JP3001387U - 埋込み式の引手 - Google Patents

埋込み式の引手

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JP3001387U
JP3001387U JP1994002598U JP259894U JP3001387U JP 3001387 U JP3001387 U JP 3001387U JP 1994002598 U JP1994002598 U JP 1994002598U JP 259894 U JP259894 U JP 259894U JP 3001387 U JP3001387 U JP 3001387U
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音松 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】手掛け面の各種造形美と耐久強度、量産効果に
富む埋込み式の引手を提供する。 【構成】一定深さの埋込み皿(A)と、その埋込み皿
(A)の開口縁部(13)を被覆可能な化粧フランジ
(17)が張り出し形成された枠環(B)と、その枠環
(B)への取付け面(18)と手掛け面(19)が1枚
の金属板片からほぼ直角に折曲げられた引手爪(C)と
を備え、上記引手爪(C)の取付け面(18)を枠環
(B)の胴面(15)へ内側から、その手掛け面(1
9)が枠環(B)の化粧フランジ(17)とほぼ面一と
なる関係状態に固着一体化すると共に、その枠環(B)
を上記埋込み皿(A)の内部へ嵌め付けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は主に襖やその他の各種建具に有用な埋込み式の引手に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば襖の引手として、手前側へ引っ張り操作できる手掛け面を備えた図10 、11のようなボツクス形態が使用されている。
【0003】 これでは、その手掛け面(1)がフラツトな蓋板(2)に中抜きされており、 その蓋板(2)が枠環(3)から外向きに張り出す化粧フランジ(4)との接合 状態のもとで、スポツト溶接により固着一体化された上、埋込み皿(5)の内部 に嵌め付けられた構成である。(6)はそのスポツト溶接個所を示唆している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の公知品によれば、蓋板(2)やその手掛け面(1)を枠 環(3)と対応する形状・大きさに造形する必要があるが、その枠環(3)の形 状・大きさが埋込み皿(5)のそれに応じて変化した場合、これに対処すること が未だ困難であり、臨機応変性や互換性に劣る。
【0005】 又、図11の鎖線から示唆する如く、手掛け面(1)の先端部を埋込み皿(5 )の内部に向かって鋭角(θ)に折り返す加工は、1工程で行なうことができな い。つまり、蓋板(2)を先づ中抜きし、次いで目的とする鋭角(θ)に押し曲 げる必要があり、量産効果を最大限に期待することもできない。
【0006】 特に、埋込み皿(5)や枠環(3)が正面視の円形として、その上記手掛け面 (1)の先端部を円弧稜線のもとで、鋭角(θ)に折り返すことは皺寄りなどを 生ずる意味から不可能であり、その意味から得られる引手の形態についても制約 を受けることとなる。
【0007】 更に、枠環(3)の化粧フランジ(4)と蓋板(2)とのスポツト溶接個所( 6)には、手掛け面(1)に加わる引っ張り操作力が、その蓋板(2)の剥ぎ取 り力として直に作用する関係上、耐久強度にも問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような課題の改良を企図しており、そのために役立つ埋込み式の 引手として、一定深さの埋込み皿と、その埋込み皿の開口縁部を被覆可能な化粧 フランジが張り出し形成された枠環と、その枠環への取付け面と手掛け面が1枚 の金属板片からほぼ直角に折曲げられた引手爪とを備え、上記引手爪の取付け面 を枠環の胴面へ内側から、その手掛け面が枠環の化粧フランジとほぼ面一となる 関係状態に固着一体化すると共に、その枠環を上記埋込み皿の内部へ嵌め付けた ことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
本考案の上記構成によれば、埋込み皿に嵌め付けられる枠環と、引手爪とが予 じめ別個独立しており、その引手爪の取付け面が枠環の胴面へ内側から固着一体 化されるようになっているため、上記引手爪を取付け面と手掛け面とから成る断 面ほぼL字型として、容易に折曲げ加工できることはもとより、その手掛け面を 各種変化する造形美として、上記埋込み皿や枠環における大きさ・形状の変化に 対処しやすい利点がある
【0010】
【実施例】
