媒体の場合は、膨脹層と
保持層に用いられる色素の吸収が重複しないことが望ま
しい。したがって、使用する色素の吸収はシャープであ
る必要がある。三つ目は、色素の移動である。一般に、
樹脂中に色素を含む媒体の場合、レーザー照射による繰
り返し加熱・冷却が加わると色素が樹脂中を移動して会
合を起こしたり、また、偏析したりすることがある。
本発明者はこれらの状況に鑑みて、それ自体化学的に
安定なナフタロシアニンを樹脂中に化学固定することに
着目し、鋭意検討の結果本発明を完成するに到った。
本発明の概要 本発明における光記録媒体は基板上に、少くとも室温
でゴム弾性を示す樹脂(P1)と色素(D1)とからなる膨
張層(A)と、室温でガラス状態、それより高い温度で
ゴム状態に可逆的に変化し得る樹脂(P2)と色素(D2
とからなる保持層(B)とを、支持してなる。基板上の
各層の順序は、レーザー入射方式に応じ適宜変更され
る。
膨張層(A)は、レーザー光照射により加熱した際に
効果的に膨張することが記録特性を高める上で必要であ
る。そして、記録により生成したバンプを効率的に消去
して元の状態に戻すためには高いゴム弾性が要求され
る。したがって、樹脂(P1)は高いゴム弾性を示し、か
つ、レーザー光照射により流動変形を起こさないことが
必要である。好適に用いられる樹脂としては、天然ゴ
ム;スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソ
プレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチル
ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム、シリ
コーンゴムなどの合成ゴム;スチレン系、オレフィン
系、ウレタン系の熱可塑性エラストマー;アミン架橋
型、イソシアネート架橋型、紫外線架橋型のエラストマ
ーが挙げられる。
本発明における架橋性ナフタロシアニン色素を使用す
る場合は、上記樹脂の中で紫外線架橋型樹脂が用いられ
る。かかる樹脂としてはウレタン(メタ)アクリレート
[本発明書では(メタ)アクリレートはアクリレートお
よび/またはメタアクリレートを示す]からなる弾性架
橋体が好適に用いられる。かかるウレタン(メタ)アク
リレートとしては主鎖が線状脂肪族ポリエーテル、脂肪
族ポリエステル、ポリブタジエン、ポリイソプレンなど
のオリゴマーからなり、かつ両末端が水酸基からなるソ
フトセグメントあるいは、このソフトセグメントをこの
ジイソシアネートと反応させることにより連結してもよ
いポリマーの両末端をウレタン結合を介して(メタ)ア
クリレート化したものである。また、これらの反応性や
物性を挙げるために多官能アクリレートも併用してもよ
い。好適に用いられる多官能(メタ)アクリレートとし
ては、エチレンジ(メタ)アクリレート、テトラメチレ
ンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、上
記ウレタンアクリレートに対して30重量部以下用いられ
る。
本発明において用いられる樹脂(P2)は、記録時に熱
膨張により生成したバンプの固定を解除する役割を担っ
ている。従って、両作用を効果的に行うために、常温で
は、ガラス状態、高温ではゴム状態になる樹脂である必
要がある。好適に用いられる樹脂としては、ポリメチル
メタアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂などの熱可塑性樹脂およびその部分架橋物、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
(メタ)アクリレート樹脂、ノボラック(メタ)アクリ
レート樹脂、多官能(メタ)アクリレート樹脂などの熱
硬化樹脂(架橋樹脂)などが挙げられる。また、本発明
において上記(メタ)アクリル基を含むナフタロシアニ
ン色素を用いる場合には、エポキシ(メタ)アクリレー
ト樹脂、ノボラック(メタ)アクリレート樹脂、多官能
(メタ)アクリレート樹脂などの紫外線硬化型樹脂が好
適に用いられる。
本発明において色素D1およびD2は、それぞれ記録過程
および消去過程においてレーザー光を効率よく吸収して
熱に変換する役割をする。従って、記録用レーザーおよ
び消去用レーザーの発振波長域に合致している色素が選
ばれる。そして、両レーザー光を選択的に吸収し吸収強
