JP3007069B2 - 無線パケット転送方法 - Google Patents

無線パケット転送方法

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JP3007069B2
JP3007069B2 JP10053941A JP5394198A JP3007069B2 JP 3007069 B2 JP3007069 B2 JP 3007069B2 JP 10053941 A JP10053941 A JP 10053941A JP 5394198 A JP5394198 A JP 5394198A JP 3007069 B2 JP3007069 B2 JP 3007069B2
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正孝 飯塚
斉 高梨
正博 守倉
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    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
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  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線パケット通
信における無線パケット転送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の無線パケット転送方法と
して以下のものがあった。
【0003】(1)Range LAN2 自動切り替え
方法 Range LAN2は、2.4GHz帯の無線LAN
製品である。このRange LAN2では、送信元無
線端末が無線基地局を介して宛先無線端末にパケットを
転送する中継転送方法または送信元無線端末が直接宛先
無線端末にパケットを転送する直接転送方法を選択的に
使用してパケット転送が行われる。また、この場合に中
継転送方法と直接転送方法のいずれによりパケット転送
を行うかは、送信元無線端末側で自動的に切り替えられ
る。さらに詳述すると、次の通りである。
【0004】送信元の無線端末は、他の無線端末宛てに
転送すべきパケットが生じた場合、まず、直接転送方法
により、当該宛先無線端末へ当該パケットを直接転送す
る。その後、送信元無線端末は、一定期間内に宛先無線
端末からの応答信号を受信しない場合にはパケットを再
送する。そして、送信元無線端末は、パケットを3回送
信しても応答信号を受信しない場合には、当該宛先無線
端末に対するパケット転送の方法を中継転送方法に切り
替えるのである。以後、送信元無線端末は、当該宛先無
線端末に対しては中継転送方法によりパケットの転送を
行い、一定期間継続して当該宛先無線端末との間でパケ
ット転送が行われない場合に、当該宛先無線端末に対す
るパケット転送の方法を再び直接転送方法に切り替え
る。
【0005】(2)フラグメント分割送信方法 IEEE802.11委員会では、無線LANの標準規
格の策定が進められている。そして、同委員会において
策定された標準規格案では、フラグメント分割送信方法
をサポートしている。このフラグメント分割送信方法で
は、無線端末がパケットを送信する場合において当該パ
ケットが予め定められた閾値(フラグメント閾値)を越
える場合、パケット長がこのフラグメント閾値以下とな
るように当該パケットを分割して送信する。なお、この
技術に関連する参考文献として、“IEEE P202.11,D
raft Standard For Wireless LAN Medium Access Contr
ol(MAC) and Physical Layer (PHY) Specification, D
6.1”がある。
【0006】(3)RTS/CTSランダムアクセス方
法 上記IEEE802.11委員会において策定された無
線LANの標準規格案では、上記フラグメント分割送信
方法の他、RTS/CTSランダムアクセス方法をサポ
ートしている。
【0007】このRTS/CTSランダムアクセス方法
では、無線端末がパケットを送信する場合において当該
パケットのパケット長が予め定められた閾値(RTS閾
値)を越える場合、無線チャネルの予約を要求するため
のRTS(Request To Send)信号に送信元無線端末の
識別子(送信元アドレス)とパケット長を付与して宛先
無線端末または無線基地局に送信する。
【0008】宛先無線端末または無線基地局は、このR
TS信号を受信すると、無線チャネルの予約要求を許可
し、これを他の無線端末または無線基地局に報知するた
めに、RTS信号の送信元アドレスを許可アドレスと
し、パケット長を予約期間として、CTS(Clear To S
end)信号に付与して送信する。
【0009】RTS信号を送信した送信元無線端末は、
このCTS信号を受信すると、CTS信号によって示さ
れる許可アドレスと当該送信元無線端末のアドレスとが
一致しているか否かを判定する。そして、両アドレスが
一致している場合にはパケットを送信し、一致していな
い場合には予約期間が終了するまではパケットおよびR
TS信号の送信を行わない。
【0010】この方法によれば、受信側がCTS信号に
より無線チャネルの予約を報知した後、送信側がパケッ
トを送信するため、いわゆる隠れ端末の問題を解決する
ことができる。なお、この方法に関する参考文献とし
て、既に挙げた“IEEE P202.11,Draft Standard Fo
r Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Phy
sical Layer (PHY) Specification, D6.1”がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した各
従来技術には以下の問題があった。
【0012】(1)Range LAN2 自動切り替え
方法の問題
【0013】直接転送を行うことができない2台の無
線端末でパケット転送を行う場合にパケット転送が終了
するまでの所要時間の増加および無線パケットシステム
全体のスループットの劣化が生じる。
【0014】例えば図45はこのような問題が生じる状
況の一例を示すものである。この図45に示す例では、
無線端末aと無線端末bとの間に遮蔽物Sが介在してお
り、両者は直接転送することができない。このような場
合において、例えば無線端末aがRange LAN2
自動切り替え方法に従って無線端末b宛てにパケットを
送信するものとすると、無線端末aは直接転送方法によ
るパケット転送を3回試みた後、無線基地局10を経由
した中継転送方法に切り替えを行うこととなるため、パ
ケット転送が最終的に成功するまでの所要時間が長くな
ってしまうのである。また、直接転送方法により3回の
パケット転送が行われるため、無線チャネル資源が無駄
に消費され、無線パケットシステム全体のスループット
が劣化するという問題が生じるのである。また、以上の
各問題は、無線基地局が有線パケット網に接続されたネ
ットワーク構成においても生じる。この場合、無線基地
局のサービスエリアに在圏する無線端末は、有線端末と
直接転送を行うことはできない。しかし、Range
LAN2 自動切り替え方法に従うものとすると、この
ような場合でも無線端末は有線端末宛てに3回直接転送
を試みた後、中継転送方法への切り替えを行うこととな
るため、パケット転送の所要時間の増加および無線パケ
ットシステム全体のスループットの劣化の問題が生じる
のである。
【0015】一旦、直接転送方法から中継転送方法へ
の切り替えが行われると、その後、送信元無線端末にと
って直接転送可能な位置に宛先無線端末が移動したとし
ても、送信元無線端末と宛先無線端末との間の通信が一
定期間以上連続して途絶えない限り、直接転送方法への
切り替えが行われない。従って、本来直接転送可能であ
る無線端末同士が無駄に無線基地局を使用して通信を行
うこととなり、無線基地局を経由することによるパケッ
ト転送時間の増加および無線チャネル資源の消費による
転送効率の低下を招くという問題がある。
【0016】パワーセーブモードに関連した問題 無線端末が、受信機の起動と停止を周期的に繰り返すパ
ワーセーブモードで動作しているときに、当該無線端末
宛てにパケットが転送される場合がある。かかる場合に
おいて、無線端末の受信機が停止状態にある期間に当該
無線端末にパケットが転送されてくると、パケットの受
信が行われず、結果として無線チャネルが無駄に消費さ
れ、無線パケットシステム全体のスループットの劣化が
生じるという問題がある。
【0017】無線端末の認証に関連した問題 Range LAN2 自動切り替え方法に従うものとす
ると、無線端末が、認証を拒否した他の無線端末に直接
転送方法によりパケットを転送するということが起こり
得る。この場合、パケットは、認証を拒否した無線端末
側で廃棄されることとなるため、結果として無線チャネ
ルが無駄に消費され、無線パケットシステム全体のスル
ープットの劣化が生じるという問題がある。
【0018】ブロードキャストを行う場合の問題 複数の無線端末に対して同一のパケットを一斉に転送す
るブロードキャストが行われる場合がある。このブロー
ドキャストが行われる無線パケットシステムに上記Ra
nge LAN2 自動切り替え方法を適用するものとす
ると、ブロードキャストの対象であるパケット(ブロー
ドキャストパケット)が、まず、直接転送方法により各
無線端末に転送されることとなるため、送信元無線端末
から見て直接転送することが不可能な位置に所在する無
線端末は、ブロードキャストパケットを受信することが
できないという問題がある。
【0019】無線基地局の切り替えが生じる場合の問
題 無線端末が移動し、在圏先である無線基地局が切り替わ
る場合がある。この場合、移動前において、ある宛先無
線端末に対し直接転送方法によりパケット転送を行って
いた無線端末は、移動後、同じ宛先無線端末に対しては
直接転送方法によりパケット転送を行うこととなる。し
かし、無線基地局の切り替えにより、宛先無線端末との
間で直接転送方法によるパケット転送が困難になること
があり、その場合には直接転送が失敗に終わり、無線チ
ャネル資源が無駄に消費され、無線パケット転送システ
ム全体のスループットが劣化するという問題がある。ま
た、無線基地局の切り替えに伴って通信に使用するチャ
ネル周波数が変化したとき、切り替え前に直接転送方法
によりパケットを転送していた宛先無線端末に対し、切
り替え後に新たなチャネル周波数で直接転送方法により
パケットを転送した場合に失敗に終わることがある。こ
の場合も、無線チャネル資源が無駄に消費され、無線パ
ケット転送システム全体のスループットが劣化するとい
う問題がある。
【0020】(2)フラグメント分割送信方法の問題 一般に無線パケット転送においては、パケット長が長く
なるにつれて無線伝送路においてパケット誤りが生じる
確率が高くなる。フラグメント分割方法によれば、フラ
グメント閾値を越えるパケットについては、パケット長
がフラグメント閾値以下になるように分割してから送信
を行うので、この問題を解決することができる。
【0021】しかし、パケットを分割して送信する場
合、分割後の各パケットにはヘッダが付与されるため、
スループットが劣化する要因となる。
【0022】従って、フラグメント分割送信方法を適用
する場合には、その対象となる無線パケット転送システ
ムの無線伝送路における誤り率を考慮し、誤り率が大き
い場合にはフラグメント閾値を小さくし、誤り率が小さ
い場合にはフラグメント閾値を大きくすることが望まれ
る。
【0023】ところで、無線パケット転送システムにお
いて、無線基地局は一般に天井等の無線端末を見通せる
位置に設置される。一方、無線端末は、机上等、専ら低
い位置で使用される。従って、無線端末と無線端末との
間の伝送路は、無線端末と無線基地局との間の伝送路に
比べて誤り率が大きい。
【0024】従って、無線端末が中継転送方法と直接転
送方法を切り替えて使用する無線パケット転送システム
において、フラグメント閾値を無線端末と無線基地局と
の間の伝送路に適した値にすると、直接転送方法による
パケット転送時にパケット誤り率が大きくなりスループ
ットが低下するという問題がある。逆にフラグメント閾
値を無線端末と無線端末との間の伝送路に適した値にす
ると、中継転送方法によるパケット転送時にパケット分
割によるオーバヘッドによりスループットが低下すると
いう問題がある。
【0025】(3)RTS/CTSランダムアクセス方
法の問題 RTS/CTSランダムアクセス方法によれば、受信局
がCTS信号を送信して無線伝送路の予約を宣言するの
で、いわゆる隠れ端末問題を解決してスループットを向
上することができる。しかし、この方法の場合、RTS
信号とCTS信号の授受が必要であり、これによるオー
バヘッドがスループット劣化の要因となる。
【0026】従って、RTS/CTSランダムアクセス
方法を適用する場合には、その対象となる無線パケット
転送システムにおいて隠れ端末の発生する確率を考慮
し、隠れ端末の発生する確率が大きい場合にはRTS閾
値を小さくして隠れ端末による影響を防止し、隠れ端末
の発生する確率が小さい場合にはRTS閾値を大きくし
てRTS信号およびCTS信号の授受に係るオーバヘッ
ドを抑制し、スループットを高めることが望まれる。
【0027】ところで、上述したように、無線基地局は
一般に天井等の無線端末を見通せる位置に設置され、無
線端末は、机上等、専ら低い位置で使用される。従っ
て、無線端末と無線端末との間の伝送路は、無線端末と
無線基地局との間の伝送路に比べて電波遮蔽物の影響を
受けやすく、隠れ端末が生じる確率が高い。
【0028】従って、無線端末が中継転送方法と直接転
送方法を切り替えて使用する無線パケット転送システム
において、RTS閾値を無線端末と無線基地局との間の
伝送路に適した値にすると、直接転送方法によるパケッ
ト転送時に隠れ端末が生じやすくなりスループットが低
下するという問題がある。逆にRTS閾値を無線端末と
無線端末との間の伝送路に適した値にすると、中継転送
方法によるパケット転送時にRTS信号およびCTS信
号の授受に係るオーバヘッドによりスループットが低下
するという問題がある。
【0029】以上が上述した各従来技術が有している諸
問題である。
【0030】この発明は、以上の事情に鑑みてなされた
ものであり、その第1の目的は、直接転送方法によるパ
ケット転送が失敗に終わる可能性が低く、その一方、可
能な限り直接転送方法によるパケット転送を行うことが
できる無線パケット転送方法を提供することにある。
【0031】また、この発明の第2の目的は、宛先無線
端末がパワーセーブモードで動作しているとき直接転送
方法によるパケット転送が行われると受信されないとい
う問題点を解決し、高いスループットが得られ、かつ、
可能な限り短いパケット転送時間でパケット転送を行う
ことができる無線パケット転送方法を提供することにあ
る。
【0032】また、この発明の第3の目的は、宛先無線
端末が認証が成功しないとき直接転送方法によりパケッ
トを送信すると宛先無線端末側で廃棄されるという問題
点を解決し、高いスループットが得られ、かつ、可能な
限り短いパケット転送時間でパケット転送を行うことが
できる無線パケット転送方法を提供することにある。
【0033】また、この発明の第4の目的は、ブロード
キャストパケットを直接転送方法により転送したとき、
直接転送が可能な位置に所在していない無線端末がブロ
ードキャストパケットを受信できないという問題を解決
し、ブロードキャストパケットの転送を高い信頼性で行
うことができる無線パケット転送方法を提供することに
ある。
【0034】また、この発明の第5の目的は、ある宛先
無線端末に対して直接転送方法によりパケット転送を行
っている送信元無線端末が無線基地局の切り替えを行っ
た場合において、当該送信元無線端末が切り替え前と同
じ宛先無線端末に対して直接転送方法によりパケット転
送を行うと転送が失敗に終わる場合があるという問題点
を解決し、高いスループットが得られ、かつ、可能な限
り短いパケット転送時間でパケット転送を行うことがで
きる無線パケット転送方法を提供することにある。
【0035】また、この発明の第6の目的は、フラグメ
ント分割方法を適用した場合におけるスループットの改
善効果の劣化の問題点を解決し、高いスループットが得
られ、かつ、可能な限り短いパケット転送時間でパケッ
ト転送を行うことができる無線パケット転送方法を提供
することにある。
【0036】また、この発明の第7の目的は、RTS/
CTSランダムアクセス方法を適用した場合におけるス
ループットの改善効果の劣化の問題点を解決し、高いス
ループットが得られ、かつ、可能な限り短いパケット転
送時間でパケット転送を行うことができる無線パケット
転送方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るためには、直接転送方法によるパケット転送が成功す
る可能性が高い無線端末のみを対象として、直接転送方
法によるパケット転送を行い、直接転送方法によるパケ
ット転送が失敗する可能性がある無線端末については予
め直接転送方法の適用対象から除外する手段が望まれ
る。
【0038】また、一般に無線端末は移動し得るもので
あるため、ある時点において宛先無線端末に対して行っ
た直接転送が成功したとしても、その後の別の時点にお
いて同じ宛先無線端末に対して行う直接転送が成功する
とは限らない。逆に、ある時点において宛先無線端末に
対して行った直接転送が失敗したとしても、その後の別
の時点において同じ宛先無線端末に対して行う直接転送
