JP3001095B2 - 5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール有機酸エステル類とその製造法 - Google Patents

5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール有機酸エステル類とその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5−ヒドロキシメ
チル−2−フルフラール有機酸エステルとその製造法に
関し、詳しくは食品工業,医薬品工業などの分野におい
て有用な5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール有機
酸エステルおよび該化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】5−ヒドロキシメチル−2−フルフラー
ルは、スクロースやフルクトース等の糖類を加熱するこ
とによって合成される既知物質である。この物質の製造
法も報告されているが、いずれも反応条件の最適化によ
る収量の改善や原料として用いる糖類の選択を主眼とす
るものである。また、5−ヒドロキシメチル−2−フル
フラールを原料とし、汎用的な有機合成技術を用いて該
化合物の誘導体、例えば有機酸エステル類を製造するこ
とも可能である。しかし、その製造工程は複雑であった
り、特定の溶媒の存在下に実施する必要があるため、得
られる誘導体の用途が制限される等の課題があり、工業
的に利用されるまでには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの一部は、
5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの誘導体であ
る、新規物質5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール
クエン酸エステル(ムメフラール)を梅肉エキス中に
見出し、この物質が優れた生理活性を有していることを
明らかにした。本発明者らは、梅肉エキスに含まれる5
−ヒドロキシメチル−2−フルフラール クエン酸エス
テルの研究過程で、該化合物が旋光度を持たず、生梅中
に存在しないことを発見した。したがって、この物質は
生梅に含まれる他の食品成分が梅肉エキスの製造過程で
化学変化を起こして生成したものと考えられる。該化合
物の部分化学構造に着目して検討し、5−ヒドロキシメ
チル−2−フルフラール構造は生梅中の5員環性の6炭
糖に由来し、クエン酸は梅の酸味成分に由来するものと
推定した。この仮定に基づき鋭意検討した結果、糖類と
クエン酸から5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール
クエン酸エステルを合成することに成功した。さら
に、この方法が、他の5−ヒドロキシメチル−2−フル
フラール誘導体の製造に応用できるものと考え、検討を
重ねて本発明を完成するに至った。
【0004】したがって、本発明の目的は、5−ヒドロ
キシメチル−2−フルフラールの誘導体であるその他の
新規物質を開発すると共に、これら誘導体を簡便な方法
で効率よく製造する方法を確立することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、下記の一般式(1)で表される5−ヒドロキシメチ
ル−2−フルフラール有機酸エステルである。
【化2】 (式中、Rはシュウ酸,リンゴ酸および酒石酸の中から
選ばれる有機酸の残基を示す。)
【0006】請求項2記載の本発明は、6炭糖構造を有
する糖類と有機酸(ただし、α位に2重結合を持つもの
を除く)を、無溶媒下で反応させることを特徴とする5
−ヒドロキシメチル−2−フルフラール有機酸エステル
の製造法である。請求項3記載の本発明は、糖類が、ス
クロース,グルコース,マンノースおよびフルクトース
の中のいずれかである請求項2記載の製造法である。請
求項4記載の本発明は、有機酸が、シュウ酸,リンゴ
酸,酒石酸,クエン酸およびコハク酸の中のいずれかで
ある請求項2記載の製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る前記一般式(1)で
表される5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール有機
酸エステルは新規化合物である。式中のRを具体的に示
すと、以下の通りである。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】上記の新規化合物を含む5−ヒドロキシメ
チル−2−フルフラール有機酸エステルは、請求項2記
載の本発明の方法によって製造することができる。原料
として用いる6炭糖構造を有する糖類としては、例えば
スクロース,グルコース,マンノース,フルクトース等
が挙げられる。これらの中では、スクロースとフルクト
ースは脱水によって直接フラン環を与えるフラノース環
構造を有しているため、特に好ましい糖類である。一
方、有機酸としては、上記の糖類と反応して目的とする
エステル化合物を得ることができるものであればよく、
各種の有機酸を使用することができる。本発明において
は、シュウ酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン酸,コハク酸
などの有機酸が特に好適である。しかし、例えば酢酸,
