JP3005972B2 - 閾動作式半導体型静電力装置 - Google Patents

閾動作式半導体型静電力装置

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JP3005972B2
JP3005972B2 JP4151385A JP15138592A JP3005972B2 JP 3005972 B2 JP3005972 B2 JP 3005972B2 JP 4151385 A JP4151385 A JP 4151385A JP 15138592 A JP15138592 A JP 15138592A JP 3005972 B2 JP3005972 B2 JP 3005972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は閾動作式半導体型静電力
装置に関する。より詳しくは、不純物半導体を機能性材
料として利用し、外部の静電界強度が所定の閾値レベル
を越えた時静電力を発生して駆動トルクを取り出す電気
機械変換装置あるいは静電アクチュエータ等に関する。
【0002】
【従来の技術】不純物半導体材料はドナー電子あるいは
アクセプタ正孔の挙動に起因する特異的な電気特性を有
しており、様々な電子部品に利用されている。例えばP
N接合の整流作用を利用してダイオードやトランジスタ
が作られている。又、チャネル領域の反転現象を利用し
て絶縁ゲート電界効果型のトランジスタやこれを集積化
したMOSICが作られている。さらには、圧電効果を
利用した力学センサや光電効果を利用した光センサが作
られている。加えて、光電効果を利用した太陽電池も作
られている。この様に、従来半導体装置の開発は論理素
子あるいは知能素子、センサ素子あるいは感覚素子、エ
ネルギー素子等に主体が置かれていた。
【0003】近年、半導体材料の第4の機能として、力
学的な効果が注目を集めている。マイクロマシン工学に
代表される様に、不純物半導体材料をローターとして利
用した静電型半導体モーターが提案されている。例え
ば、特開昭63−154072号公報に開示されてい
る。この静電型半導体モーターはローターを構成する不
純物半導体に含まれる多数キャリアを静電界により局在
化させクーロン力を発生して回転駆動トルクを得るもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した静電型半導体
モーターは不純物半導体材料の力学的効果の発見に基い
ており、極めて画期的なものである。知能的な機能、感
覚的な機能、エネルギー源的な機能に加えて力学的な機
能が発見された事により、半導体材料のみで自立的なロ
ボットあるいはマイクロマシンを構築できる可能性が開
かれた。
【0005】しかしながら、先に開発された半導体モー
ターは単に外部電界に応答して駆動トルクを発生するも
のであり比較的単純なアクチュエータである。アクチュ
エータ自体としては用途が限られており単に動力源とし
て用いられるに過ぎない。アクチュエータ自体に判断能
力、情報処理能力あるいは知的能力が備わっていない
為、より高度な動作を行なわせる場合には、CPU等の
外部制御回路と連結せざるを得ない。
【0006】この点に鑑み、本発明は静電型半導体アク
チュエータ自体に判断能力、情報処理能力あるいは知的
能力を付与する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した本発明の目的を
達成する為に閾動作式半導体型静電力装置を発明した。
図1の(A)を参照して本装置の基本的な構成例を説明
する。本装置は、所定の閾値を越える静電界に応答して
電界方向に移動する電荷を保持する半導体領域を備えた
作用手段1を備えている。又、該半導体領域に対して静
電界を印加する為の対向手段2を備えている。さらに、
該静電界を制御する事により所定の閾値を越えた時該半
導体領域内で電荷を局在化させ静電力を取り出す為の制
御手段3を備えている。
【0008】本例では、該対向手段2は静電界を印加す
る為の電極4を有するとともに、該制御手段3は該電極
4に可変電圧を供給して電気的に上記静電界を制御する
様にしている。
【0009】本発明では、該作用手段1と該対向手段2
は互いに相対的に変位する可動子と固定子を構成し、取
り出された静電力を力学的変位に変換する。具体的に
は、作用手段1が可動子となり、取り出された静電力に
応答して矢印の方向に変位する。この可動子は、例えば
マイクロスイッチ切点部材や、マイクロシャッタ部材
や、マイクロ弁等を構成する事ができる。制御手段3は
静電界が閾値を超えない様に制御した時、可動子は静電
界が存在しても力学的変位を行なわず不感状態に置か
れ、制御手段3は静電界が閾値を越える様に制御した
時、可動子は静電界に応じて力学的変位を行なう。
【0010】本例では、該作用手段1は不純物濃度が1
15atom/cm3 〜1021atom/cm3に設定されたP型の
不純物半導体材料からなり、制御手段3を構成する可変
