JP3002206U

JP3002206U - 自動車のシートベルト装置

Info

Publication number: JP3002206U
Application number: JP1994003235U
Authority: JP
Inventors: 賢亮野尻
Original assignee: 賢亮野尻
Priority date: 1994-02-23
Filing date: 1994-02-23
Publication date: 1994-09-20
Anticipated expiration: 2000-02-23

Abstract

(57)【要約】【目的】シートベルトを挿着するバックルの位置を見
え易くするとともに、運転中はシートベルトが身体の膝
の上に装着するようにして窮屈感や苦痛感をなくし、楽
な状態で運転をすることができるようにするとともに、
衝突事故などの衝撃を受けた場合には、瞬時にシートベ
ルトが後方へ移動して胸部や腹部に掛かるようにする。【構成】自動車の前部座席の側部に設けたケース１内
に横設した中心軸２に摺動金具３を嵌挿して摺動可能と
し、該摺動金具３の上部に突設した２個のバックル４を
ケース１より上方へ突出させ、さらに該中心軸２にスプ
リング６を嵌挿するとともに、該ケース１の側部に対震
作動装置７を設け、またケースに沿って横設した揺動杆
９を、支持具１０を支点として揺動可能とし、該揺動杆
９の一端を該対震作動装置７に連動するようにし、また
他端に設けた止め金具１２を前記摺動金具の凹部１３に
嵌脱可能とし、さらにケースの下部に設けた止め金具１
４も該凹部１３に嵌脱可能となるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のシートベルトのバックルの位置を前後に移動して固定可能となるように構成した自動車のシートベルト装置である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車のシートベルトを挿着するためのバックルは、主として図５に示すように運転席の左側後方、すなわち助手席後部との間に固定されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の自動車においては、上記のようにシートベルトの端部のプレートを挿着するためのバックルが座席の側部の後方に固定して設けてあったので見え難く、またシートベルトの張力が強くてプレートを挿着し難かった。またシートベルトを着用すると、胸部が圧迫されて窮屈に感じ、長時間の使用には苦痛を感じた。なおシートベルトに代わるシートバックがあるが、これは高価であり、また一度破裂すると再使用ができないという欠点があった。本考案は、これらの問題点を解消するために考案されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のシートベルト装置は、前部座席の側部に設けた横長状のケース１内に横設した中心軸２に、バックルを設けた摺動金具３を嵌挿して摺動可能とし、該摺動金具３の上部に突設した２個のバックル４をケース１より上方へ突出させ、さらに該中心軸２にスプリング６を嵌挿するとともに、該ケース１の側部に対震作動装置７を設け、またケース１に沿って横設した揺動杆９を、支持具１０を支点として揺動可能とし、該揺動杆９の一端を対震作動装置７に連動するようにし、また他端に設けた止め金具１２を、摺動金具３の凹部１３に嵌脱可能とし、さらにケース１の下部に設けた止め金具１４も摺動金具３の凹部１３に嵌脱可能となるように構成したものである。

【０００５】

【作用】

摺動金具３を前方（図の左方）へ摺動させ、その凹部１３に揺動杆９の端部の止め金具１２を嵌合させて固定し、この位置において摺動金具３のバックル４にシートベルトの端部に設けたプレートを嵌挿すれば、シートベルトは人の膝の上に装着される。このような状態で運転中に衝突事故などが発生した場合には、対震作動装置７が作動して、摺動金具３の固定が解放され、スプリング６の収縮力によって摺動金具３が後方（図の右方）へ移動し、バックル４も移動するので、シートベルトが運転者の身体の胸部に密着して人体に対する事故を防止する。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。自動車の運転席の左側に、内部が空胴になった横長状のケース１を設け、該ケース１内の中心部には中心軸２が横設され、且つ該中心軸２には、摺動金具３が摺動可能に嵌挿されており、さらに該中心軸２に嵌挿されたスプリング６の一端は摺動金具３に固定され、またその他端はケース１の右端に固定され、且つ該スプリング６は収縮するように付勢されている。また摺動金具３の上部には２個のバックル４が突設され、ケース１の上面に開口した開口溝５より上方へ突出している。またケース１の右端の側部には対震作動装置７が設けられ、その内部には重錘８がチエーンによって吊り下げられており、またケース１に沿って横設した揺動杆９は、支持具１０を支点として揺動可能となっており、該揺動杆９の右端に設けた受具１１により重錘８を支持しており、また左端に設けた止め金具１２を前記摺動金具３に設けた凹部１３に嵌合可能となっている。さらにまたケース１の下面に設けた電磁石１５は、揺動杆９の鉄片１６を磁着するようになっている。なおまた支持具１０の右方に設けた止め金具１４は、スプリングの作用により摺動金具３の凹部１３に嵌合可能となっている。なお図においてバックル４にはそれぞれシートベルト１７が挿着されている。

