JP3006095B2 - 楽音波形発生装置 - Google Patents
楽音波形発生装置Info
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Description
ける音源処理方式に関する。
術の発達により性能の良い様々な電子楽器が実現されて
いる。特に、半導体メモリの低価格化に伴い、自然楽器
等の楽音波形をデジタル信号としてメモリに記憶させ、
これを演奏操作に対応する音程等で読み出すことによ
り、リアルな楽音波形を発音可能な電子楽器の登場が、
プロ・アマチュアを問わず音楽人口の大幅な増加に貢献
している。このような音源方式としては、PCM(パル
ス符号変調)方式、DPCM(差分パルス符号変調)方
式、ADPCM(適応差分パルス符号変調)方式といっ
た方式がある。特に、ADPCM方式は、大きなデータ
圧縮が可能であるため優れた音源方式である。
高速のディジタル演算が必要なため、従来は、必要とす
る音源方式に基づく楽音発生アルゴリズムと等価なアー
キテクチャをハードウエアで実現した専用の音源回路に
よって構成されている。このような音源回路により、P
CM方式等に基づく音源方式が実現される。
式のものもその回路規模が大きい。LSI化した場合、
波形データ等を記憶するメモリ部分を除いても、汎用の
データ処理用のマイクロプロセッサの2倍程度の規模に
なる。その理由は、音源回路においては、各種演奏情報
に基づいて波形データをアクセスするための複雑なアド
レス制御が必要になるからである。また、音源生成処理
の過程で得られる中間的なデータを一時的に保持するた
めのレジスタ等が、音源方式に対応したアーキテクチャ
で随所に配置される必要があるためである。特に、AD
PCM方式では、適応量子化されメモリに記憶されてい
る差分データを読み出し逆量子化の処理を実行して元の
差分値を求め、それを累算して楽音波形データを生成す
る、といった複雑な処理が必要となり、それらに対応し
たハードウエア構成も必要となるからである。
楽音波形発生装置は、音源方式に対応した専用の音源回
路によって構成されているため、ハードウエア規模が大
きくなってしまい、LSIで実現した場合におけるLS
Iチップ製造時の歩留り等の点において、製造段階での
コストアップを招き、楽音波形発生装置の大型化を招い
てしまうという問題点を有している。
たい場合、ポリフォニック数を変更したい場合等におい
ても、音源回路の大幅な変更を余儀なくされ、開発段階
でのコストアップを招いてしまうという問題点を有して
いる。
として実現するような場合には、演奏操作に対応する演
算情報から音源回路で処理可能なデータを生成したり、
他の楽器との演奏情報の通信を行ったりするための、マ
イクロプロセッサ等により構成される制御回路が必要と
なる。そして、このような制御回路においては、演奏情
報を処理するための演奏情報処理プログラムのほかに、
音源回路に演奏情報に対応したデータを供給するための
音源回路に対応した音源制御プログラムが必要となり、
しかも、その両方のプログラムを同期させて動作させる
必要がある。このようなプログラムの複雑性から、その
開発において多大なコストアップを招いてしまうという
問題点を有している。
処理を行うための高性能なマイクロプロセッサが多く実
現されており、このようなマイクロプロセッサを使用し
て音源処理をソフト的に行う楽音波形発生装置を実現さ
せることも考えられる。しかし、演奏情報を処理するた
めの演奏情報処理プログラムと、その演奏情報に基づい
て音源処理を実行するための音源処理プログラムとを同
期して動作させるための技術が知られていない。特に、
音源処理プログラムにおける処理時間が条件によって変
化するため、生成された楽音データをD/A変換器へ出
力するための複雑なタイミング制御プログラムが必要と
なってしまう。このように、音源処理を単純にソフト的
に行うだけでは、処理プログラムが非常に複雑になり、
処理速度及びプログラム容量の面からADPCM方式の
ような高度な音源方式の処理ができない。
となく、マイクロプロセッサのプログラム制御によっ
て、ADPCM方式による高度な音源処理を可能とする
ことにある。
報を処理するための演奏情報処理プログラムと、楽音信
号を得るための適応差分パルス符号変調(ADPCM、
以下同じ)方式による音源処理プログラムを記憶するR
OM等のプログラム記憶手段を有する。
差分化された差分データをデータ記憶手段に記憶し、適
応量子化時の量子化時を制御する量子化データ(正規化
係数)を複数サンプル毎に1つずつ予め量子化データ記
憶手段に記憶しておき、音源処理時にはそれらを同期し
て読み出し逆量子化を行って差分値を再生し、その差分
値を累算して楽音波形を生成する方式が採用できる。
に、現在の適応量子化差分データに対する量子化データ
を、1サンプル前に求まった差分値の振幅幅に基づいて
論理的に生成する方式なども採用できる。更に、単純な
差分値ではなく、現在の波形データの値から1サンプル
前の波形データの値に固定の予測係数を乗算して得た値
を減算した値を適応量子化して記憶させる方式、このと
きの予測係数を1サンプル前の波形データの値に基づい
て適応的に変化させる方式、さらに発展して、1サンプ
ル前のみならず、2サンプル、3サンプル前といった過
去の複数サンプルの各々に異なる予測係数を乗算して総
和をとり、その総和の値を現在の波形データの値から減
算したものを適応量子化して記憶する方式など、さまざ
まなADPCM方式が適応可能である。
御するアドレス制御手段を有する。また、前述のADP
CM方式で楽音信号を生成するために必要な楽音生成デ
ータを記憶するデータ記憶手段を有する。
含む演算処理手段を有する。そして、上述のアドレス制
御手段、データ記憶手段及び演算処理手段を制御しなが
ら、プログラム記憶手段に記憶された演奏情報処理プロ
グラム又は音源処理プログラムを実行するプログラム実
行手段を有する。同手段は、通常時は前記演奏情報処理
プログラムを実行してデータ記憶手段上の楽音生成デー
