JP3003984U

JP3003984U - 歩行補助器

Info

Publication number: JP3003984U
Application number: JP1994006224U
Authority: JP
Inventors: 良夫平岡
Original assignee: 株式会社星光医療器製作所
Priority date: 1994-05-09
Filing date: 1994-05-09
Publication date: 1994-11-01
Anticipated expiration: 2000-05-09

Abstract

(57)【要約】【目的】ベッドによく接近し、ベッドからの乗り移り
が容易な歩行補助器を提供する。【構成】Ｕ字形の肘掛け１の左右に１本づつ上部足３
が付いている。上部足３は、下部足４に抜き差し自在に
嵌合している。上部足３と下部足４は楕円パイプ製であ
る。前後端にキャスターが付いた足下端部材６の中央付
近に、下部足４が結合している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、老人や病人など、足、腰の衰えた人が、歩行時に使用する歩行補助器の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

歩行補助器は従来から広く用いられている。この従来のものの一般的な構造は、上部にＵ字形になった肘掛けを有し、足は４本足形式で、その足端にそれぞれキャスターが付いた形式である。また、不使用時の保管に便利なように、折り畳み式になったものも提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の歩行補助器は、いずれも４本足構造で、左右両側の前部と後部とにそれぞれ足があり、この足の下端にキャスターが付いている。４本足にした理由は、歩行時の安定性を高め、転倒事故を防止する為である。しかし、他方、この４本足の歩行器には別に欠点がある。即ち、歩行器を老人などが寝ているベッドに接近させる際に、歩行器の後足がベッド縁に当接する位置までしか接近させられない。ところが、この状態では、ベッドと歩行器の肘掛けとの間に距離があって、特に足腰の衰えた人では、ベッド上から歩行器に簡単に乗り移ることができず、乗り移り時には介護者が必要で、機能上、充分とはいえない。

【０００４】本考案はこのような点に鑑み、ベッドへの接近性を向上させ、ベッドと歩行器との間の乗り移りが容易な歩行補助器を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の歩行補助器の技術的手段は、Ｕ字形の肘掛けと、伸縮自在な足と、前後にキャスターの付いた足下端部材とからなり、左右それぞれ１本の足で、上部の肘掛けと、下部の足下端部材とが連結されていることにある。

【０００６】また、足を、抜き差し自在な上部足と下部足とで構成し、かつ、この上下の足を、断面楕円形のパイプ製とし、更に、固定保持用の止め具を付けるようにしてもよい。

【０００７】更に、肘掛けを前部中央で折り曲げ自在とし、左右の足及び足下端部材をクロスロッドで連結して、歩行器を折り畳み自在形式にすることもできる。

【０００８】

【作用】

本考案の歩行補助器は、上部の肘掛けと、前後にキャスターの付いた足下端部材とを、左右それぞれ１本の足で連結した構成である。また、足の固着位置は、歩行器の重心の安定を図る為には必然的に足下端部材の中央付近か、中央よりやや前よりの位置になる。この為、足下端部材の後方部は、足から後方に突き出た状態になっている。従って、歩行補助器をベッドに近ずける際には、足下端部材の後方部を、ベッドの下部空間に押し込むことができ、これにより、肘掛けの後方部が、ベッドの縁から更に内側の、ベッド上に突き出た位置にまで近ずく。この結果、使用者はベッドの縁に腰をかけた状態から単に立ち上がるだけで歩行補助器に乗り移ることができ、従来のもののように、ベッドから立ち上がった後に、歩行器まで１、２歩、踏み出す必要がない。この為、足、腰が非常に衰えた重度の不自由者でも、乗り移りが容易で、かつ、安全に行うことができる。特に、低床型の介護ベッドからの乗り移りには都合がよい。

【０００９】また、足を、断面楕円パイプ製にしたものでは、足のねじれがなくて、安定がよく、安心して使用できる。その上、肘掛けの上下位置調節が簡単で、使用者の体格に合わせて使用できる。