度が過度に重ならないことが好ましい。また、現状光記
録分野で使用されているレーザーが半導体レーザーであ
ることから近赤外に吸収ピークを有する色素が好まし
い。また、読み取りは媒体(表面)の光反射を利用する
ために、媒体(表面)の光反射率が高いことが要求され
る。この観点から、色素D2は高反射率を有することが好
ましい。もちろん吸収特性を効率的に行なうために、色
素はそれぞれの樹脂に均一分散するように選択すべきで
ある。
かかる観点から本発明において用いられる(メタ)ア
クリル基を含むナフタロシアニンとしては中心金属にSi
原子を含み、Si原子とアクリル基が有機基で結合されて
いるものである。好適な置換基としては、 (式中、nは1〜3の整数、R1は炭素数2〜6のn+1
価の脂肪族炭化水素基、R2は水素原子またはメチル基、
R3は炭素数1〜4のアルキル基または 、R4は炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、R5は炭
素数1〜4のアルキル基または を表わす)などが好適に用いられる。具体的な好適化合
物として次式の化合物が用いられる。
「式中、R2はHまたは−CH3を表わし、Yは炭素数2〜2
0の直鎖または分岐状のアルキレン基を表わし;R3,R4,
R5,R6はHまたは炭素数18以下の分岐または直鎖状のア
ルキル基、アルコキシ基またはシシルアルキル基を表わ
す。nは1〜3の整数を表わす。」 これらの色素は単独でもよいし、複数の混合物でもよ
い。
以上に述べた色素は、樹脂P1またはP2に対して5〜50
重量%、好ましくは10〜40重量%加えて用いられる。色
素含有率が5重量%より少ないと、媒体表面での反射率
が低くなり、記録信号の再生が困難になる。また、色素
含有率が50重量%を超えると塗膜の学力強度が弱くな
り、記録の保持や記録消去の繰り返し耐久性が低下す
る。
本発明に用いられる色素D1およびD2として上記(メ
タ)アクリレートを含むナフタロシアニン以外の色素と
しては、有機溶媒に可溶な近赤外吸収色素であって、樹
脂P2とよく相溶するものが好適に用いられる。好適な例
として、ポリメチン系色素、ピリリウム系色素、チアピ
リリウム系色素、スクワリリウム系色素、クロコニウム
系色素、アズレニウム系色素などのシアニン系色素;フ
タロシアニンやナフタロシアニンなどのフタロシアニン
系色素;フェニレンジチオール金属錯体やフェニレンジ
アミン金属錯体色素;ナフトキノン、アントラキノン系
色素;トリフェニルメタン系色素;アミニウム、ジイン
モニウム系色素が挙げられる。これらの色素は、前記樹
脂P1に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%添
加して用いられる。色素添加量が5重量%未満であると
記録感度が低くなり、好ましくない。また、色素含有率
が30重量%以上になると塗膜の力学強度が低下する。
本発明に用いられる基板としては、耐溶媒性に優れ、
光学的に均一で、表面平滑性が高いものであれば使用可
能である。そうした特性を有する基板の例としては、エ
ポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス、ポリメチ
ルメタクリレートおよびポリ−4−メチルペンテン−1
などの板状基板やポリエステルフイルムなどのフイルム
状基板が好適に挙げられる。
本発明において用いられるこれらの樹脂は、色素と混
合した上で基板上に塗工・硬化される。膨脹層(A)の
膜厚は一般には、0.5〜10μm、好ましくは1.0〜5.0μ
mが用いられ、保持層の膜厚は0.1〜3.0μm、好ましく
は0.3〜2.0μmが用いられる。該記録媒体の記録特性や
消去特性は各層のレーザー光の吸収の程度に大きく影響
されるので、これらの膜厚は、色素の吸光度や濃度とを
勘案して選択する必要がある。また、該媒体の反射特性
は、単に保持層の表面反射だけに基づくのではなく、各
層間の反射光との干渉効果も寄与する。従って、保持層
および膨脹層の膜厚は干渉効果を最大限に発揮するよう
に選定すべきである。
塗工法は特に限定はないが、スピンコート法、流延
法、バーコート法、ドクターナイフ法、グラビアコート
法などが用いられる。その際使用される好適な溶媒とし
ては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪
