JP3005860B1 - エンジン自動始動方法及び装置 - Google Patents

エンジン自動始動方法及び装置

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JP3005860B1
JP3005860B1 JP10314916A JP31491698A JP3005860B1 JP 3005860 B1 JP3005860 B1 JP 3005860B1 JP 10314916 A JP10314916 A JP 10314916A JP 31491698 A JP31491698 A JP 31491698A JP 3005860 B1 JP3005860 B1 JP 3005860B1
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Abstract

【要約】 【課題】 エンジン自動始動装置においてスタータ
駆動後のエンジン始動を確実に認識する。 【解決手段】 スタータの駆動開始から一定時間Jはバ
ッテリ電圧Vの監視禁止時間とする。バッテリ電圧監視
禁止時間Jは、以前の手動始動時間Xに鑑みて設定す
る。バッテリ電圧監視禁止時間Jを経過した後、バッテ
リ電圧監視モードに入り、所定の時間G以上に亘り、バ
ッテリ電圧Vが連続的に上昇傾向にあった場合にエンジ
ン始動と認識し、スタータを停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用者の設定した時
刻に、または設定操作から設定時間を経過したときに、
あるいはリモートコントローラから無線周波を介して発
信されたエンジン始動信号を受信したときにエンジンを
自動始動させ、アイドリングさせるエンジン自動始動制
御に関し、特に、無駄に長くスタータを駆動させる不都
合を回避するべく、エンジンの始動を確実に認識するた
めの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】少し前までの自動車両では、気温が下が
る程、エンジン始動後の暖気運転時間は長目に取る必要
があったが、最近のものではそれ程暖気運転をなくて
も、エンジン性能自体への悪影響は殆ど認められないま
でになってきた。しかし、エンジンを始動した直後の車
内は、冬は凍りつく程寒く、夏は火傷する程熱くなって
いることも多い。従って、エンジン性能に関してという
よりも、むしろ運転者の不快感を解消し、予め暖房ない
し冷房が程好く利いた頃に車内に乗り込めば良いように
するため、従来からもスタータタイマと呼ばれる商品や
リモコンスタータと呼ばれる商品が開発されてきた。前
者は、使用者が予め設定した設定時刻になるか、または
使用者による設定操作から設定時間を経過すると、通常
は使用者が手動で操作するイグニッションスイッチ( キ
ースイッチ) が操作されなくても、制御回路に含まれて
いるタイマ回路が車両搭載のバッテリからの稼働電力を
スタータに与えてこれを自動的かつ強制的に稼働させ、
車両搭載のエンジンを自動始動させる装置であり、後者
は無線(特殊な場合には赤外線波長領域等をも含む)を
利用し、車両から離れた所、例えば家の中から等でも、
リモートコントローラに備え付けのエンジン始動スイッ
チを使用者が操作することでエンジン始動信号を発する
と、これを受信した制御回路がやはり車両搭載のバッテ
リからの稼働電力をスタータに与え、これを自動的かつ
強制的に稼働させ、車両搭載のエンジンを始動させる装
置である。もちろん、両者の機能を併せ持つ製品もあ
る。本書ではこれらを総括して、「 エンジン自動始動装
置」 と呼ぶ。
【0003】しかるに、こうしたエンジン自動始動装置
では、スタータを駆動した後、エンジンが運転し始めた
ことを確実に認識する必要がある。そうでないと、スタ
ータを無駄に長い時間、駆動し続けることになり、車両
搭載のバッテリの消耗を早める。クランキングのための
ギア列系統から異音も発するので、使用者に不快感も与
える。そこで従来からも、エンジンが始動したか否かの
認識のため、いくつかの手法が提案されており、完全に
満足は行かないものの、一応、実用化し得るものとして
は、次の三つの手法がある。
【0004】電圧差分検出法:スタータによるクラン
キング前と、一定時間経過したクランキング後のバッテ
リ電圧の差分を検出する方法である。クランキング後の
バッテリ電圧、つまりエンジンが安定に始動した後のバ
ッテリ電圧は、クランキング前の電圧、すなわちエンジ
ンが始動していないときの電圧よりも高くなるので、そ
の両者間に一定の上昇差分を一定時間内に検出した場合
に、エンジンが始動したと認識するのである。図2に
は、本発明の説明のために後で用いるバッテリ電圧Vの
経時変化例が示されているが、図中、左端の部分のエン
ジン停止時(スタータがオフ)におけるバッテリ電圧V
に比し、エンジンが運転を始めた後のバッテリ電圧Vは
高めになる。そこで、この電圧差分検出法では、図2
中、従来例と示した部分で仮想線により示しているよ
うに、エンジンが運転を開始した後も細かな上昇、下降
を繰返して行くバッテリ電圧の平均がスタータ駆動前の
バッテリ電圧に対し、所定の電圧差Vd以上になった場合
にエンジン始動と認識し、そこでスタータを停止させる
べく図っている。図2中の最下段に示されている「スタ
ータ状態」における仮想線部分は、この従来例による
スタータオフを示している。
【0005】発電信号検出法:エンジンが始動すると
オルタネータが発電を開始することで信号が立ち上がる
オルタネータL端子(以下、単に「L端子」)の電圧を
検出する方法である。エンジンが掛っていないときのL
端子電圧は僅かな電圧であるのに対し、エンジンが始動
してオルタネータにより発電が開始されるとL端子電圧
が十分有意な値に立ち上がる。そこで、この発電信号検
出法では、当該L端子電圧がバッテリ電圧相当となるこ
とを一定時間内に検出した場合にエンジンが始動したと
認識し、スタータを停止させる。やはり図2中で言え
ば、L端子電圧が立ち上がる点Fの時点でエンジン始動
と認識するのである。
【0006】バッテリ電圧上昇過渡期検出法: 未だ公開にはなっていないが、特願平9-158225号にて本
出願人が開示した手法である。もう一度図2を参照する