が成功する場合もある。すなわち、直接転送方法による
パケット転送が成功する可能性が高い無線端末とは、固
定されたものではないのである。
【0039】従って、ある無線端末が直接転送方法によ
るパケット転送が成功する可能性が高い無線端末となっ
た場合にはこれを直ちに直接転送方法の適用対象に含
め、ある無線端末が直接転送方法によるパケット転送が
失敗する可能性が高い無線端末となった場合にはこれを
直ちに直接転送方法の適用対象から除外する何等かの手
段が望まれるのである。
【0040】請求項1に係る発明は、このような考えに
従ってなされたものであり、無線端末が他の無線端末に
宛ててパケットを送信する場合に、送信元無線端末が無
線基地局に対してパケットを送信し、無線基地局が
先無線端末に該パケットを送信する中継転送方法、また
は、前記送信元無線端末が前記宛先無線端末に前記パケ
ットを直接送信する直接転送方法のいずれかを選択し、
選択した方法により前記パケットの転送を行い、前記宛
先無線端末および前記無線基地局は前記パケットを誤り
なく受信した場合に応答信号を前記送信元無線端末へ送
信し、前記送信元無線端末は、前記パケットの送信後一
定期間内に前記応答信号を受信した場合にはパケット送
信完了と判断し、前記パケットの送信後一定期間内に前
記応答信号を受信しない場合にはパケット送信不完了と
判断して前記パケットの再送を行う無線パケット転送方
法において、 前記無線端末は、 a.前記直接転送方法の適用が可能な無線端末を特定す
る直接転送テーブルを記憶し、 b.任意の他の無線端末宛てに前記パケットを転送する
とき、前記宛先無線端末が前記直接転送テーブルに登録
されていない場合には前記中継転送方法により前記パケ
ットの転送を行い、前記宛先無線端末が前記直接転送テ
ーブルに登録されている場合には前記直接転送方法によ
前記パケットの転送を行い、 c.任意の無線端末宛てに送信されたパケットの自局に
おける受信状況に基づき、パケットの送信元無線端末
が前記直接転送テーブルに登録されるための登録条件を
満たすか否かの判定を行い、前記登録条件を満たす場合
送信元無線端末を前記直接転送テーブルに登録し、 d.自局が前記直接転送テーブルに登録された無線端末
宛てパケットを送信した場合の送信結果および前記
直接転送テーブルに登録された無線端末が任意の無線端
末宛てに送信したパケットの自局における受信状況に基
づき、前記直接転送テーブルに登録された無線端末の登
録を抹消するための登録抹消条件を満たすか否かの判定
を行い、前記登録抹消条件を満たす場合に前記直接転送
テーブルに登録された無線端末の無線端末の登録を抹消
することを特徴とする無線パケット転送方法を要旨とす
る。
【0041】かかる発明によれば、直接転送方法による
パケット転送を行った場合に成功する可能性の高い無線
端末のみを直接転送テーブルに登録することができ、こ
の登録した無線端末のみを対象として、直接転送方法に
よるパケット転送を試みることができる。
【0042】本発明において、「パケット転送を行った
場合に成功する可能性の高い無線端末」か否かは、当該
無線端末から「任意の無線端末宛てに送信されたパケッ
トの自局における受信状況」に基づいて判定される。す
なわち、ある無線端末から送信されたパケットの自局に
おける受信状況が良好なものである場合には、自局から
直接転送方法により当該無線端末にパケットを転送した
場合にも当該無線端末側では良好な受信状況でパケット
の受信が行われるはずである。そこで、パケットの受信
状況が良好である場合には当該パケットの送信元無線端
末が上記「登録条件」を満たすと判定し、直接転送テー
ブルに登録するのである。
【0043】何を以て「受信状況」が良好であるとする
かについては、様々な基準が考えられるが、例えばパケ
ットの受信レベルが十分に大きいこと、あるいは十分な
受信レベルで受信が行われる頻度が高いこと、あるいは
受信データの誤り率が低いこと等が挙げられる。
【0044】また、本発明において、ある無線端末を直
接転送テーブルに登録するか否かの判定は、自局宛ての
パケットのみならず、他の無線端末をも含む「任意の無
線端末宛てに送信されたパケット」の受信状況に基づい
て行われる。従って、本発明によれば、ある無線端末が
上記「登録条件」を満たすものとなった場合に、極力早
期に直接転送テーブルへの登録を行うことができる。
【0045】また、無線端末の移動等により、一旦、直
接転送テーブルに登録された無線端末が直接転送方法の
適用対象として相応しいものでなくなる場合があり、か
かる場合には直接転送テーブルにおける当該無線端末の
登録を抹消する必要がある。この登録抹消の契機となる
のが、上記「登録抹消条件」を満たすか否かの判定であ
り、かかる判定は「自局が前記直接転送テーブルに登録
された無線端末宛てにパケットを送信した場合の送信結
果または任意の無線端末から当該無線端末宛てに送信し
たパケットを自局が受信した場合の受信状況の少なくと
も一方」に基づき行われる。
【0046】本発明においては、以上のような直接転送
テーブルに対する登録および登録抹消の手続が随時行わ
れることにより、直接転送方法によるパケット転送を行
った場合に成功する可能性が高い無線端末が常に直接転
送テーブルに登録され、この登録された無線端末のみを
対象として直接転送方法によるパケット転送が行われる
こととなるのである。
【0047】従って、本発明によれば、直接転送方法に
よるパケット転送が失敗に終わる可能性が低く、その一
方、可能な限り直接転送方法によるパケット転送を行う
ことができ、高いスループットが得られ、かつ、可能な
限り短い転送時間でパケット転送を行うことができる。
【0048】さて、上述したように「受信状況」に基づ
く「登録条件」を満たすか否かの判定は、各種の方法に
より行うことができるが、例えば以下の方法が最も簡便
かつ的確な方法と考えられる。
【0049】無線端末は、任意の無線端末宛てに送信
されたパケットを、同一の送信元無線端末で閾値L1以
上の受信レベルで、連続m1回受信した場合に、その送
信元である無線端末が前記登録条件を満たすものと判定
する(請求項2)。 任意の無線端末宛てに送信されたパケットを、同一の
送信元無線端末で閾値L1以上の受信レベルで、P1回
中Q1回(P1≧Q1)受信したとき、その送信元であ
る無線端末が前記登録条件を満たすものと判定する(請
求項3)。 任意の無線端末宛てに送信されたパケットを、同一の
送信元無線端末で閾値L1以上の受信レベルで、連続m
1回またはP1回中Q1回(P1≧Q1)受信したと
き、その送信元である無線端末が前記登録条件を満たす
ものと判定する(請求項4)。
【0050】上記各方法によれば、上記閾値L1を所要
パケット誤り率を満足する受信レベルとすることによ
り、自局が直接転送方法によりパケットを転送した場合
に所要パケット誤り率を満たす通信品質で転送し得る無
線端末のみを直接転送テーブルに登録し、直接転送方法
の適用対象とすることができる。
【0051】また、上記「登録抹消条件を満たすか否か
の判定」の方法も、各種の方法が考えられるが、例えば
以下のものが簡便かつ的確な方法と考えられる。
【0052】前記直接転送方法によりパケットの転送
を行い、同一の送信元無線端末が連続m2回、パケット
送信不完了と判断した場合に、その宛先である無線端末
が前記登録抹消条件を満たすものと判定する(請求項
5)。 前記直接転送方法によりパケットの転送を行い、同一
の送信元無線端末がP2回中Q2回(P2≧Q2)、パ
ケット送信不完了と判断した場合に、その宛先である無
線端末が前記登録抹消条件を満たすものと判定する(請
求項6)。 前記直接転送方法によりパケットの転送を行い、同一
の送信元無線端末が連続m2回あるいはP2回中Q2回
(P2≧Q2)、パケット送信不完了と判断した場合
に、その宛先である無線端末が前記登録抹消条件を満た
すものと判定する(請求項7)。
【0053】前記直接転送テーブルに登録された無線
端末が任意の無線端末宛てに送信したパケットを、同一
の送信元無線端末が閾値L2未満の受信レベルで、連続
m3回受信したとき、その送信元である無線端末が前記
登録抹消条件を満たすものと判定する(請求項8)。 前記直接転送テーブルに登録された無線端末が任意の
無線端末宛てに送信したパケットを、同一の送信元無線
端末が閾値L2未満の受信レベルで、P3回中Q3回
(P3≧Q3)受信したとき、その送信元である無線端
末が前記登録抹消条件を満たすものと判定する(請求項
9)。 前記直接転送テーブルに登録された無線端末が任意の
無線端末宛てに送信したパケットを、同一の送信元無線
端末が閾値L2未満の受信レベルで、連続m3回あるい
はP3回中Q3回(P3≧Q3)受信したとき、その送
信元である無線端末が前記登録抹消条件を満たすものと
判定する(請求項10)。
【0054】一定期間、前記直接転送テーブルに登録
された無線端末が任意の無線端末宛てに送信したパケッ
トを受信せず、かつ、当該登録された無線端末に対して
パケットの転送を行ってパケット送信完了となることが
1回もないとき、当該登録された無線端末が前記登録抹
消条件を満たすものと判定する(請求項11)。
【0055】上記各方法を採用した場合の効果について
説明すると次の通りである。
【0056】直接転送に失敗した場合、その直後に同じ
宛先無線端末に直接転送を行ったとしても失敗する可能
性が極めて高い。上記〜によれば、そのような直接
転送に失敗する可能性が極めて高い無線端末の登録を抹
消し、直接転送の対象から除外することができる。
【0057】上記〜を採用した場合には、登録条件
の判定に使用する閾値L1と登録抹消条件の判定に使用
する閾値L2を調整することにより以下の特有の効果が
得られる。まず、L1=L2とすると、直接転送テーブ
ルに登録された無線端末が直接転送時に所要の品質を満
たさない位置に移動したとき、登録を抹消し、中継転送
方法に切り替えることにより、通信品質を維持し、スル
ープットを高めることができる。また、L2を所要のパ
ケット誤り率を満足する受信レベルとし、L1>L2と
すると、直接転送と中継転送の切り替え頻度を抑制する
ことができ、切り替えに伴う処理負荷によって無線端末
に与えられる影響を抑制することができる。
【0058】上記を採用した場合には、直接転送が可
能な位置から遠くに離れてしまった可能性の高い無線端
末の直接転送テーブルにおける登録を抹消し、当該無線
端末については中継転送に切り替えるため、無駄なパケ
ット転送を防止し、スループットを高めることができ
る。
【0059】なお、以上説明した登録抹消条件に関する
各判定方法は、判定の正確さを高めるため、複数種類の
ものを併用してもよい。
【0060】次に、請求項12に係る発明は、前記無線
端末は、受信機の起動と停止を周期的に繰り返すパワー
セーブモードにおける前記受信機の起動と停止の周期を
予め前記無線基地局に通知し、通信中に、前記受信機を
起動状態のまま維持するアクティブモードから前記パワ
ーセーブモードへ、あるいは逆に前記パワーセーブモー
ドから前記アクティブモードへの切り換えを行う場合に
は前記無線基地局にモード切り換えの通知を行い、他の
無線端末宛てにパケットの転送を行う場合において当該
宛先無線端末が前記パワーセーブモードにある場合に
は、前記直接転送テーブルに当該宛先無線端末が登録さ
れているか否かに拘わらず、前記中継転送方法により当
該パケットの転送を行うことを特徴とする請求項1〜1
1のいずれか1の請求項に記載の無線パケット転送方法
を要旨とする。
【0061】かかる発明によれば、宛先無線端末がパワ
ーセーブモードで動作しているときは、当該宛先無線端
末がたとえ直接転送テーブルに登録されていたとして
も、中継転送方法が適用される。従って、本発明によれ
ば、上記請求項1〜12に係る発明の効果に加え、パワ
ーセーブモードで動作している宛先無線端末に直接転送
方法によるパケット転送を行って失敗するという事態を
避けることができ、スループットの向上を図ることがで
きるという効果が得られる。
【0062】請求項13に係る発明は、前記無線端末
は、他の無線端末にパケットを転送するときに、当該他
の無線端末との間で認証を行い、認証に成功しない場合
には、当該他の無線端末が前記直接転送テーブルに登録
されているか否かに拘わらず、前記中継転送方法によ
り、当該他の無線端末へのパケット転送を行うことを特
徴とする請求項1〜12のいずれか1の請求項に記載の
無線パケット転送方法を要旨とする。
【0063】宛先無線端末が認証を拒否したとき直接転
送方法によりパケットを送信すると宛先無線端末側で廃
棄されるという問題点が解決され、これにより高いスル
ープットが得られ、かつ、可能な限り短いパケット転送
時間でパケット転送を行うことができる。
【0064】請求項14に係る発明は、前記無線端末
は、ブロードキャストによるパケットの転送を行う場合
には、前記中継転送方法により当該パケットの転送を行
うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1の請求
項に記載の無線パケット転送方法を要旨とする。
【0065】かかる発明によれば、ブロードキャストパ
ケットを転送するときは、中継転送方法が適用され、ユ
ニキャストパケットを転送するときは請求項1〜13に
係る方法に従うこととなる。従って、本発明によれば、
上記請求項1〜13に係る発明の効果に加え、直接転送
を行った場合にブロードキャストパケットを受信できな
い無線端末に対しても中継転送によりパケット転送を行
うことができ、パケット転送を信頼性を高めることがで
きるという効果が得られる。
【0066】請求項15に係る発明は、前記無線端末
は、前記無線基地局のサービスエリアの圏内に位置する
か圏外に位置するかを検出し、前記無線基地局のサービ
スエリアの圏外に位置する場合には前記直接転送方法に
よりパケットの転送を行うことを特徴とする請求項1〜
14のいずれか1の請求項に記載の無線パケット転送方
法を要旨とする。
【0067】かかる発明によれば、無線端末が無線基地
局のサービスエリアの圏外に位置する場合には、宛先無
線端末が直接転送テーブルに登録されているか否かに拘
わらず、直接転送方法によりパケットの転送を行うの
で、中継転送方法による無駄なパケット転送を防止する
ことができ、スループットの向上とパケット転送時間の
短縮を図ることができるという効果が得られる。
【0068】請求項16に係る発明は、前記無線端末
は、在圏先である無線基地局の切り替えに伴って、前記
直接転送テーブルにおける全ての無線端末の登録を抹消
することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1の請
求項に記載の無線パケット転送方法を要旨とする。
【0069】従来技術においては、ある宛先無線端末に
対して直接転送方法によりパケット転送を行っている送
信元無線端末が無線基地局の切り替えを行った場合にお
いて、当該送信元無線端末が切り替え前と同じ宛先無線
端末に対して直接転送方法によりパケット転送を行うと
転送が失敗に終わる場合があるという問題があったが、
本発明によれば、無線基地局の切り替えを行った後は、
まず、中継転送方法が適用されるため、この問題を解決
することができる。
【0070】請求項17に係る発明は、無線基地局と複
数の無線端末で無線パケット通信を行い、無線端末がパ
ケットを送信するとき、当該パケットのパケット長が予
め設定されたフラグメント閾値を越える場合には、パケ
ット長が前記フラグメント閾値以下となるように当該パ
ケットを分割して送信する無線パケット転送方法におい
て、前記無線端末は、前記無線基地局に対してパケット
を送信し、当該無線基地局が宛先無線端末に当該パケッ
トを送信する中継転送方法によるパケット転送を行う場
合と、当該宛先無線端末に当該パケットを直接送信する
直接転送方法によるパケット転送を行う場合とで各々別
個のフラグメント閾値を使用することを特徴とする無線
パケット転送方法を要旨とする。
【0071】かかる発明によれば、中継転送方法の場合
と直接転送方法の場合とで各々に適したフラグメント閾
値を使用することができるので、スループットの向上を
図ることができる。
【0072】請求項18に係る発明は、無線基地局と複
数の無線端末で無線パケット通信を行い、無線端末がパ
ケットを送信するとき、当該パケットのパケット長が予
め設定されたRTS閾値を越える場合には、RTS信号
に自局の識別子と前記パケット長を付与して宛先無線端
末または前記無線基地局に送信し、前記宛先無線端末ま
たは前記無線基地局は、前記RTS信号の送信元無線端
末による前記パケットの転送を許可する場合には、当該
RTS信号に付与された識別子およびパケット長を各々
許可アドレスおよび予約期間としてCTS信号に付与し
て送信し、RTS信号の送信を行った無線端末は、自局
のアドレスを許可アドレスとして含むCTS信号を受信
した場合に前記パケットを送信し、自局のアドレスを許
可アドレスとして含まないCTS信号を受信した場合に
は当該CTS信号に付与された予約期間に相当する期間
が終了するまでRTS信号およびパケットの送信を見送
る無線パケット転送方法において、前記無線端末は、前
記無線基地局に対してパケットを送信し、当該無線基地
局が宛先無線端末に当該パケットを送信する中継転送方
法によるパケット転送を行う場合と、当該宛先無線端末
に当該パケットを直接送信する直接転送方法によるパケ
ット転送を行う場合とで各々別個のRTS閾値を使用す
ることを特徴とする無線パケット転送方法を要旨とす
る。
【0073】かかる発明によれば、中継転送方法の場合
と直接転送方法の場合とで各々に適したRTS閾値を使
用することができるので、スループットの向上を図るこ
