JP3005806U - 親子式取車台を有する駐車塔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 駐車塔の車の収容量を増すことができる、親
子式取車台を有する駐車塔の提供。 【構成】 駐車塔１０は、所定の高さの地上層を有する
ものとし、並びに地面層に車の出入口１１を設け、駐車
塔内の中央動力支持フレーム２０の両側に多数の循環す
る親子式取車台３０を設け、該循環する親子式取車台３
０の両側に、固定駐車部１０２を設け、各々の該親子式
取車台３０は、一つの適当の大きさの略長方形の親車台
及びその上のより小型の子車台から構成し、該子車台
は、動力系統の駆動により、該親車台から伸出でき、か
つ中央位置近くにはもう一組の小距離動力移動装置を設
け、上述の子車台の伸出により、その動力系統に設けた
フックが上層車受台の側面に設けたフックと掛け合い、
連動させ該上層車受台に親車台を出入させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一種の駐車塔に関し、特に、子車台を側方へ移動させることができ 、両側の固定駐車部との車の受渡しが行えるため、駐車塔の車の収容量を増すこ とができる、親子式取車台を有する駐車塔に関する。

【０００２】

【従来の技術】

都市においては土地の取得が困難で、また地価が高騰しており、相対的に、ま すます増加する車の駐車場不足が問題となっている。特に、駐車場の価格は高騰 し続けている。

【０００３】 有限な土地にできるだけ多くの車を駐車し、また土地の経済的な利用価値をも 考慮して、都市部で一般に最もよく見られる駐車方式は、大容量の駐車場を建築 することである。これは広い土地あるいはビルの地階などを利用する場合は、比 較的広い平面の駐車場で実現されるが、狭い土地では幅及び長さの短い土地にお いては、駐車塔が最も適している。なぜなら、駐車塔は、有限な土地上で比較的 高く多数の駐車層を上へと設けることができ、さらに下へと地下層として設ける ことができるからである。

【０００４】 現在ある駐車塔の殆どは、循環式の駐車台を採用している。これは、駐車台を 吊りかご方式で一つの中央動力支持フレームの両側に設け、多数の吊りかご式の 取車台を動力系統に従って中央動力支持フレームの両側で循環式に移動させ、駐 車及び取車に供するものである。ただし、このような従来の駐車塔は、地上及び 地下に駐車層数を増すことはできるが、ただ中央動力支持フレームの両側の２列 の駐車台に駐車することができるのみであり、容量はあまり大きくなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、一種の親子式取車台を有する駐車塔を提供することであり、 該取車台には子車台を設け、該子車台を駆動して親車台から進出あるいは進入の 移動を行わせ、中央動力支持フレームの両側の取車台の本体の外側にさらに固定 駐車部を設け、これに子車台の進出、進入の移動を組み合わせて、単一の駐車塔 の駐車容量を倍増することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の親子式取車台を有する駐車塔は、所定の高さの地上層とし、並びに地 面層に車の出入口を設け、駐車塔内の中央動力支持フレームの両側に多数の循環 する親子式取車台を設け、該循環する親子式取車台の両側に、固定駐車部を設け 、各々の該親子式取車台は、一つの適当の大きさの略長方形の親車台及びその上 のより小型の子車台から構成し、該子車台は、動力系統の駆動により、該親車台 から伸出でき、かつ中央位置近くにはもう一組の小距離動力移動装置を設け、上 述の子車台の伸出により、その動力系統に設けたフックが対応する上層車受台の 側面に設けたフックと掛け合い、連動により該上層車受台に親車台を出入りさせ る。

【０００７】 さらに、上記循環する親子式取車台の両側の固定駐車部は、駐車塔の高さに対 応するように設ける。

【０００８】 さらに、子車台を出入させる動力系統に、親車台と子車台の一端の縦フレーム 間の同期軸を設け、該同期軸両端にはそれぞれチェーンにより伝動するスプロケ ット列を設け、一つの減速モータによる駆動に供する。

