JP3004372B2 - El発光素子 - Google Patents

El発光素子

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JP3004372B2 JP3036744A JP3674491A JP3004372B2 JP 3004372 B2 JP3004372 B2 JP 3004372B2 JP 3036744 A JP3036744 A JP 3036744A JP 3674491 A JP3674491 A JP 3674491A JP 3004372 B2 JP3004372 B2 JP 3004372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界の印加によって発
光するEL発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物におけるELは、強い蛍光を
有するアントラセン等の単結晶において、キャリア注入
によるEL発光現象の発見から研究が始まり、薄膜型素
子への展開がなされてきた。そして最近では、ホール輸
送層及び電子輸送層を発光層と電極との間に挿入した積
層型有機薄膜EL素子により、10000cd/m2
上の高輝度発光及び駆動電圧10V以下での作動が報告
されている。ところで、有機化合物におけるEL発光素
子では、特にカラー化を図る場合の発光色の色純度を向
上させるために、各発光色毎に個別にカラーフィルタを
設けた構成とされている。
【0003】図8は、このようなEL発光素子の一例を
示すもので、その1画素分を拡大したものである。同図
に示すように、ガラス基板1の上面には、それぞれR,
G,Bの色を発するカラーフィルタ2,3,4が印刷処
理等によって形成されている。各カラーフィルタ2,
3,4を含むガラス基板1の上面には、透明電極5が形
成されている。透明電極5の上面には、各カラーフィル
タ2,3,4にそれぞれ対応させてR,G,Bのそれぞ
れの色を発する発光層6,7,8が形成されている。各
発光層6,7,8の上面には、金属電極9,10,11
が形成されている。そして、透明電極5及び金属電極
9,10,11によって電界が印加されると、各発光層
6,7,8はそれぞれR,G,Bの色を発する。各発光
層6,7,8から発っせられた光は、透明電極5及びそ
れぞれのカラーフィルタ2,3,4を介してガラス基板
1を通過する。このとき、1画素分の階調度等は、それ
ぞれの発光層6,7,8への電界を変えることによって
コントロールされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のEL発光素子では、カラーフィルタ2,3,4
がそれぞれ各発光層6,7,8に対応させ印刷等により
形成されいるため、その処理により製造工程が増え、E
L発光素子のコストアップを招いてしまう。また、図8
に示したように、カラーフィルタ2,3,4はその断面
が矩形状であり、更には透明電極5の厚さが極めて薄い
ため、各カラーフィルタ2,3,4の縁部付近にある透
明電極5の部分5aに断線等を生じてしまうおそれがあ
る。このように透明電極5に断線等が生じた場合には、
画素の正常な発光動作が行われず、信頼性に欠けてしま
うおそれがある。
【0005】本発明は、このような事情に対処して成さ
れたもので、低コスト化及び信頼性の向上を図ることが
できるEL発光素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のEL発光素子
は、上記目的を達成するために、ガラス基板上に多層薄
膜のR,G,Bの波長領域のみで透過率が大きくなる薄
膜状のカラーフィルタが多層に形成され、このカラーフ
ィルタ上に透明電極が形成されるとともに、この透明電
極上にこの透明電極及び金属電極による電界によってそ
れぞれR,G,Bの色を発する発光素子が形成されてな
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明のEL発光素子では、ガラス基板上に多
層薄膜のR,G,Bの波長領域のみで透過率が大きくな
る薄膜状のカラーフィルタを多層に形成し、このカラー
フィルタ上に透明電極を形成するとともに、この透明電
極上にこの透明電極及び金属電極による電界によってそ
れぞれR,G,Bの色を発する発光素子を形成したの
で、従来のように各発光素子に対応させてそれぞれのカ
ラーフィルタを形成する必要がなくなり、カラーフィル
タの形成が非常に簡素化される。また、本実施例では、
ガラス基板上に多層薄膜のR,G,Bの波長領域のみで
透過率が大きくなる薄膜状のカラーフィルタを多層に形
成したので、従来のEL発光素子のように断面が矩形状
のカラーフィルタによる透明電極の断線等を生じるおそ
れもなく、画素の正常な発光動作が行われる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例の詳細を図面に基づい
て説明する。図1は、本発明のEL発光素子の一実施例
に係る1画素を拡大して示すものである。同図に示すよ
うに、EL発光素子の基板15の上面には、各R,G,
Bに対応する薄膜状のカラーフィルタ16が形成されて
いる。ここで、カラーフィルタ16は、図2に示すよう
に、薄膜多層フィルタ、たとえば屈折率が1.45のS
iO2 と屈折率が2.3のZnSを繰り返し積層したも
のであり、図6はその一例を示し、図4に示すような波
長透過率特性を有するものである。
【0009】カラーフィルタ16の上面には、透明電極
17が形成されている。透明電極17の上面には、それ