以下、図面に基いて本考案の具体的構成を詳述すると、図1〜7はその基本実 施例に係る引手の分解状態と組立状態を示しており、(A)は真鋳やステンレス 鋼などの金属板から塑性加工された埋込み皿であって、正面から見て円形な一定 深さの断面ほぼU字型をなしている。
【0011】 (11)はその埋込み皿(A)の胴面、(12)は同じく底面、(13)は開 口縁部であり、図ではその開口縁部(13)をフランジ形態として外向きに張り 出しているが、その張り出さなくても良い。(14)は上記胴面(11)に開口 分布された複数の釘穴である。
【0012】 又、(B)は上記埋込み皿(A)の内部に嵌め付けられる胴面(15)を備え た枠環であり、やはり真鋳やステンレス鋼などの金属板から正面視の円環型に塑 性加工されている。
【0013】 (16)はその枠環(B)の胴面(15)に開口分布された複数の釘穴であり 、上記埋込み皿(A)の釘穴(14)と合致連通する。(17)は同じく枠環( B)の開口縁部から外向きに張り出す化粧フランジであって、枠環(B)が埋込 み皿(A)の内部に嵌め付けられた時、その埋込み皿(A)の上記開口縁部(1 3)を被覆化粧する。
【0014】 更に、(C)は上記枠環(B)と別個独立する真鋳やステンレス鋼などの金属 板から、ほぼ直角に折曲げ加工された引手爪であり、その断面ほぼL字型の一辺 が上記枠環(B)の胴面(15)に対する取付け面(18)として、同じく他辺 が引っ張り操作用の手掛け面(19)として、各々設定されている。
【0015】 その引手爪(C)の手掛け面(19)は正面視の弓形を呈し、且つ枠環(B) の化粧フランジ(17)とほぼ面一にフラツト化されている。他方、取付け面( 18)は枠環(B)の胴面(15)と対応する正面視の円弧面をなしている。
【0016】 (20)はその円弧状取付け面(18)の先端部に切欠かれた割溝であり、手 掛け面(19)との上記直角な折曲げ加工時に、その皺寄りなどの発生を防ぐ逃 げ代として機能する。
【0017】 上記引手爪(C)の取付け面(18)を、その手掛け面(19)との折曲げ境 界部では広幅寸法(W1)に、その埋込み皿(A)内への奥端部では最も狭幅寸 法(W2)になる先細り形態に造形することが、好ましい。そうすれば、引手爪 (C)の取付け面(18)が正面から見えず、その引手の外観化粧効果を昂める ことができるからである。
【0018】 上記のような引手爪(C)の取付け面(18)は、枠環(B)の胴面(15) へ内側から接合された上、スポツト溶接により固着一体化される。その際には、 引手爪(C)の手掛け面(19)が枠環(B)の化粧フランジ(17)とほぼ面 一な整合状態に保たれる。(21)はその複数のスポツト溶接個所を示している 。
【0019】 又、上記埋込み皿(A)並びに枠環(B)の釘穴(14)(16)はその枠環 (B)と、引手爪(C)の取付け面(18)との接合個所から退避した位置に開 口分布されていること、言うまでもない。
【0020】 そして、上記のように引手爪(C)の固着一体化された枠環(B)は、引続き 埋込み皿(A)の内部に嵌め付けられ、その引手としての組立状態のもとで、図 5、6のように襖枠(M)の埋込み穴(22)へ圧入された上、上記釘穴(14 )(16)を貫通する釘(23)の複数によって、その襖枠(M)へ取付け固定 されることとなる。
【0021】 尚、その際図3に例示する別個な装飾用の鍔環(24)が、埋込み皿(A)の 開口縁部(13)又は枠環(B)の化粧フランジ(17)と、襖の表面との相互 間に介挿使用されることもある。
【0022】 図8、9は本考案の変形実施例を示しており、これと上記基本実施例との比較 から明白なように、次の構成を採用することも可能である。
【0023】 即ち、埋込み皿(A)と枠環(B)はその対応する形状である限り、正面視の 円形のみならず、各種の角形や楕円形などに作成しても良く、これとの関係上引 手爪(C)も弓形以外に造形することができる。
【0024】 又、その引手爪(C)における上記手掛け面(19)の先端部を、埋込み皿( A)の内部に向かって鋭角(θ)に折返し、その折返し面(25)に操作手を掛 けることができるように定めても良い。
【0025】 その場合、引手爪(C)は上記した通り、枠環(B)から予じめ別個独立して いるため、その折返し面(25)に上記割溝(20)と同趣旨の割溝(図示省略 )を切欠いておくことによって、上記手掛け面(19)の先端部から折返し面( 25)を、その円弧折曲げ稜線のもとに折返し加工することも可能である。
【0026】 尚、図8、9の変形実施例におけるその他の構成は、上記基本実施例と実質的 に同一であるため、その両図に図1〜7との対応符号を記入するにとどめて、そ の詳細な説明を省略するが、何れにしても引手爪(C)の取付け面(18)を枠 環(B)へ固着する手段としては、上記スポツト溶接のみならず、ろう付けやそ の他の手段を採用することができる。
【0027】
【考案の効果】
