JP3004815U - 流し台キャビネットにおける置棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、流し台キャビネット内に設置される
置棚において、左右両側に設けられる支脚の上面間にパ
イプ又は棒状の棚材を横渡するようにした従来の一段式
構造のこの種置棚に見られた種々の課題を解消すること
を目的としてものである。 【構成】左右の両側支脚間の前および後方に、丸又は角
パイプからなる横枠を係着固定し、該前後の横枠間に別
途両端に鉤部を備えた適宜な棚材を架設したことを特徴
とする流し台キャビネットにおける置棚。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一般家庭等における流し台のキャビネット内の空間を有効に利用 するための置棚に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来からキャビネット内部に設置可能とした組立式の置棚は、種々の構造のも のが考案され、広く利用されているが、それらは全て図５に例示したように左右 に支脚（イ）・（イ）を対置し、両支脚の上枠（ロ）・（ロ）間にパイプからな る多数の棚材（ハ）を横渡しに架設する構造であった。

【０００３】 又、上記各棚材（ハ）を互いに嵌合可能な異径パイプによって伸縮自在に構成 したものも広く知られている。

【０００４】 他方、一般に流し台キャビネット（ニ）の内部には、シンクから排水ホース（ ホ）に通ずる排水トラップ（ヘ）が縦走し、特に残滓カゴ（図示せず）を内蔵し たトラップは、その外形が大きくなるため、該トラップ位置を避けて棚材（ハ） を設けることが常識化されていたのである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の棚構造は、上述したように左右両側に支脚を設置し、該支脚の上面にパ イプ又は棒状の適宜な棚材を架設（横渡し）するものであったから、一般家庭用 の流し台のようにキャビネット内に垂設される排水トラップは、その殆どが残滓 カゴを内蔵した構造である関係上、該トラップ部分の外形が太く（外径約１５ｃ ｍ）、しかも長い（長さ約３０ｃｍ）ものとなり、上記両側の支脚間に横渡しさ れる棚材は、上記トラップ部分を回避して下方の細い排水ホース部分を通過する ようにし、棚材間の空隙（Ｌ）の増大によるデッドスペースの削減を図るもので あった。

【０００６】 このような理由から、従来構造のこの種の置棚における取り付け段数は、一段 棚が基本となり、いきおいキャビネット内におけるシンク下の空間利用が、なお 不十分であったという課題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このような実情に鑑んで本考案者は、いづれにしてもシンク下の太い排水トラ ップの後方（奥側）は実質的に物品を載置できない点を配慮し、左右の両側支脚 間の前および後方に、丸又は角パイプからなる横枠を係着固定し、該前後の横枠 間に別途パイプその他適当な棚材を架設（縦渡し）するという手段を用いて、叙 述した従来の課題を解消したものである。

【０００８】 又、各棚材は前後の端部に連成される鉤部を除く両側縁を弯入させて中間部の 棚巾を細く構成するという手段も用いた。

【０００９】 更に上記前後の横枠（パイプ）を互いに嵌合可能な異径パイプによって伸縮可 能にすることで、棚長を随時変更し得るような手段も講じたものである。

【００１０】

【作用】

本考案は上記の構成としたことによって、太い排水トラップ部分に棚材を設架 した場合でも、その実質的デッドスペースが該トラップの前方のみに縮減できる という作用を有するのである。

【００１１】 又、本案の棚材は左右の両側支脚間隔よりも短い距離の前後の横枠間に縦渡し （奥行方向）に架設される関係上、高い棚板強度が得られるという作用が得られ るものである。

【００１２】 更に、棚材を平板等によって構成し、その中間部分の巾を前後の鉤部よりも狭 くしたものは、トラップ前方のデッドスペースをより縮小できるという作用も得 られる。

【００１３】 更に又、前後二本の横枠のみをスライド可能な二部材構成とすることによって 、棚長を簡単に変更できるという作用も得られる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の置棚の構成を図面に示す一つの実施例に従って更に詳述すると 、図１において１は少なくとも前後の直立脚材１ａの側面に多数の透孔１ｂを貫 設してなる四角形状の支脚、２は左右２枚の支脚１、１間の前方および後方にお いて、その両端ネジ部２ａが上記支脚の透孔１ｂを貫通する中空状パイプからな る横枠、３は上記横枠２の両端ネジ部２ａに螺装される止ナット、又４は一定の 巾を有し、上記前後の横枠２、２間に奥行方向に架設される棚材であって、更に 詳しくは図３に示すように両端に上記横枠２と緊密乃至は弾性的に係着し得る鈎 部４ａを曲成するとともに必要に応じて、上記鈎部４ａを除く両側縁に弯入部４ ｂを設けて棚材の中央部を巾狭に構成すると同時に、中央部には適宜な長孔４ｃ を貫設し、それぞれの縁部を下方に屈成して補助リブ４ｄを形成してなるもので ある。

