JP3005555B1 - 引き出し付筐体の転倒防止装置 - Google Patents

引き出し付筐体の転倒防止装置

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JP3005555B1 JP33325298A JP33325298A JP3005555B1 JP 3005555 B1 JP3005555 B1 JP 3005555B1 JP 33325298 A JP33325298 A JP 33325298A JP 33325298 A JP33325298 A JP 33325298A JP 3005555 B1 JP3005555 B1 JP 3005555B1
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茂 渡邉
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甲府日本電気株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 簡単な構造で、且つ筐体が大型化することな
く、引き出し付筐体の転倒を防止する。 【解決手段】 筐体1内に前面に出没自在に収容された
転倒防止脚5と、筐体1に装着された引き出し2の前面
端部に対向配置され、引き出し2の前面への引き出しを
阻止する阻止位置と阻止位置から離間して引き出し2か
ら外れた解除位置との間を前面に沿って移動自在な引き
出し防止板6とを備える。転倒防止脚5の外面8に、転
倒防止脚5を引き出したときに前面側へ露出する凹部9
を設ける。引き出し防止板6に、転倒防止脚5の外面8
に係合したときに阻止位置に位置させ、転倒防止脚5の
凹部9に係合したときに解除位置に位置させる係合部1
5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引き出し付筐体の
転倒防止装置に関し、引き出しを引き出したときに筐体
が転倒することを防止する転倒防止装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器ユニット等を実装した引
き出し付筐体においては、保守等に際して引き出しを引
き出すと、重心が移動して筐体が転倒する場合があるた
め、転倒防止を目的として筐体の前面下部に、引き出し
方向に突出する転倒防止脚が設けられているものがあ
る。
【0003】しかしながら、この方式では、転倒防止脚
が突出しているので、オペレータが通常作業時に転倒防
止脚につまずき易いという問題があった。そこで、この
問題を解決するために、例えば、特開昭58−1667
96号に記載された転倒防止機構が提供されている。
【0004】この転倒防止機構は、前面にスライド可能
な転倒防止脚と、ユニット(引き出し)の引き出しを阻
止するロック機構とを備えたものであり、ユニットを引
き出さないときには転倒防止脚を筐体内に実装し、ユニ
ット引き出し時のみ転倒防止脚を前面側にスライドさせ
ることでロック機構が解除され、ユニットを引き出すこ
とができるというものである。
【0005】この方式によれば、通常、転倒防止脚は筐
体内に実装されているので、オペレータがつまずくこと
を防止でき、ユニット引き出し時には、必ず転倒防止脚
が前面側に引き出されているので、筐体が安定し、転倒
することを防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の引き出し付筐体の転倒防止装置には、以
下のような問題が存在する。上記のロック機構は、連結
バーや連結棒等を用いているため、構造が複雑になって
しまうことに加えて、このロック機構を引き出しの側方
に配置する必要があるため、筐体の幅が増して大型化し
てしまうという問題があった。
【0007】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、簡単な構造で、且つ筐体が大型化すること
なく、引き出し付筐体の転倒を防止できる転倒防止装置
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記
載の引き出し付筐体の転倒防止装置は、複数の引き出し
前面に引き出すことが可能な引き出し構造を有する筐
