JP3006079U - 金属部材の溶接装置における1次電極 - Google Patents

金属部材の溶接装置における1次電極

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JP3006079U JP1994009043U JP904394U JP3006079U JP 3006079 U JP3006079 U JP 3006079U JP 1994009043 U JP1994009043 U JP 1994009043U JP 904394 U JP904394 U JP 904394U JP 3006079 U JP3006079 U JP 3006079U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂成形用金型等の金属製品の比較的微
細なつぶれやキズ、寸法補正などの補修に実施される溶
接装置における1次電極を提供する。 【構成】 1次電極6は、溶接パウダー2を付着させ溶
接を行なう部位に永久磁石4(又は電磁石)を設けたこ
と、又は前記溶接装置において、磁石を設けた1次電極
6のうち溶接パウダー2を付着させ溶接を行なう部位以
外は非磁性材料5で構成したことを特徴とする。 【効果】 必要量だけの溶接パウダー2をこの1次電極
6に直接、又は金属部材3の溶接補修箇所1に確実に付
着せしめて溶接を行え、作業効率が高められるる。高価
な種々の金属部材3に発生する補修箇所を修復して再利
用できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、合成樹脂成形用金型、ゴム成形用金型、ダイカスト金型、ガラス 成形用金型をはじめとする各種の金属製品(以下、これらを金属部材と総称する 。)の比較的微細なつぶれやキズ、寸法補正などの補修(及び補正を含む。以下 同じ)に実施される溶接装置の1次電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属部材による成形工場、鋳造工場では、金型のダレ、つぶれ等の比較的微細 な傷の補修による再利用の要求が高まってきている。出願人はこの点に着目し、 先の特願平4−63701号に係る金属部材の溶接補修方法と溶接方法及び溶接 装置を案出し、更に前記出願の溶接装置による溶接の作業効率を高めるべく、実 願平4−45890号に係る1次電極を案出した。その構成は、図6に示した通 り、1次電極fの先端に位置する電極本体aの全体形状が丸棒状に製作され、そ の中心部軸線方向に永久磁石bが内設され、電極ホルダeの導体cに差し込まれ ネジdで締付け固定されている。従って、永久磁石bの磁力によって当該1次電 極aに付着・保持した溶接パウダー1を溶接箇所に確実に付着せしめ(図5参照 )、当該1次電極aだけの操作で溶接を可能ならしめたものであり、溶接箇所に 溶接パウダーを予め付着する必要がなく、また磁石片も不要である点において、 従前の溶接装置より作業効率が向上されている。
【0003】
【本考案が解決しようとする課題】
1次電極によって溶接箇所に溶接されたパウダーの溶接形状(以下、ナゲット と云う。)の理想的な平面形状は、円形である。この点、前記図6の1次電極f は、溶接箇所に対し当接する部位が丸棒状の電極本体aの円周縁であるから、ナ ゲットは線状又は楕円形状等のいびつな形になる不都合がある。しかも、そのよ うな、いびつな形状にならないように1次電極fを動かそうとすると、電流が溶 接箇所の一点に集中せず分散して不安定となり、なかなかうまくいかない。加え て、ナゲットを連続したり積層して溶接する場合には、ナゲットがいびつ状に形 成され易く、しかもナゲット間にピンホール(微孔)が発生し、溶接不良の原因 となっている。その上、実際の溶接作業現場の周辺には、電流の一定化を妨げる 様々な障害物もあるため、1次電極の動きは非常に制限され良好な溶接を効率よ く行うことが困難であるという問題もある。
【0004】 ところで、1次電極の先端形状が半球状に形成したものも見受けられ(図示は 省略)、これを使用する場合はうまく動かして溶接することにより円形のナゲッ トを得ることは可能ではあるが、そのためには慎重な作業が要求され面倒である 。即ち、電極本体を溶接箇所へ当接できる範囲は半円の180度より以下の狭い 範囲であるから、作業性に劣る。