プロピオン酸,ヘキサン酸,ニコチン酸,安息香酸等の
有機酸を用いることも可能である。さらに、これらの塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩など)も使用でき
る。しかし、α位に2重結合を持つカルボン酸は本発明
に使用できない。ここでいう2重結合とは、例えばフマ
ル酸のもつような2重結合を指し、安息香酸のような芳
香族性の2重結合は含まない。これは、反応中に生じる
フラン化合物が、2重結合とディールス−アルダー反応
(Diels-Alder reaction)を起こしてしまうためと考え
られる。
【0013】本発明の方法によれば、上記の原料化合物
を加熱下に反応させることにより、1段階の反応で目的
とするエステル化合物を製造することができる。反応温
度は、反応を大気圧下で行う場合、100℃以上が好ま
しいが、温度が高すぎると、反応が早く進みすぎるた
め、反応の制御が困難になる。これは、反応時間が短く
なり、反応器内の温度制御が困難であることが大きな要
因である。そのため、用いる原料の種類、組み合わせな
ども考慮して高い反応収率が得られるように設定すべき
であるが、通常は60〜800℃が適当である。また、
反応時間については、10秒〜5日間、好ましくは1分
〜1時間程度である。例えば、フルクトースとクエン酸
の場合は、120〜160℃で4〜10分間の反応で反
応収率が最大となる。加熱方法については、特に制限さ
れないが、油浴によって行う方法は好ましい方法であ
る。
【0014】本反応は、酸触媒による脱水反応である
が、原料の有機酸が酸として触媒作用をするため、反応
系に酸触媒を特に添加する必要はない。しかし、有機酸
の塩を用いる場合は、別途酸触媒を加えることが望まし
い。これは、有機酸の酸性度が低い場合にも適用され
る。このような場合に加える酸触媒としては、前記有機
酸が好ましいが、塩酸,硫酸などの無機酸やp−トルエ
ンスルホン酸等も使用できる。
【0015】反応機構は、糖の脱水反応による5−ヒド
ロキシメチル−2−フルフラールの生成と、それに引き
続く有機酸との脱水縮合反応によるエステル結合の生成
によって説明できる。この反応機構の存在は、実施例に
おけるHPLC分析により、5−ヒドロキシメチル−2
−フルフラールのピークが認められることからも明らか
である。しかし、本反応において、糖の脱水反応とエス
テル結合生成のための脱水反応の順序は問わない。この
ことを、フルクトースとクエン酸との反応を例に挙げて
説明する。つまり、フルクトースとクエン酸が脱水縮合
してフルクトース クエン酸エステルを生成し、それに
引き続きフルクトース構造から脱水が起こる場合を考え
ると、この場合は、エステル結合の生成に水1分子、フ
ルクトースから水3分子が脱水し、さらにいくつかの脱
水順序の異なる反応機構の存在が考えられる。しかし、
いずれも5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール有機
酸エステルを与えることに変わりなく、本発明の製造法
においては複数の脱水経路が同時に進行しているものと
推定される。
【0016】一方、糖としてフルクトースの代わりに前
記したような6炭糖構造を有する他の糖類を使用するこ
とができる。これらの糖類の中では、脱水によって直接
フラン環を与えることから、フラノース環構造を有して
いるスクロースは特に有利である。これらの糖類を用い
た場合の反応機構は、必ずしも単純な脱水反応のみでは
説明できない。2糖の単糖への分解反応や水素転移反応
などを経て、フルクトースを原料とした場合と同じ反応
中間体を与え、最終的に5−ヒドロキシメチル−2−フ
ルフラール有機酸エステルを生成するものと考えられ
る。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例等により詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 予め乳鉢で磨り潰しておいたクエン酸100mgとD−
フルクトース20mgを試験管の中で混合した。この試
験管を、150℃に設定した油浴上にて6分間加熱し
た。得られた反応物を全量が1.5mLになるように希
釈し、3000rpmで5分間遠心して沈澱物を除いた
後、蒸留水で400倍に希釈してHPLCにて分析し
た。なお、HPLCの条件は以下の通りである。 カラム:COSMOSIL 5C18-MS (ナカライテスク社製) 移動相:A:0.2%蟻酸含有5%アセトニトリル水溶液 B:0.2%蟻酸含有90%アセトニトリル水溶液 0〜10分:100% A; 0% B 10〜25分:100→20%A; 0→80% B 流速 :1mL/min サンプル注入量:20μL 検出器:紫外吸光光度検出器(検出波長280nm)
【0018】その結果、5−ヒドロキシメチル−2−フ
ルフラール クエン酸エステルのピークが認められた。
このピーク強度から、反応物中の該化合物の収量は約5
mgと算出された。続いて、前述のHPLC分析物の残
りを濃縮、乾固させ、0.2%蟻酸を含む15%アセト
ニトリル水溶液1mLに溶解し、HPLCで精製した。
このとき、移動相は溶解溶媒と同様のものを用い、カラ
ムはワコーシル−II5C18HG(20φ×250m
m)(和光製)を用いた。精製物を核磁気共鳴分析(1H
-NMR)及び質量分析法(FAB-MS)によって化合物の構造
を分析した。単離した該化合物の分析結果を以下に示
す。