【０００９】 さらに、子車台の中央位置近くに設けた小距離動力移動装置には、子車台に設 けた中間平行支持フレームを設け、且つ一つの横軸を設けて、該横軸に設けた中 央の小歯車をもう一つのモータの駆動により下方の一つのラックに於いて移動さ せる。

【００１０】 さらに、上層車受台の側面に設けたフックは、逆Ｕ形とし、子車台の動力伝達 系統には 、これに対応して互いに掛け合わせることができるＵ形フックを設け る。

【００１１】 さらに、親車台の両側及び、その横の固定駐車部には、大型のローラ列を設け 、上層車受台の横の移動に供する。

【００１２】

【作用】

本考案は、一種の親子式取車台を有する駐車塔であり、塔内に中央動力支持フ レームを設け、循環させる吊りかごの親子式取車台を該中央動力支持フレームの 両側に設け、且つこれら吊りかごの親子式取車台外側に、あらかじめ固定駐車部 を設けたものである。上述の親子式取車台は、フレーム式の親車台及びこれより 小さい子車台から構成し、該子車台は動力系統により親車台を出入りする。これ ら親子式取車台は駐車及び車の取り出しに供されるほか、出入りする側に設けた 固定駐車部により、駐車塔の収容量を増すことができる。

【００１３】

【実施例】

図１に示されるように、本考案は、適当な大きさの土地上に、特定の高さの地 上層を有する駐車塔（１０）を設置し、該駐車塔（１０）には、地面層に車の出 入口（１１）を設ける。本考案の比較的よい実施例中では、該駐車塔（１０）に 、中央動力支持フレーム（２０）を設ける。且つ該中央動力支持フレーム（２０ ）の両側には、多数の該中央動力支持フレーム（２０）の回りを循環する親子式 取車台（３０）を設ける。該親子式取車台（３０）を設けた位置の両側には、駐 車塔（１０）の高さに応じた高さで、かつ駐車塔（１０）の両側にそれぞれ配置 される２列の多層の固定駐車部（１０１）、（１０２）を設ける。

【００１４】 さらに、図２も同時に参照して説明する。動力モータ（２１）で上回転盤（２ ２）と下回転盤（２３）との間の循環式チェーン（２４）を駆動させることで、 中央動力支持フレーム（２０）の両側の多数の親子式取車台（３０）を、中央動 力支持フレーム（２０）の両側で循環を行わせて、駐車と取車に供する。

【００１５】 上記の親子式取車台（３０）は、図３及び図４に示されるように、一つの適当 の大きさの略長方形の親車台（３１）及び、該親車台（３１）の上表面に設けた 親車台（３１）より小型の子車台（３２）から構成する。該親車台（３１）及び 子車台（３２）は、縦横の外フレームで一つの略長方形状に設けるほか、それぞ れ斜め桿（３３）、（３４）を設けて補強する。親車台（３１）の両側には２列 の、それぞれ上層取車台（これについては後述する）とのスライド式の連接に供 する２つの大ローラ列（３５）、（３６）を設け、子車台（３２）の僅かに内側 位置には、それぞれ縦フレームの両側で自由に回転するローラ列（３７）、（３ ８）を設ける。

【００１６】 一端にある親車台（３１）と子車台（３２）の縦フレームの間には、一つの同 期軸（４０）を設け、この同期軸（４０）の両端にはそれぞれチェーン（４１） 、（４２）により伝動するスプロケット（４３）、（４４）、（４５）、（４６ ）を設ける。全体の同期軸（４０）は、一つの減速モータ（５０）の動力をチェ ーン（５１）及び対応するスプロケット（５２）、（５３）を経て伝えることで 連動する。これにより全体の子車台（３２）は、この減速モータ（５０）の駆動 により、出入りの移動を行う。