電圧源の正極端子に接続されている。又対向手段2も不
純物濃度が1015atom/cm3〜1021atom/cm3に設定さ
れた不純物半導体材料からなる。本例では対向手段2は
一対の固定子を構成する。一方の固定子はP型不純物半
導体材料で構成されており、電極4を介して制御手段3
の正極端子に接続されている。他方の固定子はN型不純
物半導体材料からなり、電極4を介して制御手段3の負
極端子に接続されている。
【0011】図1の(B)に他の基本的な構成例を示
す。この装置も、所定の閾値を越える静電界に応答して
電界方向に移動する電荷を保持する半導体領域を備えた
作用手段11と、該半導体領域に対して静電界を印加す
る為の対向手段12と、該静電界を制御する事により所
定の閾値を越えた時該半導体領域内で電荷を局在化させ
静電力を取り出す為の制御手段13とから構成されてい
る。本例では、作用手段11はP型不純物半導体の可動
子で構成されており、定圧電源14の正極端子に接続さ
れている。又、対向手段12はN型不純物半導体の固定
子からなり、定圧電源14の負極端子に接続されてい
る。なお、対向手段12の表面は絶縁膜15で被覆され
ている。
【0012】本例では、制御手段13は互いに対面する
作用手段11と対向手段12の間隙距離を可変調節して
機械的に上記静電界を制御する様にしている。
【0013】
【作用】図1の(A)に示す閾動作式半導体型静電力装
置の作用を説明する。初期状態では制御手段3の出力電
圧が零レベルに設定されている。P型可動子は一方のP
型固定子に対面配置されているとともに、他方のN型固
定子から離間配置されている。この状態で制御手段3の
出力電圧レベルを徐々に上げていくと各不純物半導体に
静電界が作用する。この静電界が所定の閾値を越える
と、P型可動子の不純物領域に含まれるアクセプタ正孔
が大量に励起され、間隙側表面に向って移動し局在化さ
れる。同様に、P型固定子の半導体領域に含まれるアク
セプタ正孔もギャップ側表面に向って移動し局在化され
る。間隙を介して互いに対面した局在化アクセプタ正孔
の間に強力な静電斥力が発生する。この時、他方のN型
固定子の半導体領域に含まれるドナー電子も所定の閾値
を越える静電界に応答して大量にドナー準位から伝導帯
に励起され、間隙側表面に向って移動し局在化される。
この局在化したドナー電子と同じく局在化したアクセプ
タ正孔との間に極めて強力な静電引力が発生する。この
様にして生じた静電斥力及び静電引力を合成した力によ
って、可動子は矢印で示す方向に変位する。本発明によ
れば、静電界が所定の閾値を越えるまで可動子は応答せ
ず不感状態にある。静電界が閾値を越えた途端に急激に
応答し力学的変位を行なう。本発明はかかる不純物半導
体材料の特異的な機能の発見に基いており、以下本明細
書ではこの機能を半導体力学スレッショルド効果と呼ぶ
事にする。この半導体力学スレッショルド効果に基く本
装置は明らかに外部静電界に対して二値判断機能あるい
は二値処理機能を備えている。周知の様に、二値処理は
全てのノイマン型コンピュータの基本動作原理である。
この事に鑑み、本発明にかかる閾動作式半導体型静電力
装置は所謂情報処理能力さらには知的能力を備えている
という事が言える。この様な半導体力学スレッショルド
効果を得る為には、不純物半導体材料中に少なくとも所
定濃度の不純物が含まれている必要があり、その範囲は
1015atom/cm3 〜1021atom/cm3である。
【0014】図1の(B)に示す装置の作用を説明す
る。この例ではP型の可動子とN型の固定子は所定の間
隙を介して対面配置されているとともに、両者の間に一
定の電圧が印加されている。この電圧によって生じる静
電界の強度は所定の閾値レベル以下であり可動子は応答
しない。次に、制御手段13を介してP型の可動子をN
型の固定子に対して徐々に接近させると、静電界強度が
増大する。この静電界強度が所定の閾値を越えると、P
型可動子の半導体領域に含まれるアクセプタ正孔の移動
度が極端に増大し間隙側表面に局在化する。一方、N型
固定子の半導体領域に含まれるドナー電子も移動度が極
端に増大し間隙側の表面に局在化する。互いに対向する
表面層に局在化されたアクセプタ正孔とドナー電子との
間に急激な静電引力が発生し、可動子は電界方向に沿っ
て力学的変位を行なう。最終的に可動子と固定子は密着
する事になるが、両者の間に絶縁膜15が介在するので
電荷の移動は生じない。この例では、可動子が所定の距
離を越えて固定子に近接すると初めて動作する。従っ
て、距離の判断機能あるいは接近状態の判断機能を備え
ており、単にアクチュエータとしての用途に限られずそ
の利用範囲は無限の可能性を秘めている。
【0015】図2を参照して本発明の作用を引き続き説
明する。P型不純物半導体からなる作用手段1とN型不
純物半導体からなる対向手段2とは所定の間隙を介して
対面配置されている。作用手段1の裏面側には正極性の
電圧が印加されており、対向手段2の裏面側には負極性
の電圧が印加されている。この様な静電界中において、