体において、引き出しの下方に設けられ、前記筐体内に
前記前面に出没自在に収容された転倒防止脚と、前記筐
体に装着された前記複数の引き出しの前記前面端部に対
向配置され、前記複数の引き出しの前記前面への引き出
しを阻止する阻止位置と、該阻止位置から離間して前記
複数の引き出しから外れた解除位置との間を前記前面に
沿って移動自在な引き出し防止板とを備え、前記転倒防
止脚の外面には、該転倒防止脚を引き出したときに前記
前面側へ露出する凹部が設けられ、前記引き出し防止板
には、前記転倒防止脚へ向けて前記前面に沿って延出
し、前記転倒防止脚の外面に係合したときに前記引き出
し防止板を前記阻止位置に位置させ、前記転倒防止脚の
凹部に係合したときに前記引き出し防止板を前記解除位
置に位置させる係合部が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0009】従って、本発明の引き出し付筐体の転倒防
止装置では、引き出しを引き出さないときは、引き出し
防止板の係合部が筐体の前面から筐体内に没入した転倒
防止脚の外面に係合するため、引き出し防止板は阻止位
置に位置し、引き出しの前面への引き出し動作を阻止す
ることができる。そして、引き出しを引き出すときに
は、転倒防止脚を前面に引き出すことにより、係合部が
凹部に係合し、引き出し防止板を解除位置に位置させる
ことができ、これにより、転倒防止脚を引き出したとき
のみ、引き出しを複数引き出すことができる。また、こ
れら引き出し防止板および係合部が引き出しの前面に配
置されているので、筐体の幅を大きくする必要がない。
【0010】請求項2記載の引き出し付筐体の転倒防止
装置は、請求項1記載の引き出し付筐体の転倒防止装置
において、前記引き出し防止板を前記解除位置から前記
阻止位置へ向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付
勢力よりも大きな吸着力を有し、前記引き出し防止板を
吸着して前記解除位置に止まらせる吸着部材とを備えて
なることを特徴とするものである。
【0011】従って、本発明の引き出し付筐体の転倒防
止装置では、引き出し防止板を付勢部材の付勢力に抗し
て解除位置に移動させたときに、吸着部材によってこの
引き出し防止板を吸着して解除位置に止まらせることが
できる。また、吸着部材の吸着を解除させると、付勢部
材の付勢力により引き出し防止板を阻止位置へ向けて移
動させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の引き出し付筐体の
転倒防止装置の実施の形態を、図1ないし図5を参照し
て説明する。図1において、符号1は、略直方体形状を
なし、引き出し構造を有する筐体である。筐体1には、
前面側に引き出し可能とされ、電子機器等を収納するユ
ニット(引き出し)2が上下方向に複数(図では三段)
装着されており、これらのユニット2の下方には、空間
3が形成されている。
【0013】また、この筐体1には、転倒防止装置4が
備えられている。転倒防止装置4は、筐体1の転倒を防
止するものであって、転倒防止脚5と引き出し防止板6
とを主体として構成されている。転倒防止脚5は、レー
ル(図示せず)にガイドされて前面側に出没自在な断面
矩形の長尺形状をなし、空間3の略中央に収容されてい
る。この転倒防止脚5は、ユニット2を引き出したとき
に筐体1が転倒しないだけの強度を有する金属材料等で
形成される。
【0014】また、転倒防止脚5の前面側端部下方に
は、床等に接地される接地部7が螺着しており、接地部
7を回転させることで転倒防止脚5に対して離間、接近
し、転倒防止脚5の床等に対する高さを微調整可能な構
成になっている。転倒防止脚5の側面(外面)8の奥側
には、転倒防止脚5を引き出したときに前面側に露出す
るように孔部(凹部)9が設けられている。この孔部9
は、引き出し防止板6と反対側の側面8に設けられてい
る。
【0015】引き出し防止板6は、略L字形状を有して
おり、その一片10は複数のユニット2に対して前面端
部に対向するように鉛直方向に配置され、他片11は、
空間3に臨むようにユニット2の前面に沿って水平方向
に配置されている。また、引き出し防止板6は、レール
(図示せず)にガイドされて、一片10が複数のユニッ