とができる。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。
【0075】A.本発明の各実施形態が適用されるネッ
トワークの構成例 図1は、本発明の各実施形態が適用されるネットワーク
の構成例を示すものである。このネットワークにおい
て、各無線基地局10、10、…は、複数の無線端末を
収容する。無線基地局10と有線端末20は、イーサネ
ット30により接続されている。無線端末1、2、3、
4、…とホスト(図示略)との通信はいずれかの無線基
地局を介して行われる。また、無線基地局10、10、
…は、自局が収容する無線端末のMACアドレスを収容
端末テーブル11に各々記憶する。
【0076】B.第1の実施形態 本実施形態は、請求項1に係る無線パケット転送方法を
実施する無線パケット転送システムの実施形態であっ
て、上記「登録条件」に関する判定を請求項2に係る発
明に従って行い、上記「登録抹消条件」に関する判定を
請求項5に係る発明に従って行うものである。
【0077】図2は本実施形態において無線端末と無線
端末との間および無線端末と無線基地局との間で授受さ
れる無線パケットのフォーマットを示すものであり、図
2(a)はデータパケットのフォーマットを、図2
(b)はACK信号(応答信号)のフォーマットを示し
ている。図2(a)に示すように、データパケットは、
ヘッダと、データと、フレームチェックシーケンスFC
Sとによって構成されている。
【0078】そして、ヘッダは、宛先アドレスDAと、
送信元アドレスSAと、パケット種別(データパケット
の場合はパケット種別は“0000”)と、転送種別と
を含んでいる。
【0079】ここで、宛先アドレスDAは、宛先の無線
端末または有線端末のMACアドレスである。また、送
信元アドレスSAは、送信元の無線端末または有線端末
のMACアドレスである。また、転送種別は、当該パケ
ットの転送方法を特定する情報であり、当該パケットが
直接転送方法を実施すべく無線端末から送信されるもの
である場合には“00”とされ、中継転送方法を実施す
べく無線端末から送信されるものであるの場合には“0
1”とされ、中継転送方法を実施すべく無線基地局から
送信される場合には“10”とされる。
【0080】また、ACK信号は、図2(b)に示すよ
うに、宛先アドレスDAと、パケット種別(ACK信号
の場合はパケット種別は“0001”)と、フレームチ
ェックシーケンスFCSとにより構成されている。
【0081】図3は、本実施形態における無線端末のデ
ータパケットの受信動作の例を示すフローチャートであ
る。本実施形態において各無線端末は、図4に例示する
直接転送テーブルを記憶している。この直接転送テーブ
ルは、当該無線端末から直接転送方法によりパケット転
送を行うことが可能であると判定された無線端末のMA
Cアドレスを構成要素とするものである。本実施形態に
おける無線端末の受信動作では、この直接転送テーブル
に対する無線端末のMACアドレスの登録が行われる。
この動作例では、直接転送テーブルに対し無線端末を登
録を行うか否かの「登録条件」についての判定は、請求
項2に係る発明においてm1=1とした方法を採用して
いる。勿論、m1を2以上としてもよく、そのような態
様で実施し得るように図3のフローを変更することは当
業者であれば容易に成し得ることである。以下、図3に
示すフローを参照し、その詳細について説明する。
【0082】無線端末はデータパケットを受信すると、
まず、フレームチェックシーケンスFCSが正常か否か
を判定する(ステップS101)。この判断結果が「N
O」である場合には当該パケットを廃棄(ステップS1
10)後、受信処理を終了し、「YES」である場合に
はステップS102へ進む。
【0083】次にステップS102に進むと、受信した
データパケットの転送種別が“10”か否かを判断し、
転送種別が“10”である場合にはステップS106に
進み、“10”でない場合にはステップS103に進
む。
【0084】次にステップS103に進むと、当該デー
タパケットの受信レベルが閾値L1以上であるか否かを
判断し、この判断結果が「NO」である場合にはステッ
プS106に進み、「YES」の場合にはステップS1
04に進む。
【0085】次にステップS104に進むと、当該デー
タパケットの送信元アドレスが直接転送テーブルに登録
されているか否かを判断し、この判断結果が「YES」
の場合にはステップS106に進み、「NO」の場合は
ステップS105に進む。次にステップS105に進む
と、当該データパケットの送信元アドレスを直接転送テ
ーブルに登録する。そして、ステップS106に進む。
【0086】このように、データパケットの受信が行わ
れた場合には、その転送種別が“00”または“01”
であり(すなわち、当該データパケットが他の無線端末
から直接転送方法または中継転送方法により送信された
ものであり)、かつ、その受信レベルが閾値L1以上で
ある場合に、当該データパケットの送信元である無線端
末のアドレスが直接転送テーブルに登録されるのであ
る。この場合、登録は、当該データパケットが自局宛て
のものであるか他の無線端末等に宛てたものであるかの
如何に拘わらず行われる。
【0087】次にステップS106に進むと、当該デー
タパケットの宛先アドレスが自局のアドレスと一致して
いるか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合
は当該パケットを廃棄(ステップS110)後、受信処
理を終了し、「YES」である場合にはステップS10
7へ進む。
【0088】次にステップS107に進むと、当該デー
タパケットの転送種別が“01”か否かを判断する。こ
の判断結果が「YES」の場合は当該パケットを廃棄
(ステップS110)後、受信処理を終了する。当該パ
ケットは、他の無線端末から自局へ宛てて送信されたも
のではあるが、中継転送方法により自局まで転送される
べきものであり、無線基地局経由で受信するのが正常な
受信形態だからである。
【0089】一方、ステップS107の判断結果が「Y
ES」の場合、すなわち、当該データパケットが他の無
線端末から自局宛てに直接転送されたものである場合
(転送種別“00”)または当該データパケットが他の
無線端末から無線基地局経由で自局宛てに中継転送され
たものである場合(転送種別“10”)にはステップS
108に進む。
【0090】次にステップS108に進むと、ACK信
号の送信を行う。ここで、受信したデータパケットが直
接転送方法により他の無線端末から送信されたものであ
る場合(転送種別“00”)には、当該データパケット
の送信元である無線端末宛てにACK信号の送信を行
い、当該データパケットが中継転送方法により無線基地
局から送信されたものである場合(転送種別“10”)
には、無線基地局宛てにACK信号の送信を行う。
【0091】次にステップS109に進むと、受信した
データパケットを上位レイヤに渡し、受信処理を終了す
る。
【0092】以上説明した本実施形態に係る受信動作に
おいて、閾値L1を所要品質を満足する受信レベルとす
ることにより、直接転送時の品質を満たす無線端末に対
しては直接転送、品質を満たさない無線端末に対しては
中継転送を選択することが可能となる。
【0093】次に図5に示すフローチャートを参照し、
本実施形態における無線端末のデータパケットの送信動
作について説明する。この送信動作は、直接通信テーブ
ルにおける無線端末の登録を抹消する処理を含んでいる
が、ある無線端末の登録を抹消するか否かの「登録抹消
条件」に関する判定方法として請求項5に係る判定方法
を採用している。
【0094】まず、無線端末では、データパケットの送
信要求が生じると、まず、内蔵のリトライカウンタを
「1」に設定する(ステップS201)。次に当該デー
タパケットの宛先アドレスが直接転送テーブルに登録さ
れているか否かを判断する(ステップS202)。この
判断結果が「YES」の場合はステップS203へ進
み、「NO」の場合はステップS210へ進む。
【0095】次にステップS202からステップS20
3へ進むと、直接転送方法を選択する。次にステップS
204へ進み、直接転送方法に対応した転送種別“0
0”をデータパケットに設定し、当該データパケットを
送信する。
【0096】次にステップS205に進み、宛先の無線
端末からのACK信号を受信したか否かを判断する。こ
の判断結果が「YES」の場合は、送信したデータパケ
ットが宛先無線端末によって正常に受信されたとみな
し、送信動作を終了する。
【0097】これに対し、ステップS205の判断結果
が「NO」である場合にはステップS206へ進み、リ
トライカウンタの値が所定の閾値m2よりも小さいか否
かを判断する。そして、この判断結果が「YES」であ
る場合には、リトライカウンタの値を「1」だけ増加さ
せ(ステップS207)、ランダムに決定される待機時
間だけ待機し(ステップS208)、再びデータパケッ
トの送信を行う(ステップS204)。以下、同様に、
宛先端末からACK信号が受信されず、かつ、リトライ
カウンタの値がm2未満である場合には、ステップS2
07、S208およびステップS204を繰り返す。
【0098】そして、ACK信号が受信されることな
く、リトライカウンタの値が閾値m2に達した場合には
ステップS206からステップS209に進む。このス
テップS209に進むと、送信対象であるデータパケッ
トの宛先アドレスを直接転送テーブルから削除する。そ
のような宛先アドレスの無線端末に対しては、直接転送
方法によるパケット転送をするのが困難であると考えら
れるからである。このステップS209の処理が終了す
ると、ステップS210へ進む。なお、既に説明したよ
うに、上記ステップS209の処理を経た場合の他、当
該データパケットの宛先アドレスが直接転送テーブルに
登録されていない場合にもステップS210へ進むこと
となる。
【0099】次にステップS210に進むと、中継転送
方法を選択する。次にステップS211へ進み、中継転
送方法に対応した転送種別“01”をデータパケットに
設定し、当該データパケットを送信する。
【0100】次にステップS212に進み、宛先の無線
基地局からのACK信号を受信したか否かを判断する。
この判断結果が「YES」の場合は、送信したデータパ
ケットが正常に受信されたとみなし、送信動作を終了す
る。
【0101】これに対し、ステップS212の判断結果
が「NO」である場合にはステップS213へ進み、リ
トライカウンタの値が所定の最大再送回数N(ただし、
N>m2である。)よりも小さいか否かを判断する。そ
して、この判断結果が「YES」である場合には、リト
ライカウンタの値を「1」だけ増加させ(ステップS2
14)、ランダムに決定される待機時間だけ待機し(ス
テップS215)、再びデータパケットの送信を行う
(ステップS211)。以下、同様に、宛先である無線
基地局からACK信号が受信されず、かつ、リトライカ
ウンタの値がN未満である場合には、ステップS21
4、S215およびステップS211を繰り返す。
【0102】そして、ACK信号が受信されることな
く、リトライカウンタの値が最大再送回数Nに達した場
合には、ステップS213からステップS216に進ん
で送信データパケットを廃棄し、送信処理を終了する。
【0103】以上説明した無線端末におけるデータパケ
ットの送信動作によれば、送信元無線端末の通信中に宛
先無線端末が見通し外等の直接転送が不可能な位置に移
動した場合でも、当該宛先無線端末に適用するパケット
転送の方法を直接転送方法から中継転送方法へ変更する
ことができる。
【0104】次の図6に示すフローチャートを参照し、
本実施形態における無線基地局のパケット中継動作につ
いて説明する。まず、無線基地局は、無線端末から送信
されたデータパケットであって転送種別が“01”であ
るもの(すなわち、中継転送方法を実施すべく無線端末
から送信されたデータパケット)を受信すると、送信元
である無線端末に対してACK信号を送信し(ステップ
S301)、受信したデータパケットの宛先が当該無線
基地局に収容される無線端末であるか否かを判断する
(ステップS302)。また、無線基地局は、有線端末
から送信されたデータパケットを受信した場合にも、当
該データパケットの宛先が当該無線基地局に収容される
無線端末であるか否かの判断を行う(ステップS30
2)。
【0105】このステップS302の判断結果が「N
O」の場合にはパケット中継動作を行うことなく処理を
終了する。
【0106】これに対し、ステップS302の判断結果
が「YES」である場合、すなわち、上記無線端末また
は有線端末から受信したデータパケットの宛先が当該無
線基地局に収容されている無線端末である場合には、当
該データパケットを当該宛先無線端末に転送する中継動
作を以下の手順により実行する。
【0107】まず、ステップS303に進み、リトライ
カウンタの値を「1」とする。次にステップS304に
進み、中継転送方法を実施すべく無線基地局から送信さ
れたデータパケットであることを表示する転送種別“1
0”を当該データパケットに設定し、当該宛先無線端末
宛てに送信する。
【0108】次にステップS305に進み、宛先無線端
末からのACK信号を受信したか否かを判断する。この
判断結果が「YES」の場合は、送信したデータパケッ
トが正常に受信されたとみなし、中継動作を終了する。
【0109】これに対し、ステップS305の判断結果
が「NO」である場合にはステップS306へ進み、リ
トライカウンタの値が所定の最大再送回数Nよりも小さ
いか否かを判断する。そして、この判断結果が「YE
S」である場合には、リトライカウンタの値を「1」だ
け増加させ(ステップS307)、ランダムに決定され
る待機時間だけ待機し(ステップS308)、再びデー
タパケットの送信を行う(ステップS304)。以下、
同様に、宛先無線端末からACK信号が受信されず、か
つ、リトライカウンタの値がN未満である場合には、ス
テップS307、S308およびステップS304を繰
り返す。
【0110】そして、ACK信号が受信されることな
く、リトライカウンタの値が最大再送回数Nに達した場
合には、ステップS306からステップS309に進ん
で当該データパケットを廃棄し、中継処理を終了する。
【0111】以上説明した無線基地局の動作により、無
線端末から他の無線端末へのデータパケットの中継転送
および有線端末から無線端末へのパケット中継が可能と
なるのである。
【0112】次に図7〜図12は、本実施形態における
各種の動作例を示すものである。以下、これらの図を参
照し、本実施形態の具体的動作例について説明する。
【0113】まず、図7の動作シーケンス図は、ある無
線端末Bが直接転送テーブルに登録された無線端末A宛
てにデータパケットを送信する場合の動作例を示してい
る。この動作例では、無線端末Bの直接転送テーブルに
は無線端末Aが登録されている。このため、無線端末B
は、無線端末A宛てに転送すべきデータパケットが発生
した場合に、当該データパケットの転送種別を“00”
とし、かつ、宛先アドレスを無線端末AのMACアドレ
スとし、直接転送方法により送信する。
【0114】無線端末Aは、このデータパケットを受信
すると、その受信レベルが閾値L1以上であるか否かを
判断し、閾値L1未満である場合には直接転送テーブル
への登録は行わない。これに対し、受信レベルが閾値L
1以上である場合には、送信元である無線端末BのMA
Cアドレスを直接転送テーブルに登録する。さらに、受
信したデータパケットは無線端末AのMACアドレスを
宛先アドレスとするものであることから、当該データパ
ケットを上位レイヤに引き渡すとともに、当該データパ
ケットの送信元である無線端末B宛てにACK信号を送
信する。
【0115】無線端末B側では、このACK信号の受信
により、上記データパケットの送信が成功したことを認
識し、送信処理を終了する。
【0116】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、直接転送テーブルに登録されている無線端末につい
ては、無線基地局を経由しない直接転送方法により宛先
無線端末にデータパケットが転送されるので、中継のオ
ーバヘッドを削減するとともに転送の所要時間を短くす
ることができる。
【0117】次に、図8の動作シーケンス図は、無線端
末Aが直接転送テーブルに登録された無線端末C宛てに
データパケットを送信した場合において、第三者たる無
線端末Bがこの無線端末C宛てのデータパケットを受信
し、無線端末Aを直接転送テーブルに登録する場合の動
作例を示している。
【0118】この動作例では、無線端末Aの直接転送テ
ーブルには無線端末Cが登録されている。このため、無
線端末Aは、無線端末C宛てに転送すべきデータパケッ
トが発生した場合に、当該データパケットの転送種別を
“00”とし、かつ、宛先アドレスを無線端末CのMA
Cアドレスとし、直接転送方法により送信する。
【0119】無線端末Cは、このデータパケットを受信
すると、ACK信号を無線端末A宛てに送信する。無線
端末Aは、このACK信号を受信することにより、パケ
ットデータの送信が成功したことを認識し、送信処理を
終了する。
【0120】一方、無線端末Aにとって見通しのよい所
に無線端末Bが位置している場合には、無線端末Aから
送信された無線端末C宛てのデータパケットが第三者た
る無線端末Bによって受信されることがある。この場
合、無線端末Bは、データパケットの受信レベルが閾値
L1以上か否かを判断し、閾値L1以上である場合に
は、受信したデータパケットの送信元である無線端末A
のMACアドレスを直接転送テーブルに登録する。ま