に、最下段に「スタータ状態」として示されているよう
に、スタータがオフからオンになると、最上段のバッテ
リ電圧Vの経時変化波形上、点Aに示されている通り、
バッテリ電圧Vは一旦、急激に落ち込むが、クランキン
グによりエンジンが回転し始めるとスタータの負担が軽
減し、電力消費が減ってバッテリ電圧Vは上昇する。し
かし、クランキング直後にそのままエンジンが安定なア
イドリングに移る事は少なく、停止傾向になることの方
が多い。そのため、図中、点B以降の状態に見られるよ
うに、一旦上昇したバッテリ電圧も再度低下する。が、
引き続くクランキングによりエンジンがまた自主回転を
始めようとすると、点C以降の状態に示されるようにバ
ッテリ電圧は再度上昇し、それでもまた停止傾向になる
と、点D以降に認められるようにバッテリ電圧は再び低
下傾向となる。このように何回かの比較的大きな電圧差
を生ずるバッテリ電圧の上昇、下降を繰返しながら、や
がて、より細かなバッテリ電圧変動成分は含むものの、
全体として平均的に見ると安定な上昇過渡期Eに入り、
こうなればエンジンがアイドリングを始めているという
ことになる。図2中、中段に示されているL端子電圧は
この点Fで立ち上がる。しかし、ここで述べているバッ
テリ電圧上昇過渡期検出法では、後述の理由から当該L
端子電圧を監視することはなく、図2中でEで示されて
いる時間領域の出現を検出するべく、クランキング中
(スタータ駆動中)にあって所定の時間以上に亘りバッ
テリ電圧Vの連続上昇状態を検出した時にエンジン始動
を認識し、そこでスタータを停止させるべくする。従っ
て、誤動作なく動作したとするならば、一定時間Gに亘
るバッテリ電圧Vの平均電圧の上昇傾向の継続を確認し
た時点でエンジン始動と認識し、点Hで示すようにスタ
ータをオフにする。もちろん、上記を逆に言えば、当該
一定時間Gよりも短い時間しかバッテリ電圧Vの平均電
圧の上昇傾向が持続しなかった場合にはエンジン始動と
認識しないということであるから、この一定時間Gは後
述もする通り、エンジン始動を認識するかしないかに関
しての「判断時間」として、予め設計的に定めておくも
のであることは当然である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した手法,は
欠点が大きい。前者の電圧差分検出法では車輌側の様々
な要因、例えばバッテリ容量、バッテリの状態、オルタ
ネータの発電容量等の影響により誤認識をし易い。これ
らの要因群によってバッテリ電圧の上昇量、上昇時間は
大幅に変わるが、電圧差分Vdに関し一律に判定条件を設
定しているため、エンジンが始動しているにもかかわら
ず、その時点でのエンジン始動を認識できない場合が多
発していた。また、予めエンジンがアイドリングに移る
であろうまでの時間を経験的に定め、当該一定のクラン
キング時間経過後に上昇差分の検出を行うようにしてい
るため、スタータモータによるクランキングを不必要に
長時間に亘り継続させてしまう事も多く、バッテリ電力
を無駄に消費していた。図2からしても明らかなよう
に、この手法に比し、他の手法によればスタータをより
早めに切ることが出来、スタータが切れれば負荷が極端
に軽くなることにより、バッテリ電圧Vは急激に上昇し
て、図2中に実線で示されているように、エンジン停止
時よりも高く、かつ、比較的安定した状態になるが、こ
の従来法では、そうなるまでの時間、すなわちスター
タを停止させるまでの時間が長くなりがちで、図中に仮
想線で示されているように、それまではだらだらと立ち
上がって行く。
【0008】従来法の発電信号検出法では、L端子電
圧の上昇を検出できればエンジン始動時点をほぼ確実に
認識できることに間違いはなく、既に図2に即して述べ
た通り、スタータを停止させるまでの時間も短くて済
む。しかし、L端子は通常、エンジンルーム内で非常に
込み入った所にあるため、当該L端子からの配線は特別
な配線となり、時間を要し、作業自体も困難である。当
然、コストも高くなる。こうしたことから、バッテリ電
圧の監視に基づく手法に比し、相当に不利で、商品化す
る上で採用したくない技術である。また、一部の車種に
あっては、L端子電圧は、例えエンジンが安定にアイド
リングを始めても、クランキングが終わってからでない
と立ち上がらないようになっているものもある。そのよ
うな車種には、当然のことながら、この手法は適用で
きない。
【0009】これに対し、従来法のバッテリ電圧上昇
過渡期検出法であれば、電圧差分Vdとかクランキング時
間に関し、一義的な値を決定している訳ではなく、車種
が変わり、電装負荷が様々に異なっても、所定時間以上
に亘るバッテリ電圧の連続上昇と言う事象を検出してい
るので、スタータを駆動してからの時間で見るとエンジ
ン運転開始後、短い時間で当該スタータを停止させる能
力は高い。しかしそれでも、電装容量負荷とかバッテリ
自体の状態、種々の周囲温度環境等が余りに大きく異な
ると、例え同一車両であってもこれを許容し得ず、誤検
出するおそれも残った。例えば、図2中のエンジン始動
後の領域Eにおいてさえ、バッテリ電圧は上昇、下降を
繰返している。これを下降と判断しないようにするには
当該下降電圧分に関し判断閾値を設けておかねばなら
ず、その上で、当該領域Eの中でどの程度の時間を判断
時間Gとして設定するか決めねばならない。もちろん、
大方の場合、このようにして決定された閾値や時間は、
スタータ駆動当初における点Aから点Dを経るような変
動には応答しないようにできる。ところがそれでも、例
えば点Aから点Bに至るまでのバッテリ電圧の上昇時間
や点Cから点Dに至るまでのバッテリ電圧の上昇時間
が、上記した既定の判断時間Gを満たしてしまうことも
あり、その間のバッテリ電圧の連続上昇により、エンジ
ン始動を誤認識することもなくはなかった。
【0010】本発明は、主としてこのような従来例の持
つ種々の欠点を解消ないし少なくとも緩和することを目
的とし、特別で困難な配線作業を要することなく、車種
によらず、不要なクランキングを極力抑え、エンジン始
動認識の確実性を増さんとするものである。さらに、よ
り下位の目的としては、たとえ同一の車両であってもエ
ンジン始動ごとの周囲環境の変化、例えば温度環境の変
化などによりエンジン始動時間が異なることをも吸収し