電界強度が所定の閾値を越えると、P型不純物半導体内
において、充満帯の電子が大量に禁止帯中のアクセプタ
準位に励起され、その後に正孔を残す。この正孔は伝導
帯中を移動できるので、正極性の電圧により反発を受け
間隙側の表面に局在化し正孔の高密度層16を形成す
る。正孔が局在化した後のP型不純物半導体バルク部分
には不純物がイオン化した領域17が残される。一方、
対向手段2を構成するN型不純物半導体中において、静
電界が所定の閾値を越えると大量のドナー電子が禁止帯
中の不純物準位から伝導帯に励起され移動度が増す。従
って、負極性の電圧から反発力を受け間隙側表面に局在
し電子の高密度層18を形成する。この際N型不純物半
導体のバルク部分に拡散されたドナー不純物は陽イオン
化される。電圧印加過渡期においてこのバルク部分には
電子が流入するのでドナー不純物が中和された中性領域
19が形成される。正孔の高密度層16と電子の高密度
層18との間に静電引力が発生する。実際に発生する静
電引力はクーロンの法則から計算される理論値を遥かに
越えるものであり、間隙距離の2乗より大きな値に反比
例する力が得られる。不純物半導体の表面に局在化した
多数キャリアの挙動に起因する特異的な現象である。な
お上述の説明では、作用手段に加えて対向手段も不純物
半導体材料から構成されているが、本発明はこれに限ら
れるものではない。対向手段は単に静電界を印加する為
の電極であってもよい。又、作用手段と対向手段の両方
に不純物半導体材料を用いる場合であっても、必ずしも
反対導電型を使う必要はない。同一の導電型材料であっ
ても所望の半導体力学スレッショルド効果を得る事がで
きる。
【0016】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。まず、本発明の原理となる半導体力学
スレッショルド効果を評価する為に、閾動作式半導体型
静電力装置を試作した。図3を参照して試作された装置
の構成を説明する。微調整ステージ21の上にマグネッ
ト支持台22を設置する。さらに、対向ウェハ23が支
持棒24及び支持柱25を介してマグネット支持台22
に取り付けられている。対向ウェハ23はガラス補強材
26及び支持板27を介して水平な支持棒24に固定さ
れている。この対向ウェハ23と平行に対面する位置に
作用ウェハ28が配置されている。この作用ウェハ28
は支持板29を介して電子天秤30の受け皿31に搭載
されている。この受け皿31は加重をかけても上下移動
する事はないので、対向ウェハ23と作用ウェハ28と
の間隙は常に一定に保たれている。
【0017】対向ウェハ23の裏面側には金蒸着膜31
が全面的に形成されいてる。同様に作用ウェハ28の裏
面にも金蒸着膜32が全面的に形成されいてる。作用ウ
ェハ28の金蒸着膜32には電極Aとして直径50μm
の銅線が接続されている。又対向ウェハ23の金蒸着膜
31には引き出し電極Bとして配線用絶縁コード線を接
続した。対向ウェハ23の自重は電子天秤30に直接加
わらないので電極Bとして通常のコード線を用いたので
ある。なお対向ウェハ23と作用ウェハ28との間の間
隙距離は微調整ステージ21に取り付けられたマイクロ
メータ33を用いてμm単位で調整できる様にした。
【0018】次に図4は試験片の概略を示す。対向ウェ
ハ23及び作用ウェハ28ともに50mm×50mmの正方
形を有し、厚みは0.2mmで重量は1.15gである。
対向ウェハ23の裏面側には前述した様に金蒸着膜31
が成膜されており、同様に作用ウェハ28の裏面側にも
金蒸着膜32が形成されている。一方の金蒸着膜31か
らは電極Bとして導電塗料34により接着されたリード
線35が引き出されている。又他方の金蒸着膜32から
も電極Aとしてリード線36が引き出されている。
【0019】続いて、図5を参照して試験条件を説明す
る。作用ウェハ28として3種類のサンプルを用いた。
サンプル1はドナー不純物濃度が約1018atom/cm3
N型半導体であり比抵抗は0.015〜0.005Ωcm
である。サンプル2は同じくドナー不純物濃度が約10
15atom/cm3 のN型半導体であり比抵抗は1〜100Ω
cmである。サンプル3は真性半導体からなり、その比抵
抗は1000Ωcm以上である。一方対向ウェハ23とし
て上述した3種類のサンプルと同一のものを各々対応し
て用いた。
【0020】作用ウェハ28と対向ウェハ23の間隙寸
法あるいはギャップを125μmに設定した。この状態
で、作用ウェハ28側の電極Aを接地レベルGNDに保
持し、対向ウェハ23側の電極Bに0〜+60Vの電圧
を印加した。この状態で電子天秤の重量測定値を読み取
り両ウェハ間に作用する静電引力を測定した。
【0021】前述した様に、静電界が所定の閾値レベル
を越えると、N型半導体(Si)からなる作用ウェハ2
8の表面に多数キャリア即ち電子の局在化した高密度領
域37が形成される。一方対向ウェハ23の表面には反
転領域38(空乏層)が形成されるとともにバルク部分