【０００７】本考案における２個のバックルは、運転者用と助手用のものであり、自動車を運転する場合には、まず摺動金具３を図１に示すように前方の位置に移動させ、それぞれシートベルトのプレートをバックル４に挿着すれば、シートベルトは膝の上に装着される。このような状態で運転中に衝突事故などによって衝撃を受けた場合には、図２に示すように対震作動装置７の重錘８が振れて受具１１より外れ、また電磁石１５の磁着が解放され、該受具１１がスプリングの作用によって上昇し揺動杆９の右端も上昇し、止め金具１２が摺動金具３の凹部１３より外れるので、摺動金具３は、スプリング６の収縮力によって右方へ引き寄せられ、凹部１３が止め金具１４に嵌合して固定される。この場合、シートベルト１７を挿着したバックル４も摺動金具３と共に移動して固定されるので、シートベルト１７は、運転者と助手の胸部と腹部に掛装され、身体が前方へ動くことが防止され、衝撃による被害が防止される。なお本考案の装置を設置するのは、座席の左側に限らず右側に設置してもよく、また運転者用、助手用の装置を別個に設けてもよい。また摺動金具３を前方へ移動した場合には、バックルの位置が従来の位置より１５〜２０ｃｍほど前に位置するようにするのが好ましい。

【０００８】

【考案の効果】

本考案のシートベルト装置は、シートベルトを挿着するバックルの位置を前方へ移動させることができるので、バックルがよく見え、シートベルトのプレートをバックルに挿入することがきわめて容易となるとともに、この位置ではシートベルトも弛んでいるので、挿入がさらに容易となる利点がある。また運転中のシートベルトは膝の上に掛着されており、胸や腹を圧迫することがないので窮屈感が全くなくなり楽な状態で運転することができ、また衝突事故などの場合には、シートベルトが急速に後方へ移動して身体に密着し、身体を守るので安全であるとともに、高価なシートバックなどを購入する必要がなくなり、経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の一部切断側面図である。

【図２】本考案の作動状態を示す一部切断側面図であ
る。

【図３】本考案の摺動金具の作動状態を示す説明図であ
る。

【図４】本考案の摺動金具の作動状態を示す説明図であ
る。

【図５】従来におけるシートベルトの装着状態を示す説
明図である。

【符号の説明】

１・・・ケース２・・・中心軸３・・・摺動金具４・・・バックル５・・・開口溝６・・・スプリング７・・・対震作動装置８・・・重錘９・・・揺動杆１０・・・支持具１１・・・受具１２・・・止め金具１３・・・凹部１４・・・止め金具１５・・・電磁石１６・・・鉄片１７・・・シートベルト１８・・・プレート

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】自動車の前部座席の側部に設けた横長状
のケース（１）内に横設した中心軸（２）に摺動金具
（３）を嵌挿して摺動可能とし、該摺動金具（３）の上
部に突設した２個のバックル（４）をケース（１）より
上方へ突出させ、さらに該中心軸（２）にスプリング
（６）を嵌挿するとともに、該ケース（１）の側部に対
震作動装置（７）を設け、またケース（１）に沿って横
設した揺動杆（９）を、支持具（１０）を支点として揺
動可能とし、該揺動杆（９）の一端を対震作動装置
（７）に連動するようにし、また他端に設けた止め金具
（１２）を前記摺動金具（３）の凹部（１３）に嵌脱可
能とし、さらにケース（１）の下部に設けた止め金具
（１４）も摺動金具（３）の凹部（１３）に嵌脱可能と
なるように構成したことを特徴とする自動車のシートベ
ルト装置。