たり、あるいはまた前回の運転時におけるエンジン運転
時間や、エンジンが停止されてから今回始動されるまで
の経過時間(休止時間)等にも鑑みてエンジン始動の判
断条件を変え得る手法ないし装置の提供を図る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、まず、車両に標準搭載のイグニッションスイ
ッチ機構を介し手動でスタータに通電され、エンジンが
アイドリング状態にされた時のスタータ通電時間である
手動始動時間を予め計測しておく。その上で、エンジン
始動信号に基づくスタータの自動駆動の開始に際して
は、予め計測した手動始動時間に鑑みて決定したバッテ
リ電圧監視禁止時間を設定し、スタータ駆動時から当該
バッテリ電圧監視禁止時間を経過した後にバッテリ電圧
監視モードに入り、当該バッテリ電圧監視モード下にお
いてバッテリ電圧が予め定めた一定電圧値以上である
か、またはバッテリ電圧監視モードに入ってから予め定
めた一定時間以上に亘り、バッテリ電圧が連続的に上昇
傾向にあった場合にエンジン始動と認識し、スタータへ
のバッテリからの通電を停止する,と言う手法を提案す
る。ここで、上記のバッテリ電圧監視禁止時間は、計測
した手動始動時間より予め定めた時間だけ短い時間とし
て決定するのが一般的である。
【0012】さらに、本発明の下位態様においては、計
測した手動始動時間は、当該計測時に車両に取り付けら
れている温度センサの検出した温度(例えば車両外気温
や車両室内の温度、あるいはまたエンジン冷却液やエン
ジン潤滑油の温度)に対応付けて、エンジン始動信号に
基づくスタータの自動駆動の開始に際し既述のように計
測した手動始動時間に鑑みてバッテリ電圧監視禁止時間
を設定する時には、当該自動駆動時にその温度センサが
検出する温度と同じか、予め定めた差範囲内にある温度
に対応付けられている手動始動時間に鑑みることも提案
する。
【0013】また、上記の温度に対応付けるという構成
と共に、あるいはこれに代えて、計測した手動始動時間
は、当該手動始動時間計測の前に運転されていたエンジ
ンの運転時間と運転が停止されてから今回の手動始動時
間計測を始めるまでの経過時間(休止時間)とに対応付
け、エンジン始動信号に基づくスタータの自動駆動の開
始に際し、計測した手動始動時間に鑑みてバッテリ電圧
監視禁止時間を設定する時には、当該自動駆動開始時の
前に運転されていたエンジンの運転時間と前の運転が停
止してからの経過時間と同じか、予め定めた差範囲にあ
る時間に対応付けられている手動始動時間に鑑みること
も提案する。
【0014】これらの構成に加えて、本発明がそもそ
も、車両自体の持っているエンジン始動特性を抽出し、
これを自動始動時に利用せんとする技術思想にあるの
で、このような観点からして、車両に標準搭載のイグニ
ッションスイッチ機構を介し手動でスタータに通電され
たときの車両の配電系統への給電状態を検出し、エンジ
ン始動信号に基づくスタータの自動駆動の開始に際して
は、検出してある配電系統への給電状態と同じ状態とな
るようにすることも提案できる。というのも、例えば車
両によっては、二系統あるイグニッションラインの中、
クランキング中に限り、給電状態を特定状態として、一
系統への給電は停止せねばならず、そうでないと異常を
生ずるものも存在する。このような車両においても、こ
こで述べている構成を採用すれば、エンジン自動始動時
にも不具合を生ずることがない。つまり、検出してある
給電状態に従い、給電してはいけない配電系統への給電
はしないようにできる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1には本発明方法の望ましい一
実施形態におけるフローチャートが示されており、図2
にはスタータ駆動からエンジン始動に至るバッテリ電圧
の経時変化の典型的一例をトレースした経時波形図が示
されている。図3は本発明方法に用いるに適当な装置構
成例である。
【0016】まず便宜的に、図3に即し装置構成の方か
ら説明すると、エンジンを始動するための始動指令信号
Sの発現に基づいて始動関連機器12に所定動作を指令す
る始動関連機器指令手段13と、同じく始動指令信号Sに
基づいてスタータ22に車両搭載のバッテリ23からのバッ
テリ電圧Vを印加するため、車両標準搭載の手動イグニ
ッションスイッチ機構25をバイパスする関係で選択的に
閉じる接点を有するスタータスイッチ機構24を駆動する
スタータ駆動指令手段12がある。
【0017】一方で、バッテリ23の電圧変動を監視し、
後に詳しいように、バッテリ電圧Vの所定時間に亘る連
続的上昇を検出するか、所定の電圧以上になったときに
クランキングからエンジン始動に移行したと認識し、ス
タータ駆動指令手段12に対しバッテリ電圧Vのスタータ
22への通電を停止させるバッテリ電圧監視手段14もあ
る。
【0018】上記した始動指令信号Sの出力手段は、例
えば使用者が設定操作し得る時間設定器31と、その設定
に応じて動作するタイマ11とで構成され、運転者が時間
設定器31により設定した時刻に至るか、ないし設定した
所定時間を経過した時に、当該タイマ11から始動指令信
号Sが出力される。なお、使用者による設定時刻ないし
設定時間は、望ましくは車室内の適当な個所に設けられ
た(一般には時間設定器31と同一のケーシングに設けら
れた)設定時間表示部32にて表示されるようにし、使用
者はその表示を見ながら容易に設定できるようにするの
が良い。
【0019】始動指令信号出力手段はまた、例えばリモ
ートコントローラ(リモコン)61と受信復調回路62を含
んで構成することもでき、使用者が例えば家屋内等、車
両から離れた位置にあってリモコン61を操作することで
発せられた任意変調形態の無線周波信号を車両搭載の受
信復調回路62が復調、検出した場合、当該受信復調回路
62から始動指令信号Sが発せられる。本発明はこれらタ
イマ方式、リモコン方式のいずれか一方または双方を搭
載するエンジン自動始動装置のいずれにも適用できる。
なお、上記の始動関連機器指令手段13、スタータ駆動指
令手段12、バッテリ電圧監視手段14、そして後述のバッ
テリ電圧監視禁止時間設定手段15や、さらには必要に応
じ設けられる給電状態設定手段18は、言わばそれらがあ