【0019】 FAB-MS(グリセロール) 299([M−H]- 1 H-NMR(300.13MHz,重アセトン) δ 2.86(1H,d,J=15.9Hz) 2.93(1H,d,J=15.4Hz) 2.97(1H,d,J=15.9Hz) 3.01(1H,d,J=15.4Hz) 5.19(2H,s) 6.76(1H,d,J=3.6) 7.40(1H,d,J=3.6) 9.64(1H,s)
【0020】実施例2 予め乳鉢で磨り潰しておいたクエン酸75mgとスクロ
ース50mgを試験管の中で混合した後、150℃の油
浴上で6分間加熱した。得られた反応物について実施例
1と同様にしてHPLC分析、核磁気共鳴分析及び質量
分析法による化合物の構造決定を行った。その結果、得
られた化合物は5−ヒドロキシメチル−2−フルフラー
ル クエン酸エステルと確認された。また、HPLCの
ピーク強度から、反応物中の5−ヒドロキシメチル−2
−フルフラール クエン酸エステルの収量は約5mgと
算出された。単離された該化合物の質量分析の結果を以
下に示す。HPLCの溶出クロマトグラムを図1に示
す。図中のAは5−ヒドロキシメチル−2−フルフラー
ルの、Bは5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール
クエン酸エステルのピークを示す。 FAB-MS(グリセロール) 299([M−H]-
【0021】実施例3 クエン酸の代わりにd1−リンゴ酸を用いたこと以外
は、すべて実施例2と同様に行った。得られた反応物を
水で希釈し、質量分析を行ったところ、5−ヒドロキシ
メチル−2−フルフラール d1−リンゴ酸エステルの
構造が確認された。また、得られたエステルはジアステ
レオマー混合物であった。該エステル化合物の質量分析
の結果を以下に示す。 FAB-MS(グリセロール) 241([M−H]-
【0022】実施例4 予め乳鉢で磨り潰しておいたd1−リンゴ酸75mgと
フルクトース50mgを試験管中で混合した後、油浴上
で実施例1と同様に加熱し、反応物を得た。この反応物
を同様に蒸留水で希釈し、質量分析を行ったところ、5
−ヒドロキシメチル−2−フルフラール d1−リンゴ
酸エステルであることが確認された。得られたエステル
はジアステレオマー混合物であった。該エステル化合物
の質量分析の結果を以下に示す。 FAB-MS(グリセロール) 241([M−H]-
【0023】実施例5 クエン酸の代わりに酒石酸を用いたこと以外は、すべて
実施例2と同様に行った。得られた反応物を水で希釈
し、質量分析を行ったところ、5−ヒドロキシメチル−
2−フルフラール 酒石酸エステルの構造が確認され
た。該化合物の質量分析の結果を以下に示す。 FAB-MS(グリセロール) 257([M−H]-
【0024】実施例6 d1−リンゴ酸の代わりに酒石酸を使用したこと以外
は、すべて実施例4と同様に行った。得られた反応物を
水で希釈し、質量分析を行ったところ、5−ヒドロキシ
メチル−2−フルフラール 酒石酸エステルの構造であ
ることが確認された。該化合物の質量分析の結果を以下
に示す。 FAB-MS(グリセロール) 257([M−H]-
【0025】実施例7 クエン酸の代わりにコハク酸を用いたこと以外は、すべ
て実施例2と同様に行った。得られた反応物を水で希釈
し、質量分析を行ったところ、5−ヒドロキシメチル−
2−フルフラール コハク酸エステルの構造であること
が確認された。該化合物の質量分析の結果を以下に示
す。 FAB-MS(グリセロール) 225([M−H]-
【0026】比較例1 d1−リンゴ酸の代わりにフマル酸を使用したこと以外
は、すべて実施例2と同様に反応を行った。得られた反
応物を水で希釈し、質量分析を行ったところ、目的とす
る5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール フマル酸
エステルの生成を確認することができなかった。
【0027】比較例2 d1−リンゴ酸の代わりにフマル酸を使用したこと以外
は、すべて実施例4と同様に反応を行った。得られた反
応物を水で希釈し、質量分析を行ったところ、目的とす
る5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール フマル酸
エステルの生成を確認することができなかった。
【0028】比較例3 予め乳鉢で磨り潰しておいたフマル酸75mgとスクロ
ース50mgを試験管の中で混合した。これに、酸触媒
として酒石酸5mgを加えた後、実施例2と同様に15
0℃の油浴上で6分間反応を行った。得られた反応物を
同様にして蒸留水で希釈し、質量分析を行ったが、目的
とする5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール フマ
ル酸エステルの構造を確認できなかった。
【0029】実施例8 予め乳鉢で磨り潰しておいたコハク酸75mgとスクロ
ース50mgを試験管の中で混合した。これに、酸触媒
として酒石酸5mgを加えた後、実施例2と同様に油浴
上で反応を行った。得られた反応物について同様にして
質量分析を行ったところ、5−ヒドロキシメチル−2−
フルフラール コハク酸エステルの構造を確認すること
ができた。該化合物の質量分析の結果を以下に示す。 FAB-MS(グリセロール) 225([M−H]-
【0030】実施例9 予め乳鉢で磨り潰しておいたクエン酸75mgとフルク
トース50mgを試験管の中で混合した。この試験管を
ブンゼンバーナーの火炎で10秒間加熱した。加熱温度
は800℃以上と考えられる。反応混合物を水で希釈