は中性領域39となる。多数キャリア高密度領域37と
反転領域38との間に静電引力が生ずる。
【0022】測定結果を以下の表1に示す。縦欄にサン
プル番号を付し、横欄に印加電圧を表わしている。荷重
測定結果の単位はmgである。なお測定データに負記号が
付されているのは、静電引力が電子天秤に対して引張り
方向に働く為である。
【表1】
【0023】図6は表1に示す測定結果をグラフ化した
ものである。縦軸に静電引力(mg)を示し横軸に印加電
圧(V)を示す。サンプル3は真性半導体からなり、そ
の測定カーブから明らかな様に、印加電圧の増大に伴な
って静電引力が徐々に増加しており、特に閾値特性は認
められない。サンプル2は不純物濃度が1015atom/cm
3 のN型半導体であり、印加電圧が30Vを越える領域
で静電引力が特異的に増大している。この事から、不純
物濃度が1015atom/cm3 以上の領域で多数キャリアの
挙動に起因する特異的な半導体力学スレッショルド効果
が発生する事がわかる。さらに、サンプル1の不純物濃
度は1018atom/cm3 である。30V近傍で静電引力が
急峻な立ち上がりを示しており、極めて特異的な半導体
力学スレッショルド効果が顕著に観察される。この様
に、不純物濃度を高める程顕著な半導体力学スレッショ
ルド効果が得られる。しかしながら、実際上半導体にド
ーピンク可能な不純物濃度は限られており1021atom/
cm3 程度が上限となる。
【0024】次に作用ウェハ及び対向ウェハ間のギャッ
プと静電引力との関係を測定した。サンプル1を用いギ
ャップを500μmに設定して150Vの電圧を印加す
ると、−231mgの静電引力が得られた。同じ条件でギ
ャップを250μmに短縮すると静電引力は約12.4
6倍の−3140mgに急激に増大した。このギャップと
静電引力の関係は従来確立されたクーロンの法則から大
きく外れている。クーロン力は距離の2乗に反比例する
とされている。従って、ギャップが500μmから25
0μmに半減すると静電引力は理論的に4倍になるはず
である。しかしながら実際には10倍以上になってい
る。この静電引力の急激な増大は不純物半導体中に含ま
れる多数キャリアの挙動に関連していると考えられ、半
導体力学スレッショルド効果を顕著に示すものである。
即ち、ギャップの短縮は印加電圧の増大と等価であり、
ギャップの短縮に伴ない静電界強度が所定の閾値レベル
を越えると静電引力がクーロンの法則から外れて増大す
る。この様に、半導体力学スレッショルド効果は従来の
クーロンの法則から予期し得ない物理学上の極めて重要
な発見である。
【0025】本発明の理解に供する為に、不純物半導体
中における多数キャリアの挙動について以下に理論的な
考察を行なう。図7は平等電界中におかれた不純物半導
体の電荷分布を示す模式図である。N型半導体51には
ドナーとして燐がドーピングされている。多数キャリア
である電子群52は平等電界の強度が所定の閾値レベル
を越えた時、正電位に保持された電極53に引かれて半
導体表面に片寄せられる。一方、陽イオン化した燐54
は物理的に移動する事はできない。この様な状態では、
点在する陽イオンと負電位に保持された他方の電極55
との間に生じる静電引力よりも、多数キャリアの電子群
52と正電位に保持された電極53との間に生じる静電
引力の方が大きい。この為、正味の引力が電極53に向
って働きN型半導体51は引き寄せられる。
【0026】引き続き電界中の物質についてもう少し掘
り下げた考察を加える。図8は真性半導体を一対の電極
間に配置した時の電界分布を示す模式図である。例えば
比誘電率11.8の真性半導体は電界中において実線で
示す様に分極していると考えられる。なお図では理解を
容易にする為に7層の分極した原子層を示している。又
仮に誘電率が1である場合の電界分布を一点鎖線で示
す。この時には電源電極の電位EVから接地電極の電位
0Vまで直線的に変化する。又導体の場合にはバルク中
は等電位となるので点線で示す様な電界分布となる。真
性半導体中における電界分布は実線で示す様に、電源電
圧EVから誘電率が1の場合を示す一点鎖線より分極電
荷のマイナス分だけ0V側に振られる。次に分極電荷プ
ラス分だけ電源電極EV側に振られる。これを分極ピッ
チに従って繰り返しながら接地電位0V側に近づいてい
く。真性半導体の表面を出る所では分極電荷がプラスで
あるので、誘電率が1の場合を示す一点鎖線より分極電
荷プラス分だけ電源電圧EV側に振られる。ここからギ
ャップを介して接地電位0Vに至る。以上の説明から明
らかな様に電源電極に対面した真性半導体の表面電位は
誘電率が1の場合に比べて分極電荷のマイナス分だけ余
分に降下しておりその値をEI で示す。
【0027】次に、図9は一対の電極間にN型の不純物
半導体を配置した場合の電界分布を示す。真性半導体と
同様に所定の誘電率で分極しバルク中の電界分布は同様
である。しかしながら、多数キャリアの電子群はEVに
保持された電源電極側の表面に引き寄せられるので、表