タを制御し、所定時間間隔で音源処理プログラムに制御
を移してそれを実行し、その終了後に再び演奏情報処理
プログラムを実行する。また、プログラム実行手段は、
音源処理プログラムの実行時に、データ記憶手段上の楽
音生成データに基づいて上述したようなADPCM方式
で楽音信号を生成する。この場合、プログラム実行手段
は、例えば上記所定時間間隔で割り込み信号を発生する
割り込み制御手段を有する。これにより、プログラム実
行手段は、演奏情報処理プログラムを実行中に、割り込
み制御手段から割り込み信号を発生したタイミングで演
奏情報処理プログラムを中断し、音源処理プログラムに
制御を移してそれを実行し、その終了後に割り込みを解
除して演奏情報処理プログラムの実行を再開する。
音源処理プログラムを実行して得られた楽音信号を保持
し、該保持された楽音信号を一定の出力時間間隔で例え
ばD/A変換器に出力する楽音信号出力手段を有する。
この場合の一定の出力時間間隔は、通常はD/A変換器
等のサンプリング周期に等しいが、この時間間隔は前述
の所定時間間隔と同じ間隔か、或いは、音源処理プログ
ラムを複数回実行して1サンプル分の楽音信号を生成す
るようにした場合には、所定時間間隔の複数回分の1の
時間間隔となる。
御手段、データ記憶手段、演算処理手段及びプログラム
実行手段は、汎用のマイクロコンピュータと同様の構成
であり、専用の音源回路は全く必要としない。また、楽
音信号出力手段は、汎用のマイクロコンピュータとは異
なる構成であるが、楽音波形発生装置という範疇では汎
用的である。
規模を大幅に小型化することができ、LSI化した場合
等においても通常のマイクロコンピュータの製造技術と
同じでよく、チップの歩留りも向上するため、製造コス
トを大幅に低減させることができる。なお、楽音信号出
力手段は簡単なラッチ回路で構成できるため、この部分
を付加したことによる製造コストの増加はほとんどな
い。
ビット数や適応量子化アルゴリズムを若干変更したい場
合。ポリフォニック数を変更したい場合等において、プ
ログラム記憶手段に記憶させる音源処理プログラムを変
更するだけで対処でき、新たな楽音波形発生装置の開発
コストを大幅に減少させることが可能となり、ユーザに
対しても例えばROMカード等によって新たなADPC
M方式を提供することが可能となる。
明が次のようなプログラムアーキテクチャ及びデータア
ーキテクチャを実現したからである。 すなわち、本発明では、データ記憶手段上にADPC
M方式で楽音を生成するために必要な楽音生成データを
記憶させるデータアーキテクチャを実現している。そし
て、演奏情報処理プログラムが実行される場合は、デー
タ記憶手段上の楽音生成データが制御され、音源処理プ
ログラムが実行される場合は、データ記憶手段上の楽音
生成データに基づいて楽音信号が生成される。このよう
に演奏情報処理プログラムと音源処理プログラムとの間
のデータの通信は、データ記憶手段上の楽音生成データ
を介して行われ、各プログラムにおけるデータ記憶手段
に対するアクセスは、相手のプログラムの実行状態に一
切関わりなく行えばよいため、実質的に両プログラムを
独立したモジュール構成とすることができ、簡単かつ効
率的なプログラム構造とすることができる。
明では、通常時は演奏情報処理プログラムを実行して、
例えば鍵盤キーや各種設定スイッチの操作、デモ演奏制
御等を行い、それに対して所定時間間隔で音源処理プロ
グラムを実行させ、その処理が終わったら再び演奏情報
処理プログラムに戻るというプログラムアーキテクチャ
を実現している。これにより、音源処理プログラムは、
例えば割り込み制御手段からの所定時間間隔で発生する
割り込み信号に基づいて強制的に演奏情報処理プログラ
ムに割り込めばよいため、演奏情報処理プログラムと音
源処理プログラムとの間の同期をとる必要はない。
ログラムを実行する場合には、処理条件(例えば条件分
岐命令により異なる処理に分岐した場合等)によって処
理時間が変化するが、この変化は、楽音信号出力手段に
よって全て吸収することができる。従って、楽音信号を
D/A変換器等へ出力するための複雑なタイミング制御
プログラムが必要なくなる。
音源処理プログラムとの間のデータのリンクをデータ記
憶手段上の楽音生成データを介して行うというデータア
ーキテクチャと、演奏情報処理プログラムに対して所定
時間間隔で音源処理プログラムを実行するというプログ
ラムアーキテクチャを実現し、更に、楽音信号出力手段
を設けたことにより、汎用プロセッサとほとんど同じ構
成で、効率的なプログラム制御に基づく音源処理が実現
される。
説明する。 本実施例の構成 図1は、本発明の実施例の全体構成図である。
コンピュータ101により制御される。特に、楽器の制
御入力の処理のみならず、楽音を生成する処理をマイク
ロコンピュータ101で実行され、楽音生成用の音源回
路は必要としない。
イッチ部104は楽器の操作入力部分であり、スイッチ
部104から入力された演奏情報はマイクロコンピュー
タ101で処理される。
ナログ変換後の楽音信号はローパスフィルタ105で平
滑化され、アンプ106で増幅された後、スピーカ10
7を介して放音される。電源回路108は、マイクロコ
ンピュータ101、ローパスフィルタ105及びアンプ
106に必要な電源を供給する。
の内部構成を示すブロック図である。制御データ兼波形
用ROM212には、後述するエンベロープ値の目標値
等の楽音制御パラメータ、ADPCM(アダプティブ差
分パルス符号変調)方式における楽音差分波形データ及
び量子化データが記憶されている。そして、コマンド解
析部207は、制御用ROM201のプログラムの内容
を順次解析しながら、制御データ兼波形用ROM212
上の上記各データをアクセスして、ソフトウエアによる
音源処理を行う。
御用のプログラムが記憶されており、ROMアドレス制
御部205からROMアドレスデコーダ202を介して
指定されたアドレスのプログラム語(命令)を順次出力
する。具体的には、各プログラム語の語長は例えば28
ビットであり、プログラム語の一部が次に読み出される