【００１０】更に、肘掛けを前部中央で折り曲げ自在とし、左右の足をクロスロッドで連結したものは、折り畳みが可能で、保管に場所をとらず、ベッドサイドなどに置いておくことができて、便利である。

【００１１】

【実施例】

本考案の歩行補助器の実施例を図面について説明する。１は肘掛けで、Ｕ字形であり、中央で折り曲げ自在である。２は折り曲げ機構で、肘掛けを展開状態で固定保持できる。この肘掛け１には、左右の分体にそれぞれ１本づつ上部足３が付いている。

【００１２】４は歩行器の左右に１本づつ設けられた下部足で、この下部足４には前記上部足３が抜き差し自在に嵌入結合している。５は止めネジで、上下の足３、４を希望の抜き出し状態で固定保持できる。なお、上下の足３、４には、安定性と強度とを向上させる為に、断面が楕円形の金属パイプが用いられている。楕円形の場合には、円形に比べて、ねじれなどを起こしにくく、安定がよい。

【００１３】６は足下端部材で、歩行器の両側面下部に水平に設けられていて、これに下部足４の下端が固着されている。なお、下部足４の固着位置は、足下端部材６の中央からやや前方よりの位置にするのが、重心の安定上、好ましい。この足下端部材６には前後両端部にキャスター７が取付けられている。

【００１４】下部足４が足下端部材６の中央付近に立設されているため、足下端部材６の後方部は足から後方に突出した状態にある。従って、歩行器をベッドに接近させる際には、この足下端部材６の後方部を、ベッドの下部空間に押し込むことができる。

【００１５】８はクロスロッドで、歩行器の前面に配され、その下端は両側の足下端部材６の前端部に回動自在に連結され、また、上端は、両側の下部足４の壁面に沿って自由に上下移動できるようになっている。９はこの為のガイドである。このように実施例のものでは、肘掛け１が前部中央で折り曲げ自在であり、左右の足はクロスロッド８で連結されているので、図２のように折り畳むことができる。従って、保管に場所をとらず、便利である。

【００１６】本考案の歩行補助器は、前記の実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。特に、足の形状や構造は自由である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の歩行補助器は、足が左右に各１本あるだけで、足下端部材の後方部は、足から後方に突き出した状態になっているから、歩行補助器をベッドに近ずける時には、この足下端部材の後方部を、ベッドの下部空間に押し込むことができ、歩行補助器とベッドとの間の距離をなくすことができるので、ベッドから歩行補助器への乗り移りが容易で、重度の不自由者でも１人で、かつ安全に行うことができる。

【００１８】請求項２のものでは、足が楕円パイプ製であるので、ねじれなどを起こさず、安定で、かつ、強度に富み、重度の不自由者でも安心して使用できる。また、肘掛けが上下位置調節自在であるので、使用者の体格に合わせて使用できる。

【００１９】請求項３のものでは、折り畳み自在であるから、保管に場所をとらず、ベッドサイドに置いておくことも可能で、利便性に富む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の歩行補助器の実施例の斜視図。

【図２】折り畳み状態の斜視図。

【図３】側面図。

【図４】正面図。

【符号の説明】

１肘掛け３上部足４下部足５止めネジ６足下端部材７キャスター８クロスロッド

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】Ｕ字形の肘掛けと、伸縮自在な足と、前
後にキャスターの付いた足下端部材とからなり、左右そ
れぞれ１本の足で、上部の肘掛けと、下部の足下端部材
とが連結されている歩行補助器。
【請求項２】足が、抜き差し自在な上部足と下部足と
からなり、上部足と下部足は共に断面楕円形のパイプ製
であり、足には希望位置で固定保持する為の止め具が付
いている請求項１記載の歩行補助器。
【請求項３】肘掛けが前部中央で折り曲げ自在であ
り、左右の足及び足下端部材がクロスロッドで連結され
ていて、折り畳み自在形式になっている請求項１記載の
歩行補助器。