JP3003687U - ボタンカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 着脱が極めて容易でコストが安く、しかもボ
タンが持つ本来の形態を損なうことのないボタンカバー
を提供する。 【構成】 被服に使用されるボタンの全表面から少なく
とも裏面の一部までを覆うことができる大きさの金属箔
または金属薄板からなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、被服に使用されるボタンカバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、被服に使用されるボタンは、被服を着脱するための実用的な面と、 被服の一部としてのデザイン的な面で使用されていた。そのために大きさ、色、 デザイン等がさまざまなボタンが市販されていた。 また、冠婚葬祭用のフォーマルウエアー等に使用されるボタンは、装飾性、象 徴性が重視される上、色や大きさも限定されたボタンが使用されていた。

【０００３】 それらのボタンを取り替える場合、一つひとつ被服から取り外し、他のボタン を縫着していた。 また、ボタンの交換以外の方法として、図３の（ａ）に示すように、着色した 布１０を袋状とし、ボタン挿入部に結わき糸１１を設けた構成からなるボタンカ バーが知られている（実開昭６３−１６６００８号公報開示）。

【０００４】 さらに、図３の（ｂ）に示すように、ボタン３の表面および側面を覆う着脱自 在の合成樹脂性のボタンカバー１２もある（実開昭６１−８８５０８号公報開示 ）。

【０００５】 さらにまた、ボタンカバー全体をシール形態とし、ボタンに該ボタンカバーを 貼り付けるものも提案されている（実開平４−２０７号公報）。

【考案が解決しようとする課題】

【０００６】 ところが、ボタンを一つひとつ取り外し縫着するのは時間と手間がかかる上、 被服の生地を痛めるおそれがあった。 また、袋状の布カバーを使用した場合、やはり一つひとつのボタンに被せるの に手間がかかり、また布地の織り目が目立ちボタン本来の形態が損なわれるとい う問題もあった。

【０００７】 さらに、着脱自在の合成樹脂性カバーにおいては、適用できるボタンが扁平な ものに限定され、またコストの面でも問題があった。

【０００８】 さらにまた、ボタンカバー全体をシール形態としたときは、表面に凹凸のある ボタンにおいては、しわが生じないように貼り付けることは困難であり、剥すの も容易ではなかった。

【０００９】 そこで本考案の目的は、上記問題点を解消し、着脱が極めて容易でコストが低 く、しかもボタンが持つ本来の形態を損なうことのないボタンカバー提供するこ とにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案のボタンカバーは、被服に使用されるボタン の全表面から少なくとも裏面の一部までを覆うことができる大きさの金属箔また は金属薄板からなる。

【００１１】 上記ボタンカバーは、ボタン被覆後に少なくともボタンの表面となる部分に用 途に応じた着色または模様が施されている。

【００１２】

【作用】

本考案のボタンカバーは、その素材がこれまでのボタンカバーとは異なり、金 属箔または金属薄板であることが特徴である。かかる素材とすることで、応力が 除去されたあともその変形が消失しない塑性変形を行わしめることができる。 その結果、本考案のボタンカバーにおいては粘着剤等の接着手段を必要とせず、 ボタンカバーの周縁部をボタンの裏側に折り込むだけでボタンに取り付けること ができる。

【００１３】 また、この際、全体の形を整えつつ、指等でボタンの表面を押し付けることに より、ボタンの表面の形態をボタンカバー上に浮かび上がらせることができる。 ボタンカバーの材質を金属としたことにより、布や紙または合成樹脂シールと異 なり、表面のしわ伸ばしが簡単であり、外観を損なうこともない。

【００１４】 本考案のボタンカバーの大きさおよび形状は、取り付けるべきボタンに応じて 様々に変えることができ、制限されるべきものではないが、ボタンを覆ったとき に、ボタン裏側への折り返し部分が少な過ぎると外れ易くなり、一方、多過ぎる と材料が無駄であるばかりなく、取り付けが却って困難となる。好ましくは、円 形のボタンに対しては円形とする。

