JP3005790U - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】使用時に塗布体が容易に後退して弁機構が開
き、確実に塗布できる塗布具を提供する。 【構成】粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗布液タ
ンク１に接続されたチップ３の先端開口から塗布体４が
その一部が臨出した状態で保持されるとともに、塗布体
がスプリングで弾発されてチップの内向きの先端縁に接
触して弁機構を構成し、非使用時にはキャップ６が装着
される塗布具において、キャップ６を装着する過程で、
チップ３の先端に接触してチップ３の先端開口の周囲に
付着した塗布液を除去するクリーナ８をキャップ６内に
配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、修正液や化粧液、接着剤、ペイントなどの粘度の高い塗布液が充填 された塗布具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

塗布体が球状の塗布具は、粘度の高い造膜性の塗布液が充填された塗布液タン クの先端に先口を介してチップが取り付けられており、ボールペンと同様に、チ ップの先端からその一部が先端から臨出した状態で球状塗布体が回転自由に抱持 されている。そして、球状塗布体をスプリングで弾発し、不使用時に、球状塗布 体をチップの内向きの先端縁に密着させ、球状塗布体とチップの先端縁で弁構造 を構成して塗布液が吐出しないようにしている。使用時は、塗布面に押圧された 球状塗布体がスプリングの弾発力に抗して後退するので弁機構が開き、球状塗布 体のチップ内の部分に付着した塗布液が球状塗布体の回転に伴ってチップの外側 に出て塗布される。

【０００３】 また、塗布体が棒状の塗布具では、棒状塗布体の先端がチップの先端開口から 突出しているが、棒状塗布体の先端近傍に段部が形成されており、スプリングで 弾発された塗布体は、不使用時に、その段部がチップの内向きの先端縁に密着し て弁構造を構成し、塗布液が吐出しないようにしている。また、使用時は、棒状 塗布体が後退して弁機構が開き、塗布液が棒状塗布体に沿って外に出て塗布され る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

かかる塗布具において、塗布か終了した時点で塗布液がチップの先端開口付近 に付着するが、キャップを装着してチップを密封してもチップの先端開口付近に 付着した塗布液は固化する。従って、塗布液の固化物がチップ先端の弁機構を固 めてしまい、使用時に、塗布体を塗布面に押圧しても、塗布体が後退しにくくな る問題点がある。また、塗布体が後退しても、塗布液の固化物が塗布液の吐出を 阻止し、確実に塗布できない不具合がある。

【０００５】 そこで本考案は、使用時に塗布体が容易に後退して弁機構が開き、確実に塗布 できる塗布具を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、粘度の高い造膜性塗布液が充填され た塗布液タンクに接続されたチップの先端開口から塗布体がその一部が臨出した 状態で保持されるとともに、該塗布体がスプリングで弾発されてチップの内向き の先端縁に接触して弁機構を構成し、非使用時にはキャップが装着される塗布具 において、キャップを装着する過程で、チップの先端に接触してチップの先端開 口の周囲に付着した塗布液を除去するクリーナをキャップ内に配置する。

【０００７】

【作用】

すなわち、キャップを装着する過程で、チップの先端に接触してチップの先端 開口の周囲に付着した塗布液を除去するクリーナをキャップ内に配置したので、 チップの先端開口付近で塗布液が固化することがなく、使用時に塗布体が容易に 後退して弁機構が開き、確実に塗布できる。

【０００８】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基づいて本考案を具体的に説明する。図１は塗布体 が球状の塗布具を示すが、図１において、先端外周に環状突起 21 が形成された 先口２の先端開口にチップ３が嵌着されている。チップ３は、ステンレスにて砲 弾型に形成されており、チップ３先端のボールハウスに、直径が１．０mmφの超 硬ボールからなる球状塗布体４がその一部がチップ３の先端から臨出した状態で 回転自由に抱持されている。なお、チップ３は金属パイプからなるものであって もよい。また、塗布体は球状に限られるものではなく、棒状の塗布体であっても よい。