ト2の前面への引き出しを阻止する阻止位置と、該阻止
位置から離間して複数のユニット2に対して外側へ外れ
た解除位置との間をユニット2の前面に沿って水平方向
に移動自在になっている。この引き出し防止板6の材料
としては、ユニット2の引き出しを防止する強度を有
し、且つ引き出しを防止している状態を目視確認できる
金属、プラスチック等が好ましい。
【0016】また、引き出し防止板6の他片11には、
転倒防止脚5へ向けて、ユニット2の前面に沿って水平
方向に延出する係合部15が設けられている。係合部1
5は、転倒防止脚5の上方を越え、先端が一片10へ向
くように屈曲する略J字状に形成されている。この先端
は、転倒防止脚5の側面8に当接、係合したときに、引
き出し防止板6を阻止位置に位置させ、転倒防止脚5の
孔部9に挿入、係合したときに、引き出し防止板6を解
除位置に位置させるように設定されている。なお、これ
ら係合部15および他片11は、ユニット2の引き出し
を阻害しない位置に配置されている。
【0017】一方、図2および図3に示すように、筐体
1の側板12には、引き出し防止板6の一片10の側面
に対向させて磁石等の吸着部材13aとバネ等の付勢部
材14が配設されている。そして、引き出し防止板6の
一片10には、吸着部材13aと対をなして互いに吸着
する吸着部材13bが吸着部材13aに対向配置されて
いる。
【0018】付勢部材14は、引き出し防止板6が阻止
位置にあるときの一片10と筐体1の側板12との離間
距離よりも大きい自由長を有している。吸着部材13
a、13bは、引き出し防止板6が解除位置にあるとき
に、付勢部材14の付勢力よりも大きい吸着力で吸着し
合って、引き出し防止板6を解除位置に止まらせる構成
になっている。
【0019】上記の構成の引き出し付筐体の使用方法に
ついて説明する。図1に示すように、引き出し防止板6
が阻止位置ある場合にユニット2を前面に引き出すに
は、まず、図4に示すように、孔部9が係合部15の先
端に対向するまで転倒防止脚5を前面に引き出す。
【0020】次に、付勢部材14の付勢力に抗して、図
5中矢印で示す方向に引き出し防止板6を移動させる。
このとき、係合部15の先端が孔部9に挿入、係合する
ことにより、引き出し防止板6は円滑に解除位置に移動
するとともに、吸着部材13a、13bが互いに吸着す
ることによりこの解除位置に止まる。これにより、ユニ
ット2の前面に障害がなくなり、複数のユニット2を前
面に引き出すことができる。ここで、転倒防止脚5と床
との間でぐらつきがある場合は、接地部7を回転してこ
れらの間の距離を調整することもできる。
【0021】続いて、ユニット2を筐体1に収納した後
に、引き出し防止板6を押圧して阻止位置に移動させ
る。これにより、係合部15の先端が孔部9から外れて
係合が解除される。このとき、引き出し板6は、付勢部
材14に付勢されるので、小さい力で簡単に移動する。
そして、転倒防止脚5を押し込んで筐体1内に収容す
る。
【0022】本実施の形態の引き出し付筐体の転倒防止
装置では、係合部15を有する引き出し防止板6と転倒
防止脚5とを備えるという簡単な構造で筐体1の転倒防
止およびオペレータのつまずき防止を実現することがで
きる。加えて、これら引き出し防止板6および転倒防止
脚5をユニット2の下方および前面に配置し、前面側で
の操作だけで筐体1の転倒防止が可能になるので、筐体
1の幅を大きくする必要がなく、大型化してしまうこと
も防止できる。
【0023】また、本実施の形態の引き出し付筐体の転
倒防止装置では、付勢部材14が引き出し防止板6を解
除位置から阻止位置へと付勢しているので、引き出し防
止板6を阻止位置へ移動させるときの作業が楽になるこ
とに加えて、引き出し防止板6を解除位置に移動させた
際には、吸着部材13a、13bがこの引き出し防止板
6を解除位置に止まらせるので、ユニット2の引き出し
作業を簡単、且つ安全に行うことができる。
【0024】なお、上記実施の形態において、凹部を孔
とする構成としたが、これに限られることなく、単純な
凹みを有する構造であってもよい。また、付勢部材14
および吸着部材13a、13bを配設することで、ユニ
ット2の引き出し作業を一層簡単、且つ安全に行うこと
ができるようにしたものであり、必ずしも設ける必要は