【００１５】 また、本考案のボタンカバーの厚さも特に制限されるべきものではない。例え ば、ボタン表面が極めて細かい凹凸模様を有する場合に、その模様をボタンカバ ー表面に鮮明に浮かび上がらせることが望まれるときにはアルミ等の金属箔を使 用すればよい。一方、ある程度ボタンの凹凸模様を浮かび上がらせつつ、金属の もつ重厚感をも出したい場合には鉛等の金属薄板を使用すればよい。

【００１６】 本考案のボタンカバーは、ボタン被覆後に少なくともボタンの表面となる部分 に用途に応じた着色または模様を施すことができる。 例えば、法事等に着用されるフォーマルウエアーに逢着されているボタンは、 装飾性、象徴性が重視される上、色も黒色と限定される。特に、ボタンの一部に 金色や銀色等の鮮やかな飾りが施されているものは避けられている。そこで、こ のような場合には前記飾りを覆うために、金属箔に黒色の色彩を施こした面を表 にして、ボタンの表面を覆うとよい。また、ボタンに細かい絵柄や模様を施す代 わりに本考案のボタンカバーに当該絵柄や模様を施し、ファッションに合わせて ボタンカバーを選択することもできる。

【００１７】 なお、本考案のボタンカバーは極めて単純な構造であることから製造コストを 極めて低く抑えることができ、よって一度に多くの種類のものを購入することが でき、使い捨てが可能である。

【００１８】

【実施例】

次に本考案の実施例に基づき説明する。 図１に示す本考案のボタンカバー１は、ボタン３の表面の細かい飾り模様４を 浮かび上がらせるためにアルミニウム等の金属を圧延した金属箔を素材としてあ る。すなわち、通常一般家庭で使用されるアルミ箔程度の約１５ミクロン程の厚 さからなり、その大きさはボタンの全面を覆うことのできる程度である。

【００１９】 前記金属箔１の少なくとも片面には、艶消しまたは光沢を有する黒色の色彩２ が施されている。

【００２０】 次に、このボタンカバーの使用方法を図２に基づき説明する。 冠婚葬祭、特に法事等に着用されるフォーマルウエアー２０に逢着されている ボタン３の一部に施されている金色や銀色等の鮮やかな飾り模様４を覆うために 、金属箔１の黒色の色彩２を施こした面を表にして、ボタン３の表面を覆う。

【００２１】 金属箔１の周縁部をボタン３の裏側面に折り込みながら表面および側面の形を 整える。特にボタン３の表面部分は、指の平で丁寧に押えるようにして、ボタン ３の表面に装飾されているデザインが浮き出るように整える。

【００２２】 法事等の行事が終了したら、ボタン３を覆っている金属箔１は容易に取り除く ことができる。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案のボタンカバーは、上述の構成とすることで 以下に示す効果を奏するものである。 （１）ボタンを一つひとつ取り外すことなく、着脱の時間と手間がかからず、被 服の生地を痛めるおそれもない。 （２）金属箔または金属薄板を素材とすることにより、指の平で簡単に形が整え られ、しかもボタン表面の微妙な凹凸模様までも表現すことができる。 （３）金属箔または金属薄板を素材とすることにより、コストの削減も可能であ る。 （４）構造が極めて単純であることから、ボタンに表すことが困難な複雑な絵柄 や模様をボタンカバー上に容易に表現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例ボタンカバーとボタンとの関係を
表す説明図である。

【図２】本考案のボタンカバーの使用状態を表す説明図
である。

【図３】（ａ）および（ｂ）は、それぞれ従来のボタン
カバーのボタンへの装着状態を表す断面図である。

【符号の説明】

１ ボタンカバー ２ 色彩 ３ ボタン ４ 飾り模様 ５ ボタンホール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被服に使用されるボタンの全表面から少
   なくとも裏面の一部までを覆うことができる大きさの金
   属箔または金属薄板からなるボタンカバー。
2. 【請求項２】 ボタン被覆後に少なくともボタンの表面
   となる部分に着色または模様が施されている請求項１記
   載のボタンカバー。