面電位は導体の場合を示す点線に近い所まで0V側に振
られる。バルク中では所定の誘電率に従った電極ピッチ
で電界が変位する。不純物半導体を出る所では分極電荷
がプラスであるので、誘電率が1の場合を示す一点鎖線
より分極電荷のプラス分だけEV側に振られ、ここから
接地電極の電位0Vに至る。以上の説明から明らかな様
に、電源電極側に面した不純物半導体の表面には電子群
の局在化に起因する大きな電界の差EN が生じる。この
電界ENは真性半導体の表面電界強度EI に比べて遥か
に大きく、クーロンの法則から計算される理論値以上の
静電引力が発生する原因である。
【0028】なお、図8及び図9の説明によれば、電源
電極と不純物半導体の間に生じる静電力よりも電源電極
と導体表面の間に生じる静電力の方が大きい。しかしな
がら、半導体と異なり導体間では容易に放電が生じ実用
的な静電力発生装置を作成する事は不可能である。不純
物半導体を用いた場合には多数キャリアの挙動により極
めて大きな静電力が得られるとともに、実用的に見ると
致命的な欠陥となる放電が生じる事はない。導体中の自
由電子に比べれば不純物半導体中の多数キャリアは表面
に束縛されているからである。
【0029】以下本発明にかかる閾動作式半導体型静電
力装置の具体例及び応用例について説明する。図10は
本発明の一具体例である双安定型アクチュエータを示す
模式的な断面図である。このアクチュエータはシリンダ
61とピストン62とから構成されている。シリンダ6
1の内表面には軸方向に離間して一対の固定電極63,
64が形成されている。この固定電極はP型の不純物半
導体領域からなる。この不純物半導体領域は例えば真性
半導体材料からなるシリンダ61の内表面に対してP型
の不純物を拡散する事により形成できる。あるいは、半
導体薄膜材料で形成してもよい。一対の固定電極63,
64の表面は潤滑性を有する絶縁膜65で被覆されてい
る。一方、ピストン62はN型の不純物半導体材料から
構成されており、シリンダ61内において軸方向に沿っ
て移動可能に収納されている。ピストン62の先端部6
6はシリンダ61の端部に形成された開口から突出して
いる。一対の固定電極63,64の間には交番電源67
が接続されている。
【0030】次に本アクチュエータの動作を説明する。
図10の(A)に示す状態では、所定の閾値レベルを越
える正極性の駆動電圧が一対の固定電極63,64間に
印加されており、ピストン62は一方の固定電極63側
に引き付けられている。即ち、絶縁膜65を介してピス
トン62の表面に局在化した電子と固定電極63の表面
に局在化した正孔との間に静電引力が働き、ピストン6
2は第一の安定状態に保持される。この状態ではピスト
ン62の先端部66が突出しているので以下凸状態と呼
ぶ事にする。
【0031】図10の(B)を参照し引き続き本アクチ
ュエータの動作を説明する。交番電源67を切り替え所
定の閾値レベルを越える反対極性即ち負極性の電圧を一
対の固定電極63,64に印加すると、ピストン62は
後側の固定電極64に引き付けられ他方の安定状態に切
り替わる。この安定状態ではピストン62の先端66が
シリンダ61内に引き込まれるので以下凹状態と呼ぶ事
にする。この様に、交番電源67の極性を切り替える事
によりピストン62は凸状態と凹状態の間を変位する。
交番電圧の絶対値が所定の閾値を越えない限りピストン
は変位せず所謂双安定型のアクチュエータが得られる。
このアクチュエータは、例えば所定の周波数を有する交
番電圧を連続的に印加する事により、マイクロポンプと
して利用する事ができる。
【0032】図11は図10に示すマイクロアクチュエ
ータの応用例を示す。個々のマイクロアクチュエータ6
8はマトリクス状に集積形成されており、マイクロアク
チュエータアレイを構成する。マイクロアクチュエータ
68の各行には走査回路69が接続されており、行毎に
線順次でマイクロアクチュエータ68を選択する。一方
マイクロアクチュエータ68の各列には駆動回路70が
接続されており列毎にマイクロアクチュエータ68を駆
動する。これら走査回路69と駆動回路70には制御回
路71が接続されており、個々のアクチュエータ68の
選択及び駆動を同期的に制御する。
【0033】次にマイクロアクチュエータアレイの動作
を説明する。走査回路69を動作させ行毎の線順次でマ
イクロアクチュエータ68を選択する。これに合わせて
駆動回路70から閾値レベルを越えた負極性の駆動電圧
を供給し、全てのマイクロアクチュエータ68のピスト
ン62を凹状態にしてリセットをかける。続いて、再び
走査回路69を動作させて行毎にマイクロアクチュエー
タ68を選択するとともに、駆動回路70から正極性の
アナログ駆動電圧を印加する。選択されたアクチュエー
タ68に対して所定の閾値レベルを越える正極性アナロ
グ駆動電圧が供給されると、当該アクチュエータ68は
凹状態から凸状態に変位する。この様に、線順次でアナ
ログ駆動電圧のサンプリングを行なう事により、アクチ
ュエータアレイは自動的に二値化処理を行ない個々のピ