た、受信したデータパケットは無線端末C宛てのもので
あるから廃棄する。一方、受信レベルが閾値L1未満で
ある場合には直接転送テーブルへの登録は行わない。
【0121】以上説明したように、本実施形態では、無
線端末が他の無線端末宛てのデータパケットを受信した
とき、その受信レベルが所定の閾値以上である場合に送
信元である無線端末を直接転送テーブルに登録する。従
って、直接転送の宛先とした場合に所定の通信品質で直
接転送を行うことができる蓋念性の高い無線端末のみが
直接転送テーブルに登録されることとなり、直接転送方
法を実行した場合の失敗の頻度を少なくすることができ
る。
【0122】次に、図9の動作シーケンス図は、無線基
地局を経由することにより無線端末Aから無線端末Bへ
中継転送が行われる場合の動作例を示している。この動
作例において、無線端末Aの直接転送テーブルには、無
線端末BのMACアドレスは登録されていない。このた
め、無線端末Aは、無線端末B宛てに送信すべきデータ
パケットが発生した場合に中継転送方法を選択し、宛先
アドレスを無線端末BのMACアドレスとし、転送種別
を“01”として、当該データパケットを送信する。
【0123】無線基地局は、上記データパケットを受信
すると、その転送種別が“01”であるため、ACK信
号を無線端末Aに送信する。
【0124】無線端末Aは、このACK信号を受信する
ことにより、送信成功を認識し、送信処理を終了する。
【0125】一方、無線基地局は、上記データパケット
の宛先が当該無線基地局に収容される無線端末Bである
ことから、当該データパケットの転送種別を“10”と
して、当該データパケットの送信を行う。
【0126】無線端末Bは、このデータパケットを受信
すると、その転送種別が“10”であり、かつ、その宛
先アドレスが自局のアドレスと一致しているため、当該
データパケットを上位レイヤに引き渡し、ACK信号を
無線基地局に送信する。無線基地局は、このACK信号
を受信することによりデータパケットの送信成功を認識
し、送信処理を終了する。
【0127】次に、図10の動作シーケンス図は、無線
端末Aが直接転送テーブルに登録された無線端末Bへ直
接転送方法によりデータパケットを転送するが、この転
送に失敗し、中継転送方法に切り替える場合の動作例を
示している。なお、この動作例ではm2=1としてい
る。
【0128】この動作例において、無線端末Aの直接転
送テーブルには、無線端末BのMACアドレスが登録さ
れている。このため、無線端末Aは、無線端末B宛てに
送信すべきデータパケットが発生した場合に直接転送方
法を選択し、宛先アドレスを無線端末BのMACアドレ
スとし、転送種別を“00”として、当該データパケッ
トを送信する。
【0129】しかし、このとき例えば無線端末Aの見通
し外に無線端末Bが移動していると、上記データパケッ
トの送信は失敗に終わることとなる。この場合、リトラ
イカウンタの値が閾値m2未満の期間はデータパケット
の再送が行われるが、リトライカウンタの値が閾値m2
に達すると、無線端末Aは直接転送テーブルにおける無
線端末Bの登録を抹消する。
【0130】その後、無線端末Aは、無線端末B宛ての
データパケットの転送種別を“01”として送信する。
【0131】無線基地局は、上記データパケットを受信
すると、その転送種別が“01”であるため、ACK信
号を無線端末Aに送信する。
【0132】無線端末Aは、このACK信号を受信する
ことにより、送信成功を認識し、送信処理を終了する。
【0133】一方、無線基地局は、上記データパケット
の宛先が当該無線基地局に収容される無線端末Bである
ことから、当該データパケットの転送種別を“10”と
して、当該データパケットの送信を行う。
【0134】無線端末Bは、このデータパケットを受信
すると、その転送種別が“10”であり、かつ、その宛
先アドレスが自局のアドレスと一致しているため、当該
データパケットを上位レイヤに引き渡し、ACK信号を
無線基地局に送信する。無線基地局は、このACK信号
を受信することによりデータパケットの送信成功を認識
し、送信処理を終了する。
【0135】なお、以上説明した各動作例は、宛先無線
端末と送信元無線端末が同じ無線基地局に収容されてい
る場合のものであるが、図11に例示するように、デー
タパケットの授受を行う無線端末Aと無線端末Bが隣接
する2つの無線基地局に各々収容されている場合におい
ても、上記と同様な直接転送テーブルの登録および登録
抹消を行い、直接転送方法または中継転送方法によるパ
ケット転送を行うことができる。
【0136】次に図12の動作シーケンス図は、図11
における無線端末Aから有線端末Zへパケット転送を行
う場合の動作例を示している。まず、無線端末Aにおい
て、有線端末Z宛てに送信すべきデータパケットが発生
したとする。この場合、有線端末Zは無線端末Aの直接
転送テーブルに登録されていないので、無線端末Aは、
中継転送方法を選択し、宛先アドレスを有線端末ZのM
ACアドレスとし、転送種別を“01”として送信す
る。
【0137】無線基地局は、このデータパケットを受信
すると、その転送種別が“01”であることから、AC
K信号を送信元無線端末Aに送信する。無線端末Aは、
このACK信号の受信により送信成功を認識し、送信処
理を終了する。
【0138】一方、無線基地局は、上記データパケット
の宛先アドレスが当該無線基地局に収容される無線端末
のものでないことから、当該データパケットをイーサネ
ットパケットに変換し、イーサネットに送信する。
【0139】有線端末Zは、イーサネットを介して上記
イーサネットパケットを受信すると、その宛先アドレス
と自局のアドレスとが一致していることから、当該イー
サネットパケットを上位レイヤに引き渡す。
【0140】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、宛先が有線端末である場合でも、直接転送による無
駄な再送パケットを生じることなく、中継転送方法によ
る有線端末宛てのパケット転送を行うことができる。
【0141】以上、請求項1に係る発明の実施形態を、
「登録条件」に関する判定を請求項2に係る判定方法に
より行い、「登録抹消条件」に関する判定を請求項5に
係る判定方法により行う場合を例に説明した。しかし、
本実施形態において採用した「登録条件」や「登録抹消
条件」に関する判定方法はあくまでも例示である。本発
明を実施するに当っては、請求項2に係る判定方法の代
りに請求項3または4に係る判定方法を採用してもよ
く、また、請求項5に係る判定方法の代りに請求項6ま
たは7に係る判定方法を採用してもよい。
【0142】C.第2の実施形態 本実施形態は、請求項1に係る無線パケット転送方法で
あって、「登録条件」に関する判定を請求項2に係る判
定方法により行い、「登録抹消条件」に関する判定を請
求項5に係る判定方法および請求項8に係る判定方法を
併用して行うものである。
【0143】本実施形態において、無線端末と無線端末
との間および無線端末と無線基地局との間で授受される
無線パケットのフォーマットは、上記第1の実施形態と
同様、前掲図2に示した通りである。また、上記第1の
実施形態と同様、各無線端末は、前掲図4に例示する直
接転送テーブルを記憶し、この直接転送テーブルの登録
内容に従って、直接転送方法または中継転送方法の選択
を行う。
【0144】図13は、本実施形態における無線端末の
データパケットの受信動作を示すフローチャートであ
る。この受信動作では、請求項2においてm1=1とし
た判定方法により「登録条件」に関する判定を行い、請
求項8においてm3=1とした判定方法により「登録抹
消条件」に関する判定を行う。勿論、m1またはm3を
2以上としてもよく、そのような態様で実施し得るよう
に図13のフローを変更することは当業者であれば容易
に成し得ることである。
【0145】無線端末は、データパケットを受信する
と、まず、当該データパケットのフレームチェックシー
ケンスFCSが正常であるか否かを判断する(ステップ
S301)。そして、フレームチェックシーケンスFC
Sが正常である場合にはステップS402に進む。な
お、フレームチェックシーケンスFCSに異常が認めら
れる場合には、受信したデータパケットを廃棄し(ステ
ップS413)、受信処理を終了する。
【0146】次にステップS402に進むと、受信した
データパケットの転送種別が“10”であるか否かを判
断する。この判断結果が「YES」の場合にはステップ
S409に進む。
【0147】これに対し、受信したデータパケットが直
接転送方法を実施すべく無線端末から受信されたもので
ある場合(転送種別=“00”)または当該データパケ
ットが中継転送方法を実施すべく無線端末から受信され
たものである場合(転送種別=“01”)には、ステッ
プS402の判断結果が「NO」となってステップS4
03に進むこととなる。
【0148】次にステップS403に進むと、当該デー
タパケットの受信時の受信レベルが閾値L1以上である
か否かを判断する。この判断結果が「YES」である場
合にはステップS404に進み、当該データパケットの
送信元アドレスが当該無線端末の直接転送テーブルに登
録されているか否かを判断する。そして、この判断結果
が「NO」の場合には、当該送信元アドレスを直接転送
テーブルに登録し(ステップS405)、ステップS4
09に進む。なお、上記ステップS404の判断結果が
「YES」である場合には、直接転送テーブルへの登録
(ステップS405)を実行することなくステップS4
09へ進む。
【0149】一方、データパケットの受信レベルが閾値
L1未満であった場合には、ステップS403からステ
ップS406に進み、データパケットの受信レベルが閾
値L2以上であるか否かを判断する。ここで、受信レベ
ルが閾値L2以上である場合には、ステップS409に
進む。これに対し、受信レベルが閾値L2未満である場
合には、当該データパケットの送信元アドレスが当該無
線端末の直接転送テーブルに登録されているか否かを判
断する(ステップS407)。そして、この判断結果が
「YES」である場合には、直接転送テーブルにおける
当該送信元アドレスの登録を抹消し(ステップS40
8)、ステップS409に進む。なお、上記ステップS
407の判断結果が「NO」である場合には、直接転送
テーブルにおける登録抹消(ステップS408)を実行
することなくステップS409へ進む。
【0150】このように、本実施形態においてデータパ
ケットの受信が行われた場合には、その転送種別が“0
0”または“01”であり(すなわち、当該データパケ
ットが他の無線端末から直接転送方法または中継転送方
法により送信されたものであり)、かつ、その受信レベ
ルが閾値L1以上である場合に、当該データパケットの
送信元無線端末が直接転送テーブルに登録される。ま
た、転送種別が“00”または“01”であるデータパ
ケットの受信が行われ、そのときの受信レベルが閾値L
2未満である場合に、直接転送テーブルにおける当該デ
ータパケットの送信元無線端末の登録が解除されるので
ある。この場合、登録および登録抹消は、当該データパ
ケットが自局宛てのものであるか他の無線端末等に宛て
たものであるかの如何に拘わらず行われる。
【0151】次にステップS409に進むと、当該デー
タパケットの宛先アドレスが自局のアドレスと一致して
いるか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合
は当該パケットを廃棄(ステップS413)後、受信処
理を終了し、「YES」である場合にはステップS41
0へ進む。
【0152】次にステップS410に進むと、当該デー
タパケットの転送種別が“01”か否かを判断する。こ
の判断結果が「YES」の場合は当該パケットを廃棄
(ステップS413)後、受信処理を終了する。当該パ
ケットは、他の無線端末から自局へ宛てて送信されたも
のではあるが、中継転送方法により自局まで転送される
べきものであり、無線基地局経由で受信するのが正常な
受信形態だからである。
【0153】一方、ステップS410の判断結果が「N
O」の場合、すなわち、当該データパケットが他の無線
端末から自局宛てに直接転送されたものである場合(転
送種別“00”)または当該データパケットが他の無線
端末から無線基地局経由で自局宛てに中継転送されたも
のである場合(転送種別“10”)にはステップS41
1に進む。
【0154】次にステップS411に進むと、ACK信
号の送信を行う。ここで、受信したデータパケットが直
接転送方法により他の無線端末から送信されたものであ
る場合(転送種別“00”)には、当該データパケット
の送信元である無線端末宛てにACK信号の送信を行
い、当該データパケットが中継転送方法により無線基地
局から送信されたものである場合(転送種別“10”)
には、無線基地局宛てにACK信号の送信を行う。
【0155】次にステップS412に進むと、受信した
データパケットを上位レイヤに渡し、受信処理を終了す
る。
【0156】以上説明した本実施形態に係る受信動作に
おいて、閾値L1およびL2を所要品質を満足する受信
レベルとすることにより、直接転送時の品質を満たす無
線端末に対しては直接転送、品質を満たさない無線端末
に対しては中継転送を選択することが可能となる。ま
た、L1>L2とすることにより、直接転送と中継転送
の切り替え頻度を抑制することができる。従って、直接
転送と中継転送の切り替えに伴う制御負荷が大きいとき
に無線端末に与える影響を抑制することができる。
【0157】図14は、無線端末Aが無線端末Bの直接
転送テーブルに登録され、かつ、無線端末Bが無線端末
Aの直接転送テーブルに登録されている状態において、
無線端末Aから無線端末Bへ直接転送方法によるパケッ
ト転送が行われた場合の動作シーケンス例を示してい
る。
【0158】この図14に示すように、無線端末Bは、
無線端末Aからのパケットを受信すると、その受信レベ
ルが閾値L2以上か否かを判断する。ここで、無線端末
Aと無線端末Bがそれまで直接転送方法による通信を行
っていたが、無線端末Bが無線端末Aから遠く離れたと
ころに移動したような場合には、無線端末Bにおける上
記受信レベルが閾値L2未満となることがある。このよ
うな場合、無線端末Bでは、当該パケットの送信元であ
る無線端末Aの直接転送テーブルにおける登録を抹消す
る。また、受信したパケットについては上位レイヤに引
き渡し、ACK信号を無線端末A宛てに送信する。
【0159】このように本実施形態によれば、直接転送
テーブルに登録された無線端末との相対的な位置関係が
悪化する等の原因により、当該無線端末宛てに直接転送
を行った場合の通信品質の低下が予想されるときには、
直接転送テーブルにおける当該無線端末の登録が抹消さ
れ、当該無線端末宛てのパケット転送は所要の品質を維
持し得る中継転送方法により行われることとなる。
【0160】以上、本実施形態の特徴的な動作例を説明
したが、他の動作については既に説明した上記第1の実
施形態の動作と同様である。すなわち、本実施形態にお
ける無線端末のパケットの送信動作のフローは既に図5
を参照して説明したものと同じである。既に説明したよ
うに図5に示されるパケット送信の動作では、請求項5
に係る判定方法により「登録抹消条件」に関する判定が
行われる。従って、本実施形態では、無線端末の受信動
作(図13)においては請求項8に係る判定方法に従っ
て「登録抹消条件」に関する判定が行われ、無線端末の
送信動作では請求項5に係る判定方法に従って「登録抹
消条件」に関する判定が行われることとなる。なお、こ
のように請求項8に係る判定方法と請求項5に係る判定
方法を併用するのでなく、請求項8に係る判定方法のみ
を使用し、請求項5に係る判定方法による判定を省略し
てもよい。
【0161】また、本実施形態における無線基地局のパ
ケット中継の動作フローは既に図6を参照して説明した
ものと同じである。また、無線端末が直接転送テーブル
に登録された無線端末宛てにパケットを送信する場合の
動作シーケンス例は、前掲図7に示したものと同じであ
り、無線端末が他の無線端末を直接転送テーブルに登録
する場合の動作シーケンス例は前掲図8に示したものと
同じである。さらに無線端末が直接転送テーブルに登録
されていない無線端末宛てにパケットを送信する場合の
動作シーケンス例は、前掲図9に示したものと同じであ
る。また、例えば無線端末Aの直接転送テーブルに無線
端末Bが登録されており、かつ、無線端末Bが無線端末
Aから送信されたパケットを受信できない場合の動作シ
ーケンスは、前掲図10に示したものと同じである。ま
た、前掲図11に例示するように、データパケットの授
受を行う無線端末Aと無線端末Bが隣接する2つの無線
基地局に各々収容されている場合においても、上記と同
様な直接転送テーブルの登録および登録抹消を行い、直
接転送方法または中継転送方法によるパケット転送を行
うことができる。また、無線端末と有線端末がパケット
転送を行う場合の動作シーケンスは前掲図12に示した
ものと同様である。
【0162】以上、「登録条件」に関する判定を請求項
2に係る判定方法により行い、「登録抹消条件」に関す
る判定を請求項5に係る判定方法および請求項8に係る
判定方法を併用して行う場合を例に本実施形態の説明を
行ったが、請求項2に係る判定方法の代りに請求項3ま
たは4に係る判定方法を使用し、あるいは請求項5に係
る判定方法の代りに請求項6または7に係る判定方法を
使用し、あるいは請求項8に係る判定方法の代りに請求
項9または10に係る判定方法を使用してもよい。ま
た、上述したように、請求項5に係る判定方法による判
定を省略してもよい。
【0163】D.第3の実施形態 本実施形態において、無線端末と無線端末との間および