べきアドレスの下位部(ページ内アドレス)としてRO
Mアドレス制御部205に入力されるネクストアドレス
方式となっている。なお、当然、通常のプログラムカウ
ンタ方式のCPUで構成してもよい。
01から出力される命令のオペコードを解析し、指定さ
れたオペレーションを実行するために、回路の各部に制
御信号を送る。
OM201からの命令のオペランドがレジスタを指定し
ている場合に、RAM206内の対応するレジスタのア
ドレスを指定する。RAM206には、図10等として
後述する各種楽音制御データが8発音チャネル分記憶さ
れるほか、後述する各種バッファ等が記憶され、後述す
る音源処理に使用される。
ROM31からの命令が演算命令の場合に、コマンド解
析部207からの指示に基づいて、前者は加減算と論理
演算、後者は演算を実行する。
は図示しないハードタイマに基づいて、一定時間毎に、
ROMアドレス制御部205及びD/A変換器部213
にインタラプト信号を供給する。
は、図1のスイッチ部104が接続される。制御用RO
M201又はRAM206から読み出される各種データ
は、バスを介してROMアドレス制御部205、ALU
部208、乗算器209、制御データ兼波形用ROM2
12、D/A変換器部213、入力ポート210及び出
力ポート211に供給される。また、ALU部208、
乗算器209及び制御データ兼波形用ROM212の各
出力は、バスを介してRAM206に供給される。
3の内部構成を示すもので、データバスを介して、音源
処理で作成された楽音の1サンプルデータが、ラッチ3
01に入力される。そして、ラッチ301のクロック入
力に図2のコマンド解析部207から音源処理終了信号
が入力されると、データバス上の1サンプル分の楽音デ
ータが、図5に示すようにラッチ301にラッチされ
る。
音源処理用のソウトウエアの実行条件により変化するた
め、音源処理が終了し、ラッチ301に楽音データがラ
ッチされるタイミングは一定でない。そのため、図3の
ように、ラッチ301の出力をそのままD/A変換器3
03に入力させることはできない。
301の出力をさらにラッチ401でラッチし、図2の
インタラプト制御部203から出力されるサンプリング
クロック間隔に等しいインタラプト信号により、楽音信
号をラッチ401にラッチさせ、一定間隔でD/A変換
器303に出力させるようにしている。
における処理時間の変化を吸収したので、楽音データを
D/A変換器へ出力させるための複雑なタイミング制御
プログラムが不用になった。 本実施例の全体動作 次に、本実施例の全体動作を説明する。
1が、図6のメインフローチャートに示すように、S
602 〜S610 の一連の処理を繰り返し行っている。そし
て実際の音源処理は割り込み(インタラプト)処理で行
っている。具体的には、ある一定時間毎に、図6のメイ
ンフローチャートとして実行されているプログラムに割
り込みが掛かり、それに基づいて8チャンネルの楽音信
号を作る音源処理のプログラムが実行される。その処理
が終わると、8チャネル分の楽音波形が加算され、マイ
クロコンピュータ101に接続されているD/A変換器
部213から出力さえる。その後、割り込み状態からメ
インフローに戻る。なお、上述の割り込みは、図2のイ
ンタラプト制御部203内のハードタイマに基づき、周
期的に行われる。この周期は、楽音出力時のサンプリン
グ周期に等しい。
6〜図8に用いて詳細に本実施例の全体動作を説明す
る。図6のメインフローチャートは、インタラプト制御
部203から割り込みが掛からない状態においてマイク
ロコンピュータ101で実行される、音源処理以外の処
理の流れを示している。
ータ101内のRAM206(図2参照)の内容等の初
期設定が行われる(S601)。次に、マイクロコンピュー
タ101の外部に接続される機能キー103(図1参
照)の各スイッチが走査され(S602 )、各スイッチの
状態が入力ポート210からRAM206内のキーバッ
ファエリアに取り込まれる。その走査の結果、状態の変
化した機能キーが識別され、対応する機能の処理がなさ
れる(S603 ) 。例えば、楽音番号のセット、エンベロ
ープ番号のセット、また、付加機能にリズム演奏がつい
ていれば、リズム番号のセット等が行われる。
れている鍵盤キーが上記機能キーの場合と同様に取り込
まれ(S604 )、変化した鍵が識別されることによりキ
ーアサイン処理が行われる(S605 )。
示しないデモ演奏キーが押されたときは、図2の制御デ
ータ兼波形用ROM212からデモ演奏データ(シーケ
ンサデータ)が順次読み出されて、キーアサイン処理な
どが行われる(S606 )。また、リズムスタートキーが
押されたときは、リズムデータが制御データ兼波形用R
OM212から順次読み出され、キーアサイン処理など
が行われる(S607 )。
われる(S608 )。すなわち、後述するインタラプトタ
イマー処理(S702 )でインクリメントされている時間
データの時間値が判別され、デモ演奏制御用に順次読み
出される時間制御用のシーケンサデータ又はリズム演奏
制御用に読み出される時間制御用のリズムデータと比較
されることにより、S606 のデモ演奏又はS607 のリズ
ム演奏を行う場合の時間制御が行われる。
れるべき楽音のピッチにエンベロープを付加し、対応す
る発音チャネルにピッチデータを設定するというピッチ
エンベロープ処理等が行われる。
(S601)。この処理においては、S605の鍵盤キー処理に
おいて押鍵開始となったノート番号の発音チェネルの状
態を押鍵中に変えたり、離鍵となったノート番号の発音
チャネルの状態を消音中に変える等の処理が行われる。
明する。図2のインタラプト制御部203により、図6
のメインフローに対応するプログラムに割り込みが掛か
ると、同プログラムの処理が中断され、図7のインタラ
プト処理プログラムの実行が開始される。この場合、イ
ンタラプト処理のプログラムにおいて、図6のメインフ
ローのプログラムで書き込みが行われるレジスタ等につ
いては、内容の書き換えが行われないように制御され
る。従って、通常のインタラプト処理の開始時と終了時