【0005】 したがって、本考案の目的は、先端の電極本体が丸棒状又は半球状等に形成さ れた従来の1次電極を改良し、金属部材の溶接箇所に対し一点接触を保持して電 流を常に一定に維持し、溶接パウダー等の溶接により良好なナゲットを形成せし め、高品質で強い溶接を実現し、溶接作業効率も高めた溶接装置における1次電 極を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、この考案に係る金属部 材の溶接装置における1次電極は、図面に実施例を示したとおり、 所定大きさの大電流を短時間内のパルス状に通電し薄い溶接板又は微粒粉末状 の溶接パウダー1を金属部材2の溶接箇所Sに溶接する1次電極3において、 前記1次電極3の先端は細まった首部4をもつ球状体5に形成したことを特徴 とする。
【0007】 また、前記1次電極3の先端球状体5は、棒状をなす電極本体6の先端部に首 部4を介して一体成形しており、前記電極本体6は導電性のシャンク7の前部に 固定し、前記シャンク7が電源装置と接続された電極ホルダ13の導体8に取付 け通電可能な構成としたことも特徴とする。さらに、当該電極本体6には、その 中心部の軸線方向に先端球状体5の中心に達する磁石挿通用の孔9を設け、前記 磁石挿通用孔9を利用して先端球状体5の中心部に永久磁石10を挿入し、その 背後に挿入した止め栓11によって前記永久磁石10を先端球状体5の中心位置 に固定したことも特徴とする。
【0008】
【作用】
1次電極3の先端が細まった首部4をもつ球状体5に形成されているから(図 1〜3)、金属部材2の溶接箇所Sに対し首部4の中心角θを除く全角度の操作 が常に一様な点接触により行え、同一、同大の円形のナゲットを形成し均一、均 質な溶接を行うことができる(図5)。しかも、先端が球状体5に形成されてい ることにより、1次電極3の先端を溶接箇所Sに当接した状態でいかように回転 しても、常に一定の電流が溶接箇所Sに一点集中され電流密度をハイレベルで維 持し、理想的な円形状のナゲットを多数形成せしめ、均一で精緻に溶接すること ができる。
【0009】
【実施例】
次に、図示した本考案の実施例を説明する。 図1は1次電極の全体構成を示し、図2は1次電極の先端部の構成を示してい る。1次電極3は、溶接箇所に当接される銀・タングステン合金などによる電極 本体6と、同電極本体6を保持する真ちゅう又は銅などで成る導電性のシャンク 7と、同シャンク7を保持して通電する導体8と、同導体8の大部分の外周を把 持する絶縁性の電極ホルダ13とを主要な構成要素としている。
【0010】 前記電極ホルダ13は、図示を省略した電源装置とコード14で接続されてお り、当該1次電極3は、図4に示した金属部材2と電気的に接続された2次電極 (図示省略)との間に300〜1500アンペア程度の大電流を1/1000〜 4/1000秒程度の短時間内のパルス状に通電し、微粒粉末状の溶接パウダー 1又は図示を省略した薄い溶接板などを金属部材2の溶接箇所Sに溶接可能な構 成とされている。
【0011】 前記電極本体6は、図2に示したように全体形状がほぼ棒状体に形成され、先 端部分の細まった首部4をもつ球状体5と一体的に形成されている。当該電極本 体6が導電性の前記シャンク7の前部に圧入して固定され通電可能な構成とされ ている。図3に示したように先端球状体5の先端からシャンク7の基端までの長 さLは、通常50mmである。先端球状体5の直径Dは、シャンク7の直径と略等 しく形成され、D=1.9mmの場合、首部4の長さd(同図参照)は1.5mmが 適切な長さとされている。その他、D=2.9mmで、d=2.2mmが適切であり 、D=3.9mmの場合、d=3.0mmであり、D=4.9mmの場合、d=3.7 mmで実施される。それらの長さにおいて首部4の中心角θは、各々約80度であ り、残る約280度の範囲内で一次電極3は回動可能である。
【0012】 また、前記電極本体6には、図2に示した通り、その中心部の軸線方向に先端 球状体5の中心に達する磁石挿通用の孔9が穿設され、この磁石挿通用孔9を利 用して先端球状体5の中心部に永久磁石10が挿入され、その背後に真ちゅうの 止め栓11を挿入して永久磁石10が先端球状体5の中心位置に固定されている 。なお、この永久磁石10の代わりに、電磁石(図示は省略)などを使用するこ とも可能である。