ストン62の状態変化として記録する。従って、例えば
アナログ駆動電圧としてビデオ信号あるいは画像データ
を供給した場合には、マイクロアクチュエータアレイは
二値化処理あるいは閾値処理された画像をアレイ表面の
凹凸状態の変化として記録する事になる。この様な画像
を記録したマイクロアクチュエータアレイは例えば印刷
原板として用いる事ができる。あるいは、このアクチュ
エータアレイを連続駆動する事により、ドットプリンタ
の印刷ヘッドとして利用する事もできる。さらには、人
体の触覚器官を介してアレイの表面状態を読み取る事に
より、例えば盲人用の動画ディスプレイが得られる。
【0034】図12は本発明の他の具体例である単安定
型アクチュエータを示しており、この例ではシャッタと
して用いられている。一対の平行平板81,82の間に
は固定子83が挟持されている。この固定子83はP型
不純物半導体からなり、その一方の端部には絶縁膜84
が被覆されているとともに、他方の端部にはオーミック
接続された電極85が形成されている。また、一対の平
行平板81,82の間にはシャッタを構成する可動子8
6が平板と平行に変位可能に装着されている。この可動
子86はN型不純物半導体から構成されるとともに、そ
の中央には貫通孔87が形成されている。可動子86の
一方の端部は固定子83に対面しているとともに、他方
の端部にはオーミック接続された電極88が形成されて
いる。この電極88は導電性の弾性部材89を介して固
定金属片90に連結されている。可変電圧源91の正極
端子は固定子83の電極85に接続されているととも
に、負極端子は固定金属片90、弾性部材89を介して
可動子86側の電極88に接続されている。
【0035】一対の平行平板81,82の中央には前述
した貫通孔87と整合する開口92,93が設けられて
いる。この開口92,93及び貫通孔87を挿通する軸
に沿って所定のエネルギー線源94が配置されている。
このエネルギー線源94は例えば、レーザ光源、イオン
銃、電子銃等である。平行平板81,82に関しエネル
ギー線源94の反対側には、テーブル95に載置された
ワークピース96が配置されている。エネルギー線源9
4から軸に沿って放射されたエネルギー線はワークピー
ス96に照射され所定の処理あるいは加工が行なわれ
る。軸の近傍には線量センサ97が配置されており、照
射線量を蓄積的にモニタする。このセンサ97の出力に
応じて可変電圧源91の電圧が上昇する。
【0036】次に本単安定アクチュエータの動作を説明
する。図12の(A)に示す様に、可動子86は弾性部
材89によって所定の単安定位置に保持されている。こ
の状態でエネルギー線源94を動作しワークピース96
に対して所定の処理あるいは加工を行なう。この間、セ
ンサ97は照射線量をモニタしており可変電圧源91の
電圧は徐々に上昇する。しかし、可動子86は図示する
様に動かない。よって、ワークピース96に対する処理
が続く。
【0037】図12の(B)に示す様に、予め設定され
た所定の照射線量を越えると可変電圧源91の出力電圧
は所定の閾値レベルを越え、可動子86からなるシャッ
タは固定子83に引き付けられる。即ち、外部から印加
される静電界が閾値レベルを越えたので、可動子86を
構成するN型不純物半導体に含まれる電子と固定子83
を構成するP型不純物半導体に含まれる正孔とが絶縁膜
84を介して互いに局在化され強力な静電引力が発生す
る。この状態では、シャッタに形成された貫通孔87は
軸から外れるのでエネルギー線は自動的に遮断される。
即ち、所望の照射線量が得られた時点で、シャッタが自
動的に閉鎖し所定の処理あるいは加工が終了する。この
後、印加電圧を解除すると可動子86は弾性部材89の
作用により初期の単安定状態に復帰する。
【0038】図13は同じく単安定アクチュエータを示
しており、本例ではマイクロディスペンサの弁として利
用されている。理解を容易にする為に、図12に示す単
安定アクチュエータと同一の構成要素には同一の参照番
号を付している。この例では、マイクロディスペンサの
本体部101が上側の平板81に取り付けられており、
マイクロディスペンサのノズル部102が下側の平板8
2に取り付けられている。両者の間は可動子86に設け
られた貫通孔87により互いに連結されている。
【0039】図13の(A)に示す様に、マイクロディ
スペンサの本体部101とノズル部102とが互いに連
通した状態で内部に収容された流体物を供給する。滴下
された流体物103は重量センサ97の表面に載置され
る。重量センサ97は滴下量に比例した出力信号を可変
電圧源91に供給し、可動子86に印加される静電界の
強度が徐々に上昇する。図13の(B)に示す様に、滴
下された流体物が予め設定された量に達すると同時に外
部電界の強度が所定の閾値を越え、可動子86は固定子
83に引き付けられる。この結果、マイクロディスペン
サの本体部101とノズル部102の連通が遮断され、
流体物の供給が即時に停止する。この後、静電界の印加