【００１７】 また、子車台（３２）の中間の２つの平行な支持フレーム（３１１）、（３１ ２）の間には、一つの横軸（６０）を設ける。該横軸（６０）には一つの中央の 小歯車（６１）を設けて、下方のラック（６２）との相対移動に供する。この横 軸（６０）の一端には、対応するスプロケット（６３）、（６４）及びチェーン （６５）を設けてもう一つのモータ（６６）の動力を伝え、該横軸（６０）を連 動させる。

【００１８】 全体の親子式取車台（３０）は、中央動力支持フレームシステムの牽引の下で 、同期循環移動を行う。取車の場合は、図５にしめされるように、まず、親子式 取車台（３０）を移動させ、上述の、横に設けた固定駐車部（１０１）の水平線 高度より僅かに低い位置に移動させる（この移動は相関するマイクロスイッチに より位置決めされるが、ここでは詳しく述べない）。上述したとおり、固定駐車 部（１０１）には、相関位置に両側の大ローラ列（１０３）を設ける。一つの上 層車受台（７０）は、図に示される駐車状態にあるときに、車（８０）の収容に 供される。該上層車受台（７０）は、その一側に突出するフック（７１）を設け る。本考案の比較的よい実施例においては、このフック（７１）は、逆Ｕ形に設 ける。

【００１９】 親子式取車台（３０）を位置決めした後、図６に示されるように、固定駐車部 （１０１）との間に一つの安全間隙が形成される。この間隙は、子車台（３２） がモータ（６６）の作動により全体の車台を反作用力により外に移動させて固定 駐車部（１０１）と連接させ、この間隙を補充させる。さらに減速モータ（５０ ）の駆動に同期軸（４０）を連動させて回転させる（図３参照）。スプロケット （４３）、（４４）、（４５）、（４６）に掛けたチェーン（４１）、（４２） の適当な位置にフック（４１０）、（４２０）を設ける。このフック（４１０） 、（４２０）は上述の逆Ｕ形のフック（７１）と組み合わせることができる。こ れらのフック（４１０）、（４２０）は、開口を上に設けたＵ形に設けるのが最 もよく、該フック（４１０）、（４２０）を固定駐車部（１０１）の上層車受台 （７０）において、そのフック（７１）の真下に位置決めする。さらに、全体の 親子式取車台（３０）を上に移動させ、フック（７１）とフック（４１０）を掛 け合わせる。

【００２０】 次に、図８を参照する。この時、減速モータ（５０）は反対に回転し、子車台 （３２）が連動し、上層車受台（７０）とその上に置かれた車（８０）を元の位 置に引き戻す。子車台（３２）が伸出するより上層車受台（７０）をフックする 距離が短いため、上層の車受台（７０）が引き戻された後も車（８０）は未だ位 置決めされない。このとき、小距離移動系統のもう一つのモータ（６６）の駆動 により、図３に示されるように、小歯車（６１）がラック（６２）に沿って図の 下方へと移動し、車（８０）を図９に示されるように位置決めする。さらに中央 動力系統により循環して、図に示される車の出入口（１１）へと至らせる。

【００２１】 以上述べたのは、図５から図９に示される取車動作である。反対に、駐車時は 、２列の固定駐車部（１０１）に空きがあれば、親子式取車台（３０）をその固 定駐車部（１０１）の空いた位置に至らせ、子車台（３２）に上述の取車動作と 反対の動作を行わせ、上層車受台（７０）及び車（８０）を空いた固定駐車部（ １０１）に移動させ、駐車を完成する。

【００２２】

【考案の効果】 本考案の駐車塔は、もともと有する中央動力支持フレーム の両側の駐車台からの車を出したり、該駐車台に車を駐車できるほか、親子式取 車台を設けて、これによりこれら循環する吊りかご式の親子式取車台の両外側に さらに設けた固定駐車部に車を駐車並びに該固定駐車部から車を取り出せ、全体 として、有限な土地上の建築物である駐車塔の収容量を有効に増加できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の駐車塔の外観を示す、部分断
面図である。