に行われるレジスタの退避と復帰の処理は不要となる。
これにより、図6のメインフローチャートの処理とイン
タラプト処理との間の移行が迅速に行われる。
理が開始される(S701 )。この音源処理は図8に示さ
れる。この結果、8発音チャネル分が累算された楽音波
形データが、図2のRAM206内の後述するバッファ
Bに得られる。
ー処理が行われる。ここでは、図7のインタラプト処理
が一定のサンプリング周期毎に実行されることを利用し
て、RAM206(図2)上の特には図示しない時間デ
ータの値がインクリメントされる。すなわち、この時間
データの値を見れば時間経過がわかる。このようにして
得られる時間データは、前述したように、図6のメイン
フローのタイマー処理S608 における時間制御に用いら
れる。
域の内容がD/A変換器部213のラッチ301(図
4)にラッチされる。次に、図8のフローチャートを用
いて、インタラプト処理のステップS701 で実行される
音源処理の動作を説明する。
領域がクリアされる(S801 )。次に、発音チャネルの
1チャネル毎に音源処理が行られ(S802 〜S809 )、
最後に8チャネル目の音源処理が終了した時点で所定の
バッファ領域Bに8チャネル分が加算された波形データ
が得られる。これらの詳細な処理については後述する。
ャートの処理の関係を概念的に示した流れ図である。ま
ず、ある処理A(以下、B、C、・・・、Fも同じ)が
行われる(S901 )。この「処理」は、図6のメインフ
ローチャートの、例えば「機能キー処理」、や「鍵盤キ
ー処理」などに対応する。その後、インタラプト処理に
入り、音源処理が開始される(S902 ) 。これにより、
1サンプル分の8発音チャネルをまとめた楽音信号が得
られ、D/A変換器部213に出力される。その後、メ
インフローチャートの何らかの処理Bに戻る。以上のよ
うな動作が、8つの全ての発音チャネルに対する音源処
理が行われながら繰り返される(S904 〜S911 )。そ
して、この繰り返し処理は、楽音の発音中続けられる。 音源処理におけるデータ構成 次に、図7のS701 で実行される音源処理の具体例につ
いて説明する。
1が、8発音チャネル分の音源処理を分担することは前
述した。この8チャネル分の音源処理用のデータは、図
10に示すようなデータフォーマットで、図2のRAM
206内の発音チャネル毎の領域に設定される。
ような波形累算用のバッファBが確保されている。この
場合、図12の各発音チャネル領域には、ADPCM方
式に基づく音源処理用の各種制御データが格納される。
同図において、Aは、音源処理時に適応量子化差分デー
タ(後述する)が読み出される場合に指定されるアドレ
スを表し、AI が現在アドレスの整数部で、制御データ
兼波形用ROM212(図2)の適応量子化差分データ
が格納されているアドレスに直接対応する。また、AF
は現在アドレスの小数部で、上記ROM412から読み
出され逆量子化された差分値の補間に用いられる。つぎ
のPI はピッチデータの整数部、PF はピッチデータの
小数部を表す。例を示すと、PI =1、PF =0は原音
のピッチを、PI =2、PF =0は1オクターブ上のピ
ッチを、また、PI =0、PF =0.5は、1オクター
ブ下のピッチをそれぞれ表す。その他の種々の制御デー
タについては、後述のADPCM方式の説明の際に詳述
する。
される場合に、音源処理に必要な制御データ、例えばピ
ッチデータ、エンベロープデータ等が、対応する発音チ
ャネル領域に設定される。そして、図7のインタラプト
処理での音源処理として実行される図8の各チャネル対
応の音源処理において、上記発音チャネル領域に設定さ
れている各種制御データが使用されながら、楽音の生成
処理が実行される。このようにメインフローのプログラ
ムと音源処理プログラムとの間のデータの通信は、RA
M206上の発音チャネル領域の制御データ(楽音生成
データ)を介して行われ、各プログラムにおける発音チ
ャネル領域に対するアクセスは相手のプログラムの実行
状態に一切関わりなく行えばよいため、実質的に両プロ
グラムを独立したモジュール構成とすることができ、簡
単かつ効率的なプログラム構造とすることができる。
には、特には図示しないデータフォーマットで適応量子
化差分データ(後述する)が記憶されると共に、後述す
る量子化データ(第1の実施例の場合)、伸長テーブル
(第2の実施例の場合)、又は関数テーブル(第3の実
施例の場合)が記憶される。これらは、後述するよう
に、制御データ兼波形量ROM212から読み出された
適応量子化差分データの逆量子化を行うための制御デー
タである。このほか、同ROM212には、各音色に対
応する楽音生成用の制御データが記憶されており、演奏
者により或る音色が設定された場合に、同ROM212
からRAM206の前述の各発音チャネル領域に上記制
御データが転送、設定される。 ADPCM方式による音源処理の原理 以下、このようなデータ構成を用いて実行される、図8
の1チャネル毎の各音源処理(S802 〜S809 のいずれ
か)であるADPCM方式の音源処理について説明す
る。なお、この音源処理は、マイクロコンピュータ10
1のコンマンド解析部207が、制御用ROM201に
格納されている音源処理用のプログラムを解釈・実行す
ることにより実現される。以下、特に言及しないかぎ
り、この前提のもとで処理が行われるものとする。
を説明する。まず、図13において、制御データ兼波形
用ROM212(図2)のアドレスAI に対応するサン
プルデータXP は、アドレスAI の1つ前の、特には図
示しないアドレス(AI −1)に対応するサンプルデー
タとの差分値から求めた値である。
スAI には、つぎのサンプルデータとの差分値Dを求め
るための適応量子化差分データが書き込まれており、こ
のデータから差分値Dが基まる。従って、つぎのアドレ
スのサンプルデータはXP +Dで求まり、これが新たな
サンプルデータXP としておきかわる。
にAF とすれば、現在アドレスAF に対応するサンプル