いまって基本的なエンジン始動制御部10を構成している
ことになり、このエンジン始動制御部10はまた、昨今の
技術に依れば中央演算処理ユニット(CPU) を中心として
作動するマイクロコンピュータ(以下、 単にマイコン:
図中でもそのように表記してある)によって実現でき
る。つまり、これらの手段群は、CPU が ROMに記憶され
た所定の制御プログラムに従って実行するソフトウェア
の機能として構成することができる。上述のタイマ11も
マイコン10に内蔵でき、CPU とはバスを介して信号授受
を行っている。
【0020】引き続き動作に就き説明するに、始動関連
機器指令手段13は始動指令信号Sを受けると始動関連機
器21に所定の動作を行わせる。例えばガソリン車であれ
ば、少なくとも点火コイルに指令信号を出力し、バッテ
リ電圧Vに基づく高電圧生成と、その高電圧の点火プラ
グへの供給とを行わせ、シリンダ内に火花放電を起こさ
せる。
【0021】スタータ駆動指令手段12は始動指令信号S
を受けるとスタータスイッチ機構24にスイッチオン信号
を送り出して模式的に接点で示されている通電路を閉
じ、スタータ22にバッテリ電圧Vを印加する。スタータ
(モータ駆動回路及びスタータモータを含む)22はその
バッテリ電圧Vによってスタータモータを駆動し、いず
れも図示しないがリングギヤ、フライホイールを介して
クランクシャフトを回転させ、エンジンのクランキング
を行う。
【0022】バッテリ電圧監視手段14はクランキングに
伴い変動するバッテリ電圧Vを一般には図示していない
A/D変換器でデジタル化して取り込み、複数個の変換デ
ータを取り込んだ時点で平均を求め、バッテリ電圧Vの
検出値とする。従って、平均演算を行う毎にバッテリ電
圧Vの検出値を更新する。
【0023】先にも少し触れたが、図2はバッテリ電圧
Vの経時変化の典型的な一例を示している。図中で off
からonと示しているように、スタータ22がクランキング
動作を開始すると、図に示すように、バッテリ電圧Vは
スタータ22の初期駆動時における突入大電流のため、点
Aで示すように一旦大きく落ち込んだ後、上昇を始め
る。しかし、一般にはそのままエンジンのアイドリング
状態に移ることは殆どなく、エンジンが停止傾向になる
ため、点B以降に示すように、スタータ負荷が増してバ
ッテリ電圧Vは再度落ち込み、エンジンが回転傾向に入
るとスタータの負荷が軽くなって点C以降に示すように
再びバッテリ電圧Vは上昇傾向となる。この後も引き続
くクランキングによりエンジンがまた回転を始めようと
すると、点C以降の状態に示されるようにバッテリ電圧
Vは再度上昇し、それでもまた停止傾向になると、点D
以降に認められるように、バッテリ電圧Vは再び低下傾
向となる。このように何回かの比較的大きな電圧差を生
ずるバッテリ電圧の上昇、下降を繰返して行くのが普通
であり、かつ、上昇期の時間もまちまちである。
【0024】そのため、既述した従来法では、A−B
間またはC−D間等、結局はその後に再びバッテリ電圧
Vが立ち下がってしまうにもかかわらず、この部分のバ
ッテリ電圧上昇期間の時間が結構長くなってしまったよ
うな場合、これを安定な上昇期間と誤認識し、エンジン
始動と判断してそこでスタータを切ってしまうおそれも
なくはなかった。まして、図2中でエンジン始動後の時
間領域に示されているある一定電圧Vsを超えたか否かだ
けの判断では、誤検出の恐れは極めて高い。
【0025】そこで本発明では、バッテリ電圧監視手段
14は、スタータ駆動の直後からではなく、当該スタータ
駆動時から図2中に示している一定時間Jの間はバッテ
リ電圧監視禁止時間とし、この時間Jを経過した所で始
めてバッテリ電圧監視モードに入る,という構成に従っ
ている。つまり、既述した通り、スタータが駆動したか
らと言って直ちにエンジンが安定な始動状態に移る車両
は殆どなく、ある程度以上の時間が必要である。当然、
その間はエンジン始動を認識する必要はないから、一定
時間以上に亘るバッテリ電圧の上昇がその間にあったと
しても、これを検出する必要はない。そうかと言って、
既述した従来法におけるように、予め長めにクランキ
ング時間を固定設定しておき、その時間を経てから始め
て、クランキングを起こす前のバッテリ電圧と現在のバ
ッテリ電圧との比較をなすと言う手法では、無駄にクラ
ンキングを続けてしまうことが多い。
【0026】しかし、このバッテリ電圧監視禁止時間J
をとりあえず経験的に知り得るエンジン始動時間よりは
短めに設定すると言っても、固定設定したのでは未だ十
分ではなく、車種ごとのエンジン始動特性を吸収できな
い。そこで本発明では、後述する手順により、車種ごと
に当該バッテリ電圧監視禁止時間Jを決定し、設定する
機能を提供するが、ここではまず、全体の動作の流れを
つかむために、本発明により、既にある一定時間Jが設
定されたとしよう。
【0027】スタータ22への通電時から一定時間Jを経
過してバッテリ電圧Vの監視モードに入った以降、バッ
テリ電圧監視手段14は、図2中の時間領域Eに示されて
いるように、所定時間G以上に亘りバッテリ電圧の上昇
傾向が続くか否かを検出するか、バッテリ電圧が所定の
電圧Vsを越えたか否かを検出する。ここで、時間G及び
電圧Vsに関しての「所定」という用語は、本発明の原理
からすれば明らかであるが、通常の用語として、「定め
られていること」を意味する。その時間Gあるいは温度
Vsを越えたか否かでエンジン始動と認識するか否かを判
断することは明らかであるから、当然、本発明の適用現
場では設計的に予め定められるべきものである。つまり
は予め定められた一定温度または予め定められた一定時
間のことを以下では単に「所定の温度」、「所定の時
間」と呼ぶ。ただし、前者の判断手法に従う場合、エン
ジンが始動し始めて当該時間領域Eに示すようなバッテ
リ電圧の連続上昇過渡期に入ったにしても、一般にはこ
の時のバッテリ電圧成分にも下降分が見込まれる。
【0028】そこで、実用的には、この下降分に関して
下降許容範囲を定め、これを越える電圧値下降を起こさ
ない限り、下降がないものとしてこれを無視し、連続上
昇過渡期にあるものと認める。もちろん、許容範囲を越
えて下降した場合には上昇過程が続いているとは認めら
れないので、そこで連続上昇が続いているとしてきた時