【００１５】 更に図４は上記支脚の他の実施例を示すもので、１１は下面の両端部に近く凹 孔１１ａを設けた上部枠、１２は上記各凹孔１１ａと密に嵌合する丸または角形 の脚柱パイプ１２ａからなる支脚、１３は左右一対の支脚１２間の前後の脚柱パ イプ１２ａに摺動可能に取り付けられるジョイナーであって、該ジョイナーには 横枠２’の端部が嵌入する支持孔１３ａと、上記脚柱パイプ１２ａに嵌合する貫 孔部１３ｂを一体に形成したものであり、各貫孔部１３ｂの背面の透孔１３ｃを 介して各横枠２’を脚柱パイプの任意な高さにビス１３ｄにて固定可能としたも のである。尚、上記ジョイナー１３に嵌着支持される前後の横枠２’・２’間に 棚材４を架設（縦渡し）することは、先の実施例におけるものと全く同様である 。

【００１６】 又、上記各実施例における前後の横枠２・２又は２’・２’は、丸パイプ、角 パイプの別を問わず、互いに嵌合してスライド可能な異径パイプ２ｂ、２ｃによ って構成することにより（図４参照）、伸縮可能な置棚とすることができるが、 この場合において、前後の伸縮横枠２又は２’を構成する左右の大径パイプ２ｃ と小径パイプ２ｂとが、前後の横枠で左右反対に位置するようにすれば、横枠の 強度バランスがとれるだけでなく、仮に上記棚材４の鈎部４ａが非伸縮の横枠用 として前後同形の鉤部に成形されている場合であっても、前後いづれか一方の鉤 部４が大径パイプ２ｃに緊密に係着されて、棚材の移動や脱落等を確実に防止で きるのである。

【００１７】

【考案の効果】

以上詳述したように本案の置棚にあっては、特に流し台キャビネットの排水ト ラップを跨いで設置した場合でも棚のデッドスペースを最小限に止め得るという 格別顕著な効果が得られる上、その棚材は距離の短い奥行方向、即ち縦渡しする 構造としたことによって、置き棚の組立てが容易に行える上、高い棚板強度が得 られるから、重量物の載置も可能であるなど、従来のこの種キャビネット内の置 棚には期待することのできなかった多くの実用的利益が得られるものである。

【００１８】 更に随時棚長の変更を可能にする伸縮性横枠にあっては、従来の横渡し式棚材 のように、全ての棚材を嵌合構造にする必要はなく、前後の横枠２本のみを嵌合 構造にすれば良いのであるから、構造的にも亦、生産原価の上でも極めて有利で ある。

【００１９】 この他、本考案の置棚構造によれば、キャビネット内の高さを有効に利用でき ることになるから、棚段数は従来のように一段に限られず、一対の支脚に対して 複数段の棚材を取り付けることが可能となり、内部スペースの有効利用が図れる 等、従来品には期待できなかった多くの実用的効果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案置棚の全体を示す斜視図。

【図２】置棚の一部を切欠して示す平面図。

【図３】本案棚材における鉤部の構成の一例を示した部
分側面図。

【図４】本案支脚の他の実施例を示す部分斜視図。

【図５】従来のこの種置棚を例示する斜視図。

【符号の説明】

１・１２ 支脚 ２・２’ 横枠 ３ 止ナット ４ 棚材 ４ａ 鉤部 ４ｂ 弯入部 ４ｃ 長孔 ４ｄ 補助リブ １１ 上部枠 １３ ジョイナー １３ａ 支持孔 １３ｂ 貫孔部 １３ｃ 透孔 １３ｄ ビス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右の両側支脚間の前および後方に、丸又
   は角パイプからなる横枠を係着固定し、該前後の横枠間
   に別途両端に鉤部を備えた適宜な棚材を架設したことを
   特徴とする流し台キャビネットにおける置棚。
2. 【請求項２】各棚材は前後の鉤部を除く中間部分の棚巾
   を狭く形成した請求項１記載の流し台キャビネットにお
   ける置棚。