【図２】上記図１の実施例における中央動力支持フレー
ムと親子式取車台の相互位置を示す斜視図である。

【図３】本考案の実施例の親子式取車台の平面図であ
る。

【図４】上記図３の実施例における側面図である。

【図５】本考案の親子式取車台が駆動されて固定駐車部
と対応する位置に至った状態を示す、正面図である。

【図６】上記図５の状態から、さらに子車台が伸出する
状態を示す、正面図である。

【図７】上記図６の状態から、さらに親子式取車台が上
昇して表層の取車台とフックしあう状態を示す、正面図
である。

【図８】上記図７の状態から、さらに子車台が元の位置
に戻り、車を移入させる状態を示す、正面図である。

【図９】上記図８の状態から、さらに車が完全に固定駐
車部から親子式取車台に取り出された状態を示す、正面
図である。

【符号の説明】

（１０）駐車塔 （１１）出入口 （２０）中央動
力支持フレーム （２１）動力モータ （２２）上回転盤 （２３）
下回転盤 （２４）循環式チェーン （３０）親子式取車台 （３
１）親車台 （３２）子車台 （３３）（３４）斜め桿 （３
５）（３６）大ローラ列 （３７）（３８）ローラ列 （４０）同期軸 （４１）
（４２）チェーン （４３）（４４）（４５）（４６）スプロケット
（５０）減速モータ （５１）チェーン （５２）（５３）スプロケット
（６０）横軸 （６１）小歯車 （６２）ラック （６３）（６
４）スプロケット （６５）チェーン （６６）モータ （７０）上層車受
台 （８０）車 （７１）フック （１０１）（１０２）固定駐車部 （３１１）（３１２）支持フレーム （４１０）（４
２０）フック

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の高さの地上層を有するものとし、
   並びに地面層に車の出入口を設け、駐車塔内の中央動力
   支持フレームの両側に多数の循環する親子式取車台を設
   け、該循環する親子式取車台の両側に、固定駐車部を設
   け、各々の該親子式取車台は、一つの適当の大きさの略
   長方形の親車台及びその上のより小型の子車台から構成
   し、該子車台は、動力系統の駆動により、該親車台から
   伸出でき、かつ中央位置近くにはもう一組の小距離動力
   移動装置を設け、上述の子車台の伸出により、その動力
   系統に設けたフックが対応する上層車受台の側面に設け
   たフックと掛け合い、連動により該上層車受台に親車台
   を出入りさせる、親子式取車台を有する駐車塔。
2. 【請求項２】 循環する親子式取車台の両側の固定駐車
   部は、駐車塔の高さに対応するように設ける、請求項１
   に記載の親子式取車台を有する駐車塔。
3. 【請求項３】 子車台を出入させる動力系統は、親車台
   と子車台の一端の縦フレーム間の同期軸を含み、該同期
   軸両端にはそれぞれチェーンにより伝動するスプロケッ
   ト列が設けられ、一つの減速モータによる駆動に供され
   る、請求項１に記載の親子式取車台を有する駐車塔。
4. 【請求項４】 子車台の中央位置近くに設けた小距離動
   力移動装置は、子車台に設けた中間平行支持フレームを
   有し、且つ一つの横軸を有して、該横軸に設けた中央の
   小歯車はもう一つのモータの駆動により下方の一つのラ
   ックに於いて移動する、請求項１に記載の親子式取車台
   を有する駐車塔。
5. 【請求項５】 上層車受台の側面に設けたフックは、逆
   Ｕ形とし、子車台の動力伝達系統には、これに対応して
   互いに掛け合わせることができるＵ形フックを設ける、
   請求項１に記載の親子式取車台を有する駐車塔。
6. 【請求項６】 親車台の両側及び、その横の固定駐車部
   には、大型のローラ列を設け、上層車受台の横の移動に
   供する、請求項１に記載の親子式取車台を有する駐車
   塔。