【０００９】 チップ３内には、バネ力が４０ｇの小さなスプリング５が配置されており、こ のスプリング５が球状塗布体４を弾発してチップ３の内向きの先端縁 31 に圧接 させ、球状塗布体４とチップ３の先端縁 31 で弁機構を構成している。そして、 先口２が塗布液タンク１に一体に接続されている。塗布液タンク１は、通常の硬 質合成樹脂で射出成形されたものであり、可撓性材によりブロー成形したものに 比べて製造コストが低くなっている。そして、塗布液タンク１および先口２内部 からチップ３にかけて、例えば粘度が３０〜４０ｃｐｓであって造膜性の高い修 正液である塗布液が充填されている。 なお、塗布体が棒状の場合は、塗布体の先端近傍に段部が形成され、この段部 がチップ３の内向きの先端縁 31 に圧接し、塗布体の段部とチップ３の先端縁 3 1 で弁機構を構成する。

【００１０】 キャップ６は、合成樹脂で成形されており、図２に示すように、内部に内筒７ が一体に形成されている。内筒７の先端縁の内周面が先口２の環状突起 21 に密 着すると、内筒７内は密封空間となる。そして、内筒７内にクリーナ８が配置さ れている。クリーナ８は、可撓性に富んだ材料で成形された有底筒状体であり、 底部に小さな円形の孔 81 が穿設されている。

【００１１】 しかして、塗布が終了してキャップ６を先口２に装着するとき、その過程で、 内筒７の先端縁 7a が先口２の環状突起 21 に密接し、内筒７内が密封空間にな る。この状態から更に、矢印の方向にキャップ６を押し込んで行くと、図３に示 すように、チップ３の先端が孔 81 に入り込み、クリーナ８を突き抜けた状態に なる。

【００１２】 このとき、チップ３の先端開口付近に付着した塗布液はクリーナ８によって機 械的に排除され、キャップ６を先口２に装着したときには、チップ３の先端開口 付近、つまり球状塗布体４とチップ３の先端の間には塗布液は付着していない。 従って、塗布液の固化物がチップ３先端の弁機構を固めてしまうことがなく、使 用時に、塗布体４を塗布面に押圧すると、塗布体４が容易に後退する。また、塗 布体４が後退した時、塗布液の固化物が塗布液の吐出を阻止することがなく、確 実に塗布できる。 なお、円形の孔 81 に代えて、横一文字や十文字、更にはジグザグ状態の切り 込みなどであってもよく、チップ３の先端が突き抜けることが可能であり、その 際に、切り込み部分がチップ３の先端に接触するものであればよい。

【００１３】 また、クリーナ８は、可撓性に富んだ材料で成形された有底筒状体であって底 部に孔などが形成されたものに限られるものではなく、例えば、図４（Ａ）に示 すように、ブラシ状のクリーナ８や、図４（Ｂ）に示すように、可撓性に富んだ 材料からなる一対のローラーからなるクリーナ８であってもよく、要は、チップ ３の先端がクリーナ８内を通り抜けるときに、チップ３の先端開口付近に付着し た塗布液を機械的に排除できるものであればよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の塗布具は、キャップを装着する過程で、チップ の先端に接触してチップの先端開口の周囲に付着した塗布液を除去するクリーナ をキャップ内に配置したので、チップの先端開口付近で塗布液が固化することが なく、使用時に塗布体が容易に後退して弁機構が開き、確実に塗布できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】塗布具の断面図である。

【図２】キャップの装着過程の説明図である。

【図３】キャップの装着完了の説明図である。

【図４】他の実施例の説明図である。

【符号の説明】

１ 塗布液タンク ２ 先口 ２１ 環状突起 ３ チップ ３１ チップの先端縁 ４ 球状塗布体 ５ スプリング ６ キャップ ７ 内筒 ８ クリーナ ８１ 孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗
   布液タンクに接続されたチップの先端開口から塗布体が
   その一部が臨出した状態で保持されるとともに、該塗布
   体がスプリングで弾発されてチップの内向きの先端縁に
   接触して弁機構を構成し、非使用時にはキャップが装着
   される塗布具において、 キャップを装着する過程で、チップの先端に接触してチ
   ップの先端開口の周囲に付着した塗布液を除去するクリ
   ーナがキャップ内に配置されたことを特徴とする塗布
   具。