データは、XP +D×AF で求まる。このように、AD
PCM方式では、現在のアドレスと、つぎのアドレスに
対応するサンプルデータ間の差分値Dを求めるための適
応量子化差分データが制御データ兼波形用ROM212
(図2)から読み出され、それに基づいて差分値Dが計
算され、現在のサンプルデータに加算されて、つぎのサ
ンプルデータが求められることにより、順次波形データ
が作成される。
隣接する標本間の差分値が一般に小さい音声や楽音等の
ような波形を量子化する場合、通常のPCM方式に比較
して、少ないビット数で量子化を行えることは明らかで
ある。
のような巧妙な適応量子化の原理が採用されている。
今、例えば楽音波形の差分値をメモリに記憶させる場
合、一定のS/Nを確保しながら最大±Eの振幅値(例
えば電圧値)をとり得る差分値を量子化するために、n
ビットの量子化ビット数が必要であるとする。これに対
して、メモリ容量の制約等から1サンプルデータあたり
nビットより少ないmビットのデータ量しか割り当てら
れない場合、差分値を1サンプルあたりなんとかmビッ
トで量子化しなければならない。
2m 分割することになるが、これでは量子化幅が広がっ
てS/Nが劣化してしまう。そこで、ADPCM方式で
は、楽音波形等の差分値をメモリに記憶等される場合
に、一定のS/Nを確保できて、かつ、mビットで表現
できる振幅値の絶対値が|±E|より小さい|±e|の
範囲を定める。そして、振幅値の絶対値が|±e|より
大きな差分値は、1以上の正規化係数で割ってその範囲
内に入るように圧縮し、その後にmビットで量子化し、
メモリに記憶等させる。これにより、一定のS/Nを確
保したまま1サンプデータあたりの量子化ビット数を減
らすことができ、メモリ容量を減らすことができる。こ
のような操作を適応量子化と呼ぶ。
分データから元の差分値を再現するためには、各サンプ
ルデータの適応量子化を行った時の上記正規化係数もい
っしょに記憶させておき、適応量子化された差分データ
をメモリから読み出すときに、それに対応する正規化係
数も同時に読み出し、適応量子化された差分データに乗
算して元の差分値を再現しなければならない。この操作
を逆量子化と呼ぶ。
化係数を記憶させたのでは、結局、振幅値が±Eの範囲
の差分値をnビットで量子化したのと同程度の記憶容量
が必要になってしまい、データ圧縮は実現できない。
きるADPCM方式による音源処理の第1、第2及び第
3の実施例につき、以下に順次説明する。 ADPCM方式による音源処理の第1の実施例 第1の実施例では、楽音波形の差分値の振幅が連続する
8サンプル程度の時間範囲では急激には変化しないこと
を利用して、差分値をメモリに記憶させる際に、連続す
る8サンプルの差分値は同じ正規化係数で適応量子化し
て記憶させることとする。そして、正規化係数の値自体
もそれほど細かくない一定のステップで変化するように
し、そのような正規化係数を数ビットで量子化する。
数の値が8段階に変化するようにし、それを3ビットで
表現する。これにより、正規化係数は8サンプル毎に3
ビットのデータで量子化してメモリに記憶すればよいた
め、データ圧縮が実現できる。なお以下の説明では、上
述の正規化係数を量子化データと呼ぶことにする。
は、上述の±Eは±64、±eは±8であり、量子化幅
は1である。これにより、±8の範囲が16レベルで量
子化されるため、差分値が適応量子化されるときの量子
化ビット数は4ビットとなり、また、量子化データは3
ビットである。そして、適応量子化時には、元の差分値
がこの量子化データに対応する係数で除算されることに
より、すべて±8の範囲に圧縮される。
には量子化データ「001」によって指示される係数1
で除算され(すなわち、圧縮は行われない)、元の差分
値が±8より大きく±16以内の場合には量子化データ
「010」によって指示される係数2で除算され、以下
同様にして、元の差分値が±32より大きく±64以内
の最大範囲の場合には量子化データ「111」によって
指示される係数8で除算される。そして、このようにし
て圧縮され4ビットで量子化された差分データが制御デ
ータ兼波形用ROM212(図2)に記憶され、同時
に、このときの3ビットの量子化データが、差分値8サ
ンプルに対して1データずつ、図12の如く上記ROM
212に記憶される。
実施例の動作を、図15〜図18の動作フローチャート
を用いて説明する。フロー中の各変数は、図2のマイク
ロコンピュータ101内のRAM206上の対応する発
音チャネル領域に図10のデータフォーマットで確保さ
れている。
く分けてエンベロープ処理(S1501〜S1507)と、波形
処理(S1508〜S1532)から構成される。まず、図13
及び図14のADPCM方式の原理に基づく波形処理の
前に、エンベロープ処理について説明する。
エンベロープを示した図である。S1501〜S1507の処理
により生成されるエンベロープ値Eは、後述するステッ
プS1531において楽音波形出力Oに乗算されることによ
り、楽音波形の各サンプルデータにエンベロープが付加
される。
プは、時間的にいくつかのステップ(セグメント)から
構成されている。同図では、4ステップの例が示されて
いる。図中のΔxはエンベロープのサンプリング周期で
あり、Δyはエンベロープ値の変化幅である。
ンプリングタイミング毎のエンベロープ値Eの計算と、
その値が現在のステップの目標エンベロープ値OEに達
したか否かのチェックが行われる。そして、EがOEに
達したときには、図6のメインフローにおけるS609 の
発音処理においてそれが検知されて、次のステップのエ
ンベロープのためのデータ(Δx、Δy及び目標エンベ
ロープ値OE)が、図2の制御データ兼波形用ROM2
12から読み出されて、RAM206(図2)上の対応
する発音チャネル領域(図10参照)にセットされてい
る。
算周期Δxと比較するためのタイマ値Δxt が、インタ
ラプトタイミング毎にインクリメントされる。次に、S
1502で、ΔxがΔxt と一致したか否かが判定される。
ない。S1502で、ΔxがΔxt と一致したと判定された