族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素;メタノール、エタノール、ブタノールなど
のアルコール類;クロロホルム、塩化メチレンなどのハ
ロアルカン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類;アセトン、メチルエチルケトン;メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルなどのグライム類;エーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどのエーテル類;ニトロメタン、アセトニ
トリルおよびそれらの混合物が挙げられる。
膨脹層、保持層用樹脂として架橋型樹脂を用いた場合
には硬化が必要であり、硬化法としては、使用する樹脂
に応じて熱硬化法、紫外線硬化法が用いられる。熱硬化
法としては通常ラジカル開始剤の共存下で加熱すること
により三次元架橋硬化される。一方、紫外線硬化法の場
合は、光開始剤の共存下で紫外線を照射することにより
行なわれる。
熱硬化法の場合は通常ラジカル開始剤の共存で加熱す
ることにより三次元架橋硬化される。開始剤はとくには
限定はしないが一般にはアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、クメンヒ
ドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、第三ブチル
ヒドロパーオキシド、過酸化ラウロイルなどが挙げられ
る。加熱温度は一般には50〜150℃、好ましくは70〜120
℃が採用される。一方紫外線硬化法の場合は、光開始剤
の共存下で紫外線を照射することにより行なわれる。光
開始剤としてベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなどの
ベンゾフェノン系開始剤;ベンジル、フェニルメトキシ
ジケトンなどのジケトン系開始剤;ベンゾイルエチルエ
ーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系
開始剤;2,4−ジエチルチオキサントン系開始剤;2−メチ
ルアントラキノン、カンファーキノンなどのキノン系開
始剤などが好ましく用いられる。必要に応じてアミン系
促進剤などの促進剤の併用も可能である。用いられる開
始剤量としては、樹脂に対して0.1〜10phr、好ましくは
0.5〜5phrが用いられる。使用する紫外線としては、低
圧水銀灯、注圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライド灯
などが好適に用いられる。光源のパワーは、1mW/cm2〜1
kW/cm2が用いられる。照射時間は光源のパワーおよび光
反応速度に依存するが、1秒〜1時間、好ましくは10秒
〜10分の間で行なわれる。紫外線硬化法は、低温・高速
で架橋硬化が行なわれるので好ましい。
かくして得られた二層媒体の記録・再生・消去は二種
類のレーザー光を照射することにより行う。その再使用
するレーザーは、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレ
ーザー、半導体レーザーなどが用いられるが、小型で安
価な半導体レーザーがより好ましい。以下、膨脹層色素
D1が840nm近傍に吸収を示し、保持層色素D2が780nm近傍
に吸収を示し媒体を例にとって説明する。記録は、780n
mのレーザー光を照射することにより行なわれる。一般
的に、記録は、5〜30mW、好ましくは7〜20mWのパワー
で5〜0.1μ秒照射する。再生は、0.5〜3mW、好ましく
は0.7〜2.0mWのパワーで照射する。消去は、1〜20mW、
好ましくは3〜12mWのパワーで0.1〜20秒照射する。
本発明によるとバンプの形成と消滅による反射率の変
化を読み取ることを基本原理とする記録媒体において、
優れた耐久性が得られる。
実施例 以下に、本発明を実施例に従ってさらに詳しく説明す
る。
参考例1 ジヒドロキシシリコンナフタロシアニンは、公知の方
法で合成した(J.Am.Chem.Soc.,106,7404−7410(198
4))。ジヒドロキシシリコンナフタロシアニン1g(1.2
9×10-3mol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.