間の計測や、 A/D 変換器を介し平均化して取り込んでい
たバッテリ検出電圧データを破棄し、再度のバッテリ電
圧上昇状態の生起を待つ。
【0029】これに対し、エンジンが実際に始動する
と、図2中の時間領域Eに示している通り、バッテリ電
圧Vは所定の時間G以上に亘り連続上昇傾向となるし、
所定電圧Vsとの比較で判断する場合にも当該所定電圧Vs
を下回ることは最早なくなるので、バッテリ電圧監視手
段14は当該時間Gを経過した時点で、あるいは所定電圧
Vsをバッテリ電圧が越えた時点でエンジン始動と判断
し、スタータ駆動指令手段12に指示してスタータスイッ
チ機構24によりバッテリ23からスタータ22への通電路を
開かせ、スタータ22への電力供給を遮断してクランキン
グを停止する(図2中のH点)。
【0030】しかるに、本発明では、バッテリ電圧監視
禁止時間Jは、車両に標準搭載の手動イグニッションス
イッチ機構25を介し、手動によってエンジンが始動され
た時の始動時間(スタータ通電時間)を予め計測し、エ
ンジン始動信号Sに基づくスタータ22の自動駆動の開始
に際しては、当該予め計測した手動始動時間に鑑みて決
定したバッテリ電圧監視禁止時間Jを用いる。すなわ
ち、バッテリ電圧監視禁止時間設定手段15は、本装置が
エンジン自動始動のために稼動していない時にもスター
タ22を監視しており、本装置が稼動していない時にスタ
ータ22に通電されたことを検出すると、その通電時間を
計測する。そして、その結果をEEPROM等の適当なる不揮
発性記憶手段17に記憶する。その上で、バッテリ電圧監
視手段に対して設定するバッテリ電圧監視禁止時間J
は、この計測した手動始動時間に鑑みて決定した時間と
する。
【0031】もう一度図2に即しこの点につき説明する
と、当該図2中にて括弧を付して記してあるように、エ
ンジンが手動始動されたときのスタータ通電時間Xに
は、エンジンが実際に始動するに要した時間と、始動者
がこれを感覚的に認識してからイグニッションスイッチ
を切るまでの遅れ時間Gがある。そこで、計測した時間
Xから、当該遅れ時間Gと、さらに少しの余裕を見て短
い時間Kとを差し引いた時間をバッテリ電圧監視禁止時
間J{=X-(G+K)}として設定すれば、その車種ごとにほ
ぼ適当なるバッテリ電圧監視禁止時間J が得られる。バ
ッテリ電圧監視禁止時間設定手段15は実際にこのような
演算をなすもので、時間GとKは経験的に予め決定して
おくことにしても、実際には車種ごとに手動始動時間X
が大きく変動するので、これを実測し、これに鑑みてバ
ッテリ電圧監視禁止時間Jを設定することの効果は大き
い。
【0032】もっとも、バッテリ電圧監視禁止時間設定
手段15は、手動始動時間Xを計測した時に、これをその
まま不揮発性記憶手段17に格納し、エンジン自動始動時
ごとに当該時間Xを読み出してJ=X-(G+K)なる演算を行
い、その結果をバッテリ電圧監視手段14に設定しても良
いが、計測完了時点で予めJ=X-(G+K)なる演算をしてし
まい、その結果であるバッテリ電圧監視禁止時間Jを不
揮発性記憶手段17に格納し、エンジン自動始動時ごとに
当該演算済みのバッテリ電圧監視禁止時間Jを読み出し
てバッテリ電圧監視手段14に対して設定するようにして
良い。これらは互いに均等であるので、以下の他の実施
形態においてもいずれか一方の表現は他方を包含するも
のとする。つまり、不揮発性記憶手段17に記憶する前に
バッテリ電圧監視禁止時間Jの演算を行ってこの演算結
果を記憶するか、計測した手動始動時間Xをそのまま記
憶し、不揮発性記憶手段17からこれを読み出した後にバ
ッテリ電圧監視禁止時間Jを演算するかは、本発明の基
本的な効果にとっては等効である。
【0033】本発明の最も基本的な態様では、この手動
始動時間Xの計測は一回だけでも良い。しかし、より実
用的には、手動始動が行われるたびに手動始動時間Xの
計測を行い、それに鑑みてその度ごとの自動始動時に設
定すべきバッテリ電圧監視禁止時間Jを決定するように
すれば、その時々の季節等により平均的に変動する手動
始動時間Xに対応でき、より精度の高い自動始動時間で
のエンジン自動始動が図れる。当然、不揮発性記憶手段
17への記憶値もその度ごとに更新される。
【0034】この実施形態では、さらに温度センサ16も
有している。これは、次のように有利に使うことが出来
る。すなわち、バッテリ電圧監視禁止時間設定手段15が
手動イグニッションスイッチ25を介してのスタータ22へ
の手動通電を検出し、手動始動時間Xを計測する際に
は、当該バッテリ電圧監視禁止時間設定手段15はまた、
計測時の車両外気温か、または車両特定個所の温度をも
検出する。車両特定個所の温度とは、要するに常に同じ
温度条件となる所で検出できれば良いので、車両車室
(客室はもとより、トランクルームやエンジンルームを
も含む)の内部温度でも良いし、エンジン冷却液とかエ
ンジン潤滑油の温度を計測し得る部分の温度であっても
良い。
【0035】その上で、バッテリ電圧監視禁止時間設定
手段15は、計測した手動始動時間Xまたは当該時間Xに
基づいて予め演算してしまったバッテリ電圧監視禁止時
間Jを、その時の温度に対応付けて不揮発性記憶手段17
に格納する。そして、エンジン始動信号Sに基づくスタ
ータ22の自動駆動の開始に際しては、やはりその時に温
度センサ16により検出される温度と同じか、所定の差範
囲内にある温度に対応付けられて記憶されている手動始
動時間Xに鑑みて決定されるバッテリ電圧監視禁止時間
Jをバッテリ電圧監視手段14に対して設定する。このよ
うにすると、例え同一車両であっても、エンジン始動時
の温度環境によってエンジン始動時間が結構変わること
を思うとき、極めて有効に作用することが明らかであ
る。もちろん、サンプル数は多い程、精度は上がるの
で、予め所定の温度幅で何段階か(原理的には多いほど
良い)に亘る温度範囲を設定し、それら全ての温度範囲
の各々に対応する手動始動時間が得られる程に使い込ま
れた方が良い。この場合にも、同じ温度範囲に対応付け
られる手動始動時間が既に記憶されているものと異なっ
た時には、新しい時間値で更新するのが望ましい。もち
ろん、ここで言う「所定の差」とか「所定の温度幅」と
いうものも、上記のメカニズムから明らかなように、予