を解除すると弾性部材89の作用により可動子86から
なる弁は初期の単安定位置に復帰する。
【0040】以上に説明した双安定アクチュエータ及び
単安定アクチュエータにおいては、半導体力学スレッシ
ョルド効果により発生した静電力を一旦可動子の力学的
変位に変換して利用するものであった。しかしながら、
本発明にかかる閾動作式半導体型静電力装置は所謂アク
チュエータに限られるものではない。例えば、静電力を
そのまま利用する様々な装置にも応用できる。以下、応
用例を参考として図14乃至図18に示す。図14は静
電力を直接利用する方式の一例を示すものであり、イオ
ントラップ装置を表わしている。この装置はイオンを含
む流体を導く導管111を備えている。導管111の内
壁にはP型不純物半導体からなる作用電極112とN型
不純物半導体からなる対向電極113とが設けられてい
る。なおここでは、便宜上作用電極と対向電極とに分け
ているが、実質的には両者は等価である。作用電極11
2及び対向電極113の表面にはイオン吸着膜114が
形成されている。作用電極112には定電圧源115の
正極端子が接続されており、対向電極113には同じく
負極端子が接続されている。又導管111の上流側には
イオンセンサ116が設けられており、定電圧源115
の駆動を制御する。
【0041】導管111中を流れる流体に含まれるイオ
ンが検出されると、センサ116は定電圧源115を立
ち上げる。この結果、一対の作用電極112、対向電極
113との間に所定の閾値レベルを越える静電界が印加
され、両電極に含まれる多数キャリアが各々導管111
の内面側に向って局在化される。流体方向を横断する様
に強力な静電引力が発生し、陰イオンは正極性の作用電
極112側に吸着され、陽イオンは負極性の対向電極1
13側に吸着される。従来は不純物半導体電極の代わり
に金属電極が用いられていた。しかしながらこの場合に
はしばしば放電欠陥が発生する。又金属電極に誘電膜を
被覆したものも用いられていた。この場合には大きな静
電引力を得る事ができなかった。本応用例によればイオ
ントラップ装置の放電を防止し且つ効率化が図れるとと
もに、微細化も可能である。
【0042】図15は他の応用例である細胞融合装置を
示している。この装置では、一方の分岐管121から導
入された細胞種aと他方の分岐管122から導入された
別の細胞種bとが互いに合流する様になっている。合流
部位には互いに対向配置された一対の電極123,12
4が埋設されている。一方の電極123はP型不純物半
導体からなり定圧電源125の正極端子に接続されてい
るとともに、他方の電極124はN型不純物半導体から
なり同じく定圧電源125の負極端子に接続されてい
る。この様な状態で、P型不純物半導体中に含まれる多
数キャリアである正孔は合流部位に向って局在化され、
N型不純物半導体に含まれる多数キャリアである電子も
合流部位に向って局在化される。局在化された両多数キ
ャリアの高密度層の間に極めて強力な静電力が発生しそ
の作用を受けて細胞種aと細胞種bとが互いに融合す
る。この様に、本発明は細胞レベルでの微細な処理に適
している。
【0043】図16はさらに他の応用例である細胞偏向
装置を示している。この装置では導入管131に陽電荷
あるいは負電荷を有する細胞が導かれる。導入管131
は一対の分岐管132と133に分かれて出口側に接続
されている。分岐部には互いに対向して一対の電極13
4及び135が埋設されている。一方の電極134はP
型不純物半導体からなり定圧電源136の正極端子に接
続されている。又他方の電極135はN型不純物半導体
からなり、定圧電源136の負極端子に接続されてい
る。両電極134,135の間には前述した様に半導体
力学スレッショルド効果に従って極めて強力な静電力が
発生する。この為陽電荷を帯びた細胞は分岐管133側
に偏向し、負電荷を帯びた細胞は分岐管132の側に偏
向する。この様にして電荷の極性に応じて細胞を振り分
ける事が可能になる。
【0044】図17はさらに他の応用例である細胞配列
装置を示している。この装置では異なった質量及び電荷
を有する細胞種が混在した流体試料が導管140に導か
れる。導管140の内壁には流動方向に沿って、所定の
間隔でP型及びN型の不純物半導体領域が埋設されてい
る。各半導体領域には所定の極性で所定の電圧が印加さ
れている。導管140中を流動する細胞種はその質量及
び電荷量に応じて所定の不純物半導体領域に吸着され、
細胞の種類別に配列される。
【0045】図18は追加の応用例である電界センサを
示している。このセンサは一対の電極を有しておりその
表面には各々N型不純物半導体領域及びP型不純物半導
体領域が形成されている。この半導体領域に外部静電界
が印加されると、所定の閾値を越えた時点で多数キャリ
アが局在化される。この為、両電極間に電位差が生じ検
出器により検出される。
【0046】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、不