以上のように、本考案に係る埋込み式の引手では、一定深さの埋込み皿(A) と、その埋込み皿(A)の開口縁部(13)を被覆可能な化粧フランジ(17) が張り出し形成された枠環(B)と、その枠環(B)への取付け面(18)と手 掛け面(19)が1枚の金属板片からほぼ直角に折曲げられた引手爪(C)とを 備え、上記引手爪(C)の取付け面(18)を枠環(B)の胴面(15)へ内側 から、その手掛け面(19)が枠環(B)の化粧フランジ(17)とほぼ面一と なる関係状態に固着一体化すると共に、その枠環(B)を上記埋込み皿(A)の 内部へ嵌め付けてあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を確実に改良できる効 果がある。
【0028】 即ち、本考案の上記構成によれば、埋込み皿(A)に嵌め付けられる枠環(B )と、引手爪(C)とが予じめ別個独立しており、その引手爪(C)の取付け面 (18)が枠環(B)の胴面(15)へ内側から固着一体化されるようになって いるため、引手爪(C)の手掛け面(19)を所望の各種造形美として、容易に 且つ臨機応変に塑性加工することができると共に、その手掛け面(19)と取付 け面(18)とから成る引手爪(C)を、1工程のもとで安価に量産し得る効果 もある。
【0029】 又、引手爪(C)は枠環(B)と別個独立しているため、請求項3の構成を採 用することも容易であり、これによって引手の豊富なバリエーシヨンを得ること ができ、その場合手掛け面(19)の先端部から円弧折曲げ稜線のもとに、折返 し面(25)を折返すことも可能となる。
【0030】 更に、引手爪(C)の取付け面(18)は手掛け面(19)とほぼ直角に交叉 しており、枠環(B)の胴面(15)へスポツト溶接などによって固着一体化さ れているため、上記手掛け面(19)に加わる引っ張り操作力が、その取付け面 (18)の剥ぎ取り力として直に作用せず、引手の高い耐久強度を保てる効果が ある。
【0031】 引手爪(C)が枠環(B)との別体物であるとしても、その固着状態では引手 爪(C)の手掛け面(19)と、枠環(B)の化粧フランジ(17)とがほぼ面 一に整合されているため、引手の外観化粧効果を阻害するおそれもない。
【0032】 特に、請求項2の構成を採用するならば、枠環(B)に対する引手爪(C)の 取付け面(18)が、引手の正面に露呈せず、その手掛け面(19)によって必 らずや目隠しされることとなり、従い引手の外観化粧効果を一層昂めることがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る引手の分解状態を示す斜面図であ
る。
【図2】枠環に対する引手爪の固着状態を示す一部破断
の斜面図である。
【図3】同じく引手の組立状態を示す正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3の5−5線に沿う拡大断面図である。
【図6】図3の6−6線に沿う拡大断面図である。
【図7】図4の7−7線に沿う拡大断面図である。
【図8】本考案の変形実施例を示す一部破断の正面図で
ある。
【図9】図8の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】従来の引手を示す正面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
(13)・開口縁部 (17)・化粧フランジ (18)・取付け面 (19)・手掛け面 (21)・スポツト溶接個所 (25)・折返し面 (A)・埋込み皿 (B)・枠環 (C)・引手爪 (M)・襖枠 (W1)・広幅寸法 (W2)・狭幅寸法 (θ)・鋭角

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定深さの埋込み皿(A)と、その埋込み
    皿(A)の開口縁部(13)を被覆可能な化粧フランジ
    (17)が張り出し形成された枠環(B)と、その枠環
    (B)への取付け面(18)と手掛け面(19)が1枚
    の金属板片からほぼ直角に折曲げられた引手爪(C)と
    を備え、 上記引手爪(C)の取付け面(18)を枠環(B)の胴
    面(15)へ内側から、その手掛け面(19)が枠環
    (B)の化粧フランジ(17)とほぼ面一となる関係状
    態に固着一体化すると共に、 その枠環(B)を上記埋込み皿(A)の内部へ嵌め付け
    たことを特徴とする埋込み式の引手。
  2. 【請求項2】引手爪(C)の取付け面(18)を、埋込
    み皿(A)の底面に向かう先細り形態として、徐々に狭
    幅化したことを特徴とする請求項1記載の埋込み式の引
    手。
  3. 【請求項3】引手爪(C)の手掛け面(19)を、その
    先端部から埋込み皿(A)の内部に向かって鋭角(θ)
    に折り返したことを特徴とする請求項1記載の埋込み式
    の引手。
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