JP3003769U - 線香束の点火具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 墓参時に墓前で線香束に火をつける事は極め
て難しく、従来は墓の付近で新聞紙を燃やしたり、ロウ
ソクを立てて火種としていたが、汚れや危険である。本
考案は線香束に取付けて簡単に着火する点火具を提供す
る。 【構成】 ロウに浸した布や紙を用いて線香束の先端に
被せる瓶の蓋状のキャップを作り、その内面にロウに浸
した糸の中間部を何着し両端を外側に出した点火線４を
設け、更に木の粉と線香の粉末を混合してロウで固めた
円板をキャップ内面に、点火線を挾んで付着させたもの
である。線香束への着火に当たっては立てて燃やす場合
は、キャップを被せて外側に張り出している点火線にマ
ッチなどで点火するだけで確実に着火する。横に寝かせ
て燃やす場合は、キャップを被せてキャップの中心部穴
６から線香束へマッチ棒などを半分程差込んで落下防止
をする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は束ねられた線香に墓前で着火するための点火具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

墓参用線香は紙筒で束ねられた線香が使用されるが、これを墓前で立てた状態 にせよ横にした状態にせよ着火することは極めて困難である。そのため寺院又は 霊園外部に備えられた専用点火器又はコンロなどで点火している。そのような点 火器がない場合やその位置が遠い場合は、墓前でロウソクに点火したり新聞紙を 燃やしたりして、ようやく線香束に着火している。しかしロウソクや新聞紙を燃 やすことは墓前を汚す事になり、付近に山林などもあるので風のある日は火災の 危険性も考慮する必要がある。 これに対し、ロウソクの芯を数本集めてロウで固めた棒状のものを線香束の中 心に挿入したものが市販されているが、これに点火すると線香束の中心部が早く 燃えて窪みを作り、その中に周囲の灰が溜まるためしばしば火が消えることがあ り、そして火が消えるとロウの匂いが広がり雰囲気を害するため、安心して使用 することが出来ない。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

本考案は墓前で線香に清潔に且つ安全に、消えずに確実に着火するための口火 となる簡単な点火具を提供することを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

本考案に係る線香束の点火具は布又は紙などの可燃物シートをロウに浸した材 料を用いて、線香束の端面に被せることが出来る大きさの円板を天板とし、ひだ を有するものを含め円筒状の側面を取り付けて蓋状物（以下キャップという）を 作り、可燃性の糸又は紐をロウに浸したものを、両端を外に出し中間部をキャッ プ内面に付着させて点火線とし、更に木粉と線香粉末をロウで円板状に固めた点 火板を点火線を挾んで天板内面に付着させた線香束の点火具である。 また天板と点火板の中心部に、点火具が線香束の先端より落下するのを防止す る棒穴を設けたものである。

【０００５】

【作用】

本考案の点火具は墓前て線香束に点火する場合にその先端に被せて口火として 使用するものである。線香は立てても横に寝かしてもよい。立てた場合は上端に 本考案点火具を被せ、点火具から横方に張り出している点火線にマッチなどで点 火すれば容易に点火し線香束に確実に着火できる。本考案の場合は従来品が中心 から着火して中心部が凹むのに対し、キャップの側面から着火するので着火部分 の形状は側面が中心部より低くなって燃焼するため、燃えた灰は全て外側に落下 し灰が線香束の上端に溜まって火を消すようなことはない。 横に寝かせて燃やす場合は、点火時は線香束の先端を香炉から出して置かない と熱で香炉を傷める虞がある。そして点火具を被せた後、落下しないように脱落 防止用穴にツマヨウジか使用済みマッチ棒を線香束に半分程差し込んでおき、点 火線に点火すれば容易に点火具が落下することはない。点火すると炎は最大で１ ５ｃｍ程になり１分間位燃え上がり、先ず周囲の線香に着火し２〜３分で中央部 まで着火して消えることはない。横の場合は点火具が燃焼し終わって線香束に着 火してから、線香束を香炉内に押し込む。

【０００６】

【実施例】

図１は点火具の一例の側面断面図であって、図２は横置き香炉で線香束に点火 する説明図であり、図３は点火具の脱落防止のためツマヨウジかマッチ棒を差し 込んだ状態を示す説明図である。 本実施例ではひだ付き側面円筒を持った点火具によって、横置き香炉で線香束 を燃やす方法について説明する。本例のキャップ１は紙又は薄い布の円形シート にロウを浸し、線香束の先端に被さる円板形の天板２を残して、周囲をひだを付 けて折り下げ、日だ付き側面３を形成したビール瓶の蓋状のものである。その内 側面に木綿糸にロウを浸し、両端は外に出し中央部を天板２の内面に付着させて 点火線４とし、更に木粉と線香粉をロウで固めた点火板５を点火線４を挾んで天 板２の内面に付着させたものである。 墓前香炉７は横置式で石製の長方形の箱であって、墓参者側の長辺を含む一面 が開放になって置かれており、この中で線香束８は長辺に平行に置かれて燃やさ れる。着火時は線香束８は香炉７が熱により破損するのを防止するため点火端を 香炉外に出して点火される。 線香束８に着火するには、線香束８の点火端に点火具１を被せ、ツマヨウジま たは使用済みマッチ棒９の半分程度を穴６を貫通して線香束８の先端部に差し込 むことにより、ぐらつきはするが簡単には落ちない程度に落下防止方法を施して 、線香束８を先端部が香炉外に出るように斜めに香炉７に入れ、張り出している 点火線４にマッチなどで点火する。点火具１は直ちに大きな炎を上げて燃焼し、 ２〜３分後には線香束８には完全に着火する。着火後線香束８は香炉７内に押し 込められる。

【０００７】

【考案の効果】

従来は墓参時に線香の着火に困り、霊園外の寺院や花屋などで着火して墓まで 長距離を歩いたり、墓前で新聞紙などを燃やしたり、ロウソクを立ててロウの雫 を落として周辺を汚したりしていたが、本考案の点火具を使用することにより、 線香束に何の苦労もなく着火できるようになり、汚れのない墓前で気持ちよく参 拝することができるようになった。また墓地周辺には山林が多いから燃え残りの 新聞紙が飛び散ると危険であったが、その心配も不要になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】点火具の一例の側面断面図である。

【図２】横置き香炉で線香束に点火する説明図である。

【図３】点火具の脱落防止のためツマヨウジ又はマッチ
棒を差し込んだ状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 点火具 ２ 天板 ３ ひだ付き側面 ４ 点火線 ５ 点火板 ６ 穴 ７ 香炉 ８ 線香束 ９ ツマヨウジ又はマッチ棒

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 布又は紙などの可燃物シートをロウに浸
   した材料を用いて、線香束の端面に被せる事が出来る大
   きさの円板を天板とし、ヒダを有するものを含め円筒状
   の側面を取り付けて蓋状物（以下キャップという）を作
   り、可燃性の糸又は紐をロウに浸したものを両端を外に
   出し、中間部をキャップ内面に付着させて点火線とし、
   更に木粉と線香粉末をロウで円板状に固めた点火板を点
   火線を挾んで天板内面に付着させた線香束の点火具
2. 【請求項２】 上記の天板と点火板の中心部に通し穴を
   設けた請求項（１）記載の線香束の点火具