無線端末と無線基地局との間で授受される無線パケット
のフォーマットは、上記各実施形態と同様、前掲図2に
示した通りである。また、上記各実施形態と同様、各無
線端末は、前掲図4に例示する直接転送テーブルを記憶
し、この直接転送テーブルの登録内容に従って、直接転
送方法または中継転送方法の選択を行う。また、本実施
形態では、直接転送テーブルに登録される各無線端末毎
に監視タイマが用意される。なお、これらの監視タイマ
の使用方法については本実施形態の動作説明において明
らかにする。
【0164】本実施形態において、無線端末が、任意の
無線端末のMACアドレスを直接転送テーブルに登録す
るための登録条件は、既に上記各実施形態において説明
したものと同様である。
【0165】一方、直接転送テーブルから無線端末のM
ACアドレスを削除するための登録抹消条件に関して
は、本実施形態では以下のいずれかを満たすことを要求
するようにしている。
【0166】登録抹消条件:自局から当該無線端末に
対し直接転送方法によりパケットの転送を行い、パケッ
ト送信不完了になるという事態が所定の限度を越えた頻
度で発生したこと(請求項5〜7に相当)。
【0167】登録抹消条件:当該無線端末によって送
信されたパケットを自局が所定の閾値未満の受信レベル
で受信するという事態が所定の限度を越えた頻度で発生
したこと(請求項8〜10に相当)。
【0168】登録抹消条件:一定期間、当該無線端末
が送信したパケットを自局が所定の閾値以上の受信レベ
ルで受信するという事態が1回も生じず、かつ、自局か
ら当該無線端末に対してパケットの転送を行い、パケッ
ト送信完了となるという事態が1回も生じないこと(請
求項11に相当)。
【0169】上記のうち登録抹消条件およびは、上
記第2の実施形態でも採用している。本実施形態は、こ
れらに加え、上記登録抹消条件を採用したものであ
る。
【0170】図15および図16は、本実施形態におけ
る無線端末のデータパケットの受信動作を示すフローチ
ャートである。この受信動作のフローは、上記第2の実
施形態における無線端末のデータパケットの受信動作の
フロー(前掲図13)と大体において同じである。ただ
し、上記登録抹消条件を新たに加えた関係上、前掲図
13におけるステップS405およびS408が本実施
形態ではステップS405AおよびS408Aに置き換
えられており、さらに本実施形態では新たなステップS
421A〜S423Aが追加されている。他のステップ
については、前掲図13のものと変りはない。これらに
ついては、ステップの番号として前掲図13において使
用したものと共通のものを使用している。
【0171】図15および図16のフローに従って、無
線端末のデータパケットの受信動作の要点を説明する
と、次のようになる。
【0172】無線端末は、転送種別が“00”または
“01”であり、かつ、受信レベルが閾値L1以上のデ
ータパケットを受信したとき、当該データパケットの送
信元無線端末のアドレスを直接転送テーブルに登録し、
当該送信元無線端末に対応した監視タイマをスタートす
る(ステップS401、S402、S403、S40
4、S405A)。ただし、当該データパケットの送信
元無線端末のアドレスが直接転送テーブルに既に登録さ
れている場合には、監視タイマをリスタートする処理の
みを行う(ステップS401、S402、S403、S
404、S421A)。
【0173】また、無線端末は、転送種別が“00”ま
たは“01”であり、かつ、受信レベルが閾値L2未満
のデータパケットを受信したとき、直接転送テーブルに
おける当該データパケットの送信元無線端末のアドレス
の登録を抹消し、当該送信元無線端末に対応した監視タ
イマを停止させる(ステップS401、S402、S4
03、S406、S407、S408A)。
【0174】また、無線端末は、転送種別が“00”ま
たは“01”であり、かつ、受信レベルが閾値L2以上
のデータパケットを受信したとき、当該データパケット
の送信元無線端末のアドレスが直接転送テーブルに既に
登録されている場合には、監視タイマをリスタートする
(ステップS401、S402、S403、S406、
S422A、S423A)。
【0175】以上が無線端末によるデータパケットの受
信に伴って行われる直接転送テーブル関連の処理および
監視タイマ関連の処理の内容である。これらの処理を終
えた後、無線端末は、データパケットが自局に宛てた転
送種別“00”または“10”のデータパケットである
か否かを判断し(ステップS409、S410)、この
判断結果が肯定的である場合にACK信号の送信および
データパケットの上位レイヤへの引き渡しを行う(ステ
ップS412)。このステップS409以降の処理につ
いては上記第2の実施形態と何等変るところがない。
【0176】次に、図17は、本実施形態における無線
端末のデータパケットの送信動作を示すフローチャート
である。この送信動作のフローは、上記第1の実施形態
における無線端末のデータパケットの送信動作のフロー
(前掲図5)と大体において同じである。ただし、上記
登録抹消条件を新たに加えた関係上、前掲図5におけ
るステップS209が本実施形態ではステップS209
Aに置き換えられており、さらに本実施形態では新たな
ステップS221Aが追加されている。他のステップに
ついては、前掲図5のものと変りはない。これらについ
ては、ステップの番号として前掲図5において使用した
ものと共通のものを使用している。
【0177】図17のフローに従って、無線端末のデー
タパケットの送信動作の要点を説明すると、次のように
なる。
【0178】無線端末は、転送種別が“00”(直接転
送)であるデータパケットの送信後、ACK信号を受信
したときは、宛先無線端末に対応した監視タイマをリス
タートする(ステップS201、S202、S203、
S204、S205、S221A)。
【0179】しかし、転送種別が“00”(直接転送)
であるデータパケットを無線端末が送信した後、無線端
末がm2回連続してACK信号を受信しないたときは、
直接転送テーブルにおける当該宛先無線端末のアドレス
の登録を抹消するとともに、当該宛先無線端末に対応し
た監視タイマを停止させる(ステップS205、S20
6、S209A)。
【0180】この場合、当該データパケットの再送は、
中継転送方法により行う(ステップS210〜S21
6)。なお、この中継転送方法については既に第1の実
施形態において説明したものと同じであるので、ここで
は説明を省略する。
【0181】さて、既に説明したように、本実施形態に
おける無線端末は、直接転送テーブルにアドレスを登録
した各無線端末について監視タイマによる計時を行う
(図15のステップS405A)。そして、いずれかの
監視タイマがタイムオーバーになると、本実施形態に係
る無線端末は、図18に示す監視タイマオーバールーチ
ンが実行し、タイムオーバーとなった監視タイマに対応
した無線端末のアドレスを直接転送テーブルから削除す
る。
【0182】ここで、計時を開始した監視タイマは、当
該監視タイマに対応した無線端末から閾値L1以上の受
信レベルでデータパケットを受信した場合(図15のス
テップS421A)、当該監視タイマに対応した無線端
末から閾値L2以上の受信レベルでデータパケットを受
信し、かつ、当該無線端末が直接転送テーブルに登録さ
れている場合(図15のステップS423A)または当
該監視タイマに対応した無線端末に直接転送方法により
データパケットを送信し、ACK信号を受信した場合
(図17のステップS221A)にリスタートする。
【0183】従って、一定時間(監視タイマのタイマ設
定時間)に亙って、当該監視タイマに対応した無線端末
から閾値L1またはL2以上の受信レベルでデータパケ
ットを1回も受信することがなく、かつ、当該監視タイ
マに対応した無線端末に対し直接転送方法によりデータ
パケットを送信し、それが成功に終わるという事態が1
回も生じない場合に(上述した登録抹消条件)、当該
監視タイマがタイムオーバーとなり、当該監視タイマに
対応した無線端末の直接転送テーブルへの登録が解除さ
れるのである。
【0184】次に図19〜図22の各動作シーケンス図
を参照し、本実施形態の各種の動作例をさらに具体的に
説明する。
【0185】まず、図19は、無線端末が直接転送テー
ブルに登録された無線端末宛てに直接転送方法によりデ
ータパケットを転送する場合の動作シーケンスを示して
いる。
【0186】図19において、無線端末Bの直接転送テ
ーブルには、無線端末Aが登録されている。このため、
無線端末Bにおいて、無線端末A宛てに転送すべきデー
タパケットが生じると、無線端末Bは直接転送方法を選
択し、宛先アドレスを無線端末AのMACアドレスと
し、転送種別を“00”として、当該データパケットを
送信する。
【0187】無線端末Aは、このデータパケットを受信
すると、受信レベルを判定し、受信レベルが閾値L1以
上である場合は送信元無線端末BのMACアドレスを直
接転送テーブルに登録し、無線端末Bに対応した監視タ
イマをスタートする。
【0188】また、無線端末Aは、受信したデータパケ
ットの転送種別が“00”であり、かつ、その宛先アド
レスが自局のMACアドレスと一致していることから、
ACK信号を送信元無線端末B宛てに送信し、当該デー
タパケットを上位レイヤに引き渡す。
【0189】無線端末Bは、このACK信号を受信する
と、無線端末A宛ての直接転送方法によるデータパケッ
ト送信が成功したことを認識し、無線端末Aに対応した
監視タイマをリスタートする。
【0190】次に図20は、無線端末が他の無線端末宛
てに送信されたデータパケットを受信するのに伴い、そ
のデータパケットの送信元無線端末を直接転送テーブル
に登録する場合の動作シーケンスを示している。
【0191】図20において、無線端末Aの直接転送テ
ーブルには、無線端末Cが登録されている。このため、
無線端末Aにおいて、無線端末C宛てに転送すべきデー
タパケットが生じると、無線端末Aは直接転送方法を選
択し、宛先アドレスを無線端末CのMACアドレスと
し、転送種別を“00”として、当該データパケットを
送信する。
【0192】無線端末Cは、このデータパケットを受信
すると、ACK信号を送信元無線端末Aに送信する。無
線端末Aは、このACK信号を受信することにより、無
線端末Cに対する直接転送方法によるデータパケット送
信が成功に終わったことを認識する。
【0193】ところで、上記無線端末C宛てのデータパ
ケットが、第三者たる無線端末Bによって受信される場
合がある。
【0194】この場合、無線端末Bは、受信レベルが閾
値L1以上であるか否かを判断する。そして、受信レベ
ルが閾値L1以上である場合には、当該データパケット
の送信元無線端末AのMACアドレスを直接転送テーブ
ルに登録し、かつ、無線端末Aに対応した監視タイマを
スタートする。また、受信したデータパケットは、無線
端末C宛てのものであるため、廃棄する。
【0195】次に図21は、無線端末が直接転送方法に
より転送されたデータパケットを受信し、その際の受信
レベルが閾値未満であることから、無線端末が当該デー
タパケットの送信元無線端末の直接転送テーブルにおけ
る登録を抹消する動作シーケンスを示している。
【0196】図21において、無線端末Aの直接転送テ
ーブルには無線端末BのMACアドレスが登録されてお
り、無線端末Bの直接転送テーブルには無線端末AのM
ACアドレスが登録されている。このため、無線端末A
において、無線端末B宛てに転送すべきデータパケット
が生じると、無線端末Aは直接転送方法を選択し、宛先
アドレスを無線端末BのMACアドレスとし、転送種別
を“00”として、当該データパケットを送信する。
【0197】無線端末Bは、このデータパケットを受信
すると、受信レベルを判定し、受信レベルが閾値L2未
満である場合は送信元無線端末AのMACアドレスを直
接転送テーブルから削除し、無線端末Aに対応した監視
タイマを停止する。
【0198】また、無線端末Bは、受信したデータパケ
ットの転送種別が“00”であり、かつ、その宛先アド
レスが自局のMACアドレスと一致していることから、
ACK信号を送信元無線端末A宛てに送信し、当該デー
タパケットを上位レイヤに引き渡す。
【0199】無線端末Aは、このACK信号を受信する
と、無線端末B宛ての直接転送方法によるデータパケッ
ト送信が成功したことを認識し、無線端末Bに対応した
監視タイマをリスタートする。
【0200】次に図22は、無線端末において、ある無
線端末に対応した監視タイマがタイムオーバーとなった
場合の動作シーケンスを例示している。
【0201】図22において、無線端末Aの直接転送テ
ーブルには無線端末BのMACアドレスが登録されてい
る。従って、無線端末Aでは、無線端末Bに対応した監
視タイマによる計時が行わる。そして、図22に示す例
では、無線端末Bから直接転送方法により無線端末A宛
てのデータパケットが3回送信されるが、いずれも失敗
に終わる。このため、無線端末Aでは、無線端末Bに対
応した監視タイマがタイムオーバーとなり、無線端末A
は、直接転送テーブルにおける無線端末Bの登録を抹消
する。
【0202】その後、無線端末Aにおいて無線端末B宛
てに転送すべきデータパケットが発生する。しかし、こ
のとき無線端末Aの直接転送テーブルには無線端末Bが
登録されていないため、無線端末Aは中継転送方法によ
り無線端末B宛てのデータパケットの転送を行うのであ
る。
【0203】以上説明したように、本実施形態において
は、無線端末を直接転送テーブルに登録したとしても、
その後、一定時間以上、当該無線端末から送信されたデ
ータパケットが受信されず、かつ、当該無線端末宛ての
直接転送が成功するという事態も生じない場合には、当
該無線端末の移動等の原因により直接転送方法の適用が
困難な状況に陥ったとみなし、直接転送テーブルにおけ
る当該無線端末の登録を抹消し、以後は中継転送方法に
より当該無線端末宛てのデータパケットの転送を行うの
である。
【0204】以上、本実施形態の特徴的な動作例を説明
したが、他の動作については既に説明した上記第1およ
び第2の実施形態の動作と同様である。
【0205】E.第4の実施形態 本実施形態は、パワーセーブモードとアクティブモード
の2種類のモードを有する無線端末からなる無線パケッ
ト転送システムに本発明を適用した実施形態であり、請
求項12に係る発明の実施形態である。
【0206】図23は本実施形態における無線端末と無
線端末との間および無線端末と無線基地局との間で授受
される無線パケットフォーマットを示すものであり、図
23(a)がデータパケットのフォーマット、図23
(b)がACK信号のフォーマットである。
【0207】図23(a)に示すように、本実施形態に
おけるデータパケットは、パワーセーブモードフラグを
含んでいる。無線端末は、パワーセーブモードに遷移す
るとき、このパワーモードフラグを“1”に設定してデ
ータパケットを送信し、アクティブモードに遷移すると
き、このパワーモードフラグを“0”に設定してデータ
パケットを送信する。
【0208】また、無線端末は、予め無線基地局に対
し、パワーセーブモードでの動作中における受信機の起
動と停止の周期を通知する。無線基地局は、パワーセー
ブモードで動作している無線端末宛てのデータパケット
を受信した場合には、当該データパケットをバッファリ
ングし、当該宛先無線端末の受信機が起動しているタイ
ミングで当該データパケットの送信を行う。
【0209】本実施形態においても、無線端末から他の
無線端末に対し、直接転送方法によるデータパケットの
転送を行うことができるが、パワーセーブモードで動作
している無線端末宛てに直接転送方法によるデータパケ
ットの送信を行うと、受信機の停止しているタイミング
で送信が行われ、送信不完了となる可能性が高い。そこ
で、本実施形態では、各無線端末が、図24に示すよう
に、直接転送方法を適用できる無線端末のMACアドレ
スの他、当該無線端末がパワーセーブモードで動作中か
否かのパワーセーブモードフラグをも直接転送テーブル
に登録するようにしている。
【0210】図25および図26は、本実施形態におけ
る無線端末のデータパケットの受信動作を示すフローチ
ャートである。この受信動作のフローは、上記第2の実
施形態における無線端末のデータパケットの受信動作の
フロー(前掲図13)と大体において同じである。ただ
し、各無線端末がアクティブモードのみならずパワーセ
ーブモードでも動作する関係上、前掲図13のフローに
対し、新たなステップS431BおよびS432Bが追
加されている。他のステップについては、前掲図13の
ものと変りはない。これらについては、ステップの番号
として前掲図13において使用したものと共通のものを
使用している。
【0211】図25および図26のフローに従って、無
線端末のデータパケットの受信動作の要点を説明する
と、次のようになる。
【0212】無線端末は、転送種別が“00”または
“01”であり、かつ、受信レベルが閾値L1以上のデ
ータパケットを受信したとき、当該データパケットの送
信元無線端末のアドレスを直接転送テーブルに登録する
(ステップS401、S402、S403、S404、
S405)。
【0213】また、無線端末は、転送種別が“00”ま
たは“01”であり、かつ、受信レベルが閾値L2未満
のデータパケットを受信したとき、直接転送テーブルに
おける当該データパケットの送信元無線端末のアドレス
の登録を抹消する(ステップS401、S402、S4
03、S406、S407、S408)。
【0214】また、無線端末は、転送種別が“00”ま
たは“01”であるデータパケットを受信したときは、
当該データパケットの送信元無線端末のアドレスが直接