場合、S1503で、エンベロープ値の変化幅Δyの符号ビ
ットが判別される。
場合、すなわち、エンベロープが上昇中の場合には、ス
テップS1504において、現在エンベロープ値Eに変化幅
Δyが加算される。
Oの場合、すなわち、エンベロープが下降中の場合に
は、ステップS1505において、現在エンベロープ値Eか
ら変化幅Δyが減算される。
プ値Eが目標エンベロープ値OE以上となったか否かが
判別される。EがOE以上となった場合には、現在エン
ベロープ値Eが目標エンベロープ値OEで置き換えられ
る。
おけるS609 の発音処理で検知されて、次のステップの
エンベロープのためのデータがRAM206上にセット
される。なお、発音処理で現在エンベロープ値Eとして
0が検出された場合には、発音の終了として処理され
る。
の原理に基づく、S1508〜1532の波形処理について説明
する。制御データ兼波形用ROM212(図2)上の適
応量子化差分データが記憶されているアドレスのうち、
現在の処理の対象とされるデータが記憶されているアド
レスを図10の(AI,AF )とする。
データ(PI,PF )が加算される(S1508)。このピッ
チデータは、図1の鍵盤102において押鍵操作された
鍵番号に対応している。
に変化があるか否かが判定される(S1509)。判定がN
Oならば、図13のアドレスAI における差分値Dを用
いて、D×AF なる演算処理により、アドレスの小数部
AF に対応する補間データ値Oが演算される
(S1529)。なお、差分値Dは、今回以前のインタラプ
トタイミングにおける音源処理により求まっている(後
述するS1518又はS1521参照)。
数部AI に対応するサンプルデータXP が加算され、現
在アドレス(AI,AF )に対応する新しいサンプルデー
タO(図13のXQ に対応)が得られる(S1530)。
ンベロープ処理で求まっているエンベロープ値Eが乗算
され(S1531)、得られたOの内容がRAM206(図
2)内の波形データバッフアB(図11参照)に累算さ
れる(S1532)。このバッファBには、他の発音チャネ
ルに対する音源処理(図8S802 〜S809 )で生成され
た楽音波形出力が累算され、最終的に8チャネル分が累
算されたデータとして、1サンプル分の楽音波形データ
が生成される。
のサンプリング周期でインタラプトが掛かって、図15
〜図18の音源処理の動作フローチャートがふたたび実
行されて、現在アドレス(AI,AF )にピッチデータ
(PI,PF )が加算される(S1508)。
化が生ずるまで繰り返される。この間、サンプルデータ
XP 及び差分値Dは更新されず、補間データOのみがア
ドレスAF に応じて更新され、その都度新たなサンプル
データXQ が得られる。
にピッチデータ(PI,PF )が加算された結果、現在ア
ドレスの整数部AI が変化したら(S1509)、アドレス
AI がエンドアドレスAE に達しているか又は越えてい
るか否かが判定される(S1510)。
のループ処理により、現在アドレスの整数部AI に対応
するサンプルデータが計算される。すなわち、まず、旧
AI という変数(図10参照)には、現在アドレスの整
数部AI が変化する前の値が格納されている。これは、
後述するS1513又はS1524の処理の繰り返しにより実現
される。
ントされながら、S1518において、旧AI により指示さ
れる制御データ兼波形用ROM212(図2)上の適応
量子化差分データが読み出され、逆量子化の処理により
差分値Dが演算される。この逆量子化は、前述した如
く、適応量子化差分波形データに量子化データを乗算す
ることで実現されるが、このときの量子化データは、量
子化データ現在アドレスADRで指示される制御データ
兼波形用ROM212上のデータとして読み出される
(図12参照)。
たように差分値の8サンプル毎に1データずつが対応し
ている。そこで、ブロック内カウンタBKという変数が
用意され(図10参照)、S1514において上記カウンタ
BKが初期値0から順次インクリメントされ、S1515に
おいてそのカウンタBKの値が7を越えたか否かが判別
されることにより、8サンプル進んだか否かが判別され
る。そして、BKの値が7を越えたら再びBKの値を初
期値0に戻し(S1516)、量子化データ現在アドレスA
DRの値を1だけ進める(S1517)。
アドレスADRによって読み出される適切な量子化デー
タに基づいて、S1518で差分値Dが演算される。そし
て、この差分値Dが、S1512において順次サンプルデー
タXP 累算される。
値が変化後の現在アドレスの整数部AI に等しくなった
時点で、サンプルデータXP の値は変化後の現在アドレ
スの整数部AI に対応する値となる。
I に対応するサプルデータXP が求まると、S1511の判
定がYESとなり、前述の補間値の演算処理(S1529)
に移る。
グ毎に繰り返され、S1510の判定がYESに変化した
ら、つぎのループ処理を入る。まず、エンドアドレスA
E を越えた分のアドレス(AI ,AE )がループアドレ
スAL に加算され、得られたアドレスが新たな現在アド
レスの整数部AI とされる(S1519)。
ドレスが進んだかによって、差分値Dが演算され累算さ
れる操作が何回か繰り返されることにより、新たな現在
アドレスの整数部AI に対応するサンプルデータXP が
計算される。
データXP が予め設定されているループアドレスAL で
のサンプルデータXPL(図10参照)の値とされ、旧A
I がループアドレスAL の値とされる。
及びブロック内カウンタBKの各値が、ループアドレス
AL において対応する値ADRL 及びBKL とされる
(S1520)。
は、予め制御データ兼波形用ROM212からRAM2
06の各発音チャネル領域(図10参照)に読み出され
ている。なお、これらは演奏者が特には図示しない手段
により設定できるようにしてもよい。
り返される。すなわち、旧AI の値がS1524で順次イン
クリメントされながら、S1521において、旧AI により
指示される制御データ兼波形用ROM212(図2)上