ぞれR,G,Bの色を発する発光層18,19,20が
形成されている。各発光層18,19,20の上面に
は、金属電極21,22,23が形成されている。ここ
で、各発光層18,19,20の化学式は、たとえば図
3に示す通りである。またここで、各発光層18,1
9,20は、有機EL層からなり、これはホール輸送層
/発光層の2層構造、電子輸送層/発光層の2層構造又
はホール輸送層/発光層/電子輸送層の3層構造からな
っている。このような構成のEL発光素子は、次のよう
な動作を行う。まず、透明電極17及び各金属電極2
1,22,23によって電界が印加されると、各発光層
18,19,20はそれぞれR,G,Bの色を発光す
る。各発光層18,19,20から発っせられた光は、
透明電極17、カラーフィルタ16及び基板15を通過
する。
【0010】このとき、各発光層18,19,20から
発っせられたR,G,Bの光は、たとえば図5に示す波
長とされている。つまり、同図から解る通り、R,G,
Bはそれぞれ630nm,520nm,460nm近傍
の波長領域にある。また、図4は、多層形成された薄膜
のカラーフィルタ16の透過率を示すもので、上記の各
波長領域付近にて高い値を示している。更に、図7は、
カラーフィルタ16を通過した各R,G,Bの発光スペ
クトルを示すもので、それぞれのR,G,Bの光強度の
低い部分の波長の幅が狭められている。これにより、各
発光層18,19,20から発っせられた光は、各R,
G,Bの色純度が高められた状態でカラーフィルタ16
及び基板15を通過していることが解る。
【0011】このように、本実施例では、ガラス基板上
に多層薄膜のR,G,Bの波長領域のみで透過率が大き
くなる薄膜状のカラーフィルタを多層に形成し、このカ
ラーフィルタ上に透明電極を形成するとともに、この透
明電極上にこの透明電極及び金属電極による電界によっ
てそれぞれR,G,Bの色を発する発光素子を形成した
ので、従来のように各発光素子に対応させてそれぞれの
カラーフィルタを形成する必要がなくなり、カラーフィ
ルタの形成が非常に簡素化されるため、EL発光素子の
コストアップを招くこともない。また、本実施例では、
ガラス基板上に多層薄膜のR,G,Bの波長領域のみで
透過率が大きくなる薄膜状のカラーフィルタを多層に形
成したので、従来のEL発光素子のように断面が矩形状
のカラーフィルタによる透明電極の断線等を生じるおそ
れもなく、画素の正常な発光動作が行われるため、信頼
性が向上する。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のEL発光
素子によれば、ガラス基板上にR,G,Bの波長領域の
みで透過率が大きくなる薄膜状のカラーフィルタを多層
に形成し、このカラーフィルタ上に透明電極を形成する
とともに、この透明電極上にこの透明電極及び金属電極
による電界によってそれぞれR,G,Bの色を発する発
光素子を形成したので、従来のように各発光素子に対応
させてそれぞれのカラーフィルタを形成する必要がなく
なり、カラーフィルタの形成が非常に簡素化されるた
め、EL発光素子の低コスト化を図ることができる。ま
た、ガラス基板上に多層薄膜のR,G,Bの波長領域の
みで透過率が大きくなる薄膜状のカラーフィルタを多層
に形成したので、従来のEL発光素子のように断面が矩
形状のカラーフィルタによる透明電極の断線等が生じる
おそれもなく、画素の正常な発光動作が行われるため、
信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL発光素子の一実施例に係る1画素
を拡大して示す断面図である。
【図2】図1のEL発光素子のガラス基板の上面に設け
られたR,G,Bの波長領域のみで透過率が大きくなる
薄膜状のカラーフィルタを拡大して示す図である。
【図3】図1の発光層の化学式を示す図である。
【図4】図1の多層形成された薄膜のカラーフィルタの
透過率を示す図である。
【図5】図1の各発光層におけるR,G,Bの発光スペ
クトルを示す図である。
【図6】図4の多層形成された薄膜のカラーフィルタの
透過率における層数、屈折率、厚さの関係を示す図であ
る。
【図7】図1のカラーフィルタを通過した各R,G,B
の発光スペクトルを示す図である。
【図8】従来のEL発光素子の一例に係る1画素分を拡
大して示す図である。
【符号の説明】
15 ガラス基板 16 カラーフィルタ 17 透明電極 18,19,20 発光層 21,22,23 金属電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−309291(JP,A) 特開 昭63−146019(JP,A) 特開 昭63−168625(JP,A) 特開 平1−285901(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/22 G02B 5/28 G09F 9/00 321 H05B 33/12 H05B 33/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に多層薄膜のR,G,Bの
    波長領域のみで透過率が大きくなる薄膜状のカラーフィ
    ルタが多層に形成され、このカラーフィルタ上に透明電
    極が形成されるとともに、この透明電極上にこの透明電
    極及び金属電極による電界によってそれぞれR,G,B
    の色を発する発光素子が形成されてなることを特徴とす
    るEL発光素子。
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