転送テーブルに登録されているか否かを判断する(ステ
ップS431B)。そして、送信元無線端末のアドレス
が登録されている場合には、当該データパケット中のパ
ワーセーブモードフラグにより、直接転送テーブルに登
録された当該送信元無線端末に対応したパワーモードセ
ーブフラグを更新する。このような動作が各無線端末に
おいて行われるため、ある無線端末がデータパケットの
送信を行った場合には、当該無線端末がパワーセーブモ
ードで動作中か否かの情報が当該データパケットを受信
した各無線端末に周知され、各無線端末の直接転送テー
ブルに登録されることとなるのである。
【0215】以上が無線端末によるデータパケットの受
信に伴って行われる直接転送テーブル関連の処理の内容
である。これらの処理を終えた後、無線端末は、データ
パケットが自局に宛てた転送種別“00”または“1
0”のデータパケットであるか否かを判断し(ステップ
S409、S410)、この判断結果が肯定的である場
合にACK信号の送信およびデータパケットの上位レイ
ヤへの引き渡しを行う(ステップS412)。このステ
ップS409以降の処理については上記第2の実施形態
と何等変るところがない。
【0216】次に図27は、本実施形態における無線端
末のデータパケットの送信動作を示すフローチャートで
ある。この送信動作のフローは、上記第1の実施形態に
おける無線端末のデータパケットの送信動作のフロー
(前掲図5)と大体において同じである。ただし、各無
線端末がアクティブモードのみならずパワーセーブモー
ドでも動作する関係上、前掲図5のフローに対し、新た
なステップS231Bが追加されている。他のステップ
については、前掲図5のものと変りはない。これらにつ
いては、ステップの番号として前掲図5において使用し
たものと共通のものを使用している。
【0217】本実施形態における無線端末のデータパケ
ットの送信動作を図27のフローに従って説明すると次
の通りである。すなわち、無線端末は、他の無線端末に
転送すべきデータパケットが生じた場合、当該データパ
ケットの宛先無線端末に対応したアドレスが直接転送テ
ーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS
202)。そして、宛先無線端末に対応したアドレスが
直接転送テーブルに登録されている場合には、その宛先
無線端末に対応したパワーセーブモードフラグの内容を
直接転送テーブルから読み出し、当該パワーセーブモー
ドフラグが“0”か否かを判断する。そして、パワーセ
ーブモードフラグが“0”、すなわち、宛先無線端末が
アクティブモードで動作している場合には、直接転送方
法による当該データパケットの転送を試み(ステップS
203〜S209)、これに失敗した場合に中継転送方
法による転送を実行する(ステップS210〜S21
6)。これに対し、パワーセーブモードフラグが
“1”、すなわち、宛先無線端末がパワーセーブモード
で動作している場合には、直接転送方法による転送を全
く試みることなく、中継転送方法による転送を実行する
(ステップS210〜S216)。なお、直接転送方法
による転送(ステップS203〜S209)および中継
転送方法による転送(ステップS210〜S216)に
ついては、既に第1の実施形態において説明したものと
同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0218】本実施形態において無線基地局がデータパ
ケットの中継を行う場合の動作は、上記第1の実施形態
の場合(前掲図6参照)と同様であるので説明を省略す
る。
【0219】次に図28および図29は、本実施形態の
一動作例を示す動作シーケンス図です。この動作例にお
いて、無線端末Aは、アクティブモードからパワーセー
ブモードに遷移する際、それに先立ち、データパケット
の送信を行っている。このデータパケットは、送信元無
線端末Aがパワーセーブモードに遷移しようとしている
ため、パワーセーブモードフラグが“1”となってお
り、また、転送種別が“01”となっている。無線基地
局は、このデータパケットを受け取った場合、ACK信
号を無線端末A宛てに送信し、無線端末AはこのACK
信号の受信によりデータパケットの送信成功を認識す
る。
【0220】また、この動作例では、無線端末Aから送
信された上記データパケットを無線端末Bが受信してい
る。ここで、無線端末Bの直接転送テーブルには、無線
端末Aのアドレスが登録されている。無線端末Bは、当
該データパケットの受信レベルが閾値L2以上である場
合に、直接転送テーブルにおける当該データパケットの
送信元無線端末Aに対応したパワーセーブモードフラグ
を当該データパケットに含まれるパワーセーブモードフ
ラグ(=“1”)によって更新する。また、当該データ
パケットは、無線端末B宛てのものでないため廃棄す
る。
【0221】その後、無線端末Bにおいて、無線端末A
宛てに転送すべきデータパケットが発生する。この動作
例では、無線端末Bの直接転送テーブルに宛先無線端末
AのMACアドレスが登録されているため、無線端末B
は、直接転送テーブルに登録された宛先無線端末Aに対
応したパワーモードセーブフラグが“1”か否かを判断
する。この場合、当該パワーモードフラグは“1”とな
っているため、無線端末Bは、宛先アドレスを無線端末
AのMACアドレスとし、転送種別を“01”としてデ
ータパケットを送信する。無線基地局は、このデータパ
ケットを受信すると、送信元無線端末B宛てにACK信
号を送信する。無線端末Bは、このACK信号の受信に
より、データパケットの送信が成功したことを認識す
る。
【0222】ここで、無線基地局は、無線端末Aがパワ
ーセーブモードで動作していることを認識しており、ま
た、パワーセーブモードで動作している無線端末Aの受
信機の起動および停止の周期を把握している。そこで、
無線基地局は、上記無線端末Bから受信した無線端末A
宛てのデータパケットをバッファリングし、無線端末A
の受信機が起動中であるタイミングで当該データパケッ
トを送信する。無線端末Aは、このデータパケットを受
信すると、上位レイヤに引き渡す。
【0223】F.第5の実施形態 本実施形態は、請求項13に係る発明の実施形態であ
る。本実施形態において無線端末と無線端末との間およ
び無線端末と無線基地局との間で授受される無線パケッ
トのフォーマットは前掲図23に示した通りである。ま
た、無線端末のデータパケットの受信動作は上記第4の
実施形態(図25および図26)と同様である。
【0224】本実施形態において無線端末が行うデータ
パケットの送信動作のフローを図30および図31に示
す。この送信動作のフローは、上記第4の実施形態にお
ける送信動作のフロー(図27)に対し、新たなステッ
プS241C〜S247Cが加わっている。他のステッ
プについては、上記第4の実施形態におけるものと変る
とことがない。そのようなステップについては、図27
において用いたものと同じステップ番号を使用してい
る。
【0225】送信元無線端末が他の無線端末宛てにデー
タパケットを転送しようとする場合において、当該宛先
無線端末が直接転送テーブルに登録されており、かつ、
当該宛先無線端末のパワーセーブモードフラグが“0”
(すなわち、アクティブモード)である場合には、送信
元無線端末は、まず、直接転送方法を選択する(ステッ
プS201、S202、S231B、S203)。
【0226】次に、送信元無線端末は、宛先無線端末が
認証成功テーブルに登録されているか否かを判断する
(ステップS241C)。ここで、認証成功テーブルに
は、過去、認証に成功した無線端末のアドレスが登録さ
れている。なお、認証成功テーブルに対して無線端末の
アドレスの登録を行う動作については後述する。
【0227】上記ステップS241Cの判断結果が「Y
ES」である場合、送信元無線端末は、直ちに宛先無線
端末に対し、直接転送方法によるデータパケットの転送
を行う(ステップS204〜S209)。
【0228】これに対し、ステップS241Cの判断結
果が「NO」である場合、無線端末は、宛先無線端末が
認証拒否テーブルに登録されているか否かを判断する
(ステップS242C)。ここで、認証拒否テーブルに
は、過去、認証が拒否された無線端末のアドレスが登録
されている。なお、認証拒否テーブルに対して無線端末
のアドレスの登録を行う動作については後述する。
【0229】上記ステップS242Cの判断結果が「Y
ES」である場合、無線端末は、中継転送方法によるデ
ータパケットの送信のための処理を実行する(ステップ
S210〜S216)。
【0230】一方、上記ステップS242Cの判断結果
が「NO」である場合、無線端末は、宛先無線端末に対
し認証要求を送信する(ステップS243C)。そし
て、この認証が成功したか否かを判断し(ステップS2
44C)、認証に成功した場合には宛先無線端末のアド
レスを認証成功テーブルに登録し(ステップS20
4)、直接転送方法によるデータパケットの送信のため
の処理を実行する(ステップS204〜S209)。こ
れに対し、認証に成功しなかった場合には、認証が拒否
されたか否かを判断する(ステップS246C)。そし
て、認証が拒否されたのではない場合には無線端末は、
中継転送方法によるデータパケットの送信のための処理
を実行する(ステップS210〜S216)。また、認
証が拒否された場合には、宛先無線端末のアドレスを認
証拒否テーブルに登録してから(ステップS247
C)、中継転送方法によるデータパケットの送信のため
の処理を実行する(ステップS210〜S216)。
【0231】本実施形態によれば、認証に成功しない場
合には中継転送方法によりパケット転送が行われるた
め、未認証の宛先無線端末に直接転送を行ったパケット
が宛先無線端末側で廃棄されるという事態を回避するこ
とができる。また、本実施形態によれば、過去、認証が
成功した無線端末に対しては、認証を省略して直接転送
方法によるデータパケット転送を行うことができ、過
去、認証が拒否された無線端末に対しては、無駄な認証
のための手続を行うことなく、中継転送方法によるデー
タパケットの転送を行うことができるという利点があ
る。
【0232】図32および図33は、各々本実施形態の
動作例を示す動作シーケンス図である。以下、これらの
図を参照し、本実施形態の動作をさらに具体的に説明す
る。
【0233】まず、図32に示す動作例において、無線
端末Aの直接転送テーブルには、宛先無線端末BのMA
Cアドレスが登録されており、また、無線端末Aと無線
端末Bとの間では認証が行われたことがなく、認証が拒
否されたこともない。
【0234】このため、無線端末Aにおいて無線端末B
宛てに転送すべきデータパケットが生じると、無線端末
Aは無線端末Bに対し、認証要求を送る。無線端末Bは
認証をする場合には、認証を許可する旨の認証結果通知
を無線端末Aに送り、無線端末Aのアドレスを認証許可
テーブルに登録する。
【0235】無線端末Aは、上記認証結果通知を受信す
ると、認証許可テーブルに無線端末Bのアドレスを登録
する。
【0236】その後、無線端末Aにおいて無線端末B宛
てに転送すべきデータパケットが生じたときには、無線
端末Aは認証を省略し、無線端末B宛てに直接転送方法
によるデータパケットの転送を行う。
【0237】無線端末Bは、このデータパケットを受信
すると、その送信元無線端末Aが認証許可テーブルに登
録された無線端末か否かを判断し、判断結果が「YE
S」である場合には当該無線端末A宛てにACK信号を
送信し、当該データパケットを上位レイヤに引き渡す。
【0238】無線端末Aは、無線端末BからのACK信
号を受信することにより、データパケットの送信が成功
したことを認識する。
【0239】次に図33に示す動作例について説明す
る。この動作例においても、無線端末Aの直接転送テー
ブルには、宛先無線端末BのMACアドレスが登録され
ており、また、無線端末Aと無線端末Bとの間では認証
が行われたことがなく、認証が拒否されたこともない。
【0240】このため、無線端末Aにおいて無線端末B
宛てに転送すべきデータパケットが生じると、無線端末
Aは無線端末Bに対し、認証要求を送る。ところが、こ
の動作例における無線端末Bは、認証を拒否する旨の認
証結果通知を無線端末Aに送る。
【0241】無線端末Aは、上記認証結果通知を受信す
ると、認証拒否テーブルに無線端末Bのアドレスを登録
する。
【0242】その後、無線端末Aにおいて無線端末B宛
てに転送すべきデータパケットが生じたときには、無線
端末Aは認証を行うことなく、無線端末B宛てに中継転
送方法によるデータパケットの転送を行う。
【0243】すなわち、無線端末Aは、宛先アドレスを
無線端末BのMACアドレスとし、転送種別を“01”
としてデータパケットを送信する。無線基地局は、この
データパケットを受信すると、送信元無線端末A宛てに
ACK信号を送信する。無線端末Aは、このACK信号
を受信することにより、データパケットの送信成功を認
識する。また、無線基地局は、転送種別を“10”とし
て、無線端末Aからの上記データパケットを送信する。
無線端末Bは、このデータパケットを受信すると、上位
レイヤに引き渡す。
【0244】以上が本実施形態における特徴的な動作例
である。なお、本実施形態において無線端末は、直接転
送テーブルに登録された無線端末の登録を抹消するとき
に、認証成功テーブルまたは認証拒否テーブルにおける
当該無線端末の登録抹消を行わない。従って、例えば無
線端末間の障害物が頻繁に移動して直接転送テーブルの
登録および登録抹消が頻繁に生じるような場合でも、こ
れによって認証成功テーブルまたは認証拒否テーブルの
登録状態が変化することはない。このため、ある無線端
末について直接転送テーブルにおける登録抹消が行われ
た後、再び当該無線端末について直接転送テーブルへの
登録が行われたような場合に、過去、認証が成功してい
るのであれば、重ねて認証を行うことなく、当該無線端
末に直接転送を行うことができる。なお、認証成功テー
ブルまたは認証拒否テーブルに対し、膨大な数の無線端
末が登録されることが予想される場合にはその対処が必
要になる。この場合、例えば認証成功テーブル等の登録
された無線端末の総数が例えば最大登録数を越えそうな
ときに、最も古いものの登録を抹消するようにしてもよ
い。
【0245】G.第6の実施形態 無線パケット転送システムでは、無線端末から他の全て
の無線端末に対して同一内容をデータパケットを一斉に
転送するブロードキャストが行われる場合がある。本実
施形態は、このようなブロードキャストが行われる無線
パケット転送システムに本発明を適用したものであり、
請求項14に係る発明の実施形態である。本実施形態に
おいて無線端末と無線基地局との間で授受される無線パ
ケットのフォーマットは前掲図23に示した通りであ
る。
【0246】本実施形態において無線端末が行うデータ
パケットの受信動作のフローを図34および図35に示
す。この送信動作のフローは、上記第4の実施形態にお
ける送信動作のフロー(図25および図26)に対し、
新たなステップS451Dが加わったものとなってい
る。他のステップについては、上記第4の実施形態にお
けるものと変るとことがない。そのようなステップにつ
いては、図25および図26において用いたものと同じ
ステップ番号を使用している。
【0247】本実施形態において無線端末は、ステップ
S409において、受信したデータパケットの宛先アド
レスが自局のアドレスと一致しているかを判断するが、
この判断結果が「NO」である場合、当該データパケッ
トがブロードキャストパケットであるか否かを判断する
(ステップS451D)。そして、当該データパケット
がブロードキャストパケットである場合には当該データ
パケットを上位レイヤに引き渡し(ステップS41
2)、ブロードキャストパケットでない場合には当該デ
ータパケットを廃棄する(ステップS413)。他の動
作については、上記第4の実施形態と何等変るところが
ない。
【0248】次に、本実施形態において無線端末が行う
データパケットの送信動作のフローを図36および図3
7に示す。この送信動作のフローは、上記第5の実施形
態における送信動作のフロー(図30および図31)に
対し、新たなステップS251Dが加わったものとなっ
ている。他のステップについては、上記第5の実施形態
におけるものと変るところがない。そのようなステップ
については、図30および図31において用いたものと
同じステップ番号を使用している。
【0249】本実施形態において無線端末は、データパ
ケットの転送をしようとする場合、その転送をブロード
キャストとして行うか否かを判断する(ステップS25
1D)。そして、この判断結果が「NO」である場合に
は、ステップS201に進み、以後、上記第5の実施形
態と全く同様な処理を実行する。これに対し、ステップ
S251Dの判断結果が「YES」である場合には、中
継転送方法により当該データパケットのブロードキャス
トを実行する(ステップS210〜S216)。
【0250】図38は本実施形態の具体的動作例を示し
た動作シーケンス図である。この図38に示すように、
無線端末Aは、ブロードキャストによりデータパケット
の転送をする場合には、転送種別を“01”とし、宛先
アドレスをブロードキャストに対応した情報とし、当該
データパケットを送信する。無線基地局は、このデータ
パケットを受信すると、ACK信号を送り返すととも
に、転送種別を“10”として当該データパケットを送
信する。当該無線基地局に収容される全ての無線端末
は、このデータパケットを受信すると、当該データパケ
ットがブロードキャストパケットであることを認識し、
上位レイヤに引き渡す。
【0251】H.第7の実施形態 本実施形態は、無線端末が無線基地局のサービス圏外に