の適応量子化差分データが読み出され、逆量子化の処理
によって差分値Dが演算される。
データ現在アドレスADRで指示される制御データ兼波
形用ROM212上のアドレスから量子化データが読み
出され、適応量子化差分データに乗算されることによ
り、差分値Dが演算される。
Rは、前述のS1514〜S1517の処理と同様のS1524〜S
1528の処理によって更新される。そして、この差分値D
が、S1523において順次サンプルデータXP に累算され
る。
値が変化後の現在アドレスの整数部AI に等しくなった
時点で、サンプルデータXP の値はループ処理後の新た
な現在アドレスの整数部AI に対応する値となる。
数部AI に対応するサンプルデータXP が求まると、S
1522の判定がYESとなり、前述の補間値の演算処理
(S1529)に移る。
DPCM方式による波形データが生成される。 ADPCM方式による音源処理の第2の実施例 以上説明した第1の実施例では、ADPCMにおける量
子化データを、差分値の8サンプルに1データずつ、制
御データ兼波形用ROM212(図2)に記憶させてい
る。これに対して、以下に説明する第2の実施例では、
楽音波形の差分値の振幅の分布が予め楽音波形に特有の
分布となることを利用して、正規化係数の代わりに、差
分値の各振幅をどの値に圧縮するかという圧縮特性を定
め、差分値をメモリ(図2の212)に記憶させる際
に、この圧縮特性で圧縮を行いながら適応量子化して記
憶させることとする。そして、音源処理時には、その圧
縮特性の逆特性である伸長特性で適応量子化された差分
値を伸長しながら逆量子化を行って元の差分値を再生
し、それを累算して楽音波形を再生すればよい。そのた
めに、制御データ兼波形用ROM212(図2)には、
上記伸長特性で伸長を行うための図21で後述するよう
な伸長テーブルを記憶させておく。この場合は、第1の
実施例のような量子化データを記憶させる必要はない。
式による音源処理の第2の実施例の動作につき具体的に
説明する。第2の実施例による音源処理も第1の実施例
と同様、大きく分けてエンベロープ処理と、波形処理か
ら構成される。この場合、エンベロープ処理は、図15
の第1の実施例のものと全く同様であり、また、波形処
理の後半の処理である、補間データ値の演算処理、エン
ベロープ値の乗算処理及び波形データバッファへの累算
処理は、図18の第1の実施例のものと全く同様であ
る。
作フローチャートであり、第1の実施例における図16
及び図17の部分に対応する。同図において、図16、
図17と同じ番号のステップは、同じ機能を有するもの
とする。
S1514〜S1517及びS1525〜S1528の処理では、制御デ
ータ兼波形用ROM212から各サンプルに対応する8
サンプル単位のブロックの量子化データが読み出され、
適応量子化差分データに乗算されることにより差分値D
が演算された。これに対して、図20の第2の実施例で
は、上述のステップS1514〜S1517がステップS
2001で、ステップS1525〜S1528がステップS2003でそ
れぞれ置き換えられている。
ず、旧AI により指示される制御データ兼波形用ROM
212(図2)上の適応量子化差分データが読み出さ
れ、これを入力として、同じくROM212上に記憶さ
れている図21の例のような特性を有する伸長テーブル
で直接伸長されることにより逆量子化の処理が行われ、
差分値Dが演算される。
理用のデータのうち、ブロック内カウンタBK及び量子
化データROMの現在アドレスADRの2つのデータは
必要ない。これに対して、図16のステップS1520は図
20のステップS2002としてよい。
わかっているため、図21の例のような伸長テーブルを
用意することにより、現在の適応量子化差分データの大
きさに基づいて、それを伸長テーブルによって直接逆量
子化できる。このため、通常の通信音声信号のように長
時間の平均的な特性しかわからないような信号に適用し
た場合に比較し、はるかに正確な適応量子化を行うこと
が可能となり、高品質かつ高圧縮率で楽音信号の記憶・
再生が可能となる。 ADPCM方式による音源処理の第3の実施例 上述の第2の実施例では、現在の適応量子化差分データ
の大きさに基づいて、それを伸長テーブルで直接逆量子
化して差分データを求めている。これに対して、各タイ
ミング毎の量子化データ(正規化係数)を、前回のタイ
ミングの量子化データに前回の適応量子化差分データの
絶対値を入力として求まる関数値を乗算することにより
順次求め、その演算された量子化データを現在の適応量
子化差分データに乗算することによっても、差分値を求
めることができる。この原理に基づく第3の実施例の動
作を以下に説明する。
20の波形処理のステップS2002及びS2003のそれぞれ
を、図22のステップS2201とS2202のセットからなる
ステップで置き換えた処理として実現される。
に、予め圧縮時に求まる図23の例で示されるような変
換関数テーブルを記憶させておく。ステップS2201で
は、まず、(旧AI −1)により指示される制御データ
兼波形用ROM212(図2)上の前回のタイミングの
適応量子化差分データが読み出され、これを同じくRO
M212上に記憶されている図23の例のような特性を
有する関数テーブルfで変換する。そして、この関数値
を前回のタイミングの量子化データΔqに乗算し、今回
のタイミングの新たな量子化データΔqとして置き換え
る。
ータΔqを、旧AI により指示される制御データ兼波形
用ROM212上の今回のタイミングの適応量子化差分
データに乗算することにより、差分値Dが求まる。
理用のデータのうち、ブロック内カウンタBK及び量子
化データROMの現在アドレスADRの2つのデータは
必要なく、その代わりに各発音チャネルの領域に量子化
データΔqが追加される。この発音チャネル毎のΔq
は、例えば図6の機能キー処理S603 で各発音チャネル
にキーアサインが行われた場合等において、所定の初期
値に初期設定される。 ADPCM方式による音源処理の他の実施例 以上説明した第1〜第3の実施例のほかに、より一般的