め定めておくものである。
【0036】この考えをさらに推し進めると、それまで
のエンジン運転状況がどうであったかによってバッテリ
電圧監視禁止時間Jを適当なるように可変設定する構成
も提供できる。周囲の温度環境が変わらなくても、それ
までに長い時間回されていた場合とそうでない場合との
エンジンの再始動時間は変わるし、休止していた時間の
長さによっても変わる。そこで、これらをも検出するよ
うにすれば、その回に必要なバッテリ電圧監視禁止時間
Jはより最適に設定できる。そこで、バッテリ電圧監視
禁止時間設定手段15は、この実施形態の場合、少なくと
も点火コイルを含む始動関連機器21の通電状態をも監視
しており、この通電時間から、エンジンの運転時間と、
最後に運転が停止されてから今また始動されようとして
いる時までの経過時間を算出することができる。そし
て、手動始動の検知に伴い計測した手動始動時間Xは、
その計測の前に運転されていたエンジンの運転時間と運
転が停止されてから今回の計測を始めたときまでの経過
時間とに対応付けて記憶し、その後、エンジン始動信号
に基づくスタータの自動駆動の開始に際し、計測した手
動始動時間に鑑みてバッテリ電圧監視禁止時間Jを設定
する時には、その回の自動駆動開始時の前に運転されて
いたエンジンの運転時間と運転が停止してからの経過時
間と同じか、所定の差範囲にある時間に対応付けられて
いる手動始動時間に鑑みる。ここでもまた、「所定」と
いう用語は、予め定められていることを意味する。
【0037】もっとも、上述した温度環境をも加味して
その度ごとのバッテリ電圧監視禁止時間Jを設定する構
成と、エンジン運転時間や休止時間を加味して設定する
構成とは、共に共存させることができるし、どちらかを
単独で用いることもできる。共に用いる場合には、手動
始動時間計測の結果はその時の温度とその前のエンジン
運転時間及びそれから現在までの休止時間との組に各々
対応付ける。ただ、エンジンの始動性は、冷却液温度や
油温によって最も大きく左右されるので、温度センサ16
がこれらを検出するものである時には、時間環境をまで
検出しなくても足りる場合もあり、そうであるならばコ
ストダウンが図れる。
【0038】一方、同じく車両ごとの条件を積極的に取
り込むと言う考えからすると、手動始動された時の始動
関連機器21等への給電状態等、車両の配電系統への給電
状態を検出し、これも不揮発性記憶手段17に記憶してお
けば、エンジン始動信号Sに基づくスタータ22の自動駆
動の開始に際しては、検出してある配電系統への給電状
態と同じ状態となるように制御できる。例えば車両によ
っては二系統あるイグニッションラインの中、クランキ
ング中に限り、一系統への給電は停止せねばならず、そ
うでないと異常を生ずるものも存在する。このような車
両においても、ここで述べている構成を採用し、給電状
態設定手段18が始動関連機器指令手段13を制御して、エ
ンジン自動始動時には禁止されている給電ラインへの給
電はしないように設定することで、正常な動作を保証す
ることができる。この給電状態に関する情報は、手動始
動の度に更新する必要は特にはなく、本装置を据え付け
てから最初の一回目の手動始動時に不揮発性記憶手段17
に取り込んだ情報に従えば良い。
【0039】以上に述べた本発明装置の動作をフローチ
ャート化すると図1に示すようになる。まず、エンジン
始動シーケンス101 の最初のステップ102 では、タイマ
11とか受信復調回路62等の始動指令信号出力手段から始
動指令信号Sが入力されたか否かを判別し、入力されて
いれば次のステップ103 に進み、そうでなければそのま
まリターンする。
【0040】次のステップ201 では、上述した本発明の
趣旨に従い、最も基本的には既に取り込んである手動始
動時間Xに鑑みるか、さらに望ましくは温度条件やエン
ジン運転時間とか休止時間にも対応付けて記憶されてい
る手動始動時間Xに鑑み、その時の条件に適当なるバッ
テリ電圧監視禁止時間Jを決定して設定する。
【0041】ステップ103 では、スタータ22および始動
関連機器21への稼動指令を行い、図示していないが、給
電状態をも記憶している場合には、それに従い、給電し
ても差し仕えない配電系統にのみ給電する。次のステッ
プ104 ではバッテリ電圧監視禁止時間Jが経過している
か否かを判断し、経過していれば次のステップ105 に移
り、そうでなければリターンする。
【0042】ステップ105 以降が電圧監視モードに相当
するが、当該ステップ105 では、既述したように平均化
で取り込んだバッテリ検出電圧値が更新されたか否かの
判別を行い、更新されていれば次のステップ106 に進
み、そうでなければリターンする。ステップ106 では今
回検出したバッテリ検出電圧値と前回の検出電圧値を比
較し、今回の値が前回の値以上であれば次のステップ10
7 に進み、前回の値以上でなければステップ110 に分岐
して進む。
【0043】この分岐したステップ110 では、バッテリ
電圧Vの検出電圧値が少なくとも上昇はしていないもの
の、許容範囲を越えない下降分に留まっているか否か、
すなわち平均化により取り込んだ前回の検出電圧値に対
し、同じく平均化により取り込んだ今回の検出電圧値が
ある一定の差以下に留まっているか否かを判断し、許容
範囲を超えていた場合には次ステップ112 でそれまでの
経過時間計測値やバッテリ検出電圧値等の判断材料であ
る連続上昇度データ群を初期化してからリターンする。
【0044】一定の許容範囲に留まっていた場合には次
のステップ111 で検出電圧値が上昇したものとみなし、
次のステップ107 でバッテリ電圧の連続上昇傾向が一定
時間(図2中のG)以上に亘り継続したか否かを判断
し、一定時間継続したと判断した時には次のステップ10
8 に移り、そうでなければリターンする。
【0045】ステップ107 で一定時間に亘るバッテリ電
圧の連続上昇傾向が認識された場合には、ステップ108
に示すようにエンジン始動がなされたものと認識し、次
のステップ109 に示すように、クランキング停止、すな
わちスタータ22の駆動を停止する。
【0046】以上、本発明の望ましい実施形態に就き説
明したが、図1中のフローチャートで、一定時間G以上