7g(1.3×10-2mol)、P−tert−ブチルカテコール16mg
のテトラリン溶液(40ml)を2時間還流した。室温まで
冷却後、過し不溶物を除去した。液を濃縮しヘキサ
ンで再沈し緑色の粉末を得た。この粉末をクロロホルム
に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
クロロホルムを展開溶媒として溶出した。得られた緑色
溶液を濃縮乾燥し、600mgの緑色粉末を得た(収率47
%)。この緑色粉末は下記分析結果よりビス(2−メタ
クロイルオキシエトキシ)シリコンナフタロシアニンで
あることを確認した。
a) IRスペクトル(KBr) 2926cm-1(νCH),1716cm-1(νC=0), 1627cm-1(νC=C), 1084cm-1(ナフタロシアニン環), 1014cm-1(νSi−0) b) H1NMRスペクトル(ppm,CDCl3) δ値:10.02(8H),8.62(8H),7.93(8H),4.95(2
H),4.84(2H),1.63(4H)1.12(6H),−0.97(4H)
* (*印の4Hは のアンダーランインを付した水素に帰属される。) c) 近赤外−紫外吸収スペクトル(CHCl3) λmax:782nm ε=4.0×105 実施例1 分子鎖末端に水酸基を有する液状クロロプレンゴム
[数平均分子量:5,100,商品名FH−050,(電気化学工
業)]にポリイソシアネート[商品名:コロネートL
(日本ウレタン工業)]を水酸基/イソシアネート基=
0.5になるように混合し、クロロホルムで5倍に希釈し
た。この溶液中に、固形分含量に対して10重量部の可溶
性バナジルフタロシアニン[商品名:IRD−1001(山本化
学合成)]を溶解し、得られた溶液をガラス基板上に塗
布したのち、溶媒を乾燥させた。しかるのち、塗膜を乾
燥器中120℃にて1時間熱処理し、ポリマーの架橋反応
を行った。次いで、参考例1で得たビス(2−メタクリ
ロイルオキシエトキシ)シリコンナフタロシアニン、お
よび光重合開始剤であるベンゾフェノンエチルエーテル
を各々、ビスフェノール−A−ジアクリレートに対して
予め1wt%および10wt%混合したものをトルエンに溶解
し、5wt%の均一混合溶液を得た。かくして得た溶液を
上記架橋塗膜上に塗布することにより、約1μmの厚さ
の皮膜を形成させた。しかる後、この皮膜を静置下、80
mW/cm2の照射エネルギーを持つ高圧水銀灯により10分間
照射することにより皮膜を硬化した。得られた二層構成
媒体に、830nmの発振波長と先頭出力10mWの半導体レー
ザ光を、3m/sの線速度で1MHzのパルス信号として照射し
たところ、媒体表面に直径1.4μmの明瞭な隆起部(バ
ンプ)の形状が認められた。引続き、この記録スポット
上に、780nmの発振波長と先頭出力7mWの半導体レーザ光
を連続光として照射したところ、上記のバンプは顕微鏡
観察では確認できない程度に消滅していた。この結果か
ら、上記の記録媒体は記録・消去の可能な光学情報記録
媒体となりうることが判った。また、この記録・消去の
繰り返しテストを104回行った後も、バンプ形成能は十
分残っていた。
[式中、Yは−CH2CH2−を表わす。] 実施例2 実施例1において、ビス(2−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シリコンナフタロシアニンを用いる代わり
に、ビス(ω−メタクリロイルオキシペンタエチレング
リコキシ)シリコンナフタロシアニンを用いて、同様に
二層媒体を作成した。この媒体に実施例1と同様に発振
波長830nm、強度10mWの記録用レーザ光を2MHzで照射し
たところ、明瞭なバンプ形成が認められた。また、この
バンプは780nm、7mWのレーザ光を3m/秒の線速度で2μ
秒連続照射することにより消去できた。この結果から、
上記の記録媒体は記録・消去の可能な光学情報記録媒体
となりうることが判った。
[式中、Yは(−CH2CH2−)を表わす。] 実施例3 実施例1において、ビス(2−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シリコンナフタロシアニンを用いる代わり
に、ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシジメチル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンを用いて、同様に