ある場合に直接転送方法により所望の無線端末にデータ
パケット転送を行い得るようにしたものであり、請求項
15に係る発明の実施形態である。本実施形態は、既に
説明した各実施形態のいずれに適用することも可能であ
るが、以下では上記第6の実施形態に適用した場合を例
に説明する。
【0252】本実施形態において、無線基地局は、報知
信号を周期的に送信する。無線端末は、この報知信号を
正しく受信した場合には自局が当該無線基地局のサービ
ス圏内に在圏していると判断し、正しく受信しなかった
場合には自局が当該無線基地局のサービス圏外にあると
判断する。
【0253】本実施形態において無線端末が行うデータ
パケットの送信動作の動作フローを図39および図40
に示す。この送信動作のフローは、上記第6の実施形態
における送信動作のフロー(図36および図37)に対
し、新たなステップS261Eが加わったものとなって
いる。他のステップについては、上記第6の実施形態に
おけるものと変るところがない。そのようなステップに
ついては、図36および図37において用いたものと同
じステップ番号を使用している。
【0254】本実施形態において無線端末は、データパ
ケットの転送をしようとする場合、自局が無線基地局の
サービス圏内に在圏しているか否かを判断する(ステッ
プS261E)。
【0255】そして、自局がサービス圏外にある場合
(ステップS261Eの判断結果が「NO」である場
合)または自局がサービス圏内にあり、かつ、宛先無線
端末が直接転送テーブルに登録されている場合(ステッ
プS261EおよびステップS202の判断結果が「Y
ES」である場合)には、直接転送方法による宛先無線
端末へのデータパケット転送を試みる(ステップS20
3〜S20)。
【0256】一方、自局がサービス圏内にあり、かつ、
宛先無線端末が直接転送テーブルに登録されていない場
合(ステップS261Eの判断結果が「YES」であ
り、かつ、ステップS202の判断結果が「NO」であ
る場合)には、中継転送方法による宛先無線端末へのデ
ータパケット転送を実行する(ステップS210〜S2
16)。他の点については、上記第6の実施形態と同様
である。
【0257】I.第8の実施形態 本実施形態は、無線端末が無線基地局の切り替え(ハン
ドオフ)を行う場合の便宜を図ったものであり、請求項
16に係る発明の実施形態である。本実施形態は、既に
説明した各実施形態のいずれに適用することも可能であ
る。
【0258】図41は、本実施形態において無線端末が
ハンドオフを行う場合の動作を示すフローチャートであ
る。この図に示すように、無線端末は、ハンドオフを開
始すると、新たな在圏先である無線基地局を選択する
(ステップS501)。ここで、ハンドオフ開始の契機
としては、例えば無線基地局からの報知信号を連続j回
受信しない場合を設定することができる。また、新たな
在圏先無線基地局の選択方法としては、例えば、一定期
間、無線パケット転送システムにおける全無線チャネル
周波数をモニタリングして上記報知信号の受信レベルが
最も大きい無線基地局を選択するという方法を採ること
ができる。次いで無線端末は、直接転送テーブルにおけ
る全ての無線端末の登録を抹消する(ステップS50
2)。
【0259】本実施形態によれば、無線端末は、ハンド
オフ前に他の無線端末と直接転送をしていた場合でも、
ハンドオフ後は中継転送方法により当該他の無線端末宛
てのパケット転送を行うこととなる。
【0260】J.第9の実施形態 本実施形態は、フラグメント分割送信方法によりパケッ
ト転送を行う無線パケット転送システムに本発明を適用
したものであり、請求項17に係る発明の実施形態であ
る。なお、本実施形態は、既に説明した各実施形態のい
ずれに適用することも可能である。
【0261】図42に本実施形態において無線端末が行
うデータパケットの送信動作の動作フローを示す。無線
端末は、データパケットの送信時、当該データパケット
を直接転送方法により転送するか中継転送方法により転
送するかを決定する(ステップS601)。なお、この
転送方法の決定をするための具体的処理については既に
各実施形態において説明した通りである。
【0262】そして、直接転送方法によりデータパケッ
トの転送を行うこととした場合、無線端末は、当該デー
タパケットのパケット長が直接転送の場合のフラグメン
ト閾値を越えているか否かを判断し(ステップS60
2)、越えている場合にはパケット長が当該フラグメン
ト閾値以下となるように当該データパケットの分割を行
う(ステップS603)。
【0263】一方、中継転送方法によりデータパケット
の転送を行うこととした場合、無線端末は、当該データ
パケットのパケット長が中継転送の場合のフラグメント
閾値を越えているか否かを判断し(ステップS60
4)、越えている場合にはパケット長が当該フラグメン
ト閾値以下となるように当該データパケットの分割を行
う(ステップS605)。
【0264】以上の処理を経た後、直接転送方法による
場合にはデータパケットの転送種別を“00”とし、中
継転送方法による場合にはデータパケットの転送種別を
“01”とし、データパケットの送信を行う(ステップ
S606)。
【0265】なお、直接転送方法および中継転送方法の
具体的処理については既に各実施形態において説明した
通りである。
【0266】本実施形態によれば、直接転送用のフラグ
メント閾値を無線端末と無線端末との間の伝送路に適し
た値に設定し、かつ、中継転送用のフラグメント閾値を
無線端末と無線基地局との間の伝送路に適した値に設定
することができ、これにより高いスループットを得るこ
とができる。
【0267】K.第10の実施形態 本実施形態は、RTS/CTSランダムアクセス方法に
よりパケット転送を行う無線パケット転送システムに本
発明を適用したものであり、請求項18に係る発明の実
施形態である。なお、本実施形態は、既に説明した各実
施形態のいずれに適用することも可能である。
【0268】図43にRTS/CTSランダムアクセス
方法によるデータパケット転送の動作シーケンスを示
す。図43において、送信元無線端末Aは、RTS信号
に送信元アドレスとパケット長を付与する。そして、中
継転送方法による転送を行う場合には転送種別“01”
をRTS信号に付与して無線基地局に送信し、直接転送
方法による転送を行う場合には転送種別“00”をRT
S信号に付与して宛先無線端末に送信する。図43に示
す動作例では、無線端末Aは、直接転送方法による転送
を行うべく、転送種別“00”をRTS信号に付与して
無線端末B宛てに送信している。
【0269】無線端末Bは、転送種別が“00”である
RTS信号を受信すると、RTS信号の送信元無線端末
Aのアドレスを許可アドレスとし、かつ、RTS信号に
付与されたパケット長を含んだCTS信号を送信する。
なお、転送種別が“01”であるRTS信号を無線基地
局が受信した場合にも、当該無線基地局によって同様な
CTS信号が送信される。
【0270】各無線端末は、上記CTS信号を受信する
と、当該CTS信号の許可アドレスが自局のアドレスと
一致しているか否かを判断する。
【0271】図43に示す例では、上記RTS信号の送
信元である無線端末Aは、CTS信号の許可アドレスが
自局のアドレスと一致していることを確認すると、転送
種別を“00”とする無線端末B宛てのデータパケット
を送信する。無線端末Bはこのデータパケットを受信す
ると、無線端末A宛てにACK信号を送信する。無線端
末Aは、このACK信号を受信することにより、送信成
功を認識する。
【0272】一方、他の無線端末Cは、上記CTS信号
の許可アドレスが自局のアドレスと一致していないた
め、CTS信号に含まれるパケット長に相当する期間、
データパケットおよびRTS信号の送信を行わない。
【0273】以上がRTS/CTSランダムアクセス方
法によるデータパケット転送の動作の概要である。この
方法によれば、いわゆる隠れ端末の問題を解決すること
ができる。
【0274】図44は本実施形態における無線端末のデ
ータパケットの送信動作を示すフローチャートである。
本実施形態において無線端末は、転送すべきデータパケ
ットが生じると、リトライカウンタを「1」に設定した
後(ステップS701)、データパケット転送を直接転
送方法により行うか中継転送方法により行うかを決定す
る(ステップS702)。
【0275】データパケット転送を直接転送方法により
行うものと決定した場合、当該データパケットのパケッ
ト長が直接転送用RTS閾値を越えているか否かを判断
し(ステップS703)、この判断結果が「YES」の
場合はステップS705へ、「NO」の場合はステップ
S710へと進む。一方、データパケット転送を中継転
送方法により行うものと決定した場合、当該データパケ
ットのパケット長が中継転送用RTS閾値を越えている
か否かを判断し(ステップS704)、この判断結果が
「YES」の場合はステップS705へ、「NO」の場
合はステップS710へと進む。
【0276】次にパケット長が直接転送用RTS閾値ま
たは中継転送用RTS閾値を越えており、ステップS7
03またはS704からステップS705に進むと、無
線端末はRTS信号を送信する。ここで、直接転送の場
合は、転送種別“00”をRTS信号に付与して送信
し、中継転送の場合は転送種別“01”をRTS信号に
付与して送信する。
【0277】このRTS信号の送信を終えると、CTS
信号を受信したか否かを判断する(ステップS70
6)。そして、CTS信号を受信しない場合はリトライ
カウンタの値が所定値K未満か否かを判断し(ステップ
S707)、K未満である場合には、ランダムに決定さ
れる時間だけ待機するとともにリトライカウンタを
「1」だけ増加させ(ステップS708)、再びRTS
信号の送信(ステップS705)を繰り返す。また、C
TS信号を受信した場合であっても、そのCTS信号に
含まれる許可アドレスが自局のアドレスと一致していな
い場合も基本的に同様であるが(ステップS709)、
この場合にはCTS信号中に含まれるパケット長に相当
する時間だけRTS信号の送信を見合せる。
【0278】上記RTS信号の送信後、CTS信号を受
信し、かつ、CTS信号に含まれる宛先アドレスが自局
のアドレスと一致している場合には、直接転送方法また
は中継転送方法のうちステップS702において決定し
た転送方法により、データパケットの送信を行う(ステ
ップS710)。
【0279】自局宛てのCTS信号を受信することな
く、リトライカウンタの値が所定値Kに達した場合は、
データパケットを廃棄する(ステップS711)。
【0280】以上が本実施形態における無線端末のデー
タパケットの送信動作である。本実施形態によれば、直
接転送の場合と中継転送の場合とでRTS閾値を別にし
ているので、直接転送用RTS閾値を無線端末と無線端
末との間の伝送路に適した値とし、中継転送用RTS閾
値を無線端末と無線基地局との間の伝送路に適した値と
することにより、高いスループットを得ることができ
る。
【0281】
【発明の効果】(1)請求項1〜16に係る発明によれ
ば、直接転送方法によるパケット転送が失敗に終わる可
能性が低く、その一方、可能な限り直接転送方法による
パケット転送を行うことができ、高いスループットが得
られ、かつ、可能な限り短い転送時間でパケット転送を
行うことができるという効果が得られる。
【0282】(2)請求項12に係る発明によれば、宛
先無線端末がパワーセーブモードで動作しているとき
は、当該宛先無線端末がたとえ直接転送テーブルに登録
されていたとしても、中継転送方法が適用される。従っ
て、本発明によれば、パワーセーブモードで動作してい
る宛先無線端末に直接転送方法によるパケット転送を行
って失敗するという事態を避けることができ、スループ
ットの向上を図ることができるという効果が得られる。
【0283】(3)請求項13に係る発明によれば、宛
先無線端末が認証を拒否したとき直接転送方法によりパ
ケットを送信すると宛先無線端末側で廃棄されるという
問題点が解決され、これにより高いスループットが得ら
れ、かつ、可能な限り短いパケット転送時間でパケット
転送を行うことができるという効果が得られる。
【0284】(4)請求項14に係る発明によれば、直
接転送を行った場合にブロードキャストパケットを受信
できない無線端末に対しても中継転送によりパケット転
送を行うことができ、パケット転送を信頼性を高めるこ
とができるという効果が得られる。
【0285】(5)請求項15に係る発明によれば、無
線端末が無線基地局のサービスエリアの圏外に位置する
場合には、宛先無線端末が直接転送テーブルに登録され
ているか否かに拘わらず、直接転送方法によりパケット
の転送を行うので、中継転送方法による無駄なパケット
転送を防止することができ、スループットの向上とパケ
ット転送時間の短縮を図ることができるという効果が得
られる。
【0286】(6)請求項16に係る発明によれば、無
線基地局の切り替え後は、まず、中継転送方法によりパ
ケット転送が行われるので、無線基地局の切り替え後の
直接転送が行われて失敗するという事態の発生を防止
し、スループットの向上とパケット転送時間の短縮を図
ることができるという効果が得られる。
【0287】(7)請求項17に係る発明によれば、中
継転送方法の場合と直接転送方法の場合とで各々に適し
たフラグメント閾値を使用することができるので、スル
ープットの向上を図ることができるという効果が得られ
る。
【0288】(8)請求項18に係る発明によれば、中
継転送方法の場合と直接転送方法の場合とで各々に適し
たRTS閾値を使用することができるので、スループッ
トの向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の各実施形態が適用されるネットワ
ークの構成例を示す図である。
【図2】 この発明の第1の実施形態において無線端末
と無線端末との間または無線端末と無線基地局との間で
授受される無線パケットのフォーマットを示す図であ
る。
【図3】 同実施形態において無線端末によって行われ
るデータパケットの受信動作を示すフローチャートであ
る。
【図4】 同実施形態における直接転送テーブルの内容
を例示した図である。
【図5】 同実施形態において無線端末によって行われ
るデータパケットの送信動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】 同実施形態において無線基地局によって行わ
れるデータパケットの中継動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】 同実施形態において無線端末が直接転送テー
ブルに登録された無線端末宛てにデータパケットを転送
する動作例を示す動作シーケンス図である。
【図8】 同実施形態において無線端末が他の無線端末
を直接転送テーブルに登録する動作例を示す動作シーケ
ンス図である。
【図9】 同実施形態において無線端末が直接転送テー
ブルに登録されていない無線端末宛てにデータパケット
を転送する動作例を示す動作シーケンス図である。
【図10】 同実施形態において無線端末が直接転送テ
ーブルに登録された無線端末宛てにデータパケットを転
送するが、宛先無線端末が当該データパケットを受信で
きない場合の動作例を示す動作シーケンス図である。
【図11】 同実施形態において隣接する各無線基地局
に収容されている各無線端末がデータパケット転送を行
う場合の動作を示す図である。
【図12】 同実施形態において無線端末と有線端末と
の間で行われるデータパケット転送の動作を示す動作シ
ーケンス図である。
【図13】 この発明の第2の実施形態において無線端
末によって行われるデータパケットの受信動作を示すフ
ローチャートである。
【図14】 同実施形態において2台の無線端末が各々
の直接転送テーブルに他方の無線端末を登録している
が、一方の無線端末が送信したデータパケットを他方の
無線端末が閾値L2未満の受信レベルで受信した場合の
動作例を示す動作シーケンス図である。
【図15】 この発明の第3の実施形態において無線端
末によって行われるデータパケットの受信動作を示すフ
ローチャート(前半)である。
【図16】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの受信動作を示すフローチャート
(後半)である。
【図17】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャートで
ある。
【図18】 同実施形態において監視タイマがタイムオ
ーバーとなったときの動作を示すフローチャートであ
る。
【図19】 同実施形態において無線端末が直接転送テ
ーブルに登録された無線端末宛てにデータパケットを転
送する動作例を示す動作シーケンス図である。
【図20】 同実施形態において無線端末が他の無線端
末を直接転送テーブルに登録する動作例を示す動作シー
ケンス図である。
【図21】 同実施形態において無線端末が直接転送テ
ーブルに登録された無線端末宛てにデータパケットを転
送するが、宛先無線端末が当該データパケットを閾値L
2未満の受信レベルで受信した場合の動作例を示す動作
シーケンス図である。
【図22】 同実施形態において無線端末が直接転送テ
ーブルに登録されており、監視タイマがタイムオーバー
となったときの動作例を示す動作シーケンス図である。
【図23】 この発明の第4の実施形態において無線端
末と無線端末との間または無線端末と無線基地局との間
で授受される無線パケットのフォーマットを示す図であ
る。
【図24】 同実施形態における直接転送テーブルの内
容を例示した図である。