に亘るバッテリ電圧Vの連続上昇を検出する代わりに、
図2中に示されているように、バッテリ電圧監視禁止時
間Jの終了時に相当する時点で予め検出されている電圧
Vsを検出閾値とし、これを越えたらエンジンが始動した
と判断しても良い。本発明によると、車種ごとや、同一
車両であっても変動するエンジン始動時間への対応能力
が高いので、このようにバッテリ電圧監視禁止時間経過
後の単なる所定の電圧との比較だけでも、高い精度が得
られる。
【0047】なお、本発明のエンジン自動始動方法及び
装置は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、その
他のエンジン態様に関係なく、スタータで始動させるタ
イプのエンジンに広く適用することができる。また、図
示実施形態ではマイコン10により等価的に構成し得ると
して示してある各構成要素11〜18も、必要なものは個別
のハードウエアに置き換えて構わない。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、スター
タ駆動から一定時間をバッテリ電圧監視禁止時間とし、
その時間を経過した後に始めてバッテリ電圧を監視する
ようにし、しかも、当該バッテリ電圧監視禁止時間はそ
の車両ごとに手動でエンジンが始動された時の情報に沿
ったものになっているので、エンジン始動認識の精度が
高まり、実際のエンジン始動時から僅かな時間差でクラ
ンキングを停止でき、エンジン始動後の不必要なクラン
キングを最小限に抑えて、運転者がイグニションスイッ
チ手動操作によりエンジンを始動した場合とほぼ同等の
クランキング時間とすることができる。バッテリ電力の
無駄な消費も抑制することができ、また、エンジン始動
認識のための特別な配線は全く必要でなく、アクセスし
易いバッテリ電圧を監視対象としているので、作業性も
部品点数も少なくて済み、合理的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン始動制御の望ましい実施形態
におけるフローチャート図である。
【図2】バッテリ電圧の経時変化の典型的一例を説明す
る説明図である。
【図3】本発明方法に適用し得る装置構成図である。
【符号の説明】
10 エンジン始動制御部を構成するマイコン 11 タイマ 12 スタータ駆動指令手段 13 始動関連機器指令手段 14 バッテリ電圧監視手段 15 バッテリ電圧監視禁止時間設定手段 16 温度センサ 17 不揮発性記憶手段 18 給電状態設定手段 21 始動関連機器 22 スタータ 23 バッテリ 25 手動イグニッションスイッチ機構 31 時間設定器 32 設定時間表示部 61 リモコン 62 受信復調回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 395 F02D 45/00 395Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02N 11/08 F02D 29/02 321

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定時刻に至るか、または設定操作から
    設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントロ
    ーラから発信されたエンジン始動信号を受信したときに
    車両搭載のバッテリからスタータに通電してこれを自動
    駆動し、エンジンをアイドリングさせるエンジン自動始
    動方法であって; 車両に標準搭載のイグニッションスイッチ機構を介し手
    動でスタータに通電され、エンジンがアイドリング状態
    にされた時のスタータ通電時間である手動始動時間を予
    め計測し; 上記エンジン始動信号に基づくスタータの自動駆動の開
    始に際しては、上記計測した手動始動時間に鑑みて決定
    したバッテリ電圧監視禁止時間を設定し; 該スタータ駆動時から該バッテリ電圧監視禁止時間を経
    過した後にバッテリ電圧監視モードに入り、該バッテリ
    電圧監視モード下において該バッテリ電圧が予め定めた
    一定電圧値以上になるか、または該バッテリ電圧監視モ
    ードに入ってから予め定めた一定時間以上に亘り、該バ
    ッテリ電圧が連続的上昇傾向にあった場合にエンジン始
    動と認識し、上記スタータへの上記バッテリからの通電
    を停止すること; を特徴とするエンジン自動始動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって; 上記バッテリ電圧監視禁止時間は、上記計測した手動始
    動時間より予め定めた時間だけ短く決定すること; を特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法であって; 上記計測した手動始動時間は、車両に取り付けた温度セ
    ンサが該計測時に検出した温度に対応付け; その後の上記エンジン始動信号に基づくスタータの自動
    駆動の開始に際し、上記計測した手動始動時間に鑑みて
    バッテリ電圧監視禁止時間を設定する時には、該自動駆
    動時に上記温度センサが検出した温度と同じか、予め定
    めた差範囲内にある温度に対応付けられている手動始動
    時間に鑑みること; を特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法であって; 上記計測した手動始動時間は、該手動始動時間計測の前
    に運転されていたエンジンの運転時間と該運転が停止さ
    れてからの経過時間とに対応付け; 上記エンジン始動信号に基づくスタータの自動駆動の開
    始に際し上記計測した手動始動時間に鑑みてバッテリ電
    圧監視禁止時間を設定する時には、該自動駆動開始時の
    前に運転されていたエンジンの運転時間と該運転が停止
    してからの経過時間と同じか、予め定めた差範囲にある
    時間に対応付けられている手動始動時間に鑑みること; を特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法であって; 車両に標準搭載のイグニッションスイッチ機構を介し手