純物半導体領域に印加される外部静電界を制御する事に
より、所定の閾値を越えた時該半導体領域内で電荷を局
在化させ静電力を取り出す様にしている。取り出された
静電力は例えば力学的変位に変換されアクチュエータを
構成する。かかる構成を有するアクチュエータは従来の
単純な静電アクチュエータと異なり、半導体力学スレッ
ショルド効果を利用しており入力静電界に対して二値的
な判別機能を備えている。従って、従来の単純なアクチ
ュエータに比し、より高度で知能的な動作を行なう事が
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる閾動作式半導体型静電力装置の
基本的な構成を示す模式図である。
【図2】本発明にかかる閾動作式半導体型静電力装置の
原理を説明する為の模式図である。
【図3】半導体力学スレッショルド効果を評価する為に
試作された閾動作式半導体型静電力装置の模式的な側面
図である。
【図4】図3に示す装置に用いられたサンプルの形状を
示す斜視図である。
【図5】図3に示す装置の試験条件を示す模式図であ
る。
【図6】図3に示す装置を用いて得られた測定結果を示
すグラフである。
【図7】本発明の基本的な原理を説明する為の模式図で
ある。
【図8】同じく基本原理を説明する為の模式図である。
【図9】同じく基本原理を説明する為の模式図である。
【図10】本発明の一具体例である双安定アクチュエー
タを示す模式図である。
【図11】図10に示す双安定アクチュエータの応用例
を示す模式図である。
【図12】本発明の他の具体例である単安定アクチュエ
ータをシャッタに利用した構成を示す断面図である。
【図13】同じく本発明にかかる単安定アクチュエータ
をマイクロ弁に利用した構成を示す模式的な断面図であ
る。
【図14】参考例であるイオントラップ装置を示す模式
的な断面図である。
【図15】参考例である細胞融合装置を示す模式的な断
面図である。
【図16】参考例である細胞偏向装置を示す断面図であ
る。
【図17】参考例である細胞配列装置を示す模式的な断
面図である。
【図18】参考例である電界センサを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 作用手段 2 対向手段 3 制御手段 4 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−265572(JP,A) 特開 平3−230780(JP,A) 特開 平2−250682(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の閾値を越える静電界に応答して電
    界方向に移動する電荷を保持する半導体領域を備えた作
    用手段と、該半導体領域に対して静電界を印加する為の
    対向手段と、該静電界を制御する事により所定の閾値を
    越えた時該半導体領域内で電荷を局在化させ静電力を取
    り出す為の制御手段とからなる閾動作式半導体型静電力
    装置であって、 該作用手段と該対向手段は互いに相対的に変位する可動
    子と固定子を構成し、該取り出された静電力を力学的変
    位に変換し、 該制御手段は該静電界が閾値を超えない様に制御した
    時、該可動子は静電界が存在しても力学的変位を行なわ
    ず不感状態に置かれ、 該制御手段は該静電界が閾値を越える様に制御した時、
    該可動子は静電界に応じて力学的変位を行なうことを特
    徴とする閾動作式半導体型静電力装置。
  2. 【請求項2】 該対向手段は静電界を印加する為の電極
    を有するとともに、該制御手段は該電極に可変電圧を供
    給して電気的に上記静電界を制御する請求項1に記載の
    閾動作式半導体型静電力装置。
  3. 【請求項3】 該制御手段は互いに対面する作用手段と
    対向手段の間隙距離を可変調節して機械的に上記静電界
    を制御する請求項1に記載の閾動作式半導体型静電力装
    置。
  4. 【請求項4】 該可動子はマイクロスイッチ切点部材を
    構成する請求項に記載の閾動作式半導体型静電力装
    置。
  5. 【請求項5】 該可動子はマイクロシャッタ部材を構成
    する請求項に記載の閾動作式半導体型静電力装置。
  6. 【請求項6】 該可動子はマイクロ弁を構成する請求項
    に記載の閾動作式半導体型静電力装置。
  7. 【請求項7】 該作用手段は不純物濃度が1015atom/
    cm3 〜1021atom/cm3 に設定された不純物半導体材料
    からなる請求項1に記載の閾動作式半導体型静電力装
    置。
  8. 【請求項8】 該対向手段も不純物濃度が1015atom/
    cm3 〜1021atom/cm3に設定された不純物半導体材料
    からなる請求項に記載の閾動作式半導体型静電力装
    置。
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