し、MSを測定したところ、5−ヒドロキシメチル−2
−フルフラール クエン酸エステルの生成が確認され
た。該化合物の質量分析の結果を以下に示す。 FAB-MS(グリセロール) 299([M−H]-
【0031】実施例10 予め乳鉢で磨り潰しておいたクエン酸75mgとフルク
トース50mgを試験管の中で混合した。この試験管を
60℃に設定したオーブンで5日間加熱した。反応混合
物を水で希釈し、MSを測定したところ、このものは5
−ヒドロキシメチル−2−フルフラール クエン酸エス
テルであることが確認された。該化合物の質量分析の結
果を以下に示す。 FAB-MS(グリセロール) 299([M−H]-
【0032】実施例11 予め乳鉢で磨り潰しておいたクエン酸100mgとフル
クトース50mgを試験管の中で混合した。この試験管
を150℃に設定した油浴上で1分間加熱した。反応混
合物を実施例1と同様にしてHPLCで分析した。ま
た、反応時間を種々変えた実験を行い、5−ヒドロキシ
メチル−2−フルフラール クエン酸エステルの生成量
を比較した。結果を第1表に示す。表から明らかなよう
に、反応時間が約4分から10分の間で最大の生成量と
なった。
【0033】
【表1】 反応時間(分) エステル生成量(mg) ──────── ───────────── 1.0 0.5 1.5 1.5 2.0 2.0 3.0 4.2 5.0 5.5 10.0 4.9
【0034】実施例12 予め乳鉢で磨り潰しておいたクエン酸50mgとフルク
トース25mgを試験管の中で混合した。この試験管を
150℃に設定した油浴上で6分間加熱した。反応混合
物を実施例1と同様にしてHPLCで分析した。また、
フルクトースの比率を種々変えた実験を行い、5−ヒド
ロキシメチル−2−フルフラール クエン酸エステルの
生成量を比較した。結果を第2表に示す。表から明らか
なように、フルクトースの比率を変えても目的のクエン
酸エステルは生成するが、原料と生成物の比率から、フ
ルクトース量を25〜50mgとして反応させたとき、
最も反応効率が良いことがわかった。
【0035】
【表2】 フルクトース量(mg) エステル生成量(mg) ──────────── ───────────── 25 1.9 50 4.4 75 5.3 100 5.2 150 7.5 200 6.7
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、5−ヒドロキシメチル
−2−フルフラール有機酸エステル類を安価に、かつ安
定的に供給することができる。これらは、血流改善作用
の他、種々の生理活性が期待される。また、本発明によ
る該化合物の製造法は、毒性のある溶媒や試薬を用いる
ことなく、食品添加物として認められている物質のみを
原料としており、しかも簡便な方法である。さらに、本
発明は糖類を利用した高付加価値製品の製造技術とし
て、糖類の新たな需要を開拓するものとして期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2のHPLC溶出クロマトグラムであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 598045634 春見 隆文 茨城県牛久市中央1丁目3−4 (73)特許権者 598045645 一色 賢司 茨城県つくば市下広岡668−11 (72)発明者 小野 裕嗣 茨城県つくば市吾妻1丁目1−1 603 棟805号 (72)発明者 忠田 ▲吉▼弘 茨城県つくば市吾妻1丁目1−1 603 棟520号 (72)発明者 春見 隆文 茨城県牛久市中央1丁目3−4 (72)発明者 一色 賢司 茨城県つくば市下広岡668−11 (56)参考文献 米国特許3014927(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/46 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表される5−ヒド
    ロキシメチル−2−フルフラール有機酸エステル。 【化1】 (式中、Rはシュウ酸,リンゴ酸および酒石酸の中から
    選ばれる有機酸の残基を示す。)
  2. 【請求項2】 6炭糖構造を有する糖類と有機酸(ただ
    し、α位に2重結合を持つものを除く)を、無溶媒下で
    反応させることを特徴とする5−ヒドロキシメチル−2
    −フルフラール有機酸エステルの製造法。
  3. 【請求項3】 糖類が、スクロース,グルコース,マン
    ノースおよびフルクトースの中のいずれかである請求項
    2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 有機酸が、シュウ酸,リンゴ酸,酒石
    酸,クエン酸およびコハク酸の中のいずれかである請求
    項2記載の製造法。
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DE102007007629A1 (de) * 2007-02-16 2008-08-21 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Herstellung von 5-Hydroxymethyl-furfural über 5-Acyloxymethyl-furfural als Zwischenprodukt
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