    動でスタータに通電されたときの車両の配電系統への給
    電状態を検出し; 上記エンジン始動信号に基づくスタータの自動駆動の開
    始に際しては、該検出してある配電系統への給電状態と
    同じ状態となるようにすること; を特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の方法であって; 上記温度センサの検出する温度は、車両の外気温、また
    は車両室内温度であること; を特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の方法であって; 上記温度センサの検出する温度は、エンジン冷却液また
    はエンジン潤滑油の温度であること; を特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の方法であって; 上記バッテリ電圧監視モード下において上記予め定めた
    一定時間以上に亘り該バッテリ電圧が連続的に上昇傾向
    にあったときにエンジン始動と認識する場合、該予め定
    めた一定時間を途過する前における上記バッテリ電圧の
    下降分が予め定めた許容範囲を越えてまでは下がらない
    とき、これを下降とみなさずに無視し、バッテリ電圧は
    上記上昇傾向にあると判断すること; を特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 始動指令信号を受けるとエンジンを自動
    始動してアイドリングさせるエンジン自動始動装置であ
    って; 上記始動指令信号を選択的に発し得る始動指令信号出力
    手段と; 該始動指令信号に基づいてスタータにバッテリ電圧を印
    加するスタータ駆動指令手段と; 上記スタータに上記バッテリ電圧が印加されてからバッ
    テリ電圧監視禁止時間を経過した後に該バッテリ電圧を
    監視し始め、該バッテリ電圧が予め定めた一定電圧値以
    上になるか、または予め定めた一定時間以上に亘って該
    バッテリ電圧が連続的な上昇傾向にあることを検知した
    時に上記スタータへの上記バッテリの通電を停止させる
    バッテリ電圧監視手段と; 上記車両に標準搭載のイグニッションスイッチ機構を介
    し手動でスタータに通電され、エンジンがアイドリング
    状態にされた時のスタータ通電時間である手動始動時間
    を予め計測しておき、該計測した手動始動時間に鑑みて
    上記バッテリ電圧監視禁止時間を決定し、上記バッテリ
    電圧監視手段に対して該決定したバッテリ電圧監視時間
    を設定するバッテリ電圧監視禁止時間設定手段と; を有して成るエンジン自動始動装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の装置であって; 上記バッテリ電圧監視禁止時間は、上記計測した手動始
    動時間より予め定めた時間だけ短い時間として決定され
    ること; を特徴とする装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の装置であって; 上記バッテリ電圧監視禁止時間設定手段は、上記手動始
    動時間を計測した際に車両に取り付けられている温度セ
    ンサが検出した温度ごとに上記手動始動時間を対応付け
    ると共に、上記バッテリ電圧監視手段に対し上記バッテ
    リ電圧監視禁止時間を設定するに際しては、その時に上
    記温度センサにより検出される温度と同じか、予め定め
    た差範囲内の温度に対応付けられている手動始動時間に
    鑑みること; を特徴とする装置。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の装置であって; 上記バッテリ電圧監視禁止時間設定手段は、上記計測し
    た手動始動時間をその計測前におけるエンジン運転時間
    と該運転が停止されてからの経過時間とに対応付け、上
    記バッテリ電圧監視手段に対し上記バッテリ電圧監視禁
    止時間を設定するに際しては、上記始動指令信号が発っ
    せられる前のエンジン運転時間と該運転が停止してから
    の経過時間と同じか、予め定めた差範囲にある時間に対
    応付けられている手動始動時間に鑑みること; を特徴とする装置。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の装置であって; 車両に標準搭載のイグニッションスイッチ機構を介し手
    動でスタータに通電されたときの車両の配電系統への給
    電状態を予め検出しておき、上記エンジン始動信号に基
    づくスタータの自動駆動の開始に際しては、該検出して
    ある配電系統への給電状態と同じ状態となるようにする
    給電状態設定手段を有すること; を特徴とする装置。
  14. 【請求項14】 請求項9記載の装置であって; 上記始動指令信号出力手段はタイマを含み、使用者によ
    り設定された設定時間に至った時、あるいは使用者によ
    る設定操作から設定時間を経過したときに上記始動指令
    信号を出力する手段であること; を特徴とする装置。
  15. 【請求項15】 請求項9記載の装置であって; 上記始動指令信号出力手段は、無線周波によりリモート
    コントローラから発信されたエンジン始動信号を受信し
    たときに上記始動指令信号を出力する手段であること; を特徴とする装置。
  16. 【請求項16】 請求項9記載の装置であって; 上記バッテリ電圧監視手段は、上記予め定めた一定時間
    以上に亘り、上記バッテリ電圧が連続的に上昇傾向にあ
    った場合にエンジン始動と認識する場合、該所定時間を
    途過する前における上記バッテリ電圧の下降分が予め定
    めた許容範囲を越えてまでは下がらないとき、これを下
    降とみなさずに無視し、バッテリ電圧は上記上昇傾向に
    あると判断すること; を特徴とする装置。
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