ない。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る引
き出し付筐体の転倒防止装置は、転倒防止板が筐体内に
出没自在に収容され、引き出し防止板が前面への引き出
しの阻止位置と解除位置との間を引き出し前面に沿って
移動自在とされ、この引き出し防止板に設けられた係合
部が、転倒防止板の外面に係合したときに引き出し防止
板を阻止位置に位置させ、転倒防止板の凹部に係合した
ときに引き出し防止板を解除位置に位置させる構成とな
っている。これにより、この引き出し付筐体の転倒防止
装置では、簡単な構造で筐体の転倒防止およびオペレー
タのつまずき防止を実現することができる。加えて、こ
れら引き出し防止板および転倒防止脚の前面側での操作
だけで筐体の転倒防止が可能になるので、筐体の幅を大
きくする必要がなく、大型化してしまうことも防止でき
るという効果が得られる。
【0026】請求項2に係る引き出し付筐体の転倒防止
装置は、付勢部材が引き出し防止板を解除位置から阻止
位置へ向けて付勢し、吸着部材が引き出し防止板を吸着
して解除位置に止まらせる構成となっている。これによ
り、この引き出し付筐体の転倒防止装置では、引き出し
防止板を阻止位置へ移動させるときの作業が楽になると
ともに、引き出し防止板を解除位置に移動させた際に
は、引き出しの引き出し作業を簡単、且つ安全に行うこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、引き
出し防止板、転倒防止脚を備える筐体の外観斜視図であ
る。
【図2】 本発明の実施の形態を示す図であって、筐体
の側板に付勢部材、吸着部材が配設された正面図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態を示す図であって、引き
出し防止板が吸着部材により解除位置に止まる正面図で
ある。
【図4】 本発明の実施の形態を示す図であって、筐体
から転倒防止板を前面側に引き出した外観斜視図であ
る。
【図5】 本発明の実施の形態を示す図であって、引き
出し防止板を解除位置い位置させた状態でユニットを引
き出した外観斜視図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 ユニット(引き出し) 4 転倒防止装置 5 転倒防止脚 6 引き出し防止板 8 側面(外面) 9 孔部(凹部) 13a、13b 吸着部材 14 付勢部材 15 係合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の引き出しを前面に引き出すことが
    可能な引き出し構造を有する筐体において、 引き出しの下方に設けられ、前記筐体内に前記前面に出
    没自在に収容された転倒防止脚と、 前記筐体に装着された前記複数の引き出しの前記前面端
    部に対向配置され、前記複数の引き出しの前記前面への
    引き出しを阻止する阻止位置と、該阻止位置から離間し
    て前記複数の引き出しから外れた解除位置との間を前記
    前面に沿って移動自在な引き出し防止板とを備え、 前記転倒防止脚の外面には、該転倒防止脚を引き出した
    ときに前記前面側へ露出する凹部が設けられ、 前記引き出し防止板には、前記転倒防止脚へ向けて前記
    前面に沿って延出し、前記転倒防止脚の外面に係合した
    ときに前記引き出し防止板を前記阻止位置に位置させ、
    前記転倒防止脚の凹部に係合したときに前記引き出し防
    止板を前記解除位置に位置させる係合部が設けられてい
    ることを特徴とする引き出し付筐体の転倒防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の引き出し付筐体の転倒防
    止装置において、 前記引き出し防止板を前記解除位置から前記阻止位置へ
    向けて付勢する付勢部材と、 該付勢部材の付勢力よりも大きな吸着力を有し、前記引
    き出し防止板を吸着して前記解除位置に止まらせる吸着
    部材とを備えてなることを特徴とする引き出し付筐体の
    転倒防止装置。
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