二層媒体を作成した。この媒体に実施例1と同様に、83
0nmの発振波長と先頭出力が10mWの半導体レーザ光を、1
MHzのパルス信号として照射したところ、媒体表面に直
径1.3μmの明瞭な隆起部(バンプ)の形成が認められ
た。引続き、この記録スポット上に、同一レーザ光(出
力7mW)を連続照射したところ、上記のバンプは顕微鏡
観察では確認できない程度に消滅していた。この結果か
ら、上記の記録媒体は記録・消去の可能な光学情報記録
媒体となりうることが判った。
実施例4 実施例1において、ビス(2−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シリコンナフタロシアニンを用いる代わり
に、ビス(3−メタクリロイルオキシプロピレンジメチ
ルシロキシ)シリコンナフタロシアニンを用いて、同様
に二層媒体を作成した。この媒体に実施例1と同様に、
830nmの発振波長と先頭出力が10mWの半導体レーザ光
を、1MHzのパルス信号として照射したところ、媒体表面
に直径1.3μmの明瞭な隆起部(バンプ)の形成が認め
られた。引続き、この記録スポット上に、同一レーザ光
(出力7mW)を連続照射したところ、上記のバンプは顕
微鏡観察では確認できない程度に消滅していた。この結
果から、上記の記録媒体は記録・消去の可能な光学情報
記録媒体となりうることが判った。
実施例5 実施例1において、ビス(2−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シリコンナフタロシアニンを用いる代わり
に、ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシジメチル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンを用いて同様に二
層媒体を作成した。この媒体に実施例1と同様に、830n
mの発振波長と先頭出力が10mWの半導体レーザ光を、1MH
zのパルス信号として照射したところ、媒体表面に直径
1.3μmの明瞭な隆起部(バンプ)の形成が認められ
た。引続き、この記録スポット上に、同一レーザ光(出
力7mW)を連続照射したところ、上記のバンプは顕微鏡
観察では確認できない程度に消滅していた。この結果か
ら、上記の記録媒体は記録・消去の可能な光学情報記録
媒体となりうることが判った。
フロントページの続き (72)発明者 岩田 薫 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社東京研究センター内 (56)参考文献 特開 平2−187467(JP,A) 特開 昭59−62188(JP,A) 特開 昭59−71894(JP,A) 特開 平3−120085(JP,A) 特開 昭63−17090(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少くとも室温でゴム弾性を示す
    樹脂(P1)と色素(D1)とからなる膨張層(A)と、室
    温でガラス状態、それより高い温度でゴム状態に可逆的
    に変化し得る樹脂(P2)と色素(D2)とからなる保持層
    (B)とを、支持してなる光記録媒体において、該膨脹
    層(A)及び保持層(B)の少くとも一方が、(メタ)
    アクリロイル基を含むナフタロシアニン色素と(メタ)
    アクリロイル基を含む樹脂との架橋体からなることを特
    徴とする書き替え可能な光記録媒体。
  2. 【請求項2】上記ナフタロシアニン色素が下記一般式で
    示されるシリコンナフタロシアニンである請求項1記載
    の書き替え可能な光記録媒体。 「式中、Rは下記一般式: (式中、nは1〜3の整数、R1は炭素数2〜6のn+1
    価の脂肪族炭化水素基、R2は水素原子またはメチル基、
    R3は炭素数1〜4のアルキル基または R4は炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、R5は炭素
    数1〜4のアルキル基または を表わす)」
  3. 【請求項3】上記架橋体が(メタ)アクリロイル基を含
    むナフタロシアニン色素(メタ)アクリロイル基を含む
    樹脂との混合物を塗工後、紫外線照射することを特徴と
    する請求項1または2の書き替え可能な光記録媒体の製
    造法。
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