【0013】 したがって、溶接パウダー1に前記1次電極3の先端球状体5を近付けるだけ で、永久磁石10の磁力により溶接パウダー1を散乱させることなく先端球状体 5に付着・保持せしめ、図4に示した金属部材2の角隅部や稜線その他のあらゆ る部位の溶接箇所Sに、一様な点接触で均一な溶接を行える。即ち、溶接箇所S に先端球状体5を接触した状態で、首部4の中心角θを除く最大約280度の広 範囲内で自由に動かして又は転がして常に一様な点接触となり、溶接パウダー1 による同一、同形のナゲットがきれいに均一に溶接される(図4,5)。しかも 、先端が球状体5に形成されていることにより、1次電極3の先端を溶接箇所S に当接した状態でいかように動かしても、常時一定の電流が溶接箇所Sの一点に 集中している状態を保持し電流密度の高い状態で溶接されるから、ピンホールの ない理想的な円形状の溶接ナゲットを均一に形成して細かい溶接箇所Sをも精緻 にきれいに溶接される。
【0014】
【第2実施例】 図3は永久磁石を内部に設けない1次電極3を示している。磁石を設けないほ かは前記第1実施例と同様な構成とされている。当該磁石なしの1次電極3を使 用して溶接する場合は、第1実施例の磁石入り1次電極3のように溶接パウダー 1を金属部材2の溶接箇所Sに精度よく溶接できる作用効果を奏するほか、金属 部材2への薄板材、ステンレス細金網、ステンレス細針金などの溶接にも供され る。
【0015】
【本考案が奏する効果】
本考案に係る金属部材の溶接装置における1次電極によれば、溶接箇所Sに対 し常に一様な点接触で且つ高密度な一定の電流で均一に溶接されるから、高品質 で強い溶接ナゲットが得られる結果、高価な種々の金属部材を精緻に補修できる ことは勿論、ステンレスの薄板材の接合やステンレス金網の接合、市販の金属製 品の小さい欠陥への適用など溶接の応用範囲の拡大化、さらに省電力化に貢献す る。また、先端球状体5のほぼ全面を有効に使用できるから、使い勝手がよく溶 接作業能率の向上に寄与する。さらに、先端が先端球状体であるため見栄えがよ く美観に優れ、商品価値の向上にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】1次電極を示した全体図である。
【図2】電極本体を示した一部切欠の拡大図である。
【図3】第2実施例の拡大図である。
【図4】1次電極の溶接要領を示した模式図である。
【図5】金属部材の角隅部の溶接要領を示した拡大図で
ある。
【図6】従来の1次電極を示した全体図である。
【符号の説明】
1 溶接パウダー 2 金属部材 S 溶接箇所 3 1次電極 4 首部 5 先端球状体 6 電極本体 7 シャンク 8 導体 9 磁石挿通用孔 10 永久磁石 11 止め栓 13 電極ホルダ

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定大きさの大電流を短時間内のパルス状
    に通電し薄い溶接板又は微粒粉末状の溶接パウダーを金
    属部材の溶接箇所に溶接する1次電極において、前記1
    次電極の先端は細まった首部をもつ球状体に形成されて
    いることを特徴とする、金属部材の溶接装置における1
    次電極。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した1次電極の先端球状体
    は、棒状をなす電極本体の先端部に首部を介して一体成
    形されており、前記電極本体は導電性のシャンクの前部
    に固定され、前記シャンクが電源装置と接続された電極
    ホルダの導体に取付けられ通電可能な構成とされている
    ことを特徴とする、金属部材の溶接装置における1次電
    極。
  3. 【請求項3】請求項2に記載した電極本体には、当該電
    極本体の中心部の軸線方向に先端球状体の中心に達する
    磁石挿通用の孔が設けられ、前記磁石挿通用孔を利用し
    て先端球状体の中心部に永久磁石が挿入され、その背後
    に挿入された止め栓によって前記永久磁石が先端球状体
    の中心位置に固定されていることを特徴とする、金属部
    材の溶接装置における1次電極。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11772185B2 (en) 2020-12-24 2023-10-03 Hyundai Motor Company Electrode for resistance spot welding and device for resistance spot welding including the same

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