【図25】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの受信動作を示すフローチャート
(前半)である。
【図26】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの受信動作を示すフローチャート
(後半)である。
【図27】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャートで
ある。
【図28】 同実施形態において無線端末がアクティブ
モードからパワーセーブモードに遷移したときの動作例
を示す動作シーケンス図(前半)である。
【図29】 同実施形態において無線端末がアクティブ
モードからパワーセーブモードに遷移したときの動作例
を示す動作シーケンス図(後半)である。
【図30】 この発明の第5の実施形態において無線端
末によって行われるデータパケットの送信動作を示すフ
ローチャート(前半)である。
【図31】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャート
(後半)である。
【図32】 同実施形態において無線端末Aの直接転送
テーブルに無線端末Bが登録され、かつ、無線端末Bが
未認証のとき、無線端末Bが認証を許可する場合の動作
例を示す動作シーケンス図である。
【図33】 同実施形態において無線端末Aの直接転送
テーブルに無線端末Bが登録され、かつ、無線端末Bが
未認証のとき、無線端末Bが認証を拒否する場合の動作
例を示す動作シーケンス図である。
【図34】 この発明の第6の実施形態において無線端
末によって行われるデータパケットの受信動作を示すフ
ローチャート(前半)である。
【図35】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの受信動作を示すフローチャート
(後半)である。
【図36】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャート
(前半)である。
【図37】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャート
(後半)である。
【図38】 同実施形態においてブロードキャストが行
われる場合の動作例を示す動作シーケンス図である。
【図39】 この発明の第7の実施形態において無線端
末によって行われるデータパケットの送信動作を示すフ
ローチャート(前半)である。
【図40】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャート
(後半)である。
【図41】 この発明の第8の実施形態において無線端
末によって行われるハンドオフ時の動作を示すフローチ
ャートである。
【図42】 この発明の第9の実施形態において無線端
末によって行われるデータパケットの送信動作を示すフ
ローチャートである。
【図43】 この発明の第10の実施形態が適用される
RTS/CTSランダムアクセス方法によるデータパケ
ット転送の動作例を示す動作シーケンス図である。
【図44】 同実施形態において無線端末によって行わ
れるデータパケットの送信動作を示すフローチャートで
ある。
【図45】 直接転送方法と中継転送方法を説明する図
である。
【符号の説明】
10 無線基地局 11 収容端末テーブル 1〜4、A、B、C 無線端末 20、Z 有線端末 30 イーサネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高梨 斉 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 守倉 正博 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−303930(JP,A) 特開 平10−210533(JP,A) 特開 平10−190717(JP,A) 特開 平10−173789(JP,A) 特開 平8−265358(JP,A) 特開 平8−65303(JP,A) 特開 平7−336335(JP,A) 特開 平7−303105(JP,A) 特開 平7−183896(JP,A) 特開 平6−261043(JP,A) NTT R&D Vol.45 No. 11,1996,吉田 博 他,「PHS無線 パケット通信の構成と制御方法」,pa ges.1099−1108 NTT R&D Vol.44 No. 9,1995,三木英輔 他,「PHSの無 線回路制御技術」,pages.743− 750 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 H04B 7/26 H04L 12/56 H04Q 7/38 JICSTファイル(JOIS)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線端末が他の無線端末に宛ててパケッ
    トを送信する場合に、送信元無線端末が無線基地局に対
    してパケットを送信し、無線基地局が宛先無線端末
    該パケットを送信する中継転送方法、または、前記送信
    元無線端末が前記宛先無線端末に前記パケットを直接送
    信する直接転送方法のいずれかを選択し、選択した方法
    により前記パケットの転送を行い、前記宛先無線端末お
    よび前記無線基地局は前記パケットを誤りなく受信した
    場合に応答信号を前記送信元無線端末へ送信し、前記送
    信元無線端末は、前記パケットの送信後一定期間内に前
    記応答信号を受信した場合にはパケット送信完了と判断
    し、前記パケットの送信後一定期間内に前記応答信号を
    受信しない場合にはパケット送信不完了と判断して前記
    パケットの再送を行う無線パケット転送方法において、 前記無線端末は、 a.前記直接転送方法の適用が可能な無線端末を特定す
    る直接転送テーブルを記憶し、 b.任意の他の無線端末宛てに前記パケットを転送する
    とき、前記宛先無線端末が前記直接転送テーブルに登録
    されていない場合には前記中継転送方法により前記パケ
    ットの転送を行い、前記宛先無線端末が前記直接転送テ
    ーブルに登録されている場合には前記直接転送方法によ
    前記パケットの転送を行い、 c.任意の無線端末宛てに送信されたパケットの自局に
    おける受信状況に基づき、パケットの送信元無線端末
    が前記直接転送テーブルに登録されるための登録条件を
    満たすか否かの判定を行い、前記登録条件を満たす場合
    送信元無線端末を前記直接転送テーブルに登録し、 d.自局が前記直接転送テーブルに登録された無線端末
    宛てパケットを送信した場合の送信結果および前記
    直接転送テーブルに登録された無線端末が任意の無線端
    末宛てに送信したパケットの自局における受信状況に基
    づき、前記直接転送テーブルに登録された無線端末の登
    録を抹消するための登録抹消条件を満たすか否かの判定
    を行い、前記登録抹消条件を満たす場合に前記直接転送
    テーブルに登録された無線端末の無線端末の登録を抹消
    することを特徴とする無線パケット転送方法。
  2. 【請求項2】 前記無線端末は、任意の無線端末宛てに
    送信されたパケットを、同一の送信元無線端末で閾値L
    1以上の受信レベルで、連続m1回受信した場合に、そ
    の送信元である無線端末が前記登録条件を満たすものと
    判定し、当該無線端末を前記直接転送テーブルに登録す
    ることを特徴とする請求項1に記載の無線パケット転送
    方法。
  3. 【請求項3】 前記無線端末は、任意の無線端末宛てに
    送信されたパケットを、当該送信元無線端末で閾値L1
    以上の受信レベルで、P1回中Q1回(P1≧Q1)受
    信したとき、その送信元である無線端末が前記登録条件
    を満たすものと判定し、当該無線端末を前記直接転送テ
    ーブルに登録することを特徴とする請求項1に記載の無
    線パケット転送方法。
  4. 【請求項4】 前記無線端末は、任意の無線端末宛てに
    送信されたパケットを、同一の送信元無線端末で閾値L
    1以上の受信レベルで、連続m1回またはP1回中Q1
    回(P1≧Q1)受信したとき、その送信元である無線
    端末が前記登録条件を満たすものと判定し、当該無線端
    末を前記直接転送テーブルに登録することを特徴とする
    請求項1に記載の無線パケット転送方法。
  5. 【請求項5】 前記無線端末は、前記直接転送方法によ
    りパケットの転送を行い、同一の送信元無線端末で連続
    m2回、パケット送信不完了と判断した場合に、その宛
    先である無線端末が前記登録抹消条件を満たすものと判
    定し、前記直接転送テーブルにおける当該無線端末の登
    録を抹消することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1の請求項に記載の無線パケット転送方法。
  6. 【請求項6】 前記無線端末は、前記直接転送方法によ
    りパケットの転送を行い、同一の送信元無線端末でP2
    回中Q2回(P2≧Q2)、パケット送信不完了と判断
    した場合に、その宛先である無線端末が前記登録抹消条
    件を満たすものと判定し、前記直接転送テーブルにおけ
    る当該無線端末の登録を抹消することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1の請求項に記載の無線パケット転
    送方法。
  7. 【請求項7】 前記無線端末は、前記直接転送方法によ
    りパケットの転送を行い、同一の送信元無線端末で連続
    m2回あるいはP2回中Q2回(P2≧Q2)、パケッ
    ト送信不完了と判断した場合に、その宛先である無線端
    末が前記登録抹消条件を満たすものと判定し、前記直接
    転送テーブルにおける当該無線端末の登録を抹消するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記
    載の無線パケット転送方法。
  8. 【請求項8】 前記無線端末は、前記直接転送テーブル
    に登録された無線端末が任意の無線端末宛てに送信した
    パケットを、同一の送信元無線端末で閾値L2未満の受
    信レベルで、連続m3回受信したとき、その送信元であ
    る無線端末が前記登録抹消条件を満たすものと判定し、
    前記直接転送テーブルにおける当該無線端末の登録を抹
    消することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1の請
    求項に記載の無線パケット転送方法。
  9. 【請求項9】 前記無線端末は、前記直接転送テーブル
    に登録された無線端末が任意の無線端末宛てに送信した
    パケットを、同一の送信元無線端末で閾値L2未満の受
    信レベルで、P3回中Q3回(P3≧Q3)受信したと
    き、その送信元である無線端末が前記登録抹消条件を満
    たすものと判定し、前記直接転送テーブルにおける当該
    無線端末の登録を抹消することを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1の請求項に記載の無線パケット転送方
    法。
  10. 【請求項10】 前記無線端末は、前記直接転送テーブ
    ルに登録された無線端末が任意の無線端末宛てに送信し
    たパケットを、同一の送信元無線端末で閾値L2未満の
    受信レベルで、連続m3回あるいはP3回中Q3回(P
    3≧Q3)受信したとき、その送信元である無線端末が
    前記登録抹消条件を満たすものと判定し、前記直接転送
    テーブルにおける当該無線端末の登録を抹消することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1の請求項に記載の
    無線パケット転送方法。
  11. 【請求項11】 前記無線端末は、一定期間、前記直接
    転送テーブルに登録された無線端末が任意の無線端末宛
    てに送信したパケットを受信せず、かつ、当該登録され
    た無線端末に対してパケットの転送を行ってパケット送
    信完了となることが1回もないとき、当該登録された無
    線端末が前記登録抹消条件を満たすものとし、前記直接
    転送テーブルにおける当該無線端末の登録を抹消するこ
    とを特徴とする請求項1〜10のいずれか1の請求項に
    記載の無線パケット転送方法。
  12. 【請求項12】 前記無線端末は、受信機の起動と停止
    を周期的に繰り返すパワーセーブモードにおける前記受
    信機の起動と停止の周期を予め前記無線基地局に通知
    し、通信中に、前記受信機を起動状態のまま維持するア
    クティブモードから前記パワーセーブモードへ、あるい
    は逆に前記パワーセーブモードから前記アクティブモー
    ドへの切り換えを行う場合には前記無線基地局にモード
    切り換えの通知を行い、他の無線端末宛てにパケットの
    転送を行う場合において当該宛先無線端末が前記パワー
    セーブモードにある場合には、前記直接転送テーブルに
    当該宛先無線端末が登録されているか否かに拘わらず、
    前記中継転送方法により当該パケットの転送を行うこと
    を特徴とする請求項1〜11のいずれか1の請求項に記
    載の無線パケット転送方法。
  13. 【請求項13】 前記無線端末は、他の無線端末にパケ
    ットを転送するときに、当該他の無線端末との間で認証
    を行い、認証に成功しない場合には、当該他の無線端末
    が前記直接転送テーブルに登録されているか否かに拘わ
    らず、前記中継転送方法により、当該他の無線端末への
    パケット転送を行うことを特徴とする請求項1〜12の
    いずれか1の請求項に記載の無線パケット転送方法。
  14. 【請求項14】 前記無線端末は、ブロードキャストに
    よるパケットの転送を行う場合には、前記中継転送方法
    により当該パケットの転送を行うことを特徴とする請求
    項1〜13のいずれか1の請求項に記載の無線パケット
    転送方法。
  15. 【請求項15】 前記無線端末は、前記無線基地局のサ
    ービスエリアの圏内に位置するか圏外に位置するかを検
    出し、前記無線基地局のサービスエリアの圏外に位置す
    る場合には前記直接転送方法によりパケットの転送を行
    うことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1の請求
    項に記載の無線パケット転送方法。
  16. 【請求項16】 前記無線端末は、在圏先である無線基
    地局の切り替えに伴って、前記直接転送テーブルにおけ
    る全ての無線端末の登録を抹消することを特徴とする請
    求項1〜15のいずれか1の請求項に記載の無線パケッ
    ト転送方法。
  17. 【請求項17】 無線基地局と複数の無線端末で無線パ
    ケット通信を行い、無線端末がパケットを送信すると
    き、当該パケットのパケット長が予め設定されたフラグ
    メント閾値を越える場合には、パケット長が前記フラグ
    メント閾値以下となるように当該パケットを分割して送
    信する無線パケット転送方法において、 前記無線端末は、前記無線基地局に対してパケットを送
    信し、当該無線基地局が宛先無線端末に当該パケットを
    送信する中継転送方法によるパケット転送を行う場合
    と、当該宛先無線端末に当該パケットを直接送信する直
    接転送方法によるパケット転送を行う場合とで各々別個
    のフラグメント閾値を使用することを特徴とする無線パ
    ケット転送方法。
  18. 【請求項18】 無線基地局と複数の無線端末で無線パ
    ケット通信を行い、無線端末がパケットを送信すると
    き、当該パケットのパケット長が予め設定されたRTS
    閾値を越える場合には、RTS信号に自局の識別子と前
    記パケット長を付与して宛先無線端末または前記無線基
    地局に送信し、前記宛先無線端末または前記無線基地局
    は、前記RTS信号の送信元無線端末による前記パケッ
    トの転送を許可する場合には、当該RTS信号に付与さ
    れた識別子およびパケット長を各々許可アドレスおよび
    予約期間としてCTS信号に付与して送信し、RTS信
    号の送信を行った無線端末は、自局のアドレスを許可ア
    ドレスとして含むCTS信号を受信した場合に前記パケ
    ットを送信し、自局のアドレスを許可アドレスとして含
    まないCTS信号を受信した場合には当該CTS信号に
    付与された予約期間に相当する期間が終了するまでRT
    S信号およびパケットの送信を見送る無線パケット転送
    方法において、 前記無線端末は、前記無線基地局に対してパケットを送
    信し、当該無線基地局が宛先無線端末に当該パケットを
    送信する中継転送方法によるパケット転送を行う場合
    と、当該宛先無線端末に当該パケットを直接送信する直
    接転送方法によるパケット転送を行う場合とで各々別個
    のRTS閾値を使用することを特徴とする無線パケット
    転送方法。
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