なADPCM方式を本発明に適用することも可能であ
る。すなわち、現在の適応量子化差分データに対する量
子化データを、1サンプル前に求まった差分値の振幅値
に基づいて論理的に生成し、それを現在の適応量子化差
分データに乗算して現在の差分値を生成するようなアル
ゴリズムも採用することが可能である。この場合、例え
ば図16及び図17において、S1514〜S1517及びS
1525〜S1528の処理は不要となり、S1514及びS1524の
処理の後の更新前の差分値から量子化データを生成する
論理アルゴリズムの処理ステップを挿入し、S1518及び
S1521において、旧AI に基づいて制御データ兼波形用
ROM212(図2)から読み出された適応量子化差分
データに上記量子化データを乗算すればよい。このよう
なADPCM方式によれば、量子化データを制御データ
兼波形用ROM212に記憶させる必要がないため、さ
らにデータ圧縮が可能となる。
サンプル前の波形データの値と現在の波形データの値と
の差分値を適応量子化して制御データ兼波形用ROM2
12に記憶させているが、これに限られるものではな
く、現在の波形データの値から1サンプル前の波形デー
タの値に固定の予測係数を乗算して得た値を減算した値
を記憶させれば、さらにデータ圧縮が可能となる。そし
て、このときの予測係数を、1サンプル前の波形データ
の値に基づいて適応的に変化させることも可能であり、
より一層のデータ圧縮が実現される。さらに発展して、
1サンプル前のみならず、2サンプル、3サンプル前と
いった過去の複数サンプルの各々に異なる予測係数を乗
算して総和をとり、その総和の値を現在の波形データの
値から減算したものを制御データ兼波形用ROM212
に記憶させれば、究極的なデータ圧縮が可能となる。
CM方式というカテゴリーであれば、どのような音源方
式も本発明に適用することが可能である。
必要とせずに、汎用のプロセッサ構成とすることが可能
となる。このため、楽音波形発生装置全体の回路規模を
大幅に小型化することができ、LIS化した場合等にお
いても通常のマイクロコンピュータの製造技術と同じで
よく、チップの歩留りも向上するため、製造コストを大
幅に低減させることが可能なる。なお、楽音信号出力手
段は簡単なラッチ回路で構成できるため、この部分を付
加したことによる製造コストの増加はほとんどない。
を若干変更したい場合、ポリフォニック数を変更したい
場合等において、プログラム記憶手段に記憶させる音源
処理プログラムを変更するだで対処でき、新たな楽音波
形発生装置の開発コストを大幅に減少させることが可能
となり、ユーザに対しても例えばROMカード等によっ
て新たな音源方式を提供することが可能となる。
処理プログラムとの間のデータのリンクをデータ記憶手
段上の楽音生成データを介して行うというデータアーキ
テクチャと、演奏情報処理プログラムに対して所定時間
間隔で音源処理プログラムを実行するというプログラム
アーキテクチャを実現したことにより、両プロセッサ間
の同期をとるための処理が必要なくなり、プログラムを
大幅に簡略化することが可能となる。これにより、適応
差分パルス符号変調方式のように処理が複雑な音源処理
も、十分な余裕をもって実行することができる。
処理における処理条件による処理時間の変化を楽音信号
出力手段によって全て吸収することができるため、楽音
信号をD/A変換器等へ出力するための複雑なタイミン
グ制御プログラムが必要なくなるという効果も生まれ
る。
る。
る。
る。
との関係を示す概念図である。
図である。
のデータフォーマットを示す図である。
レスAF を用いて補間値XQ を求める場合の原理説明図
である。
例の動作フローチャート(その1)である。
例の動作フローチャート(その2)である。
例の動作フローチャート(その3)である。
例の動作フローチャート(その4)である。
例の動作フローチャートである。
例を示した図である。
例の動作フローチャートである。
例を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 演奏情報を処理するための演奏情報処理
プログラムと、楽音信号を得るための適応差分パルス符
号変調方式による音源処理プログラムを記憶するプログ
ラム記憶手段と、 前記プログラム記憶手段のアドレスを制御するアドレス
制御手段と、 前記適応差分パルス符号変調方式で楽音信号を生成する
ために必要な楽音生成データを記憶するデータ記憶手段
と、 演算処理手段と、 前記アドレス制御手段、前記データ記憶手段及び前記演
算処理手段を制御しながら、前記プログラム記憶手段に
記憶された前記演奏情報処理プログラム又は前記音源処
理プログラムを実行する手段であり、通常時は前記演奏
情報処理プログラムを実行して前記データ記憶手段上の
楽音生成データを制御し、所定時間間隔で前記音源処理
プログラムに制御を移してそれを実行し、その終了後に
再び前記演奏情報処理プログラムを実行する手段であ
り、前記音源処理プログラムの実行時に、前記データ記
憶手段上の楽音生成データに基づいて前記適応差分パル
ス符号変調方式で楽音信号を生成するプログラム実行手
段と、 前記プログラム実行手段が前記音源処理プログラムを実
行して得られた前記楽音信号を保持し、該保持された楽
音信号を一定の出力時間間隔で出力する楽音信号出力手
段と、 を有することを特徴とする楽音波形発生装置。 - 【請求項2】 前記プログラム実行手段は、前記所定時
間間隔で割り込み信号を発生する割り込み制御手段を含
み、 該プログラム実行手段は、前記演奏情報処理プログラム
を実行中に、前記割り込み制御手段から前記割り込み信
号が発生したタイミングで前記演奏情報処理プログラム
を中断し、前記音源処理プログラムに制御を移してそれ
を実行し、その終了後に割り込みを解除して前記演奏情
報処理プログラムの実行を再開する、 ことを特徴とする請求項1記載の楽音波形発生装置。
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